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土器に納められた生後間もない赤ちゃんの遺体。妊娠線が刻まれた臨月の女性土偶。抱きあって合葬された親子の墓。顔にイヌを乗せて埋葬された女性――。縄文の墓や遺物は、精一杯の生を送り、ときに病魔や死の恐怖と闘った何千年も昔の人びとの姿を雄弁に物語る。そしてその背後に広がる、自然や母胎への回帰、再生をめぐる死生観とは? スピリチュアルブームや散骨葬など、現代日本人の死のあり方をも照らし返す、墓の考古学。
*『生と死の考古学 縄文時代の死生観』を改題し文庫化したものです。
【目次】
まえがき──墓を研究するということ
プロローグ──発掘調査の現場から
第一章 縄文時代の墓とその分析
第二章 土中から現れた人生──ある女性の一生
第三章 病魔との戦い──縄文時代の医療
第四章 縄文時代の子供たち──死から生を考える
第五章 縄文の思想──原始の死生観
エピローグ
文庫版あとがき
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Posted by ブクログ
屈折葬が多い
生活と近い場所に墓がある→弥生になると生活と離れた場所
妊婦は特別な埋葬 イヌと一緒に埋められる
赤い顔料散布(東北晩期の墓) 赤ちゃんは土器に入れ近くに埋葬→妊産婦の死亡という非常事態に呪術的に対応?
装身具は病気を治すための呪具?
イノシシの首輪(他に例なし)した女性→首に疾患があった形跡
37週以前の子供→土葬
38週以後の子供→土器棺墓
38週以後は母体から出ても少し生きられるため、出産後産声を上げたのちに亡くなった場合に土器棺墓で再生を願ったのでは?
大人と子供の合葬例
同時に亡くなったものと考えられる
乳児期以前の子供と大人の合葬例は大人が女性しかない(子育て中?)
その後は男性と子供→狩り中の事故?
女性と子供→採集中の事故?
男性2人と子供、女性2人と子供の埋葬例など
あとがきではシリアの埋葬事例を挙げていて、常に疑いながら進める研究者の姿勢に敬服しました。
Posted by ブクログ
著者が講演を行うと必ず聞かれるといわれる、祟られますか?という質問。非常に興味深いと思った。日本人は宗教は熱心に信仰していないが、幽霊とか祟りの存在は信じるのか。なんだか不思議。
ともあれ、縄文時代のお墓の説明が主なトピックだった。ミトコンドリアDNAというのはForensic Science 系の番組でよく出てくるので知っていたが、これを使用して埋葬されていた死者達の関係性を紐解いていくというのは目からうろこでびっくりした。
たった小さな事実から解き明かされる文化や時代背景、ヒエラルキー構造を知れるというのは楽しいしワクワクする。この時代の人々が、どれだけ宗教や病気が彼らの生活を支配していたか、どれだけ死が彼らにとって身近だったかがよくわかる。もっと予算があれば、沢山のリサーチができていろんなことが解明されるかもしれないとわかるともったいない気がする。
Posted by ブクログ
縄文時代の土壙や人骨の調査方法から、仮説を踏まえた死生観まで。調査パートは無味な土壙名、いろいろな学説がとっ散らかって、けっこう難読だった。翻って仮説パートは簡潔で読みやすい。死生観を要約すると、生まれてすぐに亡くなった子供は母体回帰を意味する壺に入れて埋葬されており、縄文時代には生命は循環するという考え方があった。家の中での埋葬もあり、死は身近なものであった、という感じ。
死人に口なしとは言ったもので、この説も仮説の域を出ない。現代人が考えた説だけあって、そんな考え方もあるのか!と驚くようなことは特にない。
以下考えたこと:手話ができるゴリラは、死んだら無しかない、というようなことを言ったそうだ。科学を学んだ現代人としてもその考えが正しいように思う。それなら、縄文からここ最近まで、輪廻転成だとか天国地獄だとか言ってきた歴史は何だったのだろうか。心の底ではなんとなく違うことがわかっていても、集団の心の安定のために、そういう説を流布し続ける存在が必要だったということなのか?
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