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薬師の文梧は、記憶を失った白皙の青年・主水と旅をしている。
30年前、平穏なこの地は一変した。青山領の民が突然変異して「鬼」となり、小寺領の民を襲い血を吸って殺すようになったのだ――。
彼らは、故郷から逃げ出し、身を潜めて暮らしている小寺の民を救うべく、山々を巡っているのだ。
一方、今から3年前。小寺の若き領主・菊は、屈託なく笑う勇敢な少年・元信に窮地を救われる。
青山の餌食となっている領民を護るため、もっともっと強くなりたいと願っていた菊は、元信に願い出て剣術を教えてもらうことにした。
やがて惹かれ合う2人。けれどそれは、禁忌の恋に他ならなかった……。
――旅の途中、文梧と主水は竜胆という少女と出会う。
竜胆はかつて仕えていた領主・菊を捜していた。菊は3年前、青山領に捕らわれたのだ。
旅を共にすることになった3人だが、やがて文梧は「一枚、二枚――」と何かを数える謎の声をしばしば聞くようになる。
心にこびりついて離れないその声を聞くたびに、文梧の胸はざわついて……。
出逢ってはならない者たちが出逢う時、物語は動き始める。待ち受けるのは、如何なる運命か――。
第5回角川文庫キャラクター小説大賞〈優秀賞〉受賞作!
選考会でも「筆力がある」「作り込まれた世界観でぐいぐい読んでしまった」「熱量を感じる」と絶賛を受けた作品がついに刊行!
イラスト/月岡月穂
Posted by ブクログ 2020年12月12日
鬼の話はお腹いっぱい。
和製ロミオとジュリエットだけあって、やっぱりハッピーエンドじゃなかった…のかな!?
絶賛の声がみんな女性からもわかるように、男性より女性の方が「菊」の想いとかわかる気がする。
鬼の話という事で、一番懸念していた残虐な描写ですが、この本に関しては割と平気だったかな。
話の構成は...続きを読む
Posted by ブクログ 2020年06月07日
読んでいて固有名詞に見覚えがあるなと思ったら、改題前に『異説・播州皿屋敷』なる文言が付いて成程と。
いつぞや見た皿屋敷展を思い出しながらの読書となった。
それにしても随分と大胆なアレンジ。
最初は皿屋敷要素はそれこそ固有名詞くらいにしかなかったが、中盤以降「皿」要素も出てきて俄然期待は高まった。
...続きを読む
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