作品一覧

  • 人文学と批評の使命 デモクラシーのために
    3.3
    1巻1,309円 (税込)
    人文学の危機が現代にもつ意味とはなにか.人文学的価値観はいかにデモクラシーに寄与しうるか.生涯を通して人文主義者を体現したエドワード・サイード.他者の歴史と思想に反映する自己批判からこそ,正確な自己認識が生まれると説き,人文学の真の目的をここに論じる.人文学再生にむけた,サイード最後のメッセージ.(解説=富山太佳夫)

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  • (見えない)欲望へ向けて ――クィア批評との対話
    4.0
    1巻1,210円 (税込)
    性差や異性愛といった規範が作用する場から見えない欲望を引き出し、新たな解釈を生産すること。本書は、そうしたクィア批評の声に耳を傾けながら、「自分ではない」ものへの同一化による読むことの快楽と、性的な快楽を混線させる試みである。セジウィックの理論や英文学の古典から、ホモソーシャルな欲望、文学共同体の規範を学ぶ快楽、プライヴァシーという概念装置等を縦横に論じるとともに、クィア批評と精神分析の思想的往還を、ジジェク、バトラー、コプチェク、ベルサーニらを読むことで辿った。クィアなるものが含む解放性と固有性のパラドックス、批評的・思想的探究と政治的意味の緊張をも見据えた名著。

ユーザーレビュー

  • 人文学と批評の使命 デモクラシーのために

    Posted by ブクログ

    高校の時以来のリベンジ。曲がりなりにも人文学をやっていれば至極当然の、古典を重視しつつもいわゆる俗なテクストを軽視しないだとか、今まさに大事なことが書かれていた気がする。どうりで品切れなわけで。ガザの講演で、ヒューマニズムはいはい、みたいな同じ大学の人々の声にイマイチ賛同できなかったのはあながち間違いでなかったかもしれない。

    67頁「分離や分割ではなく、統合的で世俗的な方法で文献学的に読むこと、それと同時に、現代のかんげんきゅぎてきめ俗悪なわれわれ対彼ら的な思考パターンに抵抗する」
    まさにこれ。

    マルケスの引用とか批評空間とかボールド・マンとか今後掘りたいところも。

    学び:漫画家が漫画家

    0
    2024年09月08日
  • (見えない)欲望へ向けて ――クィア批評との対話

    Posted by ブクログ

    人生初のクィア批評にかんする本。絶対に自分には無理だと思っていたから、いちおう通読できたことに驚いている。とはいえ「面白かった」というより「面白そうだった」というのが読後感。正直何が書かれていたか既にほとんど覚えていない。自分よりはるかに頭がいい人が書いた自分よりはるかに上手い文章を読むことの快楽を自分なりに味わえたから良しとしよう。遊園地のアトラクションみたいな感じ。乗ってるときに楽しかったので万事OK。

    ↑の軽薄すぎる感想の大半はむろん私自身の未熟さゆえだが、しかし、本書じたいが、きわめて掴みどころのない論調と構成であるのも確かだろう。局所的にはいま何の話をしているのか漠然とでも追うこと

    0
    2023年01月21日
  • 人文学と批評の使命 デモクラシーのために

    Posted by ブクログ

    最終章と訳者のあとがきを読めば事足りるような気が通読して思った。第五章と訳者のあとがきを読んでから必要性を感じればそれぞれの章を読むといいように思う。内容は意義あるものだけれど、様々な異国の学者人が出てくるので、聞いたことのある人もいるけど、そこに対する知識がピンと来ないと読むのに少し難儀する。が、中身は有意義だと言えると思います。

    0
    2017年12月18日
  • 人文学と批評の使命 デモクラシーのために

    Posted by ブクログ

    文献学の勧めと西洋中心主義からの脱却ということだろうか。
    翻訳文にありがちな、主語と述部が「遠い」ので集中力が必要。
    とはいえ・・・、わかりやすい。
    基礎知識がないと引用が邪魔になるでしょうが、常識的な範囲でしょう。
    人文主義をヒューマニズムとルビされているのですが、ニュアンスが微妙に違うので、理解しづらい。
    人文主義はそもそも「じんもんしゅぎ」と読めばいいのか「じんぶんしゅぎ」と読めばいいのか、日本語そのものも定まっていない気がする。
    翻訳をするのなら、そのあたりまで解説がほしい。

    0
    2013年10月02日

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