【感想・ネタバレ】東洋的な見方のレビュー

あらすじ

「来るべき『世界文化』なるものに対して、われら東洋民族の一員として、それは大いに貢献すべきものをもっておる」--。
アメリカ、イギリスの諸大学で教鞭を執り、直に西洋思想にふれた大拙だからこそ看破できた東洋思想の優れた特性。曰く「世界の至宝」が、二分性の上に成り立つ西洋思想の不備を補い、互いに補完し合うことで、真の世界思想を可能にする。
帰国後に執筆され、大拙自ら「近来自分が到着した思想を代表するもの」という論文十四編すべてを掲載。大拙の思想を最もよく表す最晩年のエッセイ集。
解説・中村元/安藤礼二

【もくじ】

東洋思想の不二性
東洋「哲学」について
現代世界と禅の精神
東洋学者の使命
自由・空・只今
このままということ
東洋雑感
「妙」について
人間本来の自由と創造性をのばそう
荘子の一節--機械化と創造性との対立への一つの示唆--
東洋的なるもの--幽玄な民族の心理--
東洋文化の根底にあるもの
近ごろの考え一項
日本人の心

アメリカにおける鈴木大拙博士
--『東洋的な見方』の解説にかえて 中村元
最後の大拙
--『東洋的な見方』文庫版解説 安藤礼二

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東洋的な見方

なかなか興味深く楽しく読めます。難しい言葉、専門用語も多々ありますから何度も読み返すことが必要ですが、良く理解するまで熟読する書だと思います。

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2024年10月18日

Posted by ブクログ

ネタバレ

前に『仏教の大意』を読んで、すごくよかったので続けて読んだ。
『東洋的な見方』の方は、コラムを集めたもので、大筋テーマが似ているが、それぞれ書かれている目的が微妙に違うので、読み進めていてこのままもっと!と思ったら、テーマがちょっとずれてしまって若干消化不良。
前半の「東洋思想の不二性」は、東洋がまだ物が二分しないところから考えていくのに対して、西洋は、物が二つに分かれてから物事を考えるという風にわかりやすく違いを提示している。なるほど。だから西洋の方には、東洋の曖昧さが許せないのだろうな。そしてその曖昧さ=妙という概念を語る段もある。それってなんかわかるな。日本人的。
すごく真宗的だと思う点は、東洋人は「考えれないところから出立する」というところ。西洋は「考えられない」ところをそのまま放置する。
この東洋的見方から、往還二相の回向は、一円相であると。循環端なき円環とする。二分性からはわからないとしている。往還二相の回向は、同時性があるということかな。分けられない。
もう一つ面白いテーマは「自由・空・只今」。禅的な解釈だけれども、現れるけれども、見えるときにもうそれは底に見れないというような話は面白い。
肯定して否定し、否定して肯定する矛盾の同一性である。これがわからぬと、上来の所述は全くわからなくなる。矛盾の連続でしかないと考えられよう。
わからないことが多いが、その中で「わからないということをわかっている」ということだな。
鈴木師の本は2冊しか読んでいないが、自分としては初心者には『仏教の大意』の方をお薦めする。こちらは鈴木師の哲学を少しずつエッセンスをしりたいという場合向き。意外なことに、その後この東洋と西洋の違いということで物事を見ていくとすごく現象把握がしやすくなったので、かなりおすすめ。

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2021年05月18日

Posted by ブクログ

西洋思想は二分すなわち分けられるからモノゴトを考えられると考えるのとは違い、東洋思想では不二性つまり分けられない、考えられないことを考えている(と感じている)と説く。前者では抽象的な思索が発達するが、後者は生活から離れずに考えるという特徴がある。また東洋思想は「論理的に絶対矛盾の形式で表現」、「何事も『そのまま』に肯定」という特徴がある。さらに「胸に万巻の書を収めておかぬと本当の絵はかけぬ」と言う。そして「美」は霊的要素から飛び出したものであり、情意の世界は詩であり人間の動きそのものの画、文字を美しいとする。

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2019年05月05日

Posted by ブクログ

難しい文章であるが、西洋と東洋という括りで区分した場合の考え方の違いや東洋的なものの良さをうまく表しているのは感じられた。

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2023年04月08日

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