あらすじ
人が生きて行くには痛みが伴う。そして、人の数だけ痛みがあり、傷むところも、傷み方もそれぞれちがう……様々に生きづらさを背負う人間たちの業を、林蔵があざやかな仕掛けで解き放つ。
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御行の又市の悪友である靄船の林蔵を主軸に大阪での物語を7編収録。シリーズ5作目。
言葉でまやかしを見せつつ靄の中に絡めとるスタイル。
物語の流れが美しい。派手さはないが小気味良い感じがありつつ、締めの「野狐」にやられた感。やっぱり好き
このシリーズは毎回1話目で騙されて、2話目からは流れがわかるからスイスイ読んで、ラストで「ウワァァァァ」ってなる(笑)もう、私の中ではお約束。これが楽しくて読んでる。騙されたい(笑)
今作は江戸時代の関西弁なんで、より読みやすかったのもある。セリフがみんな脳内で西方の→
イントネーションで再生されて、とても良き。関西人で良かった(笑)
そういえば、林蔵がイケメン枠なん忘れていて最初戸惑いがあったりなかったり。物語の中の関西弁キャラは胡散臭いヤツが多いイメージがあったから、なんか勝手に林蔵は狸ジジイやと思ってたわ(失礼がすぎる)
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『前巷説百物語』と同じく林蔵たちを率いる元締・一文字屋仁蔵の元に届いた依頼をこなしていくというもの
大坂が舞台ということもあって、独特の町人・商人文化やさっぱりした気風が見られて面白かった
前作は江戸が舞台だったために武士の誇りや将軍のお膝元といったテイストとコントラストが取れていて楽しかった
林蔵たちの、解決も人間の哀愁漂う仕方でなされており無常観を感じた
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この作品の主役は林蔵という、スピンオフ的な話しになりますが、これも実に面白い。話の作りはこれまでと一緒ですが、そこに上手く納得できる差みたいな何かがあるように感じました。そして、これで終いの金比羅さんや。このフレーズが嫌に耳につく。さすがでした。
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巷説シリーズは前までしか読んだことなくて、了のためにはじめて読んだ。
大好き又市がメインじゃないし、スピンオフ的な感じなんだろなと勝手に思い込んでてなんとなーく読まずに過ごしてきたが…
なんでいままで読まなかった、私?!
もっと早く読みなさいよ!
と、セルフツッコミ入れたくなる面白さ…
やっぱり流石だよ京極先生……
まず、一番目の『桂男』で林蔵に堕ちた。
月夜に相手と対峙してるシーン好きすぎた。
台詞とか、畳み掛け方がツボ過ぎる。
切れ長吊目さんが三白眼になるのも自分の癖に刺さり過ぎ………
話としては『豆狸』が好き。
哀しいけど、でも最後のあの希望の光が見える終わり方、好きだあ。たまにはこういう終わり方も良い。
そしてラストの『野狐』。
この後の物語の伏線だよね?
楽しみすぎる!!
次は遠。
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靄船の林蔵の仕掛け話しの短編集です。
今回も京極夏彦の文章にどっぷりと浸からせてもらいました。
林蔵も良いけどシリーズ初期ファンの私は、やはり又市が出ると「いよっ又市!」と楽しくなっちゃいますね。
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「巷説百物語シリーズ」、今回はすべて仕掛けられる側の視点で物語られる。それにしても京極氏のスタイリッシュぶりよ。全作品五つの節から構成される。壱で視点人物が登場し、何やら妖しげな状況に置かれているが、まだ読み手には良く分からない。それが弐、参と進むにつれて事件が明らかにされつつ、肆で反転(ネタバレになるので詳しく書けない)、結末にいたり、後で仕掛の種明かしがされるという同一形式。そして文章のすばらしさにうっとりさせられる。そして殆どの作品、視点人物が悪なのだけれど、それぞれなりの事情を抱えており、なんとも哀しかったりする。そして最終話。又市が、林蔵が、(これまでのシリーズ作でほのめかされてきた)上方から江戸へ落ちることになった過去仕掛の顛末が明かされ、十六年後の決着。泣ける。西のオールスター登場(+ゲスト出演)という感じも嬉しい。やはり京極凄いわ。
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いやーーー
最終話!最終話の野狐がとてもとても良かった。
シリーズぶっ通しで読み直した甲斐がありました。
京極夏彦、すごいひとやで、、、
時系列も場所も入り乱れながら続いていくシリーズ、
年表を参照しながらじゃないと、
とてもじゃないけど、ついていけない。
山岡百介がやっぱりとてもいい役割を演じていて、
悲しい別れを知っているからこそ効いてくる。
はああ〜〜嬉しかった。
又市と林蔵の組み合わせだいすき。
林の字、続きにも出てくるかなあ。
このまま最新作読む!!
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シリーズ最終巻
舞台は大阪
主人公は又市の仲間である林蔵
鮮やかな仕掛けと心理戦で人間の底に踏み込んでいく
このシリーズ、蘊蓄が少なくて読みやすいから好き
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御行の又市でなく、靄船の林蔵が仕掛ける七つの話からなる、巷説百物語。
今のところシリーズ最後のこの一冊だけは、特に理由もないまま、随分長く手に取りませんでした。
ただ、手にとってみれば、一編一編あっという間に読んでしまうくらい、それぞれのお話とも1行目からすーっと物語の中に引きずり込まれていく。
分厚さも何のそのグイグイと読ませられてしまう京極節、久々に堪能しました。
お馴染みのシリーズかとは思いますが、簡単に紹介しますと、市井の人の届かぬ思い、果たせぬ願い、叶わぬ望みを、様々な「仕掛け」をもって叶えることを生業とする悪党どもの物語です。
京極さんは、ご自身なりの「必殺」シリーズをイメージされたと聞いたことがありますが、必ず人を殺して怨みを晴らすのではなく、むしろ殺さずしていかに依頼人の願いが叶う形にするかに重点がおかれているように思います。
そして、そこは京極さん、各エピソードにしっかりと「妖怪」が絡んで参ります。
ただ、ありふれた言い方ですが、怖いのは妖怪よりもやはり人間で、そしてまた、どうにも弱く脆く哀しく危ういのも人間やなと、何となくこんな風に考えさせられてしまうのも、このシリーズの魅力かと考えてます。
まっとうに生きるのと、悪事に手を染め堕ちていく境目は、ほんまにぼんやりとしていて、ごく僅かの「何か」によってどっちに進むか転ぶかが決まるんでしょうね。
地の文と台詞の間に、時折挿入される、仕掛けられる側の人間のモノローグ-心の声-の効果が素晴らしかったですね。読者として目に見えている、耳に聞こえている、心で感じていると思っているものが、ゾワゾワと不安が増して、揺らいでいく、足元が覚束ない感じにさせられる感覚がたまりません。
読み終わって、平凡に暮らしている自分を確認できてよかったと思う、そんな物語です。
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大坂を舞台に展開する「恨み晴らします」稼業をいとなむ ”一文字屋” の西の一派を描いた作品。
お武家でもなく百姓でもなく、増してや里の者でもないと自らを半端者と呼ぶ者たち。彼・彼女たちの活躍が多少荒っぽい古めかしい大坂弁で語られる。まるで浄瑠璃芝居のように。
今回は靄船の林蔵(もやぶねのりんぞう)が影に日向に活躍する。この林蔵という男、一見して優男。つるりとした顔にきれいな目鼻立ち。しかも言葉が巧みで人を操るのが上手い。
もはや詐欺師と言っても良いくらい。
とうてい鼻持ちならず厭な奴かと思って読んでいると(悪党一味だと思って読んでいると)意外な林蔵の正体が見えてくる。
登場人物全員が悪党には違いないのだが、その悪党ぶりが、彼らの過去にしでかした過ちの捉え方しだいで現在のあり方が違っているのが興味深い。
全七話、最終話にて巷説百物語にかかせない”小股潜りの又市”も登場し、又市・林蔵・一文字屋らとの過去の関わりも窺い知れて面白い。
クセになる文体は相変わらずで長さを感じさせない小説。
”靄船の林蔵”の靄船とは亡者が乗る幽世(かくりよ)の船であるという。気付かぬうちに乗せられて漕ぎ出され、しまいには山にまで登ってしまうという意味。
それほど巧みに読者も騙されてしまう。
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林蔵!
林蔵ってこんなにすかしたやつだったっけ?
前巻までの記憶があいまいで時系列もよくわかっていないのでちょっと混乱しました。
「鍛冶が嬶」「豆狸」が切なくて好き。
特に「豆狸」では悪い人がいないので好き。
「桂男」「遺言幽霊 水乞幽霊」は、ああこの人はどうしようもないなーと思って読むからあまりかなしくはならない。
それでもなにかしらモヤモヤした読後感なのが、『巷説』の魅力でしょうか。
「野狐」には又市もいる。
これで終いの金毘羅さんや
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久々に読んだ京極作品。
一気に「巷説」の世界にひきこまれた。面白かった。主人公の林蔵さんに、惚れた。
「巷説百物語」シリーズの外伝的作品。主人公が違う、登場人物も舞台も違う、仕掛けのスタイルも違う。それでもやっぱり「巷説百物語」。
また、シリーズを読み直したくなった。京極ワールド、大好き。
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読んだばかり。巷説シリーズ大好き。林蔵メインの巻かと思ってたら、最後に百介さんと又市さんが出てきてそれもかなり嬉しかった。
巷説の時代もすごく惹かれるな。
京極堂の時代も憧れる。
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大阪が舞台の林蔵の活躍7編。前作を読んでから何年か経ってしまったが、前はもっとドロドロしていた様な…。邪な人間の本性が掘り起こされる過程が堪らなくジワジワくる。「御行奉為…」よ良いが「これで終いの金毘羅さんや…」も良い。知らないエピソードが出ると思ったら、ラスト近くで『前巷説…』を読み飛ばしていたのに気づいた。
積読の山をかき分けて大捜索。見つかって良かった…
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靄船の林蔵が暗躍する作品集。
今までのシリーズとはまたスタイルが異なり、彼らに丸め込まれる側の視点で物語が進むから、林蔵も脇役的な登場の仕方をするから、展開が読めなくて先が気になる作り。この視点のこともあって、怪異のイメージ(解像度)はやや、弱め。
読んでいて思っていたのは、喪黒福造の上方・妖怪版的読み口だなぁ、と。
最後の一編は、今までのシリーズと本作を結びつける重要作で、これによって本作がスピンオフでなく「本編」の中にしっかり配置される作品となる。
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巷説百物語シリーズの第五段なのかな?
小股潜りの又一の悪友、靄船の林蔵が活躍する全7話の痛快時代劇。
林蔵の他、
祭文語りの文作、
六道屋の柳次、
七変化のお龍
という仲間達も個性的で楽しい。
今回、又一さんは出ないのか〜って思いながら読み進めると…
最後のお話は、巷説百物語シリーズでお馴染みのキャラが総動員される。
御燈の小右衛門
戯作者の山岡百助
そして又一
あー他も早く読まないと
次は遠巷説だな
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再読。巷説百物語シリーズ第五弾。今作は靄船の林蔵が主役。他の作品では脇役でしかなかった林蔵の昔も知れる一作。どの話もなんともやり切れない話ばかりで人間の業の深さをまざまざと思い知らされる。それでもそれを前提として生きていかねばならない人という存在の悲しさと強さがよくわかる一冊でもあった。
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シリーズものとは知らず、最終巻から読んでしまうまぬけです。
それでもとても面白かったし、コンフィデンスマンとか好きな人にはオススメしたい一冊。
百介さんがとても気になったので、絶対に他の巻も手に入れる。
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林蔵ってそんなに良い男なの?
上方の仕掛けは又市のものとは、やっぱり少し違うね。
最後に又市さん、百介さんが出てきて嬉しかった。
なんだかんだ、凄いのは小右衛門よな‥。
小右衛門無双だね、巷説シリーズは。
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2018.11時点での巷説百物語シリーズ最終巻。靄船の林蔵の仕掛けが、己を裁く。決め台詞は「これで終いの金比羅さんや―」
スピンオフのような形だが、又一や百介さんもゲスト出演しており、美味しい。サスペンスのような作りなので、忍び寄る不穏さがスカッと(たまにジメッと)晴れるのを楽しみながら読める本。大阪にまめだという居酒屋があったが、まめだの意味が初めてわかって納得した。
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分厚いのですが、7篇に分かれてて丁度いい長さで読みやすい
これもシリーズものだったんですね
しかも途中から読んじゃった汗
でも凄く面白い!!
これは是非最初から全部読んでみたいと思いました
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面白かったー。
3話目くらいになると、パターンは読めてくるんだけど、それでも充分。
シリーズのこれまでのものと比べると、大掛かりな仕掛けはないものの、次になにが起こるのか、物語はどうなってゆくのかとてもワクワクしながら読んだ。ページを捲るのがこれほど楽しみな本は久しぶりだった。
やっぱりこのシリーズ最高。
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巷説百物語シリーズは、続、後、前ときて、あーもうおしまいか〜と思っていたら「西」ときた!このシリーズがまだ読めそうで嬉しい限り。
登場人物それぞれがみんな味があり、その味がまた良い。今回は「西」の話だけれど、新しい人物に加え、ちゃんとあのおなじみの立役者たちも出てきます。
特に妖怪に興味はありませんので、人間社会の、理屈で説明できないものを「妖」として胸におさめてきた先人の知恵に納得しつつ、しかし妖怪蘊蓄はざっと飛ばし読み。それでももちろん内容は本当に面白いです。
複雑に絡み合う人と人、純真ゆえにそれが過ぎて罪となる、相手を思うがあまり道を踏み外す、深い情念にとらわれてしまう人々、どの話も一筋縄ではいかない複雑怪奇でありながら、純粋ですとんと胸に落ちてくる読後の爽快感、西巷説百物語はこのシリーズの中でもかなり良かった。
特に最後の「野狐」は圧巻のからくりでした。
Posted by ブクログ
敢えて西の話にする必要あるのかな~と思って読みすすめてたけど
最後に「そうきますか!」といった感じ
実はそうだったのね・・・
百介さんたらおかわいそうに(笑)
自業自得な話しばかりでもなく
l他の巷説百物語よりも人情っぽい要素が結構含まれてる
このシリーズ、いつまで続くんだろ?
Posted by ブクログ
【2025年126冊目】
これで終いの金比羅さんや――靄船の林蔵を中心に西で繰り広げられる勧善懲悪の後始末。人の心に燻る闇を炙り出し、始末をつけるは裏の者たち。巷説百物語シリーズ、始まり以前の物語。
短編集とも連作短編集とも言える一作。それぞれのお話の視点となっているのが、依頼人ではなく実は依頼対象とされた人たち、というのは一話目を読めばすぐにわかるので、「こいつには一体どんな闇が」と思いながら読み進めるのも面白い一作だったりします。
表題作以外は全部、闇を抱えていて「いや、お前!」って感じだったので、表題作がある意味ハピエンでちょっと救われました。
仕事として依頼人の要望を受けて動く裏の者たちですが、人間なので感情が複雑な要素として絡み合ってくるところにも、この物語の面白さがある気がしています。機械だとこの機微は無理でしょうからね、だから人間同士の争いがなくならないとも言えますが。
終始静かなリズムで物語は進みますが、感情が顕になるところだけは激しく燃え上がるようなのもいいですね。
分厚いですが、物語ごとに区切って読めるのでおすすめです。
初読:2012年11月1日以前