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SF短編を基調とした何でも短編
筒井康隆は初めてだったが、短編集ということもあって、彼独特の世界観を存分に楽しめた。主人公がおかしいかと思えば実はおかしいのは世界だったり、おかしな世界観でありながら実はただの現実だったり、冗談かと思えば本気だったり。冒頭からの怒涛の掌返しに、思わず舌を巻いた。秀逸なSFの世界観にはため息をもらし、ちょっとした皮肉や子供らしい可愛らしさもには頬を緩め、淡白な狂気に触れるとページを繰る手が止まる。それでいて、どの物語もオチは一貫してキレイ。十人十色の筒井康隆アンソロジーだった。
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筒井康隆のショート・ショート集。筒井康隆を読むならこの掌篇集から、の言葉通り非常に読みやすい。筒井康隆はアクが強いが、このショートショート集はそのアクの強さをアイディアの内に留めつつ、奇想天外なオチを置くことでよりショートしょーとらしさを際立たせている。ある種の様式美となった投げっぱなしオチも少ないため、とっつきやすい作品集だろう。SF色も強く、特にお気に入りなのは「ベルト・ウェーの女」で、ベルト・ウェーで見かける女性に恋した青年があの手この手で女性の正体を調べようとする話だが、徐々に明かされていく設定の一つが意外な角度でオチに繋がるという名作である。また断筆になった問題作「無人警察」も往年の管理社会への警鐘を鳴らしつつ、諦観を引きずる余韻もいい。表題作「にぎやかな未来」はディックの「CM地獄」を思い出す過剰広告社会という内容で、アイディアは同じながらも描いている社会像が違うため、その差異を楽しめる。またラストの「静寂」というオチは日本的で面白く、さらに周囲が騒がしい「にぎやかな未来」では永遠に手に入らないものとして象徴的に扱われている。一日でサクッと読めるショートショート集である。
Posted by ブクログ
1968年『にぎやかな未来 』は、筒井康隆の商業誌第一作の1960年『お助け』を含む、全41篇の名ショートショートを収録。あとがき解説には、あのショートの大家、星新一が投稿を寄せている。「彼こそが、わが国はじめての真の意味の大衆作家である」と締めくくる。著者の短編集は家の本棚に揃っているので、これからまだまだ再読が続く。
41編の中、マイベストショートショート『腸はどこへいった』は、いまだに覚えていた作品であり、一番印象に残っていた。内容は実にくだらないのだが、そこが良い。あることがきっかけで、半年便通と尿意が無い青年のお話しである。この異常事態でも青年の体調がすこぶる良好なのは、彼の腸が「クラインの壺」になり異次元とつながることで、便と尿がすべて...腸を元に戻したらあら大変。
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【全体の感想】
たったの1ページから数ページまで、サクッと読めるお話が詰め込まれており内容もヘビーなものは無いので手軽に楽しめる。寝る前に布団の中で一つだけ読んだり、洗濯ものの脱水待ちの時間に読んだりして楽しく読み終えた。最後に「にぎやかな未来」で締めるところがまた良い。読み終えた後、これまで気軽に楽しんでいた心地よい雰囲気の温度が急に下がり、コンクリート打ちっぱなしの荒涼とした部屋にいながら「これまでのお話を楽しんでいる自分」が映っているテレビを眺めているかのような気分になっている。
同封されていた らでんちゃんのチェキ は本棚に飾っておきました。良い本に出合わせてくれてありがとう。
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