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損料屋見鬼控え
文政元年(1818年)、損料屋(江戸時代のレンタルショップ)巴屋の惣領息子・又十郎は17歳になってからも親から丁稚扱いをされていた。損料屋といえばいちばんの得意先は長屋。長屋から長屋への引っ越しなどではわざわざ家財道具は購入せずレンタルで済ますことが、上方ほどではないにせよ江戸でもそれなりにあった。最初の事件は巴屋の店の入っている長屋だった。大家にヘンな物音がする部屋があるので見てほしいと頼まれてついていくと、部屋の隅に見事な幽霊の姿。もともと霊感らしきものが強いとは自覚していたが、あまりに鮮明なそのお姿に又十郎は腰を抜かしてしまう。これが「事故物件」のなせる業なのか! -
続 悲しき戦記
人間の感情も自由も剥奪された兵士たちが、いかに戦い、いかに生き、死んでいったか……。戦死者たちの冥福を祈りながら、戦争の真実の姿を静かにしかも厳しく捉えた戦記。続巻には「通天門」「手榴弾」「遺品」「島の掟」「水の城」「二つの落下傘」「廬山の敵」「山のアカシア」など30編を収録。<正続 全2巻)……人間本来の心には、敵味方の区別はない。だが戦争は、人間としての感情や自由を許さない。その不条理の中で、巨大な圧力に押しつぶされた兵隊たちの生と死。苛烈な戦場にあっても、美しい自然に心を寄せ、人間の真情を謳う優しく柔らかい作者の眼。虚しく戦場に果てた幾多の魂への深い祈りをこめた、鎮魂の短篇集。 -
ゾンビ3.0
日韓同時刊行された話題のホラー・ミステリーが文庫化。予防感染研究所に閉じ込められた若き研究者たちがゾンビ化の原因究明に挑む! 香月百合は新宿区戸山の予防感染研究所に休日出勤する。研究熱心で優秀な下村翔太や、医学博士で女性所員憧れの加瀬祐司も出勤していた。日曜なのに全所員の8%ほどの計40人が研究所にいるようだ。席に着いてWHOのサイトに接続すると、気になる報告があった。アフガニスタンやシリアなどの紛争地域で人が突然気絶し、1分前後経つと狂暴になって人を襲い始めるという。しばらくすると研究所内の大型テレビに、現実とは思えないニュース映像が流れた。人が人を襲う暴動が日本各地で起こっているというのだ。いや、世界中で。画面に向かって所員が呟いた。「これゾンビでしょ」。──外が騒がしくなってきた。研究所は2メートルの塀で囲われているが、このままではやがて所内もゾンビに襲われるかもしれない。脱出するには、ゾンビ化の原因を究明するしかないのだ。立ち上がる、百合たち若き研究者。そして、予防感染研究所に閉じ込められた四十人の戦いが始まった……。 -
対岸の家事
家族のために「家事をすること」を仕事に選んだ、専業主婦の詩穂。娘とたった二人だけの、途方もなく繰り返される毎日。幸せなはずなのに、自分の選択が正しかったのか迷う彼女のまわりには、性別や立場が違っても、同じく現実に苦しむ人たちがいた。二児を抱え、自分に熱があっても休めない多忙なワーキングマザー。医者の夫との間に子どもができず、姑や患者にプレッシャーをかけられる主婦。外資系企業で働く妻の代わりに、二年間の育休をとり、1歳の娘を育てるエリート公務員。誰にも頼れず、いつしか限界を迎える彼らに、詩穂は優しく寄り添い、自分にできることを考え始める――。 手を抜いたっていい。休んだっていい。でも、誰もが考えなければいけないこと。『わたし、定時で帰ります。』の著者が描く、もう一つの長時間労働。 終わりのない「仕事」と戦う人たちをめぐる、優しさと元気にあふれた傑作長編! 「あさイチ」(NHK)紹介で大反響!共感の嵐! みんなそれぞれ違っていても大丈夫と思え、気持ちが楽になりました!(20代女性) いいですね、結末が。主人公の日常を大切に歩む姿勢が好きです。(30代女性) こんなに色々な立場から入れるにはなかなか出会えません。 読み終えて、なんだかすっきりしました。(40代女性) 世の中の男性がもっと読むべき本だと思う。私は読めてよかった!(50代男性) 巻末特別収録☆彡スピンオフショートストーリー -
太極拳が教えてくれた人生の宝物 中国・武当山90日間修行の記
「あなたの人生を変える一冊」…日本を代表するヨーガ行者・成瀬雅春さんも大絶賛! キャリア・マネジメント界で活躍する著者が、道教の聖地で体験した神秘と奇跡! 知られざる太極拳の真実。私よ20歳も若い師匠は言った…「自分が何者であるかも忘れるほどに稽古を積んだとき、きみは人生のすべてを手にいれることができる」――キャリア・マネジメント界の第一人者である、在日フランス人のデュボワ氏が、自分の人生をリセットすべく、すべての仕事を中断し、太極拳発祥の山に90日間こもった。過酷な修行の末、師匠の教えについていけず、失意のうちに帰国した彼の前に、ある日突然現れた「気づき」とは? 人生の真実とは? -
大国・日本の「正体」
繁栄のさきに行きつく日本の未来はあるか? いま日本は、政治も経済もそして社会も、歪みが極限に達している。その歪みの正体を捉えることが、日本の未来像を描くために、最も重要である。現代は否応なく、個人が国家の命運に縛られざるを得ない。いや、世界がわれわれを直撃する。碩学が時代を喝破し、処方箋を提示する! 「精神的鎖国の民」に未来はあるのか……海図なき日本の真の姿が見えてくる! -
「大変」な時代 常識破壊と大競争
いま日本の常識は破壊された! 不連続への不安と衰退の予感。新時代を生き抜く常識とは? ローコスト革命への提言――政界、政策、経済、経営、社会。5つの「五五年体制」が崩壊し、高齢化、国際化、成熟化、情報化の「四化」は、根本的に変化した。日本が「右肩上がり」から「うつむき加減」の社会に変わったことを嘆くばかりではなく、新しい世の中にふさわしい目標をもつべきだ。その鍵を握る「ローコスト化」と新常識を提言。 -
太陽諸島
世界文学の旗手が紡ぐ、初の連作長篇三部作、完結! 響きあう言葉とともに地球を旅する仲間たちの行方は――。 国境を越えて人と人をつなぐ、新しい時代の神話 ヨーロッパで移民として生きるため、自家製の言語「パンスカ」をつくり出したHirukoは、 消えてしまった故郷の島国を探して、仲間たちと共に船の旅に出る。 一行を乗せた船はコペンハーゲンからバルト海を東へ進むが、 沿岸の港町では次々と謎めいた人物が乗り込んできて――。 言葉で結びついた仲間たちの、時空を超えた出会いと冒険を描く、多和田葉子の新たな代表作。 『地球にちりばめられて』『星に仄めかされて』に続くサーガ、ついに完結! -
高倉健 隠し続けた七つの顔と「謎の養女」
希代の大俳優の死からまもなく7回忌を迎える。彼は人々に何を与え、何を隠し続けたのか。ノンフィクションの第一人者が書く高倉健の知られざる素顔。 -
高瀬庄左衛門御留書
第165回直木賞候補作、第34回山本周五郎賞候補作。「本の雑誌」2021年上半期ベスト10で第1位! 第9階野村胡堂文学賞、第15回舟橋聖一文学賞、第11回「本屋が選ぶ時代小説大賞」をそれぞれ受賞。 美しく生きるとは、誇りを持ち続けるとは何かを問う、正統派時代小説。 神山藩で、郡方を務める高瀬庄左衛門。50歳を前にして妻を亡くし、 さらに息子をも事故で失い、ただ倹しく老いてゆく身。残された嫁の志穂とともに、手慰みに絵を描きながら、 寂寥と悔恨の中に生きていた。しかしゆっくりと確実に、藩の政争の嵐が庄左衛門を襲う。 「心が洗われる」というのは、こういう感覚を言うのだと実感した。ーー作家・江上剛(朝日新聞6月5日) この人がこれから作品をどんどん出していくのがドキドキするし嬉しい。すごい時代に立ち会っている気がする。 次回作も必ず読みたい! ーー北上次郎(YouTube「北上ラジオ」) 誰でも歳を取れば、違う生き方もあってのではとの悔悟を抱くもの。 その迷いにどう向き合うか。考えさせられた。ーー記者・佐藤憲一(読売新聞1月19日) 私は、作者がこれからの時代小説界をリードしていく存在になることを信じて疑わない。 ーー縄田一男(産経新聞2/21) 美しい物語だ。穏やかで、静かで、そして強い物語だ。ーー大矢博子(「小説すばる」3月号) 生きることの喜び、悲しみ、諦め、希望をすべてのみ込んだ時代小説ーー内藤麻里子(毎日新聞2/7) 主人公もさることながら脇の人物たちもよく書き込まれ魅力がある。ーー川本三郎(毎日新聞2/20) 人はどう生き、どう老いていくべきかの指針となる。(紀伊國屋書店仙台店 齊藤一弥さん) 全日本人に読んでほしい。(旭屋書店池袋店 礒部ゆきえさん【ダ・ヴィンチニュース3月6日】) 心情が清らかに流れ続けながら、激動の大河浪漫があり、心奪われました。ずっと浸っていたいこの至福の感覚を、 たくさんに人に味わってもらいたい。(うさぎや矢板店 山田恵理子さん) 様々な制限の中で生き、迷いながら歩み続け、心のわだかまりが少しずつ溶ける有り様に、自分の心にも穏やかな風が入り込んだ。 時代小説のすばらしさを感じた。(正文館書店本店 鶴田真さん) 厳しい現実を突き付けながらも生きることの温かさと優しさを感じさせてくれる。(くまざわ書店錦糸町店 阿久津武信さん) -
滝山コミューン一九七四
郊外の団地の小学校を舞台に、自由で民主的な教育を目指す試みがあった。しかし、ひとりの少年が抱いた違和感の正体は何なのか。「班競争」「代表児童委員会」「林間学校」、逃げ場のない息苦しさが少年を追いつめる。30年の時を経て矛盾と欺瞞の真実を問う渾身のドキュメンタリー。(講談社文庫) -
匠の時代
ふとん乾燥機は、寒さ凌ぎにドライヤーを布団の中に持ちこんだ独身社員の体験から生まれた……日本における先端技術開発の成果を、三菱電機:クリンヒーター、小西六:自動焦点カメラ、東レ:エクセーヌの成功例にたどり、その発想法の革命に始まる企業と個人一体となっての熱い挑戦を、ドラマチックに再現して描く! <全12巻> -
竹中平蔵 市場と権力 「改革」に憑かれた経済学者の肖像
日本でもっとも危険な男の物語。 この国を“超格差社会”に変えてしまった中心人物はこの男だった! 「改革」の名のもと、法律を駆使しながら、社会を次々と大胆に改造してしまう。まるで政商のように利にさとく、革新官僚のごとく政治家を操る経済学者――。「フェイク(偽物)の時代」に先駆けた“革命家”の等身大の姿とは。 経済学者、国会議員、企業経営者の顔を巧みに使い分け、「日本の構造改革」を20年にわたり推し進めてきた“剛腕”竹中平蔵。猛烈な野心と虚実相半ばする人生を、徹底した取材で描き切る、大宅壮一ノンフィクション賞、新潮ドキュメント賞ダブル受賞の傑作評伝。 はじめに 「改革」のメンター 1章 和歌山から東京へ 2章 不意の転機 3章 アメリカに学ぶ 4章 仮面の野望 5章 アメリカの友人 6章 スケープゴート 7章 郵政民営化 8章 インサイド・ジョブ おわりに ホモ・エコノミカスたちの革命 -
タソガレ
恩知らずな振る舞いをして、ストーカーまで呼び込む彼女の、他人には理解されにくいハンデは乗り越えられるか。心温まる愛と勇気のミステリー。……ぼくの彼女は、ぼくの顔を覚えられない。「相貌失認」という生きにくさを背負う彼女に、次々と襲いかかる事件。愛の力は、試練を乗り越えられるか? ーー社交的だったり、シャイになったり。その落差に惹かれて里美とつきあい始めた祐児。しかし、初めてのパリ旅行で、お世話になったご婦人を無視する里美に憤った祐児は、彼女から人の顔を覚えられない「相貌失認」だと打ち明けられる。人知れぬ生きにくさを背負う彼女が招く数々の苦難を、二人は乗り越えられるのか? -
闘った人びと ベトナム戦争を過ぎて
長い戦争を闘い抜いた人びとの想像を絶する体験。渾身の力作レポート。写真家の魂がベトナム戦争の真の姿に迫る! ――超大国アメリカを倒した、アジアの小国のふしぎな力とは? ベトナム戦争の真実を求めて、気鋭のフォトジャーナリストが初めてとらえた沈黙せる民の衝撃の証言。暮しの中で知恵を絞りながら長い戦争を闘い抜いた人びと、その体験を初めて肉声としてとらえた衝撃のレポート。 ◎「ベトナムの人口約五千万人のうち、ほとんどの民衆があの戦争を各々の立場で闘った。(中略)そういう一人一人の強い意思と知恵の結晶が超大国の近代兵器をしのいだのである」<本書より> -
ただいまラボ
研究のために鹿の耳を刻み続ける!?実家が動物病院という学生が多い!?就活先はペット保険会社!?研究室でカビが生えたら大騒ぎ!?バイト先はもちろん動物病院!?……理系の青春はこんなに面白い!獣医学科で動物たちの生命と向き合う学生たちの笑いあり涙ありの日々を、瑞々しい文章でリアルに描いた青春小説。「シカミミ!」獣医学科の分子生物学研究室に入った太一を待っていたのは、実験用の鹿の耳を切り刻み、彼女とすれ違い続ける毎日だった……「ナツジツ!」夏休みに実家の動物病院に帰省した東は、十年ぶりに子連れで帰ってきた、元ヤンキーの姉の姿に驚愕するが……「ネガコン!」就活中の新倉は、インターン先のペット保険会社で呑気すぎる学生たちとの共同作業に苛立ちが募るばかり……「コンフル!」何でも器用にこなしてきた透は、余裕のはずの卒業論文で追加実験を命じられ、合コンで出会った子とも上手くいかず……「ブンセイ!」5年生になったミカは、大学の実験と動物病院でのバイトで、続けて初めて動物の安楽死の現場に立ち会って……理系の青春はこんなに面白い!獣医学科で動物の生命と向き合う学生たちの笑いあり涙ありの日々を、獣医師の著者が大学院時代に瑞々しい文章でリアルに描いた青春小説。 -
立花三将伝
戦国最強と言われた立花宗茂が当主になる前、筑前に感動の青春群像ストーリーがあった。大国に翻弄された若き武将らを描く歴史長編! 関ヶ原の戦いに参戦せずとも、当時最強の武将と謳われた立花宗茂。だがその一世代前、宗茂活躍の礎ともなった若き武将や姫たちがいた。──時を遡ること40年、筑前国の要衝を占める立花家は、「西の大友」と呼ばれる名門であった。大友宗家から立花入りした15歳の三左衛門は、四つ年上の勇将・和泉、三つ上の軍師・弥十郎らと出会う。腕に覚えのあった三左衛門は和泉に打ち負かさられるも、すぐに弟子入り。寡兵で大軍を退けた弥十郎の知略にも驚かされる。また、当主の娘・皐月姫や和泉の妹・佳月らの恋心も絡み、三将の絆は深まっていく。8年が過ぎる。筑前では毛利の調略が進み、諸将が次々に大友を離反。立花家は孤立していく中で家中も毛利派と大友派に分裂する。そしてついに、三将の運命を変える大きな政変が……。 -
たった一度のポールポジション
鈴鹿に一瞬の光芒を放って逝った、トオル23歳の青春。星野一義、中嶋悟らを追いつめ、鈴木亜久里と競った天才ドライバー・高橋徹。「もし生きていれば」というなら、モータースポーツの新時代を築いていたにちがいない。あまりにも激しく生き急いだ現代の青春を、若い感性で描いた注目のノンフィクション作品。天才ドライバーの激しい青春を描いた名著! -
たったひとつの冴えない復讐
復讐するのも、復讐されるのも、僕にしかできない――。 『襲名犯』で第59回江戸川乱歩賞を受賞し鮮烈デビューを果たした竹吉優輔の最新作! 私立恵堂学園に通う和泉七生は、2年生から特進クラスに編入を果たした。友人もでき、新しいクラスでもつつましく学園生活を送っていたが、ある日黒板に謎のQRコードが現れる。読み込むと、「ギン」という謎の人物による、櫛屋すみれへの過去のいじめを告発するという脅迫動画が映し出された。 告発までの期間は約1か月。だが、同時にいじめに関するクイズも出題される。 唯一の部外者である七生は探偵役を任命されるが、自分の過去の罪の意識から、復讐と贖罪の間でさまよい始める―― デビュー作『襲名犯』で不条理と再生を描いた乱歩賞作家の復活長編! -
旅する小説
さぁ、出かけよう! 「物語」という旅へ。 国境、日常、現実を飛び越え、行き先は無限大! 宮内悠介、藤井太洋、小川哲、深緑野分、森晶麿、石川宗生――。 最旬の作家たちが想像の翼を広げて誘う、魅惑のノベル・ジャーニー! 宮内悠介 「国境の子」 対馬から韓国まではわずか一時間。でも「ぼく」にはそれが遠かった。 藤井太洋 「月の高さ」 旅公演スタッフとして遠征中、あの日見た月が胸に去来する。 小川 哲 「ちょっとした奇跡」 自転が止まった地球。カティサーク号は、昼を追いかけ移動を続ける。 深緑野分 「水星号は移動する」 移動式の宿・水星。今日はどんなお客様と出会うのだろう? 森 晶麿 「グレーテルの帰還」 あの夏、最後の家族旅行での惨劇が、私の運命を大きく変えた――。 石川宗生 「シャカシャカ」 地表が突然シャッフルをはじめた!? 姉弟の生き残りをかけた旅が始まる。 -
旅の手紙<見えないものが見えてくる>
神戸や京都、北海道、萩、スイス……。旅先でひとり綴った心の手紙を投函します。受取人はあなた。ーー旅に出たい、そう思った時から旅はすでに始まっている。旅に出ると、ふだん見えないものが、見たくなかったものが、そして見ていなかった自分が、見えてくる。神戸や京都、北海道、萩、スイスなど、内外の各地に民俗と詩情を訪ねながら、さわやかな批評眼で現代をみつめ直して綴った、あなたへの、心の手紙。 -
旅のない
コロナ禍中の日々を映す4つのストーリー。 芥川賞作家・上田岳弘、初めての短篇集。川端康成文学賞受賞作「旅のない」収録! 【収録作品】 「悪口」 恋人と過ごすホテルでのゴールデンウィーク。「じゃあ、悪口の練習しよっか?」。僕は初めて彼女と会った時のことを思い出す。 「つくつく法師」 朝の散歩は4歳の息子との日課だ。午後、僕は古いPCで、昔書いた小説を読み返す。 「ボーイズ」 10歳と6歳のボーイズは、亀甲柄と市松模様のマスクでやって来た。弟の息子たちを預かることになった夫婦の夏。 「旅のない」 「作家さんなんですよね?」。出張先での車中、会話が途切れると取引先の村上さんが聞いてきた……。
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