名称未設定さんのレビュー一覧 レビュー投稿数 5 いいねされた数 0 1~5件目 / 5件<<<1・・・・・・・・・>>> 並び替え レビュー更新順 作品新着順 評価高い順 ロボットとは何か 人の心を映す鏡 石黒浩 学術・語学 / 理工 4.1 (31) 購入済み 読む ネタバレ 購入済み ロボットで考える人間の中身 「人に心はなく、人は互いに心を持っていると信じているだけである」生粋の科学者である石黒浩が切り出したるは、そんな哲学的な命題だ。普通の人ならば、少し本を読んだり思索にふけって「ふむ難しい」と投げ捨ててしまう話だろう。しかし彼は、人間を知りたいという欲求を工学的なフィールドで追い求めて続ける。見かけと動きを人間に似せたロボットは人間らしく見えるか。遠隔操作ロボットと会話したらどうか。そんな考えで作られた「人間らしい心の無い」ロボット達を見れば、自分に心はあるのだろうかと、そう感じること請け合いである。 0 2019年12月20日 にぎやかな未来 筒井康隆 小説 / 国内小説 3.6 (12) 購入済み 読む 購入済み SF短編を基調とした何でも短編 筒井康隆は初めてだったが、短編集ということもあって、彼独特の世界観を存分に楽しめた。主人公がおかしいかと思えば実はおかしいのは世界だったり、おかしな世界観でありながら実はただの現実だったり、冗談かと思えば本気だったり。冒頭からの怒涛の掌返しに、思わず舌を巻いた。秀逸なSFの世界観にはため息をもらし、ちょっとした皮肉や子供らしい可愛らしさもには頬を緩め、淡白な狂気に触れるとページを繰る手が止まる。それでいて、どの物語もオチは一貫してキレイ。十人十色の筒井康隆アンソロジーだった。 0 2019年12月16日 ニンギョウがニンギョウ 西尾維新 小説 / 国内ミステリー 3.8 (32) 購入済み 読む ネタバレ 購入済み 非論理的でキレイな日本語 今まで読んだ小説の中で、一番訳がわからなかった。23人の妹を持つ主人公が、17番目の妹が死んだために映画を見に行く。上品そうな紳士にクレカを借り、すれちがった熊の少女から17番目の妹からの電話をもらい、辿り着いた先では宙づり逆さで映画鑑賞。足が腐ったために5番目の妹と出かけ、雪の降らない街の処女雪を踏みしめ歩くと、人体交換屋から足が妊娠しているとの宣告。他にも喪失感と名付けて脳髄を買ったり、「当然のことながら」ピアノの黒鍵が鍵の形をしていたり。リアルと虚構が五分五分で混ざりあった奇怪な小説。 0 2019年12月13日 この世でいちばん大事な「カネ」の話 西原理恵子 エッセイ・紀行 / エッセイ 4.3 (43) 購入済み 読む ネタバレ 購入済み 生存本能を刺激する力強い本 「そうだよ! これが現実だよ!」主人公が最後に死ぬ映画こそが、当時小学4年生の著者に刺さった。小さい頃から暴力の飛び交う父と母の間で眠り、窓ガラスの無い戦場みたいな家を目にし、窃盗集団とも言える不良友達を周りに抱えていた。周りにお手本が誰もいない中、何とか東京の美大へと向かうが、その矢先にギャンブル中毒の父親が自殺。同級生の女の子達は不安で仕方なくて、心の寄る辺を探してヤリマンになっている。それらの原因を「貧しさ(≒カネ)」であると断言し、最後に、自分で力強く稼いで生きる人間になれと訴える。力強かった。 0 2019年12月09日 やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。14 渡航 / ぽんかん(8) 男性向けライトノベル 4.8 (104) 購入済み 読む ネタバレ 購入済み 最後の最後まで俺ガイル 認めたくなかった恋心を認めた瞬間。曖昧にしてきた関係に終止符を打つ瞬間。なにせ9年間に渡って騙し続け、一言も言葉にすることはなかった感情である。鳥肌がたたない訳がない。登場人物全員を巻き込んだプロム、そして先輩の卒業式。前半は由比ヶ浜との掛け合いを中心にしつつ、センチな雰囲気をかもしながら進んでいく。しかし突如何かを悟ったように泣き出す由比ヶ浜。そして比企谷は雪乃下の方へと手を差し伸べ、その挑発に載って雪乃下もその手を取る。それでも言葉になったのは雪乃下の最後の告白だけ。比企谷八幡に最後まで感服だった。 0 2019年12月09日 1~5件目 / 5件<<<1・・・・・・・・・>>>