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-【高市早苗研究 第1回】 ◎消えたファースト・ジェントルマン 総理の夫 山本拓 初告白20時間 「私が取材を受けるのはこれで最後です」 夫婦関係、再婚と改姓、介護問題、すべてを語った 河野嘉誠 ◎「私が更年期?」高市さんは言った 対馬ルリ子 ◎近似する高市早苗と近衛文麿 中西寛 ◎石油危機「補助金頼みはもう限界」 河野龍太郎×大場紀章 ◎イラン18時間脱出記 西田隆之(前テヘラン日本人学校校長) ◎金正恩「トランプ5月訪朝」極秘交渉 朴承ミン 【トランプ後継の暗闘】 ◎本命バンスの窮地 イランという落とし穴 飯塚真紀子 ◎逆襲のルビオ マルコ坊やは家康になれるか 冨田浩司 ◎嵐 内幕ルポ 五叉路の行く先 高橋大介 ◎りくりゅう「奇跡の金」の軌跡 なぜ3人の男たちが号泣したのか 野口美惠 【特集 「歩く」が人生を変える】 ◎「棺桶まで歩こう」が導く幸福なる最期 萬田緑平×青柳幸利 ◎最新研究 「歩く」は認知症、血管疾患を防ぐ 梶山寿子 ◎「散歩は哲学を生む」 島田雅彦×國分功一郎 ◎三省堂書店と建築家が挑んだ神田神保町本店「知の渓谷」 亀井崇雄×長谷川豪 ◎さらば、ぼくのシブヤ西武 永江朗 ◎大型スポーツイベントの独占はしない 宇野康秀(U‐NEXT) ◎巨匠“激突”山本理顕×隈研吾 「これでいいのか、日本の都市開発」 ◎佐藤愛子 娘・孫対談 「ぼけていく私」の食い意地 ◎五木寛之×林真理子 名人ふたり、「対談」の対談 【新連載】 ◎忘れ得ぬ「昭和人」 第1回 後藤田正晴の逡巡(前編) 保阪正康 ◎日本の顔インタビュー 角野隼斗(ピアニスト) 開成、東大からカーネギーホールまで ◎成田悠輔の聞かれちゃいけない話 14 水原希子(俳優・モデル) 山口智子さんと瞑想とSNS 【連載】 ◎[新連載 第2回]ラファエルの羅針 柚月裕子 ◎[新連載 第3回]「戦後」の正体 辻田真佐憲 ◎古風堂々85 藤原正彦 ◎日本人へ272 塩野七生 ◎ベストセラーで読む日本の近現代史153 佐藤優 ◎言霊のもちぐされ20 山田詠美 ◎ゴルフ春秋16 ◎地図を持たない旅人26 大栗博司 ◎有働由美子対談 89 山口智子(俳優) ……ほか
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3.86つの台所をめぐる「わたし」の物語。 『三千円の使いかた』の著者が贈る、 ちょっぴりほろ苦く、じんわり心に沁みこむ「暮らし」をめぐる物語。 ◇◇◇ 2人の子供が巣立ち、定年を迎えた夫は長年望んでいた仕事のため海外へ。広い家にひとり残された主婦は、15年前、越してきた日に購入を諦めたステンレス製の両開き大型冷蔵庫を迎え入れるべく、家電量販店を目指す。今度こそ、自分が本当に欲しい冷蔵庫を手に入れるため……。(ままならないキッチン、ままならない人生) 昔から「内藤」と「鈴木」姓の人間しか住まず、たがいに反目し合い、口すら利かない風習の島に嫁いだ女性を待ち受けていた運命は?(冷凍庫冷蔵庫合わせて五台) 食べ盛りで生意気な4人の子供を育てるシングルマザーの台所には、常に油をなみなみ張った中華鍋が鎮座している。(毎日、揚げ物) ……世代も境遇もバラバラの5人の女性たちの前には、30分の深夜ドラマ「台所のあるところ」があった。
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4.1光と闇、生と死、絶望と愛・・・・・・この世のすべてを内包する、比類なき劇場【帝国劇場】。2025年2月をもって一時休館となった同劇場の記憶を未来へと繋ぐ、世界でたった一つの“帝国劇場”小説が誕生! 白杖の父が遺した、ミュージカル「屋根の上のヴァイオリン弾き」のパンフレット。そこには新人案内係からの手紙が挟まれていた――「ホタルさんへの手紙」 少年は、劇場2階ロビーのステンドグラスの裏側に寝泊まりしていた。舞台袖、楽屋食堂、馬小屋・・・・・・自在に歩き回る彼は、ある人を永遠に探し続けている――「内緒の少年」 劇場ロビーに一脚あるという“幸運の椅子”。売店で働くたった一人の“担当さん”だけが代々受け継いできたその伝説と、椅子に座った人々の元に訪れる幸運――「こちらへ、お座りください」 劇場の“壁”に深い愛着を抱いてきた税理士の男、観劇後に日傘を差し館内を歩く“パラソル小母さん”と呼ばれる女性・・・・・・。彼らの思いを迎え入れ続けた劇場が、ついに最終公演の日を迎える――「劇場は待っている」ほか全八編を収録。 舞台上でスポットライトを浴びるスター、誰かにとっての特別な一日を支える案内係や売店スタッフ、客席から見えない裏側で上演を支えるエレベーター係や幕内係、そして観客・・・・・・。劇場を愛し、劇場を作り上げてきた人々の密やかな祈りがきらめく豊饒な短編集。 ◆著者プロフィール 小川洋子(おがわ・ようこ)1962年岡山市生まれ。早稲田大学第一文学部卒。88年「揚羽蝶が壊れる時」で海燕新人文学賞を受賞。91年「妊娠カレンダー」で芥川賞受賞。2004年『博士の愛した数式』で読売文学賞と本屋大賞、同年『ブラフマンの埋葬』で泉鏡花文学賞を受賞。06年『ミーナの行進』で谷崎潤一郎賞受賞。07年フランス芸術文化勲章シュバリエ受章。13年『ことり』で芸術選奨文部科学大臣賞受賞。20年『小箱』で野間文芸賞受賞。21年紫綬褒章受章。26年『サイレントシンガー』で毎日芸術賞受賞。『掌に眠る舞台』『耳に棲むもの』ほか著書多数。
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4.1あなたは人生の最後に何を味わいますか? 当代の人気作家7名が究極のテーマに挑んだ、自由でぜいたくで幸福な「食」小説アンソロジー。 弥生子は「最後の晩餐」について語り合う若い夫婦の会話を盗み聞きして……江國香織「コインランドリーの夜」 失恋したクズハの家に、女友だち三人は最期に食べたいものを持ち寄って……金原ひとみ「ラストサパーフォーエバー」 最後のごはんは、鰻がいいっておとうさん、言っていたのに、このままだと……角田光代「最後の鰻」 経理の小曾根さんが退職することになり、送別会を開いたが……寺地はるな「小曾根幸子の送別会」 ライターの明日香は、今は亡き遠縁の作家の「最後の晩餐」について執筆することに……原田ひ香「最後に、何を食べたの?」 還暦のゆかり、9つ上のチロルねえちゃんと62歳の笹子の最近の話題は……藤野千夜「もうひとりのねえちゃん」 〝最後の晩餐〟という店が長野にあるという。夫を亡くしたばかりの桜子は娘たちとそのお店を探すが……井上荒野「本当の話」
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-66~71巻200円 (税込)【豪華執筆陣!】坂井希久子 門田泰明 梶尾真治 伊岡瞬 【新連載】 坂井希久子 夜鷹狩り 髪結いお照は元掏摸で12歳の雨吉を弟子にする。面倒を見てやるつもりが─ 門田泰明 覚悟召されよ権中将殿 臭いに敏感な忠雅、御母様の座敷の障子を開けさせるとそこには─ 【読み切り】 梶尾真治 さざなみショア 普段は我慢できるはずが誘惑に襲われ、師朗はあの冷たい海水に足をつける 伊岡 瞬 消えた凶行 後篇 真壁は感じていたのか─でかい事件かもしれないと 【第9回 大藪春彦新人賞発表】 津村正俊 『幽霊を殴った男』 受賞のことば 寺田勢司 『穴を穿(うが)つ』 受賞のことば 選評 今野 敏 馳 星周 野間裕樹(徳間書店文芸編集部編集長) 大藪春彦新人賞 映像化奨励賞 春名洋服 『潜水艦カブト』 受賞のことば 選評 白石和彌(映画監督) 【第28回 大藪春彦賞候補作発表】 【第9回大藪春彦新人賞受賞作】 津村正俊 幽霊を殴った男 寺田勢司 穴を穿つ 【大藪春彦新人賞 映像化奨励賞受賞作】 春名洋服 潜水艦カブト 【連載小説 社会派サスペンス】 城山真一 溶かし屋 【連載小説 警察&ミステリー】 中山七里 正義の銃弾 赤川次郎 盗みと恋の手ほどきは 【連載小説 歴史&時代】 あさのあつこ おもみいたします 参 【連載小説 風味絶佳】 寺地はるな 水は血よりも 吉田篤弘 月とコーヒー 【マンガ】 サメマチオ 追読人間臨終図巻
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-1,980~2,420円 (税込)特集一 はじめてのクトゥルー インタビュー:東雅夫 エッセイ:朝松健、池澤春菜、貴志祐介、月村了衛、南條竹則 インタビュー:荒俣宏 ガイド:森瀬繚 用語集&年表 寄稿:沖田瑞穂 インタビュー:田辺剛(漫画「ラヴクラフト傑作集」シリーズ)、長澤剛(アニメ『這いよれ!ニャル子さん』監督)、星空めてお(ゲーム『Fate/Grand Order』「禁忌降臨庭園 セイレム」シナリオ) 座談:坂本雅之・内山靖二郎(アーカム・メンバーズ)×竜騎士07「TRPGからひもとくクトゥルー世界」 ショートショート小説競作:菊地秀行、黒史郎、黒木あるじ グラビア:田辺剛が描く 〈クトゥルー神話〉の世界 特集二 乙一 三十周年 & 山白朝子 二十二周年 対談:乙一×近藤亮太(映画監督) ダブルインタビュー:乙一・山白朝子 ブックガイド:千街晶之 乙一・山白コメント付き 寄稿:「乙一 三十周年に寄せて」舞城王太郎、河野裕、佐藤友哉、住野よる 寄稿:乙一 三十周年記念エッセイ ◆特集のほか連載など多数 特別掲載:京極夏彦、綿矢りさ 小説:小川洋子、澤村伊智 漫画:諸星大二郎、高橋葉介、押切蓮介 論考・エッセイ:東 雅夫、村上健司×多田克己 怪談実話:加門七海、宇津呂鹿太郎、Dr.マキダシ、田部井隼人 グラビア:オノ・タコ、芳賀日出男+芳賀日向、佐藤健寿、怪食巡礼 情報コーナー:京極夏彦×宮部みゆき、小松和彦、礒崎純一、朱雀門出、上條一輝×藍峯ジュン、渡辺正樹、Whatever 飯田依里子・SO、渡部瑞希、南條竹則、藤川 Q(化け通 『KAZUMA KANEKO’S ツクヨミ』)、有隣堂藤沢店 etc.… ― ※電子化に伴い、一部省略されたページがございます。あらかじめご了承ください
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4.0それでも、コーヒーは今日もうまい。 松尾純一郎、57歳。 大手ゼネコンを早期退職して、現在無職。妻子はあるが、大学二年生の娘・亜里砂が暮らすアパートへ妻の亜希子が移り住んで約半年、現在は別居中だ。 再就職のあてはないし、これといった趣味もない日々の中、ふらりと喫茶店に入る。コーヒーとタマゴサンドを味わい、せっかくだからもう一軒と歩きながら思いついた。 趣味は「喫茶店、それも純喫茶巡り」にしよう。 東銀座、新橋、学芸大学、アメ横、渋谷、池袋、京都── 「おいしいなあ」 「この味、この味」 コーヒーとその店の看板の味を楽しみながら各地を巡る純一郎には、苦い過去がある。妻の反対を押し切り、退職金を注ぎ込んで始めた喫茶店を半年で潰したのだ。 たくさんの問題を抱えながら、男は今日も喫茶店へ向かう。閉ざされた夢の扉は再び開かれるのか? 滋味深いグルメ×老後×働き方小説。 解説は、編集者の岡本仁氏。 ※この作品は過去に単行本として配信されていた『喫茶おじさん』 の文庫版となります。
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3.9大ベストセラー『三千円の使いかた』と一緒に読んでほしい新作! それぞれの月収に見合う生活を送る6人。 欲しいもの、不要なもの、そして、 お金では買えないもの――。 【月収4万円の66歳】……年金暮らしで貯金を切り崩す毎日に、ある収入源が!? 【月収8万円の31歳】……専業作家を目指し、不動産投資を始める。 【月10万円投資の29歳】……普通の会社員が、親の介護を見越して新NISAを利用。 【月収100万円の26歳】……パパ活専業で、20代のうち1億円を稼ぐのが夢! 【月収300万円の52歳】……夫の遺産と株式投資で、働かずとも暮らせてはいるが……。 【月収17万円の22歳】……元介護士。生前整理の会社を立ち上げる――?
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3.9あたらしい朝に乾杯! 26歳で、派遣社員で、婚約破棄されて……。 失意の恵麻に希望の手を差し伸べたのは祥子だった。 〈見守り屋〉見習いの夜勤明け、ほっと一息つく朝の一杯が恵麻に一歩踏み出す力をくれる。 大人気『ランチ酒』シリーズの新章! 「見守り屋、やってみない?」 五年付き合った彼氏から突然の婚約破棄を告げられ、恋人と住処をなくした派遣社員の水沢恵麻。 さらにコロナ不況で仕事まで失い、失意のどん底に。彼女を救ったのは、便利屋「中野お助け本舗」の亀山と犬森祥子だった。 夜から朝まで「見守り屋」の見習いとして働き始めた恵麻に、祥子は仕事終わりの贅沢「朝酒」の喜びを教える。 モーニング×黒ビール、生ハム×赤ワイン、焼鯖定食×日本酒……ワケあり客の話を聞き、夜勤明けの「朝酒」に癒されながら、恵麻は新たな一歩を踏み出していく。
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4.2野生のゴリラを知ることは、ヒトが何者か、自らを知ること――アフリカの熱帯雨林でゴリラと暮らした霊長類学者と、その言葉なき世界の気配を感じ取ろうとする小説家。京都大学の山極研究室で、野生のサルやシカが生息する屋久島の原生林の中で、現代に生きるヒトの本性をめぐり、二人の深い対話は続けられた。知のジャングルで、ゴリラから人間の姿がいきいきと浮かび上がる稀有な一冊。
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3.0夏と、島と、オートバイ。 退屈を知らない日々のためには、 まずその3つが必要だ。 一度目は高原の道で。二度目は共同浴場で。 偶然の出会いが2度あった「彼女」は、 もう無関係な他人ではない。 仕事や悩みが毎日の多くの時間を占めてしまったとしても ひとたびオートバイに乗り、歓びを分かち合う人が隣にいて 風が、道が、光が、山々が、自分と一体になってしまえば もはやそこに退屈の入り込む隙間はない。 夏という時間、島の時間を生きる彼ら彼女らは 限りなく自由だ。 【著者】 片岡義男:1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。
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4.0【短編小説の航路】喋ることが中心なら、食べ物はフライドポテトだけで十分。 ライターの西野晴彦は、ビーンという空豆を模したようなカウンターのある、バーのような、しかしそうではない店のオーナーで出版社も持っている米沢光太郎から、小説を書かないかと誘われています。ビーンで彼に付いた吉川久美子もまた、米沢から誘われて、この店で働き、この後は米沢の出版社に勤めることになると言います。西野が久美子に渡す黒いニットのタイに合わせるシャツの色、フライドポテトに付けるソースの色、コーヒーの色、スパムと目玉焼きの色、西野が目にする色彩が、BLTサンドのイメージとなってひとつの物語が生まれます。 【著者】 片岡義男 1939年東京生まれ。文筆家。大学在学中よりライターとして「マンハント」「ミステリマガジン」などの雑誌で活躍。74年「白い波の荒野へ」で小説家としてデビュー。翌年には「スローなブギにしてくれ」で第2回野性時代新人文学賞受賞。小説、評論、エッセイ、翻訳などの執筆活動のほかに写真家としても活躍している。著書に『10セントの意識革命』『彼のオートバイ、彼女の島』『メイン・テーマ』『日本語の外へ』ほか多数。近著に『コミックス作家 川村リリカ』(中央公論新社)、『彼らを書く』(光文社)などがある。
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4.0捨てる男あれば拾う男アリ。 走ることばかりでなく、留まることも、この先の2人は。 オートバイで走ることだけにリアリティを感じている少年と 高2で家出して以来、家に居つかなくなった少女。 2人は不意に、夕暮れの第三京浜で出会う。 次々に生まれてはもらわれていき、捨てられる猫のように よるべない時間の中を漂い、生活を積み上げることのできない2人。 しかし、決裂と思われた瞬間を超えて、彼女は戻ってきた。 これから、今までとちがう何かが始まるのだろうか。 ゆっくりと、くりかえしながら、歌いながら。 スローなブギのように。 「野生時代」新人賞受賞作にしてのちに映画化された代表作。 【著者】 片岡義男:1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。
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3.5犬森祥子。バツイチ、アラサー。職業・見守り屋。営業時間は朝の五時まで。 唯一の贅沢は、仕事上がりの晩酌ならぬ「ランチ酒」――。 様々な事情を抱える客からの依頼が舞い込む「中野お助け本舗」。 祥子の仕事は、人やペットなど、とにかく頼まれたものを寝ずの番で見守る「見守り屋」だ。 そんな彼女の唯一の贅沢は、夜勤明けの晩酌ならぬ「ランチ酒」。 別れた夫のもとで暮らす愛娘の幸せを願いながら、束の間、最高のランチと酒に癒される。分冊版第1弾。 ※本作品は単行本を分割したもので、本編内容は同一のものとなります。重複購入にご注意ください。
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-同じ過去を歩んだ2人は、実はもう同じ現在にはいない 互いに好きで、結婚したい意志もありながら、それが実現しない。 そういうことは、人の一生においてはありうるだろう。 しかしそれが過去の痛恨事であったばかりでなく 現在にまで影響を及ぼしていること、そして いっぽうは過去を洗い流し、もういっぽうが今も過去の輝きを生きているとしたら これは紛れもない現在の悲劇になる。 性を飛び越えるようなことがあれば、なおさらだ。 【著者】 片岡義男 1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。http://kataokayoshio.com/
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-愛してるなんて とても言えない と、言うとき、彼女が語っていること。 彼女と彼の出会い。またしてもそれは路上だ。 片岡義男の黄金のパターンがここでも踏襲される。 トラブルの渦中にある彼女を拾い、とっさに オートバイに乗せて走る。逃げる。 逃げたら、ひとまず一緒に住む。 しかしそれで平穏に済むはずはなく、彼女の後ろ側にある ダークサイドとの接触は避けられない。 だから、対峙する。そして再び、逃げる。 ただ、行為があるのみ。 彼女の涙も、アクションである。 【著者】 片岡義男:1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。
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-自販機でチェリオを見つけてアイスクリーム・ソーダを作る。全体がフィクションでもある暑い夏の日の物語。 座り心地の良いイージーチェアがある駅構内のカフェで見かけた女性に、カフェを出たところで声を掛けられた作家の北荻夏彦。声を掛けたのは、北荻より少し年下か同年代の女性漫画家で、そのまま二人はあてもなく歩き始めます。北荻は自販機でチェリオを見つけて、これでアイスクリーム・ソーダを作るのだと話します。いつしか、二人は彼女の家に向かい、彼女は、この一日は短編小説になるのかしら、と聞くのです。起こったことをそのまま書くことが小説になるのか、という実験でもあり、その全体がフィクションでもある暑い夏の日の物語です。 底本:『ジャックはここで飲んでいる』2016年、文藝春秋 【著者】 片岡義男 1939年東京生まれ。文筆家。大学在学中よりライターとして「マンハント」「ミステリマガジン」などの雑誌で活躍。74年「白い波の荒野へ」で小説家としてデビュー。翌年には「スローなブギにしてくれ」で第2回野性時代新人文学賞受賞。小説、評論、エッセイ、翻訳などの執筆活動のほかに写真家としても活躍している。著書に『10セントの意識革命』『彼のオートバイ、彼女の島』『メイン・テーマ』『日本語の外へ』ほか多数。近著に『くわえ煙草とカレーライス』(河出書房新社)、『窓の外を見てください』(講談社)などがある。
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-「逢いたい」と「逢いたかった」は同じか、違うのか ふとしたことで、流れが変わってしまうことはある。「逢いたいな」と思って何度か電話をした女性に逢うことができず、ふと一人になった時に、バッタリ別の女性に逢ってしまう。その日はずっとそのまま二人で……ということになったりする。問題はそれ以降だ。最初に逢いたいと思った女性と連絡が取れ、そして2度目の偶然が訪れるとなると事態はやや複雑になる。その時、この男はいったいどうしたのか? 答えはこの短篇を読んでみてください。 【著者】 片岡義男 1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。http://kataokayoshio.com/
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-人工の女、自然の女 作家は常にストーリーを考えている。女性だ。彼女の担当編集者もまた女性。彼女は時に一人でストーリーを考え、それを今一度確認するように編集者に披露する。今書きつつあるのは、ジェンダーを越境する人物の小説。女なのに男の意識で生きてきた人。女になりたい男。その男から「女であること」の何たるかを吸収したい女。作家の趣味が全国の防波堤を見て回ること、という設定が象徴的だ。防波堤とは、陸の力と海の力が激突する場であり、それは性の境界を思わせるものでもある。 【著者】 片岡義男 1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。http://kataokayoshio.com/
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-「私は」と「私も」 片岡義男の小説にはしばしば作家が登場し、 今まさに思いついたストーリーを 目の前の相手(作家はたいてい男で相手は女だ)に向かって 語ることで成立している作品群がある。 ここでの女性は金髪で青い瞳のアメリカ人女性だ。 彼女は、日本語が日本人に無意識のうちにもたらしているものを 分析した本を書こうとしている。 日本語と英語をめぐる二人の批評的な会話の中で 彼は彼女が放った「私は」を「私も」に変更することを要求する。 それは信頼関係にある、そして異文化に属する 二人のあいだにかけられた美しい橋である。 【著者】 片岡義男 1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。http://kataokayoshio.com/
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-愛はどうにでもなれ、では、百合は? 1人の男性の写真家がいる。 仕事は比較的順調で、依頼には事欠かないようだ。 写真家3人で事務所を構え、うち1人は愛子、という名の女性。 そして男性には、1人、ずっと気になっている女性がいる。 女性が日本各地を転々と引っ越すたびに、彼は会いに行く。 その関係は終わらない。しかし普段はほとんど会わない。 こんな関係はいったい何か。 「愛はどうにでもなれ」の「愛」は「愛子」に関係があるとも受け取れる。 ではもう1人の女性「百合子」は、どうだろうか? 【著者】 片岡義男 1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。http://kataokayoshio.com/
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-高校時代の思い出がうっかり顔を出す。彼女はそれを覚えていないのか?彼は白状するのか? 高校の同級生だった西条美樹子に、作家になった倉田明彦が仕事を頼みます。美樹子は絵描きであり、かつて倉田は美樹子の絵の才能を目の当たりにして、絵の道を諦めたという過去があります。それ以上に、美樹子や同級生たちと過ごした、博多の海の思い出が倉田にはクッキリと残っています。もう30も半ばの年齢になって、しかし、まだ残る博多の海の思い出は、美樹子と話している最中にも、うっかり顔を出し、当然のように、彼女に何かあると気がつかれます。彼女はそれを覚えていないのか、彼は白状するのか、片岡流リドルストーリーの趣の物語です。 底本:『この冬の私はあの蜜柑だ』講談社 2015年11月 【著者】 片岡義男 1939年東京生まれ。文筆家。大学在学中よりライターとして「マンハント」「ミステリマガジン」などの雑誌で活躍。74年「白い波の荒野へ」で小説家としてデビュー。翌年には「スローなブギにしてくれ」で第2回野性時代新人文学賞受賞。小説、評論、エッセイ、翻訳などの執筆活動のほかに写真家としても活躍している。著書に『10セントの意識革命』『彼のオートバイ、彼女の島』『メイン・テーマ』『日本語の外へ』ほか多数。近著に『珈琲が呼ぶ』(光文社)、『くわえ煙草とカレーライス』(河出書房新社)などがある。
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-アイランドとは、どのような場所か? 不気味な重低音の意味が、明らかになるその時。 小説の前半部は、夜の海だ。 星空と月明かりがあり、その絶妙の光の中で 「僕」は海と、この島と、サーフボードが完璧に調和した幸福に身を委ねる。 しかし、突然、かつて聞いたことのない重低音を海の底から聞くことになる。 それはいったい何の「前兆」か? 開発の手が伸び、変わりゆく島に、やがて すべてを押し流す決定的な出来事が訪れる。 【著者】 片岡義男:1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。
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-昼は娘と、夜は妻と これは片岡義男の小説では、珍しい部類に属するのではないだろうか。 なにしろ、3歳の女の子が全編にわたって活動しているのだ。 作家としての夫、有能なビジネスマンとして毎日出かける妻、 そして昼間はパパとすごす幼い娘。登場人物はこの3人だけだ。 妻が外出したあと、男は思い立って、娘と外出する。 予定外の行動であり、遠くもなく近くもなく、微妙な距離まで。 妻のいない、娘とパパの二人の時間。 しかしそれが秘密になるかというと……そうでもないらしい。 楽しい信頼と少しのユーモアが溶け合った1篇である。 【著者】 片岡義男 1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。http://kataokayoshio.com/
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5.02人の家は、今夜、3人になった 男性の住まいに、居候させてほしいと女性がやってくる。同居しているもう一人の女性の都合でしばらく家を明け渡さなくてはならないようだ。快諾した男性とくつろいでいると彼の姉が帰ってくる。ここは彼と姉の家なのだ。いつもは姉弟の家に、今日はプラス女性が一人。そのあと3人で観る映画がまた、兄弟と女性一人の関係を描いたものだった(この映画、あきらかにある作品を想定したものと思われるが、当ててみてください)。このあと、特別な何かが起きる? 起きない? それはぜひ、読んでお確かめください。 【著者】 片岡義男 1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。http://kataokayoshio.com/
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-彼女が部屋の花に気づく時 登場人物は二人だけ。片岡作品にはめずらしく、中年の男女だ。彼らの様子はあられもない。セックスの後にセックスを語り、語りが一呼吸すると、またセックス。そのあいだに、なぜだろう、仕事のことや、母親(女性のほうの)のこと、その母親の葬儀のことなどが話題にのぼってくる。どうやら二人は女優と映画監督であるらしい。行為の前と後、ふと思い出したように彼女はしきりに「部屋が暗い」という。高層階のホテルの部屋だ。やがて彼女は、青いガーディニアが活けてあるのを見る。 【著者】 片岡義男 1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。http://kataokayoshio.com/
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-きれいに晴れ上がった空のあった時代を、カラダの中に住まわせること 18歳で高校を卒業し、そこからまた18年。 結婚して、離婚して、ヨリを戻す、というようなこともチラホラ。 紆余曲折もありつつ、未来もまだまだ大いにある年齢だ。 東京を離れた場所でのクラス会、という機会が訪れる。 それは不思議とくすぐったい再会の時間だ。 その中に、今、歌謡曲、それも古い歌謡曲の歌手をしている女性がいる。 彼女が魅せられている古い歌の中にあるのは 今の時代が失った空であり、希望だ。 この小説のタイトルはもちろん、 岡晴夫の「あこがれのハワイ航路」のあの歌詞から取られているはずだ。 【著者】 片岡義男 1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。http://kataokayoshio.com/
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-理由があろうがなかろうが、泣く時はいくらでも泣くといい 二人の中年女性。46歳。学生時代からの親友だ。一人はピアノ弾きをしており、彼女がカクテル・ラウンジで弾いている所へもう一人が不意に、予告もなく現れたりする。46歳。過去も未来もある年齢だ。そして若い頃には感じなかったであろう、不思議な現象も訪れる。例えば涙。夕陽を見るだけでわけのわからない衝動にかられたり、どうにも不可解な涙が流れたりすることがある。そんな二人が再会して、世間的な親友概念を逸脱した時間もまた、やってくる。二人は今また、いくら泣いてもいい場所を手に入れたのだ。 【著者】 片岡義男 1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。http://kataokayoshio.com/
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-無防備を撮り、それを交換する関係とは何だろう? 短編というよりは掌編。 そしてちょっと不思議な一編である。 登場人物は女性2人だけ。 酔った1人をもう1人が介抱し、その後、時を経て一緒に京都に旅行をする。 仲が良いのは間違いないのだが、そこにポラロイドカメラという装置が介在することで様々な推測が働きそうだ。 しかも互いに写真を交換したりする。 彼女と彼女の関係。これはいったいなにか。 【著者】 片岡義男 1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。
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-1人になって思い返す、ある決定的な痛みについて 時間は、いろいろなものを遠ざける。 ふと呼び出してやろうと思った男性は 組織の奥深くに紛れ込み、電話をつなぐにも手間がかかる。 そして彼には妻ばかりか恋人までいる。 自分より10歳も若く、聡明なその女性。 なかなかに厳しい時間を、それでもひととおり優雅に過ごした主人公の女性は 帰宅し、1人になった時、自分がある決定的なミスを犯したことに気付く。 他人なら誰も責めはしないだろうその「過ち」を 自分だからこそ許せない、その悲しみをここに読む。 【著者】 片岡義男 1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。http://kataokayoshio.com/
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-秋時雨の中を走って、4人の男女の組み合わせが順番にめぐってくる 吹き付けるような秋時雨の中を 2台のクルマが走っていく。夜もかなり深い時間だ。 2台には男女が2組ずつ。合計4人。 互いに恋人同士と呼んで差し支えない関係で それは女と女においても変わりはない。 やがてホテルにチェックイン。部屋は2つ。今度はクルマでなく部屋だ。 さて、組み合わせはどうなる? 4人いれば組み合わせの数は自ずと決まっている。 が、しかし。実は実現していない組み合わせもあるのだが・・・ 【著者】 片岡義男 1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。http://kataokayoshio.com/
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-眠ったら、けっして目を覚まさない女性の傍らで 28歳の女性がいる。出張先でさんざんな思いをして疲れ果てた彼女は同い年の友人を呼び出し、食事をし、酒を飲み、息を吹き返す。そこに友人の親しい男友達を呼び出し、宴は3人になった。ところで出張から帰って来た彼女にはお酒が入ると眠ってしまうクセがあった。その日もやはり眠ってしまい、残り二人はようやく部屋に運び込む。一度眠ったら絶対に起きない彼女の隣で二人はセックス。そして戯れに、この眠っている彼女に挿入してみよ、とそそのかす。さあ、男はどうする……という、秋の夜長の短篇小説。 【著者】 片岡義男 1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。http://kataokayoshio.com/
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3.7登山で頂上まで行く? 途中で降りられる? 「『あきらめる』って言葉、古語ではいい意味だったんですってね。『明らかにする』が語源らしいんです」 近所の川沿いを散歩するのが日課の早乙女雄大。 入院中の愛する人との残り少ない日々の過ごし方や、 ある告白をきっかけに家を出てしまった家族のこと、 あれこれと思い悩みながら歩いていると、親子風の二人組に出会う。 親に見える人は何やら思い詰めた表情で「自分の人生をあきらめたい」と言う…。 ふとしたきっかけで生まれた縁だったが、 やがて雄大は彼らと火星に移住し、「オリンポス山」に登ることを決意する…!? 「あきらめる」ことで自らを「あきらかにしていく」―― 火星移住が身近になった、今よりほんの少し先のミライが舞台の新感覚ゆるSF小説。
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-夜を徹して走るハーレー スーパーグライド。 彼女はなぜ、そうまでして走り続けるのか? 起点は港のフェリー・ターミナル。 そこでハーレー スーパーグライドに乗る美女を目撃した4人の男たちは 戯れに愛車で彼女の追跡を試みる。 彼らの曖昧な予想に反し、彼女は何度も給油を繰り返しては いっこうに目的地に着く様子もなく、完全に夜に入った。 仲間たちが帰っても追跡を止めない敏幸は、何物かにとりつかれはじめる。 真の闇の中、先を行く彼女の赤いテールランプだけが見えている。 なぜ彼女は走り続け、彼はなぜ追っているのか。 やがて、読者を置き去りにする衝撃のラストがやってくる。 【著者】 片岡義男:1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。
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3.0起きてしまった愚かさ。 行くことも戻ることもできず、ただ顔に陽が射すだけ。 2つの不良グループがある。 抗争が起き、犠牲者が出る。 やられたら、やりかえす。必然的にそれは エスカレートしていき、ある時ついに一線を超える。 留まってはいられない、だから 走る、走る。 しかし、走っても行く所は無いのだ。 それが起きてしまったらもう 明日が来るわけない。 【著者】 片岡義男:1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。
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-あとがき・から始まる/あとがき・から読む/あとがき・から考える/あとがき・から見えてくる/あとがき・で語る/作家・片岡義男のエッセンスが満載! 「ぼくは〈あとがき〉を書くのが大好き。〈あとがき〉を考えると次回作への期待とアイディアでいっぱいになる」……1970年代から現在まで40年以上にわたり、次々に新作を発表し続けている作家・片岡義男。その作品はもちろんだが、じつは〈あとがき〉がすこぶる面白い。1974年刊行の『ぼくはプレスリーが大好き』から2018年の新刊『珈琲が呼ぶ』まで、単行本・文庫にある〈あとがき〉150点あまりを刊行順にすべて収録。片岡義男のエッセンスが満載の一冊! 【目次】 1970年代 『ぼくはプレスリーが大好き』『10セントの意識革命』『友よ、また逢おう』『ロンサム・カウボーイ』『スローなブギにしてくれ』『ヘルプ・ミー! 英語をどうしよう』『町からはじめて、旅へ』『彼のオートバイ、彼女の島』『サーフシティ・ロマンス』『スターダスト・ハイウエイ』『アップル・サイダーと彼女』『波乗りの島』 以下-- 1980年代 1990年代 2000年代 2010年代 あとがき 【著者】 片岡義男 1939年東京生まれ。文筆家。大学在学中よりライターとして「マンハント」「ミステリマガジン」などの雑誌で活躍。74年「白い波の荒野へ」で小説家としてデビュー。翌年には「スローなブギにしてくれ」で第2回野性時代新人文学賞受賞。小説、評論、エッセイ、翻訳などの執筆活動のほかに写真家としても活躍している。著書に『10セントの意識革命』『彼のオートバイ、彼女の島』『メイン・テーマ』『日本語の外へ』ほか多数。近著に『珈琲が呼ぶ』(光文社)、『くわえ煙草とカレーライス』(河出書房新社)などがある。
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-あなたは男で私が女、あの人が女で、女がもう1人 このタイトルから類推されるのは例えば女と男のラブストーリーだろう。 その予測は間違いではない。が、本流でもない。 高原のテニスコート、という巧みな装置を得て、物語は動いていく。 コートでのゲームは対称をなす混合ダブルスではなくそこに男は1人しかいない。 すると、どうなるのか。 男は女にはなれない、という事実がそこに、差し出されるのだ。 【著者】 片岡義男 1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。
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-バーを引き継いだ夫婦は酒の時代の終わりを感じる。しかし、次に来るものは何かについて思いを馳せる二人。時代の変わり目だけに起こる、ちょっとした奇跡の物語です。 1978年の東京。キャバレーのホステスとサックスプレイヤーとして知りあった二人は結婚。男は、妻の父がやっていたバーを引き継ぎ、女は母親の惣菜店を手伝いながら、しかし、二人は、酒の時代の終わりを感じています。周囲の友人たちも口を揃えて「酒の店は終わりだ」と言います。キャバレーが衰退し、昭和のネオン街が次々と消えていった70年代の終わりの空気を丸ごと描写しつつ、では次に来るものは何かについて思いを馳せる夫婦に、悪い予感はどこにもありません。時代の変わり目だけに起こる、ちょっとした奇跡の物語です。 【著者】 片岡義男 1939年東京生まれ。文筆家。大学在学中よりライターとして「マンハント」「ミステリマガジン」などの雑誌で活躍。74年「白い波の荒野へ」で小説家としてデビュー。翌年には「スローなブギにしてくれ」で第2回野性時代新人文学賞受賞。小説、評論、エッセイ、翻訳などの執筆活動のほかに写真家としても活躍している。著書に『10セントの意識革命』『彼のオートバイ、彼女の島』『メイン・テーマ』『日本語の外へ』ほか多数。近著に『珈琲が呼ぶ』(光文社)、『くわえ煙草とカレーライス』(河出書房新社)などがある。
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-「今日の私は聞き役です」 長篇小説の中心にいるのは美佐子という女性。 中心、というのは登場の頻度が最も高く、 彼女の視点が基本のトーンになっている、ということで 実は美佐子がこの小説の中では最も静かな存在である。 彼女は多くの人と会い、ほとんどの場合、聞き手に回る。 彼女ほど話しやすく、聡明で、気持ちの良い相手はいない。 そうして人の話をすべて親身になって聞きながら 彼女は時折、プールに入って泳ぎ、コーヒーを飲み、手紙を書く。 光のあたったプールにできるのは自分の影。 影はいつだって冷静で、その影を彼女は愛している。 【目次】 一章 プールに降る雨 二章 素足で小川をわたる 三章 一杯のコーヒーから 四章 花嫁が語る、花嫁の父も語る 五章 私は潮騒からはじまった 六章 自分の花をみつけた 七章 神の子はすべてリズム 八章 あの影を愛した 【著者】 片岡義男 1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。http://kataokayoshio.com/
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-「入ってきて」と彼女は言った 『夏と少年の短篇』(ハヤカワ文庫)所収の1篇。 18歳の少年にとっての、もっとも鮮やかな瞬間を切り取っている。 最初は、バッタリと道で遭い、そのままプールへ。 2度目は、ちゃんと約束をして海岸へ。 少年と少女の輝かしい季節のエピソード。 プールでは、まるでそれが自分のものであるかのように 少女は少年に向かって何度も(プールへ)「ねえ、入ってきて」と言う。 そして海岸では、少女が一度やってみたかったという夢を、あっさり実現させる。 完璧な夏は、この小説の中にある。 【著者】 片岡義男 1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。http://kataokayoshio.com/
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-彼にとって1人である2人の女性 甘く優しい短篇小説、というタイトルを持つこの短篇小説が その通りに「甘く優しい」かどうかは個々の読者によってむろん違うとはいえ、 小説の前半と後半で様相が相当に変わる、ということについては 書いておかなければならない。 1つのアイデアと、現実に目の前にいる女性2人は どのように関係があり、あるいはどこが無関係なのか。 あまりに直截すぎて呆気に取られるような転調ぶりを 愉しみたい一篇である。 【著者】 片岡義男 1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。http://kataokayoshio.com/
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-「ただのラブ・ソング」と 「アナザー・ラブ・ソング」。 月明かりのハイウェイを、巡業用バスが走っている。 運転しているのはアマンダ。女性として、妻として、母として完璧であり、 カントリー・ミュージシャンの夫は、あらためて惚れ直している。 結果、20年前のヒットに並ぶ傑作「アナザー・ラブ・ソング」が生まれた。 だがしかし、巡業やカントリーを取り巻く様々な人々がすべて幸福なわけではない。 だからこそ、アマンダの充実した人生は輝いている。 私立探偵アーロン・マッケルウェイ・シリーズの中では 事件らしい事件の起こらない地味な一編ながら、読後に深い余韻を残す作品である。 【著者】 片岡義男:1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。76年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。
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-カメラとビー玉 何も起こらない小説、と言ってみたくなる。 それはもちろん嘘で、ここには女と男が登場し、 女は仕事をこなし、男は女を送りおどける役目を果たしている。 それは非合法に抵触しているものの、そのことによる翳りも屈託も、そして危機もない。 すべては淡々と過ぎて行き、彼女と彼はどちらかといえば陽気である。 世間にはカメラやビー玉で妙な遊びをする男もいるが、それも驚くようなことではまったくない。 むしろ関心は雨が降るか降らないか、そちらのほうだ。 降りだした雨には、演歌がよく似合う。 【著者】 片岡義男 1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。
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-寅さんを導入として日本を語る 小説による日本論と言っていいかもしれない。片岡義男の小説で「日本」が問題になる時、そこには必ず「日本語」の問題がある。今回はなんと、素材は「寅さん」、つまり、映画『男はつらいよ』だ。寅さんの映画を、金髪の外国人女性、今は女性だが大工として男でもある人、その人の連れ合いの女性、そしてその連れ合いの兄である小説家の4人で見て、その感想を延々と楽しく語らいながらいつしかそれが前後の日本批判になっている、という構えの作品だ。自由な「寅さん」のように、ここでは「性」もまた自由になる。 【著者】 片岡義男 1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。http://kataokayoshio.com/
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-レインメーカー・アイランドの奇跡に 立ち会う幸福。 雨の日のほうが多く、 通称“レインメーカー・アイランド”と呼ばれるポリネシアの島。 広い場所が好きで、ただ旅をする目的だけで来た青年・西本は 偶然、その島で皆既日食が見られるかもしれないことを聞く。 島に渡った彼以外の観光客は、ほとんどがそれ目当てなのだ。 しかし、あまりにも雨が多いため、 見られる確率は3%もないだろうとメディアは告げる。 にもかかわらず、「雨の伝説」に支えられて奇跡は起きた。 島と、雨と、日食と、当地に生きるシンプルで強い人々の 濃密な描写の数々が堪能できる美しい一編。 【著者】 片岡義男:1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。76年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。
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-父親であることを知らなくても、父親は父親 再会がある。二つの再会だ。 最初に男同士の再会があり、そこである疑問が浮かび そのことの確認も含め、2度目は男と女の再会がある。 そこで明らかになったこと。 それは子供の存在であり、そのことを自分が知らせてもらえなかったことであり、 さらにジェンダーもからみ、ニューヨークと日本の差もあり、 そして何より、彼女の生き方のことがある。 ケンカや怒号や訴訟があってもおかしくない場面だろう。 しかし片岡義男の小説でそれはありえない。 代わりにそこにあるのは…… そう。雨のなかの日時計だ。 【著者】 片岡義男 1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。http://kataokayoshio.com/
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-立ち止まる時間がほとんどないような彼女が、ふと立ち止まるその時に 作家がそのような語彙を用いているわけではまったくないが、 これは近年の言葉で言えば「シングルマザー」の物語だ。 彼女には4歳になる息子がいて、翻訳の仕事をしている。 幼稚園に連れて行くこと、料理を作ること、絵本を読み聞かせること、 それら子供のために割く時間のほかにも 姉や姉の子、姉の夫、仕事相手との関係があり、 用事があったりなかったり、誘惑の電話も頻繁にかかってくる。 それらの細かい時間がいくつもいくつもミルフィーユのように重なって この魅力的な女性のポルトレは描かれる。 【著者】 片岡義男 1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。http://kataokayoshio.com/
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-やってきて、去っていくアメリカの青 金髪。そして美しい青い瞳。アメリカからジャズ・ピアニストの女性がやってくる。右も左もわからない彼女を迎えに行き、なにかと世話するのは、彼女と同じエージェントに所属する男。彼もまた同じくジャズ・ピアニストだ。アメリカと日本、二つの国で共有されている古い歌、それらの演奏を通じて彼らは親密になり、彼女の日本滞在は心地良いものとなる。しかしながら彼女には、実は壮絶な過去があった。親密になれたからこそ語られたその過去と、ある預かり物を残して、彼女は次なるアジアの国へと旅立って行く。 【著者】 片岡義男 1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。http://kataokayoshio.com/
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-シャッター押さなかったことによって 定着された1枚の絵。 そこにこめられた荒馬の歴史をカウボーイが語る。 ごく短い酒場のシーンを前後にして 真ん中に荒野の情景が挟まっている。 荒馬の絵と、絵を語る作者の老人。 そして、その絵の起点になった荒野と荒馬を 寝袋の中に身を置いた極度の緊張感の中で体験した時間が挿入される。 北米大陸の自然と、そこに現れた人間の初期の係わり、 その名残りを描く初期作品群『ロンサム・カウボーイ』のモチーフが 馬という野生とともに鮮やかに浮かび上がった一編。 【著者】 片岡義男:1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。
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-移動する時間の長さが違えば、 別れと、別れの後の出発の仕方も違うはずだ。 ある者はロディオ・ライダー。かつて栄光に輝いた彼も 今年は惨敗、負傷し、おまけに妻は1人になりたがっている。 そのロディオ・ライダーを空港まで大きなオートバイで送り届けた 日本人青年も、西海岸から東海岸までの長い移動を 妻との別れ話にあてる、という試みの最中だ。 いっぽうで帰宅してみたら愛する妻と子は書き置きを残して 家を出てしまった、という歌を好んでいた長距離トラック・ドライヴァーは 自分も歌の内容と寸分たがわぬ人生を歩むことになる。 別れの痛みとともにある人々を慰撫するのは、 アリゾナのむき出しの荒野だけだ。 【著者】 片岡義男:1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。76年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。
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-「彼」は放り出され、一人で歩いていく 6つのエピソードからなる短篇だが、一筋縄ではいかない。 なにしろ、6つがバラバラなのだ。 最初の章に男が6人(6人、とわざわざ書いてある)出てくるから、 その6人の、それぞれのエピソードを書いたもの、 という解釈も成立するだろうが、まったく違うかもしれない。 6人の男は女を見て、会話をして、電話で話し、結婚もせず、 別れ話を受け入れ、その後の自分の人生を歩いていく。 この短篇のテーマは、あるいは「孤独」かもしれない。 【著者】 片岡義男 1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。http://kataokayoshio.com/
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-料理に始まり、そこに戻り、何事かに気づく、ということ 親密になるきっかけが料理だったとすれば、再びよりを戻すきっかけもまた料理だった、ということがどうやらここで起きている出来事のようだ。あなたは現実の私を見ているのではない、イメージを投影してそれを好んでいるだけだ、と女は男に言う。そして男から離れようとする。しかし約半年後、女が再び引力のような力で引っ張られていくのはやはり男の作る料理のあるほうへ、だった。そして料理に加えて写真が介在することでまわり道をした女は、ある種の「素敵」に気がつくのだ。 【著者】 片岡義男 1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。http://kataokayoshio.com/
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-真夜中の続きは朝 このストーリーは、このあと、どうなるのだろう? それを考えるのが非常に楽しい作品だ。 用心深く注意をはりめぐらし、出来事が起こらないように行動することと およそ正反対の主人公が愛らしい。 迂闊にもほどがある、とも言えるし、無頼だとも言える。 その時その時で、彼はやりたいように振舞うのみだ。 真夜中が続けばやがて朝が来る。 どんな朝か、想像する自由は読者の手の中にある。 【著者】 片岡義男 1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。
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-現れては消えるのが歴史。 その歴史を映像で見る時代にわれわれは生きている。 片岡義男の処女作「白い波の荒野へ」を起点として 連作のようにして書き継がれたうちの一篇。 「いま」を象徴するハリウッド資本による最新のクリエイティヴと ハワイの歴史上、何度も繰り返された凶暴な大きな波が交錯する時 そこにエネルギーの炸裂と、人々の興奮と、 そして自ら志願して「向こう側」に消えていく人々が出現する。 もう、消えてどこにもない波を、サーファーを、人々はスクリーンに見る。 ラスト、最も人口に膾炙した曲「アロハ・オエ」が聴こえてくる。 【著者】 片岡義男:1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。
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-歴史をひもとけば、そのシャツには人に対する肯定的な気持ちと悲しみが込められていることがよくわかる 観光地化する以前のハワイ。その類まれな美しさを象徴する 1つの実物として、アロハ・シャツ、というものがある。 史実をできるだけ裏切らないように努めつつ、そこにフィクションを加え、 ストーリーを作ろうとしている男性が1人。 それをサポートするためにあらゆる資料を瞬時に集めて見せる女性。 「アロハ」という多義的で肯定的で美しい言葉と出会うことで 歴史は動き、様変わりしてしまった現代にあっても また新たな形式を与えられてそれらはよみがえろうとしている。 【著者】 片岡義男 1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。http://kataokayoshio.com/
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-春から春へ。事件無き彼女の肖像。 1人の女性がいる。 この小説は、彼女の輪郭と所作だけを丁寧に追ったものだ。 彼女がどんな部屋に住み、どうやってコーヒーを飲み、クーペを運転し、どのように眠り、バルコニーにいる時の様子や風を受けた時の表情などが、積み重ねられていく。 彼女には雨と月の光がよく似合う。 小説とは、ドラマや事件、葛藤とその克服、といった起伏が必要だ、 という思い込みを、この作品はワイパーできれいに払拭する。 それも、長篇と読んで差し支えない長さを擁して。 1点、注意を。「あとがき」は絶対に先に読まないこと。 【著者】 片岡義男 1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。
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-台風が接近中の夜。とあるコーヒーの店で、不思議な「薄情の連鎖」が始まる。 東京に台風が接近中の夜、「コーヒーの店で、ひとときを」と看板に書かれた店の客は、カウンター前が好きな女性とスーツ姿の男性客の二人。その女性客は、店がある建物の四階に住んでいると話します。男性客が帰った後.店主は女性客に、この店で知り合って結婚して離婚した男女の話をします。その話に出てくる女性は、女性客の友人であり、薄情な人なのだという話をして、店主の元の奥さんのカフェについて訊ねたことから、不思議な「薄情の連鎖」が始まります。コーヒーの香りを背景に語られる「薄情」という言葉の意味をふと考えてしまいます。 底本:『この冬の私はあの蜜柑だ』2015年、講談社 【著者】 片岡義男 1939年東京生まれ。文筆家。大学在学中よりライターとして「マンハント」「ミステリマガジン」などの雑誌で活躍。74年「白い波の荒野へ」で小説家としてデビュー。翌年には「スローなブギにしてくれ」で第2回野性時代新人文学賞受賞。小説、評論、エッセイ、翻訳などの執筆活動のほかに写真家としても活躍している。著書に『10セントの意識革命』『彼のオートバイ、彼女の島』『メイン・テーマ』『日本語の外へ』ほか多数。近著に『くわえ煙草とカレーライス』(河出書房新社)、『窓の外を見てください』(講談社)などがある。
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3.9
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-つけるときよりもはずすとき 編集者と書き手の情事。 ここでは編集者が男性であり、書き手はまだ書くことの経験が十分ではない。 小説とは、いかにして書かれるものなのか。 会話の中から、そして動作を伴う、あるモノからそれは生まれる。例えばイアリング。 男には得られない視点からイアリングを見て、そのことを構築できればすなわちそれが彼女の小説だ。 【著者】 片岡義男 1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。
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-今やシャッター街となった商店街で生まれ育った長谷川那美。彼女のさまようための旅物語。 残暑が続く中、地元の四国へフラリと戻った長谷川那美は、マンガの原作を主な仕事にしている。今やシャッター街となった商店街で生まれ育った彼女は、地元のショッピングモールでレストランを成功させている兄のダットサン・トラック720を借りて、地元を徘徊します。若い女性とダットサンが奇妙にマッチする地方都市の風景と、大きなショッピングモールで飲める自慢のコーヒー、兄の仕事上のパートナーの女性との食事。彼女の地元での徘徊は、そのまま、彼女の仕事であるマンガの原作へと繋がっていきます。さまようための旅の物語です。 底本:『この冬の私はあの蜜柑だ』講談社 2015年11月 【著者】 片岡義男 1939年東京生まれ。文筆家。大学在学中よりライターとして「マンハント」「ミステリマガジン」などの雑誌で活躍。74年「白い波の荒野へ」で小説家としてデビュー。翌年には「スローなブギにしてくれ」で第2回野性時代新人文学賞受賞。小説、評論、エッセイ、翻訳などの執筆活動のほかに写真家としても活躍している。著書に『10セントの意識革命』『彼のオートバイ、彼女の島』『メイン・テーマ』『日本語の外へ』ほか多数。近著に『珈琲が呼ぶ』(光文社)、『くわえ煙草とカレーライス』(河出書房新社)などがある。
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-波が高まって、やがて凪。いい気分だ 舞台はプール。 水をたたえた空間だが人工物であり、やや密閉感じもある空間。 主役は2人の女性。というより、身体と視線だ。 もしかすると互いを捕らえる正確さと貪欲さは異性間のそれをしのぐものかもしれない。 言葉は不要。過不足のないしなやかな動きがあればいい。 波のようになめらかに高まってやがて凪へ。 身体だけではないが身体にあくまで忠実な欲求を解放させて、今、いい気分だ。 【著者】 片岡義男 1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。
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-オデンを経由して、やがてみんな写真に収まる 作者と同じ、「ヨシオ」という音のつらなりを持つ17歳がいる。 カタカナのヨシオだ。ヨシオは高校の卒業に際し、大学には行かないことを選択する。 両親は離婚し、母親が女手一つでヨシオを育てた。 その母親が経営するのがオデン屋だ。 ここに、様々な来歴や関係を持ったそれぞれ魅力的な人物たちが訪れる。 中には国境を超えて来る人物までいる。 それぞれの困難を抱えながら、全員が「生きかたを楽し」んでいる。 片岡義男によってヨシオ同様、「オデン」とカタカナ表記される場所を媒介として それらの魅力が交錯する。 【著者】 片岡義男 1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。http://kataokayoshio.com/
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-東京の世田谷の少年少女の成長は、そのまま東京の空気の変遷のようです 真紀子と由美子、よく似たタイプの二人の女性は、高校の同級生で今は二十七歳。昭和の終わりに、それぞれが実家の美容院とパン屋を引き継いで、今後の展開を話しています。その話に登場する、やはり高校の同級生だったサックスプレイヤーのシンゴもまた、高校時代からの彼女たちの友人。物語は真紀子と由美子、シンゴと真紀子、シンゴと5つほど年上のボーカリストの女性、そしてまた真紀子と由美子と、二人一組の会話で進みながら、その都度、少しづつ状況が変化していきます。東京の世田谷の少年少女の成長は、そのまま東京の空気の変遷のようです。 底本:『ジャックはここで飲んでいる』2016年、文藝春秋 【著者】 片岡義男 1939年東京生まれ。文筆家。大学在学中よりライターとして「マンハント」「ミステリマガジン」などの雑誌で活躍。74年「白い波の荒野へ」で小説家としてデビュー。翌年には「スローなブギにしてくれ」で第2回野性時代新人文学賞受賞。小説、評論、エッセイ、翻訳などの執筆活動のほかに写真家としても活躍している。著書に『10セントの意識革命』『彼のオートバイ、彼女の島』『メイン・テーマ』『日本語の外へ』ほか多数。近著に『くわえ煙草とカレーライス』(河出書房新社)、『窓の外を見てください』(講談社)などがある。
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-シニカルではなしに、彼女は言う。 「なんだって陳腐なのよ」。 2組の若い男女がいる。 4人はそれぞれ、バラバラに福島から出てきた上京組だ。 1組はサラリーマン。もう1組は風俗で働くカップル。 そこに上下や屈託や差異はほとんどない。 風俗組が手に入れた真っ赤なフェアレディZTで 結婚式のため、4人は再び福島をめざす。 その憧れのスポーツ・カーも結婚も 陳腐であることを彼らは自覚している。 しかしそれは達観したニヒリズムではなく タフな生活者の冷静な自覚に過ぎない。 【著者】 片岡義男:1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。
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-最高の贈りものは時間である 一日じゅう空を見ていることを可能にするもの、 それも最高の条件で見続けることを可能にするのはいかなる状況か、ということをこの小説は描いている。 どんな高価なプレゼントよりも記憶に残り、消費や購買とも無縁なその成り行き。 読者の皆さんもまた、出典を明らかにすることなく この短篇とそっくり同じ一日を過ごしてみるとよいかもしれません。 【著者】 片岡義男 1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。
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-仕事とは彼女の長い一日のことだ 大人同士の関係ならば、互いに仕事を持ち、そのことを尊重し合う、というのが通常の状態だろう。 そして仕事が終われば、夫婦であれ、恋人同士であれ、仕事の時とは違うふるまいをするのもまた普通である。 しかし、そのスイッチがうまく行かない、いや、スイッチを換えたくない状態というものが時折やってくる。 そんな時は金曜日であれば京都に行ってしまう。 一人になること。そして思いがけないハプニングも含めて自分の状態にある種のケリをつけること。 こうして彼女の長い一日がようやく終わる。 【著者】 片岡義男 1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。
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-2台の自動車が作る狂おしい三角形について 海岸沿いの夜の国道をひた走る2台の自動車がある。 前を行くのはシトロエンである、女性が1人で運転している。 それを追うように後ろを行くのはメルセデスで こちらは男性が1人、女性が1人。 2台の自動車に3人。女性が2人で男性が1人。 3人の関係はあまりに微妙な苦しいバランスのうちに保持されているが 誰もが自分の感情から自由になることはできない。 誰1人、充足していないがゆえに保たれている怖ろしい関係がここにある。 作家は作中でこれを「環状に循環」と書いている。 【著者】 片岡義男 1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。http://kataokayoshio.com/
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-あっけらかんと百万円 たいへんに魅力的な女性がいて、彼女と寝たい、それが実現するなら百万円払ってもいい、と男が口にする。 話だけなら冗談か下衆な話題として済んでしまうが実際にそれが実現され、女性もあっさりとそれを飲んでしまうともはや外野がどうのこうの言う問題ではない。 「一生に一度かしら」などと笑いながら、百万円を支払い得ない男たちの視線の先をグラビアの彼女が涼しくすべっていく。 【著者】 片岡義男 1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。
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-ようやく一等星の見える時刻 今日こそは会いたい女性がいる。 いつもならしない残業もこなし、時間をつぶそうとするもなかなか電話は通じない。 持て余した時間のあいだに幾人もの女性が登場しては去っていく、そのよるべなさも片岡作品にはおなじみの展開だろう。 やや深い時間になって、ようやくキャッチ。 そこまで時間が経過したのだから、夜空の遅い初夏でも、彼女の体の向こう側に一等星が見える。 【著者】 片岡義男 1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。
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-2人の女性に託された歌 不幸な亡くなり方をした父親から唯一の財産として娘は歌を贈られた。 長じてカントリー歌手になった娘は父の曲に自ら詞をつけて歌うようになる。 ところがその歌を、どうやらもう1人、歌っている女性がいるらしい。 自分しか知らないはずの歌なのに。 このミステリーの前に現れるのが愛すべき21歳の私立探偵アーロン・マッケルウェイだ。 もう1人の女性はいったい誰なのか。 全篇、電話による会話だけで進んでいく哀切な物語。 【著者】 片岡義男 1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。
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3.7
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-二人の男女を通して小説がどのようにして生まれるのか、その瞬間を描いた作品。 商店街の喫茶店に勤めるムンバイから来た青年トニーは、ライターの三浦に「イツモクルオンナノヒト」がさっき来たと伝えるところから始まる物語は、三浦の「イツモクルオンナノヒト」という言葉についての考察を経て、その当の「オンナノヒト」である仁美が小説を書くきっかけを作る。そして彼女が再び、その喫茶店を訪れた時、彼女の中に一つの物語が生まれる。この短編小説は、二人の男女を通して小説がどのようにして生まれるのか、その瞬間を描いた作品なのだ。しかも、その内容は、片岡義男流小説講座にもなっているという構造が見事。 【著者】 片岡義男 1939年東京生まれ。文筆家。大学在学中よりライターとして「マンハント」「ミステリマガジン」などの雑誌で活躍。74年「白い波の荒野へ」で小説家としてデビュー。翌年には「スローなブギにしてくれ」で第2回野性時代新人文学賞受賞。小説、評論、エッセイ、翻訳などの執筆活動のほかに写真家としても活躍している。著書に『10セントの意識革命』『彼のオートバイ、彼女の島』『メイン・テーマ』『日本語の外へ』ほか多数。近著に『珈琲が呼ぶ』(光文社)、『くわえ煙草とカレーライス』(河出書房新社)などがある。
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-動いていた1週間、動かない1週間 一緒に住んでいて、恋人と呼べなくはないが 家庭を営むには至らない男女がいる。 男は不意に会社を辞めるが、理由は明らかではない。 そして彼は1週間、実家に帰省する。 その際、女は、自分の親友で、彼の帰省先の近くに住んでいる もう一人の女に会うことをしきりにすすめる。 まるでその女と結婚させたがっているかのように。 しかもその女は離婚を経験し、娘を一人で育てている境遇だ。 ここで起こっていることは何か。 その1週間で男の何かが確実に変わってしまい、 しかし女は以前のように部屋から動かなかった。 【著者】 片岡義男 1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。http://kataokayoshio.com/
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-いつか必ず、自分はいなくなる ここでは、おそらく誰もが人生の中で多少なりとも感じていながら突き詰めて考えたり苦しんだりしたことの無いことについて、あまりの純粋さゆえにのめりこんでいく少女の姿が描かれている。それは、自分とは何か、存在とは、時間とは何か、という問いだ。かつての自分と今の自分は別の人間であり、しかしながら記憶、というものがあるからその過去には今の自分として戻ることができるけれど今、その場所にかつての私はいない。私とはそう、いつだって「いなくなる」ことが確実な何か、のことなのだ。 【著者】 片岡義男 1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。http://kataokayoshio.com/
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4.0
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-離婚暦、4年の歳月、初夏の東京。 2人のシャイネスは、言葉で防波堤を築く。 女が営む店の名前はウェンディ。 ビーチボーイズのナンバーから取られている。 いちばん大切な存在だったのに、 去ってしまったウェンディという女の子を歌った曲だ。 時々店に顔を出す男は、ここへ来て4年になる。離婚暦アリ。 彼女の誕生日に、男は、金がなくて贈り物ができない 若い男性が登場する映画の話をしたりする。 店を閉め、外を歩き、2人は今までにない段階に入る。 それを「幸せ」と呼ぶことをためらいながら、体と言葉を重ねていく。 【著者】 片岡義男:1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。83年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。
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-逃げながら、しかし迂回していても、いつか問題には直面します。その逃げる過程がまた物語を生むのです。 「町で見つけた小さな謎」や「日本国内でのほんのちょっとした旅」といった連載を雑誌に書いている主人公。その「書く」という行為が日常になっている男の行動をそのまま物語にしたような作品です。何をするにも「考える→動く」というスタイルが習い性となっている「物書き」という職業についての物語と言ってもいいかも知れません。その生き方をまっとうするための、最も大切なことが「嫌なことからは逃げる」ことなのでしょう。逃げながら、しかし迂回していても、いつか問題には直面します。その逃げる過程がまた物語を生むのです。 【著者】 片岡義男 1939年東京生まれ。文筆家。大学在学中よりライターとして「マンハント」「ミステリマガジン」などの雑誌で活躍。74年「白い波の荒野へ」で小説家としてデビュー。翌年には「スローなブギにしてくれ」で第2回野性時代新人文学賞受賞。小説、評論、エッセイ、翻訳などの執筆活動のほかに写真家としても活躍している。著書に『10セントの意識革命』『彼のオートバイ、彼女の島』『メイン・テーマ』『日本語の外へ』ほか多数。近著に『珈琲が呼ぶ』(光文社)、『くわえ煙草とカレーライス』(河出書房新社)などがある。
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-Tシャツのその下には…… 受験を控えた高校生男子。 魅力的な女性教師が、自分の姉と友人であるという状況は ちょっと誇らしいものであり、同時にドギマギするものであり いずれにせよ、彼にはその女性教師が気になって仕方がない。 姉の友人であるがゆえに接近するチャンスにも恵まれた彼は ある時、Tシャツをプレゼントすることを思い立つ。 夏休み明けの授業でそのTシャツを教師が着てきたことにも興奮をおぼえる。 しかし感情の高まりはそれでは終わらない。 渡してしまった後で彼は初めて気付く。 それが、地肌に直接触れる衣類であることに。 【著者】 片岡義男 1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。http://kataokayoshio.com/
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-1~11巻500円 (税込)<特集>『新・日常考―きのうまでと違うこと』 「非日常」が私たちの「日常」を覆いつくしてから、二年余りが過ぎました。いままた恐ろしい「非日常」を告げるニュースが途切れず、不安な日々が重ねられていきます。それでも、きのうより今日を、明日こそはと願う気持ちは万国共通のはず。新・日常考―きのうまでと違うこと。「日常」を問い直し、新たな日々を編むための試みです。 【目次】噓でもいいから/堀江敏幸、斎藤茂吉の危機と再生/小池光、離れて働く、みんなと働く/酒井順子、特集とりとめな記/ 特集編集班、週末のアルペジオ/三角みづ紀、藤沢周・連作小説館⑥/藤沢周、猛獣ども/井上荒野、町田康の読み解き山頭火/町田康、しおり物語/岡もみじ、アマネク ハイク/神野紗希、兼好のつれづれ絵草紙/三遊亭兼好、漱石クロニクル―絵で読む夏目漱石の生涯―/大高郁子、楸邨山脈の巨人たち/北大路翼、Dr.よねやまの芸脳生活芸術家の生き様を医学で考える/米山公啓、江戸の愛猫/宮川匡司、気まぐれ編集後記/万年editor