台所のおと 新装版

台所のおと 新装版

737円 (税込)

3pt

台所からきこえてくる音に病床から耳を澄ますうち、料理人の佐吉は妻のたてる音が変わったことに気付く。日々の暮らしを充たす音を介して通じ合う夫婦の様を描く「台所のおと」のほか、「濃紺」「草履」「雪もち」「食欲」「祝辞」「呼ばれる」「おきみやげ」「ひとり暮し」「あとでの話」を収録。鋭く繊細な感性が紡ぐ名作集。

なにげない日々の暮しに
耳を澄ませ、目を配り、
心を傾ける。
透徹した感性が紡ぐ珠玉の短編集。

女はそれぞれ
音をもっている

とかくあやふやに流しがちな薄曇りの感情に
端然とした言葉をあてがい、作中人物に息を吹き込む。
幸田文による人間観察の手つきについて考えていると、
江戸川乱歩とのある対話が脳裏に浮かんできた。
――平松洋子(解説より)

新装版に寄せて、青木奈緒によるエッセイも収録

...続きを読む

詳しい情報を見る

閲覧環境

  • 【閲覧できる環境】
  • ・ブックライブ for Windows PC(アプリ)
  • ・ブックライブ for iOS(アプリ)
  • ・ブックライブ for Android(アプリ)
  • ・ブックライブ PLUS for Android(アプリ)
  • ・ブラウザビューア

※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。

台所のおと 新装版 のユーザーレビュー

\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    短いストーリーの中に、人生の機微や細やかな感情の動き、五感を研ぎ澄ませなくては味わえないような描写がたっぷりと詰っていて、読み終わるたびに余韻が残ります。しゃきっと背筋がのびるような文体も美しい。20代の頃に読みかけたままおいてあったのですが、40代の半ばになって改めて読むことができてよかったです。

    0
    2024年01月19日

    Posted by ブクログ

    1960年代に発表された10作品を収録した短編集。
    「台所のおと」「濃紺」「祝辞」「おきみやげ」という4作品が、特に良かった。
    「草履」は、幸田文の作品には珍しく、ですます調で語られる一人称小説。物語の展開も探偵小説っぽく感じた。
    〈食べ物〉と〈病〉に関する物語が多かった。


    幸田文の短編を読むと

    0
    2023年09月07日

    Posted by ブクログ

    日本での婦人参政権が得られたのは戦後の1945年、GHQの指示のもとに叶えられた。
    戦後、夫人にも参政権が与えられたからといって、ガラリと社会状況が変わるでもなく、多くの女性は家庭内にとどまるのが常だった。
    今の時代、女性の社会進出は目覚ましいものがあるのだが、果たして女性の役割分担は昔に比して軽減

    0
    2022年07月07日

    Posted by ブクログ

    21.09.16~09.27
    やっぱり、日本語の使い方が美しい。
    こんなに素敵に日本語を使えたら、世界が変わるだろうな。

    心がすっとして、すがすがしくなる。しばらくの間は、きれいに言葉を使おうと思う。

    すぐに雑な表現になってしまうけど。

    0
    2021年10月01日

    Posted by ブクログ

    歳を重ねれば重ねるほど面白く感じられる一冊だと思う。
    数年後絶対に読み返そう。
    解説に「心の機微にたいする視線の糸が張り巡らされている」とあるが本当にその通りで、幸田文さんは日常の機微を見つけて言語化する能力に長けている。
    「食欲」以後特にどんどん面白くなる。
    自分一人が褒められている時の描写が特に

    0
    2024年08月20日

    Posted by ブクログ

    【40代の今だからこそ、心に残った本】

    この短編集は聞こえるもの、みえるもの、匂いなど、五感を意識されている物語だと思いました。

    特に表題作の『台所のおと』は、印象的な作品でした。野菜を炒めるジャージャー、鍋を煮込むときのグツグツなどは耳にしていますが、「誰がの台所仕事の音」を意識したことは今ま

    0
    2023年09月12日

    Posted by ブクログ

    自分の伴侶が、子供が……いきなり病気になってしまったら……愛や金策、周囲の目、生活に大きな変化が訪れます。
    そんな女性たちのショートストーリーを集めた本。1960年代の文章ですが、最近、改めて文庫化されました。

    ともかく言葉遣いが洗練されていて、すべてを言わずに、暗喩で「読ませる」のがうまいです。

    0
    2022年05月23日

    Posted by ブクログ

    台所から聞こえる音や、暮らしの中の音が、細やかな描写や香りなどで鮮やかに表現されていた。暮らしの中で徐々に耳が開かれていく感じのする物語。

    0
    2022年01月16日

    Posted by ブクログ

    昭和30年代〜40年代に発表された10編からなる短編集。

    いつの時代も生きていればいい時も悪い時もあり、日常においても心にさざ波が立つこともしばしばある。
    そんな昭和の日常が作家の視線を通して繊細に描かれている。

    個人的には表題にもなっている「台所のおと」がよかった。
    病んで寝付いてしまった料

    0
    2025年07月18日

    Posted by ブクログ

    ネタバレ


    10の短編からなる、こちら。
    基本的に、妻の目線から描いた短編なんだけれど、どの章にも心に残る文があり、驚いた。
    いくつかを書き留めておきたい。

    「仕事が思うように切り開けず、一生この程度の生活しかできないかもしれないけど、それはそれで仕方がないと思う。だからなおさら、家庭はいい家庭に持続しなけ

    0
    2025年06月08日

台所のおと 新装版 の詳細情報

閲覧環境

  • 【閲覧できる環境】
  • ・ブックライブ for Windows PC(アプリ)
  • ・ブックライブ for iOS(アプリ)
  • ・ブックライブ for Android(アプリ)
  • ・ブックライブ PLUS for Android(アプリ)
  • ・ブラウザビューア

※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。

この本をチェックした人は、こんな本もチェックしています

講談社文庫 の最新刊

無料で読める 小説

小説 ランキング

幸田文 のこれもおすすめ

同じジャンルの本を探す