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人が生きて行くには痛みが伴う。そして、人の数だけ痛みがあり、傷むところも、傷み方もそれぞれちがう……様々に生きづらさを背負う人間たちの業を、林蔵があざやかな仕掛けで解き放つ。
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Posted by ブクログ
『前巷説百物語』と同じく林蔵たちを率いる元締・一文字屋仁蔵の元に届いた依頼をこなしていくというもの 大坂が舞台ということもあって、独特の町人・商人文化やさっぱりした気風が見られて面白かった 前作は江戸が舞台だったために武士の誇りや将軍のお膝元といったテイストとコントラストが取れていて楽しかった 林...続きを読む蔵たちの、解決も人間の哀愁漂う仕方でなされており無常観を感じた
この作品の主役は林蔵という、スピンオフ的な話しになりますが、これも実に面白い。話の作りはこれまでと一緒ですが、そこに上手く納得できる差みたいな何かがあるように感じました。そして、これで終いの金比羅さんや。このフレーズが嫌に耳につく。さすがでした。
巷説シリーズは前までしか読んだことなくて、了のためにはじめて読んだ。 大好き又市がメインじゃないし、スピンオフ的な感じなんだろなと勝手に思い込んでてなんとなーく読まずに過ごしてきたが… なんでいままで読まなかった、私?! もっと早く読みなさいよ! と、セルフツッコミ入れたくなる面白さ… やっぱり流...続きを読む石だよ京極先生…… まず、一番目の『桂男』で林蔵に堕ちた。 月夜に相手と対峙してるシーン好きすぎた。 台詞とか、畳み掛け方がツボ過ぎる。 切れ長吊目さんが三白眼になるのも自分の癖に刺さり過ぎ……… 話としては『豆狸』が好き。 哀しいけど、でも最後のあの希望の光が見える終わり方、好きだあ。たまにはこういう終わり方も良い。 そしてラストの『野狐』。 この後の物語の伏線だよね? 楽しみすぎる!! 次は遠。
靄船の林蔵の仕掛け話しの短編集です。 今回も京極夏彦の文章にどっぷりと浸からせてもらいました。 林蔵も良いけどシリーズ初期ファンの私は、やはり又市が出ると「いよっ又市!」と楽しくなっちゃいますね。
よくぞこんなお話しを思いつき、よくぞこういう構成を仕立て、よくぞこんなふううに語ったものだ。やっぱ京極はすごい。今回も酔わせてもらった。
いやーーー 最終話!最終話の野狐がとてもとても良かった。 シリーズぶっ通しで読み直した甲斐がありました。 京極夏彦、すごいひとやで、、、 時系列も場所も入り乱れながら続いていくシリーズ、 年表を参照しながらじゃないと、 とてもじゃないけど、ついていけない。 山岡百介がやっぱりとてもいい役割を演...続きを読むじていて、 悲しい別れを知っているからこそ効いてくる。 はああ〜〜嬉しかった。 又市と林蔵の組み合わせだいすき。 林の字、続きにも出てくるかなあ。 このまま最新作読む!!
シリーズ最終巻 舞台は大阪 主人公は又市の仲間である林蔵 鮮やかな仕掛けと心理戦で人間の底に踏み込んでいく このシリーズ、蘊蓄が少なくて読みやすいから好き
御行の又市でなく、靄船の林蔵が仕掛ける七つの話からなる、巷説百物語。 今のところシリーズ最後のこの一冊だけは、特に理由もないまま、随分長く手に取りませんでした。 ただ、手にとってみれば、一編一編あっという間に読んでしまうくらい、それぞれのお話とも1行目からすーっと物語の中に引きずり込まれていく。 ...続きを読む分厚さも何のそのグイグイと読ませられてしまう京極節、久々に堪能しました。 お馴染みのシリーズかとは思いますが、簡単に紹介しますと、市井の人の届かぬ思い、果たせぬ願い、叶わぬ望みを、様々な「仕掛け」をもって叶えることを生業とする悪党どもの物語です。 京極さんは、ご自身なりの「必殺」シリーズをイメージされたと聞いたことがありますが、必ず人を殺して怨みを晴らすのではなく、むしろ殺さずしていかに依頼人の願いが叶う形にするかに重点がおかれているように思います。 そして、そこは京極さん、各エピソードにしっかりと「妖怪」が絡んで参ります。 ただ、ありふれた言い方ですが、怖いのは妖怪よりもやはり人間で、そしてまた、どうにも弱く脆く哀しく危ういのも人間やなと、何となくこんな風に考えさせられてしまうのも、このシリーズの魅力かと考えてます。 まっとうに生きるのと、悪事に手を染め堕ちていく境目は、ほんまにぼんやりとしていて、ごく僅かの「何か」によってどっちに進むか転ぶかが決まるんでしょうね。 地の文と台詞の間に、時折挿入される、仕掛けられる側の人間のモノローグ-心の声-の効果が素晴らしかったですね。読者として目に見えている、耳に聞こえている、心で感じていると思っているものが、ゾワゾワと不安が増して、揺らいでいく、足元が覚束ない感じにさせられる感覚がたまりません。 読み終わって、平凡に暮らしている自分を確認できてよかったと思う、そんな物語です。
林蔵! 林蔵ってこんなにすかしたやつだったっけ? 前巻までの記憶があいまいで時系列もよくわかっていないのでちょっと混乱しました。 「鍛冶が嬶」「豆狸」が切なくて好き。 特に「豆狸」では悪い人がいないので好き。 「桂男」「遺言幽霊 水乞幽霊」は、ああこの人はどうしようもないなーと思って読むからあまり...続きを読むかなしくはならない。 それでもなにかしらモヤモヤした読後感なのが、『巷説』の魅力でしょうか。 「野狐」には又市もいる。 これで終いの金毘羅さんや
久々に読んだ京極作品。 一気に「巷説」の世界にひきこまれた。面白かった。主人公の林蔵さんに、惚れた。 「巷説百物語」シリーズの外伝的作品。主人公が違う、登場人物も舞台も違う、仕掛けのスタイルも違う。それでもやっぱり「巷説百物語」。 また、シリーズを読み直したくなった。京極ワールド、大好...続きを読むき。
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