角川文庫の検索結果
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傘をもたない蟻たちは
かなわない――。天才肌の彼女に惹かれた美大生の葛藤。 書いた原稿がそのまま自分の夢で再現される不思議な現象にのめりこんでいく小説家の後悔。 幼なじみの秘密を知り、彼との接し方がわからなくなってしまった男子中学生の苦悩。 自分の心に正直でいたいだけなのに。 誰もが胸に抱える生きづらさを鮮烈に切り取った、著者初の短編集。 単行本未収録作品であるタイムリープSF「おれさまのいうとおり」を加えた全7編。 ※本書は二〇一五年六月に小社より刊行された単行本に、「小説野性時代」(二〇一六年八月号)に掲載された「おれさまのいうとおり」を加え、文庫化したものです。 -
メゾン・ド・ポリス
柳町北署の新人刑事・牧野ひよりは、念願かなって刑事になったものの、仕事はお茶汲みやコピー取りばかり。 そんなある日、所轄内で殺人がネットで生中継されるという事件が発生。 どうやら四年前に起きた事件の模倣犯らしい。 ひよりは上司の刑事から、四年前の事件を担当していた元刑事・夏目惣一郎の話を聞いてこいと命じられる。 メモの住所を頼りに辿り着いたのは、蔦で覆われた大きな三角屋根の古びた洋館だった。 その門前で掃き掃除をする惣一郎に声をかけるが、惣一郎は「断る」の一点張り。 すると謎の老人が現れ、「まあお入り。ちょうどお茶の時間だ」と告げて洋館にひよりを招き入れた。 そこはなんと、退職刑事専用のシェアハウス<メゾン・ド・ポリス>だった! 元熱血刑事、元科学捜査のプロ、元警視庁幹部、元事務員。 老眼、腰痛、高血圧だが、腕は一流のくせ者おじさんたちと事件を追うと、思いもよらぬ真相に辿り着き――。 -
藤澤清造短篇集 一夜/刈入れ時/母を殺す 他
貧窮と性病、不遇と冷笑の中で自らの¨文士道¨を貫いて散った、藤澤清造。その玉石混交の作品を歿後弟子・西村賢太が厳選、校訂する。 貧窮と性病、不遇と冷笑の中で自らの¨文士道¨を貫いて書き、無念に散った無頼の私小説家・藤澤清造。その短くも不屈の活動期間に残した玉石混交の作品を、歿後弟子・西村賢太が厳選、校訂。商業誌初登板の、伸るか反るかの情熱が作の巧拙を超えて迫りくる「一夜」、抱腹絶倒の借金文学の傑作「刈入れ時」、故郷で危篤に陥った母の死を、貧ゆえに切望する「母を殺す」等、十三篇を収録。 新発見原稿「敵の取れるまで」を併録。 -
ありがとう、さようなら
作家・瀬尾まいこのもう一つの顔。それは中学校の「せんせい」でした。 本屋大賞ノミネート作家、瀬尾まいこのデビュー直後から3年半の日常をつづるほのぼのエッセイ。 給食で苦手な料理と格闘したり、生徒たちからの厳しいおしゃれチェックをなんとか切り抜けたと思えば、生徒会のやる気に感化されたり、合唱コンクールで胸がいっぱいになったり……。 奮闘する瀬尾せんせいと生徒たちのあたたかくてにぎやかな日常の合間に見える、それぞれの成長。「ありがとう」と「さようなら」がめまぐるしく襲ってくる学校という場所で過ごす日々は、瀬尾さんの作品世界すべてにつながる愛にあふれていた。 解説/北村浩子 -
きのうの影踏み(角川文庫)
あるホラー作家のもとに送られてきた手紙には、存在しない架空の歌手とラジオ番組のことが延々と綴られていたという。編集者たちの集まりによると、チェーンメールのように、何人かの作家にも届いているという。かくいう私にもその手紙は届いていた。その手紙のことを調べるうちに、文面の後ろのほう、文字が乱れて読み取れなくなっていた部分が、徐々に鮮明になってきている……。ある日、友人作家が手紙のことで相談があると言ってきた。なんと、その手紙、サイン会で手渡しされたという。誰がその人物だったかはわからない。けれど、確実に近づいてきているーー。(「手紙の主」)。その交差点はよく交通事故が起こる。かつてそこで亡くなった娘の霊が、巻き添えにしていると、事故死した娘の母親は言っているという。その娘が好きだったという「M」の字の入ったカップがいつもお供えされていた。ある雨の日、そのおばさんがふらふらと横断歩道にさしかかり……。死が母娘を分かつとも、つながろうとする見えない深い縁を繊細な筆致で描く「七つのカップ」。闇の世界の扉を一度開けてしまったらもう、戻れない。辻村深月が描く、あなたの隣にもそっとそこにある、後戻りできない恐くて、優しい世界。 【解説:朝霧カフカ】 -
吉祥寺よろず怪事請負処
吉祥寺の庭師は、実はすご腕の陰陽師!? 累計550万部突破「少年陰陽師」の著者が贈る、現代の陰陽師ものがたり。 吉祥寺の美味しいお店も、たくさん登場します。 吉祥寺のガーデンショップ「栽‐SAI‐」に居候中の大学生・保。無口な住み込みの庭師・啓介は、保にとって兄のような存在だ。 ある日保は、大学の先輩から相談を受ける。祖母が大事にしている古い梅の木を伐ろうとすると、次々不吉なことが起こるというのだ。 それを解決してくれたのは、なんと啓介。彼は現代に生きるすご腕の陰陽師だったのだ──! 庭にまつわる不思議な事件、解決します。現代の陰陽師ものがたり、ここに開幕! 文庫書き下ろし掌編も収録。 -
柳橋物語
気丈で働き者のおせんは、おとなしく控えめな庄吉と、乱暴者だが闊達な幸太の2人から相次いで求愛を受ける。幼さゆえに同情と愛とを取り違え、上方に修行へ行く庄吉の「待っていてくれるか」という言葉を受け入れた彼女は、しきりに会いに来る幸太のことをすげなく突き放す。たいへんな大火事が起きたのはそんな時だった。おせんは病気の祖父をかばって逃げ遅れ、窮地を救ってくれた幸太は、火に追われ逃げ込んだ川の中で、濁流にのまれ命を落としてしまう。火事で一切の身寄りをなくしたおせんは、幸太と不義を働いたという根も葉もない噂で心身ともに追いつめられてゆく。追い打ちをかけるように、月日を経て再会した庄吉からも幸太との不義を疑われ、婚約破棄を言い渡されて――。火事から町が復興し、柳橋がかけられるまでの日々に起きた、おせんという一人の女性の哀しくもたくましい愛の物語。他「生きる」ことへの悩みに真正面から向き合った『しじみ河岸』を加えた中編2作による名作集。 ※本書は二〇一三年九月に新潮社より刊行された「山本周五郎長篇小説全集第五巻」、二〇〇五年十一月に小学館より刊行された「山本周五郎中短篇秀作選集2」を、文庫化したものが底本です。 -
鬼談(角川文庫)
愛、絆、情、欲。 執着の虜となった者たちを描く、京極小説の神髄! 藩の剣術指南役を仰せつかる桐生家に生まれた作之進には、右腕がない。 物心付いた時には、もうなかったのだ。二の腕の途中から、すっぱりとない。 これが普通だこういうものなのだと、ずっとそう思っていた。 元服の夜、作之進は父に呼び出された。 そして父は――厳かに言った。 「お前の腕を斬ったのは儂だ」 一方、柔らかで幸福な家庭で暮らす「私」は、何故か、弟を見ていると自分の中に真っ黒な何かが涌くのを感じていた。 ある日、私は見てしまう。 幼い弟の右腕を掴み、表情の無い顔で見下ろす父を。そして父は、 「これだよなあ」 と、暗い声で言ったのだった――。 過去と現在が奇妙に交錯する「鬼縁」ほか、<人と鬼>の狭間を漂う者たちを描いた全9篇。 <解説/東雅夫> -
ドラコニアの夢 アニメカバー版
新キャラクター「澁澤龍彦」登場の映画「文豪ストレイドッグス DEAD APPLE(デッドアップル)」、2018年3月3日公開! 大人気アニメ「文豪ストレイドッグス」シリーズの映画に登場するキャラクター「澁澤龍彦」。コラボカバーのアンソロジー文庫で澁澤龍彦のエッセンスを味わおう! 珠玉のエッセイや小説などを収録。 「文豪ストレイドッグス×角川文庫」アニメ描き下ろしコラボカバー第4弾! (既刊一覧は https://store.kadokawa.co.jp/shop/e/epu040103/ ) 編者・解説はアンソロジストの東雅夫(編著に『澁澤龍彦玉手匣』ほか)。 === サドやコクトーの名訳で知られる仏文学者、西欧異端文化の紹介者、達意のエッセイスト、絢爛たる物語作家――いくつもの魅惑的な顔を有する文人・澁澤龍彦は、みずからの文学世界をドラコニア(龍彦の国)と呼んだ。 本書は「澁澤龍彦×文豪」をコンセプトに、新世代の読者に向けて編まれたアンソロジーである。 古今東西の文豪たちをめぐるエッセイを中心に、小説、評論、紀行、対談など全26篇を収録。 <「文豪ストレイドッグス」シリーズとは!?> 中島 敦、太宰 治、芥川龍之介、与謝野晶子、泉鏡花、F・スコット・フィッツジェラルドなど国内外の文豪のイメージをモデルに擬人化されたキャラクターが、「人間失格」「羅生門」などといった各文豪に関連する異能力を用いて戦うバトルアクションコミックス。 舞台は横浜。孤児院を追われた主人公・中島 敦は、とある自殺志願の男・太宰 治を助けたことから、異能力集団「武装探偵社」に所属することに。やがて、ポートマフィアの芥川龍之介らや、北米の異能力集団・組合(ギルド)との対決が激化していく――! -
そうだ、やっぱり愛なんだ 50歳からの幸福論
家族の愛、夫婦の絆、親がくれた愛・・・生きていくには愛が必要です。おしゃれや若い人との付き合いを通して、おばさんを楽しむ術や、一人で過ごす豊かな時間の楽しみ方、女友達との買い物やストレスをためない方法などの小さな幸せの見つけ方、大人の同窓会や思い出にひたる幸福など、時がたったからこそ楽しめる人生の極意をエッセイで紹介。文庫化にあたり、犬との出会いや美しく歳を重ねるために必要なことなどのエッセイを収録。大人気漫画家が語る幸福論。 家族への愛、仕事への愛、友人への愛、根底に愛があれば、いやなことも易々と乗り越えられる。 築いたキャリアも、多少の貯金も、まったく何の役にも立たない手術台の上で、「愛」だけが力を与えてくれた、と語る著者の最新エッセイ集。 -
お引っ越し
これを読んだら、今晩、家の扉をひらくのが怖くなる、かもしれない―― 内見したマンションはおしゃれな街のおしゃれな造り、環境も間取りも条件も申し分ない。ここに決めてしまおうか? しかし白い壁に小さな穴を見つけたキヨコは、そこからじわじわと“イヤな感じ”が広がっていくのを感じるのだった……。 片付かない荷物、届かない段ボール、ヤバい引っ越し業者、とんでもない隣人―― きっとアナタも身に覚えがある引っ越しにまつわる6つの恐怖。 ベストセラー『殺人鬼フジコの衝動』の著者にして“イヤミスの女王”、真梨幸子が 引っ越しにまつわる不気味さと、じわじわくる恐怖を描いた出色のサイコミステリ! -
……なんでそんなばかなこと聞くの
なぜ死んでしまったかも忘れそこに存在している高校生、大和。そして、ある秘密を抱えながらも、大和を生き返らせようとする幼なじみの少女、凛虎。不器用で、真っ直ぐで、凛としたひと夏が今――終わる。 -
あるがままに自閉症です
会話で気持ちを伝えられない、思うように行動できず叱られる。本当は感覚のまま、自由でいたいだけなのに――。 息苦しさを感じながらも、自分の感性に耳をすませ、言葉を綴ることで自閉の世界の豊かさを伝える著者。 18歳で始めたブログを元に自らの体験や心情の変化を記した本書には、当事者や家族へのメッセージが込められている。 「あるがままを受け入れるのは、ひとりひとりの心です」ロングセラーの単行本を増補して文庫化! (目次) 第一章 自閉症という僕の個性 ◇話したいのに話せない ◇制御不能な身体 ◇記憶とこだわりと気持ちの折り合い 第二章 振り返って思うこと ◇学び ◇幼稚園・学校 ◇家族 第三章 生きやすくなるために ◇わかってほしい ◇支援 第四章 「自閉症だから」じゃない ◇心地いい時間 ◇独自の世界観 ◇毎日をやり過ごす 短いお話・詩 あとがき -
水やりはいつも深夜だけど(角川文庫)
セレブママとしてブログを更新しながら周囲の評価に怯える主婦。仕事で子育てになかなか参加できず、妻や義理の両親から責められる夫。出産を経て変貌した妻に違和感を覚え、若い女に傾いてしまう男。父の再婚により突然やってきた義母を受け入れきれない女子高生……。思い通りにならない毎日。募る不満。言葉にできない本音。それでも前を向いて懸命に生きようとする人たちの姿を鮮烈に描いた、胸につき刺さる6つの物語。 小説で誰かを救う。そんな大それたことは言いづらい。 だけど、それに本気で挑戦している作家は確かにいるのだと、 窪美澄を読むといつもそう思う。 ――朝井リョウ(作家) 文庫化に際し、オリジナル短編、一編追加! -
書けますか? 自分の名前の「書き順」 「日本人に多い名字」編
※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 書き慣れた自分の名字、正しい書き順を知っていますか? 西村さんの「西」、第二画はどれ? 武田さんの「武」、第一画はどれ? 本書では、日本人に多い名字、上位500位の使用されている漢字の筆順を、全部掲載。名字の意味や由来、発祥地、多く見られる都道府県や地域も示しました。さらに、歴史上の人物などについても言及。「難読名字」と「わかりにくい書き順」についてのクイズも。自分の名前をより深く知ることができます。正しい書き順に書けば筆の運びが自然で美しく、整った字の形に書くことができます。知っていて損はありません。これを読んでこれからは、自分の名前を正しい書き順で書きましょう。 -
ifの悲劇
北海道・網走に住む小説家の加納豪は、かわいい妹の彩を溺愛していたが、彩が商社に就職して夕張でひとり暮らしを始め、やがて同期の奥津と結婚することになり悲嘆に暮れる。しかし婚約者・奥津の浮気が発覚し、彩はショックで飛び降り自殺してしまう。奥津への復讐を誓った兄は、奥津を網走に誘い出し殺害する。奥津の遺体を車に隠しアリバイを構築するために夕張に向かう途中、加納は交通事故を起こしてしまう――。 ここから物語はふたつに分岐していく⇒ A:交通事故で人身事故を起こし、殺人が露呈した場合 B:交通事故を起こしたものの事なきを得て、殺人が露呈しない場合 ……果たして加納の運命やいかに。 ふたつのパラレルワールドがひとつに結びつくとき、衝撃の事実が明らかになる。 -
汚れつちまつた悲しみに…… アニメカバー版 中原中也詩集
≪TVアニメ「文豪ストレイドッグス」放送記念! アニメ描き下ろしコラボカバー版を配信!≫ 16歳で詩人として出発し、30歳で夭折した中原中也。昭和初期、疾風怒濤の時代を駆け抜けた稀有な詩人の代表作品を、生きる、恋する、悲しむという3つの視点で分類。いま改めて読み直したい、中也の魂の軌跡。 <シリーズ累計250万部突破!「文豪ストレイドッグス」シリーズとは!?> 中島 敦、太宰 治、芥川龍之介、与謝野晶子、泉鏡花、F・スコット・フィッツジェラルドなど国内外の文豪のイメージをモデルに擬人化されたキャラクターが、「人間失格」「羅生門」などといった各文豪に関連する異能力を用いて戦うバトルアクションコミックス。 舞台は横浜。孤児院を追われた主人公・中島 敦は、とある自殺志願の男・太宰 治を助けたことから、異能力集団「武装探偵社」に所属することに。やがて、ポートマフィアの芥川龍之介らや、北米の異能力集団・組合(ギルド)との対決が激化していく――! -
時の顔
僕は40世紀の「時間局員」だ。自由自在に何世紀にもわたって、過去未来へ行き来できる超能力時代に生きている。そんな僕の親友のカズミが、ある一定の周期で、激しい疼痛感と痙攣発作に襲われている。特殊病理学者もサジをなげてしまった奇病だった。苦しみもがく彼をどうしても救ってやりたい。僕は、あてずっぽうに19世紀の幕末に病因解明の手がかりを求めた。しかし、大飢饉の余波が残っていた江戸の街で、僕はカズミの陰惨な過去、双生児にまつわる呪われた影を目撃してしまった――! 40世紀の人間の、呪われた複雑な過去を見つめる表題作のほか、デビュー直後の作品を含め、初期に発表された短編全7編を収録。書き下ろし解説つき。 -
短小浦島
浦島太郎のお伽話は、誰でも知っているに違いない。でも、ここに出てくる太郎はひと味もふた味も違います。たくましい海女たちにいじめられ、浦島太郎は極度のおんな恐怖症にかかっている。それもそのはず。太郎の悩みはかなり深刻。理由は、ひとなみはずれた「あれ」の短さ小ささお粗末さのせい。医者にたのめば銭がかかるし、もういっそ、死んでしまいたい……。そんなある夜、声がしてふと目覚めると、股ぐらに巨大な「倅」がそそりたち、昼間助けられた亀からのお礼だと言う。さあ、巨大な息子の持ち主になった太郎が向かった先は――?! 奇想奇抜、ユニークな視点と鋭い風刺で描く、小松左京の芸道小説集! 書き下ろし解説つき。 -
三本腕の男
ぼくは、いわばやとわれ調査員だ。相手の視線をとらえると、何でも喋らせてしまう特技を買われて、この仕事を引き受けた。今も、酒好きの退役アメリカ陸軍大佐からアメリカについての情報を聞き出している。話の途中、ふと何かの気配を感じて外をのぞくと、人通りの絶えた暗がりに乗用車がとまっている。どうもつけられていたらしい。今まで取材と称して、有力上院議員や「黒い回教徒」のメンバーに会って、必要以上に喋らせたのがまずかったようだ。ついにぼくは、世界中の諜報機関から追われる身となった――。だが、取材データをこんなにも欲しがる理由は何なのだろうか……? あっと驚くどんでんがえしが待ち受ける表題作の他、「フラフラ国始末記」「時間エージェント」八話を収録。解説:モンキー・パンチ。小松左京ライブラリによる書き下ろし補足解説つき。 -
御先祖様万歳
たった一枚の古ぼけた写真が、この大騒動の発端だった――。僕は失業して故郷へ帰っていたが、納戸で見つけた100年前の曾祖父の写真を見て驚いてしまった。こともあろうに「新幹線」が写っている!これが刺激になって、僕は我が家の持ち山の通称「神隠しの山」の麓にある洞窟に入ってみた。洞窟のあちら側では、100年前に僕の家で謀議がこらされていた。ちょんまげを結った侍姿の壮漢たちに見つかったので、あわてて洞窟を抜け逃げ帰ってきたが、村じゅう驚天動地の大騒ぎ。早速、新聞社の音頭取りで学者をまじえて「調査隊」があちら側を調べることになったが……。傑作痛快短編全12作。小松左京と山上たつひこの意外なつながりを明かした書き下ろし解説も収録。 -
牙の時代
楽しい渓流釣りは、一瞬で悪夢に変わった。釣り糸の先にあらわれたのは、思わず悲鳴を飲み込むほどの「怒れる魚」の顔だった。釣り上げられたそのヤマメは大口をあけ、いきなり指に噛みついた。魚が人間に襲いかかるなどという話は、ほら話にしても聞いたことがない。しかし、それだけではなかった。雄猫三匹が幼女を襲い、飼い犬が鰻に絞め殺された。スズメバチは人間を攻撃し肉を喰い、一日のうちに骨だけにした。生きものはすべて、虫ケラから人間にいたるまで、染色体の異常で巨大化し狂暴になっていった――。この不気味な変動の陰で、何かが静かに起こりつつあった。恐怖の時代の前兆を描いた表題作のほか、読者を荒涼たる混乱の世界におとしいれる全6編。書き下ろし解説を収録。 -
青ひげと鬼
その男は「青ひげ」と呼ばれた。過去6人の妻たちは、みな死んでいた。「妻殺し」の容疑で警察に調べられたこともあるが、犯罪の痕跡は発見できなかった。しかし、全員が同じ状況で、同じ症状で亡くなっていた。みな妊娠中毒症を起こしていたのだ――。その男がホテルのバーで知り合った7人目の女は「あなたの子を産むわ」と言い放つと「青ひげ」の7人目の妻となった。おれの子を孕むと死ぬ、という男の忠告もなんのその、しばらくして女は妊娠した。女は次第に生活の主導権をにぎり、ある種の危険な兆候をみせはじめた……。種の保存の本能の、新しい形が戦慄を呼ぶ表題作の他、全8編をおさめたSF短編集。書き下ろし解説を収録。
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