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深夜(よる)の声 ヨコハマDJ殺人事件
28歳のアナウンサー韮崎千尋は、深夜ラジオ番組の人気パーソナリティ。番組は好調だが、変質的で執拗な愛の告白を寄せる正体不明のリスナーに付きまとわれ、恐怖さえ覚えていた。そんなある日、番組アシスタントの女性がマンションの駐車場で何者かに襲われる。もしかして千尋と誤認しての犯行か。仕事場だけでなく私生活にまでも姿を見せ始めた謎の男の影におびえ、憔悴してゆく千尋……。ジワジワと追いつめられてゆく女の極限の恐怖を描く。長篇ミステリ。 ●斎藤澪(さいとう・みお) 1944年、東京生まれ。国学院大学文学部国文科卒業。雑誌編集部、広告代理店勤務を経て作家活動に入る。1981年『この子の七つのお祝いに』で第1回横溝正史賞を受賞して小説家デビュー。『赤いランドセル』『冬かもめ心中』『花のもとにて』など著書多数。 -
夜のこと
「小説を書きたい」とつぶやくあの子に近づきたくて僕はいま“夜のこと”を書いている――。 作家のpha(ファ)が自らの恋愛遍歴をベースに小説を書き始めたのは、“あの子”と文章を見せ合うためだった。 手をつないだだけで気持ちいい女性、部屋のいたるところにカッターナイフが置いてある女性、上下に揺れながら彼氏ができたことを報告してくる女性。 これまでに出会ってきたさまざまな女性たちのことを思い浮かべながら小説を書いては送る。 “あの子”には早々に告白して振られてしまうが、それでも関係性を保とうと書き続けた。 本書は同人誌即売会・文学フリマ東京で発表され話題を呼んだ『夜のこと』(全二巻)を大幅に加筆修正し、書き下ろし作品を加えて一冊にまとめた恋愛短編集。 phaにとってこれが初の小説となる。 <本文より> 今年の終わりに僕は四十歳になる。人生で一番恋愛沙汰が多かった三十代が終わろうとしている。 歳をとるにつれて、少しずつ恋愛感情や性的衝動が減退してきているのを感じていた。ならば、記憶と性欲が薄れてしまう前に、体験したことを書き残しておきたい、と思ったのだ。 シェアハウスで真上の部屋に住んでいた女性の話。ネットで知り合っていきなりセックスをした女性の話。カッターナイフをいつも手にしていた女性の話。夫と彼氏が両方いた女性の話。 そんな話を次から次へと書いては、僕は彼女に送り続けた。恋バナが好きな彼女は、送るたびに「面白い」と言ってくれた。 -
夜の静寂を編む10の物語 眠れない大人のための、五感で味わうショートストーリー
高ぶった脳の熱を冷まし、心地よい眠りの世界へ。 画面を閉じ、インクの匂いと文字の温度に身を委ねる、贅沢な夜を過ごしませんか? 本書は、デジタルデバイスによる疲れや日常のストレスで眠れない大人のために書かれた、睡眠導入のための短編小説集です。劇的な展開や刺激をあえて排除し、雨音や焼きたてパンの香り、毛糸の柔らかな手触りなど、五感に訴えかけるASMR的な情景描写に徹した10の物語を収録しています。 一話約10分で読み終えられる心地よい「平坦さ」が、あなたの心拍数を穏やかに下げ、深い微睡みへと誘います。物語の途中でまぶたが重くなったら、そのまま本を閉じることが本書の「最高の終わり方」です。 こんな方におすすめ ・スマホやPCの使用で脳が疲れ気味の方 ・静かな夜の時間に深くリラックスしたい方 ・心地よい情景描写を楽しみながら眠りにつきたい方 今夜は、この本と一緒に、穏やかで優しい眠りの旅に出かけましょう。 -
夜の写生会
大勢の前で下着を破かれて昂ぶり、次々と男を受け入れる貞淑な妻。芋虫のような男の手で下腹部を執拗に揉まれ、眠りながら下着を濡らす少女…。“先生”は今日も雑誌の取材で女性を写生する。美人編集者・美雪は両腿を擦り合わせ興奮を隠すが、取材後「開いて見せてごらん」と言われると、そこは既に溢れ、「先生」と何度も叫んで達するのだ。 -
夜の署長
夜間犯罪発生率日本一の歌舞伎町を抱える新宿署には、 “夜の署長”と呼ばれる伝説の刑事がいた――。 「随監」で日本推理作家協会賞(短編部門)を受賞し、 同作を含むシリーズで警察小説の旗手となった著者が、 新宿署を舞台にさらに“熱い”刑事たちを描く。 多くの通行人が行きかう中、歌舞伎町の路上で女性がホスト風の男たちに拉致された。 緊急配備がかけられほどなく犯人は逮捕、女性も保護される。 実はその女性はホストにはまり、それが夫にばれて家出をし、 さらに店にツケをためていたためホストに追い込みをかけられていたのだ。 事件の構図は単純なものと思われたが、 “夜の署長”の異名を持つ刑事課強行犯第五係統括係長の下妻警部補はなぜか、 3か月前に起きた歌舞伎町のラブホテルでのデリヘル嬢殺人事件の現場と資料をあたっていた。 東大法学部卒でキャリアの新米警部補・野上は、 拉致未遂事件を早々に終わらせようとする上層部に反し、 下妻とともに3ヶ月前の事件との関連を洗いなおす。 するとデリヘル嬢殺しと拉致未遂事件に思わぬ接点が……(「未練」)。 ほか4編収録。 警視庁捜査一課の刑事だった下妻が、なぜ忘れ去られたように異動することなく新宿署に居続けるのか。 彼の過去には何があったのか。 新米刑事の野上は、いくつかの事件を通じ、下妻の凄みを知ることになる――。 解説・村上貴史 -
夜のセレブリティ
富裕層や芸能人が夜な夜な集う、西麻布の会 員制バー〈X〉。そこで働く紬季は、謎の人 脈をもつ港区女子・亜里砂、陰のある俳優・ 鏑木らと出会い、セレブたちの夜の世界に引 き摺り込まれていく。「セックスを見せあう のは、信頼関係を築くのに実に有効な手段な んだよ」。色と欲にまみれた上流階級の獣た ち。今夜も酒池肉林の狂宴が幕を開ける――。 -
夜の専務
夜の専務、といわれる彼の仕事は世の裏面に直結することが多い。たとえば愛人譲渡式の立会人。大臣の羽沢が愛人の貝塚ラクを財界人の九段に譲渡した。羽沢が九段に向って、「今夜より貝塚ラクとは縁を切り、貴殿に進呈します。よろしくな」というそのかたわらに、彼は重々しく正座しているわけである。こうして貝塚ラクは九段の所有物となったが、どうしたわけか、九段は1週間ののちにポックリと死んでしまう。いわゆる腹上死とよばれる死に方であった――。表題作他6編を収録した短編集。 -
夜の葬送
藤江三郎はしがない私立探偵だ。ある日彼の許に仕事を依頼してきたのは可憐な女子高生。彼女の姉が突如失踪したというのだ。だが相手は未成年。金にならない仕事だった。一度は断わった藤江だが、直後、公安関係者と名乗る男からの依頼を妨害する電話と、尾行の影が……。事件の裏に何か隠されている。藤江は調査を開始するが、それが悲惨な事件の幕開けだった。長篇ハードボイルド小説。 ●広山義慶(ひろやま・よしのり) 1935年大阪生まれ。早稲田大学文学部仏文科卒業。児童文学、翻訳、TVドラマの脚本家を経て、1983年『夏回帰線』でデビュー。『女喰い』シリーズ(祥伝社)、『無法戦士・雷神』シリーズ(光文社)などハード・バイオレンスを中心に著書多数。 -
夜の総務探偵
“闇の刺客”と異名をとり大手ゼネコン総務課のやり手として恐れられた三崎一郎は、バブル崩壊のあおりをうけてリストラ対象となって退社する。屈辱の日々を送る彼のもとへ、大手鉄鋼会社の機密書類を盗み出してほしいという依頼が持ち込まれた。三崎は二千万円の報酬につられ、裏世界の人脈を駆使して仕事を成功させる。一匹狼のコンサルタントとなり、政財界のスキャンダルを多額の金に換えていく三崎の次の標的は……。連作短篇サスペンス。 ●広山義慶(ひろやま・よしのり) 1935年大阪生まれ。早稲田大学文学部仏文科卒業。児童文学、翻訳、TVドラマの脚本家を経て、1983年『夏回帰線』でデビュー。『女喰い』シリーズ(祥伝社)、『無法戦士・雷神』シリーズ(光文社)などハード・バイオレンスを中心に著書多数。 -
夜の太鼓 新版
こころが騒いで眠れぬ夜に―― 「生活」を続けるすべての人に贈るエッセイ 「私の住居は六畳一間に四畳半ほどのキッチンとやら。そのキッチンの棚、卓上、椅子も一つだけを残し、すべて印刷物の占領下にある。」長く家族を養った先で、ついに手にした自分の部屋での自分の暮し。生きる限りは鼓動が続く。傷の記憶も世の不合理も消えずとも、人と話し、ものを食べ、地を歩き、故郷とかつての日々をおもう。戦火をくぐって時代に臨んだ詩人の名随筆集。 解説 蜂飼耳 カバーデザイン 小川恵子(瀬戸内デザイン) カバー画 いぬいかずと 【目次】 Ⅰ 花いちもんめ 時の名称/しつけ糸/会社をやめたら/絵柄人柄/雪谷/気になったことふたつ 他 Ⅱ その角の向うに 運動会の空/籠の鳥/美顔/冬の案山子/梅が咲きました/子供一同/一粒の米も、私も 他 Ⅲ 松崎 「私の前にある鍋とお釜と燃える火と」の頃/自作について/私の名前/思い出が着ている/悲しみと同量の喜び/伊豆と私 他 あとがき/文庫版あとがき/解説 蜂飼耳 -
夜の爪痕
〔二〇二〇年パリ警視庁賞受賞作〕パリ市内で全裸の女性の惨殺死体が発見された。犯罪調査部の新任課長ヴァルミ警視は、その死体を見て愕然とする。彼の元情報提供者のエスコートガールだったからだ。だが、犯人の手がかりは何ひとつなく、捜査は難航するが……パリ警視庁の現役警察官が描いた迫真の警察小説! -
夜の床屋
慣れない山道に迷い無人駅での一泊を余儀なくされた大学生の佐倉と高瀬。だが深夜、高瀬は一軒の理髪店に明かりがともっていることに気がつく。好奇心に駆られた高瀬が、佐倉の制止も聞かず店の扉を開けると……。第4回ミステリーズ!新人賞受賞作「夜の床屋」をはじめ、子供たちを引率して廃工場を探索する佐倉が巻き込まれる、ある夏の日の陰謀劇「ドッペルゲンガーを捜しにいこう」など全7編。奇妙な事件に予想外の結末が待ち受ける、新鋭による不可思議でチャーミングな連作ミステリ。(単行本版タイトル『インディアン・サマー騒動記』改題・文庫化したものを電子書籍化しました) -
夜の人魚
シベリア抑留から生還した、頑固一徹の元・師団長がたどる、変わってしまった日本の世相。清純な長女といわゆるアプレゲールの次女が、社長の息子で漁色家に翻弄され、ついには騒動に巻き込まれるが、その先に幸せをつかんでいく……。 -
夜の果てにこの愛を
秘密を抱えながらも、自分を抑えられない彼女の前に現れた人物は…… マギー・アワード賞受賞、 ダフネ・デュ・モーリア賞ノミネート作家の新作! トリーナは母を亡くし、優しくしてくれたクラブのオーナーと同棲するが、ある日口論となり、偶然手にしていたガラスの破片で彼を刺してしまう。6年後――。サマンサという別名を名乗り、名門料理学校を出て小さな海辺の町でカフェをオープンした彼女は、老舗リゾートホテルの経営者マークと恋に落ちた。過去があるから、もう二度と男性に関わるべきではないのに……。秘密を抱えながらも自分を抑えられない彼女の前に、思いがけない人物が現れ……。 原題:Before the Storm -
夜の果ての恋人
セクシー、ワイルドで、狂おしいほどの情熱がどんどんヒートアップする作品!/Dreamy Reads(書評サイト) 初めて知るこの愛に身も心もすべて捧げたい―― 妻の殺害をテレビ電話で目撃したペン。 やはり心に闇を抱えたコーラと出会い…… 遠く離れた場所から妻とテレビ電話で話している最中、電話の向こうで妻を殺害されたペン。以来4年、心に闇を抱えて生きてきた。コーラもかつて目の前で夫を殺され、その過去を忘れることができずにいた。ふとしたことで知り合い、一つ屋根の下で暮らすことになった二人。急速に惹かれあい、互いの心の傷を埋めあわせるように時間を重ねながらも、なかなか愛を打ち明けあうことができない。そんな折、また新たな事件が起こり、巻き込まれていくが……。真実の愛とは何かを問う、全米騒然の衝撃作! 原題:The Truth About Lies -
夜のパスポート
婚約者に裏切られ、国際見本市アフリカ隊の一行に加わってモロッコにやって来た、羽仁生節子。眠れぬ夜、睡眠薬を飲んで床に着こうとしていた節子を、隊員のひとり、一の瀬が訪れた。翌朝、同じベッドに横たわる男の醜悪な体を発見して、節子は絶望する。スキャンダルは広がった。砂漠の古都・フェズで節子に求愛した若い大使館員・北沢も、噂を知ると冷たくなった。傷ついた節子の行手に待つものは……。異国の空の下、孤独な男女に忍びよる危険と誘惑、行きずりの愛、歪んだセックスを描いて、現代人の心の傷をユニークなタッチで抉る異色作。 -
夜のフロスト
【第1位『週刊文春』2001年傑作ミステリーベスト10/海外部門】新任部長刑事ギルモアが配属されたのは、しけた町だった。まあ、ここは眼も眩む高みに昇りつめるための梯子の一段目にすぎない。こき使われる心配がなさそうなのも幸いだった。だが、いざ出勤してみれば、猛威を振るう流感に、署は壊滅状態。折悪しく、町には中傷の手紙がばらまかれ、老女ばかりを狙う切り裂き犯が暗躍を開始する。なんたる不運。そのうえ、だらしない風体に、悪夢のような下ねたジョークを連発する男、フロスト警部と組む羽目になろうとは……。さすがの名物警部も、今回ばかりは青息吐息。爆走する英国警察小説、大好評第3弾!/解説=霞流一 -
夜の分布図
発端はあなたが理解できない言語をつかいはじめたこと。 そうして鳥のように窓からいなくなって、 羽は濡れるものではない、と、 叫びながら途方に暮れた。 22歳で現代詩手帖賞を受賞し、第10回中原中也賞、歴程新鋭賞などを受賞した気鋭の詩人、三角みづ紀による初の電子詩集。全篇書き下ろしである30の詩から描き出される、あなたがいなくなった一夜の詩という物語は、奇妙であり、劇的であり、わたしたちのありふれた物語--。 ■CONTENTS 1、眠りの手前/2、乱立する会話/3、片道切符/4、ふりかえる/5、こわいはなし/6、わらう種/7、水面/8、正しい音楽/9、しあわせだった/10、めかくし/11、最上の椅子/12、帰路/13、西と東/14、泣いた/15、日食/16、ながい嵐/17、沈黙/18、その、夢/19、呪文/20、眠りの最中/21、羊水/22、めまい/23、ドアは木製だった/24、かがみあわせ/25、白い指/26、砂地/27、鳴った/28、並ぶ/29、眠りの最後/30、溶けるように -
夜の冒険 現代短篇の名手たち8
神父は、その谷にただ一人で住んでいた。若者たちを皮切りに、古くからの住人たちは次々と谷を出ていき、村はすっかり寂れてしまった。今や住民と呼べるのは彼だけなのだ。それでも神父は、毎朝鐘を鳴らし、教会を守っている。そこへ…過疎の村で起こった奇妙な事件を描く「静かに鐘の鳴る谷」をはじめ、極北の荒野で、夜中の港町で、異郷の小さな町で、次々起こる20の事件。 -
夜のまま終わる映画
2人は会話で映画をつくる。夜の中で夜の映画を 男女がいる。季節は秋。もう真夜中だ。 しかし、女性にはこれから仕事がある。 毎週の決まった仕事だが、行きたくない、このまま帰りたい、 そう思う日だってあるだろう。今日がまさにそうだ。 「このまま帰って2人で映画を観たい」。 その思いはしばらくは叶わないから、女が主演を演じる映画を 2人で想像してみる。クルマで目的地に着くまでの時間、 その映画ならざる映画、言葉で建てられた映画が上映される。 さて、それはいったいどんな映画だろうか。 【著者】 片岡義男 1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。http://kataokayoshio.com/ -
夜の向こうで愛して
2014年RITA賞受賞作家! 元宝石泥棒のエンジェルは恩人のため、難攻不落と言われるフェントン・フュルスト型金庫収蔵のダイヤを盗むことに。けれど用心棒のコールに見破られてしまい…… このヒーローはホット、ホット、ホット! そして頭がよくて、不器用でもあり……/Amazonレビュー 5年前まで、凄腕の宝石泥棒だったエンジェル。今は堅実な人生を歩んでいるが、第二の母と慕う幼馴染のおばが誘拐され、身代金として犯罪王ボーゴラが所有するダイヤモンドを要求された。難攻不落と言われるフェントン・フュルスト型金庫に保管されたダイヤを盗むため、エンジェルは一夜限りの復帰を果たすが、わずかに残してしまった手がかりのせいで用心棒のコールに見破られる。実は彼もある目的のために潜り込んだスパイで、捕まりたくなければ今度はもっと奥にある金庫を破るよう命じられ……。 原題:Against the Dark -
夜は新しく
香料技術家の夫・毛利直保が、銀座街頭に連れだっていた若く背の高い女は誰だろう……。平穏な日常生活に退屈した28歳の人妻・由美子の心にしのびよる愛の渇き。そして、濃い眉と逞しい胸をした建築家の小泉青年とともに、バア・トレントで乾したジン・フィズの味が、ひとつの危機の重みとなって冷たくのしかかる。傷ついた美しい獣のような由美子が、死を賭してまで捉えようとしたものは何であったのか……。人妻の不倫に内側から照明をあて、大胆な筆致と濃密なムードに浮彫した野心的長編。永遠にかなしく美しい〈女のかたち〉がここにある。 -
夜は一緒に散歩しよ
作家の横田卓郎は妻を亡くし、娘の千秋と二人で暮らしていた。妻の死後、千秋は奇妙な絵を描くようになる……。人ではない異形のものを。ある日をきっかけに「青い顔の女」ばかりを描くようになった千秋は、その絵を「ママ」と呼び、絵を描くことに執着する。そしてもうひとつ執着すること。それは、夜の散歩だった。第1回『幽』怪談文学賞大賞受賞作。解説は京極夏彦氏。 -
夜果つるところ
執筆期間15年のミステリ・ロマン大作『鈍色幻視行』の核となる小説、文庫化。「本格的にメタフィクションをやってみたい」という著者渾身の挑戦がここに結実・・・・・・! 遊郭「墜月荘」で暮らす「私」には、3人の母がいる。日がな鳥籠を眺める産みの母・和江。身の回りのことを教えてくれる育ての母・莢子。無表情で帳場に立つ名義上の母・文子。ある時、「私」は館に出入りする男たちの宴会に迷い込む。着流しの笹野、背広を着た子爵、軍服の久我原。なぜか彼らに近しさを感じる「私」。だがそれは、夥しい血が流れる惨劇の始まりで・・・・・・。謎多き作家「飯合梓」によって執筆された、幻の一冊。『鈍色幻視行』の登場人物たちの心を捉えて離さない、美しくも惨烈な幻想譚。 -
夜はまだ終わらない
成り行きに身を任せ、終わらせたくないから夜はまだ終わらない タフな仕事を終え、明日は何の予定もない。 そんな最もリラックスできる時間に、女は1人、夜の街に出る。 お気に入りの店で1人飲んでいると、 微妙といえば微妙な関係の男が入ってきて そのまま2人は自動車で高速道路を長い距離、走る成り行きになる。 何一つ不自然なことはないが、しかし同時に どこかでタガの外れてしまったような夜が続く。 男の態度も終始紳士的でありながら、いくらか謎めいてもいる。 こんな夜は、なぜだろう、眠る気になれないのだ。 女は再び1人になってからも、まだこの夜を続ける気でいる。 【著者】 片岡義男 1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。http://kataokayoshio.com/ -
夜はやさし
スイスの診療所に入院していたアメリカの富豪の娘ニコルは、若いアメリカ人の医師ディックを恋し、やがて二人は結婚する。だが、ニコルには暗い過去があり、精神を病んでいた。ディックも夫と付添医師という二重の役目を負わされる。二人の子にも恵まれた平穏の暮らしのなかへ、ハリウッドの新進スター、18歳のローズマリーがあらわれ、ディックはその誘惑に抗しきれなくなる。深酒にふける彼のモラルの崩壊はこのときから始まる。だが、夫の愛情が冷めてゆくにつれて、ニコルは精神の健康をとり戻し、以前から秘かに彼女への思慕をつづけてきたトミー・バーバンへ走る。…「ジャズ時代」の申し子であった作者の野心作であり、すぐれたドキュメンタリーな作品ともいえる。 -
夜ひらく谷
性的不能の烙印を負って、山寺=曼荼羅寺にこもる三国実が、妖女艶婦の愛欲の中で、いかにして青春を復活していくかを描く問題作。 -
夜フクロウとドッグフィッシュ
LAとNYを結ぶ、YA版書簡体小説。 ある日、突然、ロサンゼルスの知らない人からメールが届いた。 「そっちのお父さんは、うちのお父さんとつきあってるんだよ」 ??????????????? 「なにか勘違いしていると思います」 ロサンゼルスとニューヨークに住む、全く知らない少女たちのメールのやりとりがはじまる。 「お父さんたちは、わたしたちに仲良くなってほしいみたい」 そんなことできるわけない!と反発する少女たち。 水を油で、共通点のない少女たちは、仲良くなるのか? お父さんたちは、むずばれるのか? 最後まで、結末の分からない、ノンストップ小説。 新しい家族の形が見えてくる。 -
寄るべなき人々
稀代のストーリーテラー壺井栄が紡ぐ島の物語には、私たちがなくしてきた人の暮しが息づいている。 キクにはどういうからくりで世の中に景気や不景気がやってくるのか、知るすべがなかった。しかし、戦争のあとには必ずその不景気がめぐって来るのだということだけは分かった。 二度も夫をなくし、キクが十数年ぶりに娘が生んだ私生児の孫とともに島に戻って来た。住み込みで役場の小使いとして、雨風をしのげる小部屋をあてがわれ、孫を背負い遊ばせながら働けるのは、何もなくなったいまのキクには、誰に対しても有り難うござんすと、笑顔を向けなければならない境涯であった。 【著者】 壺井栄 小説家 1899年 - 1967年 香川県小豆郡坂手村(現内海町坂手)生まれ。 坂手郵便局や役場勤務後、同郷の壺井繁治を頼り1925年に上京。 以後東京。 1941(昭和16年)『暦』が第4回新潮社文芸賞を受賞。 1955(昭和30年)『風』で第7回女流文学者賞を受賞。 『母のない子と子のない母と』で第2回芸術選奨文部大臣賞を受賞。 1954(昭和29年)映画「二十四の瞳」(木下恵介監督、高峰秀子主演)が公開され、全国的ヒットとなり、小豆島と壺井栄の名が一躍クローズアップされる。 -
夜を買いましょう
製薬会社の新薬開発担当の遠藤は、インドネシアの小島でとてつもない強精作用のあるキノコを発見した。意気揚々と帰国したが会社は外資に合併され彼の居場所はなかった。だがこのキノコの能力は強精だけではなかった。人の睡眠を蓄積し、コントロールする働きがあったのだ。遠藤らはキノコによる世界初の睡眠ビジネスをもくろむ。一見、大成功に見えた新ビジネスだったが、遠藤の胸には不安が去来する。なにか忘れている気がする。とても重要ななにかを……。新境地エコノミカル・ファンタジー長篇小説。 ●浅暮三文(あさぐれ・みつふみ) 小説家。第8回日本ファンタジーノベル大賞最終候補を経て、1998年第8回メフィスト賞『ダブ(エ)ストン街道』でデビュウ。2003年第56回日本推理作家協会賞を『石の中の蜘蛛』で受賞。他作品に『実験小説ぬ』『ぽんこつ喜劇』、エッセイ『おつまミステリー』など多数。著作はイタリア、韓国で翻訳され、中学校教科書に採用された。日本文芸家協会、日本推理作家協会会員。 -
夜を束ねて
【夜を束ねて】 石を置く男と遭遇した僕は自らの短命を悟り、恋人と顔を合わせる事にした。 しかし彼女は自室冷蔵庫に潜んでいた作業服の男によって、雪で覆われた不毛の大地へと連れ去られてしまう。 【三色の水溜り】 公園に奇妙な水溜りができたらしい。話によれば黒々とした水が甘だるい匂いを漂わせているのだという。 他にすべき事も思いつかず、彼女が自ら休日の過ごし方を提案したことに少し驚き、裸足のまま靴を履いた。 以上2作収録 (本書は2020/10/28につむぎ書房より刊行された書籍を電子化したものです) -
夜を抱く
生の哀しみと愛おしさに満ちて 「闇の中を模索するように生きていた」青春時代から老境に至る道のり。 作者の実人生と重なる登場人物達の、逞しくも苦い哀しみと愛おしさに満ちた、二つの物語。 【目次】 夜を抱く 手賀沼のマリア 初出一覧 【著者】 佐藤洋二郎 佐藤洋二郎(さとう ようじろう) 1949年福岡県生まれ。少年時代を山陰で過ごす。中央大学卒。主な作品集に『未完成の友情』『福猫小判夏まつり』『神名火』『グッバイマイラブ』『沈黙の神々Ⅰ・Ⅱ』などがある。『夏至祭』で野間文芸新人賞、『岬の蛍』で芸術選奨新人賞、『イギリス山』で木山捷平文学賞。著書多数。元日本大学芸術学部教授。
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