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真っ直ぐに生きる海の人たち――。浜辺の町を舞台に、腕利きの漁師である父親と二人で暮らす少年健太郎と、都会からの転校生可南子、担任の若い教師紀子先生との交流を鮮やかに描く。「海族」と名乗る灰谷氏が綴る浜っ子言葉は、軽やかであくまでも陽気である。海に生きる人々が持つ根本的な明るさは、あらゆる苦しみを乗り越え、全ての人の心に育まれてゆく。眩しい海の光が詰まった一冊。
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Posted by ブクログ
『太陽の子』に続いて、この作品もまた 後世まで読み継がれてほしい1冊。 灰谷健次郎の作品は、児童文学という ジャンル付けをされているものの、 「他人の目線で考えてみる」ことが 苦手になってしまった現代人にとって、 想像の仕方から教えてくれるような 手取り足取りの物語だと思う。 今よりも、少し前の...続きを読む時代の港町で育つ主人公。 父親は漁師で、母はいない。 小学校の同じクラスにも主人公と同じ、 親が漁師の子供がいたり、 母親と二人で暮らす女の子がいたり。 人それぞれの境遇を持つ、 教室という小さな社会で育てられる子どもたちは、 港町ならではの「漁師や漁業について勉強しよう」 と提案する先生と巡り合う。 先生に賛成の人もいれば、やるならば もっと他のことを勉強したいという人もいる。 興味の範疇や、趣味や特技など、 同じ地区に住んでいても 身の回りが少し違うだけで、 違う意見が出る教室の雰囲気が読んでいて 好きだった。 海に魚がいなくなったのはどうしてなのか? そんな壮大な問題を、さまざまな角度から 調査するひたむきな姿がとても眩しかった。
千葉の海を通ったのに、一瞥もしないで海の本を読んでいたようです。海の生活の問題は、他人事でないな。 灰谷健次郎さんの本は、小さい頃怖い印象があって、なかなか読めなかったのだが、残念なことをしたなぁ。(「兎の眼」の挿絵と灰色っぽい装丁、見たこともない「兎」の漢字が、何か恐ろしかった覚えがある)。登場...続きを読む人物への人見知りをすぐに解消してくれる、丁寧な人間描写に引き込まれて、あっという間に読んでしまった。 子どもも大人も、いざというときは素直な心で。何がほんとの気持ちなのか、自分でもわからなくなってしまう時もあるんだけど…この本に出てくる人たちは、それぞれの正義がどれも間違いでなくて、だからこそぶつかるんだけど、納得しながら一歩ずつ進んでいた。だんだん心がほどけて温かくなっていく様にじーんときた。 子どもに対する文章表現が秀逸!女の子のゴムまりの弾んだような声ってね。想像できちゃうね。
現代の漁師の子供たちが自分たちのもっとも身近であった海、魚、そして漁師というものについて正面から向き合おうとする話。 読み終えて気持ち良かった。 都会で海に捨てられたゴミや廃棄物が結果として海や魚を死に追い込んでいる。という締めだったのですが、人間がやったことなんだから人間で蹴りが付けられるはずだ...続きを読む。なんてかっこいいこと言える小学生。きっと実行にうつしてくれると思わされてしまいました。
海の近くで暮らす人たちの生活を描いた作品。 主人公は小学5年生の漁師の子健太。 健太が魚をさばいたり、大きな船を操縦したり、海のことを研究したり、父親とじゃれあったり。 健太だけじゃなくて、この小説に出てくる子どもは、もう小さな大人だった。大人もそれを受け入れて対等に接してる。 だから、読んでて気持...続きを読むちいい、のかも。
素朴で心温まる。 世界平和なんておっきなこといわなくたって 小さな幸せでじゅーーぶん!って心いっぱい
心落ち着く物語。 漁師の子供に生まれた子の、繊細な心が描かれている。 クラスを上手くまとめる先生の姿もよい。 なんていうんだろうな。こういうの。 田舎のよさか。
漁港に住む漁師の息子健太を中心に、真っ直ぐで、時に不器用で、だけど、どこか人間としての温かみを感じさせる人間臭いやりとりに、ジワジワっとあったかい気持ちになれる一冊。子供達の「素直な目」で見た世界感と、そんな子供たちを1人1人の人間として対等に接する大人達の、バランスが良いんだろうなー。灰谷さん、や...続きを読むっぱり好きだなー。
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