小説・文芸作品一覧

  • 一老政治家の回想
    5.0
    新聞『日本』の記者として活躍、犬養毅の知遇を得て政界入り、大正デモクラシー真っ只中にあって犬養を支え、政党政治確立に尽力する。やがて二大政党制の欠陥が露わとなるなか犬養は兇弾に倒れ、政党政治は終焉を迎える……。議会政治の裏側を知り尽くした傲骨の政治家の証言。 〈解説〉筒井清忠
  • 彷徨える英霊たち 戦争の怪異譚
    5.0
    戦場で命を落とした者たちはなぜ、霊魂となってもなお祖国へと帰ろうとするのか。ガダルカナル、ニューギニア、フィリピン、硫黄島、朝鮮半島、そして沖縄。さまざまな場所で、戦死者たちを、その家族たちを長年にわたり取材してきた著者が〈怪異譚〉を通して綴る鎮魂の記。
  • 遊郭医光蘭 闇捌き(一)
    5.0
    吉原で開業する医師・光蘭。遊女を治療するかたわら持ち前の医学知識を駆使して事件を腑分けし、公儀が裁けない悪を闇で捌く!
  • 吉田松陰と幕末志士たち 明治維新を10倍楽しむ奇人変人ガイド ~坂本龍馬、高杉晋作、伊藤博文、大隈重信、久坂玄瑞、佐久間象山、黒田清隆など~
    5.0
    <まえがきより>  明治維新は、松陰を筆頭に“変人たちの半ば自暴自棄な行動”が最終的にブラッシュアップされて成立したものだ、という側面がある。実のところ、当初は日本の近代化もそこそこに「幕府を倒せ」とか「外国人斬るべし」といった目標を掲げる何とも危うげな運動でしかなかったのだ。  その危うげな動きがどのようにして真っ当な社会変革へと収束していったのか。松陰をはじめとする志士たちの実像はどのようなものだったのか。 <目次> ●第一章:驚きの実情~天下の奇人・吉田松陰と松下村塾 現代なら異常者扱い!? 自称革命家としての松陰 松下村塾は社会不適合者のフリースクールだった!? 薩摩藩が維新を主導できた理由~薩摩版・松陰――島津斉彬の存在 吉田松陰とは何者なのか!? ●第二章:維新志士の人物伝~幕末は奇人変人のオンパレード!? 不美人!? 容姿を理由に結婚を断られた~杉文 戦場で読書に耽った変人~久坂玄瑞 狂気の言動、日本を救う~高杉晋作 傍若無人! 曰く「我は国家の財産也」~佐久間象山 高熱にうなされながらも芸者をはべらせた!? ~伊藤博文 あの有名宰相は見栄っ張りの死にたがり!? ~大隈重信 酒の勢いで一般市民を殺害! 酒乱の宰相~黒田清隆 常軌を逸した社会不適合者~勝小吉 松陰の妹2人を妻にした!? ~楫取素彦 ●第三章:大河の舞台をおさらい~まじめに復習する明治維新 幕末の動乱~日本国、その幼年期の終わり 開国か攘夷か~現実と誇りのせめぎあい 明治維新~新たなる日本の夜明け ★impress QuickBooks(http://quickbooks.impress.jp/)は、気軽に電子書籍を楽しんでいただきたいという想いから生まれた電子専門レーベルです
  • 戦国武将「できる男」の意外な結末(愛蔵版)
    5.0
    全国各地で多くの知将・猛将が覇を競った戦国時代。本書は戦国時代を生き抜いた武将たちの「意外な人生」に注目したものである。武田信玄・徳川家康といった、誰もが知っているような名将から知る人ぞ知る武将まで、波瀾万丈の人生を送った男たち。彼らの中には優れた才能を持ちながら非業の死を遂げたり、失意のうちに晩年を過ごした者も少なくない。逆にパッとしない前半生を送りながら、人生の後半になってその名を轟かせた者もいる。現代以上に実力主義だった戦国乱世、「できる男」たちの人生を決めたものは何だったのか? 歴史ファンのみならずとも読んで欲しい一冊。

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  • 秋山好古と秋山真之 日露戦争を勝利に導いた兄弟
    5.0
    世界最強のロシア騎兵を防ぎ、戦史に名を残す激戦を繰り広げ「日本騎兵の父」と称えられた兄・好古。日本海海戦で無敵といわれたバルチック艦隊を破る秘策を立て、名将・東郷平八郎から「智謀湧くが如し」と絶賛された弟・真之。この兄弟を抜きにして日露戦争は語れまい。礼儀作法を重んじ、無欲恬淡、豪放磊落な好古と、形式にとらわれず、つねに本質を見極め才気走ったところがある真之。全く異なる性格のふたりだが、ともに共通していたのは、戦場ではつねに作戦のことを考え、作戦以外のことは気にかけなかったことだ。本書は、松山に生まれた兄弟の幼少期から真之の死、好古の中学校校長時代まで、真っ直ぐに明治を生き抜いたふたりのエピソード満載の一冊。『坂の上の雲』以上にこの兄弟に魅せられることは間違いないだろう。人間的な魅力溢れるこの兄弟の知られざる素顔に迫る人物評伝。

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  • 黒船以前 パックス・トクガワーナの時代
    5.0
    パックス・トクガワーナ(徳川の平和)は、なぜ二五〇年の長きにわたり続いたのか。江戸開府前史から黒船来航前夜まで、江戸への造詣の深さでは人後に落ちぬ二人が、世界史的視野から縦横に語り合う。従来の江戸時代観を一新する刺激に満ちた対論。『江戸の構造改革』改題。

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  • 降ろされた日の丸―国民学校一年生の朝鮮日記―
    4.7
    「何で日の丸を降ろすんだろう」――昭和二十年八月十三日、朝鮮の港町・仁川に住む七歳の著者は不思議な光景を目にする。それは、当たり前の生活と秩序が崩れ去る前触れだった。玉音放送の後、優しかった現地の青年は豹変して「この家の物はオレのもの」と凄んだ。隣組では、上陸した米兵に「慰安婦」を差し出す相談が持ち上がった。仁川神社の宮司は行方不明に……小さな目と耳が捉えていた、敗戦下の貴重な記録。

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  • 天皇になろうとした将軍 それからの太平記 足利義満のミステリー
    4.6
    足利義満の秘められた野望を明らかにする なぜ戦乱記を「太平」記と記したのだろうか? 後醍醐天皇の「遺言」に秘められたこととは。金閣寺に塗り込められた足利義満の「野心」。金閣「寺」の命名に秘められた義満「暗殺」の真相。義満暗殺の「実行犯」と「大文字焼き」の秘密…。日本史上かつてないほどの戦乱の世、下克上はびこる南北朝の時代とは現代の写し絵ではないか。“目からウロコ”の井沢流、歴史謎解きの冴えが光る。

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  • ハル回顧録
    4.5
    一九四一年、日米交渉の最中に「ハル・ノート」を突きつけ、日本に対米開戦を決意させたことで知られるハルは、「国際連合の父」としてノーベル平和賞を受賞した、戦後体制の樹立者でもあった。十二年にわたり国務長官としてルーズベルト政権を支えた外交官が綴る国際政治の舞台裏。 〈解説〉須藤眞志。
  • 回顧七十年
    4.5
    二・二六事件の熱さめやらぬ昭和十一年五月、議会での「粛軍演説」で喝采を浴びた民政党議員・斎藤隆夫は、四年後に「支那事変処理」についての質問演説を問題視され除名処分を受けた。陸軍を中心とする「革新」派が台頭する中、「現状維持」を訴えてやまなかった保守政治家の自伝。〈解説〉伊藤 隆

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  • あの戦争と日本人
    4.5
    歴史とは、前の事実を踏まえて後の事実が生まれてくる一筋の流れである――明治維新、日露戦争、統帥権、戦艦大和、特攻隊。悲劇への道程に見える一つ一つの事実は、いつ芽吹き、誰の思いで動き出したのか。ベストセラー『昭和史』『幕末史』と並ぶ、わかりやすく語り下ろした戦争史決定版! 日本人の心に今もひそむ「熱狂」への深い危惧が胸に迫る。
  • 小説 日蓮 上巻
    4.5
    1~2巻1,100円 (税込)
    日蓮は日本仏教の破壊者か、改革者か? その激動の時代と思想を描く、島田裕巳初の小説作品。日蓮の思想が今求められている。

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  • 日本人が知っておくべき「戦争」の話
    4.4
    僕らのじっちゃん、ばっちゃんの名誉のために、ニッポンの「戦争」の話をしましょう! 日本は決して「侵略国家」ではありません! 中国、韓国、そしてアメリカなどの“外国目線”ではなく、自らの歴史観を持つことが大切なのではないでしょうか。 明治維新から、日清・日露戦争、満州事変、日米開戦まで、戦後70年間、教科書や新聞、テレビが伝えてこなかったホントの「大東亜戦争史」を語る一冊!! ■ 平和ボケだった!? 「鎖国」の時代のニッポン ■ いちゃもんをつけて、「清」に戦争をふっかける「イギリス」 ■ 独立する気概のない韓国。併合するしかなかった…… ■ 「軍部の意のままだった」は本当か? ■ 「お金持ちを皆殺しに!」共産主義の恐怖 ■ 7割の戦力さえあれば、英米にも勝てた!? ■ ヒトラーがかすむほどの独裁者、スターリンと毛沢東 ■ 「武器によらない戦争」を仕掛けるアメリカ ■ 石油の禁輸は、「宣戦布告」と同じである ■ 白人支配に立ち向かった、アジアのリーダー国・日本 ■ 戦後、日本人の「精神」も焼け野原になってしまった…… ■ 本来、何の問題もない「靖国問題」 他
  • 「昭和天皇実録」の謎を解く
    4.4
    最強メンバーは1万2000ページに及ぶ 激動の記録をどう読んだか? 初めて明らかにされた幼少期、軍部への抵抗、開戦の決意、聖断に至る背景、 そして象徴としての戦後。天皇の視点から新しい昭和史が浮かび上がる。 第一章 初めて明かされる幼年期の素顔 第二章 青年期の栄光と挫折 第三章 昭和天皇の三つの「顔」 第四章 世界からの孤立を止められたか 第五章 開戦へと至る心理 第六章 天皇の終戦工作 第七章 八月十五日を境にして 第八章 “記憶の王”として
  • 散り椿
    4.4
    かつて一刀流道場四天王の一人と謳われた瓜生新兵衛が帰郷。おりしも扇野藩では藩主代替りを巡り側用人と家老の対立が先鋭化。新兵衛の帰郷は藩内の秘密を白日のもとに晒そうとしていた――傑作長編時代小説!
  • 爆笑問題の日本原論2
    4.3
    20世紀末ニッポンとはどんな時代だったのか? 酒鬼薔薇聖斗がいて、東電OL事件があり、ペルー大使館の人質が解放され、和歌山毒物カレー事件があって、新ガイドライン法案が国会を通過した、あの頃を極上のギャグがぶった切る! 今読んでこそその正しさが実感できる活字の漫才27本。いろいろあるけど太田光執筆なのは日本原論のみ。
  • 明と暗のノモンハン戦史
    4.3
    1990年前後から、ノモンハン戦史に関する旧ソ連軍側の第一次資料が利用できるようになったことから、在来のノモンハン戦像が大きく揺らいだ。著者が本書を執筆しようと考えたのも、この動きが進んで、日露(ソ)双方の資料がほぼ出そろったと見定めたからである。従来までの日本側資料中心の研究では、「日本軍の人的損害はソ蒙軍の約二倍」「ソ連の圧倒的勝利、日本の惨敗」という「既視感」が定着していた。しかし、旧ソ連側の資料が公開されるにつれ、ソ連側の人的損害などが日本軍を上回っていたことが判明し、「日本が勝っていたのではないか」という議論が盛んにされるようになってきた。著者の今回の研究では、数字だけを見ての判断ではなく、「何を目的に戦われたのか」「その目的をより達成しえたのはどちらか」というような視点から、新たにノモンハン戦を掘り下げてゆく。戦史研究の上で見落とせない一冊である。

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  • 謀将 真田昌幸(上)
    4.3
    六文銭の旗印を立てよ。敗亡した一族再興のため武田信玄に仕えた真田幸隆。六文銭を旗印に、信玄の謀将として活躍。その父幸隆の志を継いで、昌幸は真田家の自立と戦国の争覇戦に乗り出してゆく……。類いまれな軍略と奇謀で、戦国乱世を生き抜いた幸隆・昌幸父子を描く渾身の歴史巨篇。
  • [真珠湾]の日
    4.3
    運命の日、すべてはこう動いた! 1941年11月26日、米国は日本に「ハル・ノート」を通告、日米の外交交渉は熾烈を究め、ついに運命の日、12月8日に辿りつく。その時々刻刻の変化を東京、ワシントン、ホノルル、マレー半島に追いながら日本人にとって日米開戦とは何であったのかを冷静に解き明かす。名著『ノモンハンの夏』に続く著者の開戦シリーズ。
  • 二十世紀(上)
    4.3
    二十世紀は戦争と革命の時代だったとも言える。一方で、一年ごとに見ていけば、意外にも大事件の起こった年は少ない。そんなふうに私たちは毎日を普通に生きているのだ。しかし、普通が激動に結びつくことは理解されにくい。一体、この百年で、何が変化し、何が変わらなかったのだろう? 生活レベルのことから、芸術、経済、政治まで、橋本治が、歴史の全体像を身近なものへと手繰り寄せる。
  • 昭和二十年夏、女たちの戦争
    4.3
    人生で最も美しい時を戦時下で過ごした5人の女たち。作家・近藤富枝、評論家・吉沢久子、女優・赤木春恵、元JICA理事長・緒方貞子、作家、評論家・吉武輝子。彼女たちには、明日の見えない日々でさえも、その日常には青春の輝きがあった。妻でもなく、母でもなく、ただの若い女性だった彼女たちは、あの戦争をどのように生き抜いたか。大宅壮一ノンフィクション賞受賞の作家が綴った、あの戦争の証言を聞く。
  • 父、坂井三郎 「大空のサムライ」が娘に遺した生き方
    4.3
    生きるためには「負けない」ことだ、失ったものにこだわっていないで残されたものを守れ――常在戦場を貫いた坂井三郎の「生きる術」は「うちの決まり」となって戦後も生き続けた。撃てないピストルはただの鉄くずだ、「前後左右上下」を確認しろ、必要な嘘もある、基本に忠実なだけでは死ぬぞ、ホールインワンは本気で狙え。娘には懐剣を与え、笑顔で「行ってらっしゃい」を何より重んじた。愛情と気迫に満ちた坂井三郎が今、蘇る。
  • あした咲く花 新島八重の生きた日々
    4.3
    「あなたは生きて」 苛烈な会津籠城戦にスペンサー銃を携えて、夫とともに死闘を繰り広げた八重。明治、文明開花期の京都で、新島襄と同志社を創立するために協力し、ともに時代に立ち向かい結ばれた八重。八重は常に前に向って、「生きること」「愛すること」を選んだのだった。 2013年「幕末のジャンヌダルク」と呼ばれた、大河ドラマの主人公である「新島八重」の会津での半生と、京都で同志社大学創立者の新島襄と再婚するまでの物語を、会津地方・喜多方在住の女流作家・菅野彰が小説化。
  • ヒロシマ・ナガサキ 二重被爆
    4.3
    広島と長崎で、二度被爆した人がいる。戦後60年以上沈黙を保ってきた著者が93歳になり、重い口を開き語る半生。軍部の「正義」に疑問を持ちつつも、造船技師として派遣された広島で被爆し、命からがら逃げ帰った故郷長崎で二度目の被爆。戦後は米軍の通訳や英語教師として、原爆症と闘いながら必死で家族を守り続けた男が息子を原爆症で失った今考える「あの戦争」とは何だったのか。被爆者からのあまりに貴重な証言。

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  • 私の沖縄戦記 前田高地・六十年目の証言
    4.3
    沖縄学の第一人者による壮絶な戦争体験記。外間青年の目を通した語り口ながら、一個人の体験に留まらず、戦後明らかにされてきた多くの資料を織り交ぜ構成。巻末には著者同様、沖縄初年兵だった人々の体験記も収録。
  • 無私の日本人
    4.2
    2016年5月に映画化! 「殿、利息でござる!」の原作。 清廉な生き方を貫いた三人を、歴史の中から掘り起こした感動作。 穀田屋十三郎-伊達藩の貧しい宿場町に生まれた商人。同志をあつめて一家離散を覚悟で大金を集め、それを伊達藩に貸し付けて、その利息で、滅びようとする郷里を救おうと奔走。 中根東里-江戸時代を通じて空前絶後の詩才の持ち主ながら、栄達を求めず、極貧のうちに村儒者として死す。 大田垣蓮月-津藩家老の娘として京都の花街に生まれた絶世の美女。家庭に恵まれず、尼僧として京都郊外に庵をむすび、当代一流の文人墨客と交流。 大ヒット映画「武士の家計簿」に続き、気鋭の歴史家が描く日本人の誇るべき美徳。
  • ぶらり日本史散策
    4.2
    山本五十六の恋文を読んでみたら……歴史探偵・半藤さんが見つけた楽しい歴史の場面60! 新発見・山本五十六の恋文から聖徳太子、坂本龍馬まで登場。日本史の一場面を訪ねて、知的な驚きと半藤さんならではのユーモアたっぷりに解説した、歴史こぼれ話集。一日一話、気になるタイトルから気楽に知識を得られる1冊です。
  • この命、義に捧ぐ 台湾を救った陸軍中将根本博の奇跡
    4.2
    中国国民党と毛沢東率いる共産党との「国共内戦」。金門島まで追い込まれた蒋介石を助けるべく、海を渡った日本人がいた―。台湾を救った陸軍中将の奇跡を辿ったノンフィクション。第19回山本七平賞受賞。
  • 秋山兄弟 好古と真之
    4.2
    日露戦争で、陸軍を率いてロシア軍を圧倒した兄・好古。海軍参謀としてバルチック艦隊を壊滅させた弟・真之。明治になってたかだか40年弱で、なぜ秋山兄弟のような世界に伍する人材が生まれたのか? 秋山兄弟の軍事的業績だけでなく、彼らを育てた明治日本の家庭、学校、軍隊での教育の考察を通して、逸材が生まれる社会、条件とは何かを探る。

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  • 龍馬史
    4.1
    坂本龍馬を斬ったのは誰か? 黒幕は? 幕末最大のミステリーに挑んだ 気鋭の歴史家が、史料の丹念な読解と巧みな推理でついに謎を解きあかした。 自筆の書状から龍馬の内面に迫り、龍馬が生きた幕末という時代、土佐藩の事情などを一つ一つ検証。既成の枠にとらわれない自由な発想の持ち主が生まれた背景にも迫ります。 坂本龍馬の生涯をたどることで、複雑な幕末史が分かる。
  • 爆笑問題の日本史原論
    4.1
    歴史はこんなに面白くて笑えるものだった! 「縄文時代の巻」「卑弥呼の巻」「大化の改新の巻」「信長・秀吉・家康の巻」「忠臣蔵の巻」「薩長同盟の巻」「大正時代の巻」「二・二六事件の巻」などをテーマにして、笑っているうちに日本史が早わかり。歴史学の話題も解説に入った太田光執筆による新しい歴史教科書第一弾。
  • 日本国憲法の二〇〇日
    4.1
    東京大空襲で九死に一生を得た著者は疎開先、茨城県下妻を経て新潟県長岡で日本の敗戦を迎える。そのとき15歳の少年だった。そして日本は、戦後を生きる原理となる新憲法の策定作業に入る。占領政策を決めるGHQ指令が次々と発せられる中、昭和21年3月6日、ついに「憲法改正草案要綱」が閣議決定される。あの敗戦より203日。この苛酷ではあるが希望に満ちた日々を、史家の目に少年の目を織り交ぜつつ、哀切に描ききる。
  • それからの海舟
    4.1
    幕末の動乱期の中、勝海舟はどう生きたのか。新旧相撃つ中で旧幕臣たちの生計をたてる道を探り、福沢諭吉らの批判を受けながらも、旧幕府勢力の代弁者としての発言力を確保して徳川慶喜と明治天皇の会見を実現。また一方では逆賊とされた盟友西郷隆盛の名誉回復に尽力した海舟の後半生に光を当てた名評伝。
  • 同日同刻――太平洋戦争開戦の一日と終戦の十五日
    4.1
    太平洋戦争中、人々は何を考えどう行動していたのか。敵味方の指導者、将軍、兵、民衆の姿を、著者の蒐集した膨大な資料を基に再現。開戦の日、昭和16年12月8日と終戦にいたる昭和20年8月1日から15日までの、同日同刻の記録が戦争に翻弄された人間の狂気、悲劇、愚かしさを焙り出す。
  • 全一冊 小説 吉田松陰
    4.1
    外国の実情を知ろうと、アメリカ密航を企て、失敗した吉田松陰は萩の獄に幽閉された。しかし、出獄後は小さな私塾「松下村塾」で「誰でも持っている長所を引き出すのが教育である」という信念の下、高杉晋作、山県有朋、伊藤博文など、わずか2年半で幕末、維新をリードした俊傑を生み出した。「魂の教育者」松陰の、信念に基づく思想と教育観を感動的に描く長編。
  • 全一冊 小説 伊藤博文 幕末青春児
    4.1
    貧農の子に生まれた利助(後の博文)は、吉田松陰の「社会に役立たぬ学問は学問にあらず」との教えに開眼。高杉晋作、桂小五郎、坂本龍馬らとの出会いによって自らを成長させていった。イギリス留学などで培った世界的な視野で幕末の激動を乗り切ってゆく。「日本の夜明け」の原動力となった幕末の青年たちの中で、ひときわ異彩を放つ伊藤博文の若き日々。
  • 地獄の日本兵―ニューギニア戦線の真相―
    4.1
    敵と撃ち合って死ぬ兵士より、飢え死にした兵士の方が遥かに多かった――。昭和十七年十一月、日本軍が駐留するニューギニア島に連合軍の侵攻が開始される。西へ退却する兵士たちを待っていたのは、魔境と呼ばれる熱帯雨林だった。幾度となく発症するマラリア、友軍の死体が折り重なる山道、クモまで口にする飢餓、先住民の恨みと襲撃、そしてさらなる転進命令……。「見捨てられた戦線」の真実をいま描き出す。

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  • 真田幸村 家康をもっとも追いつめた男(小学館新書)
    4.0
    幸村の戦闘力を徹底解剖する! “日本一の兵(ひのもといちのつわもの)”と謳われた真田幸村(信繁)は なぜ家康本陣を崩壊させるほどの活躍ができたのか? それは豊臣への忠義か? 徳川への敵愾心か? それとも・・・・ いまなお絶大な人気を誇るこの戦国武将のすべてを、 日本テレビ系列『日本一受けたい授業』などで 多くの歴史ファンに支持されている 歴史作家・河合敦氏が綴った 真田関連読み物のなかでも完全保存版といえる一冊。 壮絶に散った大坂の陣はもちろん、 幸隆、昌幸、幸村と続く真田三代の戦(いくさ)上手な血脈、 関ヶ原合戦での心理戦、 幸村自身の好戦的な人間性、 大河ドラマのタイトルにもある「真田丸」築城の真実など、 貴重な史料を再検証し、 いままで明かされていなかった史実に迫る。 【ご注意】※お使いの端末によっては、一部読みづらい場合がございます。お手持ちの端末で立ち読みファイルをご確認いただくことをお勧めします。
  • 大宰相・原敬
    4.0
    著者は言う、「原が元老として若き昭和天皇を導き、初期の治世を支えることができていたなら、議会政治が空洞化し、軍部が政治勢力として台頭することも防げたのではないだろうか」「原の暗殺の重さは、大村益次郎、大久保利通、横井小楠の暗殺よりさらに深刻なものであった」と。賊軍・南部藩の家老の家から、苦労して立身出世を成し遂げ、伊藤博文や井上馨、西園寺公望など元勲との深いかかわりを持ちながら、「力の政治」を体現した「田中角栄型」リーダー。一方、清、朝鮮、フランス駐在の外交官を経験し、キリスト教にも通じ、英語、フランス語が堪能。世界を見る眼が確かだった現実主義者。「白髪の平民宰相」という教科書に載っているイメージの裏側にある、「人間・原敬」の魅力的な実像を明らかにする!

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  • 夢声戦中日記
    4.0
    活動写真の弁士を皮切りに、子役時代の高峰秀子らと映画で共演するなど昭和を代表する芸能人であり、文筆家としても知られた著者が、真珠湾攻撃から東京大空襲にいたる約三年半の日々を克明に綴った記録。終戦までの四ヵ月を収録した既刊『夢声戦争日記 抄 敗戦の記』の姉妹篇。 〈解説〉濱田研吾
  • 最後の御前会議/戦後欧米見聞録 近衛文麿手記集成
    4.0
    戦前、歓呼の声で宰相の座についた公爵は、終戦直後、戦犯に指名され自死を選ぶ。今なお歴史的位置づけが揺れ動く近衛文麿の思想の軌跡を綴った手記六篇「最後の御前会議」「平和への努力」「近衛上奏文」「世界の現状を改善せよ」「戦後欧米見聞録」「英米本位の平和主義を排す」を集成。〈解説〉井上寿一
  • 時代を拓いた師弟:吉田松陰の志
    4.0
    「一誠兆人を感ぜしむ!」─誠をもって人を感化する。多くの英傑を育て、齢三十で散った明治維新の先駆者・吉田松陰。没後150年(2009年)を超えて、今なお人々を魅了する、熱く激しい、その人生に迫る! 松陰の生涯とエピソードを談話調で語り尽くし、巻末には簡潔な「松下村塾生列伝」と、小学校でも朗唱される「松陰先生のことば」18篇を付した。
  • 維新風雲回顧録 最後の志士が語る
    4.0
    吉田東洋暗殺犯のひとり那須信吾の甥。土佐勤皇党に加盟の後脱藩、長州に依り、中岡慎太郎の陸援隊を引き継ぐ。国事に奔走し、高野山義挙に参加、維新の舞台裏をつぶさに語った一級史料。
  • 明智光秀と本能寺の変
    4.0
    「謀反人」になるはずのない名将がなぜ、信長を討ったのか?本書は、戦国史研究の第一人者である著者が、本来、名将と称されるべき実績を誇りながら、日本史上最悪の「謀反人」のレッテルを貼られてきた明智光秀の謎に包まれた人物像に迫ったものである。語られざる「金ヶ崎退き口」での武功、「近畿管領」とも称すべき要職への抜擢、本能寺の変前夜の動向…。そこから見えてきた光秀の実像と、本能寺の変の真相とは? なお、「文庫版まえがき」では、ここ数年の研究トピックスや2014年に新発見された「石谷家文書」について語られるなど、研究の最新動向を知ることもでき、光秀と本能寺の変を語る上で必読の書となっている。
  • 爆笑問題の日本史原論 偉人編
    4.0
    歴史は爆笑の連続だった! ヤマトタケル、聖徳太子、空海、源義経、豊臣秀吉、天草四郎、松尾芭蕉、平賀源内、坂本龍馬、吉田茂など、古代から現代まで各時代の中心的人物を斬って斬って斬りまくる、ベストセラー第二弾。日本史学からの解説も入ってタメになって面白い。こんなに笑える歴史の教科書見たことない。
  • 爆笑問題の日本原論3 世界激動編
    4.0
    9月11日の米同時多発テロが起きた瞬間は、世界中のコメディアンが口をつぐんだ瞬間でもあった。はたしてあの“世界一笑えない事件”を爆笑問題はどう語るのか? JCO臨界事故、新潟監禁事件、雪印食中毒事件、大阪児童殺傷事件、中東紛争など、1999年から2002年までのあらゆる時事問題を斬りまくる、太田光執筆のオリジナル日本原論第三弾。
  • 日本史が人物12人でわかる本
    4.0
    卑弥呼が出てきたあたりで挫折してしまった人に向けて太田光が書いた最強の日本史読本登場。日本史の人気者たちをネタに縦横無尽、毒舌と諧謔に笑いながらいつのまにか全体像がわかる本!!
  • 日と米 爆笑問題の日本史原論
    4.0
    一八五三年の「ペリー来航」からはじまって、「ジョン万次郎」「人種間戦争」「日米安保条約」「沖縄返還」「ベトナム戦争」「日米地位協定」「東京ディズニーランド」「バブル」など日本の近代史は常にアメリカとともにあった。日本に大きな影響を与えているその歴史のすべてを、爆笑問題が大笑いさせつつ解読。これでもあなたはアメリカを許せますか。
  • 吉田松陰 ――「日本」を発見した思想家
    4.0
    幕末の尊王攘夷運動を主唱し、維新に大きな影響を与えた吉田松陰。失敗を繰り返し、太く短く終えたその生涯で、いかなる思想を抱いていたのか。膨大な書簡や意見書、著書を丹念に読み解くことで浮かび上がってきたのは、決して偏狭な原理主義者などではなく、海外の情勢に通じ、開かれた国際秩序像を持つ一個の思想家の姿だった。度重なる挫折にめげず、いかに「日本」を発見し、世界における我が国の自己像を獲得するに至ったか。その歩みを追い、「蹉跌の人」の実像に迫る。
  • 幕末 開陽丸 徳川海軍最後の戦い
    4.0
    新政府軍に追い詰められ、江戸城開城を余儀なくされた徳川幕府。しかし、幕府最強の軍艦・開陽丸は屈することなく、新政府軍と抗戦する奥羽越列藩同盟救援のため北へ向かうが……。直木賞作家の隠れた名作! ※本作品は、平成十四年十二月に講談社文庫より刊行された『開陽丸、北へ 徳川海軍の興亡』を改題したものが底本です。
  • 義経と静御前・二人の「その後」 各地に残された生存伝説は何を語るのか
    4.0
    稀代の英雄・源義経と絶世の佳人・静御前の吉野山での悲劇のわかれ――能や歌舞伎にもなり、日本人に広く親しまれてきたこの物語には、後日談ともいうべき伝説が日本各地にある。奥州藤原氏を頼って落ちのびながら、藤原泰衡に居館を急襲されて自刃した義経は、じつは北への逃避行に旅立っていたという。一方の静御前は、吉野山で捕らわれ、鎌倉で尋問を受けた後は、京へ向かったまま消息不明とされていた。しかし彼女にも、義経を追って旅に出たという伝説が各地に存在している。本書は、全国に残る伝説・伝承を検証しながら、二人のその後を大胆に推理した歴史読み物。著者は、数多くの静御前伝説が残る福島県郡山市在住。近畿から北海道まで、義経を追った静御前は、再びめぐり逢うことができたのか。日本史を代表する美男美女の悲恋物語には、いかなるエピローグが描かれるのか。歴史ロマンを堪能できる一冊、増補。

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  • 歴史読本2014年11月号電子特別版「大坂の陣と秀頼の実像」
    4.0
    大坂冬の陣・夏の陣でついに徳川家康によって滅ぼされた豊臣家。名君か?それともお飾りだったのか?謎に包まれた豊臣秀頼23年の生涯と、戦いの実像に迫る。
  • 骨抜きにされた日本人 検閲、自虐、そして迎合の戦後史
    4.0
    現在の日本の混迷は、ただ経済不振だけの問題だろうか? すべての問題の根源は、戦後、アメリカの占領政策が作り出した、「45年体制」とその精神構造にあるのではないか? 著者はこの問題関心から、日本人が「精神的武装解除」されていった過程を詳細に追っていく。決してさとられぬように極めて巧妙に展開されたGHQによる検閲や言論統制の実態。そして、それに易々と従ったジャーナリズム。「明治憲法改憲すべからず」という敗戦直後の自らの見解を軽々と捨てさった憲法学者。東京裁判を礼讃するがために法律の原則すら投げ打った国際法学者。西欧のありえぬ理想をそのまま日本の現実にあてはめて同胞を嘲笑した「進歩的知識人」。GHQを「解放軍」として利用しつつ、新聞社や出版社を侵食していった共産党細胞。戦後、日本人の精神に対して何が行われたかを総覧し、「見えざる檻」の全体像を暴いた、著者渾身の力作である。

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  • 信長殺し、光秀ではない
    4.0
    1~2巻748~836円 (税込)
    本能寺の変の驚愕の真相。 「明智光秀を信長殺しに仕立て上げているが、彼は、信長が<死>という状態に追い込まれた同日の午前七時半までは本能寺へ近寄ってもいない。初めて光秀が京都へ姿を見せたのは、二条城の信忠も焼死した九時過ぎである。つまり現代の言葉でいうならば明智光秀にはアリバイが成立している」という事実。それなのに・・・。(本文より)

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  • 甘粕大尉 ――増補改訂
    4.0
    関東大震災下に起きた大杉栄虐殺事件。その犯人として歴史に名を残す帝国陸軍憲兵大尉・甘粕正彦。その影響力は関東軍にもおよぶと恐れられた満洲での後半生は、敗戦後の自決によって終止符が打たれた。いまだ謎の多い大杉事件の真相とは? 人間甘粕の心情とは? ぼう大な資料と証言をもとに、近代史の最暗部を生きた男の実像へとせまる。名著・増補改訂。
  • 部下の心をつかむ 江戸の人間学
    4.0
    全体を見通し戦略をたてて行くトップ層、複雑な組織を発展させる力の源であるミドル層、実働部隊として力を発揮しているロウァ層――人間関係を円滑にすすめ、仕事の質を高めてゆくために、いま、我々が身につけるべきは何か。江戸の指導者達の成功の秘密を分析し、その資質・条件を分かり易く現代に置き換える。教訓を排し、人の心の襞にしみる実践的指針の数々。サラリーマン必読の一冊。
  • 東条英機 大日本帝国に殉じた男
    4.0
    鈴なりの勲章を左胸にかかげ、胸を張ったちょび髭の陸軍軍人の写真。その表情はむしろ柔和で、<カミソリ>の異名を取った男とは思えない雰囲気を漂わせている。東条英機――太平洋戦争開戦時の首相であり、戦後はA級戦犯として絞首刑になった彼の生涯を描いた本書では、そんな写真を装丁に使った。「冷酷・悪辣な侵略者」のように見られがちな東条だが、それは実際の人間像とは程遠いものだ。日本陸軍の一軍人として、何より天皇の忠実な臣下として自らを任じていた東条は、むしろ40代までは軍部でも地味な存在であった。それが54歳にして陸軍次官に就任するや、まるで何かに憑かれたように権力の中枢を占め、対外強硬策を支持し始める。やがて緊迫する国際情勢のなか、首相として国家の命運を担った彼は、日本を最悪の事態へと導くだけの役割を演じてしまう。戦時日本のリーダーという運命を背負った男の「光と闇」を、克明に描き出した力作小説。

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  • 上杉謙信は女だった
    4.0
    上杉謙信の女性説を唱えた小説。川中島の戦いで名高い上杉謙信と武田信玄の、生いたちから合戦に至るまでの事情を描きつつ、謙信が女武者であったことを史料を踏まえて検証した小説。 「川中島合戦の真相」をはっきりさせたものとしては、これが空前絶後の労作ということになろう<中略>「真実とは何か、それはどうしたらつかめるのか」といった命題のもとに苦労して調べ上げ書かれたもので、なにしろ読んで面白すぎる欠点からして、その本質まで可笑しがって頂いては、困るし悲しい・・・。(あとがきより)

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  • 歴史の授業で教えない 日本軍 激闘の舞台裏
    4.0
    一般的な小・中・高の歴史の授業では、大日本帝国という国が種々の戦争へと至った経緯について多少の説明はあるものの、その際に日本軍の軍人たちがどのように考え、どのような作戦を練り、どのような覚悟で戦ったのかについては、ほとんど教わることがない。 本書は、そんな「歴史の授業で教えない日本軍の歴史」と、彼らが戦った激闘とは具体的にどのようなものだったかについてスポットを当てた一冊である。
  • 日本を護った軍人の物語
    4.0
    日清・日露・大東亜戦争において、なぜ彼らは職務と国家に身命を捧げたのか?福島安正中佐(単騎シベリア横断)広瀬武夫中佐(杉野はいずこ)藤原岩市少佐(インド独立)――現在ほとんど語られなくなった近代日本の礎となった男たち。その軍人、9人の気概の本質に迫る。

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  • 英傑の日本史 激闘織田軍団編
    4.0
    「本能寺の変」で得をした前田利家、徹底して秀吉に逆らい「悪人」となった佐々成政、信長を残忍な男に変えた浅井長政――。波瀾に満ちた男たちのドラマに迫り、勝者が敗者を書き記す歴史の虚実を読む!
  • 琉球検事 封印された証言
    4.0
    1970年 燃えるコザ! 秘められた沖縄戦後史 ここに解き放たれる。 戦後の米軍統治下で沖縄の法治を支えたのは「琉球検察」であり「琉球検事」たちだった。日本と米国、沖縄とアメリカ、大和と琉球という、幾重にもからまった桎梏のなかで、司法の独立を守る使命を負わされた琉球検事は、戦後日本が抱えざるを得なかった矛盾の一断面をかたどる存在である。彼らは沖縄住民と米国民政府(沖縄の駐留政府)との間に立ち、1970年のコザ暴動でピークを迎える対立の歴史のまっただ中で苦闘の日々を送る。 だが沖縄が望んだ日本への返還が果たされたとき、彼らは日本政府によってその資格を剥奪された。そして彼らの功績も名誉も苦悩もすべては歴史の彼方に忘れ去られたのである。 闇市、炭鉱など置き去りにされた昭和史を浮き彫りにしてきた七尾氏が、100歳を迎えようとする琉球検事の生き残りたちに現地滞在してロングインタビューを敢行。これまでほとんど表に出ることのなかった封印された沖縄の歴史に光を当てる。
  • 「特攻」と遺族の戦後
    4.0
    特攻隊員の多くは17歳から20代後半の若者だった。愛する妻子を残して征った青年、散華した婚約者を思い続けることで戦後を生き抜いた女性……。それぞれの人生を真摯に描き出し、隊員と遺族の思いを永遠に語り継ぐ!
  • 海戦からみた日露戦争
    4.0
    「坂の上の雲」で注目される日本海海戦。何がその戦局を分けたのか? 丁字戦法や東郷ターンの陰で公式戦史から消された勝利の真因を、豊富な写真・海戦図とともに解き明かす。日本海軍史の第一人者が描く、単純化された「英雄譚」とは一味違うダイナミックな海軍史!
  • ―昭和史発掘―幻の特務機関「ヤマ」
    4.0
    日本にもかつて防諜、謀略を担っていた極秘の組織があった。その名は通称「ヤマ」。戦後これまでも世に出ることはなかった存在である。わずかながらの手がかりを元に生き残りの関係者や資料をたどっていくと、次第に驚くべき実態が露になってきた。信書の開封、電話の盗聴、スリを使った秘密文書の入手、時に人殺しすら……。そして定説を覆す、「二十世紀最大のスパイ事件」ゾルゲ一団の摘発の真相も明らかに。

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  • 児島惟謙(こじまこれかた) 大津事件と明治ナショナリズム
    4.0
    訪日したロシア皇太子を警護の日本人巡査が斬りつけ負傷させた事件に日本は朝野ともに震撼し、政府は「皇室に対する罪」を適用し犯人を極刑にしようとした。だが大審院長児島惟謙は毅然として反対し、司法権の独立を護った――これが大津事件と「護法の神」児島の伝説である。しかし、仔細に経緯を辿れば疑問は多い。児島にとって司法権独立とは何のためのものであったのか。明治国家形成期の時代精神の中で児島の全体像を検討する。

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  • 平成紀
    3.9
    昭和天皇崩御の「Xデイ」はいつ訪れるのか。その報道の最前線にいる記者・楠陽に関係者が衝撃のひと言を洩らした。「陛下は吐血。洗面器一杯くらい」。その時、現場で何が起こっていたのか。そして新元号を「平成」に決めた、政府の知られざる思惑とは。著者自身の記者時代の経験を源に、圧倒的なリアリティーと臨場感で紡ぎ出す傑作小説。
  • 新選組 粛清の組織論
    3.9
    殺した敵は26人、殺した「味方」は40人!  近藤勇、土方歳三、沖田総司らが、京都で剣を振るい、最期は武士らしく散っていった――そうした新選組のストーリーは「勝者」による一面的なものにすぎない。 新選組約520人の隊士のうち、40人が内部粛清や・暗殺で命を落としたとされる。そのなかには創設者の芹沢鴨や、新見錦、副長の山南敬助、参謀の伊東甲子太郎、隊長・藤堂平助といった幹部クラスも含まれる。 主導権争い、路線対立、裏切り・・・粛清された“敗者”の視点から、組織が抱える暗部をえぐり出す、全く新しい新選組論!
  • もしも紫式部が大企業のOLだったなら
    3.9
    1巻1,100円 (税込)
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 日本一の大企業「内裏商事」。そこに勤めるアラサー・キャリアウーマンの紫式部には、実は長期出社拒否の過去がある。心のライバル清少納言は、同社退職後、OL生活をブログにつづり、一躍人気ブロガーに。そして紀貫之は、社内公用語をギャル語にするため、社内報に『土佐☆にっき』を連載中。平安・百人一首の世界を現代におきかえ、遠い遠い古典の世界をグッと身近にした、抱腹絶倒ならぬ、抱腹勉強のお笑いマンガ・エッセイ。
  • 信長死すべし
    3.9
    天正十年、甲斐の武田氏を滅ぼし天下統一に王手をかけた織田信長は、正親町天皇に大坂遷都を迫った。このまま信長の思うままにさせていれば、いずれ朝廷は滅ぼされる――不安と忍耐が限界に達した帝は、ついに重大な勅令を下す……。本能寺の変まで、残り三十八日。日本史上最大の謎を、明智光秀をはじめ、近江前久、吉田兼和、里村紹巴、徳川家康ら、信長を取り巻く男達の心理戦から炙り出す、著者渾身の歴史巨編。
  • 昭和史裁判
    3.9
    「軍部が悪い」だけでは済まされない。松岡洋右、広田弘毅、近衛文麿ら70年前のリーダーたちは、なにをどう判断し、どこで間違ったのか――昭和史研究のツートップ、半藤一利さんと加藤陽子(東大教授)さんが、あの戦争を呼び込んだリーダー達(番外として昭和天皇)を俎上に載せて、とことん語ります。あえて軍人を避けての徹底検証は本邦初の試み! 開戦責任を改めて問う、白熱の歴史討論。
  • 海戦からみた太平洋戦争
    3.9
    太平洋戦争の実像は、日清・日露戦争に始まる「五十年戦争」の終局としてはじめて明らかになる――。真珠湾攻撃から戦艦大和の建造、史上最大のレイテ沖海戦まで、海戦史の第一人者が明かす日本現代史の深層。
  • 怨霊になった天皇
    3.9
    天皇は神にもなるが、怨霊にもなる! 125代に亘る世界最古の王室・天皇家。御簾(みす)の奥で平穏に続いてきたかに思える皇室だが、実は権力闘争や謀略など、壮絶なドラマが絶えなかった。暗殺、呪殺、憤死などで「怨霊」になったと信じられた天皇が何人もいる。歴代天皇はこれら「怨霊になった天皇」が日本国に祟らぬよう祀り、荒魂を鎮めて「神」にし、その絶大な霊力を現世に活かそうと考えてきた。ここには、天皇は民の安寧を祈り、民は皇室の弥栄を願うという他国には見られない王室と国民の近しい関係、つまり日本の国柄が見てとれる。 明治天皇の玄孫である著者が、崇徳天皇を中心に独特の視点から「天皇家の怨霊史」をひもとく。 あなたはご存じだろうか、崇徳天皇の800年式祭に昭和天皇が勅使を送られていたことを。そう、これは現在にまで続く天皇と怨霊の裏の歴史である。 発刊時、話題を呼んだ同書、待望の文庫版を電子化! 天皇は神にもなるが、怨霊にもなる!

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  • 横井小楠―維新の青写真を描いた男―
    3.9
    勝海舟曰く「おれは今までに天下で恐ろしいものを二人見た。横井小楠と西郷南洲だ」。日本史の教科書でもろくに取り上げられず、幕末もののドラマで登場することもほとんどない。しかし小楠こそ、坂本龍馬や西郷隆盛をはじめ、幕末維新の英傑たちに絶大な影響を与えた「陰の指南役」であった。早くから現実的開国論を説き、東洋の哲学と西洋の科学文明の融合を唱え、近代日本の歩むべき道を構想した鬼才。その生涯を追う。

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  • 広岡浅子 気高き生涯 明治日本を動かした女性実業家
    3.8
    テレビドラマ「あさが来た」の主人公のモデルとなった広岡浅子。彼女を知らずして、近代日本は語れない! いったい、何がすごいのか。幕末の京都に生まれ、大阪の豪商に嫁いだものの、明治維新の動乱で嫁ぎ先の商売は傾き……。ところが、それを立て直すために自ら奔走し、やがては実業家として活躍するようになるのである。しかも、ピストルを忍ばせて炭鉱に入ったという逸話もあるから、まさに女傑。はたして、広岡浅子とはいかなる人物であったのか。時代背景や女性史も踏まえて迫る!

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  • 軒猿の月
    3.8
    上杉謙信の忍び、軒猿に下されたある密命とは――「飛び加藤」こと加藤段三と軒猿の凄絶な戦いを描いた表題作を始め、上杉家家臣・神余小次郎親綱の心の底に迫る『人魚の海』。信長暗殺をたくらむ忍びの悲劇『夜光木』。秀吉の国家統治政策に従事する男が出会う恐怖『家紋狩り』。剣豪・塚原卜伝と謎の刀術使いの戦い『卜伝花斬り』など、歴史小説の旗手が描く、著者の魅力が濃縮された九篇。

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  • 爆笑問題の日本史原論グレート
    3.8
    快調日本史漫才の第3作目は、太田光が選んだ日本史上の重要人物。安倍晴明、北条時宗、出雲の阿国、徳川家康、宮本武蔵、伊能忠敬、石原莞爾など、近年話題になった人ばかり。そのプロフィールを丁寧に解きほぐしながら、現代の時事ネタを絶妙にからませ、これでもかと笑わせつつ、最新の歴史学の解説をプラスして、実像に迫っていく。
  • 名将 大谷刑部
    3.8
    秀吉の奉行として活躍、後、越前敦賀に五万石を領有。病との闘い。盟友・三成との友情。そして関が原。名将大谷刑部の生涯を描いた長編時代小説。
  • 城取りの家
    3.8
    父祖二代にわたって“城取り”で武功をあげてきた竹中家に生まれ、宿命のようにして難攻不落の要塞、稲葉山城を攻略してゆく半兵衛の人物像を陰影豊かに浮かび上がらせた表題作「城取りの家」。関ケ原役において九州を平定し天下をも望む加藤清正一世一代の野望を描く「虎之助一代」。ほかに福島正則、直江兼続、大月義政など、戦国乱世を駆け抜けた男たちの生と死を綴った雄渾の戦国武将伝。 ※本書は、一九九六年一二月に新人物往来社より刊行された『戦国武将伝 虎之助一代』を改題し、文庫化したものです。文庫化にあたり「時代小説大全99夏号」(新人物往来社)に掲載された「寝返りの陣」を新たに巻末に収録しました。
  • 江戸の貧民
    3.8
    弾左衛門、車善七、乞胸、虚無僧、香具師など「身分外」に生きた実力者たち……。彼らの足跡を求めて、上野・浅草・吉原を歩く、「帝都」「中世」に続く「貧民」シリーズ第3弾! 都市機能が充実し、独自の文化を醸成した江戸に暮らした数々の「貧民」たち。差別にあいながらも、直向きに生きた人々の生態を克明に描き出す!
  • 学校では教えてくれない日本文学史
    3.8
    1巻610円 (税込)
    「祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響あり。娑羅双樹の……」「つれづれなるままに、日くらし、硯にむかひて……」など、授業で暗記させられた人も多い名作の数々。これら日本文学を一冊で語るなど、到底不可能な話なのだが、本書はそれを思い切ってやってしまおうというもの。『古事記』は日本人の原型の文学、敬語表現で書かれている『源氏物語』の不思議、『徒然草』はジジイの自慢話!? 紀行文学は悪口文学、漱石は現代の文章を創った、川端康成は変態作家? など、『古事記』から村上春樹まで日本文学史をザックリ大づかみ。その作品を読んだことのある人にとっては、あそこは面白かった、と合点してもらえる、読んでいない人にとっては、そんなにいいのなら読んでみようかな、という気がしてくる、日本文学の入門の入門書。清水流、絶対眠くならないエンターテイメント日本文学史12講義。

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  • ソ連が満洲に侵攻した夏
    3.8
    日露戦争の復讐と版図拡大に野望をいだくスターリン、原爆を投下し戦後攻略を早くも画策する米英、日ソ中立条約を頼りきってソ満国境の危機に無策の日本軍首脳――三様の権謀が渦巻くなか、突如ソ連軍戦車が八月の曠野に殺到した。百万邦人が見棄てられた昭和史の悲劇を、『日本のいちばん長い日』で終戦の日のドラマを描き、『ノモンハンの夏』で帝国陸軍首脳の無責任を鋭く衝いた著者が、痛烈に描き切った力作。
  • 冷泉家 八〇〇年の「守る力」
    3.8
    冷泉家は藤原俊成・定家の血を引く「和歌の家」として、その伝統と文化を京都の地で今日まで守り続けている。冷泉家の長女として生まれた著者によれば、冷泉家には「大事にせんとバチが当たる」「相変わらずで結構」など、独特な伝統・文化継承の秘訣があるという。当主夫人でしか語りえない代々のエピソードをもとに、急速に変化する現代社会の中で、我々が時代に流されずに生きるためのヒントとなる“公家の知恵”、冷泉家八00年の「守る力」を明かす。【目次】はじめに/第一章 大事にせんとバチが当たる 守り伝えられてきた『明月記』/第二章 そこそこやから続いてきた 「歌の家」の八百年/第三章 「昔からそうしてきたから」でけっこうやないですか 公家の三百六十五日/第四章 知識も物産も情報もまとめて収めて 蔵こそ公家の生命線/第五章 “型”が守り、伝えるもの 「文化」の威力、底力/第六章 “これはお金の問題やない” 冷泉家の四季と行事/第七章 しなやかに強く。「相変わらず」ならけっこうや 冷泉家の人々/おわりに
  • 歴史学の名著30
    3.8
    世界と日本を知るには歴史書を読むのが良い。ところが歴史を学ばずに大学生や社会人になってしまう人も少なくない。多忙な現代人のために、紀元前の時代から二〇世紀にいたるまで、日本から中国やアジア、イスラームからヨーロッパなどで生まれた名著を厳選し、歴史の面白さを伝えるブックガイドの決定版。
  • これが本当の「忠臣蔵」 赤穂浪士討ち入り事件の真相(小学館101新書)
    3.8
    現在最新の史料で実証する赤穂事件の真相 歌舞伎界では『仮名手本忠臣蔵』は「独参湯」(効果絶大とされた気付薬の名)と呼ばれ、打てば必ず当たる興業とされてきた。小説やドラマ・映画などでも、いまだに毎年必ずといってよいほど、さまざまな視点で描かれた作品が発表されている。しかし、それらは後世脚色された物語としての赤穂事件である。 本書では、赤穂浪士討ち入り事件の発端となった浅野内匠頭による江戸城松の廊下での刃傷から、討ち入り事件後の浪士たちの切腹の顛末、さらには事件の後日談までを、ひとつひとつ原史料にあたりながら、歴史事実として検証していく。 吉良上野介は内匠頭に賄賂を要求したのか? 内匠頭の辞世とされる和歌は本物か? 大石内蔵助は祇園で遊興にふけっていたのか? 上野介を討ちとったのは誰か? 浪士たちの切腹のありさまはどうだったのか……。 2011年末、著者自身が鑑定した新発見の史料「茅野和助遺書」をまじえ、わかりやすく「正確に」、赤穂事件のすべてを解き明かす。江戸文化歴史検定関連図書、「江戸検新書」シリーズの第3弾。

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  • 爆笑問題の忠臣蔵
    3.8
    太田光が挑む歴史エッセイの新機軸「歴史漫才」のネタは、とうとうキアヌ・リーブス主演のハリウッド映画にもなる不朽の名作「忠臣蔵」! 浅野内匠頭、吉良上野介、大石内蔵助などお馴染みの面々が、古典落語の登場人物のように生き生き描かれ、さらに現代最先端の漫才がプラスされて、笑いの精度に磨きがかかる。しっかりと歴史的な知識も押さえていて一挙両得。おおひなたごう渾身の一コママンガもなんと51点挿入。
  • 夜明けあと
    3.8
    天皇、断髪なさる。皇后も少し前にオハグロをおやめになった(明治六年)。時計の国産化に成功。いずれは輸入しなくてもいい時代が来るだろう(明治十六年)。元号の原案に「天興」や「興化」もあったとのこと(明治四十五年)。当時の世相や風俗、ゴシップなどのニュースで、近代化の流れをたどるユニークな編年史。文明開化から始まった明治という時代にタイムスリップできる一冊。
  • 黒田官兵衛 秀吉も一目おいた天下人の器
    3.7
    官兵衛が荒木村重のいる有岡城に入ったまま出てこない、と聞いた信長は、裏切られたと思い、直ちに「官兵衛の子、松寿丸を殺せ」と秀吉に命令した。しかし官兵衛を信じる秀吉は竹中半兵衛と謀り、秘密裡に松寿丸をかくまうのだった―。秀吉の信任厚く、天下統一に向かって縦横無尽の活躍をした黒田官兵衛。敵将からもその人徳を称えられた名軍師の生涯を描く。
  • 東京裁判の全貌
    3.7
    現代に至るまでの日本人の戦争観と歴史意識の原点にもなった極東国際軍事裁判。絞首刑七名、終身禁固刑十六名という判決において何がどのように裁かれたのか、その全経過を克明に解き明かす。
  • 爆笑問題の戦争論 爆笑問題の日本史原論
    3.7
    日本はなぜ戦争をしたのか? その謎に太田光が挑んだ! 日本が起こし、あるいは巻き込まれた、戦争の歴史を、日清戦争のはじまりから、日露戦争、第一次世界大戦、山東出兵、満州事変、盧溝橋事件、そして太平洋戦争が終わるまで、精妙に追って完全解説。戦争をネタにするというギリギリのレベルで、鋭い舌鋒と破天荒なギャグが炸裂する!!
  • 槍弾正の逆襲
    3.7
    天正年間、戦乱の続くなか、出陣中の嫡男の留守を狙い、老将保科正俊の守る高遠城に、小笠原・上杉軍が攻め寄せる。かつて武田信玄の下で槍弾正の異名をとった正俊も、すでに齢七十五の隠居の身。だが、圧倒的に不利な状況下、城を棄てる意見を一喝し、正俊は奇策を練る―表題作「槍弾正の逆襲」をはじめ、関ケ原合戦における小早川秀秋の“楯裏の裏切り”に抗した武将を描いた「松野主馬は動かず」など、独自の気概をもって生きた人間像を、あざやかに描く傑作歴史小説集。
  • 俳遊の人・土方歳三 句と詩歌が語る新選組
    3.7
    報国の心ころをわするゝ婦人哉(ほうこくのこころをわするるおんなかな)―。京、大坂の太夫や舞妓の雅(みやび)を詠んだこの句の作者は、新選組副長・土方歳三(ひじかたとしぞう)。小説などでは、「バラガキ」「鉄の組織をつくりあげた男」などと描かれるが、その等身大の姿とは?土方が詠み残した 『豊玉発句集』(ほうぎょくほっくしゅう)などを読み解いていくと、俳諧に遊び、“ハイカラ”に憧れた、その人物像が浮かびあがる。一方、対照的な“バンカラ”の局長・近藤勇(こんどういさみ)。その実像も漢詩・和歌や、留守宅を気遣う誠実さにあふれる初公開の書簡から伝わってくる。無名道場出身ながら攘夷を志して新選組で活躍するも、幕府の瓦解と近代化の到来を迎えることに。その真っ只中で初志を貫こうとする近藤の純粋さと、近代人へと生まれ変わろうとする土方の時代感覚に迫る。文芸に励んだ、知られざる新選組を描いた注目の書!!

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  • 司馬遼太郎が描かなかった幕末 松陰・龍馬・晋作の実像
    3.7
    国民的作家として読み継がれている司馬遼太郎。そのあまりの偉大さゆえに、司馬が書いた小説を史実であるかのように受け取る人も少なくない。しかし、ある程度の史実を踏まえているとはいえ、小説には当然ながら大胆な虚構も含まれている。司馬の作品は、どこまでが史実であり、何が創作なのか? 吉田松陰、坂本龍馬、高杉晋作が活躍する司馬遼太郎の名作をひもときながら、幕末・維新史の真相に迫る。【目次】はじめに/第一章 吉田松陰と開国/第二章 晋作と龍馬の出会い/第三章 高杉晋作と騎兵隊/第四章 坂本竜馬と亀山社中/第五章 描かれなかった終末/おわりに
  • 上杉鷹山の師 細井平洲
    3.7
    借財、なんと十数万両。破綻間際の米沢藩に迎えられた若き藩主、上杉鷹山は、倹約を徹底し財政改革に取り組む。しかし因習にまみれた藩の改革は並大抵のことではない。鷹山を支えたのは「治者は民の父母であれ」という、師の細井平洲の教えであった。「恕――大切なのはやさしさと思いやり」等、日本人の美しい心を愛した“へいしゅうせんせえ”の言葉の数々。困難なときにこそ読みたい感動の一冊。
  • 吉田茂-尊皇の政治家
    3.7
    戦後日本の出発期に首相・外相を務め、政治・外交の軌道を敷いた吉田茂。その講和・安保条約締結は、軽武装・経済第一主義の確立によって後の繁栄を招いたと評価されがちだが、果たしてそういえるか。著者は、彼の遺した書簡、公開された外交文書、関係者からの聞き取りを通して、天皇体制の徹底した擁護者という新しい吉田像を描き出す。

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  • 昭和二十年夏、子供たちが見た戦争
    3.7
    あの戦争で子供たちは何を見て、生き抜いていったのか。角野栄子、児玉清、舘野泉、辻村寿三郎、梁石日、福原義春、山田洋次、中村メイコ、倉本聰、五木寛之が語る戦時中の思い出、そしてその後の人生軌跡。
  • 岩崎弥太郎と三菱四代
    3.7
    三大財閥中、三百年以上の歴史を持つ旧家の三井・住友に対し、三菱は明治の動乱に乗じて短期間で巨万の富を築いた特異な会社である。坂本龍馬の遺志を継いで海運業を起こし、権謀術数を駆使してわずか五年で頂点を極めた政商・岩崎弥太郎。日本初のビジネス街・丸の内を建設した二代目・弥之助。戦争景気で業績を伸ばし、昭和の大不況を勝ち残った三代目・久弥と四代目・小弥太。時代に即した巧みな経営術と、現在も続く財界随一のグループ結束力で成り上がった一族、岩崎家四代のビジネス立志伝!
  • ハーバード白熱日本史教室
    3.7
    少壮の日本人女性研究者が、ハーバード大学で日本史を大人気講座に変貌させた。歴史の授業に映画作りや「タイムトラベル」などの斬新な手法を導入。著者の熱に感化され、学生たちはいつしか「レディ・サムライ」の世界にのめり込んでいく──。「日本史は書き換えられなければならない」という強い使命感のもと東部の有名大学に乗り込み、「思い出に残る教授」賞にも選ばれた著者が記す「若き歴史学者のアメリカ」。

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  • 海の特攻「回天」
    3.7
    第二次大戦の末期、人間魚雷「回天」に搭乗し必死の出撃をした青年達がいた。若き特攻隊員が命を賭して守りたかったものは何か。手紙や証言を通して、彼らの一途な想いと覚悟の本質に迫る感動のノンフィクション。

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