角川ソフィア文庫 - セール作品一覧
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4.0自然や神(カムイ)と自由闊達に交流してきたアイヌの人々。彼らの間に伝わる様々な童話・説話には、アイヌ世界の豊穣が存分に描かれている。はじめてアイヌ文学に触れる人でも親しみやすいお話16編を集めた、珠玉の童話集。 まえがき よもやま昔話 口のきけない子と熊の話 流れてきた子どもの話 鬼が島せいばつの話 雲の船と男の子の話 チャランケの話 砂でつくった鯨の話 おばけ鳥の話 センタカイヌの話 鬼鹿毛どのの話 パナンペ・ペナンペ昔話 鬼のわなの話 金と銀の子犬の話 腹のなかの小鳥の話 オキクルミの昔話 日の女神を救いだす話 ききん魔を救い出す話 神々がざんげ話をする話 生いたちと晩年の話 解説 著者略歴
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3.5国家とは何か。そして国家と自分はどう関わっているのか。「国家は共同の幻想である。風俗や宗教や法もまた共同の幻想である。もっと名づけようもない形で、習慣や民俗や、土俗的信仰がからんで長い年月につくりあげた精神の慣性も、共同の幻想である」。原始的あるいは未開的な幻想から〈国家〉の起源となった共同の幻想までを十一の幻想領域として追及。自己幻想・対幻想・共同幻想という三つの構造的な軸で解明し、まったく新たな論理的枠組みを提言する「戦後思想の巨人」の代表作。改題・川上春雄、解説・中上健次 目次 角川文庫版のための序 全著作集のための序 序 禁制論 憑人論 巫覡論 巫女論 他界論 祭儀論 母制論 対幻想論 罪責論 規範論 起源論 後記
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4.3近代文学史の科学随筆の名手による短文集の傑作。「電車と風呂」「鼠と猫」「石油ラムプ」「流言蜚語」「珈琲哲学序説」他30篇。写生文を始めた頃から昭和八年まで、寅彦の鳥瞰図ともいうべき作品を収録。
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3.0日本人以外にうっかり使ってしまうと、あらぬ誤解を呼びおこすかもしれない和製英語。サラリーマンは「給料計算係」、ハイテンションは「高圧電流」、ペアルックは「洋梨体型」、スキンシップは「皮製の船」――英語話者には奇妙な妄想すらかきたててしまう言葉たちを、伝わる英語で言い換えるには? 文化や語感の違いが生んだ、愛すべきメイド・イン・ジャパンの言語世界を、英国出身で翻訳・英語教育に携わる著者が楽しく解説する。
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4.0官能小説の醍醐味を味わう。 ◆序章 官能小説の文体の歴史 猥褻裁判/チャタレイ夫人の恋人/四畳半襖の下張/団鬼六の『花と蛇』/川上宗薫の構造表現/豊田行二の登場/館淳一のデビュー/女性征服系から癒し系へ/女流作家の系譜 ◆第一章 性器描写の工夫 女性器表現の種類 複雑な形状/花にたとえる/果実にたとえる/伝統的な表現/海産物/昆虫や鳥の嘴/母なる大地の裂け目/部分的な効果/前後に付ける言葉 男性器表現の種類 「棒」派と「茎」派/なぜ太くて硬くなければいけないか ◆第二章 性交描写の方法 前戯編 舌戯の多様化/フェラチオ表現/クンニリングス表現/シックスナイン表現 性交編 五つの分類/恋愛系/癒し系/嬲り系/凌辱系/絶倫系 エクスタシー編 絶頂語表現/悲鳴表現 オノマトペ表現 舐め音/粘液音/挿入音/射精音 ◆第三章 フェティシズムの分類 乳房フェチ 巨乳表現/美乳表現 腋窩フェチ 敏感な性感帯 尻フェチ お尻派の種類/後背位へ アナルフェチ 膣とは異なる快感 大腿フェチ 性交より素股プレイ 脚フェチ パンストの肌触り 足指フェチ 舐めフェチの極致 下着フェチ 付着した粘液の匂い ◆第四章 ストーリー展開の技術 男女の組み合わせをどうするか ストーリーの重要性/近親相姦/女教師/女性遍歴/SM ◆第五章 官能小説の書き方十か条 官能小説は性欲をかきたてるだけのものではない/好きな作家を見つけよ/まず短編を書いてみる/官能シーンを早く出せ/自分がしたくても出来ないことを書く/三人以上の人物を登場させよ/恥ずかしいと思うな/オノマトペをうまく使う/性の優しさ、哀しさ、切なさを知っておく/書いている途中でオナニーをするな
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5.0能楽で上演される現行200曲をすべて収録。あらすじや見どころ、出典、上演時間や流派など、基本情報を網羅した鑑賞のお供の決定版。能楽研究の第一人者が贈る、観能のたのしみが深まる鑑賞案内。
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4.7桃太郎はなぜ桃から生まれ、犬と猿と雉を味方につけたのか。 浦島太郎が玉手箱を開けて死ぬ定めにあるのはなぜか。 人間を喰らおうとする山姥の正体とは──。 誰もが知りながら、荒唐無稽で謎めいた昔ばなしの世界。 しかし多様な伝承の森に深く分け入り、古代神話や民間信仰に その足跡をたどるとき、死と再生、性と笑い、 異界とこの世をめぐる共通の世界観が浮かび上がる。 現代人が忘れてしまった豊かな意味を取り戻すための神話学。 ※本書は、山川出版社より二〇一三年に刊行された『昔ばなし あの世とこの世を結ぶ物語』に大幅に加筆修正し、改題して文庫化したものが底本です。 【目次】 はじめに 第一話 桃太郎――桃太郎はなぜ犬と猿と雉を連れていくのか 第二話 かちかち山――トリックスター、稲羽の素兎の末裔たち 第三話 花咲爺さん――お爺さんはなぜ犬の灰をまくのか 第四話 浦島太郎――分断された乙姫の玉手箱 昔ばなしの論理を読み解く(1) 第五話 鬼の子小綱――笑いと性の力が春を呼ぶ 第六話 三枚の護符――便所はあの世の出入り口 第七話 蛇婿入り――苧環はなぜ蛇を退治するのか 第八話 蛇女房――無欲と貪欲の報酬 昔ばなしの論理を読み解く(2) 第九話 産神問答――魂を掃き出す箒の力 第十話 ミソサザイは鳥の王――仁徳はいかにして聖帝になったか 第十一話 ホトトギスと兄弟――夜鳴く鳥の悲しい前世 第十二話 鉢かづき姫――顔を覆い隠す花嫁 第十三話 一寸法師――脱皮する少年たち おわりに
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-昔のおとなが背中で伝えた、生きるうえで大切なこと。 未来の同業者にみっともない仕事はできないという、職人の矜持。 般若心経を丸ごと暗記した五歳児のまなざしの先にあるもの。 大きな災害を前に口ごもるしかない、私たちの気持ち――。 生きることの機微をめぐる思考が、 日々の出会いやエピソード、遠い日の記憶から立ち上がる。 まなび、痛み、しあわせ、自由、弱さなど、 身近なことばを起点に広がってゆく哲学エッセイ。 【目次】 まえがき ―― 「これで死ねる」と言えるとき 1.伝えること/応えること 2.おとなの背中 3.人生はいつもちぐはぐ 4.ぐずぐずする権利 5.言葉についておもうこと 6.贈りあうこと 7.東日本大震災後 2011-12 ※本書は、小社より二〇一三年九月に刊行された単行本『おとなの背中』を改題し文庫化したものが底本です。
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4.0家康の家臣で一族でもある松平家忠は、戦国期の17年間にわたり、毎日の出来事や見聞きした情報を記録し続けた。「家忠日記」と呼ばれるこの日記には、家康の合戦に対する苦悩や、行動の詳細な変遷、家忠の豊臣政権による不条理な要求への愚痴、茶の湯・能の鑑賞・連歌に勤しむ日常生活など、当時の一武将の周辺が記録されている。日記をもとに先駆的な研究を手掛けた著者が、戦国の合戦や日常生活から、贈与やもてなしの実態までも明らかにする。 〈目次〉 序章 松平家忠と『家忠日記』 第一章 武田氏との戦い 第二章 秀吉との対決 第三章 家忠の日常生活 第四章 忍における日々 第五章 上代での日々と伏見普請 補論一 家忠の所領と兄弟 補論二 鵜殿氏・水野氏の動向と家忠 補論三 不動国行の刀と惣無事令
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4.0黒船来航直後、幕末の江戸を大地震が襲った。安政5年、これにコレラが追い打ちをかける。3日で死ぬといわれたコレラ。それを操るとされた悪狐を倒すため、強い霊力を持つ御神犬や御札を求め、さらには京から神社を勧請。無礼講の祝祭に走った。当時の人々がどのようにコレラと闘ったのか、東海の村に残る記録から再現。民衆の迷信と笑えない。新型コロナ騒動を彷彿とさせる、おかしくもたくましい庶民たちの姿を活写する。
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4.0神事相撲から現代までの栄枯盛衰、土俵や番付の起源や変遷、雷電・梅ヶ谷・陣幕ほか名力士たちの事績等、日本の「国技」の全てを明らかにする。江戸時代の番付になぜ「横綱」の記載がないのか。土俵はいつから円形になったのか。横綱土俵入りになぜ雲龍型と不知火型があるのか。行司家元の吉田家等が「創作」した故実や巷間流布した言説も鵜呑みにせず、史実や史跡を丁寧に再検証。著者50年に亘る相撲史研究の粋を集めた入門書。 1 歴 史 相撲の始まり/神事相撲/相撲節会/戦国時代の武家相撲/江戸時代の相撲/勧進相撲の禁止令/明治時代の相撲/大正・昭和時代の相撲 2 横綱 横綱の起源/明石志賀之助が相撲の始祖/“綱”は注連縄/横綱土俵入りの“型”について/手数入りとはなんぞや/なぜ雷電は横綱になれなかったか 3 家 元 吉田追風家とは何か/「相撲之御家」京都五條家/謎の式守五太夫/謎の南部四角土俵/土地相撲と大相撲/セミプロの巡業相撲 4 番 付 大相撲番付の変遷/年寄りの起源と変遷/二人の相生松五郎/関脇に落ちた横綱 5 土 俵 土俵はいつできたか/相撲絵画による実証 6 相撲と浮世絵 相撲の浮世絵/奇怪な錦絵の謎解/おかしなおかしな横綱 7 事件・騒動 越後国地蔵堂力士殺し/嘉永の紛擾事件/五大紛擾事件/次郎長相撲三国志 8 こぼれ話 古今珍名・奇名・シコ名くらべ/相撲と芝居/相撲を詠んだ和歌、狂歌 横綱風土記 解説 谷口公逸
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3.8新入生の5月病対策として設けられたという、大阪大学の人気講義。 実験(=調理実習)をもとに、生化学・解剖学など科学の話題から、知られざる食の文化の歴史まで、ときに小ネタも挟むユニークな授業が始まる! 「酸味を甘味に変える「味覚修飾物質」の仕組みとは?」「ホワイト・デーのホワイトは、あの商品に由来していた!」 文庫化にあたって、新章「お刺身の話」を追加。 【内容抜粋】 ●味の話 味の要素「原味」とは/「味の素」を発見した池田菊苗博士の執念/味覚に個人差はあるか/生物学と日常用語の「味覚」の違い/酸味を甘味に変える「味覚修飾物質」とは ●色の話 青い食材はめったにない/ウスベニアオイのハーブティーにレモンを入れると……/モーツァルトのイカ墨で書いた楽譜/青いバラの誕生譚 ●香りの話 嗅覚とは何か/日本人の三大発明/イヌの嗅覚、ゾウの嗅覚/消臭剤には大きく2種類ある/加齢臭の正体/フェロモンとは何か ●温度の話 料理の適温/熱の移動と蒸発熱/天かす火事はこわい/冷たいカレーは魚か野菜に限る ●お刺身の話 刺身通のための解剖学/魚臭の原因は何か/刺身に向かない魚、できない魚/刺身と醤油の生理学/板さんの包丁技/やくみのやくめ ●食器の話 生態学の「ニッチ」とは何か/牛丼の歴史/かつ丼が先かとんかつが先か/食器の世界史/美味しい玉子丼の作り方 ●宴会料理の話 クリスマスにはなぜチキンか、ケーキか/フライドチキン解剖学/恐竜現存説/年越しそばとおせち/エビはなぜ赤いか ●季節の食品の話 豆まき/メンデルの法則/修道士メンデルの野望と挫折/血液型性格判断の「根拠」/欧米人にホワイト・デーは通じない
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-何気ない身振りやしぐさにも、文化に根差した意味があるはず。 外国人にとってはいまだにやはり奇妙な動作にみえるという「おじぎ」。この「おじぎ」はどんな文化の脈絡ではじまり、いつどんな変容をとげてきたのか。「三三九度」をはじめ、日本人のしぐさに根付いている習俗儀礼や日本文化について、民俗学的な解明を行ってきた著者による、目からウロコの「おじぎ」文化発見。 たとえば、時代劇の大名行列では「下に、下に」の掛け声とともに庶民は道端に額をつけて土下座して控えるシーンがみられるが、このような伏す姿は実際にはありえず、片膝をつき頭を下げる片膝礼であった。こんな誤解はいったいどこから来たのか。 「型の日本文化」の代表例である、歌舞伎・相撲・柔道・茶道などで伝承される「おじぎ」の典型は座礼。この座礼の大元は真言密教の三礼(平伏・揖・釈)からきているとされ、神道儀礼の三礼(神前礼)も密教から派生したといわれ、のちの武家の礼法につながるが、では、いつ、どんな経緯でこのような礼法になったのか。 そのことを、古くは絵巻物や絵解きの絵画史料、近世では幕府の公的な礼法の記録、近代ではモース、シーボルトの記録や修身・しつけなどの学校教育、軍隊の礼法などから解明。そのなかから、「おじぎ」は人間関係という制度系だけではなく、じつは着物や建物などの装置系、とりわけ畳の普及とのかかわりがターニングポイントであったと解く。 たんなる挨拶や会釈ばかりではなく、「おじぎ」に込められた、日本文化との深い関係を鮮やかに読み解く。 ●本書は今は亡き司馬遼太郎が、著者に執筆のテーマとして「おじぎ」を書くことを強くすすめたことが端緒になっている。
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4.5コーヒーの木の発見から、飲用の歴史、コーヒー・ハウスの賑わい、世界の産地事情、器具の進化、抽出・焙煎技術の変遷に至るまで「コーヒー」が辿った道のりのすべてがここにある。 1935年にアメリカで出版された、『All About Coffee』は世界中の愛飲家、業界人のみならずマニアの数を爆発的に増やした。当時はあまりにも高価で大部な高嶺の本だったが、このほど、その複雑多岐な内容を現代の需要に即して分かりやすく再構成。「伝説の珈琲バイブル」を本邦初の文庫化!コーヒー好き必読の書。
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3.7電車、銀座の街頭、デパートの食堂、花鳥草木など、生けるものの世界に俳諧を見出し、人生を見出して、科学と調和させた独自の随筆集。「春六題」「蓑蟲と蜘蛛」「疑問と空想」「凍雨と雨氷」他39篇収録。
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-25人のパーティで同じ誕生日の2人が出会うのは偶然? それとも必然? 不確実な現実を論理の力で数値化する確率論。難しそうにみえても、まずは起こりうる可能性をすべて書き出すこと。そして記号や法則の力で一般論を導けば、さまざまなことに応用できる。ガリレオが賭博師と交わした議論から、期待値、ドゥ・モルガンの法則、パスカルの三角形といった数学の基本へ。世界的な数学者が、身近な実例を挙げてやさしく誘う。 【目次】 第1章 いろいろの例 1 貨幣を一個投げる場合 2 貨幣を二個投げる場合 3 貨幣を三個投げる場合 4 サイを一個投げる場合 5 サイを二個投げる場合 6 九半一二丁 7 ガリレイとサイの問題 第2章 可能性の集合 1 一つの原理 2 並べ方の集合 3 選び方の集合 第3章 場合の数の数え方 1 場合の数の数え方の原理 2 並べ方の数の数え方 3 選び方の数の数え方 4 クイズへの応用 第4章 文章とその真理集合 1 真理集合 2 「pまたはq」という文章の真理集合 3 「pおよびq」という文章の真理集合 4 「pでない」という文章の真理集合 5 集合の要素の数 6 論理の記号と集合の記号 7 ドゥ・モルガンの法則 第5章 確率の定義と性質 1 確率の定義 2 確率の性質 3 応用問題 4 条件確率 第6章 有名な例 1 パスカルと賭け 2 酋長のトリック 3 クジ引きの順番 4 一つの意外な例 第7章 大数の法則 1 一つの貨幣を何回か投げる場合 2 ( n, r )という記号 3 パスカルの三角形 4 独立試行過程 5 大数の法則
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3.0第一章 カクレキリシタンとは何か 1 カクレキリシタン研究の足跡 2 「潜伏キリシタン」と「カクレキリシタン」 3 「隠れキリシタン」か「カクレキリシタン」か 4 カクレキリシタンに対するイメージの転換 5 潜伏時代とキリシタン崩れ 6 キリシタンの復活とカクレキリシタンの出現 第二章 カクレキリシタンの分布 1 潜伏キリシタンの分布 2 現在のカクレキリシタンの分布 第三章 生月島のカクレキリシタン 1 生月キリシタンの歴史 2 生月のカクレキリシタン組織 3 生月のオラショオラショの意義 4 生月のカクレキリシタン行事 5 生月カクレキリシタンの神観念 第四章 平戸島のカクレキリシタン 1 平戸キリシタンの歴史 2 平戸カクレキリシタンの分布 3 根獅子のカクレキリシタン 4 飯良のカクレキリシタン 5 草積のカクレキリシタン 6 下中野のカクレキリシタン 7 春日のカクレキリシタン 8 獅子のカクレキリシタン 9 油水・中の原・大久保・中の崎のカクレキリシタン 10 霊山安満岳 第五章 五島のカクレキリシタン 1 外海潜伏キリシタンの五島移住 2 若松町築地・横瀬のカクレキリシタン 3 若松島有福のカクレキリシタン 4 奈留島のカクレキリシタン 5 福江島宮原のカクレキリシタン 6 福江島のその他のカクレキリシタン 第六章 長崎のカクレキリシタン 1 家野町のカクレキリシタン 2 岳路のカクレキリシタン 第七章 外海のカクレキリシタン 1 外海キリシタンの歴史 2 出津のカクレキリシタン 3 黒崎のカクレキリシタン 第八章 カクレキリシタンの解散とその未来 解散後の神様の取り扱い ほか
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4.3暗い、汚い、かび臭い――陰気なイメージのカビが、美食界では大ブーム! レストランで著者が見たものとは…。 ほかスマホや文化財に生えるカビなど、意外な一面に驚きつつ、かしこい付き合い方がわかる! 本書は2020年に弊社より刊行された書籍の文庫化です。 文庫化にあたり、カビをどう防ぐのかについての章を設け、実用的にも充実した内容となりました。 (章立て)第一章 食べるカビが大ブーム 第二章 カビの正体 第三章 思わぬところに生えるカビ 第四章 冷蔵庫・エアコン・洗濯機──家電のカビの今昔 第五章 カビ対策 一に乾燥、二に乾燥 第六章 石灰岩帯と山火事の後 第七章 カビは体にどのくらい悪いのか 第八章 ヒトとカビの闘い
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3.7納豆、熟鮓、ホンオ・フェ、キビヤック、シュール・ストレンミング……この世界には、強烈なにおいを放つ食べ物がある。未知なる発酵食品を求めて東奔西走する著者が、失神寸前になりながらも、かぶりつく! 発酵学の第一人者・小泉武夫が「くさいはうまい」をテーマに語るエッセイ集。味・におい・文化の魅力たっぷりの発酵ワールドへ読者を誘う。 第1章では、今注目を集める甘酒など、身近な発酵食品を、科学と歴史の両面から迫る。 第2章「くさいはうまい」は、著者が世界各地で体験してきた、くさいにまつわる強烈なエピソードを紹介。 さらに、ノンフィクション作家・高野秀行氏との「くさい」食べ物対談を新たに収録する。 (目次・抜粋) 滋養たっぷり物語…甘酒/味噌/パン/キムチ/発酵豆腐/くさや/納豆/チーズ/ヨーグルト くさいはうまい…臭い肉、臭い酒/臭い鳥/大根と沢庵/山羊と羊/激烈臭発酵食品/臭い魚 高野秀行氏との対談…対談は西アフリカの納豆から始まる/世界一臭い納豆の登場/南米のカエルを飲み干す/強烈なにおいの熟鮓コンテスト/なぜ二人は発酵を追い求めるのか など
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-「宇野は、マルクス経済学とマルクス主義経済学を区別した。マルクス主義経済学は、資本主義から社会主義への転換は必然であるとする、唯物史観というイデオロギーによって革命に資する経済学を構築する試みだ。これに対してマルクス経済学は、アダム・スミス、デービッド・リカードら、古典派経済学を批判的に継承したカール・マルクスが、『資本論』で展開した理論を基礎にして資本主義の内在的論理をとらえる体系知(Wissenschaft、科学)である、というのが宇野の主張だ。」 ――佐藤優氏(解説より) 日本の代表的マルクス経済学者宇野弘蔵。 宇野はマルクスの『資本論』を批判的に読み込み、その理論とイデオロギーを分離した。 その上で経済学の研究を原理論、段階論、現状分析の3段階に分けて独自の経済学を構築し、その理論は大きな影響を与えた(宇野学派)。 宇野弘蔵が宇野派を代表する研究者と共に、大学の教養課程における経済学の入門書としてまとめたのが本書である。 数多の経済学徒を導いたロングセラーを復刊! ※本書は1956年3月(上巻)、4月(下巻)に角川全書から刊行された作品を復刊し、図表を再作成し、解説を加えたものです。
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4.5江戸の志士や明治の文豪たちを魅了した芸者。そもそも彼女たちは何者なのか。いつどのように誕生し、日本文化にどんな影響を与えてきたのか。芸と色といなせな会話。男と女の「粋」と「意気」――そこには、日本固有のサロン文化と、今や失われつつある日本の美の本質があった。花柳界の栄枯盛衰、名妓や遊び等の具体的なエピソードを辿りつつ、芸者の文化と歴史から、日本独特の「人間関係の洗練」を浮き彫りにする傑作。 はしがき 「芸者の時代」 序 芸者とはそもそも何者か 第一部 江戸の芸者とその歴史 踊り子から芸者へ 深川芸者の発生と実像 色を売ること売らないこと 幕末の芸者たち 第二部 明治の芸者 その栄華と終焉 祗園と柳橋 雑魚寝のこと 名妓たち 水揚げのこと 芸者遊びとは何か 日本的サロン文化 エピローグ「のんびり」の世界 あとがきに代えて 芸者のかたち 文庫版あとがき
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5.0まだ西洋というものが遠い存在だった明治期、将来、日本の学問や文学を背負って立つ学生たちに深い感銘と新鮮な驚きを与えた、最終講義を含む名講義16篇。生き生きと、懇切丁寧に、しかも異邦の学生たちの想像力に訴えかけるように、文学の価値とおもしろさを説いて聴かせる。ハーン文学を貫く、内なるghostlyな世界観を披歴しながら、魂の交感ともいうべき、一期一会的な緊張感に包まれた奇跡のレクチャー・ライブ。
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3.0教師として日本各地を訪れた小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)は、庶民生活の中にある「単純、善良、素朴さ」を愛す一方、西洋化を推し進める「新日本」に幻滅する。彼が見つめ、追い求めたものとは何か。横浜上陸から松江・熊本・神戸そして東京で亡くなるまで――八雲文学研究と邦訳の第一人者が、作品・書簡・講義録等から、十四年間の足跡と心の軌跡を辿る。いま、私たちが見直すべき日本文化を再発見するための八雲案内。 はじめに――失われゆく日本の心を見つめて 第一章 小泉八雲はなぜ日本にやって来たのか――漂泊・幽霊・ユートピア 1 激情家・小泉八雲の生涯をたどる 2 日本という永遠のヴィジョン 3 八雲の松江 松江の八雲 4 二つの日本ござ松江から熊本へ 5 なぜ熊本を去ったのか 第二章 教育者としての小泉八雲――想像力・共感・非個性 1 教育への情熱 2 教育における想像力とは何か 3 語り部のかたりなす文学講義 4 〈ゴーストリィー〉なものの響き合い――『怪談』と『講義録』の関連性 第三章 小泉八雲が私たちに語りかけてくるもの――死者と生者の共同体 1 原風景をたどるござ自伝的断篇が伝える霊的世界 2 夢の小宇宙としての再話文学 3 〈永遠に女性的なるもの〉をめぐって 4 妖精たちの棲むところ 小泉八雲略年譜 参考文献(参照した八雲関係の著作) あとがき――真・善・美へと向かう歩み
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4.5季節のことばとは、私たちの住むこの風土を認識することば。たとえば「春一番」「青葉潮」「やませ」――季節感だけではなく、喜怒哀楽に満ちた生活の知恵をも感じさせる。古来より世々の歌よみたちが思想や想像力をこめて育んできたそれらの「季の詞(ことば)」を、歳時記編纂の第一人者が名句や名歌とともに鑑賞。生活習慣や気候が変化する現代においてなお、感じることのできる懐かしさや美しさが隅々まで息づいている。 解説・宇多喜代子 (目次) 【春】 春 その一/春 その二/立春/春めく/水温む/春一番/フェーン/東風/霞/末黒の薄/若草/たんぽぽ/黄色い花/夜の梅/椿/桜鯛/魚鳥の季節/春暁・春昼/日永/麗か・長閑/春の蝶/蛙のめかり時/囀/雨の名風の名/花曇/花 その一/花 その二/花 その三/春の暮/三月尽 【夏】 新緑/深山霧島/山時鳥 その一/山時鳥 その二/青葉潮/筍流し/卯の花腐し/雨の文学/薫風/あいの風/やませ/南風/雲の峰/風知草/落し文/麦秋/万緑/底幽霊/泳ぎ/河童/鵜飼/涼し/花火/真夏日/赤富士/夜の秋 【秋】 踊/月/雁/秋がわき/野分/青北風/虫/虫のいろいろ/ごりと鰍/鶉/鵙の草ぐき/うらなり/蔓たぐり/物のあはれ/身に入む/馬・鹿 その他/鹿・猪/猿の親子/高西風/紅葉/秋の暮 【冬(附・新年)】 時雨/狸と貉/虎落笛/冬籠/息白し/雪/味の讃歌/討入りの日/去年今年/初春/雑煮/富士への讃歌/探梅/厄払い 歳時記について 解説『ことばの歳時記』のこと 宇多喜代子
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4.5歴史、社会、政治、習俗などあらゆる観点から分析する、日本人論の教科書ともいえる名著。外国人としての客観的視点と、研究者としての知識を備えた深い洞察は、現代日本の問題を驚くほど示唆している――。
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4.7水の音と共に闇の中で目覚めた死者、滋賀津彦(大津皇子)。 一方、藤原南家豊成の娘・郎女は写経中のある日、二上山に見た俤に誘われ女人禁制の万法蔵院に足を踏み入れる。 罪を贖う間、山に葬られた滋賀津彦と彼が恋う耳面刀自の物語を聞かされた郎女の元に、「つた つた つた」滋賀津彦の亡霊が訪れ――。 ふたつの魂の神秘的な交感を描く、折口の代表的小説。 折口信夫の弟子で折口学の研究者として著名な故・池田弥三郎氏による詳細な補注、さらには作品執筆のきっかけとなった『山越阿弥陀図』および『當麻曼陀羅』をカラー口絵に収録。『死者の書』の決定版。
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5.0当代一流の国際人であり教養人だった新渡戸稲造が、未来の日本を担う青年達に向けて記した実践的人生論。 自らの経験と深い思想にもとづき、人として生きるうえでの礼節や心構えはもとより、「不向きな職業を選びて失敗した実例」「打ち明けて頼めば反対者も同情する」「名誉を毀損された時の覚悟」「新刊書はいかにして読むか」など、日常のなかでの必要な事例をふまえた啓蒙的内容に富んでいる。 百年読み継がれてなお、現代日本人に多くの示唆をあたえる不朽の名著、待望の新訳決定版! 解説/斎藤兆史 序 総説 第一章 青年の特性 第二章 青年の立志 第三章 職業の選択 第四章 決心の継続 第五章 勇気の修養 第六章 克己の工夫 第七章 名誉に対する心がけ 第八章 貯蓄 第九章 余が実験せる読書法 第十章 逆境にある時の心得 第十一章 順境にある時の心得 第十二章 世渡りの標準 第十三章 道 第十四章 黙思 第十五章 暑中の修養 第十六章 暑中休暇後の修養 第十七章 迎年の準備
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-日本語の微妙なニュアンスを、図を交えながら解説する『基礎日本語辞典』から、「さっそく」「ひとまず」など、時に関する語を集める。外国語を学ぶとき、誰もが迷う時制の問題をわかりやすく解説! 【とりあげた言葉】 とき、あくる、あたらしい、あらかじめ、いきなり、いずれ、いぜん、いそぐ、いちおう、いつか、いま、いまさら、いまだに、いよいよ、おそい、おもむろに、かれこれ、~ごろ、さしあたり、さっき、さっそく、しばらく、~すぎ、すぐる、すごす、すむ、そろそろ、~た、~だす、たまたま、~ちゅう、ついに、とたん、とりあえず、なかなか、にわか、のばす、はじまる、はやく、ひ、ひごろ、ぴったり、ひとまず、ふるい、まい~、まもなく、もう、やがて、わかい
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4.0「酒は純米、燗ならなお良し」――酒造技術指導の第一人者が、日本酒が醸されてゆく過程を丹念に紹介。経験と理論に裏打ちされた真剣勝負の世界と、固有の文化である日本酒の未来像を語る。『いざ、純米酒』を改題。
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3.8土器に納められた生後間もない赤ちゃんの遺体。妊娠線が刻まれた臨月の女性土偶。抱きあって合葬された親子の墓。顔にイヌを乗せて埋葬された女性――。縄文の墓や遺物は、精一杯の生を送り、ときに病魔や死の恐怖と闘った何千年も昔の人びとの姿を雄弁に物語る。そしてその背後に広がる、自然や母胎への回帰、再生をめぐる死生観とは? スピリチュアルブームや散骨葬など、現代日本人の死のあり方をも照らし返す、墓の考古学。 *『生と死の考古学 縄文時代の死生観』を改題し文庫化したものです。 【目次】 まえがき──墓を研究するということ プロローグ──発掘調査の現場から 第一章 縄文時代の墓とその分析 第二章 土中から現れた人生──ある女性の一生 第三章 病魔との戦い──縄文時代の医療 第四章 縄文時代の子供たち──死から生を考える 第五章 縄文の思想──原始の死生観 エピローグ 文庫版あとがき
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3.9如何に生きるか?生きるとは何か?愛と死、幸福と嫉妬、瞑想と懐疑、孤独と感傷、虚栄と名誉心、利己主義と偽善、旅と個性…、透徹した真摯な眼差しで人生の諸相を思索する。 近代と現代の狭間で人生の処し方・生きざま・死生観が問われた時代に書かれた、今なお読み継がれる畢生の論文集。 『人生論ノート』/死について/幸福について/懐疑について/習慣について/虚栄について/名誉心について/怒りについて/人間の条件について/孤独について/嫉妬について/成功について/瞑想について/噂について/利己主義について/健康について/秩序について/感傷について/仮説について/偽善について/娯楽について/希望について/旅について/個性について/後記 ほか、『語られざる哲学』、自分の娘へ当てた書簡『幼き者の為に』所収。 解説/岸見一郎
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-優れた文学でもある聖書。 そこには、超絶的な神だけでなく王も奴隷も、 聖人も罪人も、あらゆる人間の生き様が刻みこまれている。 天地と悪の初源を明かす創世記から、 イスラエルの民の歴史、救い主イエスの生涯、 そして世界の終末を告げる黙示録まで。 そのすべてを、人間が息づく百の物語として芥川賞作家が紡ぎ出す。 数々の名場面、悠久のドラマがよみがえり、 豊富な図版とともに新旧約聖書を読み通すことができる決定版。 【目次】 はじめに ■旧約聖書編 1 初源の詩・愛の創まりと悪の発現 2 族長たちの時代 3 指導者モーセ 4 約束の地カナンへ 5 イスラエルの黄金時代 6 南北朝時代と預言者たち 7 バビロン捕囚からローマ支配まで 8 イスラエルの智と美 ■新約聖書編 9 イエスの生涯 10 再臨に向けて おわり ※本書は、二〇〇〇年十月に刊行された『ビジュアル版 聖書物語』(講談社刊)に加筆・修正し文庫化したものが底本です。
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-発達障害、うつ病、統合失調症――人はなぜ「こころの病」に陥るのか。疾患にはどんな種類があり、医療現場はいかなる課題に直面しているのか。客観的診断の難しさ、治癒可能な疾患までを「障害」と呼ぶ弊害、科学的根拠のない投薬への批判、精神鑑定の危うさなどを、数々の症例とともに紹介。冷静な学問的見地から、精神医学の「未熟さ」に警鐘を鳴らしつつ、多くの無知や誤解がつきまとう世界を基礎から解説する入門書。 第一章 精神医学と精神症状 精神医学の特色/客観的評価の難しさ/臓器としての脳 ほか 第二章 精神疾患の分類 精神医学の悪用/障害年金と不正受給/障害という誤解 ほか 第三章 精神科における診断基準 精神疾患の国際分類/ICD-10の特徴/DSM-5のカテゴリー ほか 第四章 精神医学の歴史 精神医療と収容/魔女裁判/フロイトの帝国/向精神薬とDSM ほか 第五章 統合失調症 幻覚と妄想/精神科に入院/統合失調症の類型 ほか 第六章 躁うつ病とうつ病 躁うつ病とは何か躁うつ病の分類/うつ病と薬物療法 ほか 第七章 発達障害 自閉症/言葉が遅い子/アスペルガー障害 ほか 第八章 精神疾患と犯罪 責任能力/殺人事件/恐怖か殺意か/「措置入院」の弊害 ほか 第九章 精神科とクスリ 向精神薬/薬の副作用/抗精神病薬/幻覚妄想状態 ほか 第十章 精神科と医療費 医療費の問題/医療崩壊/保険診療 ほか ※本書は、二〇一〇年八月に小社より刊行した『やさしい精神医学入門』(角川選書)を加筆修正のうえ改題し、文庫化したものが底本です。本書は2018年5月18日まで『やさしい精神医学入門』(角川選書)と併売しております。
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5.0
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-時を超え、世界中で読み継がれる文学の古典は、21世紀を生きる私たちにとってなお身近な感覚や切実な問いを突きつけている。 『ドン・キホーテ』『罪と罰』『ボヴァリー夫人』『失われた時を求めて』などの大作から、チェーホフやカフカ、メルヴィルの短篇まで、フィクションを読む技法と愉しみを知りつくした4人が徹底解説。 放送大学でロングラン9年の大人気講義に原典の名訳・新訳を交えて再構成した、海外文学案内の決定版。 ※本書には、紙版の第16章に収録されている下記3作品の抜粋は、版権上の理由により収録されておりません。 イタロ・カルヴィーノ『魔法の庭』 (和田忠彦訳) イタロ・カルヴィーノ『楽しみはつづかない』 (和田忠彦訳) イタロ・カルヴィーノ『ある夫婦の冒険』 (和田忠彦訳)
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3.5
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3.0長大かつ不可思議な記述や繰り返しが多い法華経が、初心者から読めてよくわかる! 口語訳や原典訳だけではつかみきれない、日本の仏教文化が依拠してきた漢訳経典のもつ霊的なイメージ、祭儀で唱えられる言葉の響きや意味を重視しつつ圧縮して現代語訳。読解を助ける見出しとともに、解説コラムや事典も充実。和歌や物語等にも数多く現れ、日本の歴史文化に深く浸透する法華三部経全十巻を理解し、体感し、読み通すための決定版。 はじめに 法華経をどう読むか 法華経のプロローグ[開経]無量義経 第一部 山上の集会 第二部 天空の集会 第三部 地上の集会 法華経のエピローグ[結経]観普賢菩薩行法経 法華経の小事典 ※本書は、二〇〇一年三月に株式会社学習研究社から発行された『[図説]法華経大全』を大幅に加筆修正し、改題のうえ文庫化したものが底本です。
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1.0なぜ、日本は堕ちていったのか? 『永続敗戦論』『国体論』の著者が、平成の転換点をあぶり出す。 100頁以上の新章をはじめ、新たな論考を多数収録した増補決定版! なぜ、日本は堕ちていったのか? 昭和に続き、「平成」が終わる。 この間、戦後政治は“冷戦後”の世界に対峙せず、戦後レジーム=永続敗戦レジームの変更ではなく強化、 さらには現実からの逃走に耽り、そして砂上の楼閣と化した。 国民益はもとより国益とも無縁な政治が横行することとなった平成。 その転換点はいつ、どこにあったのかを気鋭の政治学者があぶり出す論考集。 100頁以上の新たな論考を収録した増補決定版!
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4.5
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-大きな災害やコロナ・パンデミックを経て、あらためて仏典の智慧が注目されている。仏教学・思想史の第一人者による案内と、親しみやすい訳で読み解く。 ブッダの死後残された人々が、その死を乗り越えようとしたことに、仏教の誕生を見出す。死者すなわち他者と向き合うことを仏教の本質と捉え、親しみやすい訳で、インド・中国の仏典を読み解く。そして日本に伝わった仏教では、土着化と原点回帰の2つの動きがせめぎ合う中、独特のダイナミズムが生まれた。世界の中でも異色とされる、日本仏教について考える。 増補「仏典をよむ視座」を収録し、直近10年間の新たな研究成果を加えた。 解説・中島隆博 ■目次■ はじめに 第一部 死からはじまる仏教 第一章 大いなる死――『遊行経』 第二章 死と生の協奏――『無量寿経』 第三章 他者と関わり続ける――『法華経』 第四章 否定のパワー――『般若心経』 第五章 心の中の地獄と仏――智ギ『摩訶止観』 第六章 禅の中の他者と死者――圜悟『碧巌録』 第二部 日本化する仏教 第七章 現世を超えた秩序――景戒『日本霊異記』 第八章 仏教は俗世に何をなしうるか――最澄『山家学生式』 第九章 この身のままに仏となる――空海『即身成仏義』 第十章 贈与する他者――親鸞『教行信証』 第十一章 脱構築から再構築へ――道元『正法眼蔵』 第十二章 宗教国家は可能か――日蓮『立正安国論』 第十三章 異教から見た仏教――ハビアン『妙貞問答』 むすび 増補 仏典をよむ視座 一 仏典とは何か 二 菩薩と他者・死者 三 日本仏教の展開と菩薩の精神 文献ガイド あとがき 解説 中島隆博
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3.5
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-「こういう生き方もあったという事を、老人はもう一度思出し、青年ははじめて知ってもらいたい」――福田恆存(本書「序」より) 大阪に平田ありと言われた名工、平田雅哉。吉兆、つるや旅館、大観荘、朝香宮邸茶席など手がけた名建築は数知れず。「建築は風呂敷には包まれん。出来上がりが気に入らんからと言って、引っさげて持って帰るわけにはいかん」が口ぐせで、腕の良さもあくの強さも天下一品。己の経験と勘のみ信じる職人魂と波瀾の人生は、福田恆存や今東光らをも魅了した。 森繁久弥主演で映画化された大棟梁の心得帖、初の文庫化! 序文・福田恆存 解説・塩野米松
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3.0
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3.7「来るべき『世界文化』なるものに対して、われら東洋民族の一員として、それは大いに貢献すべきものをもっておる」--。 アメリカ、イギリスの諸大学で教鞭を執り、直に西洋思想にふれた大拙だからこそ看破できた東洋思想の優れた特性。曰く「世界の至宝」が、二分性の上に成り立つ西洋思想の不備を補い、互いに補完し合うことで、真の世界思想を可能にする。 帰国後に執筆され、大拙自ら「近来自分が到着した思想を代表するもの」という論文十四編すべてを掲載。大拙の思想を最もよく表す最晩年のエッセイ集。 解説・中村元/安藤礼二 【もくじ】 序 東洋思想の不二性 東洋「哲学」について 現代世界と禅の精神 東洋学者の使命 自由・空・只今 このままということ 東洋雑感 「妙」について 人間本来の自由と創造性をのばそう 荘子の一節--機械化と創造性との対立への一つの示唆-- 東洋的なるもの--幽玄な民族の心理-- 東洋文化の根底にあるもの 近ごろの考え一項 日本人の心 アメリカにおける鈴木大拙博士 --『東洋的な見方』の解説にかえて 中村元 最後の大拙 --『東洋的な見方』文庫版解説 安藤礼二
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-命の大切さ、チャレンジ精神、品格や人への心遣い等を、物語や童話を通して心に語りかけるように教える『童蒙をしへ草』。福澤自身が息子二人のために、家庭から学ぶべき約束事や常識を、毎日半紙一枚ずつ各々へ書き付けた「ひゞのをしへ」。人として大切な基本の態度や考え方を諭し、少年少女たちの自立精神を育む名著を、小学生から読めるよう現代語訳。丁寧な解説とともに、人間教育の原点を照らす決定版。 ●童蒙おしえ草 巻の一 第一章 生き物を大切に 第二章 家族を大切に 第三章 いろいろな人との交流 第四章 働くこと 第五章 自分のことは自分でする 第六章 あわてないこと ●童蒙おしえ草 巻の二 第七章 自分で考え自分で判断し実行すること 第八章 威張ったり、うぬぼれたりしないこと 第九章 礼儀のこと 第十章 飲食のこと 第十一章 健康なこと 第十二章 自ら満足すること 第十三章 お金を無駄に使わない ●童蒙おしえ草 巻の三 第十四章 思いやりのある心 第十五章 怒ったり、我慢したりすること 第十六章 穏やかなこと 第十七章 自分の物と他人の物 第十八章 他人の名誉 ほか全二十九章 ●ひびのおしえ 一編 おさだめ(七つの大切なこと)/本を読む/ひどいことをしない 他 ●ひびのおしえ二編 天道さまのおきて/学問をすべし/日本の時と西洋の時 他
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4.5
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