Posted by ブクログ
2016年04月30日
◆右手に秋風・・・女性保安士としてまだ駆け出しの八木薔子が警戒するのは客だけではない。怪しい動きをしている女性販売員(白ネズミ)もいる。
◆去年の福袋・・・同じマンションに住む2歳年下のOL・佐久間律子が持ってきた福袋には、なんと使用済みの男性用ブリーフが入っていた。
◆サボテン・・・保安士の教官と...続きを読むなった八木が今1番気にかけている後輩が、奥寺真弓だった。仕事に身が入っていない彼女がかかっているのは恋の病だった。
◆ターニング・ポイント・・・同期の岩田久美子が急に辞めると言い出したため、その代わりに久しぶりに保安士として現場に出ることになった八木。そして彼女はさっそく若い中国人3人組に目をつける。
◆バックステージ・・・身辺警護員に転身した八木は、アイドルグループ・B・アンビシャスのメンバー・南ルカの身辺警護を依頼される。彼女は同じメンバーのスミス・グレース澪の遺体を見つけた第一発見者であった。
上記5篇の短編集。全て八木薔子が主人公の短編だが、その身分は保安士新人、保安士教官時代、身辺警護に転身してからと立場は様々。「左手に告げるなかれ」での八木のルーツや右手の傷の理由、そして坂東指令長とのやりとりもたっぷり描かれていて、満足な一冊。
◆バックステージ・・・対象をただ危険から守るというだけでなく、彼女の心に寄り添う警備を心掛ける八木。女性ならではというか、男性ではなかなかここまではできないんじゃないかなぁと思わされるもので、さすがだなぁと。