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Posted by ブクログ
御行の又市の悪友である靄船の林蔵を主軸に大阪での物語を7編収録。シリーズ5作目。
言葉でまやかしを見せつつ靄の中に絡めとるスタイル。
物語の流れが美しい。派手さはないが小気味良い感じがありつつ、締めの「野狐」にやられた感。やっぱり好き
このシリーズは毎回1話目で騙されて、2話目からは流れがわかるからスイスイ読んで、ラストで「ウワァァァァ」ってなる(笑)もう、私の中ではお約束。これが楽しくて読んでる。騙されたい(笑)
今作は江戸時代の関西弁なんで、より読みやすかったのもある。セリフがみんな脳内で西方の→
イントネーションで再生されて、とても良き。関西人で良かった(笑)
そういえば、林蔵がイケメン枠なん忘れていて最初戸惑いがあったりなかったり。物語の中の関西弁キャラは胡散臭いヤツが多いイメージがあったから、なんか勝手に林蔵は狸ジジイやと思ってたわ(失礼がすぎる)
Posted by ブクログ
巷説シリーズは前までしか読んだことなくて、了のためにはじめて読んだ。
大好き又市がメインじゃないし、スピンオフ的な感じなんだろなと勝手に思い込んでてなんとなーく読まずに過ごしてきたが…
なんでいままで読まなかった、私?!
もっと早く読みなさいよ!
と、セルフツッコミ入れたくなる面白さ…
やっぱり流石だよ京極先生……
まず、一番目の『桂男』で林蔵に堕ちた。
月夜に相手と対峙してるシーン好きすぎた。
台詞とか、畳み掛け方がツボ過ぎる。
切れ長吊目さんが三白眼になるのも自分の癖に刺さり過ぎ………
話としては『豆狸』が好き。
哀しいけど、でも最後のあの希望の光が見える終わり方、好きだあ。たまにはこういう終わり方も良い。
そしてラストの『野狐』。
この後の物語の伏線だよね?
楽しみすぎる!!
次は遠。
Posted by ブクログ
「巷説百物語シリーズ」、今回はすべて仕掛けられる側の視点で物語られる。それにしても京極氏のスタイリッシュぶりよ。全作品五つの節から構成される。壱で視点人物が登場し、何やら妖しげな状況に置かれているが、まだ読み手には良く分からない。それが弐、参と進むにつれて事件が明らかにされつつ、肆で反転(ネタバレになるので詳しく書けない)、結末にいたり、後で仕掛の種明かしがされるという同一形式。そして文章のすばらしさにうっとりさせられる。そして殆どの作品、視点人物が悪なのだけれど、それぞれなりの事情を抱えており、なんとも哀しかったりする。そして最終話。又市が、林蔵が、(これまでのシリーズ作でほのめかされてきた)上方から江戸へ落ちることになった過去仕掛の顛末が明かされ、十六年後の決着。泣ける。西のオールスター登場(+ゲスト出演)という感じも嬉しい。やはり京極凄いわ。
Posted by ブクログ
御行の又市でなく、靄船の林蔵が仕掛ける七つの話からなる、巷説百物語。
今のところシリーズ最後のこの一冊だけは、特に理由もないまま、随分長く手に取りませんでした。
ただ、手にとってみれば、一編一編あっという間に読んでしまうくらい、それぞれのお話とも1行目からすーっと物語の中に引きずり込まれていく。
分厚さも何のそのグイグイと読ませられてしまう京極節、久々に堪能しました。
お馴染みのシリーズかとは思いますが、簡単に紹介しますと、市井の人の届かぬ思い、果たせぬ願い、叶わぬ望みを、様々な「仕掛け」をもって叶えることを生業とする悪党どもの物語です。
京極さんは、ご自身なりの「必殺」シリーズをイメージされたと聞いたことがありますが、必ず人を殺して怨みを晴らすのではなく、むしろ殺さずしていかに依頼人の願いが叶う形にするかに重点がおかれているように思います。
そして、そこは京極さん、各エピソードにしっかりと「妖怪」が絡んで参ります。
ただ、ありふれた言い方ですが、怖いのは妖怪よりもやはり人間で、そしてまた、どうにも弱く脆く哀しく危ういのも人間やなと、何となくこんな風に考えさせられてしまうのも、このシリーズの魅力かと考えてます。
まっとうに生きるのと、悪事に手を染め堕ちていく境目は、ほんまにぼんやりとしていて、ごく僅かの「何か」によってどっちに進むか転ぶかが決まるんでしょうね。
地の文と台詞の間に、時折挿入される、仕掛けられる側の人間のモノローグ-心の声-の効果が素晴らしかったですね。読者として目に見えている、耳に聞こえている、心で感じていると思っているものが、ゾワゾワと不安が増して、揺らいでいく、足元が覚束ない感じにさせられる感覚がたまりません。
読み終わって、平凡に暮らしている自分を確認できてよかったと思う、そんな物語です。
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