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月がきれいな夜に、誰かに思い出してほしかった
いつも、二番目。 私を一番に思ってくれる人は、誰もいない。 それでも私は——ひとりぼっちじゃ、なかった。 恋人に「プロポーズするなら元カノがいい」と告げられ、婚約寸前でフラれた桃子。 田舎の父からも、 「天国の母さんに、桃子が幸せになった姿を見せてやりたい」と言われてしまう。 「私には、愛し愛されるパートナーができない。 他の人はじょうずに進める人生ゲームのマスが、自分には進めない。 私は、なにかが足りてない人間なんじゃないか——」 桃子が働いているのは、三軒茶屋の小さな喫茶店、「雨宿り」。 ここでは、毎週金曜夜十時、“元カレごはん埋葬委員会”が開かれる。 失恋相手との思い出のごはんが作れなくなった人たちが、 その恋を「埋葬」するために集まる場所だ。 モラハラを受けているのに、相手に好かれるように振る舞ってしまうかれん、 推しが結婚してつらくても平気なふりをする美穂、 二股をされても「彼以上に成長させてくれる人に会える気がしない」と悩む夏希、 「初デートで牡蠣を食べようと誘われたら、脈なしってことですよね?」と思い出を語る黒田…… 相談者たちの失恋の話を聞き、 思い出の料理をつくって共に食べるうち、桃子は気づいていく。 誰かに選ばれないからといって、足りていない人間なわけではない、と。 元カレごはん埋葬委員会。 迷った心が帰る場所は、ここにある。 “ままならない気持ち”の名手、川代紗生の新作・書き下ろしが登場! 共感とおいしさのつまった、なんども読みたくなる1冊です。 【目次】 第1話 プロポーズ未遂の洋風茶碗蒸し 第2話 ググれよ男のさっぱり煮 第3話 推しに捧げたカルボナーラ 第4話 二股男の不合格オムライス 第5話 "脈なし"を悟った牡蠣フライ 第6話 ママがいない日の塩胡椒チャーハン 第7話 愛されなくても愛せるからあげ -
悪の華/禁断詩篇
本書は19世紀フランスの詩人シャルル・ボードレール(Charles Baudelaire, 1820 - 1867)の詩集です。彼の唯一の韻文詩集『悪の華』の第二版(1861年)からの抄訳に加え、『悪の華』初版(1857年)において、裁判所より削除を命じられたいわゆる「禁断詩篇」六篇、および死後出版の『悪の華』第三版(1868年)より一篇の詩を収めたものです。わかりやすい現代の日本語による訳詩とともに、理解を助ける画像を多く収録しており、ボードレール入門に最適な内容となっております。読者がボードレールに興味を持つきっかけとなれば幸いです。(訳者) -
潜入心理師・月野ゆん
潜入心理師、人の心の「核」に触れる。 横浜みなと大学病院で働く月野ゆんは、精神疾患をかかえた人の心の「核」に潜入し、治療をおこなう潜入心理師だ。日本で初めて人の心に潜入した潜入師で、ゆんの憧れの先輩である本城京と、精神科の看護師経験を持つ、同じく潜入師の先輩・蓮まこととともに、ゆんは今日も患者の記憶のなかへと潜っていく。 ゆんには、患者の心の「核」がどこにあるかがわかる不思議な力があった。幼いころに母親から「あんたなんか、産むんじゃなかった」と言われた記憶、いじめに加担してしまった記憶、夫の不倫発覚など、ゆんたちが対峙する患者の心の「核」は様々だ。まだ新しい資格で成り手が少ないなか、ゆんがこの仕事を志したのには、実は理由があって──。 「ナースの卯月に視えるもの」シリーズで注目を集める元看護師の著者、待望の最新作! (底本 2025年3月発売作品) -
小児科ドクターのあんしん保育園
〈保育園に預けた経験のある保護者なら、一度は考えたことがないだろうか。 37.5度と37.4度の違いは、いったい何なのだろうかと――〉 ここ「あんしん保育園」に、そのボーダーラインは存在しない。 “ブラック保育園”を転々としてきた保育士歴十二年の堤 遥夏は、今までとはまったく違う保育体制に戸惑ってばかりの日々をすごしていた。 この園が普通ではない理由——まずは、園長先生が長い白衣に聴診器を下げた、おじいちゃん小児科医であることだ。さらには登園時にICカードをタッチするだけで電子連絡帳が連動して開かれ、お散歩では保育士がインカムとボディカメラで連絡を取り合いながら安全に公園に向かい、保護者は職場から我が子の食事風景を動画で見守ることまでできる。 働く子育て世代の様々な「あったらいいな」を叶えてくれるこの保育園に、今日も悩める保護者たちは安心を求めて訪れる。 二歳二か月の娘は、器用に野菜だけを取りのぞいていく。断固として野菜を食べない我が子と繰り返される戦いの日々に頭を悩ませている父親 は、あんしん保育園から娘がナスを食べたという報告を聞き衝撃を受ける。実は家で野菜を食べないことには、意外な理由があり――。(【第二話】楽しいごはんと栄養素) 「三歳の壁」に直面して転園先を探す保護者に、第一希望の保育園から「おむつが取れていなければ困る」と言われてしまう。なかなか進まないトイレ・トレーニングに頭を悩ませていたある日、娘のお尻を拭いたお尻拭きに真っ赤な血がついてしまう——。(【第三話】子どもたちのトイレ事情) 登園時の微熱、食べない野菜、発育や発達など——迷うことばかりなのに、世間に溢れる情報はばらばら。正解が見えない子育てに立ちすくむとき、この「あんしん保育園」では小児科医のおじいちゃん園長先生が、そっと道を照らしてくれる。 はじめて親になるのだから、知らなくてあたりまえ。現役小児科医が描く、読むだけでちょっと気持ちが楽になる医療×育児小説。 《もくじ》 【第一話】園長先生は小児科医 【第二話】楽しいごはんと栄養素 【第三話】子どもたちのトイレ事情 【第四話】乳幼児健診 エブリデイ 【第五話】優しさの成分 -
僕の受験クエスト レベル1からの挑戦 ゲーム好き少年の成長と友情の合格物語
「中学受験は、人生で最初の無理ゲーか?」ゲームのコントローラーをペンに持ち替え、偏差値という名の強敵に挑め! 本書は、ゲーム三昧だった小学四年生の翔太が中学受験という過酷な世界にログインし、個性豊かな仲間とパーティーを組んで第一志望校を目指す成長物語です。難解な問題を「ボス攻略」に見立て、RPG感覚で楽しみながら試練を突破していく姿が、会話形式でテンポよく描かれています。 読者は、受験の厳しさやスランプの乗り越え方を疑似体験でき、「勉強=楽しい冒険」という新しい視点を得ることができます。また、仲間との絆や努力の価値を通じて、目標に向かって突き進む勇気をもらえる一冊です。 こんな方におすすめ ・勉強に苦手意識がある小学生やその保護者の方 ・ゲームが好きで、エンタメ感覚で物語を楽しみたい方 ・中学受験という壁に立ち向かっている、または検討中の方 さあ、君も新しい冒険へログインして、最高の「合格」というエンディングを掴み取ろう! -
月刊「潮」2026年4月号
月刊「潮」2026年4月号 主な内容 【特別企画】 ポピュリズム政治に未来はあるか 転換点に立つ日本人――新たな歴史は「敗北」から始まる。 寺島実郎 ≪連載≫ 平成の回廊――創価学会と日本社会 政治における「平成」が幕を下ろした果てに。 與那覇 潤 自民党一強の下、野党は小異を捨てて大同団結を。 秦 正樹 核兵器廃絶なんてお花畑?理想と現実の隙間を埋める若者たちの挑戦。 高橋悠太 【特集】 現代社会の深淵 “陰謀論者”の実像――宗教・スピリチュアリティとの複雑な関係。 堀江宗正 ≪ルボ≫ 日本人ファーストの影で進む外国人排斥の現実。 高橋幸春 七〇年の節目に――『苦海浄土』は永遠に私たちを問い続ける。 若松英輔 【ルポ】飛べ! 福島から宇宙へ――南相馬ロケット物語。 潮編集部 【連載ドキュメンタリー企画】 「民衆こそ王者」〈識者の声〉篇 民衆の側に立ちつづけた池田先生の振る舞いに学ぶ。 金 光敏 【新連載】 男の“変さ値” やっぱり人生は、“変”じゃなきゃダメだよね。 さだまさし VS 鎌田實 【新連載】 シルクロード 仏の道をゆく 西域南道 西城南道の旅。 安部龍太郎 【人間探訪】 来生たかお 子供や青春時代に立ち返る方法として昔聴いた歌があればいいな。 【連載】 ニッポンの問題点 一〇〇回記念インタビュー 田原総一朗 SNSの時代こそ「ジャーナリズム」が求められている。 森 詠 【対談】 奥田知志 VS 村木厚子 住まいの確保から始まる高齢者も安心して暮らせる社会。 青い目の大関・安青錦を生んだ神戸の「家族」。 粟野仁雄 【好評連載】 高島礼子の歴史と美を訪ねて 和田 竜 VS 高島礼子/ドクターヒラハタの健康・長寿アドバイス 平畑光一/他 その他 -
AIと生きる 対話から始まる成長の物語
本書は、AIの技術解説書ではありません。高校二年生のテトラが、友人や先輩、そしてAIとの対話を重ねながら、AIと人間の付き合い方を探り、自らの生き方を選択していく青春教養小説です。 専門的な予備知識は必要ありません。物語を読み進めるうちに、現代を生きるために不可欠な「AIリテラシー」と「考える姿勢」が、自然と身につきます。 ◆物語を通じて、こんな「問い」に答えるヒントが見つかります◆ Q. AIに聞いても「正論」ばかり。どうしたら納得できる回答がもらえる? → 中学生・ユーリの疑問から学ぶ、AIへの「質問力」と学びの本質 Q. AIが文章を書ける時代、人間が書くことに意味はあるの? → 才媛・ミルカさんが語る「創造性は選択に宿る」という視点 Q. 自分の考えを、うまく言葉にできない → AIを「壁打ち相手」に、思考を整理するプロセス Q. AIがミスをしてトラブル発生。責任を取るのは誰? → 天才プログラマー・リサが直面した事件と「責任」の所在 Q. AIの進化で、私のなりたい職業はなくなるの? → 予測不能な未来を、不安ではなく「動的に」捉えるヒント ◆あらすじ◆ 言葉が大好きな高校二年生のテトラは、放課後の図書室で、数学が得意な「先輩」や、憧れの「ミルカさん」と過ごす時間を大切にしています。 勉強でも悩みでもAIに相談する日々。でも、急速に進化するAIが変えていく未来への不安も隠せません。 中学生のユーリやノナ、リサといった仲間たちとの交流、そして先輩への淡い恋心。 便利な回答に頼るのではなく、自ら考え、悩み、選ぶこと。 揺れ動く感情の中でテトラが見つけたのは、AIには決して生成できない「私だけの言葉」でした。 ※カバー画像が異なる場合があります。 -
劇場という名の星座
光と闇、生と死、絶望と愛・・・・・・この世のすべてを内包する、比類なき劇場【帝国劇場】。2025年2月をもって一時休館となった同劇場の記憶を未来へと繋ぐ、世界でたった一つの“帝国劇場”小説が誕生! 白杖の父が遺した、ミュージカル「屋根の上のヴァイオリン弾き」のパンフレット。そこには新人案内係からの手紙が挟まれていた――「ホタルさんへの手紙」 少年は、劇場2階ロビーのステンドグラスの裏側に寝泊まりしていた。舞台袖、楽屋食堂、馬小屋・・・・・・自在に歩き回る彼は、ある人を永遠に探し続けている――「内緒の少年」 劇場ロビーに一脚あるという“幸運の椅子”。売店で働くたった一人の“担当さん”だけが代々受け継いできたその伝説と、椅子に座った人々の元に訪れる幸運――「こちらへ、お座りください」 劇場の“壁”に深い愛着を抱いてきた税理士の男、観劇後に日傘を差し館内を歩く“パラソル小母さん”と呼ばれる女性・・・・・・。彼らの思いを迎え入れ続けた劇場が、ついに最終公演の日を迎える――「劇場は待っている」ほか全八編を収録。 舞台上でスポットライトを浴びるスター、誰かにとっての特別な一日を支える案内係や売店スタッフ、客席から見えない裏側で上演を支えるエレベーター係や幕内係、そして観客・・・・・・。劇場を愛し、劇場を作り上げてきた人々の密やかな祈りがきらめく豊饒な短編集。 ◆著者プロフィール 小川洋子(おがわ・ようこ)1962年岡山市生まれ。早稲田大学第一文学部卒。88年「揚羽蝶が壊れる時」で海燕新人文学賞を受賞。91年「妊娠カレンダー」で芥川賞受賞。2004年『博士の愛した数式』で読売文学賞と本屋大賞、同年『ブラフマンの埋葬』で泉鏡花文学賞を受賞。06年『ミーナの行進』で谷崎潤一郎賞受賞。07年フランス芸術文化勲章シュバリエ受章。13年『ことり』で芸術選奨文部科学大臣賞受賞。20年『小箱』で野間文芸賞受賞。21年紫綬褒章受章。26年『サイレントシンガー』で毎日芸術賞受賞。『掌に眠る舞台』『耳に棲むもの』ほか著書多数。 -
たったひとつの雪のかけら
大学入試のためにソウルに転居した女子高生のアンナ。古びた下宿で暮らしながら、大人になる前の通過儀礼ともよべる、切ないクリスマスを体験する――「ほかのすべての雪片ととてもよく似た、たったひとつの雪片」 ユリとマリは、美しいながらも性格が真逆な姉妹だった。波瀾万丈の人生を送ってきたマリは、完璧で順風満帆に見えたユリが76歳で自殺したことを知る。2014年黄順元文学賞受賞作――「金星女(クムソンニョ)」 小さな星々はみな宇宙でたったひとりだけれど、その光は星座となって夜空に瞬きあう。韓国を代表する作家のひとりウン・ヒギョンが、生きる孤独と哀しみ、そして人と人の一瞬の邂逅を描く、6篇の珠玉の短編集。 【著者プロフィール】 ウン・ヒギョン(殷煕耕)1995年に中編「二重奏」でデビューする。同年発表した初の長編小説『鳥のおくりもの』で第1回文学トンネ小説賞、1998年に短編「妻の箱」で第22回李箱文学賞を受賞。その後韓国小説文学賞、韓国日報文学賞、怡山文学賞、東仁文学賞など多くの賞を受けた。本書収録の短編「金星女」は2014年に黄順元文学賞を受賞。既訳に『美しさが僕をさげすむ』(呉永雅訳/クオン)、『鳥のおくりもの』(橋本智保訳/段々社)など。 【訳者プロフィール】 オ・ヨンア(呉永雅)2007年に第7回韓国文学翻訳新人賞、2023年にチョ・ヘジン著『かけがえのない心』(亜紀書房)で韓国文学翻訳大賞を受賞。訳書にウン・ヒギョン著『美しさが僕をさげすむ』、キム・ヨンス著『世界の果て、彼女』(以上クオン)、イ・ラン著『悲しくてかっこいい人』(リトルモア)、パク・サンヨン著『大都会の愛し方』(亜紀書房)、ファン・ジョンウン著『続けてみます』(晶文社)、『百の影』(亜紀書房)などがある。 -
やるせない昼下がりのご褒美
あの人と過ごす「おやつ」の時間が、今日を乗り切る力をくれる。 妻子ある相手と夜をともにした伊豆の山奥のホテルで。忘れられない同級生と屋上前の踊り場で。さまざまな果樹が茂る瀬戸内海の島の庭で。もうすぐ卒業するメンバーと取り組む最後の仕事で。幼い息子との思い出のドーナツショップで。憧れの女性たちと出かけたいちご尽くしのピクニックで。心とおなかの空腹をあたたかく満たしてくれる珠玉の6篇! -
それを世界と言うんだね
物語管理官の少女は、「王子」と呼ばれる少年とともに、物語の世界を救うために立ち上がった――。“世界”の謎を解き、命を与えられた意味を知ったとき、ふわりと心がほどけ、温かな涙があふれる傑作! 読者から募集した物語をカンザキイオリが楽曲化。バーチャルシンガー・花譜が歌う『それを世界と言うんだね』を、綾崎隼がノベライズ。『シン・エヴァンゲリオン劇場版』で総作画監督を務めた錦織敦史の装画で刊行! -
花贄さまの初恋
シリーズ累計33万部突破!「龍に恋う」著者のやさしさ満載の最新作。 皇都から離れた、緑豊かな花森村。 草花を自由に咲かせる能力をもつ霜子は、その異能ゆえに身内に蔑まれ、ついには陸軍中尉・晴晃との婚約を強いられてしまう。しかし予想に反して、晴晃は快活な青年だった! 二人が徐々に距離を縮める中、不穏な“惑い花”の呪いが村を蝕み始め――。 瑞々しく美しい和風恋愛ファンタジーの開幕! ■ 登場人物紹介 鹿屋野霜子(かやの・そうこ) 16歳のときに、神から見出されて異能を開花した。現在は「花贄」として村で孤独に暮らす。 丹羽晴晃(にわ・はるあき) 陸軍中尉。見た目に反して快活で素直。霜子の婚約者としてやってきたが、その目的は……? -
ラストライン
定年まであと10年のベテラン刑事・岩倉剛。 その特異な記憶力と勘を武器に、相棒の若い女性刑事とともに事件を追う! 定年まであと10年の岩倉剛は50歳になる誕生日の目前、捜査一課から所轄の南大田署に異動となる。 その直後に管内で独居老人が殺される事件が発生。 彼は、元交番勤務で同じく異動してきたばかりの後輩女性刑事・伊東彩香と共に事件の捜査に加わる。 一方、さらに管内では新聞記者の自殺が発覚し――。 行く先々で事件を呼ぶと言われるベテラン刑事。 アナザーフェイス・シリーズに次ぐ新たな警察小説の誕生! 週刊文春に連載され話題となった、待望の新作第一弾。 -
名探偵の箸本さん 推理のヒントは夫のお弁当
吉祥寺の駆け出し探偵が謎を解く! そのヒントは夫のお弁当にあり!? 累計60万部!「スープ屋しずくの謎解き朝ごはん」シリーズ著者・友井 羊氏推薦! 「癒やしと驚きを彩り良く詰め合わせた一冊。 心とお腹がからっぽのときにぜひ読んでください。 この愛らしい夫婦を、いつまでも応援したくなります」 (あらすじ) 祖父から探偵事務所を引き継いだ結の楽しみは、夫・奏汰の手作り弁当を食べること。 「町の相談屋さん」として事件を調査し、夜は夫婦で食卓を囲む。結の話に相槌を打つ奏汰は、いつも何かを考えている様子。 翌日のお弁当には“ちょっと変わった工夫”がされていて……。 商店街の怪シール事件に密室の迷い猫。吉祥寺の駆け出し探偵が謎を解く! そのヒントはお弁当にあり。優しさあふれる〈日常の謎〉ミステリー。 【著者について】 住本優 作家。武庫川女子大学卒業。デビュー作は『最後の夏に見上げた空は』(KADOKAWA)。 他の著書に『ペルショワールの花園』(光文社)、『大正仇恋戯曲 あやかし帝都のジュリエット』(マイクロマガジン社)など。 -
モンキーハンティング
10万部突破の 『シャトゥーン』著者が描く 圧倒的恐怖! 狩るか、狩られるか―― 850頭の猿 VS. 人間 凶暴化した猿の群れ。 クローズド・サークルと化した限界集落で 生き延びることができるか!? (あらすじ) ジビエレストランを経営する父・誠一郎に連れられ、人里離れた集落に狩猟にやってきた高校一年生の加藤英輔。両親は離婚しており、母親は来月再婚する。離れて暮らしている父と、親子水入らずの最後の時間を過ごすなか、英輔は森に何か不穏な影を感じていた。やがて忍び寄る野生の脅威……。ひときわ大きな黒い猿をボスとした八百五十頭もの群れは凶暴化し、二人に襲いかかる! 『猿と人間』改題。 【著者について】 増田俊也 1965年愛知県生まれ。北海道大学中退後、新聞記者。第5回『このミステリーがすごい!』大賞・優秀賞を受賞し、2007年『シャトゥーン ヒグマの森』(宝島社)でデビュー。2012年、『木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか』(新潮社)で第43回大宅壮一ノンフィクション賞と第11回新潮ドキュメント賞をダブル受賞。他の著書に『七帝柔道記』(KADOKAWA)、『木村政彦 外伝』(イースト・プレス)、『北海タイムス物語』(新潮社)、『警察官の心臓』(講談社)などがある。 -
海神様の寵愛妃
「お前にだけ本当の名を明かそう」生まれつき声を失い、家族に虐げられ、ついには海に沈められた少女・藤乃(ふじの)は、目が覚めると青く光る海の聖域にたどりついていた。そこで出会ったのは『海の民』の王である青年・碧(あお)、彼曰く藤乃にはかつて海に存在していた『龍宮の姫』の血が流れているというが―ー美しい海の異世界で繰り広げられる。海神と歌姫のシンデレラ恋愛ファンタジー! -
彩野ヒカリは見逃さない ICAS 奇異事案科学分析課
その現象、本当に怪異の仕業? (あらすじ) 神奈川県にある総合応用科学研究所(略称:ICAS)では主に中小企業の技術サポートや、国や自治体からの委託業務を請け負いながら、個人からの依頼にも対応している。そんなICASのなかで、不可思議な現象についての相談事を日々持ち込まれる部署が、奇異事案科学分析課。亡くなった祖父の声が聞こえる絵画とは? 大学に出現する首なし幽霊は本当に存在するのか。村から体調不良者が続出するのは祟り神のせい? 好奇心旺盛な研究員の彩野ヒカリとアルバイトの大学生・航は、ICASに持ち込まれる謎を科学の力で解明する! 【著者について】 新藤元気(しんどう・げんき) 1993年、愛知県生まれ。筑波大学大学院数理物質科学研究科修了後、科学捜査研究所に入所。 現在は半導体メーカーに勤務。第22回『このミステリーがすごい!』大賞・隠し玉作品『久龍小春の鑑定ファイル 小さな数学者と秘密の鍵』で2024年にデビュー。他の著書に『爆弾魔 科学捜査研究所物理係』(以上、宝島社文庫)がある。 -
聖女王オクタヴィアの恋
オルティナ王国を六十年にわたり統治し、五百年の歴史で最大の繁栄をもたらした女王・オクタヴィア。晩年、彼女が長年の友人に語ったのは、偉大な為政者の陰にあるひとりの人間としての孤独と苦悩、そして生涯抱え続けたひとつの恋についてだった。深く愛してくれた兄との幼少期、予期せぬ形での即位、王の治世を支える「儀杖の陪臣」イーサンとオリバーとの関係……。美しき孤高の女王、その激動の半生を描く圧巻の大河小説。 -
イチロー・インタビューズ 完全版
スーパースターの足跡と、知られざる苦悩 メジャー挑戦からMLB殿堂入りまで、四半世紀の間に「ナンバー」へ掲載されたインタビューを全収録。 2000年のメジャー挑戦から四半世紀。常に時代の最前線に立ち続けてきた「イチロー」は、何を考え、語ってきたのか。20年にわたるMLBでの激闘と偉業の数々、引退後の高校野球指導や草野球への情熱、そしてメジャー殿堂入り――。孤高の天才はいかにして唯一無二の存在となったのか。その肉声を辿る、インタビュー集の決定版。 ※本書は、2019年刊行の単行本『イチロー・インタビューズ 激闘の軌跡 2000‐2019』と同書の刊行以降6年間に行われたインタビュー記事を元に大幅改稿したものです。 単行本 2019年8月 文藝春秋刊 文庫版 2026年3月 文春文庫刊 この電子書籍は文春文庫版を底本としています -
風を飼う方法
吹かれたいときに吹いてくれる風のないことには心おぼえがある。百子は黙って、窓を閉める。全4篇が描き出す、人生の物憂さと微光。『ここで唐揚げ弁当を食べないでください』著者の初小説集。 『ここで唐揚げ弁当を食べないでください』で話題の著者、初の小説集! ゆきはひとりになって働きはじめ、私は水浴びする男を見つめ、雨の夜に三人は出会い、百子は絶望を抱えたまま暮らしている。 全四編が映し出す、人生のもの憂さと微光。 装幀=岡本太玖斗 【収録作品】 ●「けだるいわあ」 唐揚げ弁当ひとつくださいと口に出す。真っ赤なエプロンの女のひとは「はあい」と愛想なく、しかし不機嫌そうでもなく、どちらかというとぽかんとした感じで返事をした。 ●「水浴び」 ルーフバルコニーではおじさんが水浴びをしていた。パンツ一丁の姿で、青いホースから水をどんどんあふれさせ、頭の上からきもちよさそうに水を浴びている。 ●「カリフラワー」 あの夜は小雨で、傘をささなくてもよいほどの小雨で、というより雨は、わたしが家を出たときにはまだ雨は降っていなかった。気配はあったが、気にしなかった。 ●「風を飼う方法」 吹かれたいときに吹いてくれる風のないことには心おぼえがある。百子は黙って、窓を閉める。 -
母にさよならを言えなくて
自死遺族の著者が描く、渾身の家族小説。 娘と夫と幸せに暮らす主婦の未来。しかし、彼女にはある悩みがあった。それは近所に暮らす母・美香子との関係だ。未来は幼少期から美香子の過度な期待と愛情に縛られ、複雑な想いを抱いていた。 そんなある日、未来のもとに父から電話が入り、美香子が首を吊り亡くなったと知らされる。自分が冷たくしたせいで、母は死んでしまったのではないか。大きな悲しみと後悔が未来を襲う一方、彼女はなぜか、安堵の念も抱いてしまい――。 大切な人の死と残された家族を襲う深い罪悪感と喪失感。自死遺族の著者が心の傷と向き合い描いた、渾身の家族小説。 -
黒い滝
町の腐敗に挑む女性刑事を描く社会派ミステリ 米西部の町で移民の少女が殺された。地元企業や教会、保安官すら刑事の捜査を妨害する中、事件の裏には戦慄の事実が潜んでいた。 -
あなたに
※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 矛盾を抱えて生きるあなへ──、人生をともに歩む詩、絵本化。・詩人・谷川俊太郎氏の母校で、1968年から卒業式で朗読され続けている詩「あなたに」を待望の絵本化!・火・水、人間の持つ矛盾を通して、生きることの根源を描いた詩に、日本絵本賞受賞作家・ザ・キャビンカンパニーが新たな生命を吹き込む。・人生の節目や困難な局面で手に取るたび、前へ進む勇気と力を与えてくれる美しい一冊。詩人・谷川俊太郎氏の母校で1968年から卒業式で朗読され続けている詩「あなたに」が、待望の絵本化。火と水、人間の持つ矛盾を通して生きることの根源を描いた美しい詩に、日本絵本賞受賞作家・ザ・キャビンカンパニーが新たな生命を吹き込みました。人生の節目や困難な局面で手に取るたび、前へ進む勇気と力を与えてくれる一冊。矛盾を抱えて生きるすべての人に贈る、人生をともに歩む詩絵本。 -
描いた未来に君はいない【電子特典付き】
冴えない高校生・鳴海大和のクラスに大阪から南奈海が転校してきた。 下校中に駅で出会ったことをきっかけにふたりの距離は縮まっていく。 南の特技は「握手をしたら人の心が読める」ことらしく、戸惑いながらも、天真爛漫な彼女に振り回される鳴海だった。 ある日、鳴海が小説を書いていることを打ち明けると、南は「私を主人公にしてよ」と言う。 二人で創作について話す時間は楽しく、惹かれていく一方で、 日に日にクラスメイトと打ち解ける南に、やはり自分とは違う立場なのだと複雑な思いが湧いてきて――。 号泣必至、珠玉のラブストーリー! -
ノーウェア・ボーイズ
『イッツ・ダ・ボム』(松本清張賞受賞作)で話題をさらった新鋭の飛躍作! 憧れの女性と結婚した中学時代の友人が、人を殺したという。社会人二年目の僕のもとに舞い込んだ衝撃のニュースは、忘れたかった記憶を呼び起こす。町田生まれ町田育ち、中学二年生の僕が「町田市内で知らない場所はない」と思っていたあの頃、リス園での事件から僕を助けてくれた大学生の〈響さん〉。憧れの彼女と過ごした僕ら四人の輝かしい日々は、たった一つの暴力で終わりを告げた――。あれから十年。今度は響さんを助けるために、僕は過去に向き合わなくてはならない。ひとりよがりな思いが想像を超える瞬間へと繋がる、愚かでクールな青春ミステリ。 -
小説家シリーズ
文章を読むと、作家の内面を体感できる共感覚を持つ女はある時、吐くほどにおぞましい内面世界を持ったΩという作家を見つける。Ωの驚愕の正体とは。(スコッパ―の女) 著者が知り合った奇妙な作家L。彼は物事の終焉までの距離を【深さ】として観測できるらしい。ある日Lは鏡に映った自分に【深さ】が全くないことを知る……。(終焉を告げる小説家) 自分が生み出した天峰翔陽というキャラクター。同名の人物が現実にいることが分かり、やがて物語と現実がシンクロし始める。(シンクロニシティ) 他2編。 小説家に纏わる身の毛もよだつ戦慄の短編集。 「この本に収録されている作品は、私が収集した出版関係者の奇妙なエピソードを、小説の形式に書き直したものである。 中には現在も活躍中の小説家が登場する。もしかしたら、あなたの尊敬する大好きな作家こそ、この本に登場する破滅的な小説家その人かもしれない。」 山白朝子 -
本好きな子どもの育て方
〈NYタイムズ〉児童書担当者が教える子どもを伸ばす本の与え方 赤ちゃん、幼児、低学年、中高学年、ティーン 読書家になるのは、何歳からでも。 発達・ジャンル別 ブックリスト267 佐藤ママ(佐藤亮子さん) 推薦! 絵本の読み聞かせの時間は、子どもの人生をずっと幸せにしてくれます。 ワクワクした日々を親子 幼児教室〈こぐま会〉久野泰可代表 推薦! 幼児期の子どもたちは、「読み・書き」の前に、 「聞く・話す」力をしっかり身につけなくてはなりません。 本書で紹介している「読み聞かせ」をぜひ実践してみてください。 ・著者からのメッセージ あなたは子どものころ、本に夢中になったことを覚えていますか? いまあなたがこの本を手に取ったのは、自分が味わったように、 時を忘れさせる読書の喜びをわが子にも味わってほしいから、 本が心の成長を助けるものであってほしいと 願っているからではないでしょうか。 私たちは、この本が、親としてのあなただけでなく、 読み手でもあるあなたの人生に、やすらぎと気づきと励ましを もたらすように望んでいます。 マリアとパメラより -
「潮風」シリーズ【全5冊合本版】
小さな海辺の食堂を舞台に温かい人間模様を描く、感動のシリーズ全5冊がまとめて読める! 合本だけの特典として書き下ろしストーリーと撮りおろし写真、手書きサインを収録した愛蔵版。突然、母が家を出て行ってしまい、小さな食堂を経営することになった海果。最初は手探りだったものの、とれたての魚介類と、地元の有機野菜を使った料理は徐々に評判を呼び、店は軌道に乗りはじめた。わけあって一人暮らしの13歳の女の子・愛に加え、迷子のサバトラの子猫も海果の家で暮らすことに。潮風の中で始まる恋と友情、そして新しい夢……。葉山の海辺にある小さな料理店を舞台に、自分の居場所を見失った人々が、心を癒していく姿を温かく描くシリーズ。爽やかな感動の物語。 合本だけの特典として、本編完結後の海果の姿を描く書き下ろしストーリー「ウイニング・ボールを君に」、手書きサインを収録。 ※本電子書籍は下記の5冊を1冊にまとめた合本版です。 『潮風キッチン』『潮風メニュー』『潮風テーブル』『潮風マルシェ』『潮風サラダ』 -
君だけがいない海で、あの夏を思い出す
私の恋した人は“人魚”でした―― 少女たちの涙あふれる青春物語。 「僕は“人魚”なんだ」 あの夏、瀬戸内の島に住む夏希が恋をした転校生・眩は、海からやってきた。 人間の姿をしているけれど、人間じゃない。 世間知らずで自由気ままな彼の姿に心惹かれながら、幼馴染の涼太と三人で楽しく過ごす毎日。 ずっとこんな日々が続けばいい――そう願う彼女だったが、 夏の間に恋が成就しなければ死んでしまうという眩の秘密を知ってしまう。 その恋の相手とは、三人の時間を誰よりも大切にしている涼太だった――。 忘れられないたった一度の恋に涙があふれる、青春物語。 泉サリ 2003年生まれ、埼玉県出身。『林ちゃん』で第209回コバルト短編小説新人賞入選。高校在学中、『シラナイカナコ』で2021年集英社ノベル大賞〈大賞〉を受賞、同作を改題・改稿した『みるならなるみ/シラナイカナコ』(集英社オレンジ文庫)でデビュー。おもな近著に『一八三 手錠の捜査官』(集英社オレンジ文庫)、『おたくの原稿どうですか?』(集英社オレンジ文庫)がある。 -
怪談怖気帳 なまくび団地
市井の人々が物語る戦慄の実体験談を、 怪談の名手・黒木あるじが綴る! 屋上を見ると、肩から上が、ごっぽりと削れている人間が… 表題作「なまくび団地」より 怪談イベントや講演会で来場者から聞いた不思議で奇妙な話のなかから、怪奇の名匠・黒木あるじが印象深い話を選りすぐって綴る! ・友人の部屋に残されたメッセージ、そして聞こえる奇妙な音の正体「ぼりぼり」 ・子どもの写真に現れた不気味な異形「牛足憑き」 ・客室に現れた悍ましい存在「なまくびホテル」 ・カフェの窓に小さく描かれている謎の鳥居、そしてつながる怪異「鳥居カフェ」 ・夜中歩いていたら声をかけられ、振り向いた先には…「なまくび団地」など54話+1話。 これらはみなその場に偶々集った人の話のはずなのに─うっすらと絡み合う怪異の不可思議な符号に背筋が寒くなること必至! -
怨みの冥闇 現代奇譚集
怪異の向こうに浮かび上がるのは、人の宿命と人生の闇。 ルポ怪談の名手が放つ、読みほどに震え上がる戦慄奇譚集! 「深夜の寝室――二の腕の上に……見知らぬ女の顔がのっている!」 「亡霊の人違い」より 膨大な数の怪異体験者を取材してきた川奈まり子。怪異がもたらす恐怖の裏に刻まれる宿命や人生まで炙り出す、濃厚濃密な戦慄の奇譚集。 ・山道でナンパがてら乗せた娘だったが「車で、化け物を拾う」 ・高校時代からの友人が結婚祝いでくれた時計。そして惨劇が…「罪と死の時」 ・とある稲荷神社で出会った美しい和装の女に纏わる不思議話「赤い鼻緒の草履の女」 ・いつもの夜の帰り道、コンビニの前に座る女性がいたのだが…「なぜかその夜に限っては」 ・隣に越してきた男が執拗に近づいてくる。結婚を機にそのマンションを離れたはずが凄惨な結末に「血と爪」など37タイトル収録。 -
死ぬ消える終わる怪談
その蔵は、人を喰らう。 死体が8つ 半身不随4人 意識不明2人 最凶の祟り物件の解体現場、地獄の《始末》 報いあり。救いなし。恐怖のドン詰まり13の怪! * 祟り。呪い。報い。時には理由なき怪により人は死に至ることがある。 命まではとられずとも、存在や記憶を消され、社会的に抹殺されるという死にも等しい末路へ追い落とされる事例が実際にある。 誰も知らない兄の記憶をもつ青年。大晦日の晩、兄弟に起きた恐るべき怪事件の真相とは…「忘れ物を取りに」 犬を飼うと必ず不幸になる4軒の家の因果「檻」 団地の跡地の掘削工事で発見された奇妙な穴。やがて作業員たちに異変が…「坑怪」 毎月5日会社を休む女性の闇。その理由は20年前のある約束に…「五日」 山奥の集落にある曰くつきの人喰い蔵。中の神が贄を求めるというのだが…「口の蔵」 ほか、死臭と腐臭漂う限界恐怖13篇! -
frottage:あの子が残したこわい話
読んだことをほんの少し後悔し、それでもなお毒のような余韻に耽溺する。 一期一会の取材で集められた奇跡のような怪談たち。 「この怪と縁を結ぶ覚悟はありますか?」 すべての孤独な魂に捧ぐ、多故くらら初の単著。 * 体験者を静かに見つめ、その心と記憶の奥底まで潜って怪の本質を写しとる―― 怪談界に突如現れた新星が綴る昭和から現代までの怪。 昭和に生まれた二組の双子の数奇な運命と怪…「双子を飼う」 サーカスの軽業師が猛獣の調教に使う恐るべき言葉…「いぢめて、いぢめて花が咲く」 東欧の少女が日本で見た霊と秘密の遊び…「フロッタージュ」 夢を絶たれた高校球児に穿たれた黒き呪い…「黒いダイヤの拳」 魔性の背中を持つ女にとり憑かれた女体盛り師の壮絶な半生と因果…「無念」 ほか、怪に囚われし人々の境涯を淡々と写し出す幻燈のごとき全15話! * 人生という路上のフロッタージュ。 私はしゃがみこみ、薄い紙をそっと押し当て、力を込めて擦る。 石の粒が小さな雷を起こし、迷いと立ち止まりの重さが黒い粉となって浮かび上がる。 恐怖は赤錆のようにざらつき、届かない呟きは薄く濁った灰色の雲へ。 出来上がった一枚は地図のようで地図ではない。 人生の断片が偶然ここに落ち、圧縮され、得体の知れない疼きとなって残っている。 誰にも見られず拾われず、少しずつ摩耗しながら。 それでも消えきらない怪奇の輪郭だけが、ひっそりと片隅に身を横たえている。 私はまた新しい紙を広げる。 今夜も、誰かの声を絵の具にして、そっと擦り出そうと思う――(あとがきより) -
アホになって死んで、後はカマキリの卵
あまりに不穏、あまりに異常。 それでもこの怪談、体験者が実在する――。 読むと頭がおかしくなる! 奇怪でぞっとする体験談を蒐集する朱雀門出の怪異随筆集。 満月の夜に風呂場に出現する怪人の正体…「風呂場に神似の何かがいてキモがる話」 団地の敷地に埋められていた小人の右手。夢で残りの部位を見つけろと命じられ…「小人の一部」 父の制作した精巧なドールハウス。そこには不気味なオバケの絵が…「アホになって死んで、後はカマキリの卵 深夜残業中、職場のトイレで見つけた奇妙な張り紙…「いきものをころすばしょ」 玄関に置かれた謎の段ボール箱と連続する子供の死…「四枚の爪」 近所の幼馴染の通夜振る舞いに出された戦慄の料理…「けんちゃんお造り」ほか、全62話収録。 * 「けんちゃんだったとき、じいじに食べられた」 二歳の孫が突然口にした言葉。 そこから始まる祖父の告白とは――? 荒唐無稽で、奇怪きわまりない恐怖事件の数々。 自らの正気を疑い、記憶から抹消しようとしてできなかった傷の如き怪。 いつかそれを語るのはあなたかもしれない。 -
残るは沈黙
ある聖金曜日、ブラジル南部の州都ポルト・アレグレのランドマークたる高層ビルの一三階から、一人の若い女性が投身自殺をした。現場に立ち会い、身投げを目撃した社会階級、職業、性別を別とする七人の面々。その悲劇的出来事が彼らの人生にいかなる影響を及ぼすのだろうか? 「この世界に誰一人として不要な人間など存在しない」 そうした作家の人間愛に満ち溢れる言葉の具現化たる本作品。七人の目撃者はもちろん、作中に登場する人物は全てが主人公である点も見逃せない。作品の舞台こそ、二〇世紀初頭のブラジルだが、一読すれば、時代、国籍、人種が異なろうとも、人間の持つ本質部分に何ら変わりがないことに気づかされるだろう。つまり読者一人一人もまた、本作品の登場人物且つ主人公なのだ。 -
社長少女 PRESIDENT GIRL
天宮翼17歳。「わたし、社長になります!」 銀髪の美少女、そしてAI開発の世界的大企業「天宮システム」の創業者の一人娘であり、天才ゲーマーでもある天宮翼。父親の病死に続く会社の倒産で生活が一変、ほぼ全てを失いネカフェ難民生活が始まる。しかし、失意のどん底の状況から、ただ一人彼女に付き添う、父親の元側近で元プロボクサー、そして過去の飛行機事故で感情を失った男、間伸と共に、ゲーム会社「天宮システム2」を立ち上げ、彼女が愛するゲームで業界に乗り込み、一発逆転を狙う。 やがて理想の面白いゲームを追い求めてゲーム大手企業を飛び出したカリスマゲーム開発者・東島秀樹、翼のストーカーで眼鏡巨乳の美少女・神田エリカらの仲間を得て、幾多の困難を乗り越え、遂にリリースされる天宮システム2の新作ゲーム。しかし、彼女達は思いがけない巨大な陰謀と危機の真っ只中に引き込まれ、そしてその危機が人類全体に及ぼうとする時、彼女は自分の奇跡的な宿命を知る−。小さなゲーム会社起業から始まった、社長少女・天宮翼の物語は、果たしてどこに辿り着くのか? ゲームディレクター、CGクリエイター、キャラクター企画(東北ずん子等)、小説家として活躍する榊正宗が送り出す、彼のゲーム愛と、次世代人工知能システム、インターネット、ゲーム業界、国家機密、アンドロイド、火星探査計画、そして時空を越える恋と、疾走するように拡がるケオティックな世界観とが融合する傑作SF小説作品。 イラスト・キャラクターデザインは江戸村ににこ(東北ずん子キャラクターデザイン等)。 ※この作品は令和2年7月に株式会社スペースシャワーネットワークより刊行された作品の一部を改訂し電子書籍化したものです。 -
高速バスター ミナル
日本随一の”オタク総合企業”スタジオ・ハードで大量の書籍・雑誌を企画し、「図解博士」として膨大な質・量のオタク雑学をSNS中心に発信し続ける木川明彦著、数々のスタジオジブリ作品で作画の中核的役割を果たし、『ジャイアントロボ THE ANIMATION – 地球が静止する日』ではキャラクターデザイン・絵コンテ・作画監督を務める等、アニメファンを魅了して止まない絵を描き続ける山下明彦がキャラクターデザイン・イラストを手がけた本格SF作品が、電子書籍として復刻。 かつて誰もが夢見た科学と冒険に満ちた異未来。 戦乱の暗雲立ち込める冷戦下の欧州。 一人の少女、嵐座 美奈留(ランザ ミナル)と三人の改造戦士「高速バスター隊」が強大な敵に立ち向かう! 高速バスター隊のメンバーは「リブーター」と呼ばれる肉体の大部分を機械化した強力な戦士たち。壮絶な世界大戦後の世界、超重砲、反応弾、巨大破壊兵器を駆使した国際的な巨大犯罪の魔の手から人類を守る!! -
ねむりねずみ
「ことばが、頭から消えて行くんだ」若手歌舞伎役者の中村銀弥は、役者生命を奪いかねない症状に苦しんでいた。妻の一子は文芸誌記者の男性に惹かれている後ろめたさを抱えつつ、夫を気遣うことしかできない。その約二カ月前、銀弥の亭主役を務める花形役者・小川半四郎の婚約者・河島栄が、「絵本太功記」を上演中の劇場内で殺された。衆人環視の状況で胸元を刺されたはずが、犯行を目撃した者は名乗り出ないという。梨園を巻き込む事件を調べ始めた大部屋役者の瀬川小菊とその友人である私立探偵の今泉文吾は、いかなる真相に辿り着くのか。/解説=西上心太 -
犯人当て小説傑作選
ミステリ作家たちが工夫を凝らし、読者と頭脳戦を繰り広げる犯人当て小説。その傑作の数々から“読者への挑戦”ものを中心に精選し、全3巻のアンソロジーに集成した。第1巻には名探偵・神津恭介がホテルの密室殺人に遭遇する高木彬光「妖婦の宿」、チーム移籍を控えたプロ野球投手が殺される坂口安吾「投手(ピッチヤー)殺人事件」、黄色い窓の部屋で起きた変死事件を描く陳舜臣「新・黄色い部屋」など全10篇を収録。謎を解く手掛かりは、本文中のあちこちに隠されています。あなたは巧妙な罠に騙されずに推理力を働かせ、真相を見抜くことができますか?/【目次】序文=福井健太/「妖婦の宿」高木彬光/「投手(ピッチヤー)殺人事件」坂口安吾/「民主主義殺人事件」土屋隆夫/「文学クイズ「探偵小説」」江戸川乱歩/「車中の人」飛鳥 高/「土曜日に死んだ女」佐野 洋/「追悼パーティ」菊村 到/「高原荘事件」山村正夫/「新・黄色い部屋」陳 舜臣/「愚かなる殺人者」笹沢左保 -
標本室の男
【幻冬舎グループ主催「1000年後に残したいエピソードコンテスト」大賞作品!】 北海道のとある小学校の薄暗い標本室に置かれていた白骨標本の骸骨。長年外の世界へ強い憧憬を抱いていた骸骨は、ある日、医師・渋谷洋一の母校訪問を機に、意を決して動き出す。骸骨は渋谷を医院まで追いかけ、「実ハオ願イガアルノデス」とぎこちなく話しかけた。世界を知りたいという熱意は渋谷の心を動かし、力を借りて正体を隠して仕事を得る。北海道から東京を経て新潟の旅館の仕事についた時、骸骨は盲目の少女・和美と出会い、次第に心を通わせていく。和美との交流で人間らしい感情を育んでいく骸骨だが、行方を探っていた医師・伊藤に追い詰められて――。 不器用ながら前向きに、「生きる」ことの本質を見出そうとする“標本室の男”。 思わず応援したくなる、ハートフル・骸骨・ファンタジー。 1958年2月生まれ、北海道出身。地質調査およびコンクリート構造物関連の技術者。当初は地質コンサルタントにて地熱開発調査、温泉開発調査等に従事していたが、その後Uターンして建設コンサルタントに転職。道路構造物の防災点検や建物等の基礎地盤調査を実施。退職後は資格を活かしてPC部材の製造管理、コンクリート構造物の劣化診断等を歴任して現在に至る。 文芸に関しては、萬葉集、古事記、延喜式、和漢朗詠集、平家物語、今昔物語、日本霊異記等を参照に日本人の心の歴史の探求を中心に創作を実施中。 -
万葉の里
千三百年の時を超えて紡がれる、言葉と心の物語。 大学の親友、香織が忽然と姿を消した。加奈子に残されたのは、香織が作った一首の和歌。回文としても成り立つその歌には、万葉時代の防人の妻が夫の帰りを待つ切ない想いが綴られていた。 26年後、京都・広隆寺で香織を見かけたことをきっかけに、加奈子は親友の失踪の真相解明を始める。加奈子は高校生の娘・美郷の知恵を借りながら、博物館に所蔵された万葉集の文献をあたり、徐々に真相を組み立てていく。東京都飛鳥山、香織の故郷千葉県朝夷、京都、万葉の記憶……。それらの点と点が結ばれた時、加奈子は脳裏に万葉の里で琴を弾く香織の姿を見るのだった。 加奈子と美郷の親子に託された使命とは? ラストで驚きの真相が明かされる。 時空を超えた親友同士の約束、母娘の絆。失われた言葉の魂を現代に甦らせる感動の物語。 -
ライ麦畑の木偶の坊 ~綾瀬亘の大学戦記~
日本の大学教育に明日はあるのか? AI・組織・権威、〈知〉をめぐる静かな戦記 主人公・綾瀬亘(わたる)。 単位取得目的の剽窃とAI生成文。 「学び」を消費者活動とする学生。 商業的利益を優先し、「学び」と「教育」の意味を見失った大学組織。 そして、学問の世界に潜む嫉妬と権力構造。 現代日本のアカデミアに張り巡らされた無数の糸のなかで、綾瀬は一人の大学教員として、静かに、しかし決して折れずに言葉と姿勢で抗い続ける。 本作は、大学という舞台を通して描かれる、知の倫理と誠実さをめぐる〈戦記〉である。 そこにあるのは静かな怒りと抵抗であり、勝利は存在しない。 しかし、それでもなお失われない希望と賭けが、ここにある。 『ライ麦畑の木偶の坊』という逆説的なタイトルが示すのは、矜持と諦念のあわいに立ち尽くす現代人の姿であり、同時に、示されるべき<知性>のロールモデルでもある。 近くで見れば悲劇、遠くから見れば笑えない喜劇。 学生及び教育関係者はもちろん、逃げずにその場に立ち続けている、すべての<大人>に捧げる物語。 -
あの日、君の背中を追いかけなければ
SNS総フォロワー数35万人超え、累計発行部数10万部突破! 切ない恋愛メンタリティーを表現する投稿に共感の声が続出。 恋愛作品作家、メンヘラ大学生初の長編書き下ろし小説。 大学時代にSNSで始めた恋愛に関する切実な投稿が共感を呼び、 それらをまとめた恋愛エッセイ『好きな人のよさをわかっているのは自分だけでいい』(KADOKAWA)でデビュー。 初著書で4万部突破。2023年に初の小説『君に選ばれたい人生だった』を刊行。 人気スリーピースバンド「Saucy Dog」の楽曲から生まれた連作小説集がSNSで反響を呼び3万4000部突破。 本作『あの日、君の背中を追いかけなければ』は著者初の長編小説。 東京の私立大学に合格し、山梨から上京した主人公・矢島幹人は、新歓コンパで出会った少し変わった女の子・長岡ちなと意気投合。 彼女の望みである<死ぬまでにやりたいことノート>を2人で1つ1つ実践し、叶えていくことを約束する。 ところが、そのノートを叶えていくためには、彼女の抱えるある病気が大きな障害に。 その病にふたりは、どのように向き合い、答えを出していくのか………? 恋をすることの意味、人を愛した証しとは? 幹人とちなが決断したラストに、涙腺決壊必至。切なすぎる青春ラブストーリー。 プロローグ 1章 俺はお前らがうっすら嫌いだし たぶんそれ以上に自分のことが嫌いだ 2章 君と出会ってからやたらと世界がまぶしい 3章 近付かなければ、知らなければ 4章 それでも好きでいいですか 5章 君が君じゃなくても <ストーリー概要> 市立高校を卒業したと同時に、志望していた都内の大学の合格通知が届いた幹人。 東京出身の母の学歴志向により、中高と勉強に明け暮れた幹人にとって、東京での大学生活ははじめて手にする自由だった。 ところがいざ学校が始まると、幹人の思うような大学生活は始まらなかった。 輝かしい学生生活を謳歌しようと必死な同級生たちを冷めた目で見ているうちに、いつの間にか周りは友達で固まり、 幹人にとって唯一気軽にしゃべれるのは、たまたま学籍番号が隣だった同じ地方出身の勇太だけだった。 焦りを感じた幹人は、勇太の誘いで、飲みサー同然のバドミントンサークルの新歓コンパに参加する。 馴染んでいく勇太と違い上手く立ち回れない幹人は、飲めないアルコールを無理強いされた挙句にジョッキを落とす失態をしてしまう。 そんな中、飲み会の最初から気になっていた女の子が、席を立ち店を出ようとしていたところを見つけ、 思わず声をかけ、ともに店を抜け出すことになる。 長岡ちなと名乗る彼女は、長い間病気をしていたため、これまでの人生でできなかったことが多く、 闘病中にそれをノートにリスト化してきたのだという。それが通称<死ぬやり>ノート。 これからの大学生活で、ノートのリストの1つ1つに挑戦していきたいのだと言う彼女に、 幹人は、思わず「一緒に手伝いたい」と申し出る。 嬉しさのあまり泣き出したちな。こうしてふたりの「死ぬやり」ノートの実践の日々が始まるが……。 <著者より> なんで人は恋に落ちるんだろう。 誰かを好きになって、ときに苦しんで、それでも過ごした時間を愛おしく思うんだろう。 幹人とちな、二人が選ぶ恋のあり方に注目して読んでみてください。
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