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蟻地獄の子
あの土地に生まれた女衆は、産声あげた瞬間に見えない鎖で繋がれる Kさんは、その見えない糸のことを「土地の鎖」と呼んでいた。地名も風景もよく分からず、まるで実態が見えてこない、「X県の海の近く」にある集落。「お姉さんに、何があったの?」思いきって聞いてみた。Kさんは視線を上げ、静かな眼差しで私を凝視した。「私を逃がす代償に、崖下で、むごく潰されてん」Kさんの目は、今まで見せたことのない黒々と鈍い光を湛えていた。(「蟻地獄の子」より) 得体の知れない因習村から逃げてきた少女、夏になると四人の轢死体を作り出す急行電車、家の中に棲みついた気味の悪い黒虫……。文芸誌などに掲載されたのち、単行本未収録だった短篇作品を厳選。電子オリジナルの怪奇・ホラー短編集。 *蟻地獄の子 *枕木嘔吐 *母とクロチョロ *中古獣カラゴラン *いきなおし *きたぐに母子歌 *しゃり坊 *下魚 *死にパパたちの矜持 *死にママたちの告げ口 *Z村は見ていた ●雀野日名子(すずめのひなこ) 石川県で生まれ、福井県と大阪府で育つ。ゴーストライターやノベライズライターから物語執筆へと移行し、『機械仕掛けのアン・シャーリー』でジャイブ小説大賞入選。『あちん』で「幽」怪談文学賞短編部門大賞を受賞し、同作で小説家デビュー。『トンコ』で日本ホラー小説大賞短編賞受賞。「雀野日名子」名義での単著に、『太陽おばば』『幸せすぎるおんなたち』『終末の鳥人間』『かぐや姫、物語を書きかえろ!』などがある。カルト映画と80sをこよなく愛する、文壇アレルギー症。 -
アリス、アリスと呼べば
〈 人が人への信頼を失ったら、その先には何が残るっていうの? 〉 ◉洗練された文体と神秘的なスタイルで注目される韓国文学の新鋭による短編集。 ◉夢と現実が交差する迷路のような物語は、私たちの目を世界の本質へと向ける。 ◉共生の感覚を回復させる魅惑的な8つの物語。 --------- 「わからないかな?これが普通なんだという確信、もしくはこれが普通であるべきだと信じて疑わないこと、それこそが本当の「悪」なんだよ」 マイノリティへの憎悪やネットヘイトに満ちた世界を生きる今。 「人が人を助けねば」という現代社会に求められる声に耳をすました小説集。 洗練された文体で描く幻想的な物語をとおして、良かれと思った〝優しさ〟が往々にして他者を傷つける〝独善〟になってしまうような、現実世界の複雑さを見つめていく。 --------- 【目次】 ・あなたのいた風景の神と眠らぬ巨人 ・アリス、アリスと呼べば ・海辺の迷路 ・夜の潜泳 ・チャンモ ・人が人を助けねば ・夜は輝く一つの石 ・メゾと近似 ・あとがき ・訳者あとがき -
アリスが語らないことは
大学卒業を数日後に控えたある日、ハリーは父親が事故死したという知らせを受ける。急ぎ実家に戻ると、傷心の美しい継母アリスが待っていた。葬儀の翌日、ハリーは刑事から意外な話を聞かされる。父親は海辺の遊歩道から転落して死亡したが、その前に何者かに殴られていたという。しかしアリスは父の死について話したがらず、ハリーは疑いを抱く。――これは悲劇か、巧妙に仕組まれた殺人か? 過去と現在を行き来する2部構成の物語は、ある場面で、予想をはるかに超えた展開に! 『そしてミランダを殺す』の著者が贈る、圧巻のサスペンス!/解説=吉野仁 -
有栖川有栖選 必読! Selection
あなたはまだ“新本格作家”笹沢左保の恐るべき実力を知らない! 有栖川有栖がセレクトした、笹沢左保のベストミステリ。 多重トリックで翻弄する記念すべき長篇第一作。 【有栖川有栖さん、大推薦!】 密室×アリバイ×暗号×? いくつものトリックと罠を埋め込んだ1960年代の華麗な〈新本格推理〉。 この面白さは決して古びない! 裏切り者を消せ!――組合を崩壊に追い込んだスパイとさらにその恋人に誤認された女性が相次いで殺され、事件は容疑者の事故死で幕を閉じる。 納得の行かない結末に、倉田警部補は単独捜査に乗り出すが……。 アリバイ崩し、密室、暗号とミステリの醍醐味をぎっしり詰め込んだ、著者渾身のデビュー作。 虚無と生きる悲しさに満ちたラストに魂が震える。 〈トクマの特選!〉第一回配本。 〈目次〉 Introduction 有栖川有栖 招かれざる客 Closing 有栖川有栖 -
有栖川有栖の密室大図鑑
本格ミステリの魅力的な要素のひとつ、密室トリック。犯行状況を思い浮かべたり、作品に挿入されている図版に心躍らせたりする読者の方も多いはず。本書は、1892年~1998年に発表された国内外の名短編、名長編、中でも魅惑的な密室が登場する作品を有栖川有栖がセレクトし、磯田和一の詳細なイラストとともに贈るブックガイドである。発表順に“世界最初の長編密室ミステリ”といわれるイズレイル・ザングウィル『ビッグ・ボウの殺人』をはじめとした海外20作、横溝正史『本陣殺人事件』など国内20作、さらに有栖川作品から磯田がセレクトした『スウェーデン館の謎』を加えた全41作を紹介する。密室ファン必携の書。/【目次】/はじめに/新潮文庫版まえがき/ビッグ・ボウの殺人/十三号独房の問題/黄色い部屋の謎/急行列車内の謎/八点鐘/犬のお告げ/密室の行者/エンジェル家の殺人/三つの棺/帽子から飛び出した死/チベットから来た男/妖魔の森の家/北イタリア物語/51番目の密室/帝王死す/はだかの太陽/ジェミニー・クリケット事件/そして死の鐘が鳴る/投票ブースの謎/見えないグリーン/D坂の殺人事件/蜘蛛/完全犯罪/燈台鬼/本陣殺人事件/刺青殺人事件/高天原の犯罪/赤罠/赤い密室/名探偵が多すぎる/花の棺/ホロボの神/求婚の密室/天外消失事件/人形はテントで推理する/緑の扉は危険/哲学者の密室/ローウェル城の密室/すべてがFになる/人狼城の恐怖/スウェーデン館の謎/あとがきに代えて……=磯田和一/参考文献/創元推理文庫のためのはしがき/創元推理文庫版解説=松浦正人 -
不実在探偵の推理
いつだって僕は彼女の助手だ。目には見えない、“名探偵”の彼女の。 マンション内で女性が毒死した。その手に藍の花を強く握りしめて。 殺人か、それとも自殺か。 立て続けに、彼女の恋人も自殺を図る。 途方に暮れた刑事の百鬼は、烏丸とともにある“名探偵”を頼りにいくーー。 Q.藍の花を握って恋人が死んだのを聞かされた男が自殺したのはなぜか 謎はすべて解けている。あとはその名探偵の推理を知るだけだ。 目に見えない彼女と会話をするには、サイコロをふる。出た目が1なら「はい」、2なら「いいえ」、3なら「わからない」。 質問を重ねて、真実に辿り着け。 新感覚の水平思考×ミステリー! -
アリスの国の殺人<新装版>
「このミス」「週刊文春ベスト10」「ミステリが読みたい」2021年版で3冠達成の著者の代表作。日本推理作家協会賞受賞作! 「このミス」「週刊文春ミステリーベスト10」「ミステリが読みたい!」2021年版で3冠を達成した著者の代表作! 日本推理作家協会賞受賞作品! コミック雑誌創刊に向けて鬼編集長にしごかれる編集者の綿畑克二。ある日、行きつけのスナック「蟻巣」で眠りこけ、夢の中で美少女アリスと出会う。そして彼女との結婚式のさなか、チェシャ猫殺害の容疑者として追われるはめになった。目が醒めると、現実世界では鬼編集長が殺害されており、ここでも殺人の嫌疑をかけられてしまう。二つの世界で無実を証すために事件の真相を追うことになった。日本推理作家協会賞受賞の長篇ミステリー。 -
アリスはどこへ行った?
ブロードウェイミュージカル原作『ウィキッド』の著者が贈る、もうひとつの『不思議の国のアリス』。私たちがよく知るあの物語の裏では、いったい何が起きていたのか?生きることとは。大切な人を失うこととは。想像力とは。著者が物語に込めたのは、とても奇妙で、でも大切なメッセージ。 ある夏の日、アリスが消えた。どこへ行ったのかと、後を追いかける友人。妹がいなくなっても、無関心な姉。妻を亡くした悲しみから立ち直れず、娘がいなくなったことさえ知らない父親。1860年代オックスフォードを舞台に、それぞれにとっての長い長い一日が、いま幕を開ける――。 -
アリス連続殺人
『オックスフォード連続殺人』に続く アルゼンチン発の傑作本格ミステリー 碩学の名探偵セルダム教授、再臨。 ルイス・キャロルの喪われた日記をめぐる 奇怪きわまる死の連鎖の謎に挑む! スペイン最高の文学賞、ナダール賞を受賞。 「私」はアルゼンチンから来たオックスフォード大学の給費留学生。2年目の課題として筆跡に関するプログラムの開発に取り組むなか、旧知の数学者セルダム教授から秘密の依頼を受ける。 ルイス・キャロルの喪われた日記にまつわる、新出の書類の筆跡鑑定をしてくれというのだ。 ルイス・キャロル同胞団内部に蠢く不穏な空気を破ってやがて幕を開ける悲劇。アリスと数理数列に彩られた知の迷宮に挑むセルダムの叡智が見出した真実とは。 アルゼンチン発、本格ミステリーの新地平!(解説・三門優祐) ◆奇妙奇天烈な極上の「謎解きミステリ」。 本作に盛りに盛られた数々の要素は、まさに英国の黄金時代ミステリを彷彿とさせてくれる。しかし、作者はそれを見事に統御し、複雑怪奇な謎、丁寧な伏線呈示と回収、そして意外ながらしっかり論理的な解決の物語を作り上げた。たとえすれっからしのマニアであっても、その腕の冴えに満足し、結末では「ひぇーっ!」と叫び声をあげてしまうこと間違いなしである。――三門 優祐(ミステリ評論家)解説より -
アリゾナ・ハイウェイ
移動する時間の長さが違えば、 別れと、別れの後の出発の仕方も違うはずだ。 ある者はロディオ・ライダー。かつて栄光に輝いた彼も 今年は惨敗、負傷し、おまけに妻は1人になりたがっている。 そのロディオ・ライダーを空港まで大きなオートバイで送り届けた 日本人青年も、西海岸から東海岸までの長い移動を 妻との別れ話にあてる、という試みの最中だ。 いっぽうで帰宅してみたら愛する妻と子は書き置きを残して 家を出てしまった、という歌を好んでいた長距離トラック・ドライヴァーは 自分も歌の内容と寸分たがわぬ人生を歩むことになる。 別れの痛みとともにある人々を慰撫するのは、 アリゾナのむき出しの荒野だけだ。 【著者】 片岡義男:1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。76年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。 -
アリとダンテ、宇宙の秘密を発見する
米国発、LGBTQ+青春小説の金字塔! 1987年の夏、メキシコとの国境に近い町エルパソ。両親と暮らすメキシコ系の15歳の少年アリことアリストートルは、自分にも家族にもまわりの世界に対しても、正体のわからない違和感と苛立ちを覚えていた。そんなある日、苦手な水泳の練習のために訪れたプールで、同い年のメキシコ系の少年ダンテと出会い、泳ぎを教えてもらうことに。独特の感性も臆さず、屈託なく自分をストレートにぶつけてくるダンテと、お互いの愛情を素直に表現し合う彼の家族に驚きつつも、アリは彼らに惹かれ、友情を育んでいく。そしてさまざまな「事件」や「別れ」を通して、アリはダンテとともに「宇宙の秘密」ーーこの世の真実に気づいていく…。 ラムダ賞、ストーンウォール賞他数々の文学賞を受賞、タイム誌の選ぶオールタイムベスト100冊(YA部門)選出、2023年9月には全米映画公開。十代から親世代まで、すべての人に今だからこそ読んでほしい、限りなく美しく瑞々しいLGBTQ+青春小説の金字塔! (底本 2023年8月発売作品) -
アリハラせんぱいと救えないやっかいさん (角川ebook)
「わたし、北大に行きます。真の変人と出会わんがために!」 北海道大学2年、コドリタキ。珍妙なせんぱいと、身体を張った「変人研究」はじめました。 「自称」変人の皆さんへ。――住野よる(作家) 住野よる氏も共鳴! 個性という言葉が切々と胸に迫る、こじらせ系青春小説! 特別な自分の演出のために変人ぶろうとする、偽りの変人。それが、通称“やっかいさん”。 北海道大学2年コドリは、ある理由から“真の変人”を追い求めている。だがそれゆえ、やっかいさんから好かれがち。 ある日、心理系コース4年・アリハラと「とんでもない出会い方」をする。アリハラはコドリとやっかいさんらの関係に興味津々……かきまわし、あらゆるイベントを起こしたがる。 「アリハラこそ真の変人なのではないか?」と希望を持ったコドリは、あえて振り回されるうち、封印していた自分の気持ちと向き合うように。 しかし、アリハラには別の目的があった……。 あなたは「特別な人」ですか? それとも「やっかいさん」ですか? 読み終えたあとは自由になれる、今までにないこじらせ系青春小説! ※本書は、2017年2月2日に配信を開始した単行本「アリハラせんぱいと救えないやっかいさん」をレーベル変更した作品です。(内容に変更はありませんのでご注意ください) -
アリバイ奪取 笹沢左保ミステリ短篇選
アリバイが消えたとき、笑うのは誰だ? 没後20年。「木枯し紋次郎」だけじゃない、ミステリ作家の面目躍如。本格推理から、サスペンス、そして著者の真骨頂たる宿命小説まで、バラエティに富んだ作品8篇をセレクトする。 *収録作品 殺してやりたい 十五年は長すぎる お嫁にゆけない 第三の被害者 不安な証言 鏡のない部屋 アリバイ奪取 「笹沢左保君の活動ぶりはまことに驚異である。ここに集録されている作品などは笹沢君の実力を示すものであろう。「鏡のない部屋」は醜女の悲劇を扱った傑作だ(中略)。それにしても笹沢君の力量は、はかり知れないものがある。現在、推理作家中、最も多作をしているようだが、それでいて、駄作が見当らないから敬服のほかはない。」(『鏡のない部屋』〈宝石社、1963年〉に寄せた江戸川乱歩のコメント) -
ありふれた人間関係論よりイソップ童話
「アリとキリギリス」「北風と太陽」「ウサギとカメ」……誰もが知っているこれらの物語は、イソップというギリシャ人が考え出した寓話です。彼は当時の政治や社会を風刺するために、この『イソップ童話』を書いたのだといいます。つまり、ここに描かれているキャラクターたちは現実にいる人間をモデルにしており、私たちは彼らから人間関係のコツを学ぶことができるのです。本書では心理カウンセラーである著者が、イソップ童話を用いて身近な人間関係の悩みをカウンセリング。人と気持ちよく付き合うノウハウを紹介します。「誠実さは何よりの宝――金の斧と銀の斧」「その場に応じた対応をしないとうまくいかない――獣の国と鳥の国」など、気軽に読めて役立つ話が満載。人付き合いがラクになること間違いなしの一冊です。さあ、あなたもイソップの動物たちといっしょに、人間関係に強くなりましょう!『イソップ物語に隠された人間関係の成功法則』を改題。 -
アリブランディを探して
ジョセフィン・アリブランディは,恋に,大学受験に大忙しの,オーストラリアの女子高生.お母さんは未婚でジョセフィンを産んでおり,おまけにアリブランディ家はイタリア系移民.ジョセフィンは,他人から貼られるレッテル全てから解放されたいと,切に願っています.そこへ,一度も会ったことのなかった父親が現れ……. -
有吉佐和子ベスト・エッセイ
研ぎ澄まされた美意識旺盛な好奇心と行動力 有吉佐和子のエッセイ集ベスト版! 『華岡青洲の妻』『恍惚の人』『青い壺』『非色』・・・・・・ 今また読まれている理由がこの1冊でわかる。歴史や社会問題、伝統芸能から現代人の心の機微まで、作品のテーマは多岐にわたり、また書くものは次々にベストセラーとなった昭和を代表する作家・有吉佐和子。若くして始まった作家人生を支えたのは美への探究心や旺盛な好奇心、行動力であった。その明るくバイタリティに溢れる人物像や創作の現場がうかがえるエッセイやルポルタージュをまとめる。ちくま文庫オリジナル・アンソロジー。 -
有吉弘行くらやみ格言集
芸人・有吉弘行による「365日くらやみカレンダー」が、4冊の「くらやみ格言集」となりました。 本人直筆の「言葉」と、その真意を披歴した「解説」とで構成された本書は、悩み多き我々に必読の書となるでしょう。 酸いも甘いも知った有吉弘行による含蓄ある金言を、ふとした時に拝めば、今日も生きる勇気が湧いてくる。 そして、あなたも気付くはず。人間はかくも愚かで愛おしい、と――。 本書は『有吉弘行くらやみ格言集』のVol.01、「炎の叱咤激励」編。 有吉先生からの厳しくも温かいお言葉に耳を傾ければ、先が見えぬこの時代を生き抜く勇気になるはず――。 ※他にも「地獄のぼやき」編(Vol.02)、「亡者の悲哀」編(Vol.03)、「愛しき愚劣」編(Vol.04)が配信中です。 また、Vol.01~04を1冊にまとめた「合冊版」もありますので、お好みに合わせてお買い求め下さい。 ※本書は、2021年2月刊行の紙書籍の作品『有吉弘行365日くらやみカレンダー』を基に、体裁・構成・書名などを変更して作成しました電子オリジナル版となります。 ※この商品は固定レイアウトで作成されており、タブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 -
有吉弘行くらやみ格言集【合冊版】
芸人・有吉弘行による「365日くらやみカレンダー」が、4冊の「くらやみ格言集」となりました。 本人直筆の「言葉」と、その真意を披歴した「解説」とで構成された本書は、悩み多き我々に必読の書となるでしょう。 酸いも甘いも知った有吉弘行による含蓄ある金言を、ふとした時に拝めば、今日も生きる勇気が湧いてくる。 そして、あなたも気付くはず。人間はかくも愚かで愛おしい、と――。 本書は、Vol.01~04を1冊にまとめた「合冊版」。365もの珠玉の格言が全て読める、700ページ超のボリュームなのにお買い得な逸品です。 「くらやみ」だけに投げかけられる言葉は少々キツめですが、読み進めていくうちに妙に腹落ちしている自分に気が付くはずです。 まとも過ぎる「正論」はびこる世界に疲れたら、ぜひ本書で笑いながら癒されて下さい。 ※他にも「炎の叱咤激励」編(Vol.01)、「地獄のぼやき」編(Vol.02)、「亡者の悲哀」編(Vol.03)、「愛しき愚劣」編(Vol.04)が配信中です。 各巻個別に揃えるか、合冊版でイッキ読みするか、お好みに合わせてお買い求め下さい。 ※本書は、2021年2月刊行の紙書籍の作品『有吉弘行365日くらやみカレンダー』を基に、体裁・構成・書名などを変更して作成しました電子オリジナル版となります。 ※この商品は固定レイアウトで作成されており、タブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 -
有吉メモ
有吉弘行の頭にうつりゆくよしなしごとをそこはかとなく書き綴ったメモの数々。「有吉メモ」は、そんな有吉氏のメモとともに、あなた自身のメモも書き綴れるオリジナルメモ帳です。日記のように毎日使うもよし、何か気づいたときに書き留めるために使うもよし。「バイデン昭和17年生まれ午年」「みんなが褒めてくれない仕事にこそ価値がある」など、有吉氏が日々書き留めたメモは果たして含蓄ある金言か、便所の落書きか――。有吉氏のメモだけでも読む価値ありですが、ぜひ自分だけのオリジナルの1冊を作り上げていただきたいです。 ※電子書籍版は、紙書籍版とは体裁が異なります。紙書籍版では読者の皆様が自由にメモ書きできる余白のスペースを大きく設けてある一方、電子書籍版ではメモ書き用の余白を無くして「本日の有吉メモ」を大きく見せるデザインに改めています。 ※この商品は固定レイアウトの画像で構成されるページが多い為、比較的大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、画像で表示されたページでは、文字列のハイライト・検索・辞書の参照や引用などの機能が使用できません。 -
女人国伝奇
蜀山人が「全盛の君あればこそこの廓は 花も吉原月も吉原」と頌歌をささげた松葉屋の花魁・薫。抜群の美貌と聡明さ、そして見事な侠気で、この女人国の苦海を泳いでゆく。欲と金、色恋の深淵、侍の意地……。快楽の国・吉原で起こる奇っ怪な出来事に、鼠小僧次郎吉、葛飾北斎、遠山の金さんなどが絡んでゆく、山田風太郎ワールド。 -
ある愛の寓話
デビュー30年記念作品、待望の文庫化! 捨てられた猫、恋人の犬、カエルのぬいぐるみ…言葉は交わせなくても、私は愛している。異質な存在との触れ合いを描いた傑作短編集。 長年連れ添ったカエルのぬいぐるみ 「晴れた空の下」 恋人が引き取ったラブラドル・レトリーバー 「同じ夢」 偶然出合った、余命が短い捨て猫 「世界を取り戻す」 人の手を渡り歩く、ナンタケット・バスケット 「グレイ・レディ」 かつて共に草原を駆けめぐった愛馬 「乗る女」 戦後のシベリアで心を通わせた看護婦 「訪れ」 単行本 2023年1月 文藝春秋刊 文庫版 2025年12月 文春文庫刊 この電子書籍は文春文庫版を底本としています。 -
歩いていく彼のヴァリエーション
「彼」は放り出され、一人で歩いていく 6つのエピソードからなる短篇だが、一筋縄ではいかない。 なにしろ、6つがバラバラなのだ。 最初の章に男が6人(6人、とわざわざ書いてある)出てくるから、 その6人の、それぞれのエピソードを書いたもの、 という解釈も成立するだろうが、まったく違うかもしれない。 6人の男は女を見て、会話をして、電話で話し、結婚もせず、 別れ話を受け入れ、その後の自分の人生を歩いていく。 この短篇のテーマは、あるいは「孤独」かもしれない。 【著者】 片岡義男 1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。http://kataokayoshio.com/ -
歩いている女
信吾とみや子は、同人雑誌の仲間であり、恋人未満の煮え切らない仲であった。信吾はテレビドラマのプロデューサー、佐竹のもとへ脚本を持ち込んだが不採用。しかし、みや子を紹介してほしいと頼まれる。佐竹は今度のドラマの主演女優としてみや子に目をつけたのだ。一度は断ったみや子を説得し、女優の道に進ませた信吾だったが……。仕事に悩み、恋につまずき、新たな扉を開けながら歩いていく青春群像。 -
歩いて占う、てくて句 川柳文字放送
「トイレ占い ノックにノッ句」「げんそ占柳 エレメントスクール」に続く、著者待望の第3集。著者は1972年に生まれ、東京都昭島市コミュニティーサークルの「くじら川柳」に参加し、川柳作家・大木俊秀に師事。川柳にとどまらず、川柳と占いを融合させた「占柳作家」を目指し精力的に活動中。本著の元ととなるブログ「ふといしうたに川柳文字放送」は2019年10月に本格スタートした。 はじめまして川柳作家の太石詠二です。せんりゅう、とは、17音で詠む(よむ)俳句とは異なる、季語や切れ字を使わなくてもいい自由に詠める日本発祥のポエムpoemです。 川柳詠します。 これからもよろしくおねがいたします(#001 2019年10月5日ブログより) 本著では上記#001から2020年4月1日の#181までの181編を収録。著者の日々の出来事、折々で感じた心の動きが時に真剣に、時にユーモラスにエッセイ化され、ブログのタイトルは川柳で表現されている。#014からは「今日の占い川柳、略して占柳」としてエッセイの最後に別の1句がつき、着実に占柳作家としての道を歩んでいる著者である。 朝3時ブログと本と歯磨きと お手伝いして本業の試金石 どうしようポテトのSと迷います 午前二時むさぼるように読みました 夜食には毎日魚肉ソーセージ なに食おうラーメンにしたようだ彼 ラッキーな恋とは過去を振り向くな -
ある意味、
異色のエンターテインメント家族小説! 比良山家は、文也が大学二年生のときから三年間引きこもり、妹の結美が、中学でイジメにあってからグレてしまった19歳。母親の智恵子は、文也が引きこもってしまってからアルコール依存症になり、会社員である父親の浩三は、影の薄い存在だったが最近家に帰っていない、という「崩壊家族」だった。 そこに、父親が借りた借金の返済を求め、ヤクザの岩田がやってくる。岩田は家に居座ると宣言し、やりたい放題を行う。父親探しを命じられ、文也は否応なしに外に出る。妹や母親も、岩田の強引な指図に従ううちに、だんだんとフツーになっていき、いつしか岩田を中心に団欒らしきものが生まれていた。 そして、浩三はこれまで大きな悩みを抱えて生きてきたことが明らかになる。父親の居場所を聞いた文也と結美は、彼の元を訪ねていくのだった。意表を突く展開、ブラックなユーモア、異色の家族小説。 第9回小学館文庫小説賞優秀賞受賞作。 -
ある女と娘のロング・グッドバイ
家族という名のもっとも身近な地獄を描いた、母と娘の半世紀にわたる葛藤と救いの物語。 「愛の糸」に縛られた母と娘。 その糸が切れたとき、本当の自由が訪れる。 母の死後、不思議な手紙に促され、書き始めた「母の物語」。 実の娘、真波に激高する母。 しかしその暴言の奥に隠れた母の悲しみや寂しさ。 「母の物語」を書き進めることにより、母を理解し直していく真波。 母と娘、互いに理解し合うときは来るのか──。 どうしてもっと早く愛されていることに気づかないのだろう? 愛すること、愛されること、それを学ぶために私たちは生まれた。 どんなに近くにいても伝わらない愛がある。 母と娘の愛と葛藤を描いた、家族小説。 -
アルカリ色のくも 宮沢賢治の青春短歌を読む
歌人9人が短歌を鑑賞し賢治の心情に寄り添う。賢治短歌の成立についての論考も収載。 賢治短歌は、のちの文学的開花に至る若書きと考えられてきたが、大胆な分かち書き、独創的な表象をモチーフにした歌など、特異な個性に満ちている。そしてその魅力は評者の経験や文学的感受性により多様な詠みができることである。 15歳盛岡中学入学の折より詠み始め日記がわりにノートに書き留めたというが、詩情あふれる表現は中学生のレベルを超えている。卒業後、生家にもどるしかなかった賢治は、入院もし先行きのない不安になやまされる。この時期の歌風は内省的な心情が色濃く反映されている。一年の浪人の末、盛岡高等農林学校に入学した賢治は、文芸誌「アザレア」という発表の場を持つ。それまでの自閉的作品からは一線を画した後の児童文学、詩を想起させるような作品を生み出す。短歌はいうまでもなく一人称詩型を基本とするが、賢治短歌は現実の自分を超えた架空の自分を創出していく。さらに高校卒業後、肋膜を患いつつも土壌調査を続ける中で詠まれた連作群がある。31文字には収まり切れないと言わんばかりの緊迫感をもった連作である。短歌という文学手段から散文へと移行してゆく離陸期とも捉えられよう。 こうした賢治の思春期、青年期と、短歌の鑑賞を併せ読むことにより、賢治短歌にあらたな地平を広げる一書である。 鑑賞する歌人は、内山晶太、大西久美子、尾﨑朗子、梶原さい子、嵯峨直樹、堂園昌彦、土岐友浩、吉岡太朗。賢治短歌研究の第一人者である佐藤通雅氏の論考「賢治短歌の成立」も収載
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