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国家とは何か。そして国家と自分はどう関わっているのか。「国家は共同の幻想である。風俗や宗教や法もまた共同の幻想である。もっと名づけようもない形で、習慣や民俗や、土俗的信仰がからんで長い年月につくりあげた精神の慣性も、共同の幻想である」。原始的あるいは未開的な幻想から〈国家〉の起源となった共同の幻想までを十一の幻想領域として追及。自己幻想・対幻想・共同幻想という三つの構造的な軸で解明し、まったく新たな論理的枠組みを提言する「戦後思想の巨人」の代表作。改題・川上春雄、解説・中上健次
目次
角川文庫版のための序
全著作集のための序
序
禁制論
憑人論
巫覡論
巫女論
他界論
祭儀論
母制論
対幻想論
罪責論
規範論
起源論
後記
Posted by ブクログ 2022年09月29日
難しいようで難しくない、不思議な本だった。というのも、吉本がここで書いていることは、たいていみんながどこかしらで体感していることであるからだ。だから文章が難しくても、ノリでなんとなく理解できてしまう。
吉本は幻想を「自己幻想」「対幻想」「共同幻想論」の3つに分けて考えるが、議論の出発点は「対幻想...続きを読む
Posted by ブクログ 2020年08月08日
本作品は、戦後の日本思想界の巨人といわれる吉本隆明(1924~2012年)が1968年に発表した代表作で、当時の教条主義化したマルクス・レーニン主義からの脱却を求めていた全共闘世代に熱狂して読まれたと言われる思想書である。
私はこれまで、吉本の著書は、『真贋』、『家族のゆくえ』、『読書の方法』、『悪...続きを読む
Posted by ブクログ 2021年12月31日
在野の思想家という意味では戦後最大と思われる著者の主著のひとつ。共同幻想ー対幻想ー個人幻想という概念は知っていたが,時代性を考慮しなければその価値はよく分からないでしょうね。
対幻想という概念が独特だと思うのだが,これは性であり家族であるということなので,性の多様性と家族の変容を見る現代においてどう...続きを読む
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