岩波書店作品一覧

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  • 仲間とかかわる心の進化 チンパンジーの社会的知性
    -
    仲間と協力する。仲間をあざむく。高度な知性をもったがために、心の病を患う可能性すらあるチンパンジー。その社会的知性は進化の産物で本能に支えられてはいるけれども、年長者や他の子どもとのつきあいの中で経験と学習をしなければ育たない。かれらの知性の柔軟さともろさは私たち人間に何を教えてくれるのだろう。

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  • 予想脳 Predicting Brains
    -
    これほど盛んに研究されながら、脳科学は進むべき方向を見失っている。脳のさまざまな側面について蓄積された詳細かつ膨大な知見を統合する大きな枠組みが存在しないからだ。本書はその枠組みとして「予想脳」という概念仮説を導入し、多数の脳が相互に影響を及ぼしあっているという事実をもとに、脳の本質的な理解に迫る。

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  • 記憶をコントロールする 分子脳科学の挑戦
    3.6
    記憶の研究が目覚ましい。ついにDNAに連なる分子の言葉で語れるようになった。記憶を消したり想起させたり自由に操作できる日も夢ではない。そもそも記憶は脳のどこにどのように蓄えられるのかに始まり、短期記憶と長期記憶の違いは脳のどのようなメカニズムに由来するのかなどを語る。記憶研究から人間とは何かがわかる。

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  • 決着! 恐竜絶滅論争
    4.1
    恐竜はなぜ絶滅したのか。その理由は専門家にはすでに解決済みのことである。にもかかわらず、いまだに新説が出されてはマスコミを賑わす。業を煮やした著者らは、有名雑誌に決着宣言ともいうべき論文を投稿した。41人の共著論文だ。なぜ決着済みといえるのか。異説のどこが間違いなのか。とことん解説したのが本書である。

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  • 信頼の条件 原発事故をめぐることば
    -
    福島原発事故後、事実としても科学としても誤った発言が跋扈した。ところが、受け手の市民に責任が転嫁される事態が生じている。専門家といわれる人々のことばから論理の構造を抽出し、どこに問題があるのかを明確にする。信頼の条件とは、内容の確かさだけではない。科学者を含む市民皆が直視すべき、知識の扱い方の問題である。

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  • 量子力学の反常識と素粒子の自由意志
    4.0
    実在という物理の基礎概念に根本的な転換を迫った量子力学。その大成功の陰で過去の遺物と思われていた物理論文がよみがえった。いまやどんな論文をも凌駕するほどの勢いだ。それがアインシュタインのEPR論文だ。「量子もつれ」という考えの重要性と有用性が最近認識されて時代の寵児である。実在性と因果律の意味を読み解く。

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  • 「あっ、忘れてた」はなぜ起こる 心理学と脳科学からせまる
    3.3
    行きがけに手紙をポストに投函しようと思っていたのに、すっかり忘れていた──こんな経験は誰にでもあるだろう。なぜ人はそのような失敗をするのか。裏を返せば、どうして「しようと思っていたこと」を「タイミングよく」思い出せるのか。日常的な記憶経験を出発点に、心理学と脳科学の成果から、そのメカニズムを探る。

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  • 原発事故と科学的方法
    4.3
    原発事故の巨大さは事態の正視を妨げ、事故前にも事故後にも、嘘がまかりとおった。放射性物質や原発事故のリスクが一人一人の生活に上乗せされる時代に、信じるのではなく、嘘を見抜いて自ら考えていくための方法とは。事故後にほぼ正確に事態を捉えていた著者が語る、原発再稼働と健康被害推定をめぐる実践的な思考の書。

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  • こんどこそ! わかる数学
    4.0
    小学校・中学校時代には、算数・数学に興味関心を持つどころか大嫌いだったという著者。それだからこそ、大学は法学部に進んだのに、なぜか予想に反して数学者になってしまう。そんな著者が自身の悲惨な経験を踏まえ「もし中学生に教える機会があれば、こんな教え方をしてみたい」と思い立って書いたのがこの本だ。数学イメージが変わる。

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  • 科学の社会化シンドローム
    -
    ES細胞ねつ造が、韓国の社会をゆるがした。国内でも国立大学や一流研究所における論文ねつ造・データ改ざんの疑惑、研究費の不正運用が、世間を騒がせ科学システムを脅かす。社会からの要請を前に、病的症状を現しているかに見える科学は、今後どのようにあるべきか。研究の第一線にあった著者が、問題の根源から考察する。

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  • かけ算には順序があるのか
    3.1
    いま小学校の算数で「6人に4個ずつミカンを配ると、ミカンは何個必要ですか」という問題に、6×4=24という式を書くとバツにされる。かける順序は本来どちらでもよいはず。算数教育にまつわる問題点をよくよく考えてみると、かけ算や数の数え方には、意外にも深いものを秘め、思いがけない広がりがあることがわかる。

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  • 一億個の地球 星くずからの誕生
    5.0
    1995年秋、ついに太陽系外に惑星が見つかった。以後続々と惑星発見のニュースがもたらされたが、発見された惑星系は我々の太陽系とはかけ離れた異形のものだった。生命を育む星、地球。その存在は稀有で孤独なのだろうか。惑星系形成理論とコンピュータシミュレーションによって地球型惑星の存在に迫る。

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  • 新型インフルエンザH5N1
    3.7
    H5N1型インフルエンザは強毒性。発生は時間の問題だ。だれも免疫をもたないため、ふれれば全身感染をおこし、数日で死に至る可能性が高い。国内に侵入したら最後、あっという間に拡大するという。第一線の研究者が最新知見からそのメカニズムに迫り、科学的根拠を示す。さらにはワクチン開発の現状から対抗策を提案する。

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  • 数学者の視点
    4.0
    峻厳な山のように私たちを寄せつけようとしない現代の数学。数学とは一体どんな学問なのだろうか。数学者とはどんな人たちなのだろうか。研究の最前線にいる幾何学者が、日々の研究や教育、フィールズ賞をめぐる思惑、現代数学の動向などについて軽妙に語りながら、私たちには伺い知ることのない数学者の世界をいきいきと画き出す。

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  • エピジェネティクス入門 三毛猫の模様はどう決まるのか
    3.3
    三毛猫の三毛模様、アサガオの絞り模様…。遺伝子は同じでも、生物にはさまざまな外見や個性がある。これは遺伝子の働きを調整するエピジェネティクスによって偶然に決まっている。遺伝子を陰でダイナミックに操るしくみと、それによって生まれるさまざまな現象を解説し、病気との関係や新しい治療法開発の可能性を紹介する。

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  • 猿橋勝子という生き方
    4.0
    1巻1,320円 (税込)
    女性が理系の道を選ぶことも困難な時代に地球化学の分野で世界的な業績をあげ、さらに後進を育てようと女性科学者を顕彰する「猿橋賞」を設けた猿橋勝子。自らも猿橋の精神を受け継いで後進育成に尽力する著者が、その直向な生き方を伝えることで若い女性に勇気を与えたい、と次世代へのエールを込めて綴る渾身の評伝。

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  • 人文学と批評の使命 デモクラシーのために
    3.3
    人文学の危機が現代にもつ意味とはなにか.人文学的価値観はいかにデモクラシーに寄与しうるか.生涯を通して人文主義者を体現したエドワード・サイード.他者の歴史と思想に反映する自己批判からこそ,正確な自己認識が生まれると説き,人文学の真の目的をここに論じる.人文学再生にむけた,サイード最後のメッセージ.(解説=富山太佳夫)

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  • 宗教と科学の接点
    4.0
    科学技術が高度に発達した現代社会において,人間は生きていくために必要な大切な何かを見失ってしまったのではないか.ユング心理学者である著者が,「たましい」「共時性」「死」「意識」「自然」など,近代科学から取り残された問題を考察し,宗教と科学の接点の位置にある心理療法について論じる.(解説=河合俊雄)

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  • フェミニズム
    3.7
    フェミニズムとは,女の解放を意図しながら,「女」と位置付けられている者以外にフェミニズムを開いていくこと──最良の入門書であるとともに,男/女のカテゴリーを徹底的に解析する本書は,性差の虚構性を暴き,この身体から未来を展望する可能性を示す.齋藤純一氏との『思想』対談を付して文庫化.(解説=岡野八代)

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  • コブのない駱駝 きたやまおさむ「心」の軌跡
    4.5
    伝説の音楽グループ,フォーク・クルセダーズで活躍し,また作詞家として数々のヒット曲を手がけながらも,その後,精神科医となった著者の自伝.父親との葛藤,マスコミ体験の苦悩,親友との別れ…….波乱に満ちた人生と「心」の軌跡を振り返りながら,しぶとく生き続けるヒントを説く.鴻上尚史氏との対談を新たに収録.

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  • 開高健短篇選
    4.0
    1巻1,298円 (税込)
    ノンフィクションや釣魚紀行など様々な分野に多芸多才ぶりを発揮した作家,開高健(1930―89).その創作の原点である短篇を,文庫としてはこれまでにない規模で精選・収録.デビュー作,芥川賞受賞作から,ヴェトナムでの戦場体験や阿片吸引をモチーフにした中期の傑作をへて,死の直前に書き遺された絶筆まで,作家の生涯を一望する全十一篇.

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  • 私の日本語雑記
    3.0
    精神科医,またエッセイスト,翻訳家としても知られる著者の,多彩な言語経験を綴ったエッセイ集.自らの文筆活動に裏づけられた文章表現の極意や,外国詩の翻訳体験にもとづく文章論的発見,様々な言語と比較した際の日本語の特徴,言語の起源についての人類史的洞察など,言葉にまつわる知的刺激に満ちたエッセイを満載.(解説=小池昌代)

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  • 生命のひろがり
    -
    1巻1,287円 (税込)
    生きているとはどういうことでしょうか。地球ではいつ、どのようにして生命が生まれ、ひろまってきたのでしょうか。生命のたんじょうと進化の歴史をふりかえり、さらに、わたしたちの未来を考えます。

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  • 人気のあるレストラン
    -
    1巻1,281円 (税込)
    人気のあるレストランではお客さんのとだえることがありません。たくさんのお客さんに、しかも仲間同士がばらばらにならないようにすわってもらうにはどうすればよいでしょう。ちょっと工夫が必要です。

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  • 終わりのない仕事
    -
    1巻1,281円 (税込)
    ター君は外国にいる友だちに手紙を出したのですが、なかなか返事が来ません。手紙が相手に届いているかどうか確かめたいのですが、電話をかけるわけにもいきません。いったいどうしたらよいのでしょう。

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  • 山の背くらべ
    5.0
    1巻1,281円 (税込)
    百科事典が本箱にばらばらに並んでいます。これを番号順に並べかえたいと思います。あまり考えずにやると手間がかかって疲れてしまいますが、ちょっと考えてうまい方法を見つければ、簡単にできますよ。

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  • どんどん出てくる絵
    3.0
    1巻1,281円 (税込)
    イチョウの木をよく見ると、枝の形は木全体の形と同じです。その枝の中の小枝を見ると、やっぱり木全体と同じです。こんな不思議な形をしたものをたくさんお見せします。また一筆書きの書き方も教えます。

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  • カッコのない国
    5.0
    1巻1,281円 (税込)
    複雑な式でも、カッコをまったく使わないで計算する方法があります。ほら穴式計算法を使えば、式の前のほうから順番に計算していけばよいのです。こんな方法があるなら、カッコはいらないと思いませんか。

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  • こわれている電卓
    -
    1巻1,281円 (税込)
    足し算やかけ算が入り組んだ式を計算するときには、カッコをたくさん使いますね。すると、どのカッコとどのカッコが対応しているのかわからなくなります。でも、簡単に見分ける方法がありますよ。

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  • あいまいな文
    3.5
    1巻1,281円 (税込)
    正直な人とウソばかりつく人がいます。道に迷ったとき、ショウジキかウソツキかわからない人に道を教えてもらうには、どうしたらよいでしょうか。ちょっと工夫した質問をすれば正しい答が返ってきますよ。

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  • 1と0の世界
    3.0
    1巻1,281円 (税込)
    コンピュータの世界では1と0を使い2進法で数を表します。すると、しっかり屋、うっかり屋、へそまがり屋の3人の判断を組み合せるだけで、足し算やかけ算ができるようになります。これは便利ですね。

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  • 東の国から 新しい日本における幻想と研究
    3.5
    日清戦争前夜,古代伝説の地出雲から,軍都の色彩を強めていた熊本に移住したハーン.旅の宿屋で夢のあわいに浦島伝説へと入りこんだような「夏の日の夢」,一つの心中事件を描いて日本人の〈信仰〉に迫る「赤い婚礼」他,〈詩人の直観と哲人の思索〉に基づく繊細な筆をもって書き綴った,近代日本の肖像.(解説=西成彦)

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  • 和菓子の京都 増補版
    3.5
    御粽司・川端道喜は,室町時代から長く御所に餅や菓子を納めてきた.十五代当主はかつて,この国の四季と結びついた和菓子のゆたかな世界,そして菓子づくりの自身の経験を語り下ろした.多くの人々に愛読されてきたこの書に,春夏秋冬,折々につくられている和菓子の写真を添え,当家の現代表が今日までの歩みを増補する.

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  • ポリアーキー
    4.0
    ダール(1915-2014)は,理念としての「民主主義」と区別して,実際に存在する比較的民主化された体制を「ポリアーキー」と呼んだ.「参加」と「自由化」を指標とし,ポリアーキーの成立や変容を左右する政治的条件を分析する.現実を測り異なる政治体制に比較の道を開いた,民主主義理論史上画期をなす著作.(解説=宇野重規)

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  • 形而上学叙説 他五篇
    -
    バロックの天才ライプニッツ.実体の概念には「それ自身に起きるすべての出来事が含まれている」と説いた中期の代表作『形而上学叙説』をはじめ,アルノー宛書簡,デカルト哲学と対峙した「デカルト『哲学原理』評釈」などを収録.ライプニッツの世界観の形成過程と後年の「モナド」や「予定調和」の萌芽をここに見る.新訳.

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  • 新編 イギリス名詩選
    -
    ページを開けばきっと,声に出して読みたくなる――詩人たちの〈歌う喜び〉を感じさせてやまない,イギリスの名詩の数々.一六世紀のスペンサーから二〇世紀後半のヒーニーまで,もっとも愛され親しまれている九二篇を,英語の原詩・和訳ともに堪能できる対訳で編む.日本の読者の理解を支える注釈・解説も充実,待望の新編.※この電子書籍は「固定レイアウト型」で作成されており,タブレットなど大きなディスプレイを備えた端末で読むことに適しています.また,文字だけを拡大すること,文字列のハイライト,検索,辞書の参照,引用などの機能は使用できません.

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  • 人類歴史哲学考(一)
    完結
    -
    「人類は全体として何なのか?」 自然風土に基づき世界各地の民族と歴史を描き,その中心に人間性(フマニテート)の開花を見出そうとした本書は,文化の多様性を唱え,のちの歴史主義や和辻哲郎の風土論などに多大な影響を与えた.第1分冊(第1部)は,地球を概観し有機的生命の発展の中に人間を位置づける.(全5冊)

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  • 学力喪失 認知科学による回復への道筋
    4.5
    乳幼児は驚異的な「学ぶ力」で言語を習得できる.しかし学校では多くの子どもたちが学力不振に陥り,学ぶ意欲を失ってしまう.なぜ子どもたちはもともと持っている「学ぶ力」を,学校で発揮できないのか.「生きた知識」を身につけるにはどうしたらよいのか.躓きの原因を認知科学が明らかにして,回復への希望をひらく.

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  • 晩年
    3.8
    1巻1,276円 (税込)
    「私はこの本一冊を創るためにのみ生まれた」――〈太宰治〉という作家の誕生を告げる小説集であると同時に,その最高傑作とも言われる『晩年』.まるで散文詩のような冒頭の「葉」,〈自意識過剰の饒舌体〉の嚆矢たる「道化の華」他,日本近代文学の一つの到達点を,丁寧な注と共に深く読み,味わう.(注・解説=安藤宏)

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  • 人倫の形而上学 第一部 法論の形而上学的原理
    -
    カントが約三十年構想し続け,最晩年ついに刊行された,実践哲学の〈主著〉と見るべき大著.「自由」の「体系」をめぐって,とくに第一部にあたる本書では行為の「適法性」を主題とする.「法論への序論」では「法とはなにか」という根本問題を提示,私法と公法の二部から成る本論へと展開する.新訳による初めての文庫化.

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  • モイラ
    3.5
    「君ほどは白からず……」──ジョゼフは白い肌に赤毛の十八歳.人の心を騒がす美貌ながら,極度の潔癖さと信仰心ゆえに学生らしい気軽な会話を嫌悪し,好意を示す人たちと事あるたびに衝突する.孤独の中で,夢想にふける彼の前に運命の少女モイラが現れ…….一九二〇年のヴァージニアを舞台に,端正な文章で綴るグリーンの代表作.

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  • 社会学の新地平 ウェーバーからルーマンへ
    4.3
    マックス・ウェーバーとニクラス・ルーマン――科学技術と資本主義によって規定された産業社会の謎に挑んだふたりの社会学の巨人.難解で知られる彼らが遺した知的遺産を読み解くことで,私たちが生きる「この」「社会」とは何なのかという問いを更新する.社会学の到達点であり,その本質を濃縮した著者渾身の大作.

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  • 万葉集(一)
    4.8
    日本の詩歌の源,最古の歌集.奈良時代末に編まれて以降,読み継がれてきた二十巻四千五百余首には,宮廷歌人から無名の男女に至る人々の心が映される.本冊には巻一―巻四,雄略天皇・額田王・柿本人麻呂・大伴旅人らの雑歌・相聞・挽歌・譬喩歌を収録.新日本古典文学大系に基づき,86年ぶりに全面刷新した文庫版.(全五冊)※この電子書籍は「固定レイアウト型」で作成されており,タブレットなど大きなディスプレイを備えた端末で読むことに適しています.また,文字だけを拡大すること,文字列のハイライト,検索,辞書の参照,引用などの機能は使用できません.

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  • 夢・神話・物語と日本人 エラノス会議講演録
    -
    日本人の心について生涯探究し続けた河合隼雄.本書は,その河合隼雄が日本の夢・神話・物語などをもとに日本人の心性を解き明かしたエラノス会議での講演をまとめたもの.『昔話と日本人の心』『神話と日本人の心』などの代表作に結実する思想のエッセンスが,最初に海外に発信された貴重な講演の記録.(解説=河合俊雄)

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  • 歴史像を伝える 「歴史叙述」と「歴史実践」
    4.0
    「歴史総合」の授業では,教室での「私たち」が,教科書をはじめとする,「私たち」を主語にした「歴史叙述」を解釈し,歴史の知識と歴史的思考力をむすびつけ,〈いま〉と過去とを往還する「歴史実践」の対話を行うことが求められる.本巻は,シリーズ第1巻の総論的な『世界史の考え方』に続き,歴史を学ぶ営みに迫る.

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  • 世界史の考え方
    4.1
    近現代の日本史・世界史を総合し,近代化,大衆化,グローバル化の歴史像を考える高校の必修科目が始まる.シリーズ第一巻は中国史,イギリス史,アメリカ史,アフリカ史,中東史の歴史家とともに,近現代史の名著を題材に,歴史研究の最前線や歴史像の形成過程,概念に基づく比較,問いや対話による歴史総合の実践を示す.

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  • ビヒモス
    4.5
    主著『リヴァイアサン』で知られるホッブズ(1588-1679)の政治論はいかに構築されたのか.本書は著者晩年の代表作.世代の異なる2人の対話形式で,1640―50年代のイングランド内戦の勃発から王政復古までをたどった同時代史である.主権解体の原因と経過,その後の無秩序の分析に著者の歴史観がうかがえる.本邦初訳.

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  • ヒトラー 虚像の独裁者
    4.2
    1巻1,276円 (税込)
    ヒトラー(一八八九─一九四五)とは何者だったのか.ナチ・ドイツを多角的に研究してきた第一人者が,最新の史資料を踏まえて「ヒトラー神話」を解き明かす.生い立ちからホロコーストへと至る時代背景から,死後の歴史修正主義や再生産される「ヒトラー現象」までを視野に入れ,現代史を総合的に捉え直す決定版評伝.

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  • マルコヴァルドさんの四季
    4.0
    自然を愛する敏感な心をもったマルコヴァルドさんが,都会のまんなかで,四季折々にくりひろげる物語.ちょっととぼけていて,どことなく憂鬱そうなマルコヴァルドさんとその家族のかもしだすユーモアは,暮らしをとりまく環境と心のバランスを失ってしまった現代人に,どんぴしゃり! 文豪カルヴィーノの傑作を新訳で.

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  • 余はいかにしてキリスト信徒となりしか
    4.0
    幕末から明治へ,激動する時代を生きた内村が,自らの魂の変容を記した記録.札幌農学校に進学した青年は,上級生に強制されてキリスト信徒となり,新しい自分と世界を知る.二十四歳で単身渡米,養護院で働き大学に通うなかで,徐々に天命を悟る.傑出した宗教家は,キリスト教の「聖地」アメリカと明治日本で,何を見,経験したのか.【新訳】

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  • ノートル=ダム・ド・パリ 上
    3.8
    1~2巻1,276~1,430円 (税込)
    フランス・ロマン主義を代表する作家ユゴー(1802-85)が,1482年のパリを舞台に中世の社会と民衆の風俗を生き生きと描く.醜い鐘番のカジモド,美しい踊り子エスメラルダ,陰鬱な司教補佐クロード・フロロ.〈宿命〉によって結ばれた登場人物たちが,運命にもてあそばれ,愛や情熱や嫉妬といった感情のドラマを繰りひろげる.(全2冊)

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  • 大衆の反逆
    4.1
    スペインの哲学者オルテガ・イ・ガセット(一八八三─一九五五)による痛烈な時代批判の書。自らの使命を顧みず、みんなと同じであることに満足しきった「大衆」は、人間の生や世界をいかに変質させたのか。一九三〇年刊行の本文に加え、「フランス人のためのプロローグ」および「イギリス人のためのエピローグ」も収録。(解説=宇野重規)

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  • ガリヴァー旅行記
    3.9
    子供のころ誰しも一度はあの大人国・小人国の物語に胸を躍らせたにちがいない。だが、おとなの目で原作を読むとき、そこにはおのずと別の世界が現出する。他をえぐり自らをえぐるスウィフト(一六六七―一七四五)の筆鋒は、ほとんど諷刺の枠をつき破り、ついには人間そのものに対する戦慄すべき呪詛へと行きつかずには止まない。

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  • アリストテレス 形而上学 上
    4.2
    1~2巻1,276~1,353円 (税込)
    哲学のもっとも根本的な問題の探求をめぐるアリストテレスの一群の論文を集録したもの。千数百年にわたって西洋の世界観に決定的な影響を与えたばかりでなく、西洋哲学の多くの基本概念を生み出した著作で、そこに示される問題分析の態度や発展流動する弁証法的思考方法は永久に研究者の模範となるものである。

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  • 新約聖書 福音書
    4.0
    新約聖書冒頭におかれた、マルコ、マタイ、ルカ、ヨハネの四つの福音書は、それぞれにイエス・キリストの地上における言行を記録し、これを「喜びのおとずれ」として告げ知らせたもの。本文庫版は口語訳の実現に半生を捧げた訳者が、教説に捉われず、正確さ、分りやすさに全力を注いで成った万人のための福音書である。

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  • ギリシア・ローマ神話 付 インド・北欧神話
    3.7
    西欧の文化芸術に親しもうとする人にとってギリシア・ローマ神話の知識は不可欠である。この分野の学問的研究は長足の進歩をとげたが、しかし神々と人間の豊かで興味つきぬ世界を描いたブルフィンチ(一七九六―一八六七)のこの書物はすこしも価値を減じていない。『伝説の時代』の中から神話篇の全部を収めた。

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  • ホメロス イリアス 上
    4.2
    1~2巻1,276~1,364円 (税込)
    一○年にわたるトロイア戦争の末期、物語は、激情家で心優しいギリシア軍第一の勇将アキレウスと王アガメムノンの、火を吐くような舌戦で始まる。トロイア軍の総大将ヘクトル、アキレウスの親友パトロクロス、その敵討ちに奮戦するアキレウスら、勇者たちの騎士道的な戦いと死を描いた大英雄叙事詩。格調高く明快な新訳。

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  • 怒りについて 他2篇
    4.3
    動乱のローマ帝政初期、皇帝ネローの教育係となったストア派の哲学者セネカ(前4頃-後65)は、のちにネローの不興を買い、自決せねばならなかった。ストア派の情念論を知るうえで重要な「怒りについて」と、「摂理について」「賢者の恒心について」を収録。白銀期ラテン語の凝集力の強い修辞を駆使した実践倫理の書。新訳。

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  • 種の起原 上
    4.0
    1~2巻1,276~1,353円 (税込)
    自然淘汰と適者生存の事実を科学的に実証して進化論を確立し、自然科学の分野においてはもちろん、社会観・文化観など物の見かた全般に決定的な影響を及ぼした著作として、この『種の起原』の名を知らぬ人はないであろう。底本には一八五九年の初版を用い、最終版たる第六版までの各版の異同をくわしく記した決定版である。

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  • 意識と本質 精神的東洋を索めて
    4.5
    東洋哲学の諸伝統の分析から得た根元的思想パターンを己れの身にひきうけて主体化し、その基盤の上に新しい哲学を生み出さなければならない。本書はこうした問題意識を独自の「共時的構造化」の方法によって展開した壮大な哲学的営為であって、その出発点には自分の実存の「根」が東洋にあるという著者の痛切な自覚があった。

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  • モーゲンソー 国際政治 (上) 権力と平和
    4.8
    1~3巻1,276~1,386円 (税込)
    国際政治学は「モーゲンソーとの対話」の歴史である。あるがままの人間を観察すれば、政治はつねに権力闘争である、という命題に行きつく。人間性についての怜悧な仮説に基づくモーゲンソー(1904―80)の現実主義とは何か。国家の外交に「力」と「国益」という概念の導入を主張した、二十世紀国際政治学の古典的名著。(全三冊)

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  • ジェイン・エア (上)
    4.5
    幼くして孤児となり、親類に疎まれ寄宿学校に入れられたジェイン。十八歳の冬、自由と自立を志して旅立つ――家庭教師として雇われた森深い邸で待つ新しい運命。自らの信念と感情に従って考え行動するジェインの率直で饒舌な語りは、今なお読者を魅きつけてやまない。ブロンテ姉妹のひとりシャーロット(1816-55)の代表作。新訳。(全2冊)

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  • 地底旅行
    3.9
    ドイツの鉱物学者リーデンブロック教授は、16世紀の錬金術師が謎の文字を書き残した羊皮紙を発見、甥アクセルの協力を得て苦心のすえ解読した。そこにはアイスランドの火山の噴火口から地球の中心に達することができると書かれていた。これが13週間に及ぶ地球内部への旅の始まりになった。ヴェルヌ(1828-1905)の最高傑作。挿絵多数。

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  • イギリス史10講
    3.8
    ストーンヘンジの先史時代から、ローマやヴァイキングの到来、ヘンリ八世の離婚とイギリス国教会、名誉革命や産業革命、ヴィクトリア時代、二つの大戦を経た現在まで――。さまざまな要素を取り入れ複合社会を形成するイギリスを、繊細かつダイナミックに描く。最新の研究成果を反映、読み物としての面白さも追求した、意趣に富む全10講。

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  • エミール 上
    3.9
    家庭教師は凡人を自然という師に従っていかに導くのか―。教育思想史上不朽の古典。全3冊の第1冊。

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  • 新訂 福翁自伝
    4.3
    明治三十年、福沢は六十年の生涯を口述し、のちその速記文に全面加筆して『自伝』を書きあげる。語るに値する生涯、自らそれを生きた秀れた語り手という希有な条件がここに無類の自伝文学を生んだ。近代日本の激動期を背景に、常に野にあって独立不羈をつらぬいた精神の歩みが大らかに語られている。 (解説 小泉信三・富田正文)

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  • 論語
    4.2
    古代中国の大古典「四書」のひとつで、孔子とその弟子たちの言行を集録したもの。古い道徳主義のイメージをもつ人もあろうが、人間として守るべきまた行うべき、しごく当り前のことが簡潔な言葉で記されている。長年にわたって親しまれてきた岩波文庫版『論語』がさらに読みやすくなった改訂新版。

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  • 白鯨 上
    4.1
    1~3巻1,276~1,364円 (税込)
    巨大な白い鯨〈モービィ・ディック〉をめぐって繰り広げられる、アメリカの作家メルヴィル(1819―1891)の最高傑作。本書は海洋冒険小説の枠組みに納まりきらない、法外なスケールとスタイルを誇る、象徴性に満ちあふれた「知的ごった煮」であり、およそ鯨に関することは何もかも盛り込んだ「鯨の百科全書」でもある。新訳(全3冊)

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  • ヨーロッパ・コーリング・リターンズ 社会・政治時評クロニクル 2014-2021
    3.8
    人か資本か.優先順位を間違えた政治は,希望を奪い,貧困と分断を拡大させる.話題を呼んだ『ヨーロッパ・コーリング』を改編し,コロナ禍の考察を含む以降の時評を大幅に加えた最新版.激動の時代に,子どもや若者,女性,移民,労働者たちが暮らす地べたから,鋭く温かく英国の世相を読み解き,日本の課題を照らし出す.

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  • 放浪記
    3.8
    1巻1,265円 (税込)
    私は宿命的に放浪者である――若き日の日記をもとに記された林芙美子(1903―51)の生涯の代表作.舞台は第一次大戦後の東京.地方出身者の「私」は,震災を経て変わりゆく都市の底辺で,貧窮にあえぎ,職を転々としながらも,逆境にめげることなくひたすらに文学に向かってまっすぐに生きる.全三部を収録.(解説=今川英子)

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  • キーツ詩集
    4.0
    25年あまりの短い生涯の間にきわめて感覚的で豊かな詩情をうたったイギリス・ロマン派を代表する詩人ジョン・キーツ(1795―1821).その主要な二詩集に,生前には詩集に収録されなかった拾遺詩篇を精選して収録.長篇物語詩,ソネット,オードなど,〈美の詩人〉キーツの様々なジャンルの詩の魅力にふれる一冊.

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  • 占領期カラー写真を読む オキュパイド・ジャパンの色
    4.5
    七〇年以上前,占領下の日本において,アメリカ人によって無数のカラー写真が撮影され,いま,それらが続々と世に出てきている.「敗者」を撮ったそれらには,当時の人々,日常,風景が,驚くほどあざやかな色とともに焼き付けられている.目を奪われてはならない.そこから何が分かるのか? 資料として活用するには?

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  • 荒涼館 一
    4.0
    「おまえはおかあさんの恥でした」──両親の名も顔も知らず厳しい代母に育てられたエスターと,あまたの人を破滅させてなお継続する「ジャーンダイス訴訟」.この二つをつなぐ輪は何か? ミステリと社会小説を融合し,呪われた裁判に巻き込まれる人々を軸に,貴族から孤児まで,19世紀英国の全体を書ききったディケンズの代表作.(全四冊)

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  • クオーレ
    4.3
    ジェノバの少年マルコが母親を捜して遠くアンデスの麓の町まで旅する「母をたずねて三千里」の原作を収録。どこの国でも、いつの時代でも変わらない親子の愛や家族の絆、あるいは博愛の精神を、心あたたまる筆致で描く、デ・アミーチス(1846-1908)の代表作。世界中の人びとに愛読されつづけてきたイタリア文学の古典的名作の新訳。改版

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  • ユートピアだより
    4.6
    目覚めると、そこは22世紀のロンドン――緑したたり、水は澄み、革命ののち人々が選びとった「仕事が喜びで、喜びが仕事になっているくらし」に、驚き戸惑いつつ触れてゆく「わたし」。社会主義者にして美術工芸家モリス(1834―96)のあらゆる実践と批判、理想と希望が紡ぎ出す物語。清新な訳文に、豊富な訳注を付す。(新訳)

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  • 戦争と平和 (一)
    3.7
    1~6巻1,254~1,364円 (税込)
    1805年夏、ペテルブルグ。英雄か恐怖の征服者か、ナポレオンの影迫るロシア上流社会の夜会に現れた外国帰りのピエール。モスクワでは伯爵家の少女ナターシャが平和を満喫。だが青年の親友や少女の兄等は戦争への序走に就いていた。愛・嫉妬・野心・虚栄・生死――破格のスケールと人間の洞察。世界文学不朽の名作! 新訳。

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  • 砂漠でみつけた一冊の絵本
    NEW
    5.0
    次男を喪い砂漠のように乾ききった著者の心を救ったのは,一冊の絵本だった.それをきっかけに,著者は大人にとっての絵本の意味を見出す.著者自身の絵本との不思議な出会いから,大人にとって癒しとなる絵本の効果,子どもの心を育てる絵本の読み聞かせの効果などを,多くのエピソードをまじえて語る.(解説=落合恵子)

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  • ヒバクシャの心の傷を追って
    -
    被爆による「体の障害」に比べて圧倒的に報告の少ない「心の傷」――癒えることのない傷は,一生放射能の恐怖に追いかけられるために生じる,きわめて重篤で特殊なPTSDだ.診察室の内外で,被爆者に長年向き合ってきた精神科医だからこそ発表できた数々の証言を紹介.これらを冷徹な目で分析した他にない労作.解説=栗原淑江.

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  • わたしが生きた「昭和」
    4.0
    貧しさゆえに一家で「満州」に渡り過ごした少女時代,敗戦後の難民生活と家族の運命….つねに声なき民の側に立って歴史を見つめ続けてきたノンフィクション作家が,今初めて自身の今日までの人生と家族の歴史に焦点をあて,「昭和」という時代の検証に挑む.作家活動の原点を示す記念碑的作品.

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  • 未来からの遺言 ある被爆者体験の伝記
    4.7
    吉野啓二さん(仮名)が語った被爆者としての半生は,きわめて具体的で未曽有の衝撃力を備えていた.だが感動的なその証言の中に大きな謎が含まれていたことが判明する.果たして吉野さんは幻を語ったのか.被爆者の声を生涯記録し続けた著者が,吉野さんの軌跡に寄り添い,被爆者とは何かを根底から問い直した衝撃の一冊.待望の復刊.(解説=今野日出晴)

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  • 司馬遼太郎の「跫音」
    4.5
    「人間にとってその人生は作品である.この立場で私は小説を書いている」――そう記した司馬遼太郎の人生は,どのような作品だったのか.その読み解きと,戦後知識人たちと対話する姿勢から,歴史小説家としての,また文明批評家としての,歴史と人間の物語に対する透徹したまなざしが,いま浮き彫りになる.

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  • 増補 教育再生の条件 経済学的考察
    -
    日本の教育の危機は,学校教育の危機であるにとどまらず,日本社会の構成員を育成するのに失敗しているという社会全体の危機でもある.工業社会から知識社会への転換点でもある今,どのような教育改革が必要とされているのか? スウェーデンの事例などを参考に考察し,真に教育を再生させる道を提示する.(解説=佐藤学)

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  • 新版 一陽来復 中国古典に四季を味わう
    4.3
    「一陽来復」とはもともと,陰暦十一月の冬至,一年で夜が最も長い日に陰が極まって陽が戻ってくることをいう.巡りゆく季節を彩る花木や懐かしい風物に,中国の古典詩・随筆・歳時記に描かれた印象深い情景を重ね合わせ,明るい世界の到来を願いつつ心伸びやかに生きる日常を綴った滋味あふれる随筆集.(解説=井波陵一)

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  • 新年の挨拶
    3.0
    年のはじめに受け取る不思議な懐かしさの電話.折々の手紙・読書・出会いを通じて届く思いがけない呼びかけ.それにこたえる心の中での新しい動き,深められていく生と死への想いを,人生の挨拶として綴ったエッセイ集.物語りをする仕方で生きてきた小説家としての人生を顧みるエッセイ「生きられた人生の物語」を新たに加筆.

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  • 独裁と民主政治の社会的起源 近代世界形成過程における領主と農民 上
    3.5
    なぜイギリス・フランス・アメリカでは自由民主主義が成立し,日本やドイツではファシズムを招来したのか.ロシアと中国で共産主義革命が起きた理由はなにか.各国が経験した近代化の異なる道筋を,社会経済構造の差に注目して説明した比較近代化論の名著(一九六六年刊).上巻ではイギリス・フランス・アメリカ・中国を分析する.

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  • 精神と自然 生きた世界の認識論
    4.0
    私たちこの世の生き物すべてを,片やアメーバへ,片や統合失調症患者へ結びつけるパターンとは? 日常の思考の前提を問い直し,二重記述,論理階型,散乱選択といった道具立てによって,発生も進化も学習も病理も包み込むマインドの科学を探究したベイトソン(1904-80).そのエコロジカルな認識論の到達点を自ら語った入門書.

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  • 大隈重信自叙伝
    -
    日本の近代化を推進した大隈重信(1838―1922)の回顧談から自伝的な記述を編集・収録。生い立ち、幕末佐賀藩における少壮時代、空理空論を排して「活学」を志向した青年期、新政府での活躍、征韓論政変、政界からの引退と復帰、東京専門学校と立憲改進党の創設などの回顧から、当時の混沌とした政情と、政策決定の裏面が浮かび上がる。

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  • オウエン自叙伝
    4.8
    ロバート・オウエンは単なるユートピア社会主義者ではなく、若くして自ら経営したニウ・ラナアックの紡績工場を舞台に、新しい労働の原理に基づく新天地を開拓した実践の人であり、産業革命期の風雲児であった。この自伝は彼が徒弟見習から身を起し名を遂げるまでの一生の記録であり、また労働運動史上のもっとも興味深い資料でもある。

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  • 野に出た小人たち
    3.9
    床下にひっそりとくらしていた小人の一家は,人間に見つかり,未知の野原へ脱出します.生まれてはじめて野原にきた小人の少女アリエッティは,まぶしい日の光や野イチゴつみを楽しみ,野育ちの小人スピラーと友だちになります.けれども,戸外の生活は危険がいっぱいです.ファンタジーの傑作「小人シリーズ」第2作.

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  • シオニズム イスラエルと現代世界
    NEW
    -
    イスラエルはなぜ国際社会の反対や懸念をよそに,ガザを徹底して攻撃するのか.パレスチナにユダヤ人の民族的拠点をつくるという思想・運動である「シオニズム」.ホロコースト以前に東欧で生まれ,建国後はイスラエルを駆動し続けるこの思想の起源と変遷をたどり,その多様性と核心に迫る.現代世界を読み解く必携の1冊.

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  • 僕が批評家になったわけ
    5.0
    批評に背を向けても,私たちは生きられる.だが,もし批評がこの世に存在しなかったら,私たちの思考は,いまよりもっと貧しいものになっていただろう.学問とも哲学とも異なる,「自分で考えること」を手放さない批評――その営みが世界と切り結ぶ思考の原風景から,批評が私たちの生にもつ意味と可能性を明らかにする.

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  • 南京事件 新版
    4.7
    1937年,日本軍は中国での戦線を拡大し,戦争の泥沼に突き進んだ.その一大汚点としての南京事件.殺戮・略奪・強姦の蛮行はいかなるプロセスで生じ,推移し,どんな結果を招いたのか.日中全面戦争にいたる過程,虐殺の被害の実相,推定死者数等を旧版より精緻に明らかにし,事件の全貌を多角的に浮かび上がらせる増補決定版.

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  • 日本軍慰安婦
    4.7
    一九九一年の金学順さんの告発に衝撃をうけた著者は関係文書を丹念に収集分析し,九五年刊行の『従軍慰安婦』で「慰安婦制度」の主体が軍であったことを明らかにした.しかし「軍慰安婦」たちの苦難を否定する声は今も後を絶たない.前著刊行後明らかになった多数の資料や証言も用い,あらためてその全体像と実態を描き出す.

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  • 昭和問答
    3.8
    昭和は,今この瞬間の私たちの立っている時空につながる.なぜ競争から降りられないのか,国にとっての独立・自立とは何か,人間にとっての自立とは何か.これらの難問に答えるべく,明治・大正から平成までを縦横に語りつつ,各々が昭和を知るための本も紹介する.好評『日本問答』『江戸問答』に続く第三弾.

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  • 朝鮮民衆の社会史 現代韓国の源流を探る
    3.0
    1巻1,232円 (税込)
    韓国は儒教国家と称されるが,それは事実の半面に過ぎない.歴史の基底には,道徳を重んじ上昇志向の強いエリート層とは別に,力弱い周辺的存在たちが生きる世界があり,多様な共同体や信仰,祭礼,文化が根づいている.日常と抗争のはざまにある苦楽を交えた生活が社会を動かすエネルギーを生んでいく.その道程を描く.

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  • なぜ難民を受け入れるのか 人道と国益の交差点
    4.5
    世界であいつぐ迫害や人権侵害.「自国第一」を掲げるポピュリズムの台頭.状況が年ごとに複雑になるなか,国際社会は葛藤を抱えつつも難民保護の取り組みを続けている.各国はいかなる論理と方法で受け入れを行なってきたのか.日本の課題は何か.政策研究の知見と実務経験をふまえ,多角的な視点で難民「問題」を考える.

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  • 頼山陽 詩魂と史眼
    3.0
    1巻1,232円 (税込)
    頼山陽の『日本外史』は,歴史に生きる人間の姿を鮮やかに描き出すことで多くの人々を魅了し,後世に多大な影響を与えた.山陽の詩人としてのあり方と,歴史叙述の方法とはどのように結びついていたのか.詩人の魂と歴史家の眼を兼ね備えた不世出の文人の生涯を,江戸後期の文事と時代状況のなかに活写する画期的評伝.

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  • スタートアップとは何か 経済活性化への処方箋
    4.1
    イノベーションや雇用創出といった経済活性化への期待も寄せられるスタートアップ(創業間もない企業).アカデミックな知見に基づきその実態を見定め,不確実性とリスクを負担し勝者になる可能性のある「挑戦者」への適切な支援を考える.新しい事業に取り組む「挑戦者」に対する社会の態度がいま問われている.

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  • 抵抗の新聞人 桐生悠々
    4.0
    社説「関東防空大演習を嗤ふ」で軍部を激しく怒らせた桐生悠々.明治末から日米開戦前夜まで,『信濃毎日』『新愛知』の主筆として,また個人雑誌『他山の石』の発行人として,反戦と不正追及の姿勢を貫いた烈々たる生涯を時代の変転のなかに描き切る.五男による回想「私にとっての〈親子関係〉」も収録.[解説=青木理]

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  • 新種発見物語 足元から深海まで11人の研究者が行く!
    -
    発見の裏には,たくさんのドラマがある! 子どもの頃から追い求めて,偶然見かけて――ちょっとした疑問が,深い探究へとつながっていく.舞台は身近な環境から遠く危険な未踏の地まで.虫,魚,貝,鳥,植物,菌など未知の生物との出会いにワクワクしながら,研究者たちの歩みを追体験.分類学の基礎も楽しく身につく,濃厚な入門書.

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