幸福御礼

幸福御礼

858円 (税込)

4pt

3.5

東京で夫と穏やかな暮らしを送っていた由香にとって、悩みの種は夫の実家のことだった。
結婚当初「どうってことないうち」と言っていた夫の実家は、北関東にある河童市の由緒ある家柄で、祖父が元市長であり伯父は現職の市長だったのだ。
煩わしいことには関わらないと宣言していた由香だったが、夫の伯父である現職市長が病に倒れてから状況は一変。
地元に帰ることはないといっていた夫は、姑や伯父の懇願に負けてしまい、選挙に出ることを決意してしまう。
最初は別居して選挙と距離を置いていた由香だったが、次第に選挙をめぐる問題に巻き込まれていき――。
選挙を通じて描かれる、本音と建て前が渦巻く家族小説!

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    選挙は魔物ということがよく分かる小説。選挙という勝負がかかった異常事態に巻き込まれた人間が、ほぼ正気を失っていく様が怖くて愉快だった。

    0
    2024年12月31日

    Posted by ブクログ

    林真理子さんの小説は面白くて、一気に読みました。選挙にのめり込んでいってしまう描写が秀逸、選挙のニュースなどでの支援者の熱狂ぶりになるほどと思えてしまう部分があった。そして、政治家はつねにハイテンションだから、欲求も強い、というくだりに妙に納得してしまった…。

    0
    2024年12月02日

    Posted by ブクログ

    ミーハーなことを嫌う地味系の由香。図らずも夫が郷里で出馬することになり、嫌々ながらも仕事と東京を捨て北関東の田舎都市に移り住む。父親と兄が代々市長だという姑は選挙に前のめり。それを取り巻く口うるさい後援者たち。古いしきたりにがんじがらめになり、何を言っても何をやっても目立ってしまう立候補者の妻という

    0
    2025年05月06日

    Posted by ブクログ

    地方選挙に関わる人たちを冷めた目で眺めていた主人公。
    夫が地方都市の市長選に立候補したことで特殊な世界に引きずり込まれ徐々に狂っていく様子が不気味で滑稽で…なんともリアル。

    「関わっている人たちの脊髄からは非常事態ホルモンが分泌されている」という表現が、選挙戦の特殊性を言い表している…
    関わるすべ

    0
    2024年12月13日

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