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人が生まれながらに持つ純粋な哀しみ、存在していることの孤独を心の奥から引き出すことが小説の役割ではないだろうか。小説を書きたいと強く願った少女は成長しやがて母になり、芥川賞を受賞――。少女・青春期の思い、家族や本のこと、心を締めつける記憶の風景を率直に丁寧に綴り作家小川洋子の原点を明らかにしていく、珠玉の一冊。繊細な強さと静かなる情熱を併せ持つ著者の全貌がみえる初めてのエッセイ集。
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Posted by ブクログ
30歳前後のときに書かれたエッセイ集。
『妊娠カレンダー』で芥川賞を受賞し、子供が生まれて数年という期間。
自省的な文章であり、書くことがいかに小川さんにとって大切でかけがえのないものなのかがひしひしと伝わってくる。
早稲田に通いながら小説を書き始めた頃の思い出が印象深い。
決して芽が出ない作家志望者が大勢いる中で、ずば抜けた才能を持っている人ではあるけれど、ひたむきに書き続けることが一番大切だと感じられた。
後半に出てくる熱狂的な阪神ファンならではのエピソードも面白い。
阪神の勝利と読売の敗北を何よりののぞみとしながら、暗黒時代の阪神の戦いに一喜一憂する健気さであるよ。
作家としてだけでなく、母としての姿が垣間見れるのも新鮮である。
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