作品一覧

  • 環境DNA入門 ただよう遺伝子は何を語るか
    4.4
    1巻1,320円 (税込)
    魚も,カエルも,私たちも,DNAを撒きちらしながら生きている!? 生きものたちが「そこにいた」痕跡,環境DNAは,生物研究の新たな扉を開きつつある.川や海の水をくめばそこにすむ魚がわかり,葉っぱに残されたはみ跡から「犯人」がわかる――.分析の黎明期を知る第一人者が,その驚くべき可能性を臨場感たっぷりに語る.

    試し読み

    フォロー

ユーザーレビュー

  • 環境DNA入門 ただよう遺伝子は何を語るか

    Posted by ブクログ

    水中には、遺伝子の残骸がいくつも漂っている。それを収集して解析すれば、どんな生きものがいたかがわかるはず。それは、残された髪の毛、指紋、血液や体液から、だれが現場にいたかを特定する科学捜査に似ている。でも、DNAの断片が相手なんだから、そう簡単にいくわけがない、たぶんだれしもがそう思っていた。微量だし、すぐ減少するし、コンタミもあるだろうし、それに検出に用いるプライマーの問題もある。
    ところが、うまくいったのだ。本書は、いま邁進しつつあるこのeDNA研究の入門書。単一種の検出に始まり、同時並列の多種の検出、外来種や希少種の分布、個体数の推定、全国の魚類分布調査、空気中や土中の調査……アイデアを

    0
    2025年05月07日
  • 環境DNA入門 ただよう遺伝子は何を語るか

    Posted by ブクログ

     DNA分析技術が進歩することで、新しい知見がどんどん出てくる。『環境DNA』という言葉を見たので、まずは入門書から読んでみた。おもしろい。ここまで、わかってきたのか。また、著者はうまくいかなかった例(コンタミネーションが起こる)をうまく取り上げて、技術のブラッシュアップについて素直に語るのが素敵だ。
     魚は、水の中に自分のDNAを放出している。(体液?分泌液?糞?精子?一体どこから出てくるのだろうか?本では説明されていない。)その出されたDNAは、本来低温や低酸素といった特殊環境に限られていると思われていた。著者は2009年にコイの感染症であるコイヘルペスを川や湖でそのウイルスがいるかを調べ

    0
    2024年08月17日
  • 環境DNA入門 ただよう遺伝子は何を語るか

    Posted by ブクログ

    20240621019

    環境DNAの可能性、未来。あとがきにある「人間が想像できることは、人間が必ず実現できる」というジュールヴェルヌの言葉は筆者の本心でもあり、私たちへのエールであると感じる。

    0
    2024年06月21日
  • 環境DNA入門 ただよう遺伝子は何を語るか

    Posted by ブクログ

     「環境DNA」という言葉は,どれくらい市民権を得ているのだろうか? 
     わたしは,昨年,地元のアメリカザリガニ調査の際に,東京から来ていた研究者(というか会社の方が),この環境DNAを使って,ため池にアメリカザリガニが済んでいるかどうかを判断するための「水」を組んでいるのを見て,いろいろ質問したので興味を持っていたのであった。そのとき,PCRという言葉もお聞きして,「なんだ,コロナの検査と同じじゃないか」と思ったことも覚えている。
     環境(例えば水の中)に散らばっている生き物の片鱗・DNAを採取して,それを濾過,増幅し,その環境にどんな生き物がいるのかを推定するという素晴らしい技術か開発され

    0
    2023年08月28日
  • 環境DNA入門 ただよう遺伝子は何を語るか

    Posted by ブクログ

    環境からDNAを抽出してその環境の生態系を明らかにしてゆく面白い分野。もともとは、特定の生物種を見つけるための手法としてPCRを使う競争に遅れをとった日本の研究チームが、それならばと特定種ではなく、塊としての生態系を判別する手法として発展させた点に興味を持った。

    0
    2024年06月22日

新規会員限定 70%OFFクーポンプレゼント!