小説 - 角川文庫作品一覧

  • 恋人関係
    -
    新名は作家になって20年。ある程度の経済的余裕と社会的名声を得たおかげで、世間的にみれば恵まれてはいる。だが最近、そうした緊張のない平穏な生活にふと虚しさを感じるようになった。そんな新名の前に、現れたのが由紀子だった――。育ちのよさをおもわせる上品な仕種と成熟した大人の色気を漂わせる由紀子に、新名は激しく惹かれていくが……!? 21歳の女子大生と52歳の作家との“禁断の恋”の行方を描く、長編ラブ・ロマンス。
  • 恋人たちの憂鬱
    値引きあり
    -
    どんな恋人たちにも時間は等しくながれる。愛し合い、いさかい、投げかけるキスや言葉のどこかにやがて見えかくれする別れの予感。それでも男と女は熱いため息で不安を吹き消し、真実のひとかけらを探そうとする。喜び、哀しみ、別れの後の未来を胸にしまいこんで――。さまざまな愛のきらめきを描いた、10の恋物語。
  • 恋虫
    3.4
    『恋』を知っていますか? 正式名称は「感情性免疫不全症」。ウイルス性の病で、感染すると、驚くほど人が変わってしまい、自我がなくなってしまう事から、『恋虫』と呼ばれ、恐れられている。この病に感染すると、身体のどこかに特徴的なピンク色の痣が現れ、他者の感染を防ぐため、駆除される運命にある――。 四ノ宮美季は、念願の『恋虫駆除隊』に入隊した。治療薬の存在しない『恋虫』に感染した人を駆除する部隊だ。上官になったのは冬野花火というこの世界の救世主。入隊して初の出動で、四ノ宮は対象者を目の前にして駆除できなかった。今まで恐れていた『恋』という病が、本当に悪いものなのか疑問を抱いてしまったからだ。叱咤されるのを覚悟で連れられて来られた冬野の部屋で、四ノ宮は彼の秘密を知ることになり……。 『恋』に堕ちる切なさと、脆い感情を彩り豊かに描いた、泣けるラブ・ストーリー。
  • 恋をするには遅すぎない
    値引きあり
    -
    愚かで、考えなしで、向こう見ず。そして一途で、恐ろしいほどのパワーがあって――。恋はいつでも自己中心主義。たとえ周りに面倒かけても不幸にしても、そういう常識にかまっていては走りだせない。いくつになっても、結婚してても、子供がいても。病気であっても、異国にいても、貧しくても。恋をするのに、決して遅すぎるということはないのだから。恋の疾走に、幸多かれ! 全国の恋する女の子たちへ贈る、応援恋愛論! ※本書は一九九三年、大和書房より刊行され『ティア・ドロップ・プラネット』を改題、加筆・訂正したものが底本です。
  • 恋をする人しない人
    値引きあり
    -
    「ビューティフルライフ」の北川悦吏子は行動派、「東京ラブストーリー」の柴門ふみは観察派。この二人が語り明かした「恋」の極意とは!? する人にもそうでない人にも、「恋」は妙薬なり。
  • 恋を積分すると愛
    値引きあり
    3.5
    1巻308円 (税込)
    鳥人間コンテストに挑む人力飛行機サークル“プロペラ班”の彼女の恋、無骨な人情家にしてロマンチストなアニキの人生相談、学生時代の恋人と散歩する夜。恋愛小説の名手が紡いだ、珠玉の文庫オリジナル短編集。『トリガール!』スピンオフ小説を2編収録!
  • 恋を、29粒
    値引きあり
    3.0
    あるときは日常の一場面で、またあるときは非日常の空間で――恋は誰の元にもふいに降ってくる。その続きはときに切なく、ときに甘美に……。様々な恋のきらめきを軽やかに描き出す粒ぞろいの恋愛掌編集。
  • コイン・トス
    -
    外資系証券会社の腕利きディーラーだった孝男と、元同僚の冴子。十年ぶりの再会で、コインの裏表に託したふたりだけの運命が再び動き出した。その矢先、9.11テロが二人を……。せつない大人の恋の物語。
  • 校閲ガール
    値引きあり
    3.9
    1~3巻308円 (税込)
    ファッション誌編集を目指す河野悦子(こうのえつこ)が配属されたのは校閲部。担当する原稿や周囲ではたびたび、ちょっとした事件が巻き起こり…。読んでスッキリ、元気になる! 最強のワーキングガールズエンタメ
  • 光炎の人 上
    4.0
    1~2巻924円 (税込)
    日露戦争の行方に国内の関心が集まっていた頃。徳島の貧しい農家に生まれた少年は、電気の可能性に魅せられていた。電気で人々の暮らしを楽にしたいという思いを胸に、少年は大きな一歩を踏み出す。
  • 光炎の人【上下 合本版】
    -
    1巻1,650円 (税込)
    時は明治。徳島の貧しい葉煙草農家に生まれた少年・音三郎の運命を変えたのは、電気との出会いだった。朝から晩まで一家総出で働けども、食べられるのは麦飯だけ。暮らし向きがよくなる兆しはいっこうにない。機械の力を借りれば、この重労働が軽減されるはず。みなの暮らしを楽にしたい――。「電気は必ず世を変える」という確信を胸に、少年は大阪へ渡り、すべての情熱を開発に注ぐ。そんな彼を待っていたのは、日本を揺るがすことになる、あの歴史的大事件だった――。
  • 香華宮の転生女官
    値引きあり
    3.5
    1~3巻352~374円 (税込)
    「働かざる者食うべからず」が信条の苦労性貧乏OL・長峰凜、28歳。仕事も恋も、最近若干停滞気味。 ある日凜は、彼氏が親友と浮気をしている場面に遭遇する。 追いかけようとして車に轢かれてしまった凜は、目覚めると中国とおぼしき過去の世界に転生していた! すぐ横には血まみれの死体。まったく状況が呑み込めずにいると、なんと殺人事件の犯人と間違えられ、投獄されてしまう。 窮地に陥る凜だが、時の皇帝の甥で武官である趙子陣(ちょう・しじん)に助けられ事なきを得る。 周囲の人の話から推測するに、どうやら凜は、自分と同じ名前を持つ宮廷女官・南凜(なん・りん)の体に転生してしまったらしい。 子陣の屋敷に居候することになった凜は、現世では全く役に立たなかった数々のスキルを使い、子陣や周囲の人を助ける。 その活躍ぶりが耳に入り、凜は皇帝の勅命を受けて香華宮で女官として働くことに! 裏ミッションとして、皇帝のスパイを命じられた凜は、宮中で数々の奇妙な事件に遭遇し……?
  • 曠吉の恋 昭和人情馬鹿物語
    4.0
    昭和8年、巣鴨の水道屋の次男坊・曠吉は、家業を手伝いながら、第1回直木賞作家・川口松太郎のような小説家になることを夢見ていた。しかし頭の中に浮かぶのは、美しい女との××のことばかり。曠吉は、様々な女と出会い、彼女たちに魅かれ、人生の愉しさ、儚さを知る。歳月を重ねながら、少年は一歩ずつ大人への階段を上っていく。都々逸や小唄を小気味よく挿みながら、男と女の「情」を描いた、胸にしみいる人情小説の白眉。
  • 後宮の検屍女官
    値引きあり
    4.1
    1~6巻330~726円 (税込)
    「死王が生まれた」大光帝国の後宮は大騒ぎになっていた。 謀殺されたと噂される妃嬪の棺の中で赤子の遺体が見つかったのだ。 皇后の命を受け、騒動の沈静化に乗り出した美貌の宦官・延明(えんめい)の目にとまったのは、 幽鬼騒ぎにも動じずに居眠りしてばかりの侍女・桃花(とうか)。 花のように愛らしい顔立ちでありながら、出世や野心とは無縁のぐうたら女官。 多くの女官を籠絡してきた延明にもなびきそうにない。 そんな桃花が唯一覚醒するのは、遺体を前にしたとき。彼女には、検屍術の心得があるのだ――。 後宮にうずまく数々の疑惑と謎を検屍術で解き明かす、中華後宮検屍ミステリ!
  • 後宮の毒華
    3.8
    1~3巻748~770円 (税込)
    時は大唐。繁栄を極める玄宗皇帝の後宮は異常事態にあった。 皇帝が楊貴妃ひとりを愛し、他の妃を顧みない。 そんな後宮に入った姉を持つ少年・高玉蘭(こうぎょくらん)は、 ある日姉が失踪したと知らされる。 やむにやまれず、玉蘭は身代わりとして女装で後宮に入ることに。 妃修行に励む中、彼は古今東西の毒に通じるという「毒妃」ドゥドゥに出会う。 折しも側近の女官に毒が盛られ、彼女の力を借りることになり……。 華麗なる後宮毒ミステリ、開幕!
  • 後宮の木蘭
    値引きあり
    3.0
    全3巻341~363円 (税込)
    名門武家の娘・黎木蘭は、連絡の途絶えた姉を探すため、宮女になって後宮へ。ある満月の夜、黒い官服を着た男を目撃する。その足元には、胴と首が分断された宦官の死体が転がっていて――。
  • 後宮の宵に月華は輝く 琥珀国墨夜伝
    -
    【第8回角川文庫キャラクター小説大賞《奨励賞》受賞作!】 ◆あらすじ◆ 名門の娘ながら代書屋を営む藍夏月は、人ならぬものと縁があり、幽鬼からの代書も引き受けている。しかしある日、うっかり転んで死んでしまった! 気付けば彼女は冥府の王、泰山府君の前にいた。ここで死ぬわけにはいかないと、夏月は冥界でも懸命に働き、条件付きで蘇ることに! それは現世で泰山府君の調べ物を手伝うこと。生き返った彼女は王城で女官勤めをすることになり……。 天才代書屋少女が後宮の闇を暴く、中華ミステリ! ◆登場人物◆ 藍夏月(らんかげつ) 16歳。代書屋『灰塵庵』を営む名家の娘。幽鬼への関心が高く、彼らの代書も引き受ける。 故あって王城で女官勤めを始める。 可不可(かふか) 20歳前後。夏月の従者で藍家の使用人。西域の血が混じっている。 洪緑水(こうりょくすい) 27歳。秘書省写本府長官。女官として働く夏月の上司。 穏やかな笑みを浮かべる美青年だが、したたかさもある。 泰山府君(たいざんふくん) 冥府の王。傲岸不遜な性格。 死後裁判を行う神で、禄命簿という人の運命が記された帳面を持つ。
  • 高校サッカーボーイズ U-16
    4.2
    1~3巻660~770円 (税込)
    2011年、高校生になった武井遼介は、関東の強豪サッカー部に入部する。東日本大震災から1ヶ月、普通にサッカーができる現状に葛藤を抱きながら、遼介は新入部員約50名でスタートした部活に励む――。
  • 高校事変
    続巻入荷
    4.1
    1~22巻748~990円 (税込)
    優莉結衣(ゆうり・ゆい)は、平成最大のテロ事件を起こし死刑となった男の娘。事件当時、彼女は9歳で犯罪集団と関わりがあった証拠はない。今は武蔵小杉高校の2年生。この学校に支持率向上を狙った総理大臣が訪問することになった。総理がSPとともに校舎を訪れ生徒や教員らとの懇親が始まるが、突如武装勢力が侵入。総理が人質にとられそうになる。別の教室で自習を申し渡されていた結衣は、逃げ惑う総理ら一行と遭遇。次々と襲ってくる武装勢力を化学や銃器のたぐいまれなる知識や機転で次々と撃退していく。一方、高校を占拠した武装勢力は具体的な要求を伝えてこない。真の要求は? そして事件の裏に潜む驚愕の真実とは? 人質になった生徒たちと共に、あなたは日本のすべてを知る!
  • 高校入試
    3.9
    悪意は拡散する――。衝撃の結末が待ち受ける、『告白』以来の学校ミステリ! この作品を書けたことで、小説家として次のステージに一歩進むことができました。 ――湊かなえ 県下有数の公立進学校・橘第一高校の入試前日。新任教師・春山杏子は教室の黒板に「入試をぶっつぶす!」と書かれた貼り紙を見つける。迎えた入試当日。試験内容がネット掲示板に次々と実況中継されていく。遅れる学校側の対応、保護者からの糾弾、受験生たちの疑心。杏子たち教員が事件解明のため奔走するが……。誰が嘘をついているのか? 入試にかかわる全員が容疑者? 人間の本性をえぐり出した、湊ミステリの真骨頂!
  • 高校放浪記
    -
    大学医学部への進学を夢見る耕三は、高校に入学する。しかしそれは、抑えがたい激情に翻弄される青春の旅の幕開けだった――。父親への反発、教師への反抗、学校や社会に対する怒り。授業をサボり、喧嘩に明け暮れ、家出、停学、そして……。不良学生のレッテルを背負い、果しない自虐と絶望と孤独に傷つきながら、自分は何を求めているのか、必死に追求する。70年代、高校生に圧倒的な共感を得た感動の手記が、今蘇る。時代を超えた青春の記録!
  • 広告狂想曲24時間
    3.0
    1巻660円 (税込)
    広告代理店の新人営業マンに課せられたのは、「アフリカ」をテーマにマンション広告を作ること。プレゼンまで残された時間は24時間。カクヨム「働くヒト」小説コンテスト優秀賞受賞作。
  • 考古探偵一法師全【全4冊 合本版】
    -
    怜悧な頭脳とカミソリのような態度。一法師全は私設研究所に所属する文化財専門のトラブル・シューター。そして“考古探偵”の異名を持つ男だ。遺跡の発掘現場で見つかった、呪い殺されたと噂される死体の真相、かつて発掘現場で関係者が相次いで亡くなった事件……。不可思議な謎を、一法師全が鮮やかに解き明かす!※本電子書籍は「葬神記 考古探偵一法師全の慧眼」「鬼神曲 考古探偵一法師全の不在」「偽神譜 考古探偵一法師全の追跡」「火神録 考古探偵一法師全の記憶」4冊の合本版です。
  • 恍惚
    3.0
    海は未知への扉であり、山々には精霊が宿っていた太古・弥生時代。突如海より現れた黒魔蜂に連れ去られた若菜は…(「緑の女の還る地は」)。室町時代、山城国の有力領主に嫁いだ誇り高き女・茶佐と、京の遊里で名をなした女・瑠璃王の儚き運命の交差とは…(「乱の徒花」)。性に翻弄され、果てしなき悦楽に呑まれてゆく女たち。弥生、鎌倉、室町、江戸、昭和、平成。異なる時代で描かれる、深遠なるエロティシズムの世界。
  • こうして誰もいなくなった
    値引きあり
    3.6
    孤島に招かれた10人の男女、死刑宣告から始まる連続殺人――有栖川有栖があの名作『そして誰もいなくなった』を再解釈し、大胆かつ驚きに満ちたミステリにしあげた表題作を始め、名作揃いの豪華な短編集!
  • 好色三昧
    -
    ここは御殿場インター近くのモーテル・SHIMA SHIMA。五十八歳にして突然性にめざめた志間権助を社長にいだき、その息子で好き者の貫一が支配人を務めるこのモーテルは、今日も騒動の渦。支配人自ら女客をつまみ食い、相当の好き者を引き当てて一晩でやつれる。女子大生を口説いたと思えば、体重八十キロの母親がおまけつき。そして、ときに男女の欲望は乱痴気騒ぎに発展し……。男女が「営む」がゆえに集い、色と珍事が絡みあう。エロチックかつコミカルな痛快作。
  • 皇女の霊柩
    4.0
    東京品川の閑静な住宅街で殺害された木曾妻籠出身の女性。事件を追って木曾路へ向かった浅見光彦は、同じ木曾路の馬籠で、ほぼ日を同じくして東京の女性が殺されていた事実に驚く。歴史ミステリ。
  • 行人
    4.5
    自我にとじこもる一郎の懐疑と孤独は、近代的人間の運命そのものの姿である。「行人」の悲劇は、単なる一夫婦の悲劇ではない。人間そのものの心の深淵に、その宿命的な根を求めなければならない性質の悲劇だ。「死ぬか、気が違うか、宗教に入るか」主人公の苦悶は、漱石自身の苦しみでもあった。大正元年作。
  • 香水物語
    値引きあり
    4.8
    1巻242円 (税込)
    深く傷ついている時でさえ、そこにほんのささやかな物が登場しただけで、女は生き返ることができる――。プロポーズの言葉とともに贈られたダイヤモンド。デビュタントの日にはじめて身に付けた真珠。遠く離れた恋人と同じ香りにつつまれ眠った夜。匂いや輝きで、あるいはその名前の響きで記憶に残る香水や宝石をモティーフに、大人の女性の輝きと悲しみを鮮やかに映し出した贅沢な恋愛小品集。
  • 前巷説百物語
    4.4
    江戸末期。双六売りの又市は損料屋「ゑんま屋」にひょんな事から流れ着く。この店、表はれっきとした物貸業、だが「損を埋める」裏の仕事も請け負っていた。若き又市が江戸に仕掛ける、百物語はじまりの物語。
  • 続巷説百物語
    4.3
    不思議話好きの山岡百介は、処刑されるたびによみがえるという極悪人の噂を聞く。殺しても殺しても死なない魔物を相手に、又市はどんな仕掛けを繰り出すのか……奇想と哀切のあやかし絵巻。
  • 西巷説百物語
    4.4
    人が生きて行くには痛みが伴う。そして、人の数だけ痛みがあり、傷むところも、傷み方もそれぞれちがう……様々に生きづらさを背負う人間たちの業を、林蔵があざやかな仕掛けで解き放つ。
  • 後巷説百物語
    4.4
    文明開化の音がする明治十年。一等巡査の矢作らは、ある伝説の真偽を確かめるべく隠居老人・一白翁を訪ねた。翁は静かに、今は亡き者どもの話を語り始める。第130回直木賞受賞作。妖怪時代小説の金字塔!
  • 遠巷説百物語
    4.0
    【第56回吉川英治文学賞受賞作】 『後巷説百物語』で第130回直木三十五賞、『西巷説百物語』で第24回柴田錬三郎賞を受賞――本作でシリーズ三冠! 「遠野は化け物が集まんだ。咄だって、なんぼでも来る」 盛岡藩筆頭家老にして遠野南部家当主の密命を受けた宇夫方祥五郎は、巷に流れる噂話を調べていた。 郷が活気づく一方で、市場に流れる銭が不足し困窮する藩の財政に、祥五郎は言い知れぬ不安を感じる。 ある日、世事に通じる乙蔵から奇異な話を聞かされた。 菓子司山田屋から出て行った座敷童衆、夕暮れ時に現れる目鼻のない花嫁姿の女、そして他所から流れて迷家に棲みついた仲蔵という男。 祥五郎のもとに舞い込む街談巷説、その真偽は――。 ハナシは、やがて物語になる。どんどはれ。 〈巷説百物語〉シリーズの集大成!
  • 高層の死角
    3.5
    大ホテルの社長が、外扉・内扉ともに施錠された二重の密室で殺害された。捜査陣は、美人社長秘書を容疑者と見なすが、彼女には事件の捜査員・平賀刑事と一夜を過ごしていたという完璧なアリバイがあり!?
  • 校庭には誰もいない
    3.0
    高校生葉音梢は、部員がふたりしかいない合唱部で部長の面倒を見る毎日。ところが新学期の始まる前日、入部希望のノートに「中村雫」という聞き覚えのない名前が……弱小合唱部謎解きの青春! ※ 本書は、二〇〇六年十一月に小社より刊行された『たゆたいサニーデイズ』を改題のうえ文庫化したものが底本です。
  • 皇帝を惑わせた女たち
    -
    「夫を裏切ることはできません」と断りながらプレゼント付きのラブレターに心を揺らす。女心は、本人でもどうにもならないことがあるもの。「ラファエロの描く聖母そのまま」と言われた絶世の美女から、「あの物体は何だ」と言われた醜女まで。純愛を求めたセレブ妻、性欲の虜になった皇后など、男の願望を逆手に取りながら、ひたすら自分の幸せを追求した女性たちの驚きの生涯を紹介し、幸せになる方法を探る。愛と欲望に突き動かされた女たちを通して描くフランス史。
  • 鋼鉄の叫び
    値引きあり
    3.8
    自らの意志で特攻攻撃から生還した元特攻隊隊員……テレビプロデューサーの雪島忠信は、その男の行方を追い始めるが……!? 時代に翻弄される人間の価値観の本質を描いた、本格ヒューマン・ミステリー!
  • 黄土の疾風
    4.5
    荒廃した中国農業の再生を願い、復興投資ファンドを運営する大塚草児の前に続々立ちはだかる大きな壁。民族問題、公務員の腐敗、GMO、欧州企業の乗っ取り……。第三回城山三郎経済小説大賞受賞作。
  • 荒廃の夏
    -
    米軍士官の死体処理に従事させられた日本人医師とその家族、港湾労働者、日共党員、朝鮮人グループ等を配して、日本の「戦後」に突き刺さるとげとしての朝鮮戦争を、「戦後」の血の滲み、したたりにおいて描く。前衛的手法を駆使して多面的に展開して、著者の作品の一つの系列の頂点にたつ代表的な秀作である。
  • 幸福御礼
    -
    東京で夫と穏やかな暮らしを送っていた由香にとって、悩みの種は夫の実家のことだった。 結婚当初「どうってことないうち」と言っていた夫の実家は、北関東にある河童市の由緒ある家柄で、祖父が元市長であり伯父は現職の市長だったのだ。 煩わしいことには関わらないと宣言していた由香だったが、夫の伯父である現職市長が病に倒れてから状況は一変。 地元に帰ることはないといっていた夫は、姑や伯父の懇願に負けてしまい、選挙に出ることを決意してしまう。 最初は別居して選挙と距離を置いていた由香だったが、次第に選挙をめぐる問題に巻き込まれていき――。 選挙を通じて描かれる、本音と建て前が渦巻く家族小説!
  • 幸福な遊戯
    3.4
    ハルオと立人と私。恋人でもなく家族でもない三人が始めた共同生活。この生活の唯一の禁止事項は「同居人同士の不純異性行為」――本当の家族が壊れてしまった私にとって、ここでの生活は奇妙に温かくて幸せなものだった。いつまでも、この居心地いい空間に浸っていたかったのに……。表題作「幸福な遊戯」(「海燕」新人文学賞受賞作)の他、「無愁天使」「銭湯」の2編を収録。今もっとも注目を集める作家、角田光代の原点がここにある。記念碑的デビュー作!
  • 校本 智恵子抄
    値引きあり
    4.2
    私はこの世で智恵子にめぐりあったため、彼女の純愛によって清浄にされ、以前の頽廃生活から救い出されることが出来た――。この人の他に心を託すべき女性はいない。そう思い定めた高村光太郎と智恵子の愛、生活苦、そして芸術活動と闘病。24年間の結婚生活の果て、智恵子の死に打撃を受け、激しい空虚感に見舞われた光太郎。自然とベートーベンとセザンヌを愛した一人の女性の苛烈な運命を余すところなく描いた名詩集、決定版!
  • 高野聖 アニメカバー版
    値引きあり
    -
    1巻240円 (税込)
    ≪TVアニメ「文豪ストレイドッグス」 アニメ描き下ろしコラボカバー版を配信!通常表紙版と内容が同じ商品です。ご注意ください。≫ 飛騨から信州へと向かう僧が、危険な旧道を経てようやくたどり着いた山中の一軒家。家の婦人に一夜の宿を請うが、彼女には恐ろしい秘密があった。耽美な魅力に溢れる表題作や、滝の白糸で知られる「義血侠血」、「夜行巡査」「外科室」「眉かくしの霊」の5編を詳しい解説とともに収録。 <「文豪ストレイドッグス」シリーズとは> 中島 敦、太宰 治、芥川龍之介、与謝野晶子、泉鏡花、F・スコット・フィッツジェラルドなど国内外の文豪のイメージをモデルに擬人化されたキャラクターが、横浜を舞台に「人間失格」「羅生門」などといった各文豪に関連する異能力を用いて戦うバトルアクション。
  • 高野聖
    3.8
    1巻462円 (税込)
    飛騨から信州へと向かう僧が、危険な旧道を経てようやくたどり着いた山中の一軒家。家の婦人に一夜の宿を請うが、彼女には恐ろしい秘密があった。耽美な魅力に溢れる表題作や、滝の白糸で知られる「義血侠血」、「夜行巡査」「外科室」「眉かくしの霊」の5編を詳しい解説とともに収録。(C)KAMAWANU CO.,LTD.All Rights Reserved
  • 声が聞きたい
    3.0
    ユニークな姉妹がはじめた「聞き屋・話し屋」は、他人に耳を傾け、ある時は心地よいお喋りを届ける仕事だ。 ある日、二人のもとに弟子希望の青年・江川が現れる。「人の役に立ちたい」という美しい(?)願いも虚しく、単細胞さが災いして仕事の初日から大失態。そこへ彼に恋する女子高生。広美も加わり、空子と里久子の周囲は何やら騒がしくなっていく……。 恋人や他人との間のコミュニケーションの難しさと大切さを学んで成長していく若者達の物語。
  • 声も出せずに死んだんだ
    -
    レオナと呼ばれる少女が「殺された」。 その少女は生身の人間ではなく架空のキャラクターだったが、ほんの数ヶ月前まで、レオナは彼のすべてだった。 だが突然、レオナは「殺されて」しまったのだ。 レオナを蘇らせるため、ネットに犯行声明をアップした吉永千裕がまず企てたのは、現実の少女の誘拐だった。 ネットで知り合った少女・星来を呼び出し誘拐を実行した千裕だったが、星来からの提案で、ある「勝負」を受けることになる。 それからふたりの、奇妙な旅がはじまった――。 千裕はいったい何を目論んでいるのか? 旅するふたりの「勝負」の行方は? 驚きと切なさに満ちたラストが胸を刺す、異色の長篇ミステリ! ※本作は第37回横溝正史ミステリ大賞の奨励賞受賞作「pH」を改題の上、加筆修正したものが底本です。
  • こがね虫たちの夜
    -
    戦後の一時代を、乾いた筆致で鮮やかにうつしとる傑作短編集。「こがね虫たちの夜」「聖者が街へやってきた」「自由をわれらに」「盗作狩り」「モルダウの重き流れに」の5編を収録。
  • 凩の蝶
    -
    海外研修の留守中に妻を殺された警視庁警部の舞坂正路は、職を辞し姿見えぬ犯人への復讐を誓う。木枯らし吹きすさぶころだった。事件前に北海道の実家に帰省していた妻は十月十日の夜ひとりで船を出していた。また同夜、近くをドライブ中に道警の三勢警視正が転落死していたことも判明した。この暗合を追う舞坂は、恐るべき謀略をもくろむ巨大な組織とその陰にひそむ不吉な血筋の存在を知った。舞坂は、ついに、夥しい死を運んだ呪われた血脈の遡及を始めるのだが――。本格ハード・サスペンス巨編!
  • 黒医
    3.3
    「心の病気で働けないヤツは屑」と言われる社会。「高齢者優遇法」が施行され、死に物狂いで働く若者たち。こんな未来は厭ですか――?現役医師の著者が、医療と社会の未来をブラックな笑いで描く短篇集。
  • アンフェイスフル 国際犯罪捜査官・蛭川タニア
    -
    都内で発生したバラバラ死体遺棄。被害者は中国人と思われ、妊娠・出産の跡が。池袋署の通訳捜査官・隆志が捜査で出会った女捜査官タニアは、背後に違法医療ビジネスを疑うが──
  • イントゥルージョン 国際犯罪捜査官・蛭川タニア
    -
    池袋署管内で、ソーシャルワーカーが殺された。被害者の周囲に謎の若い女性の存在が。通訳捜査官・隆志は、被害者と外国人グループとの接点を疑い、潜入捜査を試みる。事件の影には薬物犯罪があるのか。
  • 黒死館殺人事件・完全犯罪 アニメカバー版
    3.8
    黒死館と呼ばれる降矢木家の城館は、過去に変死事件が続いた不吉な館として知られていた。数か月前、当主の算哲までもが不可解な自殺を遂げ、その後も屋敷の住人が次々と襲われてゆく。博覧強記の探偵、法水麟太郎は、神学、呪術、占星術、数学、化学、文学などあらゆる知識を縦横に駆使して事件を解決に導いてゆく――(「黒死館殺人事件」)。日本三大奇書の一つと言われる本作のほか、小栗虫太郎名義でのデビュー作「完全犯罪」も収録。
  • ココナッツ
    3.4
    実乃に中学二年の夏休みがやって来た。特に変わったこともない静かな町で、便利屋の父親を手伝っていたそんな時、実乃が密かに心を寄せる永春さんの同級生、ロック歌手の黒木洋介のコンサートが開かれることになるが……。何かすばらしいことがあるかも知れない。そんな少女の季節を描いた、清々しくほろ苦い青春物語。
  • ここは神楽坂西洋館
    3.7
    1~2巻660円 (税込)
    都会の喧騒を忘れられる街、神楽坂。婚約者に裏切られた泉は、 路地裏にひっそりと佇む「神楽坂西洋館」を訪れる。 そこで植物を愛する若き管理人・藤江陽介と出会うが、 彼にはちょっと不思議な特技があって?
  • こゝろ
    4.3
    「こゝろ」は後期三部作の終曲であるばかりでなく、漱石文学の絶頂をなす作品。自我の奥深くに巣くっているエゴイズムは、ここでぎりぎりのところまで押しつめられる。誠実ゆえに自己否定の試みを、自殺にまで追いつめなければならなかった漱石は、そこから「則天去私」という人生観にたどりつく。大正3年作。(C)KAMAWANU CO.,LTD.All Rights Reserved
  • こころ残り
    3.0
    一生のうちに、ほんの一つか二つ。きれいに光る、素晴らしい瞬間。数は少ないけれども、きらめきを実感できる灯、人生にはそれさえあればいい――。たとえばあの頃、私たち夫婦の心は通じ合っていた。まだ、連れ合いは元気だった。生きてきた道筋をふり返り、ふと気づく。自分がいつのまにか手にしていたものに。ささやかだけどかけがえのない一瞬が、確かに自分にもあったことに。短篇の名手が手がける、12の追憶の物語。
  • こころのつづき
    4.0
    1巻594円 (税込)
    シングルマザーに育てられた奈々は、結婚を翌年に控えた12月、実の父親が軽井沢で働いていると聞き、ひとり訪ねていく。ランタンが灯る教会で聞かされたのは意外な真実だった(「ひかりのひみつ」)。愛犬を亡くし哀しみに暮れる男、ダンナの浮気を疑う妻、義母の介護を献身的に続ける主婦……毎日を懸命に生きながら少しずつ歩みを進める人たち。大切な人との絆を丁寧に描いた、心にじんわりとしみわたる8つの家族の物語。
  • 心ヲナクセ体ヲ残セ
    2.7
    殻を破りなさい。ジーン(遺伝子)の声に導かれ地上に生まれた私。たった1羽の渡り鳥として未知への旅が始まった。2本足(人間)の襲来、餌の調達、熱い恋心、交尾と共食い、卵の心配、そしてジーンとの別れ、即ち死――(「ジーンとともに」)。ほかに「主人公のいない場所」「渡鶴詩」「雀遺文」「アズマヤの情事」。野鳥愛好家として知られる著者が鳥と人間を同位置で観察し、生きものの心と体のありようを鋭敏に、ユーモラスに描き出した新機軸の傑作小説集。
  • 天涯の蒼
    3.2
    北関東の地方都市で起きた風俗嬢殺し。事件担当の県警捜査一課警部補・古城辰郎は、無実の男を自殺に追い込み、警察から放逐された。家族とは別居、細々と探偵稼業を始めて2ヵ月、彼の許に真犯人は地元暴力団という話が舞い込む。独自の調査を始めた古城は、自分が上層部に嵌められたのではという疑念を抱く…。県警と暴力団の驚愕の癒着の実態とは。そして風俗嬢殺しの真相とは。元刑事の寄辺なき闘いを描破した探偵小説。
  • 去りゆく者への祈り
    3.6
    北関東で細々と探偵業を営む元刑事・古城辰郎。彼は消息を絶った熊坂茂を捜すため、新宿へと向かった。古城はやがて茂が中国マフィアに拉致されたことを知り、茂を軟禁した組織の若きボス・李秀龍(リー・シウロン)と会う。李は古城に組織に潜入している警察のS(スパイ)を捜し出すことを条件に、茂を解放すると持ちかけるが……。古城はSの正体を暴けるか?中国闇組織の驚愕の実態と警察組織の暗闘を活写した、迫真のシリーズ第2弾。
  • 個人教授
    4.0
    桜の花が咲くころ、休職中の新聞記者であるぼくは一つ年上の女と酒場で再会し、一夜をともにする。そして数ヵ月後、酒場を再び訪れたぼくが聞いたのは、二十八歳の彼女は妊娠しているという噂だった。
  • 湖西線12×4の謎
    -
    日下刑事は、叔父・黒田信行のマンションを訪れた。彼の娘から、父と連絡が取れないと相談を受けたからだ。日下が部屋に入ると、そこには身元不明の死体が横たわっていた! 現場に残された謎のアルファベットを手掛かりに、十津川警部は湖西へと飛ぶが、第2、第3の殺人事件も発生し……。――犯人の目的は? 謎の文字の意味は? 点が線へと繋がった時、恐るべき陰謀が浮かび上がる。傑作トラベル・ミステリ!
  • 古代天皇の秘密
    3.0
    名探偵・神津恭介がバイクにはねられ入院した。病床を見舞ったよきパートナー松下研三は、療養中の恭介の退屈しのぎに、ひとつの提案をした。「成吉思汗の秘密」「邪馬台国の秘密」に続き、もう一度ベッドディテクティブを試みてはどうかというのだ。日本古代史の大きな謎、神武天皇は実在したか、ヤマト朝廷の統一は何を意味しているのか…厚いベールに閉ざされた日本の成立を推理しようというものだ。恭介の名推理は果たして歴史の闇に光を当てることが出来るだろうか!?
  • こちら、団地探偵局
    5.0
    1~2巻528~550円 (税込)
    毎日が退屈な団地の主婦政子が、高校以来の友人並子に再会したのは団地の公園だった。並子は学生時代、美貌・才知・人柄の三拍子揃った才媛であったが、二歳の男児を持つ現在もちっとも変わらず若々しい。その秘密は、何と内職がわりに私立探偵をやることだった!! 早速、政子は日頃気がかりな事態を相談した。いつのまにやらワトソン役を引き受けさせられた政子と、団地の名探偵並子の活躍ぶりは? 長編ユーモア・ミステリー。
  • 国境のハーモニカ
    値引きあり
    3.5
    1巻275円 (税込)
    「北に帰るわ」そう言い残して、日本を去っていった在日朝鮮人の少女、スーイン。想いを寄せ合いつつも、ついに成就することのなかった初恋の記憶。鋳物職人の章之は、出稼ぎ外国人達との心の交流を通じて、冷え冷えとした日常に温かな血が通いだすのを感じる。彼らに導かれるように、かつてスーインが託していったハーモニカを章之は探し始める。体がちぎれるほどに疼く悔恨と恋情。ピュアな心を呼び覚ます感動長編。
  • 国境の雪
    4.4
    1巻1,100円 (税込)
    北朝鮮の国家最高機密とともに脱北した女・崔純子。彼女を国境へと導く日本の工作員・蛟竜。中国全土を逃亡する二人の行方を各国の諜報機関が追う。日本を目指す二人が国境で見たものは……。
  • 湖底のまつり
    4.0
    渓流の平らな岩に座り、紀子は足を伸ばした。その時、突然、彼女は川が大きくふくらむのを感じ、次の瞬間には濁流に呑み込まれていた……。傷心を癒すため旅に出た香島紀子は、旅先の峡谷で増水に遭い、危ういところを土地の若者に助けられた。その夜、彼女は村はずれのあばら家で、男と一夜を共にした。だが翌朝、なぜか男が消えている。探しに出た彼女は、村人から、男が一月前に毒殺されていたと聞いて愕然とした! 本格推理の構成の中で、幻想美を追求したミステリー・ロマン。
  • 氷菓
    4.2
    1~6巻484~748円 (税込)
    いつのまにか密室になった教室。毎週必ず借り出される本。あるはずの文集をないと言い張る少年。そして『氷菓』という題名の文集に秘められた三十三年前の真実──。何事にも積極的には関わろうとしない“省エネ”少年・折木奉太郎は、なりゆきで入部した古典部の仲間に依頼され、日常に潜む不思議な謎を次々と解き明かしていくことに。さわやかで、ちょっぴりほろ苦い青春ミステリ、登場! <古典部>シリーズ第1弾!! ※本電子書籍は通常版です。発売が終了した限定版とは書影画像が異なりますが、内容は同じものです。
  • ことことこーこ
    4.2
    離婚して老父母の暮らす実家に戻った香子。専業主婦を卒業し、フードコーディネーターとしての新たな人生を歩み出した矢先、母・琴子に認知症の症状が表れはじめる。弟夫婦は頼りにならず、仕事も介護も失敗つづき。琴子の昔の料理ノートにヒントをもらい、ようやく手応えを感じた出張の帰り道、弟から「母さんが見つからない」と連絡があり……。 年とともに変わりゆく親子の関係を、ユーモアと人情たっぷりに描き出す長編小説。
  • 小戸森さんちはこの坂道の上
    値引きあり
    4.5
    29歳のフリーデザイナー・小戸森乃々香は、福井の海沿いの町、急勾配の坂の上に建つ祖母宅の管理を頼まれ、思い切って引っ越すことに。 この町には、昔住んでいた。「不倫の子」だなんだと、口さがないことを言われまくって、あまりいい思い出はないけれど――。 心機一転、快適な一人暮らしを満喫しようと思っていた矢先、幼馴染の清志郎が、ふたりの子どもを連れて家にやってきた! しかも祖母からは「一緒に住んでもいい」と許可を得ていると言い出し、なし崩し的に謎の同居生活が始まってしまう……。 嫌な人とはかかわらず、ストレスフリーな生活をしてきた乃々香は、大いに困惑し振り回されるが――!? 「とりあえず。この坂道をわざわざ登ってやってきた相手くらいは、一度迎え入れてみたら?」 人生が変わる。世界が変わる。心がぐぐっとまた、動き出す。 あんまりありふれていない日常が、あなたの心に嵐とときめきを巻き起こす、大人の青春物語。
  • 孤独か、それに等しいもの
    3.8
    憂鬱にとらえられ、傷つき、かじかんでしまった女性の心を繊細に映しだし、灰色の日常に柔らかな光をそそぎこむ奇跡の小説、全五篇。豊平川の水面に映る真っ青な空。堤防を吹き抜けるつめたい風。高校三年の九月のある日、ピアスの穴を開けようとする私に向かって、かつての恋人は言ったのだ。「大切なものを失くしてしまうよ」と。
  • 孤独な週末
    3.7
    紀子は24歳で上司の小杉と結婚した。40歳になる彼には、11歳の息子正実がいた。人里離れた山荘で、新婚の一刻を過ごす予定だったのに、彼は急用で東京へ戻ってしまう。あとに残ったのは、彼女に薄気味悪い笑いと敵意の籠った眼差を向ける、義理の息子正実――。この少年と、三日間も二人っきりで過ごさなければならないとは……。その後に起る怪事件の数々は、彼女を恐怖のどん底へ落し込んだ! 山奥の山荘で繰り広げられる、生さぬ母子の愛憎ドラマ。サスペンス小説の傑作。
  • 子どもがよろこぶオモシロ雑学
    3.0
    「ネコはどうして猫背なの?」「北極と南極はどっちの方が寒い?」「なぜクルマのタイヤは黒色しかないの?」「ニワトリは午前中にしか卵を産まない?」「世界一大きな花は、どれくらい大きいか?」「なぜレンコンに穴があるのか?」「髪の毛は何本くらい生えている?」「天気予報の『一時、雨』と『ときどき雨』の違いは?」……。子どもが聞いたら「へぇ~」と驚くこと間違いなし! 教科書には載っていない(?)オモシロ雑学満載。
  • こどもの城殺人事件
    3.8
    柳刃包丁に胸を刺されて殺された名門男子高生。彼の死後、優等生の顔に隠された不審な交友関係が明らかになる。その死の理由にたどり着いた時、切ない真実が明らかになり――。どんでん返し満載の青春ミステリー。
  • 子どもの隣り
    3.9
    「わたしはどうせ死ぬんだから」――四度目の心臓手術を拒否し、いつもそう言っては母親を泣かせている少女・千佳。その千佳が、隣の病室の患者との触れ合いの中で、次第に心を開いていく様子を描いた「燕の駅」。四歳の男の子・タアくんの日常と、その瞳に映る様々な大人たち、そしてタアくんが心の中に秘めている痛いほどの孤独と不安を描き出す表題作「子どもの隣り」など、全四編を収録。現代に生きる子どもたちの傷つきやすい心を繊細に描き出した、珠玉の作品集。
  • この日のために 上 池田勇人・東京五輪への軌跡
    -
    1~2巻704円 (税込)
    広島県の造り酒屋に生まれた池田勇人は、大蔵省に入って5年目に「落葉状天疱瘡」という難病に罹り、退転を余儀なくされた。絶望の底に叩きつけられた池田だったが奇跡的に同省へ復職。主税局長、次官と上り詰めたのち、政治の世界へ身を投じる。時を同じく、新聞記者で水泳指導者としても活動する田畑政治は、幻のオリンピックを再び東京で開催しようと決意。やがて二人の人生は「この日」に向かって収斂し始める――。
  • この日のために 池田勇人・東京五輪への軌跡【上下 合本版】
    4.0
    1巻1,254円 (税込)
    新聞記者で水泳指導者としても活動する田畑政治は、幻となったオリンピックを再び東京で開催しようと動き始める。時を同じくして、池田勇人は大蔵省を経て、政治の世界へと身を投じていく――
  • この本を盗む者は
    3.7
    “本の街”読長町に住み、書物の蒐集家を曾祖父を持つ高校生の深冬。父は巨大な書庫「御倉館」の管理人を務めているが、深冬は本が好きではない。ある日、御倉館から蔵書が盗まれたことで本の呪いが発動し、町は物語の世界に姿を変えてしまう。泥棒を捕まえない限り町が元に戻らないと知った深冬は、不思議な少女・真白とともにさまざまな物語の世界を冒険していく……初めて物語に没頭したときの喜びが蘇る、胸躍るファンタジー。
  • この闇と光
    4.0
    森の奥深く囚われた盲目の王女・レイア。父王からの優しく甘やかな愛と光に満ちた鳥籠の世界は、レイアが成長したある日終わりを迎える。そこで目にした驚愕の真実とは……。耽美と幻想に彩られた美しき謎解き!
  • このラブレターが、君の所に届くまで
    3.0
    1巻682円 (税込)
    少女に残された時間はたった1年。星になりたいという彼女の願いを叶えてあげたくて、少年は今日もカメラを回す。夜空に輝く星となった君へ送る、僕の最初で最後のラブレター。
  • このワガママな僕たちを
    4.1
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 【イラスト詩集】かわいらしいウソつき、かわいらしい潔癖さ、ああ、ワガママは僕達。
  • コハルノートへおかえり
    3.0
    1~2巻572~792円 (税込)
    高校に進学して早々、親友とのトラブルで悩んでいた小梅がたどりついたのは、ハーブのお店「コハルノート」。そこで店主の朝霧にアドバイスをもらった小梅は……。ハーブと香りが答えを導く、やさしい謎解き物語。 ※本書は第1回角川文庫キャラクター小説大賞にて奨励賞を受賞した作品です。
  • 子羊は金曜の食卓で
    3.7
    1巻572円 (税込)
    母の死に涙する未紘の前に突然現れ求婚してきたのは、なんと日本一有名な男だった。彼とその選りすぐりの三人の息子が、平凡な未紘の人生を激変させる! 愛と官能のスキャンダラス・ストーリー!
  • 小松左京アニメ劇場 原作集
    -
    1989年10月~1990年3月まで放送された、短編テレビアニメの原作集。 原作を読んでからでもよし、アニメを見てから読んでもよしのショートショート27編収録。
  • コミュ障探偵の地味すぎる事件簿
    3.9
    藤村京はいわゆるコミュ障。大学入学早々、友達作りに出遅れ落ち込んでいると教室に傘の忘れ物を見つける。だが、人と話すのが苦手な藤村は忘れ物をした状況を独力で推理して持ち主を突き止めようするが!?
  • 今宵、喫茶店メリエスで上映会を
    3.4
    思い出の詰まった商店街と映画を上映する喫茶店“メリエス”の寂れた姿を目にした亜樹。身の回りの不思議を店主・野川さんに相談しつつ、“メリエス”の復興を目指す亜樹は、自分を見つめなおしていく…。
  • 壺霊 上
    4.0
    浅見光彦に錦秋の京都での取材が舞い込んだ。長期滞在で内容はグルメレポートという好条件に警戒する浅見を待っていたのは、老舗骨董店の娘・伊丹千寿。高麗青磁の壺〈紫式部〉を手に失踪した母・佳奈を捜してほしいと懇願する。残された手がかり、縁切り神社といわれる安井金比羅宮の形代には、佳奈の離縁を祈願する内容に、見知らぬ女の名前が添えられていた――。怨念の連鎖を浅見は断ち切れるのか。名探偵が古都の謎を巡る!
  • これからお祈りにいきます
    3.8
    人型のはりぼてに神様にとられたくない物をめいめいが工作して入れるという奇祭の風習がある町に生まれ育ったシゲル。祭嫌いの彼が、誰かのために祈る――。不器用な私たちのまっすぐな祈りの物語。
  • 孤狼の血
    4.0
    1~4巻748~858円 (税込)
    常識外れのマル暴刑事と極道の、プライドを賭けた戦い。作家、マスコミほか多くの賞賛を集めた、圧巻の警察小説。 昭和63年、広島。所轄署の捜査二課に配属された新人の日岡は、ヤクザとの癒着を噂される刑事・大上のもとで、暴力団系列の金融会社社員が失踪した事件の捜査を担当することになった。飢えた狼のごとく強引に違法行為を繰り返す大上のやり方に戸惑いながらも、日岡は仁義なき極道の男たちに挑んでいく。やがて失踪事件をきっかけに暴力団同士の抗争が勃発。衝突を食い止めるため、大上が思いも寄らない大胆な秘策を打ち出すが……。正義とは何か、信じられるのは誰か。日岡は本当の試練に立ち向かっていく――。
  • 殺しのインターチェンジ
    2.5
    〈当雪見ホテルはオープニング記念として 貴方を無料招待致します〉突然届けられた招待状が、5人の招待客の運命を狂わせた!!雪に閉ざされ、人里離れたホテルで次々と起こる血の惨劇。招待客同士の間で湧きあがる疑惑と殺意。惨殺者の狙いは何か?人間の運命を狂わせたある出来事を描く、「雪は死の粧い」他7編を収録した、切れ味鋭い推理傑作集。
  • 殺しのバンカーショット
    5.0
    〈この大会中に、あいつを殺してやる〉賞金総額五千万円のビッグなゴルフトーナメントの開催二日前に、こんな脅迫状が届いた。脅迫状はこれで三通目。日本ゴルフ連合会理事・吉田は警察に警備を依頼する。だがその吉田も、交通事故で死亡した。吉田の若い美人妻。ゴルフ界の複雑な人間関係。奇妙な殺人の謎。犯人の狙いは何か? 様々な思惑をよそに、ゴルフトーナメントは予定通り開催されたが――。十津川の推理が冴える、長編サスペンスミステリー。
  • 殺し屋志願
    4.0
    朝の満員電車で、男が何者かに刺し殺された。殺害されたのは腕利きの殺し屋・鳴海。偶然そばに居合わせ、彼の死をみとることになった17歳のみゆきは、その日を境に奇妙な出来事に巻き込まれていく。「――殺したら?」たった一言を告げる電話と、みゆきの前に現れた謎の女子高生・佐知子。彼女は継母を憎み、その死を願って自ら殺し屋に近づいた少女だった――。2人の少女の不思議な友情と秘密を鋭く描き切る、傑作長編ミステリ。
  • コロヨシ!!
    3.7
    1~3巻660~814円 (税込)
    高校で「掃除部」に所属する樹は、誰もが認める才能を持ちながらも、どこか冷めた態度で淡々とスポーツとしての掃除を続けていた。しかし謎の美少女・偲の登場により、そんな彼に大きな転機が訪れ――。
  • 壊れゆくひと
    3.4
    どこにでもいる普通の人々、あたりまえの日常生活が私の周りで少しずつズレていく。してもいないミスをあげつらう“いい人”と評判の同僚。自分はアイドルの恋人だと言い張る子持ちの友人。顔も思い出せないのに恋人だと手紙を送ってくる男。狂ってしまったのは私なのか。それとも周りの人々なのか。現実と虚構の狭間から滲み出す狂気を描いたサイコ・ホラー。
  • 今昔百鬼拾遺 河童
    3.7
    「そうですね。その河童が――誰かと云うことです」 「河童が誰かって、中禅寺さんあんた」 小山田は顔を顰めた。 昭和29年、夏。 複雑に蛇行する夷隅川水系に、次々と奇妙な水死体が浮かんだ。 3体目発見の報せを受けた科学雑誌「稀譚月報」の記者・中禅寺敦子は、薔薇十字探偵社の益田が調査中の模造宝石事件との関連を探るべく現地に向かった。 第一発見者の女学生・呉美由紀、妖怪研究家・多々良勝五郎らと共に怪事件の謎に迫るが――。 山奥を流れる、美しく澄んだ川で巻き起こった惨劇と悲劇の真相とは。 百鬼夜行シリーズ待望の長編!
  • 今昔まんだら
    -
    王朝末期、妻の不義を知った刑部丞が、くやしさ、苦しみを経ていきついたある妙案とは――?(「王朝の不倫」)。死んでしまった最愛の子に会いたくて、父はえんま大王に願いをかける――(「死児に逢いに」)。戦乱の世に咲いた、はかない恋。姫は白菊の精と契ったように身ごもるが……(「白菊の契り」)。今昔物語をはじめ、様々な古典の中から、愛とユーモアと知恵にみちた十八話を選び、田辺語訳した、軽妙で奥が深い物語の花束。岡田嘉夫によるオールカラーの華麗な画と共に愉しめる、贅沢な今昔絵草紙。
  • 紺青の鈴
    -
    1巻726円 (税込)
    伝統的な九谷焼の技法を継承し、古九谷の青を現代に甦らせようと努める紺谷家に彩子は生まれた。彼女は自分の力を試そうと、知事賞に応募して第一席に入り、九谷焼の新しい旗手と目される。しかしその選考委員は紺谷家を破門された東山教授であった。父に背いて東山教授に弟子入りした彩子の、陶工として、女性としての成長の物語。
  • 混声の森 上
    -
    1~2巻594~682円 (税込)
    東京西郊に2万坪の敷地とホテルと見まがう白堊の近代校舎を持つ、私立女子大学「若葉学園」。今日の隆盛は、学園専務理事石田謙一の辣腕によるものであったが、彼の胸中には、現大島圭蔵理事長の椅子を奪い、学園経営を一手に収めようとする、どす黒い野心があった。大島理事長と学生課事務員秋山千鶴子との秘密の関係を知る彼は、そのスキャンダルを暴こうと図るが、彼自身もまた、バア・マダムと情事を重ね、一人息子恭太の非行に悩む身であった。……
  • コンダクター
    3.7
    毎夜の悪夢、首なしの白骨、壊れ始める友情、怪事件を狂信的に追う刑事。音楽を奏でる若者たちの日常が、一見つながりのない複数の出来事が絡み合い崩壊の道をたどる姿をスリリングに描く驚異の劇場型サスペンス!

最近チェックした本