あらすじ
人文学の危機が現代にもつ意味とはなにか.人文学的価値観はいかにデモクラシーに寄与しうるか.生涯を通して人文主義者を体現したエドワード・サイード.他者の歴史と思想に反映する自己批判からこそ,正確な自己認識が生まれると説き,人文学の真の目的をここに論じる.人文学再生にむけた,サイード最後のメッセージ.(解説=富山太佳夫)
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Posted by ブクログ
高校の時以来のリベンジ。曲がりなりにも人文学をやっていれば至極当然の、古典を重視しつつもいわゆる俗なテクストを軽視しないだとか、今まさに大事なことが書かれていた気がする。どうりで品切れなわけで。ガザの講演で、ヒューマニズムはいはい、みたいな同じ大学の人々の声にイマイチ賛同できなかったのはあながち間違いでなかったかもしれない。
67頁「分離や分割ではなく、統合的で世俗的な方法で文献学的に読むこと、それと同時に、現代のかんげんきゅぎてきめ俗悪なわれわれ対彼ら的な思考パターンに抵抗する」
まさにこれ。
マルケスの引用とか批評空間とかボールド・マンとか今後掘りたいところも。
学び:漫画家が漫画家を自称し、哲学者が哲学者を自称するといった類のことをソヴィエト方式という?
Posted by ブクログ
最終章と訳者のあとがきを読めば事足りるような気が通読して思った。第五章と訳者のあとがきを読んでから必要性を感じればそれぞれの章を読むといいように思う。内容は意義あるものだけれど、様々な異国の学者人が出てくるので、聞いたことのある人もいるけど、そこに対する知識がピンと来ないと読むのに少し難儀する。が、中身は有意義だと言えると思います。