海と毒薬

海と毒薬

671円 (税込)

3pt

腕は確かだが、無愛想で一風変わった中年の町医者、勝呂。彼には、大学病院時代の忌わしい過去があった。第二次大戦時、戦慄的な非人道的行為を犯した日本人。その罪責を根源的に問う、不朽の名作。

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海と毒薬 のユーザーレビュー

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    Posted by ブクログ

    名作だった。
    戦時中、捕虜となった白人を生体解剖するという、倫理的問題を真正面から描いた作品。
    実際の事件を基にしている。
    どうせ死ぬ命なら、実験で多くの人の役に立てるほうが良いとして行われた行為に対し、勝呂医師は深い葛藤を抱く。
    一方、戸田医師は自分には心がないのかと良心の呵責を求めて実験に参加す

    0
    2025年10月20日

    Posted by ブクログ

    ほんとに本って忘れちゃう、
    すごく陰のある話だったけど読んで受けた衝撃がすごかった。
    個人的には芥川の人間失格と近いものを感じた

    0
    2025年09月08日

    Posted by ブクログ

    罪悪感って外からは見えないけど、本人の中では一生消えない重りになる。しかも裁判とか法律で裁かれる以上に、ずっと自分自身に裁かれ続ける。

    0
    2025年08月27日

    Posted by ブクログ

    第二次世界大戦中の1945年に、福岡県福岡市の九州帝国大学(現九州大学)医学部の解剖実習室で、アメリカ軍捕虜8人に生体解剖(被験者が生存状態での解剖)が施術された事件を元に書かれた小説。解剖実験に疑問を抱く勝呂、逆に全く疑問も良心の呵責もない戸田という2人の研究生を軸に話が進む。

    戦時中の人体実験

    0
    2025年08月19日

    Posted by ブクログ

    戦争文学の面白さが詰まった作品
    共テ演習とか二次国語で扱われる小説の中でも戦争文学は群を抜いて自分を引き込むものがある。日本史選択で戦争へ向かっていく日本をマクロ的な視点でしか勉強していないせいでミクロ的な視点でその時代に生きる人々の生活文化を知ることは難しいが、戦争文学はそれを媒介してくれる。

    0
    2025年03月20日

    Posted by ブクログ

    治療や解剖の様子が妙にリアルに書かれていて、読んでいる此方まで体が痛くなってきた。

    解剖に参加した人間が単なる異常者というわけでもなく、放心状態で促されるままの人、自分の立ち位置のために心を押し殺した人など、日本人の特質が垣間見えるように書かれていた。

    自分の行為に良心を見つけようとする姿は本当

    0
    2025年01月07日

    Posted by ブクログ

    戦時中、捕虜の米兵を使って人体実験を行うという物語。
    戸田のキャラクターというか考え方が非常に自分自身に重なって刺さりました。その瞬間・瞬間には罪の意識を強烈に感じるけども、ふとしたきっかけでコロッと忘れる。ほんとにあるある過ぎて自身の性格を言語化されたみたいでした。
    また、ドイツ人の看護婦さんがよ

    0
    2024年08月13日

    Posted by ブクログ

    重い内容、暗い話で終始どんよりした雰囲気の小説だと感じた。人間の汚い内面が色々見えて共感出来たり出来なかったり…。
    思っていたよりも分かりやすくて読みやすかった。勝呂と戸田の対比が面白いし、上田の醜いところなんかは多少なりとも共感出来る人も多いんじゃないかと感じた。

    0
    2024年08月13日

    Posted by ブクログ

    面白いと思った。導入から本編に入る所は頁を捲る手が止まらなかった。170頁ほどで、2時間半ほどで読み終えれるのに対しての満足感、読み応えを確り感じることが出来た名作。第二章が特に良かった。分かりやすいもので例えるとすると夏目漱石のこころと通じるような、日本人らしい後ろめたさのある心情を上手く掬いとっ

    0
    2024年07月24日

    Posted by ブクログ

    生体解剖実験に携わった人たちの話。
    罪への向き合い方、命そのものについて深く考えさせられた。自分の罪を責める人の苦しい心情が伝わってきて読んでいて苦しくなることもあったけれどいい学びになったと感じた。また読みたい

    0
    2025年12月02日

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