小説作品一覧
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3.0弟を溺愛するあまりに父から離婚された母。そんな母に、幼い頃からずっと否定されて育った実音子は自己肯定感がすこぶる低い。そのせいもあり、人生の節目では極度の緊張から失敗ばかり。現在は非正規で働いている。生きづらさを抱えて日常を送る中、実音子はある日、ひょんなことから最寄りとは違う駅で電車を降り、二十年前に一瞬だけ暮らした思い出の街を訪れる。そこで出会ったサビ猫に導かれ、浮世離れした雰囲気を持つ美青年・瞬が営むフルーツサンド屋に辿り着く。おなかも心も満たすフルーツサンドを食べ、温かな瞬の優しさに触れ、灰色にくすんでいた実音子の毎日が、少しずつ色鮮やかに輝いていき…?
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3.0「あなたの元奥さんが死にました」――フランスから突然入った元妻の訃報。5年ぶりに再会した、11歳の娘アヤと暮らすことになった朝霞昇の日常は一変する。 輸入食品の有名バイヤーとして世界を飛び回っていた昇が、毎日必ず定時で退社。家事をこなし、馴れ親しんだフランスとの文化の違いに戸惑う娘を心配し頭を悩ませる日々……。 まだ距離のあるぎこちない父娘の関係は、昇が心を込めて作る毎日の料理と食卓を通して、やがてかけがえのないものに変わっていく。 食卓で話そう。わけあり父娘の幸せのレシピ。 ●登場人物紹介● 朝霞昇(41) 輸入食品の卸会社で商品企画を担当する凄腕バイヤー。仕事に没頭するあまり、フランス人の妻から離婚される。5年ぶりに再び娘と暮らせることになるが……。 朝霞アヤ(11) 幼い頃に両親が離婚し、母の故郷フランスで暮らしていた。母の死後、父・昇に引き取られるが、日本とフランスの文化の違いに馴染めないでいる。
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4.0女性と人間について洞察する著者の真骨頂。 人物評伝では高く評価されている瀬戸内晴美が、自らとゆかりの深い人物について掘り下げた短篇集。 欧州社交界にこの人ありといわれた薩摩治郎八が余生を過ごす徳島に、地元生まれの著者が訪ねていく表題作のほか、太宰治の終焉の地近くに住むことになった著者が、“斜陽の子”太田治子との対話などを綴った「三鷹下連雀」、恋多き男・竹下夢二が最も愛した女性・彦乃との悲しい物語「霧の花」、著者が師事する丹羽文雄と老画家との奇妙な交流と別れを描いた「春への旅」、幸徳秋水の元妻の独白の形で綴られる「鴛鴦」の5篇が、著者ならではの、女性と人間についての深い洞察で描出される。
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-笑いあり涙あり、戦慄ありの遠藤周作劇場。 泥棒をしたり、粗相をしたりする“駄犬”と、それでもかわいく思う作家との交流を描いた「駄犬」「犬と小説家」。半可通の男が、お店の女性たちからばかにされているのに、田舎者の青年にいいところを見せようとする「遊子方言」。娘を交通事故で亡くした男が、手紙の交換を通じて女子高生と心を通わせる「嘘」。満州時代の思い出を、阿川弘之氏との交流を交えて綴る「初恋」「クワッ、クワッ先生行状記」。そして、気持ちがやさしく世話焼きの先輩女性社員に、新入社員が気づかぬうちにからめとられてしまう表題作「天使」など、クスリと笑えてホロリと泣ける珠玉の短篇集。
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4.0
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3.5
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4.4会社をリストラされたアラサー独身女子、まひろ。ふと見た映像に心を動かされ、「何もかもデトックスしたい」と旅に出た。向かったのは、子どもの頃一度訪れたことのある地、只見。宿の料理人が出す食事はどれも美味しくて、家に引きこもって以来まともなものを食べてこなかったまひろを、生き返らせてくれるようだった。拡がる自然と心づくしの料理で次第に落ち着きを取り戻していくが、以前訪れたときの記憶が頭をもたげてくる。
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4.3三ヶ日町の高校に通う高校2年生の実緒は、自他ともに認める普通の女の子で、モテた経験なんてない。しかし親友の果菜や幼なじみの翔太と過ごす高校生活は、平凡だけど楽しい毎日。そんなある日、のどかな地元が映画のロケ地に決定し、町の誰もが浮き立つ。女優志望の果菜はもちろんのこと、地元愛の強い翔太もこの機会をチャンスに自分の夢を叶えようと大奮起。気づけば実緒もエキストラとして映画に出演することになり、非日常の毎日のなかで、今まで意識していなかった気持ちにも徐々に気づいて…。夢を追う高校生たちの、まぶしすぎる青春フィルム!!
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3.5後宮の奥、漆黒の殿舎には人喰いの鬼が棲むという―― 泰山の裾野を切り開いて作られた綜国。十五になる沙夜は亡き母との約束を胸に、夢を叶えるため後宮に入った。 しかし、そこは陰謀渦巻く世界。ある日沙夜は後宮内で起こった怪死事件の疑いをかけられてしまう。 そんな彼女を救ったのは、「人喰いの鬼」と人々から恐れられる人ならざる者で――。 『座敷童子の代理人』著者が贈る、中華あやかし後宮譚、開幕!
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-『一度でも、踏み込んだら終わり――』 戦慄のノンストップホラー! 劇場版アニメ5月26日全国順次公開! 映画『アムリタの饗宴』 ▼詳しくはこちら https://www.amrita-movie.com/ 【あらすじ】 人の死期を嗅ぎ分ける力を隠して、普通の女子高生として生活しているたまひ。 ある日の下校途中、友達二人と誘われるように訪れたのは、強烈な死の匂いを放つ不気味な巨大集合住宅だった。 引き返そうとするも、突如現れた“何か”に目の前で同級生が喰い殺されてしまう。 匂いを頼りに、不可解な迷宮と化した建物からの脱出を試みるが、異形の物たちがそれを許さない。 やがて、逃げ場のない恐怖は、次第に彼女たち自身の[秘密]を炙り出していき......。 追い詰められた少女の心に戦慄する、ノンストップホラー!(原作:映画『アムリタの饗宴』) 著者について ●はーみっと 1982年生まれ。2010年より「小説家になろう」にて連載している「呪印の女剣士」が人気を博し、2020年同作(TOブックス)でデビュー。 ●坂本サク 1976年東京都生まれ。多摩美術大学グラフィックデザイン科卒業。 短編アニメ『摩訶不思議』(00)、『フィッシャーマン』(02)で注目され、 2002年よりフリーランスのアニメーション作家として活動を始める。 商業作品では、ドラマ「怪奇大家族」のオープニングCG、ドラマ「MOZU」のイラスト&アニメーションなどがある。 『アムリタの饗宴』の前作『アラーニェの虫籠』(18)で長編映画監督デビュー。 アニメ界の世界最高峰アヌシー国際アニメーション映画祭ミッドナイトスペシャル部門・正式上映をはじめ、著名映画祭で続々上映され、大反響を呼んだ。 現在、尚美学園大学芸術情報学部専任講師。
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4.3妾腹ということで王妃らに虐げられて育ってきたゼルスの王女エデルは、戦に負けた代償として義姉の身代わりで戦勝国へ嫁ぐことに。相手は「黒狼王(こくろうおう)」と渾名されるオルティウス。野獣のような体で闘うことしか能がないと噂の蛮族の王。しかし結婚の儀の日にエデルが対面したのは、瞳に理知的な光を宿す黒髪長身の美しい青年で――。 やがて、二人の邂逅は王国の存続を揺るがす事態に発展するのだった…。 激動の運命に翻弄される、波瀾万丈のシンデレラロマンス! 【本書だけで読める、番外編「移ろう風の音を子守歌とともに」を収録】 ≪登場人物紹介≫ エデル:西の国ゼルスの王女。幼い頃、母親と生き別れる。甘いお菓子に弱い。 オルティウス:東の国オストロムの青年王。「黒狼王」と恐れられている。
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4.5地方の大衆食堂で働く厨師の千花は常連の貧乏皇族である玄覇から、ある仕事を持ち掛けられた。それは皇帝の“やとわれ寵姫”。何の因果か皇帝に即位することになった女嫌いの玄覇は、女除けに千花を寵姫と偽り後宮に置きたいという。王都に店を持つことが夢の千花は開店資金を報酬に期間限定で後宮に入るのだが、そこは権力と寵愛を求める女の欲望と嫉妬が渦巻いており……。「私は厨師。包丁一本あればどこででも生きていける、たとえ後宮でも」――一筋縄ではいかないトラブルも嫌がらせも美味しく調理! 敵の攻略も味方づくりも料理次第!! 果たして千花の運命は? ひと味違う、中華シンデレラストーリー!
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3.5
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-「楢山節考」の戯曲を含む名作短篇集。 ――京の都は古い歴史を持っていた。その間、その土地では大勢が死んで、土の下には数えきれない死骸が埋められて白骨になっているのである。―― 誰も彼もが白骨の群れに見えてしまう、初老の男の無常観を描いた「無妙記」。若いころ、無免許運転で馬をはね殺してしまった男が、数々の不幸に見舞われる「妖術的過去」。帝の血をひく“三宮”が夜な夜な女性を食い物にしていることを知り、かつての従者の息子が犬山椒の毒で三宮を手にかけようとする「妖木犬山椒」など味わい深い7篇に、名作「楢山節考」の戯曲を加えた珠玉の短篇集。
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-2億円のプラチナを巡る黒い陰謀を暴け! あの日、豪華客船で何が行われようとしたのか――復興が進む宮城を舞台に、トラベルミステリの巨星が描く傑作推理小説。東日本大震災から5年が経ったころ、金華山沖の海底から豪華客船「グズマン二世号」が発見された。海に浮かぶホテルとして女川町の海岸に係留され観光客を集めていたが、震災の大津波で沈没し行方が分からなくなっていた。引き揚げられた船の客室からは、ホテル〈グズマン二世〉運営会社の課長・柏原恵美の遺体と2億円相当の大量のプラチナが見つかった。持ち主不明のまま、プラチナを乗せた快速列車が仙石線の石巻から仙台に向かう最中、途中の陸前赤井駅で爆破事件が起こる。一方、東京・青梅の精神科病院には5年前から千石典子という若い女性が入院していた。典子と交流があった男性・小西が度々訪れるが、彼女は自身に関する記憶を一切取り戻せないでいた。そんな中、典子が何者かに切りつけられる。十津川警部らが容疑者のひとりとして調べていた小西の行方を追う中で、東京と宮城の事件の関係性が浮上し、捜査の行先は思わぬ方向へ……プラチナの発見に端を発した数々の事件を通して、十津川が闇にうごめく驚愕の真実を暴く。
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-直木賞作品を含むミステリアスな短篇集。 辛亥革命後の中国で、ある宦官に清朝時代の宝物・青玉獅子香炉の贋作をつくってほしいと依頼された李同源は、名人の弟子というプライドを胸に、本物に勝るとも劣らない見事な品を彫り上げる。 真作として紫禁城内に収められた李同源の獅子香炉は、その後、国共内戦が激化したため、安全な場所に移送することに。獅子香炉にただならぬ愛着があった李同源も随行するが、宝物が入っているはずの箱を開けてみると……。 直木賞を受賞した「青玉獅子香炉」のほか、ラワン材のバイヤー・王究が日本に送ってきた恐ろしい材木を描く「年輪のない木」、アフガニスタンへ仏跡巡礼の旅に出ていた日本人高校教師が、現地で殺人事件に巻き込まれる「カーブルへの道」など、全5篇を収録。
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4.3科挙に合格した青年・梨生は、地方へ赴任する道中、水死し鬼に転じた男・心怡と出会い、心怡が輪廻に戻るための見届け役として従者に雇うことになる。それ以降、梨生の目にはなぜか死者の亡霊が見えるように。新人官吏・梨生の仕事は、任地の帳簿管理、そして県内で発見された遺体を検死すること。そんな梨生のもとに正体不明の頭蓋骨がもたらされ、同時に謎の幽鬼が姿を見せる。折しも赴任地では数ヶ月前から行方不明者が多発しているという。骨の主はなぜ殺害されたのか? 梨生は己が目に映る幽鬼の姿を足がかりに、心怡とともに謎解きに乗り出す――。声なき死者の恨みを雪ぐ、中華幻想怪奇譚!
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4.010代から茶道や弓道に親しみつつ、和菓子修行をしてきた眞白は2年前、念願だった日本茶カフェを開いた。店で供される和菓子の美しさ、美味しさもさることながら、その皿や茶わんも訪れる客の心をとらえている。眞白がこつこつと集めてきた器には時折、金で継いだ跡がある。実は、幼馴染の七堂夏樹が「金継師」で、割れてしまった皿や茶わんを漆で継いで修復し金を捲く伝統技術「金継ぎ」の若い職人なのだ。彼の工房がカフェのすぐ裏なので眞白はしばしば彼のもとに通う。工房には同じく幼馴染で神社の跡継ぎの亀岡桜士郎もよく現れる。不器用な3人の「修復」物語が「金継」を通して綴られる、北鎌倉青春ダイアリー!
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4.5いつかこの目が見えなくなったとしても 二人で見たあの日の星空は消えないーー 著者渾身の書き下ろしラブストーリー! 【あらすじ】 春うららかな図書館。司書を目指す大学三年・穂乃香は、理学部で天文学を志す悠斗と運命的な出会いを果たす。惹かれ合う二人の時間ーー大切な詩集、野良猫、サークルの合宿、旅行先での流れ星ーーありふれた毎日の全部が輝いて見えた。ずっと二人で同じ景色を見続けるはずだった。けれど、突発性の難病により穂乃香の視力が少しずつ失われて……。当たり前の一瞬一瞬が愛おしく、時の奇跡に涙が溢れる、著者渾身のラブストーリー。 【文庫書き下ろし】 <全国の書店員様からのおすすめコメント> 彼女の苦悩と決意に、そして彼の変わらぬ想いに胸打たれました。2人の恋は星のようにキラキラとまぶしく、離れ時を経てなお募る愛は美しい。(平安堂 飯田店・中山様) あなたは大切な人の事をどれだけ知っていますか。 想い合うからこそ大切な気持ちは伝えてほしい。その時その時の、精一杯の思いを・・・伝えなかった事を、後悔しないように(TSUTAYA BOOKSTORE 川崎駅前店・紅様) 色褪せていく世界、離れていった2人の心は長い時間を一瞬で飛び越えてあの日の星空を見上げている。新しい明日を生きる為の美しい希望の物語。(紀伊國屋書店 新宿本店・宮本様) 著者について ●白石さよ(しらいし・さよ) 兵庫県出身、埼玉県在住。これまでにティーンズラブ作品を多数刊行。本作は弱視を抱える著者の体験に根差した初の本格的な恋愛小説。おもな近著に「理想の結婚お断りします」(スターツ出版文庫)「最愛 君に振り積む雪になる」(オパール文庫)がある。
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-東嶺館大学で知る人ぞ知るミステリアスな青年、蓮城京太郎。怪異学を研究している彼のそばには、犬に変化できる陽気な妖怪・梼原遥がいつも寄り添っている。 ある日、人生に悩む折笠亜紀が二人を訪ねてきたことから、波乱の物語が幕を開ける。 聞こえるはずのない声や音に煩わされる女子大生、大学の収蔵庫になぜか現れた稲荷神社の眷属神・白狐……。妖しく不可思議な事件に、京太郎たちが立ち向かう。 怪異を呼び起こすのは、いつだって心に潜む闇――。
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-芥川賞受賞作家が描く、満ち足りた晩年。 『貝がらと海の音』『せきれい』(いずれも小学館P+D BOOKS)、『ピアノの音』という、子どもが独立し、実家を出ていってしまったあとの、夫婦ふたりの日常を描いた連作の続巻。 「同じようなことばかり書き続けて飽きないかといわれるかも知れないが、飽きない。夫婦の晩年を書きたいという気持ちは、湧き出る泉のようだ」と著者自身が「あとがき」で触れているように、庭に咲く花やご近所さんとの交流、家族旅行、孫の近況など、平凡な日常のなかのちょっとした変化を、さりげない、やさしい文章で記録していく。 読む人が幸せな気分になれ、繰り返しページをめくりたくなる秀作。
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-「女子大生・曲愛玲」を含むデビュー作品集。 1957年に発表された単行本デビュー作品。 大学在学中に結婚し、夫の赴任地・北京で生活。子どもにも恵まれたが、帰国後に夫と子を残して家を出たというドラマチックな前半生が、9篇の短編に凝縮されている。 佐藤春夫、井伏鱒二、三島由紀夫に絶賛され第3回新潮社同人雑誌賞を受賞した「女子大生・曲愛玲」、お産と子どもに関する記憶をたどる「訶利帝母」(鬼子母神)、教育勅語や結婚という呪縛から抜け出し「基礎工事が不完全であろうとも、乏しい資材を駆使して、わたしはわたしの力を振り絞り、じぶんの文学をうちたてたいと思うのだ。」と、この世界で生きていく意気込みを語る表題作「白い手袋の記憶」など、みずみずしい感性で描かれた作品集。
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3.8
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3.3
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-町の名士と日蔭者の子の愛と葛藤を描く。 ――自分のいう血のこわさとは、日蔭者の子とその父、というこの血の関係のこわさなのだ。この血ゆえに、かつては全力をあげて拒否しようとした存在を、いまはかえってその血ゆえに、“父なるもの”としてわがふところに受容しようとしている。―― 医者であり町の名士である高峰好之と、その愛人のあいだに生まれた伊作。好之の死後、伊作たちは高峰家とは疎遠な状態だったが、85歳になる母が、父のさみしそうな様子を夢に見るというので、父の墓に参り、その足跡を調べることに。その作業は、恨みに思っていた父と、あらためて向き合うことも意味していた……。 第28回読売文学賞に輝いた傑作私小説。
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-30歳差の道ならぬ恋を淡々と描いた名作。 「先生が憎い。――こんなに、わたし好きになってゐるのに、本当に解つてくれないッ。」 と、花枝は、髪の乱れた額で、先方の胸倉をこづくようであつた。 「そんなことがあるものか。重々、ありがたいと思つてゐる。」―― 小田原の物置部屋で作家活動をする竹七と、夫が書いた作品を見てもらうため、ときおり竹七の元を訪れていた花枝。うだつの上がらない初老の作家と、2人の子を持つ25歳の人妻が、いつしか互いに離れられない関係になり――。 前後して発表された『抹香町』とともに著者の出世作となった、これぞ私小説といえる逸作。
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4.0
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3.8テレビ、ラジオ、新聞、雑誌、インターネット……。情報が氾濫する時代、逃してはいけない大切なことをメモにとる。日記を書くとみずみずしい感性を失わない。自分なりに、情報を自由に書く、新しい日記の書き方! ●日記を書き続けることで、変化してきたのはどんなことかというと、敏感になったことでしょう。それまでなら「まあ、たいしたことないや」と思っていたことが、「気にしたほうがいい」と感じるようになったこと。反対に、気にしていたことが「今日はこういうことがありました」でいいだろう、という考え方をするようになったのもあります。 僕が成熟することでの変化であったり、他の変化であったりします。それを隠そうとしても、毎日書き続けることで、それを見れば出てくる。だからといって、それが正解とはいえない。 日々の変化というのは、日記を書き続けることで、若返る、みずみずしい感性を保ち続けることであり、日記を読み返すことで、感性の衰えを感じることでもあります。 <日記力『日記』を書く生活のすすめ> ●インターネットでは拾えない情報 ●訃報記事は過去の復活 ●今日でなければ無意味なもの ●日記憲法5ヵ条 ●時代を俯瞰する目 ●アンテナの磨き方 ●昨日と今日の微妙な変化 ●日記の若返り効果 ●120日坊主から始めよう ●遺言と自分史
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-人気絶頂で引退宣言の背景に中上健次が迫る。 「春美は普通の子と違います」 浪曲が好きだった北村春美の母は、春美の才能を信じて“うなり”を教え込み、それによくこたえた春美は全国規模のコンクールで優勝。翌年、都はるみとしてデビューすると、「アンコ椿は恋の花」「涙の連絡船」「好きになった人」と毎年のようにヒットを飛ばし、当代随一の歌手に上り詰めた。 ところが、それから20年後、都はるみは「普通のおばさんになりたい」と突然、芸能界からの引退を宣言。その背景には何があったのか――。 都はるみ本人はもちろん、市川昭介ら関係者への丹念な取材をもとに中上健次が綴った、渾身のノンフィクション小説。
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4.0
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3.0
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5.0
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5.0最後の1ページを読んだ時、その真実に涙する! 想いを胸に秘め、二度目の青春を「君」に捧ぐ――。 ある事情がきっかけで夫婦の間に溝が出来てしまい、離婚という道を選んだ綾人。 「自分がずっと妻を苦しめていた」という罪の意識に苛まれる綾人は、放心状態で車を運転し事故に遭ってしまう。 ……目を覚ました綾人がいたのは、10年前の大学時代。 親友の駿稀、未来で妻となる帆乃里、そして彼女の友人である美妃。 青春を共に過ごした4人組の中で、かつて帆乃里が駿稀に片想いしていたことを知る綾人は、 「駿稀なら帆乃里を幸せに出来たはず」と考え、“2度目"の大学生活でその恋を成就させるべく奔走するが――? 決して伝えてはいけない、一途過ぎる“愛"。眩しさと切なさが溢れる青春ストーリー!
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3.7引きこもり気味の日壁エレナは、裁縫師だった祖母の縁で北千住にある仕立屋『テーラー・ランタナ』を手伝うことになった。オーナー・悠木智広のホスト時代の客だった双子の姉妹から、亡き伯母のウエディングドレスをリメイクして欲しいと依頼されたのだが、二人の好みは見事にバラバラで……。エレナは祖母譲りの技術で依頼人の思いに応えられるのか!?
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4.3僕の人生は無色透明だった。日野真織と出会うまでは――。 クラスメイトに流されるまま、彼女に仕掛けた嘘の告白。しかし彼女は“お互い、本気で好きにならないこと”を条件にその告白を受け入れるという。 そうして始まった偽りの恋。やがてそれが偽りとは言えなくなったころ――僕は知る。 「病気なんだ私。前向性健忘って言って、夜眠ると忘れちゃうの。一日にあったこと、全部」 日ごと記憶を失う彼女と、一日限りの恋を積み重ねていく日々。しかしそれは突然終わりを告げ……。 唐突にやってくる衝撃の瞬間。その先に待つ驚きの結末に、読む人すべてが感動に包まれる! 第26回電撃小説大賞《メディアワークス文庫賞》受賞作!
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-ノンフィクションの大家が大逆事件に挑む。 明治天皇に危害を加えるべく爆裂弾を製造した宮下太吉、宮下に賛同して事件を主導した新村忠雄、幸徳秋水と同棲していた過激な闘士・管野スガ――。無政府主義、社会主義を標榜する彼らは、次々と「無政府主義者の撲滅」をめざす政府当局の手中に落ちてゆく――。 「天皇、太皇太后、皇太后、皇后、皇太子又ハ皇太孫ニ対シ危害ヲ加ヘ又ハ加ヘントシタル者ハ死刑ニ処ス」――1947年まで存在した刑法第73条、いわゆる大逆罪。皇室に対して危害を加えようと企図した者は死刑、しかも控訴や上告をすることができないという、大変厳しい内容だ。 この罪が初めて適用された通称「幸徳事件」について、著者が豊富な資料をもとに鋭く切り込む。
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4.1紅玉いづきデビュー15周年記念・3ヶ月連続刊行【第3弾】 そこにはきっと、あなたを救う「ターン」がある。 「梶くんとは別れようと思う」学園祭の真っ最中、別れを告げようとしている橘ほたると、呼び出された梶くん。彼女と彼の視点が交差する恋の最後の15秒(「15秒のターン」)。 ソシャゲという名の虚無にお金も時間も全てを投じた、チョコとあめめ。1LDKアパートで築いた女二人の確かな絆(「戦場にも朝が来る」)。 大切なものを諦めて手放しそうになる時、自分史上最高の「ターン」を決める彼女達の鮮烈で切実な3編と、書き下ろし「この列車は楽園ゆき」「15年目の遠回り」2編収録。
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4.0入宮した姉は一年たらずで遺体となり帰ってきた――。 大海を跨ぐ大商人を夢見て育った商家の娘・水鏡。しかし後宮へ招集された姉の美しすぎる死が、水鏡と陰謀うずまく後宮を結びつける。 宮中の疑義を探る皇太弟・文青と交渉し、姉と同じく宮女となった水鏡。大河に浮かぶ後宮で、表の顔は舟の漕手として、裏の顔は文青の密偵として。持ち前の商才と観察眼を活かし、水面が映す真相に舟を漕ぎ寄せる。 水に浮かぶ清らかな後宮の、清らかでないミステリー。
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3.0米国最北端の町で繰り広げられる人間ドラマ。 ――彼等はみんなその祖先に流れ者の血を持っているので、流れ者に対して寛容であり、理解もあった。―― 命からがらの逃避行でロシアから逃れ、中国、そしてアメリカ最北端へと流れ着いたマリヤ。マリアの飼う4頭のシベリア犬に飼い猫を殺されたにもかかわらず、友人づきあいをする日本人アヤ。そのアヤは、前夫との子を連れ日本に一時帰国するが、元夫とはやはり心を通わせることができず、親子ともどもさみしい思いを抱いてアメリカに戻る。 アヤとも知り合いのカルロスはスペイン、中米から自作のヨットで漂着し、そのまま居着いてしまった印刷屋の主人。ある日フェリーでやってきた東洋系の女性と知り合うが、彼女もまた、韓国系の母親と日本人の父親を持つ“漂流者”の一人だった――。 第14回女流文学賞を受賞した名作長編。
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5.0
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3.0中学を卒業したばかりの白石那由多は、尊敬する従兄の京に頼まれて、北野の異人館街近くにあるサボテン専門店・仙寿園を訪れた。京の後輩で店長の坂上緋沙子を手伝うためだ。緋沙子の美しさに驚く那由多だが、サボテン以外のことに無頓着な彼女の天然ぶりに気づく――。こんな二人は店に持ち込まれるサボテンがらみの様々なトラブルを解決出来るのか!?
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3.3時は大正時代、東京府――。大蔵大臣・檜垣一郎太(ひがきいちろうた)の妾の子・永人(ながと)は、嫡男の“謎の失踪”を受け、急きょ跡継ぎとして名門私立千手學園(せんじゅがくえん)に放り込まれることに。学園内では妖しげな呪いの噂が流行しており、永人は思いがけず友人たちとその解決に挑んでいく。学園に蔓延る謎を、そして義兄失踪の真相を暴くことができるか!? 大正浪漫の香り漂う本格学園ミステリ、ここに開幕!
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3.8広島・流川にある割烹を二代目として継いだ緋菜。慣れない経営に借金まで作ってしまうが、ある日、記憶を失った青年と出会ったことから運命が好転。広島名産の食材による美味料理で、店を建て直していく――。
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-京都に暮らす大学生・矢部直はとにかく運がない。バイト中、取材先の京見峠で謎の爆発事故に遭い――気づけば地獄にいた。 漆黒を纏う超絶美形な男、地獄の王(サタン)からの尋問で、直は自分が手違いで死んだこと、白骨化する前に体を見つければ現世に戻れることを知る。 「手伝うなら助けてやる」 地獄の鏡の異変から厄を察知した王は、地上調査のため、直をお供にいざ京都へ。何かととんでもないことをしでかす王のお世話係として、かくして直の体探しが始まった! 地獄の王が、京都に降臨!不運な青年の甦りをかけ、古都に嵐が吹き荒れる! ―登場人物紹介― ◆左端真央(さたん・まおう) 地獄を統べる王。サタン、ルシファー、魔王など様々に呼ばれる、とんでもない力の持ち主。地獄の秩序を保つ「九層の鏡」が割れた原因を探りに、地上へやってきた。 ◆矢部直(やべ・なお) 内定が一つもとれてない、ジャーナリスト志望の大学生。優しい美青年だが、歩けば事故に巻き込まれる不幸体質により死亡。契約により左端の秘書となり、京都へ舞い戻る。
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5.0
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4.1
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3.8
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-凄絶な半生を描いた自伝的長編の完結編。 母に捨てられ、有名な詩人だった父・洋之助が亡くなってからは祖母に虐待されて育った嫩(ふたば)。結婚後も夜な夜な暴力を振るう夫に悩まされ続け、やっと別れることができてほっとしたところに、父の知人・岸上太郎が訪ねてきた。 「軽いエッセイや小説でも。いや、そんなことより洋之助の思い出を書いてみなさい。……君なら書ける」 詩人萩原朔太郎の長女・葉子の実体験をもとにした自伝的小説で、『蕁麻の家』『閉ざされた庭』に続く三部作の完結編。三部作全体のあとがきとして書かれた「歳月――父・朔太郎への手紙」も収録。
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