歴史・時代小説作品一覧

  • 甘蔓情話 蒼天有眼 雲ぞ見ゆ
    NEW
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    時代小説の名手・山本一力が、 自身初となる中国の歴史を題材とした小説に挑み 話題となっている、月刊「潮」連載中の 小説『蒼天有眼──雲ぞ見ゆ』シリーズの単行本第二弾! 中国の歴史をモチーフとしたシリーズの今作は、 日本に饅頭(まんじゅう)を伝えた林浄因(りんじょういん)をめぐる物語──。 元代末期の至正五年(一三四五年)。 杭州・西湖に近い禅寺で寺男として働く林浄因は、 幼馴染の丹錘とともに日々を誠実に過ごしていた。 そんなある日、凍結した厳寒の西湖で修行のため 日本から渡来した禅師・龍山徳見と出会う。 氷の張った湖で転んだ幼い姉弟を救うその姿に 浄因は深く心を動かされる。 異国から来た僧との出会いは、 やがて林浄因の運命を大きく動かすことに。 浄因は禅師の故国帰国に従い、日本に渡ることを決意する。 元代の杭州・西湖湖畔から、室町時代・南北朝初期の奈良へ。 そこで林浄因を待っているものとは!? 海を越え、国境を越えて紡がれる、愛と哀しみの物語──。
  • ふたりの祖国
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    言論で日本の軍部を牽引する徳富蘇峰と、 アメリカの地から日本に警鐘を鳴らし続ける朝河貫一。 直木賞作家が透徹した「史眼」で描くアジア・太平洋戦争――。 佐藤優氏、激賞!! 国家の悪に切り込んだ感動の書 1931年、満洲事変勃発――後に戦前、戦中最大の言論人と呼ばれた徳富蘇峰は、 東條英機ら軍部と結びつき皇国主義、軍国主義の世論形成に大きな影響力を与えていた。 イェール大学教授で歴史学者の朝河貫一は、アメリカで激化する反日世論に晒されながら、 日米融和を唱え、祖国の未来に警鐘を鳴らし続けていた。 日本は満州事変から、中国との戦争が泥沼化していきアメリカとの対立も深刻化していく。 蘇峰は日本で、朝河はアメリカから言論の力で祖国のために戦い続けるが、 日米開戦は避けられない状況へと陥っていく。 1941年12月、朝河はルーズベルト大統領から昭和天皇への親書を起草し、 開戦の回避、そして和平を目指すが……そこには予想だにもしない国家の罠が仕組まれていた。 はたして天皇を、祖国を守ることはできるのか。 国家存亡の危機から祖国を守るために戦った朝河貫一と徳富蘇峰――。 真の愛国者は誰だったのか。祖国の未来を開いたのは誰だったのか。 真逆の思想をもった「ふたり」から見える真の正義とは。 戦後80年を迎え今、透徹した「史眼」で 満州事変から日米開戦を描く渾身の歴史小説。
  • 【電子版限定】爺いとひよこの捕物帳 完結4巻セット
    4.7
    風野真知雄の傑作時代小説『爺いとひよこの捕物帳』シリーズ4タイトルが電子版限定で、合本になって登場! 老爺の導きで半人前の少年が成長を遂げる痛快捕物帳! ※本書は、『爺いとひよこの捕物帳』シリーズ一巻~四巻を一冊にまとめた電子書籍限定の合本版です。
  • 「女が、さむらい」シリーズ【全4冊合本版】
    3.0
    近頃、男が弱くて仕方がない――平和が続く江戸で千葉道場の筆頭剣士となっていた秋月七緒。 長州藩邸用人の娘である彼女は、親に強制された縁談の席で強盗事件に遭遇。犯人を成敗し、瀕死の男・猫神創四郎を助ける。 惹かれ合う二人だが、猫神の正体は、徳川家に不吉を成す刀<村正>に纏わる密命を受けたお庭番だった! 江戸では、刀に関する事件が頻発しており……。 ※本作品は『女が、さむらい』シリーズ全4巻を収録しています。 ※本商品は1冊に全巻を収録した合本形式での配信となります。あらかじめご了承ください。
  • 芽吹長屋仕合せ帖シリーズ(全3巻)合本版(新潮文庫)
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    不貞を疑われて妻の座を追われ、独り住むことになった日本橋の芽吹長屋で、おえんはふとしたことから男女の縁を取り持つことになる。嫁(い)き遅れた一人娘と絵の道をあきらめた男、ひどく毛深い侍と若い娘、老いらくの恋。遠慮のない長屋のつきあいにもなじむ頃、おえんの耳に息子の心配な噂が入ってくる……。人びとの悲しみと幸せを描く時代小説。 ※当電子版は新潮文庫版『芽吹長屋仕合せ帖』シリーズ全3巻をまとめた合本版です。
  • 蒼き海の涯に 琉球警察 II
    NEW
    -
    沖縄は私たちのものだ! 本土復帰直前の沖縄。 治安を守ろうとする者と真の独立を目指す者、それぞれの故郷への思いは徐々に激化し、激突していく。米軍の意向を受けて動く琉球警察員たちの意地と葛藤を、凄まじいほどの濃度で描く人間ドラマ。 戦後、本土復帰前の沖縄に、ある事件で九死に一生を得た東貞吉が帰ってきた。 再び琉球警察の公安部の一員として、そして米軍の意向を受けて動く者として。 その当時の沖縄はベトナム戦争の前線基地として、戦争の負の熱気に包まれていた。 米軍に対する反対派が過激さをましていくなか、公安警察の矜持と日本人の誇りに揺れる貞吉の運命は……。
  • 湯船
    -
    明暦の大火で灰燼に帰した江戸―― 焼け出された人々に、癒しの湯をとどけたい! すべてを失った湯屋の娘ぎん。自らの再生と町の復興のため、舟で江戸じゅうをめぐる! 人情の“ぬくもり”が胸に沁みる時代小説。 舟に、生きる希望をのせて漕ぐ―― 所は神田駿河台・上柳原の寿々喜湯。江戸では珍しい湯女を置かぬ湯屋だが、良質な湧水と絶妙な湯加減で、多くの町人に親しまれていた。 跡継ぎの娘ぎんは、父・儀兵衛と折り合いが悪く、孤独を抱えながらも懸命に働いていた。しかし明暦三年(一六五七)一月十八日、本郷丸山から広がった猛火はあっという間に駿河台を呑み込み、江戸の大半を焼き尽くした。 家族と湯屋、無二の友を失くして絶望の淵に立つぎんは、偶然出会った羽州浪人・茅島の力添えで、寿々喜湯の再建を決意。さらには江戸じゅうの人々を湯で癒すために前代未聞の策に出る……。
  • 不埒なり利家 豊臣天下事件帖
    4.0
    手筋が見えまして ございます――。 前田利家が秀吉に仕掛ける「謎かけ遊び」は 織田家の命運を賭けた戦だった! 『二月二十六日のサクリファイス』で中山義秀文学賞を受賞、 今最も目が離せない気鋭が放つ歴史×ミステリの快作! 前田利家×三法師こと織田信長の孫・織田秀信 北野大茶湯で――利家は秀吉秘蔵の茶器をいかにすり替えたのか? 賤ヶ岳の戦いで――利家はいつから秀吉に従ったのか? 聚楽第で――秀吉に矢を射かけたのは利家なのか? 慶長大地震で――利家はいかに明国の使者を地震から守ったのか? 答えられなければ、御家断絶! 目 次 序             一話 前田殿と北野大茶湯と  二話 前田殿と賤ヶ岳の戦いと  三話 前田殿と聚楽第と    四話 前田殿と慶長大地震と  五話 前田殿と天下と     終
  • 雀ちょっちょ
    -
    天才・大田南畝はなぜ筆を折ったのか? 守るべきは、文化か、家族か。 『まいまいつぶろ』『またうど』の著者がおくる、心震える江戸の家族小説! 平賀源内から高い評価を受けたことを皮切りに、 文人としての名声をほしいままにしていた大田南畝。 蔦屋重三郎とも交流を重ね江戸の狂歌を牽引する存在になるが、 田沼意次の失脚と松平定信の台頭により、出版界に粛清の嵐が吹き荒れる。 一方、長男・定吉には、大田の家に時としてあらわれる「魔」の萌芽が見え――。 狂歌への思いと家族愛。 天才・大田南畝の知られざる葛藤を描き切る傑作長編!
  • 新蔵 月に吼える
    5.0
    『疾れ、新蔵』で時代ハードボイルドの魅力を見せてくれた「新蔵」シリーズ、最新刊。 これぞ、 エンタテイメント! 胸踊るシミタツの時代冒険小説! 故・北上次郎氏が「さすがはシミタツ、……たっぷり読ませて飽きさせない。 すてきなラストまで一気読みの傑作だ」 と賞賛した前作『疾れ、新蔵』の待望の続編! 北方謙三氏と柚月裕子氏が今回、賞賛の一文を寄せている。 北方謙三氏 「新蔵の貌が深く彫りこまれ、人の姿が立ちあがる。 そして新蔵が、いやシミタツが吠えるのだ。 底に漂うこの哀しみはなんなのだ。」 柚月裕子氏は「まさに究極のボディーガード。私も新蔵に護られたい」と語る。 そして、 「ハラハラするロードノベル、 ドキドキするスパイもの、 ワクワクするファンタジー、 すべてを詰め込んだすごい小説だ!」 「一気読み必至! 新蔵は最高のボディガードだ!」と絶賛。 【物語】 新蔵は、山中で、三、四歳の弟を背負った十歳の少女ゆふと出会った。 彼女は罠にかけた兎の皮を巧みに剥ぎ、見事にさばいて新蔵を驚かせた。 その後、ゆふは、大嵐を予見するなど、神秘的な力を開花させ始める。 新蔵は、比売巫女(ひめみこ)の能力を秘めているというゆふを、 宇佐神宮へ、送り届ける護衛を命じられた。 道中、次々に襲撃してくる謎の集団とはなにものか? そして、襲撃してきた集団をことごとく倒した後、 異国の血をひく大男の武芸者との対決が待っていた。 新蔵はゆふを無事に宇佐神宮に送り届けられるのか?
  • 豊臣家の包丁人
    3.9
    豊臣家の栄達の裏に、凄腕の料理人がいた! 「おみゃあら、今から腹ごしらえだ。 座って食えるのはこれが最後だと思え」 豊臣家の天下統一の陰に、知られざる包丁人(料理人)の姿があった──。 その男は京出身の大角与左衛門。味方の兵たちを食でまとめあげ、敵方の調略にも一役買っていたという。 屑として捨てられていた雉の内臓を使った汁。 決死の戦の前に、即席のかまどで焼いた下魚のかまぼこ。 秀吉と秀長の故郷の味、ドジョウの味噌鍋…… 秀吉・秀長の豊臣兄弟に仕えた包丁人が作る、 人と人との心をつなぐ料理とは? 戦国時代の「食」に光を当てた、前代未聞の天下取り物語!
  • 天を衝く 全3冊合本版
    -
    天を衝く 全3冊合本版 『天を衝く(1)』『天を衝く(2)』『天を衝く(3)』収録。 織田信長が天下布武(てんかふぶ)を掲げた頃、陸奥(みちのく)の南部家では内紛が続いていた。新たな時代を予見する九戸党の棟梁・政実(まさざね)は、ついに宗家を見切った。戦の天才「北の鬼」九戸政実が、武者揃いの一族郎党を束ねて東北の地を駆け巡る。著者が故郷を舞台に熱き思いを込めた歴史巨編「陸奥3部作」の最終章、待望の文庫化。(講談社文庫) 『炎立つ』『火怨』…… 大河3部作の決定版
  • 登山大名 上
    4.0
    江戸時代初期の実相に迫る、歴史ミステリーの傑作! 時は四代将軍・家綱の世。天下をゆるがした島原の乱の余燼がくすぶり、幕藩体制が盤石ではなかった時代。公儀の執拗な締め付けに苦しむ豊後・岡藩の第三代藩主となった中川久清が、山中で不思議な娘と出逢う。行方をくらませた娘を探し求めるうちに「中川の誇りを貫いてくれ」と言い残して逝った先代が秘してきた切支丹庇護の痕跡が次々と露わになり、祈りの場に娘の姿を見つけた時、久清の運命は大きく変わり始める。やがて自らの出生にまつわる壮大な秘密も明らかになっていき――なぜ大名はくじゅうの山に登ったのか? 見えない敵と戦ってきた大名が目指した理想郷とは? 【目次】 第一章 娘狩り 第二章 津久丸 第三章 一雲 第四章 遺言 第五章 空井戸 第六章 女傑
  • 奇のくに風土記
    4.3
    若き本草学者の不思議に満ちた生きものとの出会い――心震わせる時代幻想譚。 美(う)っつい奇のくには、どこからか草木の「声」が聴こえてくる。 みずみずしい読後感につつまれた。 ―――――中江有里さん(俳優・小説家・歌手) 心震わせる生きもの賛歌。 美(う)っついのう。 紀州藩士の息子・十兵衛(後の本草学者・畔田翠山(くろだすいざん))は、 幼いころから草花とは自在に語らうことができるのに、人と接するとうまく言葉を交わすことができずに育った。 ある日、草花の採取に出かけた山中で天狗(てんぎゃん)と出会ってから、面妖な出来事が身の回りで次々と起こり……。 若き本草学者の、生き物や家族、恩師との温かな交感と成長を描く、感動の時代幻想譚。 〈目次〉 天狗 てんぎゃん 卯木 うつぎ 蜜柑 みかん 雪の舌 ゆきのした 伊佐木 いさき 不知火 しらぬい 藤袴 ふじばかま 仙蓼 せんりょう 譲葉 ゆずりは 山桃 やまもも 白山人参 はくさんにんじん 黒百合 くろゆり 瑞菜 ずいな 稲穂 いなほ 蓮華 れんげ 装画 MAYA MAXX 本文画 畔田翠山
  • 清吉捕物帖
    -
    十手が光る、推理が冴える、粋でいなせな岡っ引! 昭和26年刊行の江戸捕物帳を復刊、時代小説の名手による珠玉の短編集! 豆腐屋佐兵衛の店に貧しい身なりの侍が現れ、「その油揚を百文くれ」と言ってその場で美味そうに食べるが…(「狐侍」より)。
  • 天地震撼
    3.8
    時は戦国時代中期、東国では武田、上杉、北条が、畿内では織田信長が、領国支配を広げていた。自らの死期が近いことを悟った信玄は、自身の死後も武田家を安泰とするために、甲斐国を出陣し、徳川領への侵攻を開始する。それを察知した家康も、同盟を結ぶ信長に援軍を要請しつつ、戦国最強の武田軍団と戦うことを決する。西へ西へと着実に歩を進める信玄だったが、残された時間はあまりに短く、やがて息子の勝頼や重臣たちにも明かさない、ある決断をするのだった――。
  • 夢燈籠-野望の満州
    4.2
    歴史小説の第一人者が描く、明治男の一代記。関東大震災、二二六事件、満州国。激動の時代を背景にした傑作大河小説、第一部、開幕!
  • 雪夢往来
    4.3
    江戸の人々に雪国の風物や綺談を教えたい。越後塩沢の縮仲買商・鈴木牧之が綴った雪話はほどなく山東京伝の目に留まり、出板に動き始めるも、板元や仲介者の事情に翻弄され続け――のちのベストセラー『北越雪譜』誕生までの長すぎる道のりを、京伝、弟・京山、馬琴の視点からも描き、書くことの本質を問う本格時代長篇。
  • 張良
    3.9
    秦に祖国・韓を滅ぼされた張良は、秦への復讐と韓の復興を誓う。多くの食客を使って素早く情報を集め、劉邦に軍略を授けてその覇業を助けた張良の鮮烈な生涯を描く。
  • 岩に牡丹
    4.0
    鉱山の指導で秋田を訪れた平賀源内にその画才を見出され、『解体新書』の絵師に大抜擢された下級武士の小田野直武。故郷に戻って安穏と暮らしていたが、江戸出仕の密命が下る。源内は老中・田沼意次と秋田の佐竹家を強請ろうとしていた。講釈の発禁本、銀札の改定、蘭画、相次ぐ変死など、史実に基づく歴史ミステリの佳品。
  • ソコレの最終便
    3.9
    【戦争×鉄道エンターテイメントの傑作】 大戦末期、ソ連軍の奇襲侵攻を受け崩壊の危機に瀕する満洲国。 特命を帯びた装甲列車(ソコレ)が、混乱の大地を駆け抜ける! 昭和二十年八月九日、日ソ中立条約を破棄したソ連軍が突如として満州国へ侵攻を開始。国内全体が未曾有の大混乱に陥るなか、陸軍大尉・朝倉九十九率いる一〇一装甲列車隊「マルヒト・ソコレ」に特命が下った。それは、輸送中に空襲を受けて国境地帯で立ち往生してしまった日本軍唯一の巨大列車砲を回収し、はるかかなたの大連港まで送り届けよ、という関東軍総司令官直々の緊急命令であった。 疾走距離2000km、タイムリミットは7日間!! 【佐藤賢一氏推薦】 昭和二十年八月、終戦間際の満洲を装甲列車(ソコレ)が走る。 迫真の戦争小説と転変のロードノベルが合体 ――おののかされ、引き回されて、もう一気に読まされた。 【著者略歴】 野上大樹(のがみたいき) 1975(昭和50)年生まれ。佐賀県在住。防衛大学校卒。『霧島兵庫』名義で第20回歴史群像大賞優秀賞を受賞し、2015年『甲州赤鬼伝』(Gakken→新潮社)にてデビュー。その他の著作に『信長を生んだ男』(新潮社)、『二人のクラウゼヴィッツ』(「フラウの戦争論」より改題)(新潮社)、『静かなる太陽』(中央公論新社)がある。2023年『野上大樹』へ名義変更。『ソコレの最終便』が名義変更後初の刊行作となる。
  • 愚道一休
    3.8
    「立派なお坊さんになるのですよ」 母の願いを受けて、安国寺で修行する幼い千菊丸だが、禅寺は腐敗しきっていた。怠惰、折檻、嫉妬、暴力。ひたすら四書五経を学び、よい漢詩を作らんとすることをよすがとする彼の前に将軍寵臣の赤松越後守が現れ、その威光により、一気に周囲の扱いが変わっていく。しかし、赤松は帝の血をひく千菊丸を利用せんとしていることは明らかだった。 建仁寺で周建と名を改め、詩僧として五山の頂点が見えたのにも拘わらず、檄文を残して五山から飛び出して民衆の中に身を投げる。本当の救いとは、人間とは、無とは何なのか。腐敗しきった禅を憎み、己と同じく禅を究めんとする養叟と出会い、その姿に憧れと反発を同時に抱えながら、修行の道なき道をゆくのだった。己の中に流れる南朝と北朝の血、母の野望、数多の死、飢餓……風狂一休の生そのものが、愚かでひたすら美しい歴史小説の傑作。
  • 海を破る者
    4.0
    なぜ、人と人は争わねばならないのか? 日本史上最大の危機である元寇に、没落御家人が御家復興のために立つ。 かつては源頼朝から「源、北条に次ぐ」と言われた伊予の名門・河野家。しかし、一族の内紛により、いまは見る影もなく没落していた。 現在の当主・河野通有も一族の惣領の地位を巡り、伯父と争うことを余儀なくされていた。 しかしそんな折、海の向こうから元が侵攻してくるという知らせがもたらされる。いまは一族で骨肉の争いに明け暮れている場合ではない。通有は、ばらばらになった河野家をまとめあげ、元を迎え撃つべく九州に向かうが…… アジア大陸最強の帝国の侵略を退けた立役者・河野通有が対峙する一族相克の葛藤と活躍を描く歴史大河小説。
  • 闇の水脈 風雲龍虎篇
    -
    世間の知らない幕末の裏側に、ダークヒーロー「音羽一家」の活躍あり!! 「闇の水脈」シリーズついに完結。 弘化三年(一八四六)・初夏の夜。京都洛中では、密かに、倒幕と新政権樹立を図る謀略が推し進められていた。謀略の提唱者は怪人物の革命家・黒岩一徹。 その黒岩は、翌日の夜、隠れ家の洛外・岩倉において、謎の陰陽師を相手に、己れのテロリストとしての本音を存分に語るのだった。 それは、二百年以上も続いた徳川の泰平の世を覆し、この国を動乱の渦中へと導き、その果てに「万国の長」たらしめるような〈火〉の強国へと生まれ変わらせんとする野望であった。 同じ頃、大坂で起こる連続殺人事件。その背後には、抜け荷一味の元締・河内屋利兵衛の操る闇の組織の暗躍があった。河内屋一味によって無実の罪を着せられて処刑された廻船問屋・和泉屋藤兵衛の無念を晴らすため、闇の世間師・音羽一家の活躍が始まる。抜け荷のカラクリをあばこうと努めるうちに、音羽たちは、大坂の陰謀が京都の政治的謀略と一本の糸でつながっていることに気づく…… 風雲急を告げる幕末を舞台にした痛快時代小説。
  • 佐渡絢爛
    3.9
    祝!W受賞 第14回本屋が選ぶ時代小説大賞 第13回日本歴史時代作家協会賞作品賞 時は元禄。金銀産出の激減に苦しむ佐渡で、立て続けに怪事件が起こった。 御金蔵(おかねぐら)から消えた千両箱、三六名が命を落とした落盤事故、 能舞台で磔(はりつけ)にされた斬死体、割戸から吊り下げられた遺体…。 いずれの事件現場にも血まみれの能面「大癋見(おおべしみ)」が残されていた。 振矩師(ふりがねし)の静野与右衛門は、奉行から広間役(ひろまやく)の間瀬吉太夫の助手として、 事件の真相解明を命ぜられる。 吉太夫に反発しながら、調べを進めるうち、その才覚と人物、謎めいた過去に強く惹かれてゆくがーー。 佐渡金銀山に隠された恐るべき秘密とは?! 能面の謎を解いたとき、天下を揺るがす驚愕の真相が明らかになる! 2023年3月28日より、11月22日まで新潟日報に連載。 毎日の挿絵は地元の美術系学校の生徒が担い、日々、興味深いイラストが掲載。 連載時、現地の酒造元・尾畑酒造から、本作に出てくる日本酒と同じ名前の 「旅烏」という純米無濾過原酒が発売されるなど、新潟、佐渡でも盛り上がっている。
  • 火輪の翼
    4.3
    期待の若手が描く圧巻、感動の中国歴史長編! 玄宗皇帝が政治を疎かにし国が乱れていた唐の時代、民を救うため安禄山と史思明が挙兵し、安史の乱が勃発する。だが戦は泥沼化し、国は疲弊する。絶大な人気を誇った力者の娘・呉笑星、史家の長男・史朝義、安家の次男・安慶緒は、命を賭して戦を終わらせようと誓うが――。胸熱の歴史エンターテインメント。
  • 秘密の花園
    3.7
    日本小説の祖・曲亭馬琴、「八犬伝」を生んだ劇的人生! 200年の時を超え、作家の本分に迫る傑作長編!! 大名の家臣の家に生まれるも何一つままならず、彷徨い続けた青年時代。放浪の末、当代一の戯作者・山東京伝の門をたたき、蔦屋重三郎の店に奉公して戯作の道に踏み出す。葛飾北斎らとの交誼を経て、馬琴はやがて江戸随一の戯作者となりおおせるのだが…… 妻は不安定、愛する息子は柔弱、『南総里見八犬伝』に着手するも板元とはトラブル続き。それでも馬琴は、武家である滝沢家再興の夢を捨てず、締切に追われながら家計簿をつけ、息子とともに庭の花園で草花を丹精する。 狷介で知られた馬琴の素顔、けなげな哀歓が鮮やかに蘇る。苦難の末、大戯作者が辿り着いた花園とは?
  • 戻り舟同心【合冊版/全4巻】
    -
    多忙を極める南町奉行所は、増え続ける未解決事件に対処するため、元定町廻りの二ツ森伝次郎に再出仕を要請した。 御年六十八、隠居暮らしは御免と市中の揉め事に首を突っ込む毎日を送っていた伝次郎、早速、往年の腕利き連中を集める。 一癖も二癖もある伝次郎たちについた仇名が“戻り舟”。 体は動かねえ、口も悪い。だが、熱い気持ちは錆びついてねえ! 悪い奴らは許さねえ! 時代小説の名手が描く腕利き爺の事件帖、1~4巻を収録した合冊版。
  • 月ぞ流るる
    4.1
    紫式部が生きた時代の豪華絢爛宮中絵巻 日本初の女性による女性のための歴史物語『栄花物語』の作者である朝児(赤染衛門)からみた宮廷はどんな姿をしていたのか? 宮中きっての和歌の名手と言われる朝児(あさこ)は夫を亡くしたばかり。五十も半ばを過ぎて夫の菩提を弔いながら余生を過ごそうとしていたが、ひょんなことから三条天皇の中宮妍子の女房として再び宮仕えをすることになる。 宮中では政権を掌握した藤原道長と、あくまで親政を目指す三条天皇との間には緊張が入っていた。道長の娘の妍子が、将来天皇となるべき男児を出産することが、二人の関係に調和をもたらす道だった。しかし、女児が生まれたことで、道長は三条天皇の排除を推し進めていくことになる。 朝児は、目の前で繰り広げられるきらびやかながらも残酷な政争に心を痛める。なぜ人は栄華を目指すのか。いま自身が目にしていることを歴史として書き記すことが自らの役目ではないのか。そこで描かれるのは歴史の勝者ばかりではない。悲しみと苦しみのなかで敗れ去った者の姿を描かねばならない。その思いの中で朝児は筆を取る。
  • 極楽征夷大将軍
    4.1
    史上最も無能な征夷大将軍 やる気なし 使命感なし 執着なし なぜこんな人間が天下を獲れてしまったのか? 動乱前夜、北条家の独裁政権が続いて、鎌倉府の信用は地に堕ちていた。 足利直義は、怠惰な兄・尊氏を常に励まし、幕府の粛清から足利家を守ろうとする。やがて天皇から北条家討伐の勅命が下り、一族を挙げて反旗を翻した。 一方、足利家の重臣・高師直は倒幕後、朝廷の世が来たことに愕然とする。 後醍醐天皇には、武士に政権を委ねるつもりなどなかったのだ。 怒り狂う直義と共に、尊氏を抜きにして新生幕府の樹立を画策し始める。 混迷する時代に、尊氏のような意志を欠いた人間が、 何度も失脚の窮地に立たされながらも権力の頂点へと登り詰められたのはなぜか? 幕府の祖でありながら、謎に包まれた初代将軍・足利尊氏の秘密を解き明かす歴史群像劇。
  • 道連れ彦輔 居直り道中
    4.0
    思ったよりもめんどうな旅になりそうだ。 素性も分からぬ美少女の道連れ(付き添い)で中山道を行く彦輔たち。 珍道中を襲う数々の難関! 敵の真の狙いとは!? 江戸の旅情あふれる傑作時代小説。 主人公・鹿角彦輔(かづのひこすけ)は遠出をする人の依頼を受けて同行する「道連れ」稼業。 江戸の役人・神宮より、目的正体不明の美少年に扮した口のきけない菊野を長崎まで連れて行く依頼を受け、相棒の藤八、扇師のかなめといった個性的な仲間を伴い、中山道を旅する。 なぜかかなめに敵意を向ける菊野の付き添い・りくや、道中からんできた怪しい渡世人(やくざ)・鬼吉と蛇の目もついてくることに・・・。次第に明らかになる驚くべき旅の目的とは。 ※こちらの作品は過去に他出版社より配信していた内容と同様となります。重複購入にはお気を付けください
  • 高杉晋作 全3巻合本版
    -
    黒船をひきいて、一八五三年、ペルリが浦賀に来航した。開国佐幕派と勤皇攘夷派に二分された国内は混乱をきわめた。そのさなか、革新を叫ぶ吉田松陰の刑死は、松下村塾の塾生たちを動揺させた。師の志をどうしたら活かせるのか? 欧米列強の脅威におののく日本を遊歴するうち、高杉晋作は勤皇の志士として開眼していく。やがて上海へ渡って海外事情にも目覚めた長州の“鼻輪のない暴れ牛”は、松陰の志を継いで倒幕への道を歩み始めた。動乱の世を生き、奇兵隊を結成し、内外からの攻撃に遭いながらも、維新回天の偉業に尽力した若き志士高杉晋作の生涯。
  • 坂本龍馬 全3巻合本版
    -
    坂本龍馬、19歳。ふるさと土佐をあとに江戸は北辰一刀流の名門千葉貞吉の道場で修業中の身だ。1853年夏、ペルリ来航し江戸の町は大騒ぎ。黒船撃退を叫ぶ仲間たちの激論珍論をよそに、龍馬はひとり茫洋と構え、その天稟(てんぴん)の資質にまだめざめない。望郷の念にかられ、高知に帰った彼の身に何かが起こる。
  • 新装版 捨て童子・松平忠輝 上中下合本版
    -
    捨て童子とは、この世ならぬ途方もないエネルギーを持ち、人を戦慄せしめる人物! 徳川家康の第六子でありながら、容貌怪異なため、生まれ落ちてすぐ家康に「捨てよ」と言われた“鬼っ子”松平忠輝の異形の生涯を描く、傑作伝奇ロマン小説。新鮮な発想や史観、壮大なスケールで完結をみた、著者最後の長編。一気に読める合本版。
  • 三国志 全巻セット
    -
    吉川英治の代表作。全巻セットで一気に読める。中国後漢の頃。三国志演義を元に日本人向けに書き直され、その後の三国志ブームの礎となる作品。劉備玄徳、関羽、張飛、曹操、諸葛孔明などが活躍。百年の治乱興亡に展開する壮大な物語。篇外余禄付き※読みやすくするため現代の言葉に近づけていますが、作品の性質上、そのままの表現を使用している場合があります。
  • 万波を翔る
    4.2
    この国の岐路を、異国にゆだねてはならぬ 開国から4年、攘夷の嵐が吹き荒れるなか、幕府に外交を司る新たな部局が設けられた。実力本位で任ぜられた奉行は破格の穎才ぞろい。そこに、鼻っ柱の強い江戸っ子の若者が出仕した。 先が見えねぇものほど、面白ぇことはねぇのだ―― 安政5年(1858年)幕府は外国局を新設した。しかし、朝廷が反対する日米修好通商条約を勅許を待たず締結したため、おさまりを知らぬ攘夷熱と老獪な欧米列強の開港圧力という、かつてない内憂外患を前に、国を開く交渉では幕閣の腰が定まらない。切れ者が登庸された外国奉行も持てる力を発揮できず、薩長の不穏な動きにも翻弄されて…… お城に上がるや、前例のないお役目に東奔西走する田辺太一の成長を通して、日本の外交の曙を躍動感あふれる文章で、爽やかに描ききった傑作長編! 維新前夜、近代外交の礎を築いた幕臣たちの物語。勝海舟、水野忠徳、岩瀬忠震、小栗忠順から、渋沢栄一まで異能の幕臣たちが、海の向こうと対峙する。 2017年~18年の日経夕刊連載が、遂に単行本化!
  • 大菩薩峠 全巻セット
    -
    中里介山の長編大衆小説。全巻セットで値段もお得。一気に読める。幕末の日本。甲州大菩薩峠から始まるお話。冷酷無比なダークヒーロー机竜之助は「音無しの構え」の使い手。放浪する主人公。入り乱れ交錯する登場人物たち。それぞれの人生を生き生きと描く。時代小説で、大衆小説の先駆けとされる不朽の傑作。過去何度も映画化されている。※読みやすくするため現代の言葉に近づけていますが、作品の性質上、そのままの表現を使用している場合があります。

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  • 新書太閤記 全巻セット
    -
    吉川英治の長編の歴史小説。全巻セットで値段もお得で一気に読める。若き日の豊臣秀吉。貧しい家に生まれ、その容貌から「猿」と蔑まれた秀吉が己の才覚だけを武器に出世を重ね戦乱の世にはばたく。現代の処世術にも通じるピンチをチャンスに変える考え方とは。ひたすら母のため家族のためにと思い、働く姿は日本人そのもの。若き日の豊臣秀吉。貧しい家に生まれ、己の才覚だけを武器に出世を重ね、天下を統一する。※読みやすくするため現代の言葉に近づけていますが、作品の性質上、そのままの表現を使用している場合があります。
  • 龍が哭く
    4.0
    「新潟日報」他、10紙で連載の話題作、ついに刊行! 英雄か、大戯けか――。一介の武士から長岡藩家老に抜擢され、戊辰戦争に際し武装中立をめざした男、河井継之助の生涯を描き切った感動巨編。時は幕末、未曽有の財政難に苦しむ長岡藩を救いたい一心で、河井継之助は備中松山藩の山田方谷に弟子入りを申し込む。方谷のもとで経世済民の教えを学ぶかたわら、継之助は会津藩の頭脳・秋月悌次郎や仙台藩の隠密・細谷十太夫、のちに武器商人となるエドワード・スネルらと親交を深め、やがて長岡藩において軽視できない存在になっていく。しかし大政奉還、戊辰戦争といった時代の渦に、長岡藩はいやおうなしに巻き込まれていくことになり――。司馬遼太郎が『峠』で書いたのとは違ったかたちで、一人の人間としての河井継之助を鮮やかに描き出した、著者渾身の歴史小説。

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  • 私本太平記 全巻セット
    5.0
    吉川英治の大長編の歴史小説、全巻セットで値段もお得で一気に読める。若き日の足利尊氏から一生を描く。戦いに明け暮れた彼の理想とはなんだったのか。尊氏の苦悩と、足利幕府の成立そして南北朝の果てしない対立。後醍醐天皇をはじめ楠木正成などの多彩な強烈なキャラクターたち。歴代随一の激しい気性の後醍醐と尊氏が同時代に現れ、しかも相反する理想を押し通そうとした宿命の大乱。歴史の行き詰まりはどうしても火を噴いて社会を変えねばならなかったのか。しかし人間の叡智は庶民に芽吹いていると「桐蔭軒無言録」は語る。
  • 独眼竜政宗
    -
    伊達政宗が、青葉城(仙台城)を築いて400年を記念して発刊。秀吉、家康がもっとも恐れた東北の雄、伊達政宗の生涯を壮大なスケールで描ききった力作。瀬戸際からの逆転を可能にした速断力、お家騒動終結までの見事な統率力、そして時代の流れを読み抜く先見力……。新たな視点から、知将伊達独眼竜を紹介する。梵天丸誕生・元服独眼竜政宗・婚儀・伊達十七世・撫斬り・弔合戦・激戦人取橋・三春内訌・政宗包囲網・奥州第一・小次郎無残・死装束・奥州仕置・氏郷疑心・秀吉朱印状・愛姫手柄・須江山惨劇・移封岩出山・伊達なる政宗・秀頼、家康・朝鮮文禄の役・愛姫出産・秀次自刃・長政との義絶・百万石のお墨付き・仙台城・慶長遣欧使節・大坂の陣奮戦・余波・五郎八姫西館・雪月花・切支丹の行方・その後の政宗・心の月。 独眼竜の誕生から父母、弟との確執、秀吉とのかけひき、そして晩年まで、英雄のすべてを描く。時代小説の世界に息吹を与える名著。

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  • 秀吉の対外戦争 変容する語りとイメージ 前近代日朝の言説空間
    -
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 秀吉の朝鮮攻略である"文禄・慶長の役(日本)/壬辰倭乱(韓国)"は、江戸時代から日清戦争にいたるまで、どのように日本と韓国で語り継がれてきたのか。この戦争の言説の中心となった、軍記・軍書の実態を整理・俯瞰し、史学・思想・絵画・演劇・近代小説といった多様な分野との関連・影響・展開を視野に入れ検討する。現在もなお、日韓関係に影を落とす、秀吉の戦争についての記憶の根拠を発掘していく。
  • 信長
    -
    時代に理解されぬまま時代を征服した織田信長。大人の賢しらさを憎み、悪評を物ともせず、合理主義に徹した少年が、長じて東の大国・今川を迎え撃つにいたる27歳までを描く。戦後7年を経た1952年に夕刊紙「新大阪」に連載した歴史長篇。
  • 琴海の嵐 ─幕末大村藩剣客、渡辺昇伝─
    -
    幕末──長きに及んだ徳川の世を終わらせ新しい時代を作ろうと、多くの志士たちが命の火花を散らした。〈鞍馬天狗〉のモデルともいわれる九州大村藩の剣客・渡辺昇も、そんな一人である。長州や薩摩という大藩の者たちの活躍は広く知られているが、時代を動かしたのはなにも彼らだけではなかったのだ。歴史に埋もれてしまった渡辺昇の活躍が、痛快歴史小説として今蘇る。
  • 趙雲伝
    3.5
    劉備や諸葛亮を支えた名将として、三国志屈指の人気を誇る趙雲子龍。公孫氏配下時代から、官渡の戦い、赤壁の戦い、入蜀、三国鼎立、漢中攻め……その波乱の生涯を描ききる歴史大河ロマン。
  • くちばみ
    3.7
    血で骨を洗う斎藤道三「父子の相克」一代記。  古く蝮を「くちばみ」と呼んだ。鋭い毒牙を持つその長虫は、親の腹を食い破って生まれてくるという――。  時は戦国、下剋上の世。「美濃の蝮」と畏れられた乱世の巨魁・斎藤道三は、京の荒ら屋で生を受けるも、母に見捨てられ、油を舐めて命を繋いでいた。油売りを生業にどん底から這い上がった父子は、いつしか国盗りという途轍もない野望を抱くようになる。狙うは天下の要・美濃国。父に続き美濃入りした道三は、守護・土岐頼芸を籠絡し、側室・深芳野と密かに心を通わせる。一方で、父の歪んだ支配欲に苛立ち、血の呪縛から逃れようと毒殺を夢想するようになる。政敵を次々に抹殺し、遂に主君頼芸を追放し、名実ともに国主となった道三。ところがその頃、長男義龍の胸中には、父への嫉妬と憎悪が渦巻いていた・・・。  本作品は、下剋上を成し遂げながらも実子に殺される道三の生涯を、三代にわたる「父子の相克」をテーマに活写する新感覚時代小説。「暴力と情愛」の筆運びはますます磨かれ、「悪の爽快感」に溢れる物語世界は圧巻! まさに花村時代小説の到達点と言える作品です。
  • 月花美人
    4.4
    江戸時代後期、下総のとある藩。郷士の望月鞘音は内職で、傷の治療に使う「サヤネ紙」という製品を作っていた。ある時、幼馴染の紙問屋・我孫子壮介から、その改良を依頼される。町の女医者・佐倉虎峰がサヤネ紙を買っていくのだが、使い勝手が悪いと言っているらしい。しかしそれは「月役(月経)」の処置に使うためであった。穢らわしい用途にサヤネ紙を使われ、武士の名を貶められたと激怒する鞘音だったが、育てている姪が初潮を迎えたことを機に、女性が置かれている苦境とサヤネ紙の有用性を知り、改良を決意する。「女のシモで口に糊する」と馬鹿にされながらも、世の女性を「穢れ」の呪いから解放するために試行錯誤を続ける鞘音。ついに完成した製品を「月花美人」と名付け、販売に乗り出そうというとき、江戸へ参勤していた領主・高山重久が帰国する――。
  • 山河在り 全三冊合本版
    -
    戦争前夜の日本と中国、荒波を生きる青年! 25歳の華僑青年・温世航は、関東大震災で被災。失踪した仲間を追う。巨匠が描く日中近代史ーー華僑貿易商の一族として、上海に生まれ日本で育った温世航(おん・せいこう)。25歳の時、関東大震災に遭う。未曾有の天災に、緊張状態にあった日中関係も良好になるかと思われた。だが朝鮮人虐殺の報は、両国関係に再び暗い影を落とす。仲間の青年の失踪事件を追って、世航は旅立つ。日中十五年戦争前夜を描く大河小説!  『山河在り(上)』『山河在り(中)』『山河在り(下)』全3冊合本版
  • 【合本版】天馬、翔ける 源義経(全3巻)
    -
    【第11回中山義秀文学賞受賞作】平安末期。平氏追討の決起を促す以仁王の令旨が兄弟の運命を変えた。奥州藤原氏の下に逼塞していた弟・義経、そして伊豆に流罪となっていた兄・頼朝。黄瀬川で対面を果たし、力を合わせて源氏再興を図る二人だったが、かたや類いまれな政略家、かたや知勇並びなき天才武人。兄弟の溝は深まる一方だった。源平合戦の固定観念を打ち破った歴史大作。
  • 日本の名匠
    -
    後世に伝記を残すことなぞ思いもよらず、一心に技倆を磨き続けた古今の名匠たち二十余名を海音寺潮五郎が描く。「こんなものでも書いておけば、いくらかは後の人がまとめやすくなるだろう」と、66歳の作家が各地取材のうえ読売新聞に連載した「名匠伝」の書籍化。
  • 控えよ小十郎
    4.0
    歴史小説界、最注目の逸材、 3年半ぶりの新作! 戦国屈指の「懐刀」には、 誰にも言えない夢があった――。 片倉小十郎景綱が伊達政宗を支え続けた、 その理由とは? 秀吉の逆鱗に触れ、家康には妬まれる。 「天下人」たちに恐れられた奥羽の王、政宗。 秀吉から家臣にと乞われ、家康にも求められた、奥羽随一の智将、小十郎。 なぜ、ふたりは離れなかった? 身分の差をのりこえて、己の持つ智と力、すべてを政宗に捧げた男が、最後に辿りついた境地とは。 「歴史」を知っているからこそ、 この物語は、胸にしみる――。
  • 走れ、若き五右衛門
    -
    遠江に生まれた虎太は母親・右(ゆう)に女手一つで育てられていた。『論語』や『孟子』、算術や刀槍の使い方まで教え込む厳しい母だった。ところが15歳のときに転機が訪れる。家の近所で戦ごっこをしていたところを人攫いに遭ってしまうのだ。同じ境涯の少年たちと西へ向かって連行されていく虎太。人攫いの男たちは京阪から来た盗賊のようだ。天竜川や木曽川の難所を越えて盗賊の本拠にたどり着くと、人買いに売られるのではなく命を懸けた訓練が始まった。どうやら盗賊に育て上げられるらしい。虎太は母・右に鍛えられた勉学や身体能力によってめきめきと頭角を現していった……。
  • 曹操 卑劣なる聖人 第一巻
    -
    海外で300万部突破の本格的三国志小説、全十巻の刊行開始!  策謀に秀でる政治家、『孫氏の兵法』を駆使する軍人、雄心を壮大に謳い上げる詩人。悪評をものともしない曹操の真の姿を、全十巻で描く。  第一巻は、曹操が悪ガキだった12歳からはじまる。腐敗した官界を悪知恵で生き抜く父に反発、“腐れ宦者の筋”と揶揄されながらも、「治世の能臣」をめざして官途につく20代前半までを描く。類書でも記されることの少ない少年、青年時期がたっぷりと味わえる。  曹嵩、夏侯惇、卞氏、袁紹、鮑信をはじめ、何顒、橋玄、許劭、王甫、秦宜禄といった人物が登場する。 【目次】 第一章 突然の政変 第二章 帰郷 第三章 四年ぶりの帰洛 第四章 袁紹との出会い 第五章 決死の救出 第六章 父の計らい 第七章 仕官前夜の人殺し 第八章 官となる 第九章 このうえない導き 第十章 洛陽で名を馳せる 第十一章 都を逐われる 第十二章 赴任途上の危機 第十三章 職務に励む 第十四章 一門免職 第十五章 曹家の没落 第十六章 皇帝のひと声で返り咲く     主な登場人物     主な官職     後漢時代の地図     後漢時代の司隷の地図     後漢時代の冀州、青州、兗州、豫州、徐州の地図 【著者】 王暁磊 歴史作家。中国在住。『後漢書』、『正史 三国志』、『資治通鑑』はもちろんのこと、曹操に関するあらゆる史料を10年以上にわたり、まさに眼光紙背に徹するまで読み込み、本書を完成させた。曹操の21世紀の代弁者を自任する。 後藤裕也 【監訳】 関西大学非常勤講師。専門は中国近世白話文学。著書に『語り物「三国志」の研究』、『武将で読む三国志演義読本』(共著)、訳書に『中国古典名劇選Ⅱ』(共編訳)、『中国古典名劇選』(共編訳)などがある。 岡本悠馬 【訳】 鍼灸養気院副院長、翻訳家。共著に『キクタン中国語【上級編】』、共訳書に『海角七号君想う、国境の海』などがある。
  • 紫の鯉
    -
    まっすぐに、一人生きる。 世間とのいくさに挑み続けた 女の澄みやかなる矜持は、 どれほどの時を経てもただただ眩い。 澤田瞳子さん(作家) “ニコポン”宰相、 桂太郎の愛妾「お鯉」の 左褄を取る芸妓から墨染め衣を纏うまでを 色鮮やかに描き切った。 明治女の気風に惚れる。 東えりかさん(書評家) 【著者からのコメント】 「私は首相の愛人でした。それ以前には、 梨園の妻だった時期もあります」  ――今もし、こんな言葉を掲げて何かを 語ろうとする女がいたら、 まして、その人が政界を揺るがす 疑獄事件の法廷に立ったら、 きっと大変なことになるだろうと思います。 存在を否定されるかもしれません。  でもその人は確かにいました。 女として、人として、揺れ動く心を持って、 明治・大正・昭和を生きたのです。  彼女の言葉を蘇らせたい。 本音を探り、語らせたい。その一心で、 この物語を書きました。 多くの人に届けば、うれしく思います。 【あらすじ】 「お鯉を殺せーっ!」 東京一の名妓と謳われ、大物政治家、 歌舞伎俳優から愛されていた新橋芸者・お鯉。 梨園、角界、花柳界で生きてきたお鯉は、 山県有朋の計らいで首相・桂太郎の妾となり、 怒涛の人生を送る。 日露戦争の真っただ中、 病身の本妻に代わり桂を支え続けるも、 お鯉に世間の風当たりは強い。 そんな時、日比谷焼討事件が起こり、 認知されていない二人の娘が 桂にいることがわかり――。 明治大正昭和と激動の時代を生き抜いた お鯉の物語。
  • 旅行屋さん
    3.6
    日本初の団体旅行(ツアー)は、汽車で行くお伊勢参りだった! 日本旅行 創業120周年! 〈旅のお世話〉に生涯を賭けた南新助の奮闘を描く感動の旅行屋さん小説!! 旅の思い出は、奪われることのない宝。 時は明治、鉄道開通に揺れる滋賀県草津の村長・南信太郎は駅の開業に尽くし、立売り弁当販売を始める。 その志を継いだ息子の新助は地元の人々、そして鉄道への恩返しの気持ちから伊勢神宮、善光寺への団体参拝を実現させる。 それは図らずも日本における団体旅行のはじまりであった。 やがて、旅の世話を商売にすることを思い立ち… 〈日本旅行〉創業者・南新助の奮闘と激動の生涯を描く、旅行屋さん一代記!
  • 森羅記 一 狼煙の塵
    4.1
    北条時宗の誕生から、元寇に立ち向かってゆく姿を 過去最大のスケールで描く歴史長編シリーズ、開幕。 【あらすじ】 王座が空位のまま、モンゴル帝国は権力争いにより分断される気配に満ちていた。クビライは、祖父・チンギスの足跡を追う長い旅路の中で、様々なものを見た。人々の生活、祖父の部下たち、そして、初めての海。驚くほど静かだった。草原の先は行き止まりではなく、海があり、その海の向こうにまた国がある。モンゴル、高麗、南宋、日本。それらは海でつながり、物流、利権争いなどが日常的に行われ、莫大な富を生んでいた。 時を同じくして、日本は鎌倉時代。執権に就いた北条時頼の悲願である、水軍を持つための準備を着々と進めていた。何か大きな脅威が近づいてくる気がするのだった――。 堂々たるシリーズ第一巻。 【読者の皆様からの声続々!】 「時間を忘れるほどの面白さ。初めて手に取る歴史小説がこの作品である人がうらやましい」(40代・女性) 「歴史の教科書で退屈にも思えた中世史が、こんなにも魅力的な人々によって作られているということを知りました。敵味方ではなく、全員応援したい気持ちになる作品です」(10代・男性) ■著者プロフィール 北方謙三(きたかた・けんぞう) 一九四七年佐賀県唐津市生まれ。中央大学法学部卒業。七〇年、同人誌に発表した「明るい街へ」が雑誌「新潮」に掲載され、デビュー。八一年『弔鐘はるかなり』で単行本デビュー。八三年『眠りなき夜』で第四回吉川英治文学新人賞、八五年『渇きの街』で第三八回日本推理作家協会賞長編部門、九一年『破軍の星』で第四回柴田錬三郎賞を受賞。二〇〇四年『楊家将』で第三八回吉川英治文学賞、〇五年『水滸伝』(全一九巻)で第九回司馬遼太郎賞、〇七年『独り群せず』で第一回舟橋聖一文学賞、一〇年に第一三回日本ミステリー文学大賞、一一年『楊令伝』(全一五巻)で第六五回毎日出版文化賞特別賞を受賞。一三年に紫綬褒章を受章。一六年「大水滸伝」シリーズ(全五一巻)で第六四回菊池寛賞を、一七年同シリーズで第六回歴史時代作家クラブ賞特別功労賞を受賞。二〇年に旭日小綬章を受章。二四年『チンギス紀』(全一七巻)で第六五回毎日芸術賞を受賞。『三国志』(全一三巻)、『史記 武帝紀』(全七巻)ほか、著書多数。
  • 天馬の子
    3.6
    『貸本屋おせん』で日本歴史時代作家協会賞新人賞受賞、 『梅の実るまで』で山本周五郎賞候補となった注目の新鋭が満を持して放つ感涙の長編時代小説! 南部藩の村に生まれたリュウは馬と心を通わせる10歳の少女。厳しい自然のなかで名馬「奥馬」を育てる村では、時に人よりも馬が大切にされていた。リュウの家にも母馬が一頭いるが、毛並みの良い馬ではない。優れた馬乗りだった兄が二年前に亡くなり、家族は失意のなかにあった。祖父は孫娘に厳しく、母は小言ばかり。行き場のない言葉を抱えたリュウが馬の世話の合間に通うのは「柳の穴」と呼ばれる隠れ家だった。姉のようにリュウを見守る隣村の美少女セツ。村の有力者の優しくてドジな次男坊チカラ。「穴」に住む家無しのスミ。そこでは藩境を隔てて隣り合う村の子どもが集まり、自由な時を過ごしていた。 ある日、片腕のない見知らぬ男が「穴」に現れる。「仔は天下の御召馬になる」。馬喰(馬の目利き)の与一を名乗る男はリュウの育てる母馬を見て囁いた。将軍様の乗る御馬、即ち「天馬」。しかし天馬は天馬から生まれるのが世の道理。生まれにとらわれず、違う何かになることなどできるのだろうか? リュウは「育たない」と見捨てられた貧弱な仔馬を育て始める。 村を襲う獣、飢饉、「穴」の仲間や馬たちとの惜別。次第に明らかになる村の大人たちの隠しごと。与一との出会いから大きくうねり始めるリュウと仔馬、仲間たちの運命。なぜ人の命も馬の命も、その重さがこんなにも違うのか。馬も人も、生まれや見た目がすべてなんだろうか。いつか大人になったら、すべてわかる日が来るのだろうか? 生きることの痛みも悔しさも皆、その小さな体に引き受けながら、兄の遺したたくさんの言葉を胸に、少女と仔馬は生きる道を切り拓いていく。
  • 龍と謙信
    3.3
    上杉謙信と、その妻・於龍 「奇妙(クィア)」なふたりは 憎悪も、愛情も、超えてゆく! 大藪春彦賞受賞後第一作 謙信の妻を描く、初の歴史小説 「抗え、戦え、歩みを止めるな。 かつても今も在り続ける魂の叫びに寄り添う物語」 澤田瞳子、推薦 父から越後守護代を奪った長尾景虎(後の上杉謙信)への復讐のため、母から“女”を捨てさせられた於龍。彼女は景虎を激しく憎むが、当人はどこ吹く風で、於龍のことを「面白(おもしょ)い奴」と気に入ってしまう。長尾の重臣たちが二人の婚姻を越後支配のために利用する一方で、甲斐の武田晴信(後の信玄)は隣国侵攻の調略を始めようとしていた――。史料を丹念に読み解き最新研究を踏まえ、生涯独身と言われてきた上杉謙信と、その妻の半生を鮮やかに描く。 謙信の妻・於龍は、どんな女性だったのか? そしてなぜ、歴史の陰に消えたのか? 装幀 二見亜矢子 装画 とびはち
  • 青嵐の旅人 上
    4.0
    1~2巻2,090円 (税込)
    『永遠の仔』『悼む人』を超える、新たな"世界"の誕生。 激動の幕末の伊予松山藩。 戦を厭う娘ヒスイ、医の道で人を助ける救吉、若き武士辰之進。 霊泉の湧く故郷を守るため、若者たちが立ち上がる! 文久2(1862)年。舞台は、260年間続いた江戸幕府がいま、まさに消えようとする頃の伊予松山藩(愛媛県)。代々続くおへんろ宿「さぎのや」で育てられた娘ヒスイと弟の救吉は、危機一髪の場面を救われたことをきっかけに、年少の藩士、青海辰之進と知り合う。医術で人を救うべく精進する救吉に、ある日郷足軽隊の調練に医師見習いとして同行せよと命が下る。誰よりも戦を厭い、平和を願うヒスイは、やがて救吉が真の戦に送られることは必定とみて、男装して弟に同道することを決意する。
  • 人斬り以蔵の道理
    4.2
    忠臣か、異常者か。最恐の暗殺者の本性とは? 「死んだら助かるろう? 幸せになれるがよ」 元治元年(一八六四年)、土佐藩の獄卒・小田切聡介は尋問の場にあった。罪人の名は岡田以蔵。かつて幼なじみであったこの男は、数多の人々の命を奪った罪に問われ、さらには聡介の兄を殺害した下手人である可能性があった。張りつめた空気の中、以蔵は子どもの頃と変わらぬ笑顔で、自らが手を染めた殺人の記憶を語り始める。 幕末期の記録に残る岡田以蔵の不可解な言動。そこには、常人には理解しがたい恐るべき「道理」が存在した――。 気鋭の筆が「人斬り以蔵」の謎に迫る、戦慄の歴史サスペンス。
  • 江戸咎人逃亡伝
    3.8
    地獄から生き延びよ! 脱出不可能な孤島 足抜け厳禁の遊廓 追手だらけの深山 絶体絶命の窮地を 罪人は逃げきることができるのか! 歴史小説の第一人者が描く江戸の闇 唯一無二の逃亡短編集 勘定奉行の不正の証である帳簿と書付を時機が来るまで隠すように主・依田政恒から頼まれた杢之助。だが捕らえられてしまう。罪人となり送られた先は、生きては出られぬ地獄の島・佐渡金銀山だった――島脱け 江戸吉原から大見世の花魁・春日野が足抜けした。誰一人抜け出せない吉原からどのようにして春日野は逃げたのか。追捕を任された力蔵は行方と足抜けの方法を探るが、夢を売る町は一筋縄ではいかず――夢でありんす 領内で重罪を犯した召人を放逐し、手下に討ち取らせる放召人討ち。放召人となった罪人の鷹匠を、マタギが追うこととなったが、山深くには腹を空かした熊もいて……。それぞれの逃亡が始まる――放召人討ち
  • 火山に馳す 浅間大変秘抄
    4.0
    天明の浅間焼け(大噴火)で土石流に襲われた鎌原村。村人の8割が死に、高台の観音堂に避難した者など93人だけが生き残った。現地に派遣された幕府勘定吟味役の根岸九郎左衛門は、残された村人を組み合わせて家族を作り直し、故郷を再建しようとするも、住民達の心の傷は大きく難航していた。出世頭の若き代官・原田清右衛門が進言するとおり、廃村と移住を選択すべきなのか、根岸は苦悩する。さらに幕府側にも不穏な動きが――。「故郷」と「生きる意味」を問い直す物語。
  • 高積見廻り同心御用控【合冊版/全3巻】
    -
    南町奉行所の高積(たかづみ)見廻り同心・滝村与兵衛、通称“滝与の旦那”。 普段は、荷の積み降ろしに違反や乱雑な振る舞いがないか、人出が多いところで荷を広げ、通行の邪魔をしていないか取り締まるのがお役目だが、お店や町屋の様子に詳しいことから年番方与力に見込まれ、市中を騒がす事件の探索を命じられるようになるが……。 名手が描く人情時代小説、全3巻を収録した合冊版。
  • 剣、花に殉ず
    3.0
    剣聖・宮本武蔵の最大のライバルであり、武蔵と五分に渡り合う実力を持つ伝説の大剣豪――雲林院弥四郎。塚原卜伝から継承された新当流兵法を体得し、柳生新陰流を皆伝したとも言われる弥四郎の剣士としての生涯は、関ケ原の戦いにおける九州の陣である、石垣原の戦いで始まった。激戦の中で目にした若き日の宮本武蔵の姿を、彼は生涯忘れることができなかった……。やがて、一念発起して江戸に出た弥四郎は、後の肥後熊本藩主である細川忠利と篤い友誼を交わすことになる。大坂冬の陣、夏の陣、島原の乱、肥後熊本の動乱、数多の闘乱の時代を、究極の剣の形を追い求めて戦い抜いた弥四郎が辿り着いた境地とは。
  • チャンバラ
    3.6
    有馬喜兵衛、吉岡一門、宍戸某、そして佐々木小次郎。さらには――。 最後の難敵との死闘を終えた宮本武蔵は吐き捨てた。今日まで剣に生きてきて、兵法というほどのものではないな。ただのチャンバラにすぎん……。 直木賞作家の手で鮮やかに蘇る、数多の強敵との名勝負! 「剣聖」とも称される二刀流の達人が、激闘の果てに辿り着いた境地とは?
  • 初期植物シリーズ 全3冊合本版
    -
    二枚目だが色事に疎い旦那、彼に出会い恋を知った女房。 江戸の花師夫婦のさざ波を、やわらかく凛々しく描いた「職人小説」。 花競(はなくら)べ――最も優れた名花名木に与えられる称号・玄妙を目指し、江戸中の花師が育種の技を競い合う三年に一度の“祭”。恩ある人に懇願されて出品した「なずな屋」の新次は、そこでかつて共に修業した理世と再会する。江戸市井の春夏秋冬をいきいきと描く傑作「職人小説」。 『花競べ 向嶋なずな屋繁盛記』『ちゃんちゃら』『すかたん』3冊合本版。
  • 源頼朝 全3巻合本版
    -
    平氏一門の横暴に抗して立った源氏最後の反乱は失敗に終わる。平治の乱に初陣した十三歳の頼朝は、落武者となって吹雪の近江路をさまよう。父義朝は非業の死、兄の義平も捕われて斬られた。源氏一統の血を残らず絶やし、後顧の憂いを除かんとする平清盛の断は、むろん斬首。だが池禅尼の涙の嘆願で命を救われた頼朝は、伊豆に流され仏道三昧の日々に身をやつして再起の時を待つ。平家の権勢の下、二十一年の苦渋にみちた歳月ののち、ついに決起の時は来た。
  • 毒牙 義昭と光秀
    4.2
    織田信長から助力を得て、上洛を果たした足利義昭は、兵力もない形ばかりの将軍となった。だが、才気溢れる明智光秀との出会いが、彼の心を大きく揺るがしていく──。新たな視点で描かれる本能寺の真実とは。
  • 山岡鉄舟<決定版>
    3.7
    身長188センチの偉丈夫にして剣の達人。無私無欲で、あの西郷隆盛をして「命も、名も、金もいらぬ始末に困る人」と感嘆させ、江戸無血開城を実現させた男--。 多士済々の幕末にあって、ひときわ異色の魅力を放つ山岡鉄舟の生涯を、活き活きとした筆致で描く骨太の人物伝。その清新な生き方には誰もが強く心を揺さぶられる。 2002年に刊行された同名書籍に、真事実を加えた決定版となる本書は、混迷をきわめる現代を生きる私たちにこそ必読の本となる。
  • 加賀開港始末
    -
    井伊大老の思惑か加賀に開国の大波が迫るなか、幕府の謀略で父を奪われ囚われの身となった青年藩士は、獄を破り厳冬の白山を越え江戸へ走る! 安政の大獄から桜田門外の変に至る激動の幕末の裏面史を描く渾身の時代長篇。第8回舟橋聖一文学賞受賞。
  • 元禄六花撰
    -
    元禄の末期は地震に襲われ、宝永と改元され、将軍綱吉が没します。メディア、バブル経済、セックスとカネ……。この時代の諸相と現代とには、おそろしいくらいの共通性が読み取れます。本書は元禄の諸記録に分け入り、まさに終わろうとする平成と時空を往還しながら、いまなお日本人の心性の根底にあるものをあぶり出します。読み出したらやめられない六篇です。
  • 静かなる凱旋
    -
    秋田県鹿角の旧家の当主・青山吉之助は、日露戦争の講和が叫ばれる今、鹿角遺族会会長として遺族を引き連れ上京し、知遇を得た桂太郎と交渉して、講和阻止を申し入れるつもりだ。かつて鹿角が盛岡藩領だった頃、金で武士の株を買った金上侍と蔑まれ、戊辰戦争では奥州の争乱に巻き込まれ、日露戦争では大切な長男を失った。幕末から明治――時代が動き、社会が変わる時期を、壮大なスケールで描いた渾身の書き下ろし長編小説。
  • 樅ノ木は残った(上中下) 合本版
    5.0
    仙台藩主・伊達綱宗、幕府から不作法の儀により逼塞を申しつけられる。明くる夜、藩士四名が「上意討ち」を口にする者たちによって斬殺される。いわゆる「伊達騒動」の始まりである。その背後に存在する幕府老中・酒井雅楽頭と仙台藩主一族・伊達兵部とのあいだの六十二万石分与の密約。この密約にこめられた幕府の意図を見抜いた宿老・原田甲斐は、ただひとり、いかに闘い抜いたのか。 ※当電子版は『樅ノ木は残った』(上)(中)(下)の全三巻をまとめた合本版です。
  • 梧桐に眠る
    3.5
    直木賞受賞後、初の長編連載が待望の単行本化! 天平の寧楽(奈良)、欲望渦巻く平城京に 投げ出された異邦人と浮浪者たちーー。 国家の秘事に巻き込まれて唐から来朝し、 不安と孤独な生活を強いられた袁晋卿(えんしんけい)は、 浮浪児と出会い、心を通わせていく。 争いの渦の中でもがき生きる彼らの姿を 稀代の作家が精緻な筆致で描く、衝撃のデビュー作『孤鷹の天』へと続く物語。
  • 箱根の坂 全3冊合本版
    4.8
    応仁ノ乱で荒れる京都、室町幕府の官吏、伊勢氏一門の末席に、伊勢新九郎、後の北条早雲がいた。家伝の鞍作りに明け暮れる、毒にも薬にもならぬ人間で生涯をことなく送るのが望み、と考えていた。だが、妹分の美しい娘、千萱の出現が、彼の今までの生き方を激変させる契機となり覇者への道を歩み出した……。 北条早雲の生涯を描いた傑作長編。全3冊セットで登場!
  • 旗本改革男
    5.0
    令和のサラリーマンだった「俺」は、江戸住まいの旗本八男坊・徳山安十郎として生まれ変わった! 安十郎は、とても早熟な若者として成長する。その好奇心のおもむくまま、『解体新書』を著す前野良沢や杉田玄白らと交流し「本所の麒麟児」として評判になる。やがて、御三卿・田安家の七男・賢丸(後の松平定信)の命を蘭学(と未来の知識)を駆使して救ったことで幕府からも注目される。しかし、類稀な異才を警戒する権力者たちの魔の手も忍び寄ってきていた――。 八男坊は 本所の麒麟 令和の知恵で 江戸を糺す!? 装画/おおさわゆう 装幀/二見亜矢子
  • 福音列車
    3.4
    「福音の列車が、やっと日本にも来る。このやかましく、血なまぐさい戦闘の騒音とともに」 国と国の歴史が激突するその瞬間、その時代を活写した5つの物語。 明治維新の後、アメリカの海軍兵学校に留学した佐土原藩主の三男・島津啓次郎。彼はスピリチュアル(黒人霊歌)と出会い、これにぞっこんに。しかし、歌うにはソウルとガッツが必要だと言われる。「ゴスペル・トレイン」 上野戦争で死に損ない、妻と二人で「虹の国」ハワイへ移住して再起を図ろうとした伊奈弥二郎。待っていたのはサトウキビ農場での重労働だった。威圧的な白人農場主たちに、弥二郎とハワイ人労働者のエオノはストライク(労働争議)を決行する。「虹の国の侍」 第一次大戦後、日本が委任を受けて統治していた南洋のパラオにて。海軍大尉・宮里要は諜報目的で潜入した米軍将校・エリスの死体を検分したが、旅券からは肝心の顔写真が剥ぎ取られていた。「南洋の桜」 シベリア出兵にて、どうしても従えない命令を忌避して脱走兵になった、騎兵一等卒・鹿野三蔵。彼はモンゴルで、黒旗団(ハラ・スルデ・ブルク)という馬賊団に参加。生まれや人種を越えて、自らの国(ウルス)を探そうとする。「黒い旗のもとに」 神戸で生まれ育ち、祖国のためにインド国民軍婦人部隊、ラーニー・オブ・ジャンシー聯隊に志願した、少女・ヴィーナ。元サラリーマンの陸軍少尉で、インド独立指導者のチャンドラ・ボースに心酔する青年・蓮見孝太郎。インパール作戦で、近くて遠い二人の人生が交錯する。「進めデリーへ」
  • 鷗外青春診療録控 本郷の空
    4.4
    東大医学部を卒業後、父の診療所を手伝う森林太郎(鷗外)。それぞれの事情を抱えた患者たちの生と死に立ち会いながら、医療のあるべき姿を模索する。青年医の人間的成長を描く連作集。好評既刊『鷗外青春診療録控 千住に吹く風』の続編。
  • ミネルヴァとマルス 上 昭和の妖怪・岸信介
    -
    激動の昭和で、常に権力の中枢にいた稀代の政治家・岸信介が目指したものとは? これからの日本を語り合うための、歴史ドキュメント小説! 昭和8年(1933)。商工省・臨時産業合理局事務官の岸信介は、組織の枠を超えて活躍していた。 人当たりがよく、話もうまい。上司にも女にも気に入られる岸は、末は次官や大臣にもなるのではないか、と目されていた。 国家運営の根幹は経済であり、列強と対峙していくには武力ではなく経済力が必要だと説く岸は、関東軍が支配する満洲に乗り込み産業発展に邁進、日産コンツェルンの満洲移転という奇手の実現を図る。 が、戦争は泥沼化してゆき――。 きな臭い時代にこそ、文官の役割は重大だ。 マルス(武の神)ではなく、ミネルヴァ(文の神)こそが先頭に立たねばならない。
  • 蕪村 己が身の闇より吼て
    3.0
    享保の改革のころ、15歳の男が叔父を殺めて大坂から京へ逃れていった。河原で乞食をしたのち、僧・弁空のもとで寺男になる。寺で画と俳諧に興味を持ち始めた男は、京を発ち江戸へと向かう決意をする。江戸では俳諧の師匠・宋阿に弟子入りし、宰鳥と名乗る。だが間もなくして宋阿が亡くなり、下総の結城へ。そこを拠点に奥州や北関東への旅を繰り返す。28歳で俳号を蕪村に改め、いよいよ画と句と書に力を注ぎこみ……。
  • また、桜の国で
    4.4
    一九三八年十月一日、外務書記生棚倉慎はワルシャワの在ポーランド日本大使館に着任した。ロシア人の父を持つ彼には、ロシア革命の被害者で、シベリアで保護され来日したポーランド人孤児の一人カミルとの思い出があった。先の大戦から僅か二十年、世界が平和を渇望する中、ヒトラー率いるナチス・ドイツは周辺国への野心を露わにし始め、緊張が高まっていた。慎は祖国に帰った孤児たちが作った極東青年会と協力し戦争回避に向け奔走、やがてアメリカ人記者レイと知り合う。だが、遂にドイツがポーランドに侵攻、戦争が勃発すると、慎は「一人の人間として」生きる決意を固めてゆく。“世界を覆うまやかしに惑わされることなく、常に真実と共にあれ”との言葉を胸に。
  • かぶく 織田左馬助 自由狼藉一代記
    4.0
    信長の甥にして、一族きっての異端児。 関ヶ原以降、かぶき者の中でひときわ異彩を放ち、 京洛を騒がせた織田左馬助(おださまのすけ)。 有楽の息子で、秀吉、淀殿、家康、結城秀康など時の権力者をも魅了した人間性、 権勢に背を向け、愛と自由に生きた破天荒な生涯、 これまで書かれなかったその人物像に迫る本格歴史小説! 構想以来30年、熟練の筆が満を持して放つ渾身作。
  • おまあ推理帖
    NEW
    -
    愛らしいおまあさんが江戸の難事件を解決! 愛嬌のかたまりのような江戸のおばあちゃん“おまあ”が解くのは…殺人事件!? 2026年はアガサ・クリスティ没後50年。クリスティが産んだイギリスの田舎町に暮らす老婦人探偵、ミス・マープルを、時代小説家の諸田玲子さんが江戸の浅草に生まれ変わらせました。 丸顔で黒目がちな目、いつもニコニコしてするりと他人の心の奥に入り込むおまあさん。江戸は浅草、浅草寺の西方にある幸龍寺の一角の小家で、庭で野草を育てお茶を皆にふるまう気ままな隠居暮らしをしています。 そんなおまあの家には女たちが集い、様々な悩みや事件が持ち込まれます。 密通を告発する怪文書がそばに置かれた死体(「うごめく怪文」)、茶碗屋で亡くなった後妻の袂に入っていた米粒の理由(「袂に米粒を」)、大昔に当主と妻女が亡くなったという凶宅・榎屋敷の怪事件(「眠れる殺人鬼」)、南町奉行所の同心への殺人予告(「先触れ殺人」)、先代将軍の美貌のお中臈をめぐる謎(「銅鏡はくもって」)、鎌倉の材木商から破格の報酬で頼まれた大山詣りで明らかになった事実(「復讐の咲耶姫」)…と、それぞれの章のタイトルもミス・マープルシリーズからインスパイアされています。 愛らしいおまあですが、実は手裏剣の名手。過去には命を受けて“ある仕事”に携わっていたり、南町奉行の根岸肥前守鎮衛と秘密の関係があるという知られざる一面がありました。 〈鳥舞のおまあ〉と呼ばれていた当時の仲間である、〈夜駆のおりゅう〉〈怒髪の勝次〉たちと協力して謎を解く連携プレーや、合羽長屋の少年・乙吉との交流にも心温まるミステリです。
  • 化かしもの 戦国謀将奇譚
    3.8
    戦国どんでん返し七連発 乱世は謎に満ちている。 上杉謙信の脅威にさらされている越中神保家を助けると約束した武田信玄だったが、援軍は出さぬという。果たして援軍なしに上杉を退ける秘策とは? 腹の探り合いが手に汗握る「川中島を、もう一度」。 下野国・宇都宮家に仕える若色弥九郎は、先代当主の未亡人・南呂院の警固番に抜擢される。門松奉行という閑職の父を持つ弥九郎にしてみれば、またとない機会。意気揚々とお役目に着く弥九郎だが、この抜擢の本当の目的は……うまい話の裏を描く「宇都宮の尼将軍」。 長宗我部家は、大量の砂糖の献上を織田家に約束していた。外交僧として必死の思いで砂糖をかき集めた道標だったが、何者かに砂糖の献上の先を越されてしまう。横槍を入れてきたのはまさかの……すべてが戦略物資になる乱世の厳しさが身に染みる「戦国砂糖合戦」etc. 気鋭の歴史小説家が放つ、戦国どんでん返し七連発。
  • ふたりの歌川―― 広重、国芳、そしてお栄
    3.0
    音や動きだけじゃない。暑さ寒さや匂いまでも、浮世絵に描き込んでやる。私は北斎を超えたい! 「東海道五拾三次」など情景画を得意とする広重と、「通俗水滸伝豪傑百八人」など常識破りの奇想絵の国芳に、葛飾北斎の娘・お栄を絡めて、画に魅入られた絵師たちの葛藤を活写する長篇時代小説
  • 人よ、花よ、 上
    4.3
    1~2巻1,999~2,200円 (税込)
    軍神と崇(あが)められる楠木正成を父に持つ正行は、戦なき世を求めて、北朝に降(くだ)る決意を固める。それは、楠木家こそ挽回の鍵だと頼みにしている南朝を滅亡に向かわせることに他ならないのだが……。朝日新聞連載の歴史巨編、待望の単行本化!
  • 焼け野の雉
    3.0
    わけありの夫・羽吉と離縁し、飼鳥屋を営む女主人のおけい。九官鳥・月丸との暮らしも順調なある日おけいは大火に見舞われる。何とか逃げ延びお救い小屋での生活が始まるが……。江戸に生きる人たちを鮮やかに活写し、幸せとはなにかを問う傑作長編小説。
  • ぜにざむらい
    4.0
    金もうけが大好きで、趣味はためた銭を畳に広げそのうえで寝転がること。そして戦はめっぽう強く、伊達政宗と直接打ち合って退けたこともある。戦国末期の実在の武将、岡左内の痛快な半生を描いた著者の新境地!! 歴史学者・小和田哲男氏推薦。
  • 姫君の賦 千姫流流
    3.9
    「千姫」の人生は、大坂城落城から始まった――豊臣秀頼、本多忠刻との哀しき別れ、そして将軍・徳川家光の姉として……時代に翻弄され、いわれなき悪名を浴びながらも凛として生きた千姫の生涯を描く。徳川家康の孫娘であり、2代将軍・秀忠の娘、千姫。天下の泰平のため、幼くして豊臣秀頼のもとへ嫁いだ千姫だったが、徳川、豊臣両家の争いを止めることはできなかった。そして大坂城落城。その後も、千姫の波乱に満ちた人生は続いていく。「夫である秀頼を見捨てた」「坂崎出羽守を嫌い、一目惚れした若侍を選んだ」など、いわれなき悪名がついてまわるも、再嫁した本多忠刻の愛に包まれて穏やかな日々が訪れたかに思えた。しかし――。愛と哀しみに満ちた波乱万丈の人生を描き切った、著者渾身の傑作歴史小説。
  • 我、六道を懼れず[立国篇] 真田昌幸連戦記
    4.3
    われらは死花に非ず――昌幸から幸村へ託されたものとは。大河ドラマ「真田丸」でも草刈正雄の好演で話題の戦国武将、真田昌幸。「稀代の謀将」「表裏比興の者」と呼ばれながらも、真田家を守り抜いた、その誇りに満ちた生涯とは。傑作歴史巨編、堂々完結! ――誰も救えぬ温情よりも、何かを救う非情を選べ! 壮絶なる長篠の合戦で二人の兄を失い、真田家を嗣ぐこととなった昌幸。しかし武田家の滅亡を食い止めることができず、天下の情勢も大きく移り変わっていく。その中で昌幸は真田家を守るため、次々と非情な決断を下していくのだが……。「表裏比興の者」と蔑まれながらも、信長、秀吉、家康ら天下人たちと智略をもって渡り合い、理不尽な処遇に矜持をもって戦い抜いた男。その信念はやがて息子・幸村へと受け継がれてゆく。

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  • 陰陽師 信長
    -
    混迷した中世の闇の中から躍り出て、近世への扉を抉じ開けた男――。織田信長は、当時の人々の間に滲透していた「陰陽道」を光源として己れを律し切り、「天下を正す」ことに生涯をかけた希代の陰陽師だった!戦国時代には、古代中国の陰陽五行説をもとに日本独自の発展を遂げた陰陽道が、合戦にも用いられるようになっていた。信長が桶狭間で今川義元を倒すことができたのは、陰陽道で義元の進路を読めたからである。足利義栄・武田信玄・上杉謙信らが道半ばで斃れた陰にも、信長の強力な呪力による「呪詛返し」があったのだ。絢爛豪華な安土城でさえ、比叡山焼討ちや一向一揆討伐で非業の死を遂げた者たちの無念が怨霊と化し、数々の災厄を為すのを防ぐための呪詛的浄化装置として建設されたのである。天下布武に命をかけた信長の、「桶狭間の戦い」から「本能寺の変」までの波瀾万丈の生きざまを、ドラマチックに描ききった歴史エンターテインメント長篇。

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  • 茶聖【電子特典付】
    3.8
    利休と秀吉、真の勝者はどちらだったのか 「茶の湯」という安土桃山時代を代表する一大文化を完成させ、天下人・豊臣秀吉の側近くに仕えた千利休。 茶の湯が、能、連歌、書画、奏楽といった競合する文化を圧倒し、戦国動乱期の武将たちを魅了した理由はどこにあったのか。 利休は何を目指し、何を企んでいたのか。秀吉とはいかなる関係で、いかなる確執が生まれていったのか。 戦場は二畳の茶室、そこで繰り広げられる天下をも左右する緊迫の心理戦 信長、秀吉、家康……死と隣り合わせで生きる者たちとの熱き人間ドラマ 利休の正体は、真の芸術家か、戦国期最大のフィクサーか                        <電子書籍特典>  茶人 木村宗慎さん・伊東潤対談
  • もっこすの城 熊本築城始末【電子特典付】
    4.0
    熊本城に生涯を賭した築城家の一代記、感涙必至の戦国ロマン! 藤九郎、わしと一緒に日本一の城を築いてみないか――。 織田信長の家臣・木村忠範は本能寺の変後の戦いで、自らが造った安土城を枕に壮絶な討ち死にを遂げた。遺された嫡男の藤九郎は家族を養うため、肥後半国の領主となった加藤清正のもとに仕官を願い出る。父が残した城取りの秘伝書と己の才知を駆使し、清正の無理な命令に応え続ける藤九郎――。戦乱の世に翻弄されながらも、次から次に持ちあがる難題に立ち向かう藤九郎は、日本一の城を築くことができるのか。 【電子書籍特典】 過去500以上の城跡を訪れた歴史作家・伊東潤による ラジオ番組の人気コーナー「城歩きのすすめ」の原稿を電子書籍化した 『歴史作家の城めぐり 2』(熊本城 / 名古屋城 / 江戸城)を同時収録。 (マイクロコンテンツとしても別途好評発売中です)
  • その糸を文字と成し
    NEW
    -
    高校生時に『ちとせ』でデビューした、現役大学生による待望の小説第二作目。不況や政治改革に揺れる激動の明治初期を舞台に、運命に引き裂かれた少年たちの葛藤と成長を描く感動作。
  • ねねと秀吉 上下合本版
    -
    出世街道をひた走る豊臣秀吉を支え続け、ついには天下一の女性となる北政所・ねね。加藤清正、福島正則ら多くの武将に母と慕われたゴッドマザーの生涯を、NHK大河ドラマの脚本家が描く! ※本電子書籍は、「ねねと秀吉 上・下」の合本版です。
  • 武家女人記
    4.0
    江戸時代、さまざまな身の上を生きる武家の女性たちを、山本周五郎賞作家があざやかな筆致で描く、傑作時代小説集。 馬廻りを務める高梨家の娘・織江は、縁談の話が来てもおかしくない年齢になっている。あるとき彼女は、城下のはずれで行われる荒神さまの祭礼に出かけるのだが、思わぬ事態になり・・・・・・(「ぬばたま」)。 茅乃の夫・保科定八は勘定方の下役頭を務めているが、このところ顔色が冴えない。ある日彼女は夫から、藩政に関わる一大事を知らされて・・・・・・(「背中合わせ」)。 中老を務める小野寺家に嫁いだ雪絵は、兄から若い長身の男を小者として抱えるよう頼まれる。この男の出現が、彼女に思いがけぬ影響を与えていく(「嵐」)ほか全七話。  収録作品:ぬばたま/背中合わせ/嵐/緑雲の陰/深雪花/縄綯い/あねおとうと 【著者略歴】 砂原浩太朗(すなはら・こうたろう) 1969年生まれ。兵庫県神戸市出身。早稲田大学第一文学部卒業。2016年「いのちがけ」で第2回決戦!小説大賞を受賞。21年『高瀬庄左衛門御留書』で第9回野村胡堂文学賞、第15回舟橋聖一文学賞、第11回本屋が選ぶ時代小説大賞を受賞。22年『黛家の兄弟』で第35回山本周五郎賞を受賞。他の著書に『藩邸差配役日日控』『霜月記』『夜露がたり』『浅草寺子屋よろず暦』『雫峠』『烈風を斬れ』『冬と瓦礫』など。
  • 陽炎の旅人
    4.0
    大政奉還を経て明治の世へ。 近代の幕開けを雄渾かつ緻密に描く。 「青嵐の旅人」に続く、壮大な歴史エンターテインメント 慶応4(1868)年夏。前年に大政奉還が行われた江戸の町で、ついに新たな粋さが始まった。戦を誰より厭いながら同郷伊予松山(愛媛)の士原田左之助を連れ戻すべく上野の山に向かったヒスイ、彼女を追う弟の救吉、家老の娘嵐花を追って同じく駆けつけた藩士青海辰之進。かつて戦を通じて絆を深めた三人の若者は、はからずも再び戦の渦に巻き込まれる。一方、遠く離れた伊予松山では、死んだと思われていた〈ある男〉が町外れで目撃されて......。壮大なスケールで幕末の一幕を鮮やかに描いた『青嵐の旅人』に続く、シリーズ第二弾!
  • 始皇帝と徐福
    -
    この小説は古代中国、春秋戦国時代の戦乱を終わらせた秦の始皇帝と、始皇帝を欺き遥か東方の海に旅立った斉の徐福の物語。 戦国時代末期、戦国七雄(秦・韓・魏・趙・燕・斉・楚)が覇権を争った。秦は孝公以来明君が続き、秦王政のときすでに政治力・軍事力は最強で、秦以外の六国に有能な君主が現われなかった。秦王政が中国を統一し始皇帝を称し、古来の封建制を根底から覆し、皇帝を頂点とする中央集権国家を作り上げ、法を厳しくして苛酷な刑罰で人民を酷使していた。 第二回巡幸のとき始皇帝は泰山で封禅の儀式をおこなった後、生まれて初めて大海(渤海)を見る。そこで多くの方士が海の彼方に蓬莱があって、僊人が住み不老不死の薬を持っている、と説く。不老不死に憧れを持った始皇帝は、蓬莱に行ったことがあるという安期先生を捜しだすが、行き方が分からない。しばらくすると徐福が上書して、「童男童女数千人を連れ蓬莱に行き、僊人に会って不老不死の薬を貰ってきます」と奏上する。始皇帝は東渡を命じた。徐福らは蓬莱の場所確認からはじめ、朝鮮半島を南下して蓬莱に着き、また蓬莱山に不老不死の薬草があることを知る。東シナ海を大船団で渡るには、蓬莱の地理を知る人を育てなればならない、と気づき、帰国するや急いで五十人を集め杭州湾から再度東渡した。蓬莱では有明、南九州、伊勢へと順調な航海だったが、中国への還り、嵐に遭い遭難してしまう・・・。
  • まろ丸伊勢参り
    3.5
    六十年に一度、皆が伊勢神宮へ向かう、おかげ参りの年。六つになる姪の結に、大坂の大店の跡取りになる養子話が舞い込んだ。しかし、本家からの迎えは来ず、なぜか伊勢まで結を連れて来て欲しいと文が届く。うまい話に乗っていいのか見極めるため、両替商の三男坊・九郎は、姉夫婦から頼まれて結を送ることに。拾ったばかりの仔犬のまろ丸をお供に旅に出たものの、行く先々で困った事に遭遇し、九郎はそのたびに良い考えを求められ……。 己の居場所が見つからない九郎と、大店の財を継ごうとしている結が、明日を懸けて東海道を西へ行く!
  • おふうさま
    3.4
    江戸時代初期、加賀前田家利常公四女・富姫(おふうさま)が、京・桂離宮を造営したことで有名な八条宮家へ嫁ぐことに。それは徳川将軍家の顔色をうかがいつつも、朝廷と良好な関係を築くための政略結婚。入輿に際して「おふうさま」付きの侍女となった小蝶は、女主人を守っていくことを決心し奔走します。加賀前田家を快く思わない公家衆の陰謀や予期せぬ災難を乗り越えながらも、「おふうさま」は妃としての使命と秘めた恋に揺れ動いていました――侍女だけが知る「おふうさま」の心の内、その悲願とは。

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