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気がつけばハトはいつでもどこでも、首を振って歩いている。あの動きは何なのか。なぜ、一歩に一回なのか。なぜ、ハトは振るのにカモは振らないのか……?冗談のようで奥が深い首振りの謎に徹底的に迫る、世界初の首振り本。おなじみの鳥たちのほか、同じ二足歩行の恐竜やヒトまで登場させながら、生きものたちの動きの妙を心ゆくまで味わう。
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Posted by ブクログ
鳩がなぜ首を振って歩くのか——そんな素朴な疑問に人生を捧げて研究した著者の姿勢が、とにかく面白くて、一気に読み切ってしまった。読みながら何度も「そこまでやる!?」とツッコミを入れつつ、気づけばのめり込んでいた。 骨格の構造から網膜の仕組み、視野角の違い、さらにはペンギンの歩き方まで、隅から隅まで知...続きを読む的好奇心をくすぐられる話ばかり。まるで世界が少し広がったような感覚だった。 改めて思う。こうして身近な自然や動物、植物に目を向け、なぜ?と考えることこそ、人間としての醍醐味であり、大人の嗜みなのかもしれない。 次は植物の世界に足を踏み入れてみようかな。実用的な本だけでなく、こうした知的探検の旅も、もっと積極的に楽しんでいきたい。
ハトが首振って歩くのがどうしても気に食わなくて、でも理由もなく嫌うのもどうかと思うので、これも他者理解の一つと思って仕方なく読んだ。どうせバランス取るためだろうと思ってたし、そういう面もあるような話も出てきたけど…もっと衝撃的な事実も出てきた!これは思いもせなんだ…ハトにもいろんな事情があるらしい。...続きを読むしかも首を振らない鳥の方が少ないらしい。ごめんねハト、私理不尽だった。 長年意味が分からなくてキモ!と思ってたことも、事情が分かると納得することもあるということを学んだ。無知は罪である。 そして一つ疑問が解決すると、また新たな疑問が湧いてくる…その繰り返しが学問なんだなぁ。疑問を持つことがまず第一歩なんだけど、それがまず難しいのだ。
1320 ハトはなぜ首を振って歩くのか (岩波科学ライブラリー) by 藤田 祐樹 ある日、私のもとに、スズメに関するテレビ番組の取材があった。なんと、歩くスズメがいるというのである。「なに!?」と私は耳を疑った。その方の話によれば、兵庫県中町(現在は多可町の一部)に 間子 という地区があり、間子...続きを読むの七不思議という言い伝えがある。そのひとつに、「間子のスズメは歩く」という内容が含まれているのだ。 その記者によれば、「間子は昔から湿地が多く、地上ではホッピングを行いにくかったためにトコトコ歩くようになったのだろう」と言われているらしい。 もし、これが事実なら、いくつかの点で大変である。 いずれにしても、ハトやニワトリには頭を静止させようという性質があり、歩くときにも頭を静止させようとする結果、首を振るのである。 1つ目は、ハトにとって景色が移動することである。この景色の移動を目で見ることが刺激となって、首振りが起こるという考えだ。2つ目は、ハトが空間的に移動するときの加速度を感知し、これが首振りを引き起こすという考えである。3つ目は、脚と首の運動が、何らかのメカニズムでリンクしており、そのため歩行動作を行うと首も動くという考え方だ。 ここまでの実験で、ハトが首を振る理由は視覚刺激とわかったようなものだが、念のため他の刺激は首振りを引き起こさないか確認しておこう。図 20 のでは、ハトも箱の壁も天井に固定されていて動かないが、足もと部分の床は動く仕組みになっている。この状態でハトが歩くと、ちょうど私たちがランニングマシンの上で歩いているように、足もとの床だけが動く。一生懸命歩くけれど、床だけが動いて前に進まないし、景色(箱の壁)も動かない。すると、ハトは首振りを行わなかった。つまり、歩くという動作そのものは、首振りを引き起こさないのである。 最後に、ハトの動きを止めて、空間的な移動のみによる影響を確かめよう。図 20 は、ハトを箱ごと動かしてやる実験だ。ハトは立ち止まってじっとしているので歩行動作は行われず、景色となる箱もハトと一緒に動くので変わらない。でも、空間的にはハトは前進するので、内耳の三半規管は加速度を感じる。すると、ハトは首を振らなかった。空間的な移動も、首振りを引き起こさないという結果であった。 これでは解けた。脚を動かすと首が動いてしまうわけでもなく、体の移動を感じるから首を動かすのでもなく、景色が動くから、ハトは首を振るのである。 景色が動くと、ハトは首を振る。もう少し詳しく言うと、ハトに対して景色が動くと、ハトは景色に対して頭を静止させようとして、首を動かすのである。これは、景色を目で追っているということである。 目の向きが異なると、見える範囲がまず違う。片側の目だけだと、ヒトの場合には約160度の視野がある。左右の視野が重なる部分が120度くらいあって、全体としては約200度の範囲が私たちには見えている。一方、ハトは、片側の目の視野は169度とヒトと大差ないが、全体としての視野はずっと広くて316度もある。図を見てもわかるとおり、真後ろ以外はおおむね見える。その代わり、左右の視野が重なる部分が小さく、たった 22 度しかない。 結果として、鳥類の眼球は、頭の大きさに対して不釣合いに大きい。これでは、眼球を私たちヒトのようにキョロキョロと動かすことはできなくても、無理はない。実際のところ、まったく眼球が動かないわけではないが、私たちに比べると、その程度はずっと 眼球を動かすことができなければ、景色を追うことができなくなり、困ったことになる。景色を見るのをあきらめるという手もあるが、それでは何のために眼球を大きくしたのかわからない。そこで、発想の転換だ。眼球が動かないなら、首を動かせばいいじゃない。小さな眼球を動かすよりコストがかかるとしても、眼球の代わりに首を動かすのは、やってできないことはない。 幸いにも、鳥の首は長くてよく動く。首の骨の数だって、私たち哺乳類よりずっと多い。哺乳類の世界では、なぜか首の骨の数は7個と決まっていて、進化の過程で数の増減が起こらなかった。 カモが首を振らない理由はわかってしまったが、まだ不思議なのは、首を振る鳥たちは、いつも首を振っているということだ。ハトの研究をはじめてから十数年、ハトを見かけるたびに首を振らずに歩いていないか観察しているが、私はまだ一度も、首を振らずに歩くハトを見たことがない。 ご存じのとおり、スズメも地上で足もと近くのを探索してついばんでいる。すると、スズメだって首を振ってよさそうな気がする。ところが、彼らは首を振らない。なぜだろう。 それはおそらく、ホッピングによる移動の速度が速いためだ。ハトやニワトリも、走るときには首を振らない。速く動けば動くほど、首振りの頻度も増加させなければならないが、頭を頻繁に前後させてその位置を静止させるのは、速く動くほど難しくなる。首を振る鳥たちも、移動速度が上がって首を振るのが困難になると、首振りをしなくなるのである。 それでは、ホッピングしながら、スズメはどのようにを探しているのだろうか? 立ち止まって探すのだ。 コアホウドリは、アホウドリより少し小型の近縁種で、小笠原諸島を含む太平洋の島々で繁殖している。 ちょうどそのころ、川上さんはコアホウドリの研究をしていて、それが傑作な首振りをしているというのである。 映像を見て驚いた。なんと、コアホウドリは歩きながら、前後ではなく、上下に首を振っていたのである。 実際、小笠原諸島の小さな無人島で、アホウドリ類は驚くべき密度で繁殖していた。犬も歩けば棒にあたるということわざがあるが、この捕食者のいない小さな無人島では、誰でも歩けばアホウドリ類にあたるような状況だった。
岩波科学ライブラリー237 ハトが首を振る原理を、人類学者でもある作者が面白おかしく、まじめに解説。 首を振るハトに注目することも大事だが、振らない鳥にも理由がある。そんなところが哲学的。 動物の行動には理由があることに気づける一冊。
「日本一の首振り研究者を自認する」筆者による、「ハトの首振り」考。 題名の通り、様々ケース、ほかの鳥類と比較・検討し、一つのテーマに沿って、論じている。 (たぶん/おそらく)一般の人向けにわかりやすく解説している部分もあるだろうが、専門的な内容からすれば、ページ数は少く、しかし、コンパクトにまと...続きを読むまっている。 「私は、鳥類の研究をしている。」という一文から始まり、はやくも惹きつけられる。 ハトのように「首を振って歩く鳥」もあれば、「首を振って歩かない鳥」もいるので、不思議なのである。 まだまだ未解決な部分も多く、今後の研究結果が待たれる。 「たかが首振り、されど首振りなのである」。 随所に見られる筆者のユーモアあふれる文章力にも惹きつけられる。 良書。 しかし、鳥の動きをずっと観察しているって、どんな気持ちなんだろう。
ハトが首を振るのは、歩くためにそうせざるを得ない身体なのだろうと思っていた。 だって、好きでやっているようには見えないもの。哀れな生き物よのう、首を振らないと歩けないとは、と思っていた。 しかし、あれは必要あって振ってたのね。 君たちにはあれが都合がいいのね。 勝手に憐れんでごめん。 しかし、ハトの...続きを読む首振りという、人類が共通して大昔から抱いていた謎は、やっと最近明らかになってきたのだと知って衝撃を受ける。大変なテーマのわりに、軽くいなされそうで研究者の苦労が偲ばれる。
文章が面白い。内容もわかりやすい。興味がひかれついつい読み進めてしまう。 人の歩くことと走ることエネルギー効率と速度について。 ペンギンの足の長さとエネルギー効率。目の大きさと位置。視界。首の長さと骨格。 様々な角度から分析して丁寧に説明しているので、外で鳥をみたらついつい考えてしまいそうだ。 近く...続きを読むのものを見させればいい、という仮説のもと行った鳥類ハト化計画が面白い。 歩くスズメがいるという兵庫県中町(多可村)の七不思議は著者にかわって調べたくなる。
面白かった。 ハトだけではなくスズメやカモなどほかの鳥についても興味深い。なるほど。 湿地帯のため鳥は多く見かけるが、そういえばじっくりと観察したことはなかった。 見かけるたびに愛おしく観察してしまいそう。
確かにハトは首を振って歩いている。何が楽しくて首を振っているのか気になっていたが、自分でつきつめようとは考えていなかった。摂餌、安定、安全、野生の動物の基本行動があるのだと再確認。そしてついこの間、カラスもムクドリも、ハクセキレイも首を振って歩いていることに気づく。1つ賢くなった。
タイトルを見て、「そういえばなんでだ!?」と気になって読んでみたら、本当に、ただひたすらに首振りについて書かれていてちょっと引くくらいだった(ほめ言葉)。しかも本の一部にはハトの首振りパラパラマンガ付き。筆者、どんだけ首振りマニアなんだ! かるーく書かれてはいるけど、内容はいたってまじめで本...続きを読む格的。首振りの理由もなるほどなーと納得できたけど、まだまだ謎は多く残されている。 首振りには歩き方が深くかかわっている。でも、スズメがハトとは違って歩かずにピョンピョンとホッピングする理由は、いまだ明らかになっていないとのこと。首振りは予想以上に奥が深い。 面白かったのは、ハトに歩かせず、景色だけ動かして見せても首を振り、逆に歩いても景色が動かないようにしたら首を振らずに歩くという実験結果。首を振らずに歩いているハト、ちょっと見てみたい。 ちなみに、読後にハトが歩いているのを見かけて凝視してしまったけど、私には何も考えずに首を振っているようにしか見えなかった・・・。首振りの真相はハトのみぞ知る。
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