葉山嘉樹の作品一覧
「葉山嘉樹」の「井戸の底に埃の溜つた話」「淫売婦」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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小説・文芸
Posted by ブクログ
「セメント樽の中の手紙」はとても短い短編です。建設現場の過酷な環境で働く松戸与三がセメント樽を開けた時に樽の中から手紙を見つける。それは女工からの手紙で、セメント工場で働く恋人が仕事中に砕石機に巻き込まれてセメントにされてしまったという事故とそのセメントがどんな建築物に使われたのかを知りたい、どうか返事をくださいと書かれていた。与三はやり場のない怒りと絶望に自棄を起こして怒鳴るが、妻の言葉に現実に引き戻されて無力に打ちひしがれる。
恋人たちへの同情と過酷な環境への怒り。そんな事故に遭っても遺体は回収すらされず商品として出荷されてしまう不条理さ。彼はどんな建築物になったのか、せめてそれを知らな
Posted by ブクログ
小林多喜二と並ぶプロレタリアート文学の旗手、ということで読んでみた。
小林多喜二よりも、モダンな感じがする。
同じ福岡県出身ということもあって、夢野久作っぽいところもあるが、気のせいかもしれない(夢野は福岡市、葉山は京都郡)。
短篇が8編収められているが、最後の「氷雨」が秀逸。
小林にしても葉山にしても、共産主義革命家として国家の弾圧化での芸術活動は冗談事ではなく、小林多喜二は警察に拷問で殺されるし、葉山は拘留中に二人の子供が餓死している。
「氷雨」は共産主義から「転向」後の作品と言われているが、窮迫状態の中で書かれたこの哀切きわまりない心境の作品を「転向」と結びつけて語ってしまうところ