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浅草寺子屋よろず暦
「本屋が選ぶ時代小説大賞」など数々の賞を受賞し、直木賞候補にもなった『高瀬庄左衛門御留書』から3年。スリリングかつ心震える新たな傑作時代小説が誕生。世の中には決して見過ごせないことがある。浅草の寺子屋を舞台に、師弟、親子、兄弟、幼なじみ……明日にむかい、ともに懸命に生きる。人間の縁と心の機微を濃やかに深く描く感動作。大滝信吾は、ゆえあって旗本である兄の紹介で、浅草寺の境内にある正顕院で寺子屋を開いている。源吉や三太、おさよなど大半は町人の子だ。穏やかな春の日、子どもたちと縁側で握り飯をほおばっていたとき、源吉の姉が駆け込んできた――大切な人を守るため、信吾は江戸の闇と真っ向から闘う。浅草の四季を背景に、家族や友人、下町の人情に支えられながら、信吾が天命を見つけ、成長するさまを圧倒的な筆力で描く。 -
アサシン クリード フラグメント 会津の刃
「アサシン クリード」に新たな歴史を刻む 幕末日本を舞台にした完全オリジナル小説 〈あらすじ〉 一六歳の司馬篤湖は会津藩士の父を持ち、侍として将来を嘱望される兄に憧れている。嫁いでいてもおかしくない年頃の篤湖だが、侍を夢見て刀を振り、稽古に明け暮れる毎日を過ごしてきた。かつて女侍は存在していたが、篤湖にとっては雲の上の出来事。その夢は決して叶わぬはずだった。 1867年11月9日、江戸幕府第15代将軍、徳川慶喜が大政奉還を表明。続く王政復古の大号令によって、1603年から続く江戸幕府はその幕を閉じた。しかし、慶喜の処遇に不満を募らせた旧幕府勢力と新政府が京都で激突。日本史上最大の内戦とされる戊辰戦争が勃発する。 やがて父に、そして兄にも徴集がかかる。戦場に赴くふたりに家を託された篤湖だったが、大人しくふたりの帰りを待てるはずもない。己の刀の才を証明する好機とばかり、自らの意思で戦いの場に身を投じる。 だが、篤湖を待ち受けていたのは、黒き思惑が錯綜する陰謀だった。国内情勢が急速に悪化していくその背後で、天皇に与するテンプル騎士団と幕府を支持するアサシン教団が鎬を削っていたのだ。国を蝕む野望を眼前にした篤湖は、己の天命を理解した。 家族を、そしてこの国を守る。決意を胸に篤湖は立ち上がる。手にした刀、勇気、そして兄妹の絆を武器に--。 -
人殺しは夕方やってきた
山の中で一人、壮絶なサバイバル闘争を繰り広げる女性を描いた長篇小説『壁』で世界を震撼させたマルレーン・ハウスホーファー。多くのフェミニスト、作家たちに影響を与えた彼女の、短篇小説名作集がついに邦訳! 山の中でたった一人、壮絶なサバイバル闘争を繰り広げる女性を描いた長篇小説『壁』で、世界を震撼させたマルレーン・ハウスホーファー。 多くのフェミニスト、作家たちに影響を与えた彼女の、知られざる短篇小説名作集がついに邦訳! 西崎憲さん(作家・翻訳家・音楽家・「惑星と口笛」主宰)賞賛!! ここが抒情の終着点 先はない なんというみずみずしさ。本からこぼれだすのは、少女や友達、家や風景、おもしろい夢をみる女性や人を殺してしまった男性たち。永遠は子供の形で現れ、細部は不可知を囁く。マルレーン・ハウスホーファーはドイツ語園で最良最高の抒情を達成した。 収録作はオーストリアの村で生まれ育ったマルレーン・ハウスホーファーの少女時代を彷彿させる。共に暮らした人々や動物たち……そして、平和な暮らしを一変させる戦争の影。 文学ムック「たべるのがおそい」vol.4収録の「さくらんぼ」「雌牛事件」「フォン・ガイエン氏の夜の出逢い」ほか、かなしみにユーモアをまぶした切なく心あたたまる作品集。 【目次】 1 少女時代の思い出 美しきメルジーネ ぞっとするような話 雌牛事件 さくらんぼ 初めてのキス おばあちゃんが死ぬ ドラゴン 懺悔 2 大人の生活 小さな幸せ 人殺しは夕方やってきた 日曜日の散歩 おもしろい夢を見る女性 ミルテの木、もしくは軽率なマティルデ フォン・ガイエン氏の夜の出逢い お話 とりわけ奇妙な愛の物語 人喰い 3 戦争の影 クワガタムシ 司令官の死 一九四五年の春 国家の反逆者 間借り人たちのクリスマス 恐るべき忠節 ウィロー夫妻 変身 もろびと声あげ(イン・ドゥルチ・ジュビロ) 訳者あとがき 【著者】 マルレーン・ハウスホーファー 1920年生まれのオーストリアの作家。ウィーンとグラーツの大学でドイツ文学を学び、夫と二人の子どもとともにシュタイヤーで暮らし、1970年に亡くなった。オーストリア文学史における非常に重要な女性作家の一人とされる。シュニッツラー賞やオーストリア国家賞(文学部門奨励賞)を受賞している。没後、代表作『壁』が世界的に有名になった。 松永美穂 翻訳家、早稲田大学文学学術院教授。ベルンハルト・シュリンク『朗読者』(新潮社)の翻訳で2000年に毎日出版文化賞特別賞受賞。カトリーン・シェーラー『ヨハンナの電車のたび』(西村書店)で2015年日本絵本大賞翻訳絵本賞受賞。そのほかヘルマン・ヘッセ『車輪の下で』(光文社古典新訳文庫)やインゲボルク・バッハマン『三十歳』(岩波文庫)など。 -
精神の生活
この痛みを何と呼んだらいいのか? 「流産」というテーマを克明かつ赤裸々に描いた傑作小説。 このままならない身体とのつきあい方を、誰も教えてくれない。トイレの個室で不安をひとり抱きしめているひとがいる。そこで何が起こっているか、あなたは本当に知っているだろうか。────────永井玲衣(哲学研究者/『水中の哲学者たち』) この痛みを何と呼んだらいいのか? 「流産」というテーマを克明かつ赤裸々に描いた傑作小説。 不安定な地位にある大学非常勤講師のドロシーは、図書館のトイレで出血を確認する。流産したことを親友にも母親にも打ち明けることはできない。大学で講義し、セラピーに通い、産婦人科を訪れるが、どこにいても何をしていても世界から認めてもらえない気がしてしまう。3月の終わりからの1ヶ月半、予測不能なキャリアのなかで、自分の身体に起きた「流産」という不可解な出来事と知性によってなんとか折り合いをつけていく。 「TIME」年間トップテン・フィクション(2021年)選出! 【目次】 三月の終わり その翌日 五日後 数週間後 翌週の土曜の夜 十日後 日本の読者への手紙 訳者解説 【著者】 クリスティン・スモールウッド 2014年にコロンビア大学で英文学の博士号を取得し、これまで5本の短編小説をThe Paris Review、n+1、Vice などの文芸誌で発表している。また数多くの書評やエッセイをThe New Yorker、Bookforum、The New York Times Magazine、Harper’s Magazine 等に寄稿する批評家でもある。現在、ブルックリンに夫と二人の息子と住んでいる。 佐藤直子 東京都内の大学で非常勤講師として英語を教えている。現代アメリカ小説における「偶然性」のテーマに関心がある。 -
青姫
屈するか 逃げるか 農と自由と民の物語。 武士と悶着を起こして村を出奔した 若者・杜宇が迷い込んだのは、不思議な地。 自由経済で成り立ち、誰の支配も受けない 「青姫」の郷だった。 頭領・満姫のもと、生死を分つ選択さえも 籤で決められる。それが天意だからだが、 満姫はとんでもない気まま娘、 口も意地も悪い。 杜宇は命拾いするも米作りを命じられ、 田を墾くことから始めねばならなくなった。 生きるために「農」の芸を磨き、 民にも馴染んでゆくが、 郷には秘密の井戸がある。 そしてある日、若い武士が現れた―― 「米を作れ! わらわは姫飯が食べたい」 【著者からのコメント】 連載時はちょうどコロナ禍でした。 むしょうに土に触れたくて、田植えの匂いや 稲刈りの景色が慕わしく、それで主人公に 米作りをさせることにしました。 舞台は、「青姫の郷」という秘境です。 とはいえすべてが幻想(ファンタジー)ではなく、 まだ幕府の支配体制が固まっていない 江戸時代初期の様相を背景にしています。 青姫の郷は中央政権の支配がまだ及んでいない、 いわば自由都市。民による自治が行なわれ、ですが 人々がなにより重んじるのは「天意」です。 主人公の杜宇はその天意によって生かされ、 といおうか振り回されるのです。 郷の人々は姫をはじめ、クセが強い曲者揃い。 どの人物も書くのが楽しく、 今も愛着のある人々です。 ですが郷は、ある危機を迎えます。 土地は、領土は、いったい誰のものか。 攻め込まれたとき、屈するのか逃げるのか、 それとも? −−自らに問いながら書きました。 自分ならどうするか、と。連載終了後まもなく、 ウクライナ侵攻が始まりました。 この小説のラストは、 かの侵攻を予見できていない頃に書いた、 一つの願いでした。 このちょっと不思議な物語、 どうぞお楽しみください。 朝井まかて 一 玉結び 二 農の芸 三 田神祀り 四 赤影 五 旱(ひでり) 六 蝶 七 姫飯(ひめいい) 八 上々 九 月 十 籤(くじ) 十一 心願成就 十二 燃ゆる水 十三 杜宇 -
とるに足りない細部
1949年8月、ナクバ(大災厄)渦中のパレスチナ/イスラエルで起きたレイプ殺人と、現代でその痕跡を辿るパレスチナ人女性。二つの時代における極限状況下の〈日常〉を抉る傑作中篇。 この作品の「細部」に宿っているものは、私の精神世界を激しく揺さぶり、皮膚の内側を震えさせる。この本の中の言葉の粒子に引き摺り込まれ、永遠に忘れられない体験になり今も私を切り刻んでいる。 ——村田沙耶香氏(作家) かき消された声、かき消された瞬間と共にあるために、この小説は血を流している。 ——西加奈子氏(作家) *2023年、本作はドイツの文学賞であるリベラトゥール賞を受賞。しかし同年10月、イスラエルによるガザへの攻撃が激化するなか、フランクフルト・ブックフェアで開催予定だった授賞式は同賞の主催団体リトプロムによって中止され、ブックフェアは「イスラエル側に完全に連帯する」との声明を出した。この決定に対しては、作家や出版関係者を中心に、世界中から抗議の声が上がっている。 -
未整理な人類
なぜ人は理屈でわりきれない事に熱中するのか?鋭い視点と笑いで人間社会の本質を斬るノンフィクション。 世界は「意味不明」でできている!? 路上の怪文書から不幸の手紙まで。なぜ人は理屈でわりきれない事に熱中するのか。鋭い観察眼とブラックな笑いで社会を斬る異色ノンフィクション。 「人間は一番のブラックボックスで、未整理なことだらけだ。となると、『止めたくても止められないもの』『なぜか分からないけど、そうなってしまったもの』『体が勝手に動いたもの』にこそ、人間の本質が現れるのではないか。 本書は、そんな人類の未整理な行動を突っついて、綺麗にまとめることもなく、放り投げてみようという試みである」(本文) 【目次】 まえがき 第1章 “不幸の手紙”コレクション 第2章 地蔵は服を着る 第3章 「欲しいもの」を持っているのは誰か 第4章 鉄柱詩に見る、芸術と犯罪と症状 第5章 破壊に吸い寄せられる 第6章 「チットGPTみたいなことを言うな!」 第7章 バーチャルに侵略される 第8章 脳内物質を求めて右往左往 第9章 孤独と犯罪に相関関係はあるのか? 第10章 寝顔の発見 第11章 「水槽学」的考 第12章 必ず逆を教える病気 第13章 それぞれの「生きのびる」問題 第14章 価値観の謎 第15章 人が姿を消すとき 第16章 猫で一攫千金 第17章 したたかなキョン 第18章 本物を凌駕する偽物 第19章 何者かになるための準備 あとがき 【著者】 インベカヲリ☆ 1980年生まれ。写真家、ノンフィクション作家。短大卒業後、独学で写真を始める。2018年伊奈信男賞、2019年日本写真協会新人賞を受賞。写真集に『やっぱ月帰るわ、私。』、『理想の猫じゃない』ほか。著書に『なぜ名前に☆があるのか?』、『家族不適応殺 新幹線無差別殺傷犯、小島一朗の実像』、『「死刑になりたくて、他人を殺しました」無差別殺傷犯の論理』、『私の顔は誰も知らない』、『伴走者は落ち着けない 精神科医斎藤学と治っても通いたい患者たち』ほか。 -
ブルーノの問題
現代アメリカ文学を代表する作家のひとり、アレクサンダル・ヘモンの最初期短編集 故郷喪失者は言語の中でのみ生きることができる たとえどこにいようが故郷には決していないのだから 原書が刊行されてから二十数年が経過し、サラエヴォ包囲自体は過去の出来事になったかもしれないが、むろん優れた小説はこの程度の時間で古びるものではないし、そもそもユーゴスラヴィアの惨事と消滅そのものは過去の話であっても、同じような事態が日々世界で生じていることは言を俟(ま)たない。(柴田元幸) ヘモンがナボコフとのあいだに感じる親近感は語彙という面からくるものではなく、故郷を喪失した作家が共通して抱える「埋め合わせてくれるものは言語だけ」という感覚だという。(秋草俊一郎) A・ヘモンによる『島』は、彼が英語で書いたもっとも初期の作品のひとつである。ヘモン氏はボスニア人であり、一九九二年にアメリカを旅行中、ボスニアでの戦争により帰国の道を絶たれてアメリカに移住した。『島』 を書いたのは一九九五年の春、もはや母語で小説を書くこともできず英語でもまだ書けなかった三年間を耐えた末のことだった。 スチュアート・ダイベック(『プラウシェアーズ』 1998年春号) 【目次】 島 アルフォンス・カウダースの生涯と作品 ゾルゲ諜報団 アコーディオン 心地よい言葉のやりとり コイン ブラインド・ヨゼフ・プロネク&死せる魂たち 人生の模倣 訳者あとがき 【著者】 アレクサンダル・ヘモン 1964年、旧ユーゴスラヴィアの構成国だったボスニア・ヘルツェゴビナ社会主義共和国の首都サラエヴォで生まれる。1992年渡米後、サラエヴォがセルビア人勢力によって包囲されたことで帰国不能になりアメリカに留まる。母語ではない英語で作品を発表するようになり『ノーホエア・マン』で高く評価。代表作に『世界とそれがかかえるすべて』など。映画『マトリックス レザレクションズ』ではラナ・ウォシャウスキー、デイヴィッド・ミッチェルと脚本の共同執筆も務めた。 柴田元幸 1954年生まれ。東京大学名誉教授、翻訳家。ポール・オースター、スティーヴン・ミルハウザー、レベッカ・ブラウン、スチュアート・ダイベックなどアメリカ現代作家を中心に翻訳多数。著書に『アメリカン・ナルシス』、訳書にジョナサン・スウィフト『ガリバー旅行記』、マーク・トウェイン『ハックルベリー・フィンの冒けん』、エリック・マコーマック『雲』など。講談社エッセイ賞、サントリー学芸賞、日本翻訳文化賞、早稲田大学坪内逍遙大賞を受賞。文芸誌『MONKEY』日本語版責任編集、英語版編集。 秋草俊一郎 1979年生まれ。日本大学准教授。専門は比較文学・翻訳研究など。著書に『アメリカのナボコフ―塗りかえられた自画像』、『「世界文学」はつくられる 1827-2020』、訳書にドミトリイ・バーキン『出身国』、ウラジーミル・ナボコフ『ナボコフの塊 エッセイ集1921-1975』、アレクサンダル・ヘモン『私の人生の本』、ホイト・ロング『数の値打ち―グローバル情報化時代に日本文学を読む』(共訳)など。 -
怪談風土記 七つのしきたり
「あんた、知らない方がいいよ」 ある土地、ある一族だけに伝わり根を張る因習、掟。 最東対地が禁忌(タブー)を踏み抜き、隠された真実を追う土俗の恐怖奇譚! 特定の地域、人々の間で昔からそのようにしてきた習わし=しきたり。 だが、当然のごとく「そうしてきたことなり」の中には、底知れぬ闇が隠されていることがある。 暴いてはいけない禁忌。 禁忌を犯した者に訪れる恐怖。 最東対地が土地の風俗・習俗を訪ね、しきたりの因果を紐解く7つの怪奇ヴァナキュラー! 一 いちまさんの首 消えた人形の首と奇怪なひな祭りの習わし 二 家焼蟹 殺すと家が燃える忌み蟹。言い伝えは本当か 三 葬列 野辺送りの風習と不気味な臭いの正体 四 シジミを拾いに 子捨てと間引きの因習を隠す恐ろしき言葉 五 伝染夢 歯が抜ける夢を見ると家族が死ぬ俗信の真相 六 深夜の呪祭 余所者に見られてはならぬ禁忌の儀式 七 忌の火 火を食べてはならないの意味と村八分の掟 -
スターゲイザー
コバルト短編小説新人賞&氷室冴子青春文学賞出身の著者が送る、 令和の青春×アイドル文学が、今ここに生まれる! アイドル事務所のユニバースに所属するデビュー前の青年、通称「リトル」。 彼らはデビューに向けて、限られた時間の多くを費やしレッスンに励んでいた。 そんなある日、リトルたちが主役のイベント「サマーマジック」で最も活躍した一人を、デビュー間近のグループ「LAST OZ」に加えるという噂が流れだす。 この噂をきっかけに皆が熱を帯びていく中、リトルの一人である加地透は疑問を抱いていた。 “恋愛も学校生活も自分の身体も、全てを捧げないとデビューは叶わないのか?” デビューに対して人一倍強い野心を抱いている持田、 わずか14歳にしてソロデビューを打診された遥歌、 誰よりもストイックで自分の見え方を計算し尽くした振る舞いをする葵、 芸能人一家の複雑な環境で育った問題児の蓮司、 デビューができる期限まで残り一年を切った若林、そして透。 デビューを目指すこと以外はすべてバラバラの6人が出会った時、 彼らの未来は大きく変わる――かもしれない。 【著者略歴】 佐原ひかり(さはら・ひかり) 1992年兵庫県生まれ。大阪大学文学部卒業。2017年「ままならないきみに」で第190回コバルト短編小説新人賞受賞。2019年「きみのゆくえに愛を手を」で第2回氷室冴子青春文学賞大賞を受賞し、2021年、同作を改題、加筆した『ブラザーズ・ブラジャー』で本格デビュー。他の著書に『ペーパー・リリイ』『人間みたいに生きている』『鳥と港』、共著に『スカートのアンソロジー』『嘘があふれた世界で』がある。 -
『このミステリーがすごい!』 中山七里「連続殺人鬼カエル男 完結編」
累計40万部突破の大人気「連続殺人鬼カエル男」シリーズ、新連載開始です! 埼玉県飯能市で起きた、残忍な手口と五十音順しか手がかりがつかめないことから世間を震撼させた、連続殺人鬼カエル男事件。 そのキーマンである有働さゆりは医療刑務所から脱走し、山手線で目撃されて以来、一切の消息が不明だった――。 そんな時、埼玉県内で残忍な殺人事件が発生する。稚拙な文章の犯行声明と残虐な手口。 殺されたのは人権派で知られる烏森弁護士。 彼は精神疾患を患って罪を犯した被告を無罪にしたことで名を上げていた。 渡瀬刑事と小手川はカエル男の再来を視野に入れながら捜査をすすめると、第二の被害者が……。 電子連載特別エッセイは〈才能は悪魔の証明〉。 本シリーズはデジタル限定で全4回連載。本書vol.1以降、3か月毎に新刊を配信予定です(次回vol.2の発売は2024年3月下旬を予定しております)。 -
人生写真館の奇跡
天国までの道の途中に佇む写真館。ここには、訪れる死者の人生が写真に収められ保管されている。 ここで死者は、人生を振り返りながら、自分が生きた年数だけの写真を選び、自らの手で走馬燈を作るのだ――。 そんな人生最後の振り返りの儀式を手伝うのは、写真館に来るまでの記憶をなくした青年、平坂。 九十二歳の老婆が選んだバスの写真、四十七歳のヤクザが選んだクリスマス・イブの写真、 そして七歳の子どもと笑顔を浮かべる青年の写真。 「たった一日ではありますが、過去に戻って、一枚だけ写真を撮り直すことができます」 と平坂は言い、訪れた死者をそれぞれの過去へと誘う。 記念すべき日のあの時に戻り、思い出の写真を撮り直しながら、彼らは人生の最期に何を想うのか。 そして平坂に訪れる、悲しくも優しい結末とは……。3つの物語が紡ぎ出す、感動のミステリー。 -
招かれざる客〔小説版〕
ミステリの女王の名作戯曲を小説化! 真犯人や真相に関する趣向はクリスティー作品史において前例はなく、まさに〈反ミステリ〉の新境地を開拓したのだ。小山正(本書解説より) 冷たい霧の中、電話を借りるため館を訪ねたマイケルが見たのは、当主が椅子にうずくまり、傍らでその夫人が拳銃を握る姿だった――11月の寒々とした晩。南ウェールズの霧深い田舎道で車が脱輪し、男は近くの大きな屋敷に助けを求めた。だが、そこには車椅子に座った屋敷の当主の射殺体が。そして傍らには当主の若く美しい妻が銃を握って立っていた。果たして妻が犯人なのか? どんでん返し連打の名作戯曲をチャールズ・オズボーンが小説化! 解説:小山正 今後の刊行予定2025年1月刊『蜘蛛の巣〔小説版〕』アガサ・クリスティー(チャールズ・オズボーン小説化)山本やよい訳 客間で見つけたのは夫の前妻と結婚した男の死体!? 傑作クライム・コメディ戯曲の小説化。 以下、続刊『白昼の悪魔〔新訳版〕』アガサ・クリスティー田村義進訳 地中海の避暑地の島に滞在中の元女優殺人事件。関係者のアリバイをポアロは崩せるか? 以上、クリスティー文庫 -
僕たちの保存
メモリ16KBの青春がよみがえる。サブカル満載、大人のロードノベル 語り手“ゲンさん”「胃袋だけは十年前と同じで老けてないのかな」 年上の友人・武上さん「クラウドってのは、なんなの。なんか、たまに聞くけど」 その引きこもりの甥シンスケ「昭和のオタクは、足だけは丈夫なんです」 人気漫画家の亀谷さん「すごくいい話ですね」 ――新幹線、自転車、バス、テスラに乗って、おかしな一行は旅に出る。 震災被害者の形見のMSXパソコンが過去と現在をつなぎ、思いもよらぬ光が未来を照らす。 イーロン・マスクやホリエモンにはならなかった、あのとき無数にいた「僕たち」の物語。 千葉雅也氏推薦! 「何かが残る。残らないものもある。忘れられたものが回帰する。歴史とは、「どのように保存するかの歴史」だとも言えるし、文学もそのメディアのひとつだ。長嶋有の新作は、情報とモノの置き場が劇的に変わっていったこの約半世紀、すなわち「パソコン以後の世界」の本質を、静かに描き出そうとする。」 -
23時の喫茶店
バイトに明け暮れ、これからの人生に漠然と不安を抱く美大生の伊織は、ある日特別 な条件を満たす客人のみを迎える「真夜中の喫茶店」の噂を耳にする。まるで興味のな い伊織だが、不思議な巡り合わせでその喫茶店を訪れることに。迎えてくれたのは、人形のように美しく聡明な店主・透子だった。 紅茶専門店だというその店で透子が淹れた一杯と、その紅茶にまつわる話を聞いた伊織は次第に心が解きほぐされ――。 深夜23時。今宵も弱った心を癒す喫茶店の扉が開く。 -
誰も幸せにできない僕らは夢を見る
市役所本庁舎の隅にある、健康福祉課夢調査係。そこで僕は他人の夢の中に入り、深層心理を調査する仕事をしている。その目的は「個人の精神の不調を減少させ、ひいては社会的不和を根本から減少せしめること」――要は、夢の中でお悩み解決だ。 でもこの仕事は僕に向いていない。……だってあなたが死んだあの日から、僕は誰かに寄り添うことも、夢を見ることも、全て諦めたから。 『ひきこもりの弟だった』で鮮烈デビューした葦舟ナツが描く、心震わす珠玉の物語。 -
新訳 ハムレット 増補改訂版
「声に出して心地よい、聴いていて心地よい、注釈が心地よい」 野村萬斎さんプロデュース 日本初! 原文のリズムとライムを全訳した驚異の新訳。最新研究を反映した決定版! 「生きるべきか、死ぬべきか、それが問題だ」 父王を亡くした王子ハムレットは、母を娶って王座を奪った叔父を憎む。ある夜、父の亡霊から、自分は叔父に毒殺されたと聞かされるが、はたしてそれは真実か? 迷いつつも気がふれたふりをして復讐の時を待つが…。 日本初、原文のリズムとライムを全訳した驚異の新訳! 声に出して読めばわかる! 最新研究を反映し増補改訂! Fに基づき、Qとの違いも全て注記した決定版。 後口上:野村萬斎 【野村萬斎さんが選ぶシェイクスピア名作4選】 新訳 ハムレット 新訳 マクベス 新訳 夏の夜の夢 新訳 まちがいの喜劇(←「ややこしや~♪」の原点) 目次 新訳 ハムレット 増補改訂版 増補改訂版 訳者あとがき 後口上 日本演劇(ジャパニーズシアター)への翻訳(トランスレーシヨン) 野村萬斎 増補改訂版 後口上 初訳・初演から二〇年の時を経て 野村萬斎 -
サニー
AppleTV+ドラマ原作(出演:ラシダ・ジョーンズ、西島秀俊、YOU他)。 日本を舞台に描く話題のダークスリラー! 夫が遺した最先端の家事ロボット。 それは従順で賢くて完璧なはずだった。 恐るべきマニュアルを知るまでは……。 天才ロボット研究者の夫と8歳の息子を飛行機事故で失ったアイルランド人のスージー。 夫マサの開発した世界初の家庭用ロボット、“サニー”と日本で孤独に暮らす彼女は、 賢く忠実に振る舞うサニーの存在を疎ましく思い、憎しみすら抱いている。 そんなある日、スージーはロボットを好きに操れるという「ダーク・マニュアル」の噂を耳にして調べ始める。その先に恐るべき陰謀があるとも知らず――。 -
不死鳥は夜に羽ばたく
20世紀初頭。華やかな時代の片隅で生きる売れないオペラ歌手と貧しいお針子―― ある事件が女たちの運命を狂わせる。 全米ベストセラー作家か贈る、シスターフッド・ミステリー! 1906年。売れないオペラ歌手ジェマは友人を訪ねてサンフランシスコに降り立った。急発展を遂げ欲望が蠢く街で、ジェマは実業家ソーントンに美声を買われ、千載一遇の好機を手に入れる。一方、チャイナタウン育ちのスーリンは身売り同然の結婚から逃れるため、街から遁走しようとしていた。やがて行方不明の友人を捜す二人は、隠された陰謀を知ってしまう。そのとき街を大災害が襲い――。 -
リンカーン・ライム
21世紀最高の名探偵リンカーン・ライムvs犯罪王 最後の頭脳戦がはじまる! 「このミス」「週刊文春ミステリー」1位に輝いた名作『ウォッチメイカー』で登場した“ウォッチメイカー”が、〈リンカーン・ライム殺害計画〉をひっさげて帰ってきた! ホームズvsモリアーティを超える「怪人対名探偵」の名作、ここに誕生! 時計職人のごとく緻密な計画をひっさげ、宿敵が帰ってきた。 名探偵ライムを殺すために。 ウォッチメイカー最後の事件、開幕。 高層ビル建設現場で大型クレーンが倒壊し、作業員が死亡、周囲に多大な損害をもたらした。犯行声明を出したのは富裕層のための都市計画に反対する過激派組織。開発を中止せねば同じ事故がまた起こるというのだ。タイムリミットは24時間。科学捜査の天才リンカーン・ライムに捜査協力が要請された。微細証拠の分析と推論の結果、おそるべき結論に達したライムはつぶやく―― 「犯人は――ウォッチメイカーだ」 さまざまな勢力に雇われて完全犯罪を立案する天才チャールズ・ヘイル。またの名を「ウォッチメイカー」。これまでも精妙緻密な犯罪計画でライムを苦しめてきた好敵手。その犯罪の天才がニューヨークに潜伏し、クレーン倒壊に始まる複雑怪奇なプランを始動させたのだ! ウォッチメイカーの真の目的はいったい何なのか? 天才ウォッチメイカーの犯罪計画の裏の裏を読む名探偵ライム、発動する二重底三重底の罠! 21世紀を代表する名探偵と犯罪王、最後の頭脳戦が始まる! -
合本 池袋ウエストゲートパーク11~15
第10作『PRIDE』をもって完結したIWGPファーストシーズン。 それから3年半、第11作『憎悪のパレード』でIWGPは帰ってきました。あの男たちに、また会える――! 〈池袋のマジマ・マコトも、もう二十代後半になった(正確な年は秘密だ)。〉 でもマコトたちは変わりません。 ヘイトスピーチ、ブラック企業の闇、ATMを利用した大規模詐欺、ネットで広がるデスゲーム、留学生を搾取する悪徳スクール……日々巻き起こる新たなトラブルに、マコトとキングが池袋の街を疾走します。ますます切れ味の鋭さを増し続ける、IWGP11~15巻合本! ※この電子書籍は、以下の5作品を収録した「合本」です。 文春文庫『憎悪のパレード 池袋ウエストゲートパークXI』……2016年9月刊 文春文庫『西一番街ブラックバイト 池袋ウエストゲートパークXII』……2018年9月刊 文春文庫『裏切りのホワイトカード 池袋ウエストゲートパークXIII』……2019年9月刊 文春文庫『七つの試練 池袋ウエストゲートパークXIV』……2020年9月刊 文春文庫『絶望スクール 池袋ウエストゲートパークXV』……2021年9月刊 -
ふらんす堂通信2023
◆ふらんす堂友の会会員様にお送りしている冊子「ふらんす堂通信」の一年分が一冊の電子書籍に! 四冊分の内容が詰まったお得な一書です。 ●受賞特集 森賀まり句集『しみづあたたかをふくむ』 ――第62回俳人協会賞 髙柳克弘句集『涼しき無』 ――第46回俳人協会新人賞 和田華凜句集『月華』 ――第11回星野立子賞 小川軽舟句集『無辺』 ――第57回蛇笏賞・第15回小野市詩歌文学賞 大辻隆弘歌集『樟の窓』 ――第15回小野市詩歌文学賞 河津聖恵詩集『綵歌』 ――第41回現代詩人賞 熊谷蓬山句集『数珠子』 ――第53回福岡市文学賞 山崎るり子詩集『猫まち』 ――第63回中日詩賞 山田牧句集『青き方舟』 ――第19回日本詩歌句随筆評論賞 種谷良二句集『蟾蜍』 ――第19回日本詩歌句随筆評論賞・奨励賞 岩田奎句集『膚』 ――第14回田中裕明賞 ●追悼 ……徳高博子追悼 徳高博子歌集『ジョットの真青』評――堀田季可 「思い出」――宮野健次郎 ……秦夕美追悼 秦夕美さん追悼――藤原龍一郎 ●書き下ろし書評 南うみを著『石川桂郎の百句』――細谷喨々 中村雅樹句集『晨風』――中西亮太 和田順子句集『皆既月蝕』――山崎祐子 松尾隆信句集『星々』――堀切克洋 山口昭男句集『礫』――岩田奎 「主題ということ」――小山玄紀 ●連載 三者競詠――池田澄子・大木あまり・小澤實 私のプルースト4~7――高遠弘美 虚子研究レポート 38~41 ――岸本尚毅 毎日精進 16~19 ――小野あらた 俳書遠近1――千葉皓史 ●付録 各号/編集後記・コラム・voix et bois 声の森 -
ギークス ~警察署の変人たち~
頭は切れるのに人間関係に難アリな 警察署勤務のギーク(=賢いオタク)たちが井戸端会議で事件解決!? フジテレビ木10ドラマ、 新感覚の謎解きエンターテインメントを完全ノベライズ! 警察署の鑑識官として働く西条唯(29)は、優れた記憶力と、物事の細部を即座に把握できる高い証拠分析能力の持ち主。そんな西条の日課は、心理分析のプロで産業医の吉良ます美(35)、地理に精通した交通課員の基山伊織(28)と、お決まりの居酒屋で職場や人間関係の愚痴に花を咲かせること。頭は切れるのに、仕事でもプライベートでも人間関係に難がありすぎて何かとこじらせているギーク(=賢いオタク)な彼女たちのもとに、署の刑事らが頭を悩ませているという事件の話が飛び込んできて……。 -
無敵の思想 俺がナンパする理由
はじめまして 著者のJonyと申します。 はじめに 「失敗」を恐れるな。「無敵の思想」を手に入れろ 中学・高校生、そして20代前後のみんなへ。この本は、今の時代を生きる君たちに向けて書いています。 まず最初に、正直に言わせてほしい。俺は、小さい頃から自閉症を患っています。 コミュニケーション能力も壊滅的、人との会話も苦手。 学校の成績だって、運動だって、恐らく他の誰よりも劣っている……そんな、いわゆる「凡人以下」の人間でした。 でも、そんな俺にも、ある時ふと気づいた**「特殊な能力」**があったんです。 それは――**「女性をナンパして口説き落とす能力」**でした。 ワンナイトだろうが、同時に何人かと付き合うことだろうが、なぜかこれだけはできた。 あとは、妙に記憶力が良かったこと。俺の武器なんて、本当にそれぐらいでした。 「ただの女遊びの話かよ」と思ったなら、ちょっと待ってほしい。大いに関係があるんです。 ナンパとは「失敗の練習」である。 俺がなぜ、若い君たちにこれほどまでにナンパを推奨するのか。 それは、女の子と遊びたいからではありません(まあ、それもあるけどね!)。 真の目的は、**「圧倒的な数の失敗経験を積んでほしいから」**なのです。 ナンパなんて、声を掛けても大概は無視されるか、断られます。9割は失敗です。 普通の人なら、そこで傷ついて落ち込むでしょう。 でも、それでも声を掛け続ける。断られても、無視されても、次に行く。そうやって泥臭く続けていると、 ある時急に、自分でも驚くようなとびっきりの美女と繋がれる瞬間が来るんです。 これが、人生の縮図そのものなんです。 これから君たちが社会に出れば、そこは理不尽の塊です。 そのため少しでも前向きに、図太く生きていける若者が増えればいいなと思い、この本を執筆しました。 簡単ではございますが、これをご挨拶とさせていただきます。 この度は、俺の本を手に取っていただき、本当にありがとうございます。 著者:Jony ※本作はJonyの個人誌作品の電子書籍版となります。【148ページ】 -
ばね足男が夜来る
深い憎悪が呼び起こした悪夢は、決して覚めない、逃れられない 製紙会社のOL千野恵は、閉館間際の図書館で吸い寄せられるように黒い表紙の本を手に取った。本を開くと、そこには『ばね足男の謎』と奇妙なタイトルが。翌日、恵にしつこく交際を迫り、付きまとっていた同僚の関口が、焼死体で発見された。恵が前日夢を見たように、炎で焼かれて。やがて彼女の周辺で、謎の放火事件が相次いで起こりはじめる。そこには人々に火を吹き付け、跳躍する男の姿があった……。戦慄の長篇ホラー。 ●松尾未来(まつお・みらい) 20世紀生まれ。水瓶座。O型。桃園書房『月刊小説』1991年9月号に「妖かしの湖」が掲載され、小説家としてデビュー。同誌に官能ホラーの短篇を発表しつつ、イギリスの魔女ドリーン・ヴァリアンテの著書を読み、魔女(ウィッカ)の生き方を学ぶ。アメリカのホラー映画専門誌の翻訳を経て『刑事コロンボ 危険な声』(二見書房)を翻訳出版。長篇小説として、時代海洋冒険小説『じゃこ、南の海へ(上・下)』(ソノラマ文庫)、『ばね足男が夜来る』(ハルキホラー文庫)。魔女関連の著書には、思想書『魔女を生きる』(白水社)と実用書『魔女の本』(学陽書房)がある。 -
妖女曼荼羅
湖の中に“ナニか”がいる……それは、とても嫌なもの…… 魚の腐ったような臭いだ。異臭と言っていい。ここは、海ではなく山の駅だ。湖水は確かに近いが、河口湖は海水湖ではなく、淡水湖である。いったいどこから漂ってくるというのか? 立ち止まると、いきなり駅員はわたしの肩を押しやった。強い力に驚いて、その手を見る。皮膚に浮いた灰色のシミに見えたものは、かさぶたのようでもあった。異臭と感じた磯の匂いは男の体臭だった。改めてかぐと、それはやはり饐えた魚の臭いに似ていた。(「逆しまの王国」より) 幻想とエロスに彩られたホラー短篇集。電子オリジナル作品。 *妖かしの湖 *逆しまの王国 *ピグマリオンの罠 *血まみれのラブソング *午前二時の妖精 *金魚姫 *玉藻前異聞 *やすこちゃん ●松尾未来(まつお・みらい) 20世紀生まれ。水瓶座。O型。桃園書房『月刊小説』1991年9月号に「妖かしの湖」が掲載され、小説家としてデビュー。同誌に官能ホラーの短篇を発表しつつ、イギリスの魔女ドリーン・ヴァリアンテの著書を読み、魔女(ウィッカ)の生き方を学ぶ。アメリカのホラー映画専門誌の翻訳を経て『刑事コロンボ 危険な声』(二見書房)を翻訳出版。長篇小説として、時代海洋冒険小説『じゃこ、南の海へ(上・下)』(ソノラマ文庫)、『ばね足男が夜来る』(ハルキホラー文庫)。魔女関連の著書には、思想書『魔女を生きる』(白水社)と実用書『魔女の本』(学陽書房)がある。 -
放課後、星空喫茶で謎解き遊びを
【電子版巻末には雪丸ぬん先生によるカバー用イラストをそのまま収録!】 プラネタリウム好きの高校生・碓氷十夜(うすい・とうや)は、ある日クラスメイトの・桐山涼(きりやま・りょう)から出された「謎」を解いたことがきっかけで、放課後に謎解き遊びをする「星空探偵」の活動に誘われる。 彼らの活動拠点は「高い天井を持ち、滑らかな壁面いっぱいに、しっとりとした夜空と、それを彩る宝石箱をひっくり返したような星々を全視界に映す――プラネタリウムと喫茶店を融合させた空間」――『星空喫茶』だ。 満天の星々の煌きのもと、星座の逸話に絡む日常の謎を解くうちに、 彼らは、自分自身に纏わるひとつの大きな謎と向き合うことに……!? -
終りに見た街/男たちの旅路 スペシャル〈戦場は遙かになりて〉
山田太一の戦争にまつわる珠玉シナリオを集成!(すべて初活字化) 戦時中にタイムスリップしてしまう家族を描く衝撃作『終りに見た街』(2005年リメイク版)、 今まで活字化を許可されていなかった 『男たちの旅路 スペシャル〈戦場は遙かになりて〉』、 その他映画のための未発表シナリオなど全4篇+掌篇・講演を収録。 『ふぞろいの林檎たちV/男たちの旅路〈オートバイ〉』に続く 山田太一未発表・未活字化シナリオ集第2弾。 *ある日突然、戦時中の昭和19年にタイムスリップしてしまう平凡な家族。彼らは敗戦間近の食糧不足・国家総動員そして大空襲の時代を生き残ることができるのか……衝撃的な結末が話題となった『終りに見た街』は1981年に小説として発表され、翌年ドラマ化、さらに2005年にリメイクするほど山田太一自身思い入れのある作品である。今回リメイク版を初の活字化。 *鶴田浩二主演の名作ドラマ『男たちの旅路』シリーズの掉尾を飾るスペシャル版〈戦場は遙かになりて〉は、今まで待望されながらも山田太一が活字化を許可していなかった。今回初の単行本収録となる。 *中国残留孤児問題を取り上げた映画シナリオ『唐津湾夕景』(1975年)、アラブ紛争地域に住む日本人を描く舞台作品『砂の上のダンス』の映画化シナリオ(2000年代)はともに未発表作品。 *附録として掌篇「叔父さんの下町」(単行本未収録)、戦争体験を語る貴重な講演(抜粋)を収録。 編・解説 頭木弘樹 はじめに(頭木弘樹) 叔父さんの下町 終りに見た街 男たちの旅路 スペシャル〈戦場は遙かになりて〉 砂の上のダンス 唐津湾夕景 少年期の飢餓体験ーー講演「テレビとわたしーーわたしの作品を通してーー」より 収録作品について(頭木弘樹) -
その国の奥で
20世紀初めの南アフリカ。人里離れた農場に暮らす孤独な娘と、若い黒人女を得た父の葛藤を激しく暴力的に描く傑作。植民地社会の矛盾とディスコミュニケーション。映画化。新訳決定版。 欲望、堕落、幻想を見極めようとする力作──オブザーバー紙 めくるめく緊迫感が最後までゆるまない筆致──デイリーテレグラフ紙 植民地支配の歴史を生きた者たちの、人種と性をめぐる抑圧と懊悩を、 ノーベル賞作家が鮮烈に描いた、濃密な、狂気の物語。 語りと思考のリズムを生かした新訳決定版!!! 「父さん、許して、そんなつもりじゃなかった、 愛してる、だからやったの」 20世紀初頭の南アフリカ。異人種間の結婚や性交が禁じられていた時代。白人と褐色の肌の人々が生きる隔絶された空間で事態は推移する。石と太陽で造られた屋敷の仄暗い廊下では、昼も夜も時計が時を刻む。孤独で不美人な未婚の娘マグダ、農場を支配する厳格な父、使用人ヘンドリックと美しく幼い花嫁、不在の兄。肩の上に一気に手斧が振りあげられ、ライフル銃の薬莢が足元で音を立てる。やがて屋敷の秩序は失われ、暴力と欲望が結びつく……。ノーベル賞作家が、検閲の網をかいくぐり、植民地社会の歴史と制度への批判をこめて織りあげた幻視的長篇。新訳決定版!!! -
二人一組になってください
卒業式直前に始まったデスゲーム(特別授業) あなたに本当の友達はいる? 誰かと手を繋がないと死ぬ――。 女子高のクラス内カーストが崩壊し、 裏切り、嫉妬、憧れ、真実が手を取り合う。 『みんな蛍を殺したかった』の著者が 青春と友情の極致を描く最高傑作! 【ルール】 ・二人一組になってください。 ・誰とも組むことができなかった者は、失格になります。その回の失格者が確定したら、次の回へと続きます。 ・一度組んだ相手と、再び組むことはできません。 ・残り人数が偶数になった場合、一人が待機となります。 ・特定の生徒が余った場合は、特定の生徒以外全員が失格になります。 ・最後まで残った二人、及び一人の者が、卒業式に出席できます。 ・授業時間は60分です。 《あらすじ》 「このクラスには『いじめ』がありました。それは赦されるべきことではないし、いじめをした人間は死刑になるべきです」 とある女子高の卒業式直前、担任教師による【特別授業(ゲーム)】が始まった。突如開始されたデスゲームに27人全員が半信半疑だったが、余った生徒は左胸のコサージュの仕掛けにより無惨な死を遂げる。 自分が生き残るべき存在だと疑わない一軍、虚実の友情が入り混じる二軍、教室の最下層に生息し発言権のない三軍――。 本当の友情とは? 無自覚の罪によるいじめとは何か? 生き残って卒業できるのは果たして誰か? -
豪華客船オリンピック号の殺人
実は英国政府の情報員(エージエント)であるレドヴァースの依頼で、夫婦のふりをして豪華客船オリンピック号に乗りこんだジェーン。目的はドイツのスパイを捜しだすこと。ジェーンは初めての捜査(?)にやる気満々だ。そんなとき、乗客の女性が、新婚の夫が消えてしまったと騒ぎはじめた。おまけに夫の荷物まで部屋からきえてしまったのだという。船長は彼女の訴えをまともにとりあおうとしなかったが、出港するときに女性とその夫の姿を目撃していたジェーンは、彼女の主張を信じて勝手に調べはじめる。好評アガサ賞最優秀デビュー長編賞受賞シリーズ第3弾! -
江戸川乱歩座談
戦前、孤高の「人嫌い」として知られた作家・江戸川乱歩は、戦後、日本探偵小説界の名ホストとして活躍した。 森下雨村・横溝正史ら雑誌「新青年」の立役者たちから、小林秀雄・幸田文ら文壇の著名人まで――探偵小説の魅力を共に語り尽くす、夢の饗宴! 乱歩の参加した主要な座談・対談をセレクトした文庫オリジナル。 生誕130年記念刊行 〈解説〉小松史生子 【1 座談篇】 ●探偵小説座談会(1929):大下宇陀児/加藤武雄/甲賀三郎/浜尾四郎/森下雨村 ●明日の探偵小説を語る(1937):海野十三/小栗虫太郎/木々高太郎 ●乱歩氏を祝う(1954):木々高太郎/戸川貞雄/城昌幸 ●探偵小説新論争(1956):大下宇陀児/大坪砂男/木々高太郎/角田喜久雄/中島河太郎/春田俊郎 ●文壇作家「探偵小説」を語る(1957):梅崎春生/曽野綾子/中村真一郎/福永武彦/松本清張 ●「新青年」歴代編集座談会(1957):城昌幸/延原謙/本位田準一/松野一夫/水谷準/森下雨村/横溝正史 【2 対談・鼎談篇】 ●E氏との一夕(1948):稲垣足穂 ●幽霊インタービュウ(1953):長田幹彦 ●問答有用(1954):徳川夢声 ●幸田露伴と探偵小説(1957):幸田文 ●ヴァン・ダインは一流か五流か(1957):小林秀雄 ●樽の中に住む話(1957):佐藤春夫/城昌幸 ●本格もの不振の打開策について(1958):花森安治 -
そして誰もいなくなるのか
ミステリ作家デビューを夢見る小松立人は、学生時代にとある犯罪に手を染めた。家庭教師先のタンス預金二千万円を、知人同士四人でこっそり盗み出したのだ。ほとぼりの冷めた十年後、盗んだ金を掘り起こすために集まった小松たちは、崖崩れに巻き込まれて命を落とした。――はずなのに彼らは、死神から一週間の猶予期間を申し渡され、事故の七日前に戻る。期間中は仲間を殺害することで相手の残りの寿命を奪うことも可能だという。死までの一週間、小松はこの奇妙な出来事を小説に仕立てて新人賞への投稿を目指すことに。しかし、仲間たちは次々と……。独特な感性で描く、“特殊設定×サスペンス”長編。 -
よむよむかたる
本を読み、人生を語る、みんなの大切な時間 この小説は、著者の母が参加していた読書会の風景がきっかけで生まれました。 本を読み、人生を語る。人が生のままの姿になり言葉が溢れだす。そんな幸福な時間をぎゅっと閉じ込めたい、という願いが込められた物語です。 〈あらすじ〉 小樽の古民家カフェ「喫茶シトロン」には今日も老人たちが集まる。月に一度の読書会〈坂の途中で本を読む会〉は今年で20年目を迎える。 店長の安田松生は、28歳。小説の新人賞を受賞し、本を一冊出したが、それ以降は小説を書けないでいる。昨年叔母の美智留から店の運営を引き継いだばかりだ。その「引き継ぎ」の一つに〈坂の途中で本を読む会〉のお世話も含まれる。何しろこの会は最年長92歳、最年少78歳、平均年齢85歳の超高齢読書サークル。それぞれに人の話を聞かないから予定は決まらないし、連絡は一度だけで伝わることもない。持病の一つや二つは当たり前で、毎月集まれていることが奇跡的でもある。安田は店長の責務として世話係だけをするつもりだったが、「小説家」であることを見込まれて、この会の一員となる。 安田は読書会に対しても斜に構えていた。二作目が書けない鬱屈がそうさせていたのかもしれない。しかし、読書会に参加し、自分でも老人たちと「語る」ことで心境に変化が訪れる――。 -
寡黙な同居人
家族思いなエイダンは実は連続殺人犯で、次の獲物、レイチェルを監禁している。彼女はエイダンの娘に近づき、逃亡の機会を探るが。 -
11月そして12月
22歳の初恋、永遠の2か月―― 高校も大学も中退したぼくは、カメラを手に都会の生き物を撮り歩いている。退屈な人と言われ続けた22年の人生は、少し生意気な明夜と出会った頃から変わりはじめた。 父親の不倫、姉の自殺未遂、そして「明夜とは二度と関わるな」という男の出現――。続発するトラブルと背景にある真実に触れた主人公・柿郎が、確かな一歩を踏み出していくまでの2か月を鮮やかに描いた、ほろ苦くも爽やかな青春恋愛小説。 ゲームクリエイター・小島秀夫氏、推薦! 『ぼくと、ぼくらの夏』など、数々の傑作青春ミステリーを残し、惜しまれつつ亡くなった著者のリリカルな青春ストーリー。 -
老いぼれを燃やせ
予言的ディストピア小説『侍女の物語』の著者が放つ辛辣なユーモア。老境の平穏からはほど遠く、未練と怒りまみれの高齢者らの紆余曲折を描く傑作短篇集! 「老いぼれを燃やせ」――老人ホームで暮らすウィルマは視力が衰え、幻覚症状が現れていた。踊り騒ぐ小さな人の群れが見えるのだ。ある日、米国の老人ホーム連続放火事件の報せが入る。やがて彼女の施設も暴徒に取り囲まれ……。「アルフィンランド」――ファンタジー小説シリーズで成功を収めたコンスタンスは、かつて恋人に酷く裏切られた経験があった。そんな彼女が仕組む復讐とは? 「蘇えりし者」「ダークレディ」とで三部作を成す。「岩のマットレス」――ヴァーナは退職後、北極圏クルーズ船で旅に出た。そこにいたのは、高校時代に彼女の人生を変えた男。これまで4人の夫を看取ってきた彼女は、ある計画を立て……。「フリーズドライ花婿」――インチキ骨董商のサムには妄想癖があった。自分が殺され女性医師に解剖されるところを思うと、心が癒やされるという。そんなサムがオークション用の倉庫で出くわしたものは? 人間心理の闇を見つめ、痛いほど的確に、強烈なユーモアをもって描き出す9つの作品を所収。予言的ディストピア小説『侍女の物語』の著者による傑作短篇集! -
シグマフォース シリーズ⑯ ラッフルズの秘録
「悲しいかな、我々は自分たちの世界について ほとんど知らないということを学んでしまった。」 ──スタンフォード・ラッフルズ(シンガポール創設者) 一八一五年のタンボラ山の噴火── シンガポール創設者ラッフルズはそこで何を見、知ったのか? シグマフォースVS中国軍 インドネシア各地で起こる地震と火山噴火 自然界の力を軍事転用しようと目論む中国軍 それを阻止すべくシグマフォースが立ち向かう! 世界35カ国で翻訳、全世界累計2,000万部以上突破の ベストセラー・シリーズ最新作! 科学的事実から──地球外生命体は存在するのか? 「宇宙には我々しかいないのか?」 これは初めて夜空の星を見上げ、そこにも誰かがいるのだろうか、いるとすれば誰なのだろうかと思って以来ずっと、人類を悩ませ、そして人類が挑んできた疑問だ。二〇二一年十月、NASAの研究者グループがこの疑問を評価するための枠組みを提示し、地球外生命体を示す可能性のある「バイオシグネチャー(生命存在指標)」の存在を確かめるために必要な七つの厳密な手順を取りまとめた。彼らはこのリストを「生命体検出の信頼性」の尺度と命名した。これと似た動きとして、二〇二一年一月にCIAは、UFOやUAP(Unidentified Aerial Phenomenon:未確認空中現象)に関連した「ブラックボールト」として知られる三十万ページ近くの文書の機密扱いを解除した。米国国防総省も同様にその年の七月、二〇〇四年から二〇二一年にかけて軍の操縦士が証言したUAPの事案百四十四件に関する非機密報告書を作成した。 このところの相次ぐ機密解除、緩やかに続いているデータの漏洩、国防総省の高官を招いた二〇二二年の議会での聴聞会が、いずれも地球外生命体に関するものであることから、ある疑問が浮かんでくる。 「政府はすでに何を知っているのか?」そしてこれらの情報公開の急増からもう一つの疑問が生じる。「政府は我々を何に備えさせようとしているのか?」 その答えがこれから明らかになる。 〈あらすじ〉 ニュージーランド沖合での深海調査「タイタンプロジェクト」に参加した海洋生物学者のフィービー・リードは、新種と思われる巨大サンゴを発見する。しかし、プロジェクトは頻発する地震に悩まされていた。一方、香港滞在中に大地震に見舞われたシグマフォースのグレイ・ピアース隊長たちは、ペインター・クロウ司令官から中国の原子力潜水艦が行方不明になり、その場所が頻発する地震の震源が集中するトンガ海溝付近だと知らされる。グレイたちは中国の不審な動きを追うため、シンガポールの博物館に赴く。地震の調査のため深海探査艇でトンガ海溝に潜ったフィービーたちは、見たこともないような巨大なサンゴの森を目にする。だが、タイタンプロジェクトとグレイたちには地震とは別の危険が迫りつつあった。 -
新 謎解きはディナーのあとで2
シリーズ大ヒット!新章始動から3年ぶりの第2弾! 執事探偵×令嬢刑事コンビの国民的ユーモアミステリ、 新章スタートから3年ぶりの第2弾! 「お嬢様の素晴らしすぎるお考えは、 残念ながら『休むに似たり』でございます」 1 笠原邸の殺人 自宅にて、絞殺死体で発見された資産家の老人。 現場にはなぜ割れた大皿が散らばっていたのか。 2 灰色の血文字 アイドルの撮影中にスタジオで芸能事務所の社長が殺された。 ダイイング・メッセージらしき血文字“アキラ”の意味は? 3 浜辺のパラソルの問題 別荘のある島での婚約披露パーティに招かれた麗子と影山。 しかし、主役がビーチパラソルの下で死体となって見つかる。 4 服を脱がされた男 多摩川の河川敷で全裸の変死体が発見された。 犯人はなぜ被害者の衣服を奪ったのか。 5 四回殺された女 ワンルームで見つかった若い女の首吊り死体。 殴って絞めて刺して吊るして――前代未聞の殺し方の理由とは!? “迷”推理を繰り広げる風祭警部に、“空気読めない”後輩の愛里ちゃん。 2人に振り回されながら、麗子は影山と5つの難事件に挑む! (底本 2024年9月発行作品) -
シグマフォース シリーズ⑯ ラッフルズの秘録 【上下合本版】
「悲しいかな、我々は自分たちの世界について ほとんど知らないということを学んでしまった。」 ──スタンフォード・ラッフルズ(シンガポール創設者) 一八一五年のタンボラ山の噴火── シンガポール創設者ラッフルズはそこで何を見、知ったのか? シグマフォースVS中国軍 インドネシア各地で起こる地震と火山噴火 自然界の力を軍事転用しようと目論む中国軍 それを阻止すべくシグマフォースが立ち向かう! 世界35カ国で翻訳、全世界累計2,000万部以上突破の ベストセラー・シリーズ最新作! 科学的事実から──地球外生命体は存在するのか? 「宇宙には我々しかいないのか?」 これは初めて夜空の星を見上げ、そこにも誰かがいるのだろうか、いるとすれば誰なのだろうかと思って以来ずっと、人類を悩ませ、そして人類が挑んできた疑問だ。二〇二一年十月、NASAの研究者グループがこの疑問を評価するための枠組みを提示し、地球外生命体を示す可能性のある「バイオシグネチャー(生命存在指標)」の存在を確かめるために必要な七つの厳密な手順を取りまとめた。彼らはこのリストを「生命体検出の信頼性」の尺度と命名した。これと似た動きとして、二〇二一年一月にCIAは、UFOやUAP(Unidentified Aerial Phenomenon:未確認空中現象)に関連した「ブラックボールト」として知られる三十万ページ近くの文書の機密扱いを解除した。米国国防総省も同様にその年の七月、二〇〇四年から二〇二一年にかけて軍の操縦士が証言したUAPの事案百四十四件に関する非機密報告書を作成した。 このところの相次ぐ機密解除、緩やかに続いているデータの漏洩、国防総省の高官を招いた二〇二二年の議会での聴聞会が、いずれも地球外生命体に関するものであることから、ある疑問が浮かんでくる。 「政府はすでに何を知っているのか?」そしてこれらの情報公開の急増からもう一つの疑問が生じる。「政府は我々を何に備えさせようとしているのか?」 その答えがこれから明らかになる。 〈あらすじ〉 ニュージーランド沖合での深海調査「タイタンプロジェクト」に参加した海洋生物学者のフィービー・リードは、新種と思われる巨大サンゴを発見する。しかし、プロジェクトは頻発する地震に悩まされていた。一方、香港滞在中に大地震に見舞われたシグマフォースのグレイ・ピアース隊長たちは、ペインター・クロウ司令官から中国の原子力潜水艦が行方不明になり、その場所が頻発する地震の震源が集中するトンガ海溝付近だと知らされる。グレイたちは中国の不審な動きを追うため、シンガポールの博物館に赴く。地震の調査のため深海探査艇でトンガ海溝に潜ったフィービーたちは、見たこともないような巨大なサンゴの森を目にする。だが、タイタンプロジェクトとグレイたちには地震とは別の危険が迫りつつあった。 -
自叙伝パトリック・スチュワート
舞台の名優にして、「スター・トレック」のピカード艦長、「X-MEN」のプロフェッサーXことチャールズ・エクゼビアで知られるサー・パトリック・スチチュワート初の自叙伝! 舞台・映画・テレビ──様々なフィールドで愛される俳優、そして生きた伝説、サー・パトリック・スチュワートが自らの人生を綴る。 〈ニューヨーク・タイムズ〉〈USAトゥデイ〉でベストセラーリスト入り 数多くの舞台で称賛され、『スタートレック』や『X-MEN』シリーズでの伝説的な映像作品まで、サー・パトリック・スチュワートは、舞台とスクリーンでの印象的な演技力で、世界中の観客の心を捕らえ、複数の世代にわたって人々を魅了してきました。本書は、サー・パトリック・スチュワートの驚くべき人生を描いたもの。彼の謙虚な起源から始まり、ハリウッドの頂点と世界的な称賛へと至るまでの物語は、著者自身と同様に躍動的であり感動的なものです。 ★著名な俳優からの賛辞の数々 「サー・パトリックはディケンズを地で行くような幼少期を過ごし、家庭内暴力と貧困にあえぎながらもチャンスと人々の善意に恵まれ、世界中から賞賛と愛を集める俳優へと成長した。演技と同様、彼は深い洞察と真実と情熱をもって文をつづる。またしても、スチュワートの快挙だ!」 ─サー・イアン・マッケラン 「サー・パトリックには長所がたくさんある。素晴らしい俳優にして見栄えもよく、すこぶる愉快で広い懐の持ち主。優しくて……情にあつく繊細で……。けれど本書を読めばわかるように、彼の人となりの最大の長所は、頭のてっぺんからつま先まで、どうしようもなく彼自身であることだ」 ─ウーピー・ゴールドバーグ 「読んでいるあいだ、驚異の念に打たれどおしだった。精妙なさじ加減のストーリーテラーとして、鋭い観察者としての著者の才能はもとより、それ以外の才能─知性、感性、機知、閃き、自己分析と胆力のすべてを惜しげなく、これほど長きにわたって鮮やかにわれわれに分け与えてくれたことに対して。読み終えたときはパトリックの才能、そして彼という贈りものに深い感謝の念を覚えた」 ─マイケル・シェイボン 「なんとも輝かしい回想録をサー・パトリック・スチュワートはものしてくれた。筆致はエレガントで美しく、ダイヤモンドのように澄みきって的確だ。彼の追憶する人生は優しさ、洞察、誠実さと熱意に満ちている。偉大な俳優としてわれわれを喜ばすのにこれほど多忙でなければ、偉大な作家になっていたに違いない。そして、本書でそうなった」 ─ジョナサン・エイミス -
「つれづれ、北野坂探偵舎」シリーズ【合本版】
異人館が立ち並ぶ神戸北野坂に佇む小さなカフェ「徒然珈琲」には、ちょっと変わった二人の探偵がいる。元編集者でお菓子作りが趣味の佐々波(さざなみ)と、天才的な作家だけどいつも眠たげな雨坂(あまさか)。現実の状況を「設定」として、まるで物語を創るように議論しながら事件を推理する彼らのもとには、今日も依頼が舞い込み――。 ※本電子書籍は『つれづれ、北野坂探偵舎 心理描写が足りてない』『つれづれ、北野坂探偵舎 著者には書けない物語』『つれづれ、北野坂探偵舎 ゴーストフィクション』『つれづれ、北野坂探偵舎 感情を売る非情な職業』『つれづれ、北野坂探偵舎 トロンプルイユの指先』『つれづれ、北野坂探偵舎 物語に祝福された怪物』を1冊にまとめた合本版です。 -
奈良いにしえ殺人事件
節分の夜、奈良の春日大社、万灯籠で目撃されたのを最後に、OL久美子が行方不明になった。後日、失踪直前まで一緒にいた友人・蔦沢智乃に電話が入り、吉野川上流の大迫ダムで遺体が発見されたが、それが久美子だという。久美子の意志による家出や失踪ではなかったのだ。 その後、なぜか、久美子が所有する代官山の超高級マンションが売却され、銀行の貸金庫からは国宝級の宝物が紛失してしまう。捜査にあたった奈良県警では事件解決の糸口すら見つけられず、宮之原警部が乗り出すことになった。 宮之原警部がいかにして事件の核心に迫っていくか――。久美子の友人・智乃を助手にした宮之原警部の推理と洞察力が冴え渡る! -
後宮の薬師 平安なぞとき診療日記
百花繚乱の後宮で怪事件が――。大陸から海を渡ってきた父に医術を学んだ娘・安瑞蓮【あん・すいれん】は、腕を見込まれて博多から上京。陰謀渦巻く都の後宮で、御簾【みす】の向こうの姫や女房達の身体や心の治療にあたるうち、奇っ怪な事件に巻き込まれていく。呪詛をしたのはいったい誰なのか。次の東宮になる思いがけない人物とは。瑞蓮と共に働くのは、若き医官の和気樹雨【わけの・きう】、ベテラン医官の石上崇高【いそかみの・むねたか】、それに加え、陰陽寮の学生・安倍晴明も現われて……。様々な噂が飛び交うなか、若き女医(薬師)が医学の知識を駆使して事件の解明に果敢に挑む、平安ミステリー。「平安あや解き草紙」シリーズが人気の著者による、女医を主人公にした「お仕事小説」。 -
偽令嬢の訳ありオークションカタログ
母の形見の行方を追う孤独な少女・アイレは、 手がかりを求め、差出人不明の招待状を携えて仮面オークション会場に足を踏み入れる。 絵画、宝石、アンティーク…。様々な品の売り立て(セール)が進行する中、 アイレは特殊な審美眼で、商品の中に贋作が紛れ込んでいることを見破る。 これをきっかけに、オークションを運営する侯爵家の若き当主・バルトルートに才能を見出され、 物腰柔らかな第五王子・フェリクス、ムードメーカーの男爵家次男・ジョシュアとともに、 オークショングループ<ハウス>の一員として、彼らの仕事を手伝うことに! 最初は上から目線のバルトルートが気に入らないアイレ。 しかし他人に上手く頼ることができない自分の性格を見抜き、 不器用ながらも手を差し伸べてくれるバルトルートに、徐々に心を開いていく。 しかし同時に、異常なまでに物の真贋に固執するバルトルートに違和感を覚える。 どうやらその理由は、彼がオークションを主催しているわけにも深く関わっているようで…?
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