あきらめる

あきらめる

小説・文芸
1,782円 (税込)

8pt

登山で頂上まで行く? 途中で降りられる?

「『あきらめる』って言葉、古語ではいい意味だったんですってね。『明らかにする』が語源らしいんです」

近所の川沿いを散歩するのが日課の早乙女雄大。
入院中の愛する人との残り少ない日々の過ごし方や、
ある告白をきっかけに家を出てしまった家族のこと、
あれこれと思い悩みながら歩いていると、親子風の二人組に出会う。
親に見える人は何やら思い詰めた表情で「自分の人生をあきらめたい」と言う…。

ふとしたきっかけで生まれた縁だったが、
やがて雄大は彼らと火星に移住し、「オリンポス山」に登ることを決意する…!?

「あきらめる」ことで自らを「あきらかにしていく」――
火星移住が身近になった、今よりほんの少し先のミライが舞台の新感覚ゆるSF小説。

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あきらめる のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    あきらめる
    あきらむ
    自暴自棄になる
    自分の中にあるものをそのまま受け止める
    「あきらめる」の中に「あきらむ」の意味が戻ってくるような時代は来るのかな。

    今いる場所とは違う場所に行けるかも知れないという可能性があるということは、今を辛いけれどもなんとか生きているということにとっての支えになるのではないかと思った。
    1000年前の人々が後の世を頼んだみたいに、キリスト教徒が死後天国に行けるよう祈ったみたいに。
    今の私たちには次に行ける場所が思い浮かばないから、全部、今、ここでなんとかしなくてはと苦しいのではないか。
    火星が欲しい。

    0
    2026年09月20日

    Posted by ブクログ

    めっちゃ良かったー!

    よく、「若い高齢者」に対する呼称について迷うことがある。
    「老人」は率直すぎるし、日常会話の中で「年配の方」と言うのはやや堅苦しい気がするし…
    そういうわけで、“成熟者”と表現しているのがすごくユニークに感じられた。果たして、本当に成熟しているのかは疑問だけれども…。

    愛と理解の違いについてよく分かっていなかった。
    私を苦しめていたものは、愛情の不足というより、無知や無理解だったのかもしれない。

    私も博士のようにずっとだれかに「生まれてきてくれてありがとう」と言われたかった。
    だけどそれは、他でもない自分自身にかけて欲しい言葉だったんだと、納得した。
    親への期待を手放したことで、自分の輪郭がはっきりしてきた。『あきらめる』ことでだんだん明らかになってきた。

    これからは、飛ぶ鳥や川の流れ、日の光、あるいはまだ見ぬオリンポス山の鈍角のように、ただそこにあるだけで美しいものと共に生きていきたい。

    0
    2025年05月28日

    Posted by ブクログ

    タイトルに惹かれて読みました。
    途中からすごく現代社会に必要かも?と個人的に思うような話、言葉、内容になっていて広まってほしいフレーズがいっぱいでした。最近の自分は諦めてばかりで、そんな自分に虚しさや嫌気を感じていたのですが、諦めることに前向きになれます。
    また 私は理科学的な内容は苦手で殆どSFに触れた事はなかったのですが、
    こちらの本のおかげでSFというジャンルも面白いのかも??と思えました。山崎ナオコーラさんの他の作品も読んでみたいと思います!!!

    0
    2025年04月04日

    Posted by ブクログ

    特に、最後の章がグッときた。
    それぞれの登場人物に、ナオコーラさんやナオコーラさんのお子さんを感じる。

    0
    2024年08月07日

    Posted by ブクログ

    火星移住の変な話だと思いながら読み始めて
    最後にはなんの違和感もなく、「あきらめた」輝や博士や雄大と同じ場所にいた
    いい話だ
    頂上を目指すだけが山登りではない
    「ていうか、…」頂上を目指してたことも知らず、山を見たり触ったり、面白がったりしたかっただけなのだとトラノジョウは言った
    なんというか、目からウロコ!

    0
    2026年02月03日

    Posted by ブクログ

    すごく不思議な作品だった。
    火星への移住ができる世界観。
    それ以外は多分今の日本よりコミュニティが少しオープンな感じ。
    SF月匂いがするのに、相反するすごく丁寧な人間関係。そんなお話でした。

    最初は家族もいる同性愛者の男の人、その次はなんか性別があやふやな感じを受ける母親の人、その次はロボットを自分の分身にして生きる病気を持った男性。その3人の目線で語られる短編連作。

    全体通して家族の話なのに家族っぽくなくて、それが私には逆に好ましかったです

    2025.5.19
    104

    0
    2025年05月19日

    Posted by ブクログ

    色んな「あきらめる」が出てくる。あきらめるって悪いことじゃない。
    余命わずかの岩井が「まずは、あきらめる。あきらめることで、あきらめきれないことが始まる。そこから始まるんだ」
    輝は、育児について、「今、生きているだけでいいんだとあきらめないといけない」
    ユキのネグレクトは、ちゃんとあきらめた結果。育てられないって言うことで、次の道が開けた。あきらめることから始まることもある。
    輝は、悟る。心をあきらめよう。心を制御するのではなく、行動をコントロールしよう。
    弓香や塔子は、雄大に対して上手くあきらめてる。でも、博士はあきらめようと思っても、あきらめきれない気持ちを抱えて、評価されたいという感情と向き合う。そして、登山の場面で、人に合わせてあきらめることもあるって気づいて、乗り越えた感じ。
    あきらめる過程もさまざま。簡単にあきらめる必要もない。
    自分を知ること、自分を信じることができないと、あきらめることってできない。
    自分自身を見つめること。頭のなかはどこまでも自由。孤独を恐れる必要はない。その先に、人への寛容さも生まれるのかも。
    今の自分に刺さる言葉がたくさんあった。

    0
    2025年03月15日

    Posted by ブクログ

    「あきらめる」
    あきらめる…明らかにすること。
    自分はこういうものだと欠点も認めたうえで、そのまま生きていく。
    近未来の設定が面白かった。

    0
    2025年01月14日

    Posted by ブクログ

    あきらむ、は「諦める」の古語で、明らかにする、というプラスの意味だ。
    現在のあきらめるという語とは全く意味が異なるように感じる。
    しかし、一旦あきらめることで、自分をありのままに受け止めてより良く生きられるということでもあるのだなぁと、今作を読んでいて感じた。
    自分の欠点や願いを諦めて手放すことで、冷静に今の自分に向き合い、問題への解決策や改善策を模索できるようになる。
    それは、とても前向きで建設的なことではないだろうか。
    世の中には「あきらめるな」というメッセージが溢れているが、人は完璧ではないし弱い生き物なのだから、むしろ「あきらめる」ことをもっと考えなければいけないのではないか、と思った。

    0
    2025年01月11日

    Posted by ブクログ

    マイノリティに配慮することが重視され、そうした人への公的な支援も充実して、火星への移住も行われるようになっている未来の話。性差による従来の役割なんて関係ないし、みんなの人権が尊重されるフラットな社会。親が複数いるのもアリ。
    異次元だけど、現社会との相似点も多い未来の世界を体験しているみたいでした。

    0
    2024年11月11日

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