【感想・ネタバレ】縄文人の死生観のレビュー

\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

Posted by ブクログ

縄文人の骨と、その埋葬状況から、当時の死生観を探る。一度埋めた遺体を掘り返して別の場所に埋葬しなおしたり、まじないを施していたり。合葬されていたり、そこに宗教施設が建てられたと推測できたり。文字に残らない縄文時代に日本列島で生活していた、ご先祖さんたちの物語が浮かび上がってきて、非常に興味深かった。固めな本かと思いきや、わりとスイスイ読めた。

0
2021年07月03日

Posted by ブクログ

著者が講演を行うと必ず聞かれるといわれる、祟られますか?という質問。非常に興味深いと思った。日本人は宗教は熱心に信仰していないが、幽霊とか祟りの存在は信じるのか。なんだか不思議。
ともあれ、縄文時代のお墓の説明が主なトピックだった。ミトコンドリアDNAというのはForensic Science 系の番組でよく出てくるので知っていたが、これを使用して埋葬されていた死者達の関係性を紐解いていくというのは目からうろこでびっくりした。
たった小さな事実から解き明かされる文化や時代背景、ヒエラルキー構造を知れるというのは楽しいしワクワクする。この時代の人々が、どれだけ宗教や病気が彼らの生活を支配していたか、どれだけ死が彼らにとって身近だったかがよくわかる。もっと予算があれば、沢山のリサーチができていろんなことが解明されるかもしれないとわかるともったいない気がする。

0
2020年09月15日

Posted by ブクログ

・死んだ後で自然に回帰し、また再生する生命の循環思想、再生観念
・自らがどのような先祖と繋がっているのか意識する出自系譜の認識、先祖崇拝
縄文後期になると次第に後者の思想が顕著になってくるらしい。
勉強になった。

0
2021年02月13日

Posted by ブクログ

縄文時代の土壙や人骨の調査方法から、仮説を踏まえた死生観まで。調査パートは無味な土壙名、いろいろな学説がとっ散らかって、けっこう難読だった。翻って仮説パートは簡潔で読みやすい。死生観を要約すると、生まれてすぐに亡くなった子供は母体回帰を意味する壺に入れて埋葬されており、縄文時代には生命は循環するという考え方があった。家の中での埋葬もあり、死は身近なものであった、という感じ。
死人に口なしとは言ったもので、この説も仮説の域を出ない。現代人が考えた説だけあって、そんな考え方もあるのか!と驚くようなことは特にない。

以下考えたこと:手話ができるゴリラは、死んだら無しかない、というようなことを言ったそうだ。科学を学んだ現代人としてもその考えが正しいように思う。それなら、縄文からここ最近まで、輪廻転成だとか天国地獄だとか言ってきた歴史は何だったのだろうか。心の底ではなんとなく違うことがわかっていても、集団の心の安定のために、そういう説を流布し続ける存在が必要だったということなのか?

0
2018年07月17日

「歴史・時代」ランキング