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「来るべき『世界文化』なるものに対して、われら東洋民族の一員として、それは大いに貢献すべきものをもっておる」--。
アメリカ、イギリスの諸大学で教鞭を執り、直に西洋思想にふれた大拙だからこそ看破できた東洋思想の優れた特性。曰く「世界の至宝」が、二分性の上に成り立つ西洋思想の不備を補い、互いに補完し合うことで、真の世界思想を可能にする。
帰国後に執筆され、大拙自ら「近来自分が到着した思想を代表するもの」という論文十四編すべてを掲載。大拙の思想を最もよく表す最晩年のエッセイ集。
解説・中村元/安藤礼二
【もくじ】
序
東洋思想の不二性
東洋「哲学」について
現代世界と禅の精神
東洋学者の使命
自由・空・只今
このままということ
東洋雑感
「妙」について
人間本来の自由と創造性をのばそう
荘子の一節--機械化と創造性との対立への一つの示唆--
東洋的なるもの--幽玄な民族の心理--
東洋文化の根底にあるもの
近ごろの考え一項
日本人の心
アメリカにおける鈴木大拙博士
--『東洋的な見方』の解説にかえて 中村元
最後の大拙
--『東洋的な見方』文庫版解説 安藤礼二
Posted by ブクログ 2019年05月05日
西洋思想は二分すなわち分けられるからモノゴトを考えられると考えるのとは違い、東洋思想では不二性つまり分けられない、考えられないことを考えている(と感じている)と説く。前者では抽象的な思索が発達するが、後者は生活から離れずに考えるという特徴がある。また東洋思想は「論理的に絶対矛盾の形式で表現」、「何事...続きを読む
Posted by ブクログ 2021年05月18日
前に『仏教の大意』を読んで、すごくよかったので続けて読んだ。
『東洋的な見方』の方は、コラムを集めたもので、大筋テーマが似ているが、それぞれ書かれている目的が微妙に違うので、読み進めていてこのままもっと!と思ったら、テーマがちょっとずれてしまって若干消化不良。
前半の「東洋思想の不二性」は、東洋がま...続きを読む
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