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Posted by ブクログ
女性はなにに支配されているのか。
まず女性の対となる存在である男性。彼ら(もちろん全員ではないが)は、女性の脆弱さ(ヴァルネラリビティ)につけこみ性の尊厳を搾取していく。
ほかにも、親としての権力を振りかざし子の領域に踏み込んでくる両親。あるいは同じ女性からも抑圧されることだってあるのかもしれない。
そんな支配から脱却し、独立を勝ち取るために、強さ(レジリエンス)を獲得しようと悩みもがく女性たちを見守っているのが、神父の金山。(彼も男性であるが、過去に支配されている)
強靭に生きるというのは難しい。でも、そのためのヒントとなるかもしれないことを神話と照らし合わせて、本書は伝えてくれる。
Posted by ブクログ
群像連載短編集 2019年単行本ですが、連載は2014年から
島本さんは、連載作品を単行本、文庫本とする時、手を加える物が多いらしい。作品を世に出すとは、大変なことですよね。
短編4編、どの主人公の女性も 自分に自信がなく。それを補う為に、誰かに頼ってより傷つく。
それぞれ罪悪感に満ちている。
宗教は彼女達の救いとなるのか。
作品共通の金井神父に罪を聞いてほしい女性達。
彼の言葉からキリストの教えを感じることができたのでしょうか。
「夜のまっただなか」
自分の価値を見出せない女子大生。胡散臭い男に救いを求めて、より傷つく。
「サテライトの女達」
母親が教祖となった女性。母親とは、理解し合えず、愛人として生活する。
「雪ト逃ゲル」
家庭に居場所を見つけられず、不倫の末、家を出て、海外で女性ト暮らす。
罪を犯したことが罰。なるほどって思った。
「静寂」
神父自らの告白。それを受け止めるカウンセラー。
タイトルもかなり悩むようです。
4作で、夜はおしまい。明日が来るねっていう感じで良いタイトルだなと思います。
この作品で純文学を卒業宣言されていて、この夜はおしまいが最後の作品らしい。(本人あとがきより) ファーストラブで直木賞受賞しましたし、新しい分野ですかね。
なんとなく離脱しておけば良いのに、真面目なんだろうなって思う。
Posted by ブクログ
心に複雑な問題を抱えた女性が主人公の4つの短編。それぞれにキリスト教神父の金井が絡んで統一感がある。
「夜のまっただなか」の琴子、「サテライトの女たち」の結衣は、真逆なようでいてどちらも自分を大切にできずに深く傷ついている。
パパ活やホスト通いをする結衣の自己肯定感の低さ、みじめな思い。性的描写もキツくて読んでて、金原ひとみの小説を思わせるような場面もある。
後半の2篇「雪と逃ゲル」「静寂」は作者の直木賞受賞作「ファーストラブ」を想起させる内容。作者は、父親から虐待を受けた娘、という設定に相当なこだわりを持っているのかもしれない。
「雪と逃ゲル」は家庭のある女流作家と恋人Kとの特殊な関係を描いていて、時点を遡っていく構成になっている。夫も同意の不倫になるのだろうが、主人公の語りが言い訳がましいのが少し気になる。この主人公は「静寂」の終盤にも登場して意外な展開になるのだが、もう最近の小説は何でもアリな感じだなあ。
次の展開が気になり、飽きずに一気に読めてしまうが、結局何だったのだろうというモヤモヤが残り、引用される聖書の一節など信仰上の解釈も自分には消化しきれなかった。
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小説・文芸
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