戦記(ノンフィクション)作品一覧

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  • 陸奥爆沈
    4.2
    連合軍の反攻つのる昭和18年6月、戦艦「陸奥」は突然の大音響と共に瀬戸内海の海底に沈んだ。死者1121名という大惨事であった。謀略説、自然発火説等が入り乱れる爆沈の謎を探るうち、著者の前には、帝国海軍の栄光のかげにくろぐろと横たわる軍艦事故の系譜が浮びあがった。堅牢な軍艦の内部にうごめく人間たちのドラマを掘り起す、衝撃の書下ろし長編ドキュメンタリイ小説。

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  • 戦艦武蔵
    4.2
    日本帝国海軍の夢と野望を賭けた不沈の戦艦「武蔵」――厖大な人命と物資をただ浪費するために、人間が狂気的なエネルギーを注いだ戦争の本質とは何か? 非論理的“愚行”に驀進した“人間”の内部にひそむ奇怪さとはどういうものか? 本書は戦争の神話的象徴である「武蔵」の極秘の建造から壮絶な終焉までを克明に綴り、壮大な劇の全貌を明らかにした記録文学の大作である。

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  • 第二次世界大戦 1
    4.2
    強力な統率力と強靭な抵抗精神でイギリス国民を指導し、第二次世界大戦を勝利に導いた歴史的な政治家チャーチル。本書は、歴史の舞台に直接参加した彼の手による、最も信頼すべき最高の第二次世界大戦の記録だ。深い歴史観に基づく著作活動によってノーベル文学賞を受賞した彼の歴史物語を堪能できる。第1巻は、一九一九年から第二次世界大戦勃発の翌年までを描く。

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  • 空母入門
    4.2
    世界最初の空母「鳳翔」以来、高度な日本の造艦技術と海軍の伝統が生みだした数多くの名艦のすべてを、米英の空母の歩みとともに徹底的に解剖し、その波乱の軌跡をたどるファン必携の一冊。写真図版150点。
  • 紫電改の六機
    4.2
    本土防空の尖兵となって散った六人の若者たちの姿を活写し、その真情を赤裸々に綴った感動のノンフィクション!
  • 海軍乙事件
    4.2
    昭和19年3月、パラオ島からフィリピンに向かった2機の大型飛行艇が、荒天のため洋上に墜落した。機内には古賀連合艦隊司令長官と福留参謀長が分乗していた。参謀長以下9名は漂流するも一命をとりとめたが、米匪軍とよばれるフィリピンゲリラの捕虜になる。果たして参謀長の所持する海軍の最重要機密書類は敵方に渡ってしまったのか……。戦史の大きな謎に緻密な取材で挑戦する、極上の記録文学。「海軍甲事件」「八人の戦犯」「シンデモラッパヲ」もあわせて収録。
  • 日本国憲法の二〇〇日
    4.1
    東京大空襲で九死に一生を得た著者は疎開先、茨城県下妻を経て新潟県長岡で日本の敗戦を迎える。そのとき15歳の少年だった。そして日本は、戦後を生きる原理となる新憲法の策定作業に入る。占領政策を決めるGHQ指令が次々と発せられる中、昭和21年3月6日、ついに「憲法改正草案要綱」が閣議決定される。あの敗戦より203日。この苛酷ではあるが希望に満ちた日々を、史家の目に少年の目を織り交ぜつつ、哀切に描ききる。
  • ながい旅
    4.1
    第二次大戦中、空爆を行った米軍搭乗員の処刑を命令した容疑で、B級戦犯として起訴された東海軍司令官・岡田資中将は、軍事法廷で戦う決意をする。米軍の残虐な無差別爆撃を立証し、部下の命を救い、東海軍の最後の名誉を守るために。司令官として、たった一人で戦い抜いて死んだ岡田中将の最後の記録。『レイテ戦記』を書き終え、戦争の総体を知った大岡昇平が、地道な取材を経て書き上げた渾身の裁判ノンフィクション。
  • 同日同刻――太平洋戦争開戦の一日と終戦の十五日
    4.1
    太平洋戦争中、人々は何を考えどう行動していたのか。敵味方の指導者、将軍、兵、民衆の姿を、著者の蒐集した膨大な資料を基に再現。開戦の日、昭和16年12月8日と終戦にいたる昭和20年8月1日から15日までの、同日同刻の記録が戦争に翻弄された人間の狂気、悲劇、愚かしさを焙り出す。
  • 地獄の日本兵―ニューギニア戦線の真相―
    4.1
    敵と撃ち合って死ぬ兵士より、飢え死にした兵士の方が遥かに多かった――。昭和十七年十一月、日本軍が駐留するニューギニア島に連合軍の侵攻が開始される。西へ退却する兵士たちを待っていたのは、魔境と呼ばれる熱帯雨林だった。幾度となく発症するマラリア、友軍の死体が折り重なる山道、クモまで口にする飢餓、先住民の恨みと襲撃、そしてさらなる転進命令……。「見捨てられた戦線」の真実をいま描き出す。

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  • ノモンハンの夏
    4.1
    「絶対悪」が、背広をきてソファに座っている……著者が辻政信に初めて会った感慨である。師団によっては76%という絶望的な損耗率のノモンハン事件を扇動しながら、狂いもせず、戦後は国会議員となった男。この戦いを可能にしてしまったのは、いったい何だったのか? 参謀本部作戦課と関東軍作戦課、二つのエリート集団が齟齬をきたし、満蒙国境の悲劇がはじまった。モスクワのスターリン、ベルリンのヒトラーの野望、中国の動静を交えて雄壮に描く、ノモンハン事件の決定版。
  • フランス戦艦入門 先進設計と異色の戦歴のすべて
    4.0
    革命の国が生んだ個性派主力艦ヒストリー。コンパクトな船体に四連装主砲塔を備え、30ノット超の快足を誇った高速戦艦群。母国降伏後、艦隊のプライドをかけた勇壮な戦いの物語! 前ド級戦艦クールベ級に始まり、超ド級戦艦ブルターニュ級、未成戦艦ノルマンディー級・リヨン級を経て、 軍縮条約下の先進技術艦ダンケルク級、世界最後の戦艦リシュリュー級まで、フランス近代戦艦の歴史をたどる。ラディカルな設計思想が生んだ個性的艦容と、連合国艦隊と砲火を交えた知られざる戦いの記録!〈挿画・菅野泰紀〉
  • 陸自教範『野外令』が教える戦場の方程式 改訂版
    4.0
    『野外令』とは、国土防衛作戦に任ずる部隊運用の原理・原則を述べた、各種教範の頂点に位置する。米陸軍のマニュアル「Operations」と旧陸軍の体験と反省を踏まえて「作戦要務令」の一部を取り入れた。その内容は古今東西の戦史・戦例から帰納的に導き出された戦理--つまり戦いの本質を幅広く学ぶための教科書である。
  • 四万人の邦人を救った将軍 軍司令官根本博の深謀 新装版
    4.0
    停戦命令に抗してソ連軍を阻止し続けた戦略家の決断──陸軍きっての中国通で「昼行燈」とも「いくさの神様」とも評された男の波瀾の生涯を描く。
  • 山本五十六、最期の15日間~歴史に埋もれた「幻の3番機」~
    4.0
    「あの海軍甲事件で山本五十六長官が撃墜された時、私は1番機、2番に続く『3番機』の搭乗員として、長官と同じ空を飛んでいたんです」1943年4月18日。日本海軍の山本五十六大将が搭乗していた機体をアメリカ軍の戦闘機に撃墜され戦死した「海軍甲事件」。通説では、この事件で登場する機体は「2機」である。この話は本当なのか。すると、先の言葉の主である99歳の青木藏男さんは、一冊の航空日誌を取り出した……。
  • 太平洋戦争 日本軍艦戦記
    4.0
    世界三大海軍の栄光から、その壊滅まで―― 1941年秋、世界三大海軍の一つとして、大日本帝国海軍は254隻、109万トンの大兵力を海上に浮かべていた。 しかし戦うこと3年半、40万もの戦死者とともに、そのほとんどが海底に沈んだ。 かつて「国防」の期待を一身に受けた大艦隊が消滅するに至るまでを、 従軍記や日米海軍の提督伝など多角的に、豊富な写真とともに再現する。 激戦の記録、希少な体験談。生残った将兵による「軍艦マイベスト5」。提督たちの列伝。 一冊でたどる大日本帝国海軍の最期。 ※この電子書籍は、1985年2月に刊行された文春文庫ビジュアル版『太平洋戦争 日本軍艦戦記』の版をもとにした文春文庫版を底本にしています。一部の画像に見づらい個所があります。また一部の記事は掲載されておりません。ご了承のほど、お願いいたします。
  • 定本 沖縄戦
    4.0
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 あなたは知っていますか、リアルなこの歴史を! 市民を巻き込んだ理不尽な日米両軍のすさまじい沖縄戦の実相を、多数の図版と写真を使用し、その全体像に迫った入門書。 「沖縄の『県史』、『市町村史』をみて驚くことは、すべての史誌が沖縄戦の惨禍に触れていることです。 なかにはA4版1,000p×数巻を費やして扱っているところもあります。 また、住民数百人の字(あざ)で1巻を使って沖縄戦史を扱っているシマ(沖縄方言で集落のこと)があります。 これらの史誌は、多くが沖縄戦の解説とともに市民の投稿や聞き取り調査で構成されています。」(本書「まえがき」より)
  • 第二次大戦 残存艦船の戦後 生き残った150隻の行方
    4.0
    大平洋戦争を乗り越えた日本艦船たちの運命とは! 終戦時、大半が失われていた帝国海軍の主力艦や日本の商船。難を逃れた一握りの船たちのその後の結末はいかなるものだったのか。戦争終結後の姿を描くノンフィクション。写真多数。
  • 駆逐艦入門 水雷戦の花形徹底研究
    4.0
    日露戦争で絶大な威力をしめし、第一次大戦でその戦術が確立された駆逐艦―世界の烈強に衝撃をあたえた“特型”艦をはじめ、個艦優越にかけた日本海軍が造り上げた名駆逐艦のすべてを詳解するビジュアル決定版。酸素魚雷・次発装填装置・長十センチ砲など搭載兵器から各国代表艦も網羅。写真図版三百五十点。
  • 戦闘機入門 銀翼に刻まれた栄光
    4.0
    大空の騎士リヒトホーヘンが飛んだ複葉機の時代から、ジェット機が高速で旋回する現代の空まで―日本機の制式名称の由来や初の音速を記録したP38ライトニング、見えないステルス機が見える話など、戦闘機に関する洞察に富んだ話題八十項目をあつめたファン待望の一冊。細部にわたるメカニック図面多数収載。
  • 戦艦入門 動く大要塞徹底研究
    4.0
    造艦技術の研鑽の果てに誕生した世界を驚倒させた「大和」型戦艦―欧米列強に勝る戦艦を保有するため、大艦巨砲の道を極めた日本海軍八十年の足跡を辿る。重厚さと構造美を合わせもつ日本戦艦の全容を大戦下の十二隻を軸に、各国主力艦との比較を交えて詳解するビジュアル版“戦艦”徹底解剖。写真図版二百点。
  • 海軍応用戦術/海軍戦務
    4.0
    「自分が最も奉公したのは戦略・戦術ではなくロジスチックス(戦務)である」。海軍という巨大組織を十分かつ効率的に運用するためのマニュアルの全貌が明らかに。前巻に続き、戦略と戦闘の関係、勝敗と戦果について述べた「海軍応用戦術」、艦隊の令達、通信、偵察警戒といった任務の規範を示した「海軍戦務」、演習の手順を示した「同別科」を収録。 目次 海軍応用戦術 緒 言 第一章 総 説 第一節 戦略と戦闘の関係 第二節 戦闘の目的及種別 第三節 戦闘の勝敗及戦果 第四節 戦闘に於ける攻撃の正及虚実 海軍戦務 緒 言 第一章 令 達 第一節 令達の種別 第二節 令達の要義 第三節 令達の文法 第二章 報告及通報 第一節 報告及通報の種別 第二節 報告及通報の要義並文法 第三章 通 信 第一節 通信法の種類 第二節 通信線の系統 第四章 航 行 第一節 航行の種別及要義 第二節 航行の方法 第五章 碇 泊 第一節 碇泊の種別及要義 第二節 碇泊の方法 第六章 捜索及偵察 第一節 捜索及偵察の要義 第二節 捜索の種別及方法 第三節 偵察の種別及方法 第七章 警 戒 第一節 警戒の要義 第二節 航行中の警戒法 第三節 碇泊中の警戒法 第八章 封 鎖 第一節 封鎖の種別及要義 第二節 封鎖中の警戒法 第九章 陸軍の護送及揚陸掩護 第一節 護送及揚陸掩護の要義 第二節 護送の方法 第三節 揚陸掩護の方法 第十章 給 与 第一節 給与の要義及品目 第二節 給与の種別及方法 (附録) 艦隊戦務用図書の分類 海軍戦務 別科 演 習 第一節 演習の目的及要義 第二節 演習の階級及其範囲 第三節 演習の計画及実施 第四節 演習の審判及講評
  • 海軍基本戦術
    4.0
    日本海海戦を勝利に導いた旧日本海軍の名参謀・秋山真之による幻の戦術論が一世紀の時を経て全容をあらわす。「海軍基本戦術」「海軍応用戦術」「海軍戦務」のうち本巻は「海軍基本戦術」を収録。第一編では、基本である艦隊の構成要素、編制、そして艦隊、戦隊の運動法について、第二編では日本海海戦の戦例を引き、丁字戦法、乙字戦法を講述。 目次 海軍基本戦術 第一篇 緒  言 第一章  戦闘力の要素 第一節 総 説 第二節 攻撃力 第三節 防禦力 第四節 運動力 第五節 通信力 第六節 結 論 第二章  戦闘単位の本能 第一節 総 説 第二節 戦艦の本能 第三節 巡洋艦の本能 第四節 通報艦、海防艦及砲艦の本能 第五節 駆逐艦、水雷艇及潜水艇の本能 第三章  艦隊の編制 第一節 総 説 第二節 戦隊の編制 第三節 水雷戦隊の編制 第四節 大艦隊の編制 第四章  艦隊の隊形 第一節 総 説 第二節 戦隊の隊形 第三節 水雷戦隊の隊形 第四節 大艦隊の隊形 第五章  艦隊の運動法 第一節 総 説 第二節 戦隊及水雷聨隊の運動法 第三節 大艦隊の運動法 第四節 結 論 海軍基本戦術 第二編 戦 法 第一章 兵 理 第一節 兵戦の三大元素 第二節 力の状態及用法 第三節 優勝劣敗の定理 第二章 戦法上の攻撃諸法 第一節 戦闘に於ける攻撃と防禦 第三節 斉撃及順撃 第四節 戦闘距離に基ける攻撃法の種別 第三節 正奇の方術的攻撃法 第三章 戦 法 第一節 決戦に於ける戦法 第二節 追撃戦法 第三節 退却戦法 第四節 戦闘戦法 第五節 大艦隊の戦法 第六節 水雷戦隊の戦法 解説  戸髙一成
  • 太平洋戦争の名将たち
    4.0
    国力がはるかに勝る米国との戦争。それは当然ながら、苛烈な戦闘と決死の覚悟を日本の将兵に強いた。昭和から平成、そして令和に時代が変わった今でも、その「記憶」が消し去られることはない。兵を率いる指揮官には、理性派や闘将型、さまざまなタイプがあったが、刻々と変わる状況下で求められるのは、相手の出方を読む冷静な判断力に加え、「肉を切らせて骨を断つ」強烈な気迫であった。リーダーに迷いがあれば、部下はついてこない。そして、そのような将たちにも、守るべき家族がいた──。海軍からは、山本五十六、山口多聞、角田覚治。陸軍からは、中川州男、栗林忠道、今村均の戦略や戦術、采配を分析。真珠湾攻撃やミッドウェー海戦、南太平洋海戦、ペリリュー島や硫黄島の戦いなど、太平洋戦争の分岐点となった数々の戦闘を取り上げ、その背景や位置づけ、勝敗を分けた要因について詳しく解説。父祖たちが残した激闘の軌跡から、現代の我々が受け取るべきものとは。
  • クーデターの技術
    4.0
    19世紀から20世紀にかけての欧州の事例を、ルポルタージュの手法も用いながら解析した本書は、原著刊行から百年近く経つ現時点においても、さまざまに研究されており、また、現実政治の動きを見るなかでつねに参照される名著である。いかに国家権力を奪取し、またいかにそれを防御するかについて歴史的分析を行うとともに、引き起こす人間の人物論や心理状態の描写も豊富に含んだ、まさに古典中の古典といえるこの著作について、現代的観点から全貌を新訳した中公選書版にもとづき、註釈を増やしてより理解しやすくした文庫版がここに登場。
  • 悲しき戦記
    4.0
    人間の感情や自由をいっさい剥奪され、戦争遂行の尖端に立たされた兵隊たち。彼らはいかに戦い、いかに生き、そして死んでいったか……。日中・太平洋両戦争に取材し、兵隊たちの死の道程を凝視して、戦争の真実の姿を厳しく捉えた、25編の挿話。戦死者たちの冥福を祈りながら描かれた「悲しき戦記」である。
  • 伊四〇〇と晴嵐 全記録 改訂増補版
    4.0
    『源田の剣』と並ぶ戦記の“幻の名著”『伊400と春嵐 全記録』が、その後の調査による大幅な加筆訂正を加え、約10年の歳月を経て「改訂増補版」として判型も新たに蘇る。3DCGによる伊四〇〇の口絵付き。
  • 陸軍中野学校 秘密戦士の実態
    4.0
    陸軍中野学校は何を教えたのか―総数二五〇〇余名、パレンバン落下傘降下、レイテ飛行場強襲の薫空挺隊、沖縄特攻義烈空挺隊、そして、アジア諸国の独立運動支援、最後の和平工作等々。世界のいたるところで任務についた秘密戦の華―一切の名利も地位も求めず、日本の捨て石となった戦士たちの足跡を辿る。
  • 昭和史をどう生きたか 半藤一利対談
    4.0
    「昭和史」対話篇、待望の文庫化。 『世界史のなかの昭和史』が刊行され、代表作「昭和史シリーズ」が完結――それらのエッセンスを、12本の対談で理解できる! あの戦争の指揮官たちのそれぞれの戦後。 硫黄島の戦いに殉じた栗林中将の手紙。 東京空襲の夜に凧を揚げていた少年。 「阿部定事件」で中断した国会。 反安保デモの終わった夜――。 激動の「昭和史」を目撃した半藤氏と12人の対話がポスト平成時代に問いかける。 「私たちは『昭和』をこう生きた。君たちはどう生きるのか?」 もはや対談者の多くが鬼籍に入られたいま、この本そのものが「昭和史」です。 〈対談者とテーマ〉 ●澤地久枝――ふたつの戦場 ミッドウェーと満洲 ●保阪正康――指揮官たちは戦後をどう生きたか ●戸高一成――なぜ日本人は山本五十六を忘れないのか ●加藤陽子――天皇と決断 ●吉村昭――東京の戦争 ●梯久美子――硫黄島と栗林忠道 ●野中郁次郎――撤退の本質 ●野坂昭如――繁栄という名の貧窮 ●宮部みゆき――熱狂の昭和 ●丸谷才一――戦争と艶笑の昭和史 ●佐野洋――清張さんと昭和史 ●辻井喬――希望と喪失の世紀
  • ロンドン狂瀾(上)
    4.0
    1930年1月、日米英など五大海軍国によるロンドン海軍軍縮会議が始まろうとしている。随員を命じられた外務省情報部長・雑賀潤は、首席全権の若槻礼次郎らと日本を旅立った。だが、各国の利害が対立する外交交渉は難航の連続。その上、海軍軍令部は自らの主張に固執し、妥協案に対して拒絶の姿勢を崩さない。熾烈を極める状況の先に、雑賀は光明を見出せるか!?
  • 孫子が指揮する太平洋戦争
    4.0
    元陸自隊員にして戦術研究のエキスパートが、兵法書『孫子』の視点で太平洋戦争を分析すると? 約2500年前に誕生し、いまなおビジネス、政治からスポーツにいたるまで幅広い分野で、多くの信奉者がいる『孫子』。 「彼を知りて己を知れば百戦して殆(あや)うからず」で知られ、一般的には、戦いに勝つための戦術書、国家の運営・軍事作戦における戦略書として高く評価されている。 しかし、孫子研究家の著者によると、孫子は、安易な戦いをいさめ、「戦わずして勝つ」ことが本質だという。 しかしながら、いざ戦争となれば「短期間で最小限の損害で戦いを終結する」ことを徹底して追及している。 もし日本の陸海軍の統帥部が、孫子の教えを正しく理解し、戦争指導に取り入れていたら、少なくとも、あれほどまでに負けずにすんだのではないか。 真珠湾攻撃、ミッドウェー海戦、ガダルカナル作戦、重慶作戦とセイロン作戦、インパール作戦、マリアナ沖海戦、レイテ決戦、そして本土決戦・・・。 実際に生起した個々の戦いを追体験していくなかで、孫子の教えが理解できるようになる!
  • [新版]独ソ戦史 ヒトラーvs.スターリン、死闘1416日の全貌
    4.0
    1941年6月22日、ドイツ軍はソ連に電撃侵攻を開始! スターリングラードを始めソ連各地で泥沼の戦いが繰り広げられた。ヒトラーとスターリンの思惑が絡み合う独ソ戦を、多くの資料を読み解いた著者が、わかりやすく詳細に解説する。
  • 証言 零戦 生存率二割の戦場を生き抜いた男たち
    4.0
    1941年12月8日、真珠湾攻撃に参加し、1945年8月18日の日本海軍最後の空戦まで戦い抜いた歴戦の搭乗員は、その日、まだ25歳だった。戦死率8割という消耗戦を生き残った若者たちは、あの戦いの最中に何を思い、戦後の混乱のなかでどのように生き抜いていったのか。150人以上の搭乗員たちにインタビューしたジャーナリストによる、平成の若者の祖父たちの激闘と苦闘の記録である。
  • 帰還兵はなぜ自殺するのか
    4.0
    ピュリツァー賞作家が「戦争の癒えない傷」の実態に迫る傑作ノンフィクション。内田樹氏推薦! 本書に主に登場するのは、5人の兵士とその家族。 そのうち一人はすでに戦死し、生き残った者たちは重い精神的ストレスを負っている。 妻たちは「戦争に行く前はいい人だったのに、帰還後は別人になっていた」と語り、苦悩する。 戦争で何があったのか、なにがそうさせたのか。 2013年、全米批評家協会賞最終候補に選ばれるなど、米国各紙で絶賛の衝撃作! 「戦争はときに兵士を高揚させ、ときに兵士たちを奈落に突き落とす。若い兵士たちは心身に負った外傷をかかえて長い余生を過ごすことを強いられる。その細部について私たち日本人は何も知らない。何も知らないまま戦争を始めようとしている人たちがいる。」(内田樹氏・推薦文)
  • 日本陸軍とモンゴル 興安軍官学校の知られざる戦い
    4.0
    一九三〇年代に満洲の地で、日本陸軍が関与し、モンゴル人へ軍事教育を施す目的で作られた興安軍官学校。日本の野心と中国からの独立を目論むモンゴルの戦略が交錯する中から生まれた場所だ。本書は軍事力により民族自決をめざすモンゴル人ジョンジョールジャブや徳王らの活動、軍官学校生らが直面したノモンハン戦争から敗戦にいたる満蒙の動向などを描く。帝国日本に支援され、モンゴル草原を疾駆した人びとの物語。
  • 国のために死ねるか 自衛隊「特殊部隊」創設者の思想と行動
    4.0
    もっとも死ぬ確率が高い特殊部隊の創設者が語る究極の組織論。 新安保法制が施行され、「自衛隊員の戦死」が現実味をおびてきた。しかし、今の日本という国家に「死ね」と命じる資格はあるのだろうか。国のために死ねる人間を作るにはどうしたらいいのか――。 【著者プロフィール】 1964年生まれ。日本体育大学から海上自衛隊へ。防衛大学校指導教官、「たちかぜ」砲術長を経て、イージス艦「みょうこう」航海長に。在任中の1999年、能登半島沖で不審船と遭遇。この事件を契機に創設された海上自衛隊内初の特殊部隊「特別警備隊」に配属され、現場突入部隊の初代指揮者として足かけ8年間在籍。42歳で退官し、ミンダナオ島に拠点を移し、日本を含む各国の警察、軍隊を指導。現在は日本の警備会社のアドバイザーを務めるかたわら、私塾を開いて、みずからの知識、技術、経験を後進へ伝えている。 【おもな目次】 第一章  海上警備行動発令 北朝鮮戦闘員の目/初めての海上警備行動/警告射撃開始 など 第二章  特殊部隊創設 特別警備隊準備室/レンジャー訓練の実態/自衛隊は弱いのか など 第三章  戦いの本質 拉致被害者を奪還できるか/相手に勝つということ/平時と非常時/常識を捨てられない問題 など 第四章  この国のかたち あなたの国は、おかしい/トロい奴は餌/危うい行動美学 など
  • 遥かなインパール
    4.0
    太平洋戦争末期、劣勢の戦局を挽回すべく、ビルマから東インド・インパールへの侵攻作戦が強行された。多くの人命の損失を招き、日本陸軍史上有数の悲惨な戦いとなったインパール作戦を枠組みに、主力部隊・祭兵団歩兵第六十連隊の行動に焦点をしぼって、その軌跡を忠実にたどる。風化してゆく戦争の現実と、激戦地におかれた兵士たちの人間的真実を描きとどめた入魂の戦場小説。
  • マルヌの会戦 第一次世界大戦の序曲 1914年 秋
    4.0
    政治家と軍人の軋轢、第一線の兵士の辛苦、失策、偶然、そして英雄的行為……。錯綜する戦況を俯瞰し、臨場感たっぷりに人間模様をも再現。大戦の帰趨を決した「奇跡」の舞台裏を活写する、稀有の戦記発掘。〈主要線戦闘地図収録〉
  • 轍―特攻せず―
    4.0
    死を覚悟し、戦闘機で敵艦隊に体当たりする「神風特別攻撃」―。いわゆる「特攻」。太平洋戦争末期、戦況悪化に伴い、日本海軍連合艦隊司令部は特攻主体の作戦を決定し、米軍の沖縄上陸に備えた。その中で、特攻を拒否し、「正攻法」を訴えた航空部隊があった。静岡県焼津市の藤枝海軍航空基地(現・航空自衛隊静浜基地)で誕生した「芙蓉部隊」。指揮官の美濃部正少佐は「夜間攻撃の合理性」を説き、出撃を繰り返した。美濃部元少佐が晩年に書き上げた自分史を元に、関係者に話を聞いた。 日本各地の新聞社のコンテンツを電子書籍化するプロジェクト「ニューズブック」シリーズ第3弾。 本書は2015年1月1日付から8月27日付までの静岡新聞の連載記事「轍―しずおか戦後70年」の一部を1冊にまとめたものです。
  • 千の証言 あの戦争を人々はどう生きたのか
    4.0
    筆舌に尽くしがたい戦禍と長い苦難の道のり。日本人はあの戦争(第二次世界大戦)をどう捉え、どんな思いで生きてきたのか?2014年から毎日新聞とTBSテレビの共同で戦争の悲惨さと平和の尊さを次の世代に伝えていく大型プロジェクト「千の証言」が2015年、話題になった。本書はその「千の証言」として毎日新聞に寄せられた数々の体験を編んだ記録的価値のある1冊。戦後70年を過ぎ、戦争体験者の高齢化につれ、戦争の記憶がどんどん風化していく今、戦争にまつわる証言をあらためて発信し、これまで口をつぐんできた多くの体験者から得た体験を伝える。戦争にまつわる「一枚の写真」「思い出の品」「心に残る風景」「忘れられない言葉」......。戦争を経験したご本人のみならず、家族、遺族からの声も掲載。
  • 米軍が恐れた「卑怯な日本軍」 帝国陸軍戦法マニュアルのすべて
    4.0
    沖縄戦の直後、アメリカ陸軍は兵士向けに、日本軍との戦闘用マニュアル『卑怯な日本軍』を刊行した。その小冊子には、太平洋戦争の末期、アメリカ軍が日本軍に対して抱いていた「卑怯」というイメージがあふれている。 本書の第一章では、その記述や写真・図版をもとに、アメリカ軍がいかに、日本軍の不意打ち、地雷、トラップといったゲリラ戦術を警戒していたのか明らかにする。 第二章以降では、逆に日本軍が作成した対アメリカ戦闘用のマニュアルを紹介する。対米戦マニュアルの原型は対中国戦向けであり、日本軍の戦法についていえば、日中戦争と日米戦争は不可分であった。また、対米戦法の模索をみながら、日本の軍人たちがどこに勝機を求めていたのかを考察。 気鋭の歴史学者が、マニュアルを読む日米兵士の立場から、あの戦争について考える。当時の両国兵士の意識を知ることは、日米関係の将来を冷静に考えるためにも必要ではないだろうか。
  • 夢声戦中日記
    4.0
    活動写真の弁士を皮切りに、子役時代の高峰秀子らと映画で共演するなど昭和を代表する芸能人であり、文筆家としても知られた著者が、真珠湾攻撃から東京大空襲にいたる約三年半の日々を克明に綴った記録。終戦までの四ヵ月を収録した既刊『夢声戦争日記 抄 敗戦の記』の姉妹篇。 〈解説〉濱田研吾
  • スターリンの対日情報工作
    4.0
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 日独防共協定の内容を締結前から完全に把握していたクリヴィツキー、東京を基点に強大な情報網を築き上げたゾルゲ、そして、一九四一年六月に始まった独ソ戦以後の日本の動きについて、核心に迫る情報をモスクワに流していた日本人スパイ「エコノミスト」。スターリン体制下におけるソ連の対日情報工作の多面的な実相を描く。
  • 零戦の誕生
    4.0
    貴重な新証言の発掘による、新たなる事実! 零式戦闘機のメカニズムと名もなき戦士たち。零戦の誕生に携わった数多の青春群像を紙上に蘇らせた戦記ノンフィクションの白眉
  • 特攻とは何か
    4.0
    自爆テロには断じて非ず、あの戦法の真実を描く 太平洋戦争末期に散った若者たち。彼らの悲劇はなぜ生まれたのか? 特攻の生みの親・大西瀧治郎海軍中将たちの苦悩と葛藤を描きだす
  • ガダルカナル戦記(一)
    4.0
    あの戦争において、なぜ日本は敗れたのか。戦闘の実相のみならず、日本軍が抱えた宿命ともいえる精神構造を、生き残った将兵の肉声をもとに解明した傑作戦記。第一巻は、米軍による本格反攻の幕開けとなったガダルカナル島急襲から、奪還のため急派された陸軍の精鋭一木支隊を待ち受けた悲劇までを描く。第2回(1980年)講談社ノンフィクション賞受賞作。
  • 日米開戦の正体 なぜ真珠湾攻撃という道を歩んだのか
    4.0
    それは日露戦争勝利の時から運命付けられていた?!……。なぜ、日本は勝てる見込みのない戦いを仕掛けたのか? 「史上最悪の愚策」―真珠湾攻撃はどのように決断されたのか? いつ、開戦回避が不可能となったのか? ベストセラー『戦後史の正体』の著者(元外務省国際情報局長)が、膨大な資料と当時の人々の証言から解き明かした歴史の真相!この教訓が岐路に立つ現代日本に何をもたらすのか。戦後70年特別企画、話題の書を同時電子化!
  • 東京大空襲を忘れない
    4.0
    東京大空襲では、約280機のB29が32万発とも言われる焼夷弾を落として東京を焼き尽くし、およそ10万人もの市民を無差別殺戮しました。5人の空襲体験者の証言は、胸に深く訴えます。焼夷弾の兵器としての残忍さ、当時の小中学生の学校や家での暮らし、疎開先の様子にまで話を広げます。祖父祖母ですら戦争を知らない世代となった今日、この本の存在意義は小さくないといえそうです
  • 戦争と人間 歴史が語る20の教訓
    4.0
    21世紀を迎えた今日、戦争やテロの恐怖はますます増大している。人類発生以来、絶えることのなかった「争い」の歴史。数多の経験則を積み上げながら、人間はなぜ「戦争」を放棄する英知を持ち得ないのか。本書は、古今東西の歴史に“臨床例”を求め、戦争の根源的要因に解明のメスをふるった文明評論。ローマ帝国、スパルタ、カルタゴから始皇帝、モンゴル、インカ帝国まで、20の具体例をもとに戦争発生のメカニズムを読み解いていく。とりわけ本書の特徴は、各項ごとの論旨を明確に掲げたことにある。スパルタの巻では<教育>、十字軍の巻は<文化衝突>、ヒトラーの巻は<宣伝>……のように、戦争という“怪物”の様々な性格や要素が見事に因数分解されて提示されるのである。長年にわたり世界各地を旅し、実際に古戦場や帝国の遺跡にたたずみ、「戦争と人間」の問題を考察し続けてきた著者ならではの力作。著者撮影の貴重な写真も満載した好著である。

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  • 帰還せず -残留日本兵 六〇年目の証言-
    4.0
    東南アジアで元日本兵が語った祖国と戦争。 戦後60年を経てなお東南アジア各国に残る、日本人元兵士たち。 「どうして故郷へ帰らなかったのですか?」 その問いに古い記憶をたどりながら、ある人はやむなき事情で逃亡兵になったいきさつを、ある人は過酷な戦闘体験で日本と決別した経緯を語った。 タイ、ベトナム、インドネシア・・・・・・。現地に足を運んで聞き出した、14人の証言。しかし本書刊行時点では、そのほとんどが故人となっている。 日本に帰らない選択をし、戦後60年異国で年老いていった人たちの戦争体験を聞くために南へ! 彼らと50ちかく年の離れた著者にとって、「祖国とは何か?」という謎解きの旅であった。 あらためて「日本が海外で戦争することの意味」を考える、一級の資料にして珠玉のノンフィクション。(2014年発表作品)
  • もうひとつの核なき世界
    4.0
    原爆、帰還兵、原発。核をめぐる真実のルポ。  2011年3月。福島第一原発事故により、それまで原発依存の生活を送ってきた日本人は、改めて生活のあり方を問われるようになった。事故から3年以上経つ現在も、故郷に帰れない人々がたくさんいるという現実。それほど、「放射能汚染」の被害が甚大であることを、私たちは日々実感させられている。  本書は、2009年のオバマ大統領の「核なき世界」という演説に端を発した「核」をめぐるルポルタージュ。この演説後もアメリカ政府が年々核兵器関連予算を拡大していること。劣化ウラン弾による被曝の後遺症に悩まされながらも、何の補償も与えられないどころかその声すら無視される帰還兵たちの存在。戦争勃発以降、イラクで増え続けるがん患者や先天性障害児。そして唯一の被爆国として、広島・長崎を中心に反核メッセージを世界に発信し続けながらも、原発輸出に力を入れ続けてきた日本。それらの現実を、著者は丹念に取材しながら、「核」とはいったい何を指すのか、その根本からを考え直すべきだと訴える。  文庫化にあたり、原発事故を経た現在の視点で、著者が新たなメッセージを加筆。いまこそ日本人が読むべき、真実のルポ。
  • 撃沈 太平洋海戦記
    4.0
    日本帝国海軍かく戦えり! 南太平洋の荒浪のただ中、史上最強の米機動部隊に熾烈な海戦を挑むこと数度、太平洋海戦中もっとも長期にわたって勇戦奮闘した「栄光の空母・瑞鶴」。不沈艦の名をほしいままに、シブヤン海で激闘九時間。ついに海のもくずと消えた世界最大の巨艦の最期を描く「戦艦武蔵自沈す」など、連合艦隊の華麗な日々とその苛酷な運命をたどる海のドラマ集。
  • 撃墜 太平洋航空戦記
    4.0
    空中戦! 華麗にして峻烈、ダイナミックなこの修羅場の極限。紺碧の空を血に染めて、日米両軍の戦闘機が激突した南太平洋を舞台に、青春のすべてを一瞬の戦いに燃焼させた零戦乗りたちの生と死を、迫真のタッチで描く「空の剣」。他に、ラバウル上空やミッドウェー海戦、ソロモン沖海戦などで散っていった、空の男たちへの鎮魂歌七篇を収録した航空戦記傑作集。
  • 兵士に告ぐ
    4.0
    日本の南の砦、最精鋭部隊に初の密着取材! 中国の調査船が頻繁に行き来し、北朝鮮の工作船が監視をかいくぐり海岸線への接近を図る――ここ10年で空気が緊迫した、対馬海峡から東シナ海へと跨る日本の領海。このレッドゾーンに点々と浮かぶ南西諸島の防衛のため、2002年3月、長崎で西部方面普通科連隊が産声を上げた。 全国から精鋭600名を集めた通称「西普連」は、米海兵隊との共同訓練を開始し、イラクへも隊員を派遣する……。 冷戦後の組織改編を象徴する部隊への密着取材を通じ、米軍との際限なき一体化にひた走る自衛隊と、危うい日本の行く末を描き出す本格ノンフィクション。
  • 甘粕大尉 ――増補改訂
    4.0
    関東大震災下に起きた大杉栄虐殺事件。その犯人として歴史に名を残す帝国陸軍憲兵大尉・甘粕正彦。その影響力は関東軍にもおよぶと恐れられた満洲での後半生は、敗戦後の自決によって終止符が打たれた。いまだ謎の多い大杉事件の真相とは? 人間甘粕の心情とは? ぼう大な資料と証言をもとに、近代史の最暗部を生きた男の実像へとせまる。名著・増補改訂。
  • 兵士を見よ
    4.0
    戦闘機パイロットら空自「兵士」の肉声。 選び抜かれた者だけに動かすことが許される戦闘機。軍隊であってはならない自衛隊において、戦闘機乗りの主な任務は、有事に備えての毎日が死と隣り合わせの訓練である。彼らはなぜ空を飛ぶのか。著者自ら戦闘機F15の体験搭乗を行い、さらに航空自衛隊で働くさまざまな隊員たちの声を集めた「兵士」シリーズ第2弾。戦闘機パイロット、整備員、救難パイロット、救出に命を賭けるメディック……。“空”に生きる兵士たちの姿を追う!
  • 兵士に聞け
    4.0
    自衛隊員の生の声に耳を傾けた渾身ルポ。 25万もの兵力を擁し、核兵器以外のあらゆる兵器を有する巨大組織でありながら、軍隊として存在することは許されない自衛隊。戦う相手も見えない中で「日蔭者」として生きることを強いられた隊員たちは、日々何を思い過酷な訓練に従事しているのか。様々な基地を訪ね歩き、訓練にも同行し、彼らの生の声に耳を傾けた渾身のルポ。日本を守る存在ながら、日本人があまりにも知らない自衛隊の実情に深く迫る。‘96年新潮学芸賞受賞作。(2007年発表作品)
  • 東条英機 大日本帝国に殉じた男
    4.0
    鈴なりの勲章を左胸にかかげ、胸を張ったちょび髭の陸軍軍人の写真。その表情はむしろ柔和で、<カミソリ>の異名を取った男とは思えない雰囲気を漂わせている。東条英機――太平洋戦争開戦時の首相であり、戦後はA級戦犯として絞首刑になった彼の生涯を描いた本書では、そんな写真を装丁に使った。「冷酷・悪辣な侵略者」のように見られがちな東条だが、それは実際の人間像とは程遠いものだ。日本陸軍の一軍人として、何より天皇の忠実な臣下として自らを任じていた東条は、むしろ40代までは軍部でも地味な存在であった。それが54歳にして陸軍次官に就任するや、まるで何かに憑かれたように権力の中枢を占め、対外強硬策を支持し始める。やがて緊迫する国際情勢のなか、首相として国家の命運を担った彼は、日本を最悪の事態へと導くだけの役割を演じてしまう。戦時日本のリーダーという運命を背負った男の「光と闇」を、克明に描き出した力作小説。

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  • 技術戦としての第二次世界大戦
    4.0
    戦前の日本軍のイメージとして、「精神主義」「白兵思想」がよく挙げられるが、果たして本当だろうか?技術力を軽視し、「明治に制定された38式歩兵銃をいつまでも使い続けた」という批判は今でも根強いものがある。しかしそれは当時、世界的に見ればごく普通のことで決して日本軍だけの珍しい例ではなく全くの誤解である。本書は、「第二次世界大戦での日本の軍事技術力はいかなるレベルにあったのか?」「戦争の敗因は一体どこにあったのか?」を、“技術戦”という新たな視点で説き明かした白熱の対談だ。戦車・飛行機・大砲・小銃・自動車など陸戦兵器を中心に、その性能や戦略、開発の背景を、主な対戦国である“米英中ソ”の4ヵ国と徹底比較していく。「誤解された38式歩兵銃」「手榴弾を愛した敵軍」「日本製戦車のセンス」「インパール作戦は『悪い見本』か?」など、激戦の意外な真実が見えてくる!『技術戦としての第二次大戦』を改題。

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  • 歴史の授業で教えない 日本軍 激闘の舞台裏
    4.0
    一般的な小・中・高の歴史の授業では、大日本帝国という国が種々の戦争へと至った経緯について多少の説明はあるものの、その際に日本軍の軍人たちがどのように考え、どのような作戦を練り、どのような覚悟で戦ったのかについては、ほとんど教わることがない。 本書は、そんな「歴史の授業で教えない日本軍の歴史」と、彼らが戦った激闘とは具体的にどのようなものだったかについてスポットを当てた一冊である。
  • 美保関のかなたへ 日本海軍特秘遭難事件
    4.0
    昭和2年、島根県美保関沖で海軍史上未曾有の大事故が起きた。駆逐艦蕨に巡洋艦神通、駆逐艦葦に巡洋艦那珂が激突し百余名が海没したのだ。事件の真相と、関わった人々の人生を克明に綴った感涙のノンフィクション。
  • ドキュメント 太平洋戦争全史(上)
    4.0
    真珠湾奇襲から終戦の大詔まで、1347日間にわたった先の戦争。講談社ノンフィクション受賞作家が、ライフワークとして積み重ねた戦場体験者たちへの聞き取り調査をもとに、太平洋戦争全体を見わたす通史を著した。著者が出会った戦場体験者は、提督・将官・兵士を合わせて計300人超。その貴重な肉声から、戦場で何が起きていたのかはもとより、死力を尽くして闘った日本人の「魂」の真実を描く。作戦解説47図を収録。
  • 世界最強だった日本陸軍 スターリンを震え上がらせた軍隊
    4.0
    日米戦争における日本の最大の悲劇は、日本が戦争に負けたことではなく、アメリカから一方的にやられっぱなしの、あのようなぶざまな負け方をした、戦闘内容のレベルの低さだった。これがいまだに日本人の潜在意識の底に尾を引いている。──本書「序文」より旧ソ連の秘密文書公開によって、ノモンハン事件がじつは日本陸軍がソ連軍を圧倒した勝ち戦だった事実が明らかになった今日、昭和史は大幅に書き換えられなければならない。……スターリンは恐怖に震え上がった。じつはソ連はすでに日本に停戦を申し入れていたのだが、日本から回答がないのを見て、焦慮のあまりついにドイツに泣きついたのである。日本が「恐ソ病」にかかっていたのは事実であるが、ソ連はそれ以上に「恐日病」にかかっていた。──本書「第一章 ノモンハン」より当時世界最強だった日本陸軍が、なぜ太平洋戦争に敗れたのか。その答えにこそ「昭和史の謎」を解く鍵がある。

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  • 海戦からみた日露戦争
    4.0
    「坂の上の雲」で注目される日本海海戦。何がその戦局を分けたのか? 丁字戦法や東郷ターンの陰で公式戦史から消された勝利の真因を、豊富な写真・海戦図とともに解き明かす。日本海軍史の第一人者が描く、単純化された「英雄譚」とは一味違うダイナミックな海軍史!
  • 虚構の大義 ―関東軍私記―
    4.0
    「戦後30年、私は未だ復員しきれていないような気がする。軍隊の理不尽に耐えていた期間と、生死のはざまをナロウ・エスケープした100日間の体験は、確かに私に終生のテーマとするものを怨念として与えた。それをフィクションとして表現したのが『人間の条件』であり、ドキュメントとして誌したのが本書である」(あとがきより)。日本帝国陸軍野望の象徴「関東軍」はかく壊滅せり! 元関東軍の兵士だった著者が怨念をこめて綴る力作長編。
  • ドキュメント戦艦大和
    4.0
    かつて世界最強を謳われ、連合国に「幻の大戦艦」と恐れられた巨艦に何が起ったのか。名著『戦艦大和ノ最期』の著者吉田満と大和研究の第一人者原勝洋が、六十人を超える大和乗員の生存者と関係者の証言を丹念に集め、さらに日米の資料を駆使し、昭和二十年春の沖縄大和特攻作戦を再現する。「作戦準備」「作戦発動」「米攻撃隊来襲」「戦艦大和沈む」「戦いのあとに」と、五部に分けて克明に時間経過を追った本書は、無謀無策といわれた大和特攻の真実に迫る。
  • 「最後の特攻隊」の真相 消された偵察機「彩雲」
    4.0
    昭和二十年終戦当日、宇垣纏中将の最後の特攻を目撃した偵察機搭乗の中尉が残した謎の手記が存在した。偵察機搭乗員が明かした宇垣特攻の真実とは?なぜ、この手記が一顧だにされないのか。戦後置き去りにされてきた終戦時最大のミステリーに挑む!

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  • 御前会議
    4.0
    御前会議──天皇の前で開かれるため最高の権威をもつ。が、その天皇は一切の責任の外にあった。昭和十六年、四回の御前会議の結果、日本は勝算なき太平洋戦争に突入した。この会議の経緯を詳細に辿り直し、改めて御前会議のもつ奇怪な本質を抉る迫真のドキュメントが本書である。陸軍と海軍の権力抗争、開戦のために工作される非合理的な数字、参戦を疑問視しながら、しだいに口を閉ざしてゆく重臣たち。著者は言う、“恐るべき傲慢と惰性が日本を破滅させた”と。
  • 重臣たちの昭和史(上)
    4.0
    なぜ日本はあの戦争に突入したのだろう? 二・二六事件当時の世相はどんなだったか? 木戸幸一の語った新事実とは? 陸軍の暴走はどのように始まったのか? 天皇の統帥権の実態とは? 元老西園寺・木戸・近衛と原田熊雄を中心に、貴重な談話・手紙・一次資料からの豊富な引用を交えた、立体的な昭和史。当代きっての事情通・原田熊雄の女婿ならではの情報力で描き出されたこの大河歴史ドキュメントは、歴史を多面的に知りたい人にとって、まことに平易かつ便利な通史である。
  • 指揮官と参謀 コンビの研究
    4.0
    太平洋戦争敗北の背景には、新しい組織論の欠如があった。英雄が歴史を作り出す時代は終わり、現代の組織においては、「際立った個人」より、総合的戦略としてのリーダー・シップが必要とされている。山本五十六、東條英機など大本営を担った軍部の重鎮たちはじめ彼らとともに日本軍の作戦行動に関与した指揮官と参謀の組合せ十三例をあげ、組織内におけるコンビネーションの重要性を学ぶ──経営者に欠かすことのできない、人材とは何かの一端を巧みな人間描写によって導きだす。
  • 儂は舞い降りた/アフガン従軍記(上)
    4.0
    この本は、ご本家『鷲は舞い降りた』とは似ても似つかぬトンデモ本である。しかし、儂も舞い降りたのである。ご本家には15名のコマンドがおったが、ワシはたった一人! 中佐が舞い降りたのは文明国だったが、ワシが舞い降りたのは原始的な砂漠の国なのである……不肖・宮嶋、戦場を目指す、が、行くも地獄、戻るも地獄の砂嵐!

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  • 六機の護衛戦闘機
    4.0
    昭和18年4月18日、悲劇は始まった。山本五十六搭乗機の護衛についた6機の零戦は、大任を果たしえず、その重責を負い、次々に南の空に消えていった。若きパイロットたちの非情な運命を悼み、その生の軌跡を関係者の証言に辿る、知られざる戦争の記録。

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  • 敗走記
    値引きあり
    3.9
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 戦争を生き抜いた著者がつづる生と死の物語 戦記ドキュメンタリー完全復刻! 昭和19年、南太平洋ニューブリテン島中部、部隊は壊滅的打撃を受けたものの、ひとり生き延び、仲間の鈴木と合流することに成功する。そして断崖を通り抜け道なき道を進み、敗走を続けた。敵に追われ、飢えや渇き、暑さに苦しみながらも九死に一生を得た著者が綴る、生と死の物語。戦記漫画の傑作を6編収録。
  • 戦争論(上)
    3.9
    比類なき戦略家としてナポレオンを撃破したプロイセンの名参謀クラウゼヴィッツ。その思想の精華たる本書は、ミリタリズムの域を超えて、あらゆる組織における決断とリーダーシップの永遠のバイブルである。上巻は第一部「戦争の性質について」から第五部「戦闘力」まで。         (全二巻) 【目次】 第一部 戦争の性質について 第二部 戦争の理論について 第三部 戦略一般について 第四部 戦闘 第五部 戦闘力 訳注 訳者解説
  • 昭和の名将と愚将
    3.9
    恩賜の軍刀を与えられた秀才組に名将はいなかった 責任感、リーダーシップ、戦略の有無、知性、人望……昭和の代表的軍人22人を俎上に載せて、敗軍の将たちの人物にあえて評価を下す。 第一章 栗林忠道 第二章 石原莞爾と永田鉄山 第三章 米内光政と山口多聞 第四章 山下奉文と武藤章 第五章 伊藤整一と小沢治三郎 第六章 宮沢繁三郎と小野寺信 第七章 今村均と山本五十六 第八章 服部卓四郎と辻政信 第九章 牟多口廉也と瀬島龍三 第十章 石川信吾と岡敬純 第十一章 特攻隊の責任者 大西瀧治郎・冨永恭次・菅原道大 *電子書籍版では掲載されていない写真があります。
  • 戦争はいかに終結したか 二度の大戦からベトナム、イラクまで
    3.9
    第二次世界大戦の悲劇を繰り返さない――戦争の抑止を追求してきた戦後日本。しかし先の戦争での日本の過ちは、終戦交渉をめぐる失敗にもあった。戦争はいかに収拾すべきなのか。二度の世界大戦から朝鮮戦争とベトナム戦争、さらに湾岸戦争やイラク戦争まで、二〇世紀以降の主要な戦争の終結過程を精緻に分析。「根本的解決と妥協的和平のジレンマ」を切り口に、真に平和を回復するための「出口戦略」を考える。
  • トットちゃんとソウくんの戦争
    3.9
    戦争は、何も知らない子どもの心まで深く傷つける。私たちはそのことを身に染みて知っている最後の世代だ。だからこそ、私たちの戦争体験を、しっかりと語っておきたいと思う。――黒柳徹子黒柳さんも僕も、小学生時代はまるまる戦争と重なる。意味がよくわからぬまま「玉音放送」を聞いたことや、戦争が大嫌いという点もいっしょである。――田原総一朗ふたりが語る戦争体験と平和への願い。
  • ミッドウェイ
    3.9
    戦争へと突き進む時局に押され、憧れの女性への思慕も個人の夢も捨て去り、戦闘機乗りに身を投じた日米の若者たち。爆撃を受け火だるまになる空母、次々と飛び立つ戦闘機。はからずも同じ女性の影を追っていたとも知らずに、降旗とロバート、それぞれの想いがミッドウェイの空に交錯する……。太平洋戦争の分岐点となった激戦ミッドウェイ海戦に正面から取り組んだ、著者渾身の戦記小説。
  • 零式戦闘機
    3.9
    設計主務、堀越二郎34歳。開発スタッフの平均年齢20代。国家の存亡を賭けた新鋭機は、若者たちの手によってつくられた――。 日中戦争後期から太平洋戦争を通じ、5年もの間日本海軍の主力戦闘機として戦い抜いた零式艦上戦闘機、通称零戦。今また映画『風立ちぬ』や百田尚樹さんの小説『永遠の0』などで注目を集めていますが、この高性能戦闘機が世に出るまでには、若い技術者たちの長く苦しい闘いがありました。彼らは、技術後進国という厳しい条件下で、いかにして外国機をしのぐ新鋭機をつくり出したのか? 『風立ちぬ』主人公のモデル、堀越二郎氏へののべ40時間にわたるインタビューをはじめ、当事者たちへの徹底取材に基づいて書き上げられ、1977年に刊行された長篇ノンフィクション。「零戦」を知るのにこれ以上の本はなく、当時を知る人のほぼすべてが鬼籍に入ってしまった今、これからも書かれることはないでしょう。
  • 昭和史裁判
    3.9
    「軍部が悪い」だけでは済まされない。松岡洋右、広田弘毅、近衛文麿ら70年前のリーダーたちは、なにをどう判断し、どこで間違ったのか――昭和史研究のツートップ、半藤一利さんと加藤陽子(東大教授)さんが、あの戦争を呼び込んだリーダー達(番外として昭和天皇)を俎上に載せて、とことん語ります。あえて軍人を避けての徹底検証は本邦初の試み! 開戦責任を改めて問う、白熱の歴史討論。
  • 海戦からみた太平洋戦争
    3.9
    太平洋戦争の実像は、日清・日露戦争に始まる「五十年戦争」の終局としてはじめて明らかになる――。真珠湾攻撃から戦艦大和の建造、史上最大のレイテ沖海戦まで、海戦史の第一人者が明かす日本現代史の深層。
  • 発酵食品と戦争
    3.8
    一見、関わりなど無いように思える「発酵」と「戦争」。 しかし太平洋戦争末期からの食糧欠乏期、国民全体が発酵食品にいかに救われたか、 また食糧のみならず爆薬・燃料・薬品をもつくる驚異のパワーを、 古今東西の豊富な事例で紹介。その幅広さには、「発酵」の豊かさと 無駄のない強靭さ、無限の可能性が感じられる。 【目次】 第一章 戦争と発酵食品 納豆/味噌/醤油/食酢/漬物/食パン/鰹節/チーズ/甘酒/チョコレート/紅茶/缶詰/軍隊調理法 第二章 戦時下の酒 日本酒/焼酎/泡盛/ビール/ワイン/ウイスキー/酒保/密造酒 第三章 戦争と知られざる発酵 小便から発酵で爆薬をつくる/発酵で爆薬ニトログリセリンを生産/芋を発酵させて爆撃機の燃料をつくる/傷病兵のための抗生物質の発酵生産/海藻を発酵させて軍需用品の沃素をつくる/戦争と堆肥/戦争と柿渋 第四章ウクライナとロシアの発酵嗜好品  ウクライナとロシアの伝統発酵料理/ウクライナのワイン/ロシアのワイン/ジョージアのワイン
  • 「合戦」の日本史 城攻め、奇襲、兵站、陣形のリアル
    3.8
    戦後、日本の歴史学においては、合戦=軍事の研究が一種のタブーとされてきました。 このため、織田信長の桶狭間の奇襲戦法や、源義経の一ノ谷の戦いにおける鵯越の逆落としなども「盛って」語られてはいますが、学問的に価値のある資料から解き明かされたことはありません。城攻め、奇襲、兵站、陣形……。歴史ファンたちが大好きなテーマですが、本当のところはどうだったのでしょうか。本書ではこうした合戦のリアルに迫ります。 ■第一章 合戦の真実 ■第二章 戦術――ドラマのような「戦術」「戦法」はありえたか ■第三章 城――城攻め・籠城・補給・築城 ■第四章 勝敗――勝利に必要な要素とは ◎内容例 本当に軍師は存在したのか? 川中島の戦いの勝者を考えるポイントは? 奇襲は有効だったのか? なぜ城攻めをするのか? 各城にどのくらいの兵力を置くか? お粗末すぎる日本の城壁 合戦のコストを考える 大将の討死は実は少ない 関ケ原の戦いと指揮系統 ほか……
  • 幕府軍艦「回天」始末
    3.8
    歴史に秘められた事実を掘り起こした傑作長篇。 明治二年三月二十五日の夜明け。 宮古湾に碇泊している新政府軍の艦隊を 旧幕府軍の軍艦「回天」が襲った――。 箱館に立てこもった榎本武揚、土方歳三らは、次第に追い詰められていく状況を打開しようと、新鋭艦・開陽丸なきあと二番手の軍艦だった「回天」を使い、大胆な奇襲に賭けたのだった。 奇襲には成功したが、外輪船で小回りが利かない「回天」は、新政府艦隊に包囲されて集中砲撃を浴びる――。 一切作者の主観的視点は入れ込まず、事実のみをたどり、「回天」の運命を追いながら、初めて海上から箱館戦争が描かれた。 後に書かれる『天狗争乱』につながる、隠れた名作。 薩摩藩領宝島において、外国の捕鯨船員と島の警備の日本人との間の、小規模ながら戦闘がおこなわれた様子を描く「牛」を併録。 解説・森 史朗
  • 戦艦大和 生還者たちの証言から
    3.8
    真珠湾攻撃の直後に竣工し「世界最大・最強」を誇った大和。だが、この巨艦はレイテ沖海戦などを経て沖縄へ向かう途中、わずか2時間で撃沈された。約3000人の乗組員の内、生還者は300人足らず。著者は現存する23人からその凄惨きわまる体験を取材、大和の航跡と戦争の実相、生存者や遺族の願いを伝える。

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  • 続・大空のサムライ 回想のエースたち
    3.8
    『大空のサムライ』を読んだすべての読者へ! 絶体絶命の窮地におちいるも、なおかつ屈せず、果敢に列機をリードして紺碧の空戦場裡を飛ぶこと二〇〇〇時間、ただの一度も列機を死なせず、みずからの愛機を損じたこともない“栄光の記録”を樹ち立てた第二次大戦撃墜王“サブロー・サカイ”が、全世界のファンに贈る大いなる感動を呼ぶ熱血の零戦空戦記録。
  • 甲陽軍鑑
    3.8
    戦国大名武田信玄、勝頼二代にわたる甲州武士の事績、心構え、軍法、合戦などが記された壮大な歴史パノラマ。戦国時代に形成された武士道の集大成ともいわれ、元和以来、武士の間で広く読まれた。また、講談や歌舞伎狂言などにも翻案され、庶民にも遍く普及し今に伝わっている。本書は、全二十巻五十九品の中から、その白眉と目される山本勘助の物語、信玄一代記、甲州法度など話題に富む十四品を収録。歴史に関心をもつ読者はもとより、広く現代において、組織の上に立つ者の必読の名著。原文に現代語訳を付す。
  • わたしの町は戦場になった シリア内戦下を生きた少女の四年間
    3.8
    2016年12月、ジャーナリストのフィリップ・ロブジョワはシリア内戦の取材のため、経済の中心アレッポを訪れた。かつて美しい街並みで知られていたが、政府軍と反体制派のあいだの内戦で廃墟と化していたアレッポ。そこで彼は、ミリアムという13才の少女に出会った。彼女は内戦下で起きた出来事を日記に綴っており、それを世界の人々に伝えることを望んでいた。戦闘の影に覆われていく平和な日常。学校の近くに落ちる爆弾、地下への避難。スナイパーが潜む通学路。いま、子どもたちが戦争を生きていくとはどういうことなのか。一人の少女が、内戦下の日々を曇りなき目で綴った21世紀版『アンネの日記』。
  • 深海の使者
    3.8
    インド洋を横切り、アフリカ大陸を回りこんで大西洋を北上する3万キロの隠密行! 第二次大戦中、五回に渡って行われた遣独潜水艦作戦の全貌を描いた著者最後の戦史小説 太平洋戦争勃発後、連合国側に陸路・海路を封鎖され、日本と同盟国ドイツとの連絡は途絶した。この苦境を打破するため、海軍は潜水艦を単独でドイツに派遣する“遣独潜水艦作戦”を敢行した。 マラッカ海峡を抜けてインド洋を横断し、アフリカ大陸を南下、喜望峰を回りドイツ占領下フランスの大西洋岸の港まで、はるか3万キロを連合国側の厳重な対潜哨戒網をかいくぐって往復するという、過酷極まりない作戦。 伊30、伊8、伊34、伊29、伊52。五次に渡る作戦の中で、無事に日本に帰還したのは第二次の伊8一隻に過ぎなかった。 「文藝春秋」連載中から大きな反響を呼び文藝春秋読者賞を受賞。そして本作が著者最後の戦史小説となった。 解説・半藤一利
  • 飛行機の戦争 1914-1945 総力戦体制への道
    3.8
    なぜ国民は飛行機に夢を託し、人、金、物を提供したのか――。貧しい人びとの出世の手段としての航空兵。国民一人一人がお金を出しあって飛行機をつくる軍用機献納運動。防空演習ですり込まれる空襲の恐怖と、空中国防の必要性。学校、親への「説得」を通して行われる未成年の航空兵「志願」……。日本軍=大艦巨砲主義という通説をくつがえし、総力戦の象徴としての飛行機に焦点をあて、戦前、戦中の現実を描く。
  • 日本が戦ってくれて感謝しています アジアが賞賛する日本とあの戦争
    3.8
    感謝!賞賛!の声、声、声 日本人よ、自分の国を愛しなさい! ●ラダ・ビノード・パール極東国際軍事裁判判事 「同じ有色人種である日本が、北方の強大なる白人帝国主義ロシヤと戦ってついに勝利を得たという報道は、われわれの心をゆさぶった。(中略)私はインドの独立について思いをいたすようになった」 ●S・S・ヤダヴ全インドINA事務局長 「インドの独立には国民軍の国への忠誠心が大きな影響を与えました。しかし我々国民軍を助けてくれたのは日本軍でした。インパールの戦争で6万の日本兵士が我々のために犠牲となってくれたのです。我々インド人は子々孫々までこの日本軍の献身的行為を決して忘れてはいけないし、感謝しなければならないのです」 ●グルモハン・シン氏 「日本の兵隊さんは命を張って私たちを戦場から逃がし、戦ってくれました。いまこうして私たちが生きていられるのも、みんな日本の兵隊さんおかげだと思うと感謝の気持ちでいっぱいになります。一生この気持ちは忘れることはできません」 (第1章【インド】より)
  • 三国志姜維伝 諸葛孔明の遺志を継ぐ者
    3.8
    魏・呉・蜀、三国が並ぶ中華動乱の時代。天才軍師・諸葛孔明に見いだされ、その才能を受け継ぐといわれた武将、姜維(きょうい)。強大な敵軍が迫る中で、師への思いと祖国を守るために、姜維は戦い続ける。三国志の最後を飾る名将の物語。
  • 持たざる国への道 - あの戦争と大日本帝国の破綻
    3.8
    なぜ日本は世界を敵に回す戦争を起こしたのか? 今の日本人は、その意味を正しく捉えられているか? わかりやすい「欺瞞的な説明」を排し、軍事面や外交面にとどまらず、政府や日銀の政策を軸に「あの戦争」を再考。財務出身官僚が、新たな視点で描く戦前日本の「失敗の本質」。

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  • ソ連が満洲に侵攻した夏
    3.8
    日露戦争の復讐と版図拡大に野望をいだくスターリン、原爆を投下し戦後攻略を早くも画策する米英、日ソ中立条約を頼りきってソ満国境の危機に無策の日本軍首脳――三様の権謀が渦巻くなか、突如ソ連軍戦車が八月の曠野に殺到した。百万邦人が見棄てられた昭和史の悲劇を、『日本のいちばん長い日』で終戦の日のドラマを描き、『ノモンハンの夏』で帝国陸軍首脳の無責任を鋭く衝いた著者が、痛烈に描き切った力作。
  • 泥の蝶 インパール戦線死の断章
    3.8
    太平洋戦争末期の昭和十九年三月、インドを英国領から解放し、新政権樹立を目論む日本は運命の一戦に打って出る――インパール作戦。後に「無謀な作戦」の代名詞となった戦いは、補給路を軽視したため夥しい餓死者を生む修羅場と化した。渦中にあった若き兵士たちが胸に秘めた、愛する家族、母国への想いとは何だったのか? 心揺さぶる魂の戦記。
  • 斜陽に立つ
    3.8
    乃木希典と児玉源太郎。戦乱の幕末・明治を疾走した両将の人生の軌跡と友情。 乃木は愚将に非ず-歴史小説の巨匠の集大成、入魂のライフワーク。
  • 日中十五年戦争史 なぜ戦争は長期化したか
    3.8
    蘆溝橋事件を引金に日中の戦いは軍部主導のかたちで、ついには泥沼の太平洋戦争に突入していった。しかし、すべての日本人が武力行使の拡大を望み、戦火を座視していたわけではなかった。戦争はあくまで和平工作の最終手段として考え、たえず平和的解決、そのための交渉の努力が模索されていた事実もあった。もし平和的、自主的解決が実現していたなら――歴史におけるイフのタブー視域から、日中の動き、戦争の経過を見据える。

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  • 最終戦争論
    3.8
    まもなく国家殲滅型の最終戦争が起こり、その後に絶対平和が到来する。太平洋戦争前夜、戦史研究と日蓮信仰から生まれたこの特異な予見は、満州事変を主導し日本の運命を変えた。陸軍の異端児は何を語ろうとしたのか。

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  • 女性兵士
    3.7
    話題作『戦場のハローワーク』の著者が贈る、「戦いに魅せられた女」たちとの濃密で壮絶な日々の記録――16歳のニカラグア女性高射砲部隊リーダー、元ミス・クロアチア、セルビアの狙撃兵姉妹……彼女たちはなぜ兵士になったのか? 軍事好きが高じて戦場ジャーナリストとなり、紛争地域を渡り歩いてきた著者が、戦いに魅せられた女たちとの日々をつづる。濃密な戦場描写と冷静な観察眼が光るルポ。 <本書に登場する女性兵士たち> ●元ミス・クロアチアで愛国心にあふれるドブラフカ(クロアチア) ●女性高射砲部隊のリーダーで16歳のエスメラルダ軍曹(ニカラグア) ●ロシア包囲下で決死の戦いに身を投じた3人の美女(チェチェン) ●抜群のチームワークを誇る狙撃兵姉妹(セルビア) ほか
  • [証言録]海軍反省会
    3.7
    「数百時間に及ぶ、日本海軍中堅幹部の肉声が遺されていたという事実に、驚きを禁じえない。感動した」と、戦史研究家の半藤一利氏も思わず心高ぶった感想をもらされたように、本書は、極秘で開催され続け、その後、現在まで秘蔵されていた、「海軍反省会」の生々しい記録である。「海軍反省会」は、昭和55年3月28日に、水交会で第一回を開催し、以後、12年にわたり継続した。本書は、この第一回から第十回までの会議において、各員が発言した記録のテープを文字に起こしたものである。この十回分を選定したのは、全体量が膨大で、全文の刊行が困難であることもあるが、当初、この程度の会合で、一定の結論を出すことを目的としたため、初期の会合で、重要事項がほぼ網羅されているためでもある。肉声に宿る、真実の証言が満載された、読み逃せない一冊である。

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