歴史・時代小説作品一覧

  • 則天武后(上) 皇后立志篇
    4.7
    中国史上、唯一の女帝に上り詰めた則天武后(武則天)の生涯を描く歴史小説! 稀代の悪女か、それとも叡智に富む賢帝か――。唐代初期、武将で材木商の父のもとに生まれた武照(後の則天武后)は、いかにして後宮から、帝にまで上り詰めたのか。 複雑怪奇な宮廷の権力争いの中で、様々な謀略、知略を駆使して次第に権力を握っていく過程を、鮮やかな筆致で描き出す。
  • 草原の風(上中下合本)
    5.0
    高祖・劉邦の子孫でありながら、鮮明な未来を描くことの出来ぬまま、田を耕す日々を送っていた劉秀。しかし、王莽の圧政に耐えかねて、兄と共に挙兵する。天下に乱立する英傑と鮮やかな戦いを重ね、劉秀はとうとう天子として立つが……。合本で名作一気読み!
  • 韃靼疾風録(上下合本)
    -
    上下合本で名作一気読み! 九州平戸島に漂着した韃靼公主アビア。謎多いアビアの故国へ赴く平戸武士桂庄助。二人の前に衰退した明と女真との闘いが待ち受ける。「十七世紀の歴史が裂けてゆく時期」に出会った二人の愛の行方は。様々な人間の織りなす、東アジアの海陸に繰り広げられる壮大な歴史ロマン。第十五回大佛次郎賞受賞作。
  • 日本史10人の女たち
    4.0
    推古天皇(飛鳥時代)、清少納言(平安時代)、葛飾応為(江戸時代後期)……時代の制約にしばられ反発しながらも懸命に生き抜いてきた10人の女たちが、波乱の人生を自らの言葉で語ります。当時の資料、研究成果に基づき主人公たちのキャラクター、台詞に思いをはせた筆者が現代の言葉に置き換えて描く異色の女性史。時代を超えて語りかける10人の言葉は、今まで見えてこなかった「日本女性の歴史」、さらには「もうひとつの日本の姿」を浮き彫りにします。 [目次] 野の声、森の声   縄文のシャーマン 女王と呼ばないで  台与 日出処のわたし   推古天皇 この平城京の片隅で 笠女郎 おもろい女たち   清少納言 水の音       建礼門院右京大夫 森に溺れる     森女 私たちの戦国    高台院おね 月が私について来る 遊女勝山 世界はこの手の中に 葛飾応為 おわりに [人物紹介と解説] 【著者】佐々木 和歌子(ささき・わかこ) 青森県生まれ。東京大学大学院人文社会系研究科修士課程修了。専門分野は日本語日本文学。(株)ジェイアール東海エージェンシーにて歴史文化講座の企画運営に携わりながら、古典文学の世界を、やさしくわかりやすく解き明かす著作を重ねる。著書に『やさしい古典案内』(角川学芸出版)『やさしい信仰史―神と仏の古典文学』(山川出版社)など。『古典名作本の雑誌』(本の雑誌社)では中古文学・中世文学を担当。 ※この電子書籍は株式会社ウェッジが刊行した『日本史10人の女たち』(2018年9月20日 第1刷)に基づいて制作されました。 ※この電子書籍の全部または一部を無断で複製、転載、改竄、公衆送信すること、および有償無償にかかわらず、本データを第三者に譲渡することを禁じます。
  • 大友落月記
    4.0
    「新人離れしたデビュー作」と各紙誌が絶賛した『大友二階崩れ』のその後を描いた新作が早くも登場。「泣く英雄」を描いた前作に対し、「武に生きる」男たちがやはり「義」をめぐり繰り広げる熱き物語。大友義鎮(のちの大友宗麟)が当主となった「二階崩れの変」の6年後、強大化した大友家に再び熾烈なお家騒動が出来。通称「小原鑑元の乱」を重臣たちを通して描く。 物語を引っ張るのは『大友二階崩れ』の主人公の長男。当主・義鎮が「政」より美と女を重んじた結果、「二階崩れの変」を平定した重臣たちと当主との間に権力の二重構造ができあがり、政変が勃発する 前作で描かれたのは「義と愛」だったが、今作はもうひとまわりスケールが大きく、一寸先は闇の乱世における「義と利」「情と理」のせめぎあいがダイナミックに描かれる。一貫して流れているのは戦国の世とは言え、誰も戦を望んでいないこと。やむなく戦に臨まねばならなくなった時、どこで人としての筋を通さねばならないか、を各人各様に考え抜いている姿が描かれ、現代にも通じる普遍的なテーマが隠されている。
  • 三国志演義 (一)
    5.0
    西暦220年、後漢王朝の崩壊後、群雄割拠の時代の中から魏、蜀、呉の三つ巴の戦いへと発展した。その約1000年後。複数の「三国志」の物語や資料を整理・編纂し、フィクショナルな物語世界を構築してたのが、本書『三国志演義』です。中国文学に精通した訳者が、血沸き肉躍る、波乱万丈の物語を、背景となっている時代や思想にも目配りしたうえで、生き生きとした文体で翻訳した決定版です。(講談社学術文庫)
  • 芸三職森川杜園
    -
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 幕末の奈良に生まれ、絵と彫刻、狂言の三才に秀で、数々の貴人に愛された芸の人、森川杜園。重厚にして軽快、大胆にして精緻な作品の数々は、どのようにして誕生したのか。大和の異才、森川杜園の生涯をみずみずしく描いた初の伝記小説巨編。

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  • 民岩太閤記 【小田実全集】
    -
    大航海時代の「東アジア大戦争」であった文禄・慶長の役(豊臣秀吉の朝鮮侵略)の全過程を日本の少年トン坊とその妹ミン坊の視線から描いた異色作。秀吉のもと、出世と富貴栄華のために出征する武士の群像、戦争を機にひと儲けを企む破廉恥な商人やバテレンたち、そして、強制的に全国から駆り集められた日本の百姓と朝鮮の義兵たちが七年間、いかに抗ったかを捉えた。この悲惨な総力戦は秀吉の死で幕を下ろす。主人公ミン坊が朝鮮の民と運命を共にする結末で終る「未来の歴史小説」。
  • 武蔵坊弁慶
    -
    源平争乱の時代、悲劇のヒーロー源義経と運命をともにした荒法師・武蔵坊弁慶。後世に怪力無双の豪傑として知られる弁慶のロマンと哀愁を見事に描いた名作を全巻セットで一挙電子化。NHK時代劇、テレビドラマ原作などで何度も映像化された傑作。 ■目次 一  ひぐらし  水鏡  初瀬の夢  笛  貝合せ  雁渡る  市女笠  鎖  八条の女院  別れの月  逢うも哀しき  問答無用  脱兎  巨椋の池  春の跫音  ほくろ  遙かな人  男舞  主従 二  峰の白雪  ちろりん  花にぞめずる  磯天狗  雲の通い路  御輿振り  火つけ猿  青葉日記  夜の鶴  鞦韆  歎きの男  逆浪  馬に寄せて  ちちははの唄  かげ弁慶  野ざらし  かきつばた  忍ぶ旅路  源氏揃  水鳥  黄瀬の里 三  木匠の響き  夏木立  車大路  怒りの虫  ちろりん流行  雪の陣  旭の抄  緑の中に  遊びをせんとや生れけむ  鼓判官  迅雷  巴の章  地震  大松明  一の谷  都の風  闘鶏記  虹のかけ橋  夢消えにし  禍福 四  小八葉の車  あひる  義経と景時  屋島の灯  玉虫の扇  旗雲  潮  壇の浦  明石の女院  人心表裏  腰越  天南星  玉虫抄  大将軍禍  祝の例  灸  討手選び  堀川夜討  苦悶の人  力ない蛙 五  京の夢  都落ち  亡魂  雪の吉野  ひとり合戦  行衛も知らず  影  地に潜む  鬼謀  瀬を飛ぶ魚  残照  矯め逃げ記  賤のおだまき  白波  黒い風  行家討たれ  静・大姫 六  網の目  比叡  悪僧  静かな怒涛  おのこ・めのこ  静の生涯  奇襲  終りの夜を  富樫  勧進帳  哀しき主従  高館抄  闇  陸奥と鎌倉  錦木  春雷  衣川
  • 絢爛たる奔流
    3.7
    戦国から江戸へ時代が移り変わる慶長年間、京都に「水運の父」と呼ばれた男がいた。豪商・角倉了以は金融業や海外貿易で得た莫大な資金を投じ、京の都をさらなる繁栄に導くため、大堰川や高瀬川を開削する大プロジェクトに挑み、江戸幕府の命により、さらに大規模な富士川や天竜川にも手を広げる。偉大な了以を支えながらも、自らは書や文芸に親しむ生活に魅力を感じる息子・与一。角倉親子の挑戦の年月を描く、長編歴史時代小説。
  • 城壁/星 小島信夫戦争小説集
    5.0
    イデオロギー的偏向やうすっぺらな善悪を超え、戦場の奇妙な人間模様を描くことで、不気味なユーモア、シュールな世界として、〈戦争〉を読者に刻みこむ。兵士たちに蔓延する「迷子病」が県城自体の引っ越しを誘発する「城壁」ほか、寓話的ともいえる作品のなかにも暗号兵としての体験が息づく。戦争文学のもつ既成像を粉砕し、小島信夫の世界観の核を示す九作品。
  • 夢介千両みやげ 完全版 上下合本版
    -
    痛快娯楽時代劇として宝塚歌劇団雪組により舞台化された古典名作! 大枚千両を使い江戸で道楽修業してこい。小田原の豪農である父親から途方もない宿題を与えられ、若き夢介は旅立った。力は強いが底抜けのお人好し。懐中を狙った名うての美女道中師・お銀も、そのとぼけた温かさに、いつしかベタぼれに。よき女房になろうと、ともに江戸に入ったまではよかったが……。 おおらかなヒーロー夢介に女スリお銀がほれ込んだ。戦後日本の心を潤した山手樹一郎の代表作! 上下巻合本版
  • 今昔物語集 本朝世俗篇 (上) 全現代語訳
    3.0
    我が国最大の説話集であり、内容の多様さも文学的興趣も群を抜く「今昔物語集」。古来我が国で「世界」を意味した三国、天竺・震旦・本朝(インド・中国・日本)の一千を超える説話を収めた三十一巻(うち三巻を欠き、現存は二十八巻)のうち、本朝の世俗説話を収めた巻二十二~三十一。その平易で読みやすい全現代語訳をコンパクトに刊行。語注も充実。巻二十二~巻二十四。
  • 重耳 全3冊合本版
    4.0
    流浪の末、晋を再建し、後に中国・春秋随一の名君と謳われた、重耳(ちょうじ)の生涯を描いた歴史小説。芸術選奨文部大臣賞受賞作が、全3冊セットで登場!
  • 三国志名臣列伝 呉篇
    3.8
    周瑜から陸抗まで、三国志の世界は奥深い! 勇敢な父の孫堅と兄の孫策を継ぎ、長江流域に広大な王朝を築いた孫権。 大国「魏」と対峙し、赤壁の戦いに勝利した。 周瑜、魯粛、張昭をはじめ、この「呉」の国を支えた人物に、新しい光をあてる。 1800年の時を越え、初めて見出された真実とは? 著者の長年のライフワークともいえる「三国志名臣列伝」シリーズ、堂々の完結! 目次 周 瑜(しゅうゆ) 魯 粛(ろしゅく) 張 昭(ちょうしょう) 甘 寧(かんねい) 陸 遜(りくそん) 朱 然(しゅぜん) 陸 抗(りくこう) あとがき『三国志』支流の景色
  • 往来絵巻 貸本屋おせん
    3.6
    事件を呼ぶ本の虫・おせんが導く出版捕物帳 デビュー作『貸本屋おせん』で歴史時代作家協会賞新人賞を受賞、 業界最注目の著者による、看板シリーズ第2作! 文化年間の江戸浅草。 主人公は女手ひとつで貸本屋を営む〈おせん〉。 謎があるとつい首を突っ込んでしまう、事件を呼ぶ「本の虫」です。 表題作「往来絵巻」は、神田明神祭りが舞台。 宝くじが当たるより稀有でありがた~い、特別な「行列」を出すことになった与左衛門は、我らの偉業を絵として残そうと提案した。 金に糸目を付けず、1年待ってようやく仕上がった祭礼絵巻がついに完成。 しかし…… 絵には一人足りない人物が。消えた「あいつ」は何者だ? 〈おせん〉の推理がさえわたります。 蔦谷重三郎を巻き込んだ江戸出版界を揺るがす謎や、 〈おせん〉の父の死の真相、本仲間で絵師の「燕ノ舎」の最期……。 ちょっとビターで、心温まる、本好き必読の一冊です! 時代を超えて本好きを魅了する出版文化の豊饒さをお楽しみください。
  • ああうれしい
    3.7
    大好評「まんまこと」シリーズ、ついに第10弾! 子が生まれ、張り切る新米父の麻之助だが、相談事は待ってくれない。 悪友に妻たちまで巻き込み、 時に怠けながら、今日も果敢に揉め事を捌く! (※よく叱られます) * * * 〈あらすじ〉 「ふじのはな」 高利貸しの婚礼話。めでたい席の前に各所が荒れ模様に―― 「おとうと」 “町名主見習い”の義弟を手伝う麻之助は猫探しを相談されて 「ああうれしい」 “ああ嬉しい”と思わせて欲しい――って、それ町名主の仕事!? 「縁談色々」 縁談の相手探しを次々頼まれる麻之助。ふと見つけた妙案とは 「むねのうち」 与力の屋敷の台所で高価なかんざしが消えた。盗人はどこに? 「だいじなこと」 友人の家で病に倒れた麻之助は“何か”を忘れてしまった気が……
  • かぶきもん
    3.6
    オール讀物新人賞最年少受賞! 歌舞伎小説の新星現る ◆あらすじ 時は文化文政。江戸の芝居は華盛り。 今をときめく色男・菊五郎に芝居の現人神・團十郎が揃い咲けば、たちまちそこはこの世の極楽。 天才狂言作者・鶴屋南北の筆は次々傑作を生みだすも、金が敵の世の中で、ケチな金主とあの手この手の化かし合い! すかっと笑える歌舞伎ものがたり、始まり、はじまり~。 * 文政2(1819)年。江戸歌舞伎の二大スター三代目尾上菊五郎、七代目市川團十郎はそれぞれの芝居小屋で時期を同じくして「助六」を演じる。江戸芝居イチ「粋な男」という役どころの助六は、成田屋市川團十郎が代々演じてきた演目で、上演すれば必ず大入りになるお家芸。対して、”圧倒的劣勢”と見えた菊五郎の助六に人々はなぜか沸き立ち、團十郎の助六は途中で打ち止めになってしまう――(「牡丹菊喧嘩助六」)。 文政3年。助六で喧嘩別れしたままの團菊。「菅原伝授手習鑑」寺子屋の段で難しい見せ場を持つ松王丸を演じることになった團十郎は、なんとか菊五郎の助六をしのぐ工夫(その役者ならではの演じ方)をしたいと悩む(「ためつすがめつ」)。 文政6年。共演こそ再開したが、いまだわだかまりの残る團菊を仲直りさせようと奔走するは、立作者の鶴屋南北。「浮世柄比翼稲妻」で二人を配役するが、鞘当の場面に差し掛かると、二人はなんと舞台上で真剣を抜いてしまう(「伊達競坊主鞘當」)。――他3編 幼い頃から歌舞伎や演劇に親しみ、どっぷり浸かってきた著者が全身全霊で書き上げたデビュー作にして会心の勝負作。
  • 三国志名臣列伝 蜀篇
    3.9
    関羽、張飛、諸葛亮、趙雲……。 「めずらしいほど無垢な人」と部下に慕われた劉備に、 どこまでもついていった男たちの純情と覚悟!  いまも愛される英雄たちの挽歌。
  • 尼子姫十勇士
    3.0
    「尼子は負けぬ。出雲はわれらのものじゃ」神の化身八咫烏に導かれ、滅亡した尼子(あまご)氏残党が姫のもとに結集。〈出雲国奪還〉の戦いが始まった!室町後期。応仁の乱に際し出雲国の大半を手中におさめ、山陰山陽に強大な勢力を築いた戦国大名・尼子氏。永禄9年(1566)、毛利軍の猛攻を受けた尼子軍は本拠地の月山富田城を開城して降参、ここに尼子は滅亡する。 物語はその2年後の永禄11年、秋たけなわの京の都からはじまる――。 歌舞伎、講談などで日本人に親しまれてきた物語に新たな生命を吹きこんだ、著者初の壮大な歴史ファンタジー!! ※こちらの作品は過去に他出版社より配信していた内容と同様となります。重複購入にはお気を付けください
  • 天保十四年のキャリーオーバー
    3.4
    七代目市川團十郎vs悪の奉行・鳥居耀蔵。積もり積もった100万両をめぐる史上最大の騙し合いが始まる! 天保十四年十一月。七代目市川團十郎は、自分を捕縛し江戸から追放した南町奉行・鳥居耀蔵を討つべく、息を潜めてその時を待っていた。絶好の機会が訪れ、短刀を抜いたその瞬間、何者かの拳をくらい気絶してしまう……。それが、父・矢部定謙を無実の罪で陥れられ、同じく鳥居への復讐に燃える鶴松との出会いだった。聞けば、鶴松は別の方法で鳥居に復讐しようとしていた。なんと、鳥居が富くじの裏で溜め込んだ、100万両を根こそぎ奪おうというのだ。果たしてその方法とは!? 『1985年の奇跡』『リカ』の著者が、『安政五年の大脱走』『相棒』に続いて贈る、一気読み必至の歴史エンタテインメント。
  • 計策師 甲駿相三国同盟異聞
    4.0
    武田晴信(信玄)の下で調略・交渉・謀略など外交にまつわるすべてを請け負う計策師・向山又七郎。彼に下された命が「甲駿相三国同盟を成し遂げよ」。足を引っ張る武田の家臣たち、諸国のくせもの軍師・計策師たち。謀略渦巻くなか、又七郎は同盟を実現できるのか。
  • 暁天の星
    3.4
    本書は故・葉室麟が最期に書きたかった「近代」に挑んだ作品。「これだけは書いておきたい」と願い、病と闘いながら書き続けた物語である。明治新政府で外務大臣として欧米列強と対峙し、不平等条約の改正に尽力した陸奥宗光――。日本の尊厳を賭けて強国に挑んだ陸奥の気概は、どこで育まれたものなのだろう。陸奥が生まれたのは幕末の紀州。坂本龍馬に愛され、海援隊で頭角を現し、明治新政府では県知事などを務めたが、政府転覆を企てたとして投獄されてしまう。そんな不遇の時代を経て、伊藤博文内閣のもとで外交官として、その才能を花開かせる。外務大臣となった陸奥は、日本を欧米に伍する国家にすべく奔走するのだが……。本書は残念ながら未完。しかしながら葉室麟の溢れる想いが感じ取れる貴重な作品でもある。陸奥宗光のその後は、解説の細谷正充氏が、連載中の想いは長女の涼子氏が紹介。坂本龍馬の姉を描いた短篇「乙女がゆく」を特別収録。
  • 火花散る おいち不思議がたり
    3.9
    この世に思いを残した人の姿が見えるという不思議な能力を持つ娘おいちは、父のような医者になることを夢見て、菖蒲長屋で修業を積んでいた。そんなある日、おいちの前に現れた女が、赤子を産み落としてすぐ姿を消し、殺される。女は一体、どんな事情を抱えていたのか。そして母を亡くした赤子の運命は? 殺された女の、聞こえるはずのない叫びを聞いたおいちは、思わぬ事態に巻き込まれていく。一方、おいちの父のもとには、老舗の薪炭屋の主人と内儀が訪ねてきていた。母・おきくの病を治してほしいという。店を訪ねたおいちは、鬼女の顔を宿したおきくの心の闇を感じ取る。二つの出来事は、思いがけない展開を見せていき……。悩みながらも強く生きたいと願うおいちに想いを寄せる新吉、凄腕の岡っ引・仙五朗、そして個性的なキャラでおいちを見守る伯母おうたも健在。人気の傑作時代ミステリー「おいち不思議がたり」シリーズ第四弾。

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  • 秋津洲物語
    -
    かつて、この列島には、豊かな自然と神々に囲まれて、土器を焼き、先祖を祀り、石槍をつくって猪を狩り、木の実を拾いながら、なごやかに、つつましく暮らす人たちがいた。「縄文びと」の顔を浮彫りにする本邦初の縄文小説。 「日本」ていう「国」や「国土」なんてものもまだ無かった頃のお話である。その頃この花綵列島の住人は、自分たちの住む陸地を「秋津洲(あきつしま)」と呼んでいた。(本文より)
  • 軍師 島左近
    3.5
    石田三成の名補佐役であり、関ヶ原の合戦の影の仕掛人とも言われる島左近。これまでの通説では関ヶ原合戦で戦死したとされていた。しかし実際は首級も上がらず、戦死は確認されていない。記録によっては西国に落ちのびたとするものもあるのである。 現在、左近の墓と称するものが京都と奈良にある。だが、対馬にもあることはあまりにも知られていない。著者はかつて別件の取材で対馬を訪れた際、この墓を見つけ、以来ずっと気になっていたという。それが最近になって、対馬の国守・宗氏の系図をたどっていた著者は、その支流に島新六(左近の幼称)を見つけたのである。 左近の生涯を語った資料はほとんどない。そこで著者はこの新発見を元に想像を働かせ、左近は島津義弘隊と共に九州に落ちのびたと推理した。そうすると対馬の墓の謎も解け、全てのつじつまが合う。本書はその他、左近と柳生一族との深い関わり合いなど、意外な事実も取り入れた歴史小説である。
  • 柚子の花咲く
    3.9
    少年時代に梶与五郎の薫陶を受けた筒井恭平は、与五郎が隣藩で殺害された事実を知り、真実を突き止めるため鵜ノ島藩に潜入するが――。人を愛すること、人が成長するということなど、人間にとって大事なものを教えてくれる感動の長編時代小説。

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  • おとこの秘図(上中下) 合本版
    値引きあり
    2.0
    時は元禄――旗本の息・徳山五兵衛(幼名・権十郎)は、妾腹の子ゆえに父から疎まれていた。剣の修行に明け暮れる十四歳の初夏、侍女への無謀な振舞いがもとで、父子の不和は決定的となった。四年後、道場主の他界を機に、一介の剣士として生きようと同門の浪人剣客・佐和口忠蔵を慕って江戸を出た。父はこの出奔を利用して、執拗なまでにわが子廃嫡の策謀をつづけていた。 ※当電子版は『おとこの秘図』(上)(中)(下)の全三巻をまとめた合本版です。
  • 小説 上古神話 開龍闢虎
    -
    この小説は作者空想の社会を描いており、四千年前の支那大陸、山東省が舞台である。その当時の山東地方は現在の半島と違って、多数の島嶼を抱擁した山東諸島の姿であり、山東省青州掖縣の沿岸に実在した漁村は、外洋渤海と内湾北海の中継地点であるため、人皆麦を携え徠た衖、萊津衖と呼ばれるが、上古漢語の発達は、その萊村から始まった──。
  • 碧血の碑
    4.0
    堂々たる「敗者」たちの、知られざる物語。 三条大橋、養浩館、江戸城、横須賀造船所、碧血碑。 現代にも残る所縁の地に宿る、堂々たる「歴史の敗者」たちの、知られざる物語。 時代を超え、魂震わす傑作小説集。 「総司、三条大橋で京娘と恋をしてこい」 近藤勇の命を受けた沖田は医師の娘と逢瀬を重ねるも、任務の真の目的を前に恋と大義の間で揺れ動く(「七分咲き」)。 「されば、御免!」 福井藩主・松平慶永との初引見で、突如池に飛び込んだ藩士こそ橋本左内。夭折の志士が、養浩館に残した秘密とは(「蛟竜逝キテ」)。 「これは女子(おなご)の戦いであらしゃいます!」 政略結婚のため江戸城に入った和宮。大奥は京風と武家風で激しく対立するも、和宮自身は夫の徳川家茂、そして義母の天璋院篤姫に惹かれていく(「おいやさま」)。 「日本人が、私の期待に応えられるか否かは知らないがね」 立身出世の野望を胸に横須賀へ来た、若きフランス人技師ヴェルニー。一本のネジを後生大事に持ち歩く風変わりなサムライ・小栗上野介との友情の行方は(「セ・シ・ボン」)。 「赤神氏は、隠れた人生の機微を「敗者」の歴史から掘り起こす天才だ」榎木孝明氏(俳優)
  • 新陰の大河 上泉信綱伝
    4.0
    戦国武将にして剣聖が辿った艱難辛苦の道。 上泉信綱は剣槍を縦横無尽に振るっていた。 相模国小田原城主・北条氏康の機略により、武蔵河越城を落とし損ねた関東管領・山内上杉家憲政と扇ガ谷上杉家朝定、関東公方・足利晴氏の連合軍を救うため、一騎当千の働きをせねばならぬのだ。 しかし、獅子奮迅の活躍虚しく、主君である上野国箕輪城主長野業政の嫡男・吉業は護りきれなかった。 肩を落とす信綱に、業政は無能な関東管領を見限るという。 甲斐国躑躅ヶ崎館・武田晴信の誘いにもなびかず、我が道を行く主君に仕える信綱だったが、ついに業政の命運が尽きてしまう。 信綱は「兵法を極めよ」という業政の遺言を成し遂げるべく、弟子の疋田文五郎、神後宗治とともに諸国修業の旅に出る決意を固めることに。 出立後、信濃国諏訪大社で奉納演武してからというもの、長坂釣閑斎をはじめ、諏訪四郎左衛門、武田晴信、小山田信茂らが、兵法家として名高い信綱を引き留めては策を弄してくる。 なんとか魔手を振り切り、常陸国へ向かう一行。 ようやく辿り着いた、武の神を祀る鹿島神宮を詣でていると、なんと剣聖・塚原卜伝が現れた。 教えを乞う信綱に卜伝は……。 戦国武将剣豪ロマン。
  • らんたん
    4.2
    「BUTTER」著者渾身の女子大河小説。 大正最後の年。かの天璋院篤姫が名付け親だという一色乕児は、渡辺ゆりにプロポーズした。 彼女からの受諾の条件は、シスターフッドの契りを結ぶ河井道と3人で暮らす、という前代未聞のものだった――。
  • またうど
    4.0
    人はなぜ、身に余る位や物を望むのか。 「この者は、〈またうど〉の者なりーー」 徳川家重の言葉を生涯大切にし続けた老中・田沼意次。 彼は本当に、賄賂にまみれた悪徳政治家だったのか? 【またうど】愚直なまでに正直なまことの者 全てを奪われても、志を奪うことは誰にもできない。 いつか必ず、次の一里を行く者がある。 財源としての年貢が限界を迎え、江戸税制の改革者として商人にも課税。 身分の低い者も実力さえあれば抜擢し、交易に役立つ俵物のため蝦夷地開発を決定。 前例や格式にとらわれず、卓見と奮迅の働きで日の本を支えた田沼意次は、 なぜ突如老中を罷免され領地を失ったのかーー。
  • 余烈
    4.3
    土方歳三、中村半次郎、小栗忠順、武市半平太……。博物館学芸員資格を持つ歴史好きタレントとして活動中しているほか、歴史番組・イベント・講演会等で講演やMCとして多数出演している著者が、愛してやまない幕末の侍たちを、実際にその地を巡り、見て聞いて感じたことなどをもとに渾身の力で描いた連作短編集。
  • うそつき光秀
    3.0
    「この世から上下を無くす」大志を抱いた天涯孤独の青年・十兵衛は、出自を偽り、武家と宮中の礼法に通じた「明智光秀」という武士として振る舞う道を選ぶ。己の夢を叶えるために。塗り固められたうそは「真実」へと変わるのか。――そこに信長の目が光る。2020年大河ドラマで最注目!戦国武将・明智光秀!ライトノベル界を席巻した風雲児が心機一転、挑む渾身の歴史小説!カバーイラストは大ヒット漫画『ベルセルク』の三浦建太郎!!「世の中の上下なんかくそくらえだ! すべてぶっ壊してやる!」熱い思いを抱いて諸国を放浪した天涯孤独の青年・十兵衛は、比叡山の僧兵に殺されかけたところを伊勢兵庫頭貞良という男に救われる。十兵衛の才を買った貞良は「明智光秀」という名を与え、名門伊勢家が確立した武家の礼法を伝授し、十兵衛を武士として仕立てる。室町幕府末期の混乱の中で頭角を現した光秀は、やがて信長と出会う・・・・・・!出自を偽り、名前を騙り、武士の振りまでして求めた「上下無き世」という夢。明智光秀の知られざる顔を描ききる、著者渾身の歴史小説!
  • 酔芙蓉
    4.5
    武士の世の到来を告げ、貴族の支配を終わらせた平安末期の「保元・平治の乱」。長承三(1134)年。父を亡くした11歳の藤原忠雅は、白い花を携えて末茂流への婿入りの日を迎えていた。手に持つのは、明け方から夕方にかけて色を少しずつ変化させる「酔芙蓉」。その邸で完璧なまでに整った容貌を持つ美少年・藤原隆季と出会う。低い家柄である隆季は、やがてその美貌ゆえに権力者たちの我欲に翻弄されていく。だが龍のごとき男・平清盛と盟を結び、隆季は家のため、出世の階段を登り始める。守るべきは心か、家か--ーー政争を繰り返す貴族たちから一族を守るため、青年は美しき冷たい仮面を被った--高貴な家柄を持つ男と、類い稀なる美貌を持つ男の運命は。
  • 歳三の剣
    3.5
    「あんたにとって、新選組は何だったんだ」「夢さ。お前と一緒だ、歳」新選組局長近藤勇を支える、「鬼の副長」土方歳三。なぜ彼は「鬼」と呼ばれるようになったのか。『燃えよ剣』から半世紀。新世代の歴史作家による新選組小説最前線。
  • 崑崙の玉/漂流 井上靖歴史小説傑作選
    -
    中国の古代から人々が執心してやまない「玉」の産地として聞こえた、誰も知らない崑崙山を目指して黄河の源流へと遡っていく一行に襲いかかる苦難の行方を描いた「崑崙の玉」。著者の独擅場とも言うべき西域・中国もののみならず、戦乱の世において非運に倒れた武将たちの運命を見据えた戦国もの等も収録。透徹した視線と自在な筆致が冴える傑作短篇集。
  • 太閤私記
    3.0
    1~2巻1,771~1,925円 (税込)
    我、信長を籠絡せり。主君の力量を見極め、弱点を探り、全力で取り入る。猿面の下に隠した野望。太閤秀吉、史上最大出世の秘密。猿に似た醜い容姿。武勇に優れるわけではない。智謀に長けているわけでもない。そんな秀吉が、なぜ信長に重用されたのか。そしてなぜ天下人になり得たのか。信長自身が信長の人生を語る――驚きの着想で好評を博した『信長私記』に続く第二弾。今度は秀吉が自らの謎を明らかにする!
  • カナリア恋唄 お狂言師歌吉うきよ暦
    4.0
    頬に傷痕のあるお吉は押しも押されぬお狂言師。お小人目付けの日向新吾と互いに想い合う仲だが、日向には縁談が持ち上がる。弘化五年、赤坂御門外での事件から、将軍の寵愛をほしいままにしているお琴の様方をめぐる、女子同士の色模様という、面妖な企てが浮かび上がってくる。はたしてお吉の想いは届くのか、そして大奥の謀議は明かされるのか。文字通り我が身を削って書き継いだ著者渾身の遺作、抜群の面白さ。
  • 陶炎 古萩 李勺光秘聞
    3.0
    後に萩焼の祖となる李勺光は、文禄の役で捕まり日本に連行された陶工だった。その身を預かることになった毛利家では、彼を特別な待遇で迎えた。朝鮮での戦いで夫を亡くしたばかりの志絵を世話係に任命したのだ。夜伽も務めるその任に志絵は屈辱を覚えるが、武家の娘として従容と受け入れる。捕虜の陶工を志絵はどのように支えたのか。関ヶ原の合戦で時代は豊臣から徳川へ。激動の世を生き、一人の陶工に身を捧げた女の運命とは!
  • 北天の巨星
    -
    若き信長と盟友の契りを交わし、乱世の奥州を切り従えるはずだったが……。自らを逆賊の子孫と語り、北方貿易で国を富ませ、戦につぐ戦で羽州(うしゅう)に本格的な戦国大名の名乗りを上げた安東愛季。この男がいたから、羽州の民は生かされた。
  • 波枕 おりょう秘抄
    3.3
    忘れえぬ龍馬の面影。残された妻・おりょうの怒濤の後半生とは。――おりょうらしく生きたい。松兵衛のために、自分のしてやれることをやり通そう。「それでこそ、おりょうや」と、龍馬が手を打って喜んでくれるよう。おりょうらしく生きてみよう。龍馬の人生をわが裡の規矩として。夜通し考えて、おりょうは1つの結論を得た。いや、考えたのではなく、心に熱く感じたのだ。
  • 義経いづこにありや
    3.5
    義経をもって天下を制す――。「物の怪」と蔑まれ、野心と利害にまみれた男が求めたのは、「源氏の血」を掲げての天下取りであった。武蔵坊弁慶の名を得た男は、義経を御旗とし、一気に世に躍り出る。だが、それは偽りの旗であった……。敵は平家、そして頼朝。虐げられし者どもが乾坤一擲の大博打! 『戯史三國志 我が槍は覇道の翼』で2012年度吉川英治文学新人賞候補。最注目の新鋭による痛快時代長編!
  • 曇天に窓があく
    -
    下級武士の次男が生き抜く幕末変革期の日々東北小藩の下級武士の次男・風間啓四郎は、人生を変えようと日々あがくが、時代は風雲急を告げ、その波に巻き込まれていく。ベテラン作家による青春時代小説。
  • 邯鄲の誓 始皇帝と戦った者たち
    3.5
    紀元前3世紀、戦国時代末期の中国。秦軍が圧倒的な力で各国を侵略するなか、無敵の権力者・秦王政(始皇帝)の命を狙う少年がいた。その名は張順。滅亡した名国「韓」の宰相家の生まれ。民を救い導く宿命を負った順は、稀代の剣士・荊軻、故郷を奪われた少女・桃と出会い、志を一つにする。万に一つしか成功しないと言われる秦王暗殺に秘策などあるのか? 仕損じれば死――苛烈な戦いに彼らは挑んでいく!
  • 幻日
    4.0
    九州キリシタン王国建国は、目前だった! 一揆軍の総大将・天草四郎は、天正遣欧使節・千々石ミゲルの息子だった。そして幕府軍を震撼させた長崎要塞化計画とは――ほとんど取り上げられることのなかった文献をもとに、日本史上最大の一揆といわれる島原の乱を大胆な推理で活写する、著者渾身の長編歴史小説。
  • べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~ 一
    続巻入荷
    4.0
    貸本屋から本屋となった若き蔦屋重三郎が、才能を開花させ、ヒット作を手掛けていく 親なし、金なし、画才なし・・・ないない尽くしの生まれから“江戸のメディア王”として時代の寵児となった蔦屋重三郎の生涯を描く大河ドラマ「べらぼう ~蔦重栄華乃夢噺~」を完全小説化。 江戸中期、吉原に生まれた蔦重こと蔦屋重三郎は、引手茶屋「駿河屋」の養子となり貸本屋を営む。吉原の妓楼に貸本を運び人気者であったが、さびれていく吉原をなんとかしたいと考えていた。あることがきっかけで『吉原細見』を手掛けた蔦重は、本屋業を始める。しかし経験と実績は浅く、蔦重の前に大きな“壁”が立ちはだかる――。数々の試練に見舞われながらも、蔦重は自らの才能を開花させていく。 折しも、時の権力者・田沼意次が創り出した自由な空気の中で江戸文化が花開き、平賀源内など多彩な文人を輩出していた。蔦重は多くの文化人たちと交流を重ね、ヒット作を次々と連発していくーー。
  • 軍師 秀長(上)
    4.0
    1~2巻1,760円 (税込)
    26年NHK大河ドラマ「豊臣兄弟!」の主人公 この男がいなければ豊臣家の天下はなかった 家族や同僚、家臣に慕われ、兄・秀吉の天下取りを影から支えた秀長の生涯を明朗な筆致で描く傑作長編歴史小説。 突然帰郷した兄・藤吉郎に強引に武士にさせられた小一郎(のちの秀長)は、兄から「軍師殿」とおだてられ、無理難題を丸投げされる。苦心しながらも兄の出世を助ける小一郎の誠実な人柄にひかれ、竹中半兵衛らホンモノの「軍師」が集い、兄弟は飛躍の時を迎える......。
  • 異聞・光秀に成り損ねた男たち――本能寺の変 明智の三日天下の真実
    完結
    -
    明智光秀は何者だったのか? 一体、光秀は、その行動を通して何を訴えたかったのか? あるいは何を主張したかったのか? その「真実」を検証する一冊。 本能寺の変で織田信長とその息子・信忠を討った明智光秀は、寺に身を潜め 驚くべき策を立てていた――本能寺の変そして「明智の三日天下」をめぐる史論。 金峯山寺長臈・田中利典氏推薦。 ◼️目次 ・第一章  阿弥陀寺の場 ・第二章  坂本城天守閣の場 ・第三章  丹後宮津城の場 ・第四章  大坂城の場 ・第五章  安土城接見の間 ・第六章  備中羽柴秀吉の本陣の場 ・第七章  寂蓮寺地蔵堂の場 ・第八章  大坂城本丸の場 ・第九章  丹後宮津城の場 ・第十章  大和郡山城の場 ・第十一章 吉田兼見邸の場 ・第十二章 羽柴筑前守秀吉の本陣 ・第十三章 明智光秀の本陣・御坊塚の場 ・第十四章 小栗栖の場 ・第十五章 安土城大広間の場 ・最終章  坂本城の場 ◼️著者 窪寺伸浩(くぼでら・のぶひろ) 神棚マイスター クボデラ株式会社代表取締役社長 東京都神棚神具事業協同組合理事長 昭和36年 東京都生まれ 東洋大学文学部哲学科卒業 クボデラは、昭和20年創業の老舗木材問屋。 台湾、中国等からの社寺用材の特殊材の輸入卸を行う。 東京証券取引所TOKYO PRO Market上場。東京都神社庁御用達。 一方で、神棚マイスターとして神棚の存在意義を普及する活動を行い、社寺用材の納入、 神棚セットの販売や企業の朝礼で神棚の祀り方などをアドバイスしている。 また有名神社にて子ども向けの神棚づくりワークショップを行っている。 著書に『明智光秀の原像』『なぜ、成功する人は神棚とご先祖様を拝むのか?』(ともにあさ出版)、 『すごい神棚見えない力を味方にして成功する方法』(宝島社)、 『大天狗が教えてくれた本当のスピのこと』(かざひの文庫)などがある。
  • ヤマンタカ【上下合本版】
    -
    時は幕末。府中から日野にかけての甲州街道沿いに辻斬りが出現。一方、大菩薩峠で、深編笠の武士によって老巡礼が惨殺される。4年に1度開かれる奉納試合と関係があるとみた土方歳三は、自分もその試合に出るため天然理心流に入門する。出場するのは「音無しの構え」で知られる剣客・机竜之介、甲源一刀流の師範・宇津木文之丞ら猛者たち。そしてついに奉納試合の日が。自分の強さを見極めるため剣に賭け、激しく白刃を交える男たち。彼らは善も悪もない、ヤマンタカ(閻魔大王をも殺す最凶の明王)の世界を生きている――。死闘の先にある、数奇な運命とは……。そして、竜之助が使う「音無しの構え」の正体は? 時を超え蘇った『大菩薩峠』、ここに完結! 上下合本版。
  • 北条氏康 二世継承篇
    4.2
    1~4巻1,760~1,870円 (税込)
    〈北条サーガ〉に待望の新シリーズ 富樫倫太郎が、今度は北条家3代目の生涯を描き出す! 「北条早雲」と「軍配者」―― ふたつの人気シリーズを受け継ぐ壮大なストーリー「北条氏康」が幕を開ける 祖父・早雲に可愛がられた伊豆千代丸は、やがて3代目・氏康として立つ。 関東全土の支配を目指す氏康の生涯には、今川義元との対立、河越夜襲、そして武田信玄や上杉謙信との死闘……幾多の試練が待つことに。 新シリーズ第一弾は、早雲に可愛がられた伊豆千代丸時代から、軍配者・風摩小太郎との出会い、小沢原の初陣まで!
  • 士の魂
    -
    巌流島に全国より集う名実相共に日本一の剣客たち。そこで彼らはある藩の家老の謀略により日本を追われることとなる。行き着く先は異国ロシア。そこには汚職、圧政、日本人女性の拉致などが蔓延っていた。剣客たちは己の技と士の魂を以って、ロシアの女王や兵士、人々を魅了し導いていく。ロシア帝国統一の陰にあった『真の士』たる剣客たちの華々しい活躍を描く大作。
  • 新装版 カイザリンSAKURA
    -
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 カイザリンとは、オランダ語で「女帝」を意味する。 この物語の主人公は、江戸時代に実在した、若くて美しい、また我が国の歴史上で8人目の最後の女性天皇である第117代・後桜町天皇。 後桜町天皇に関する記録は極めて少なく、歴史の教科書はもちろん、小説やドラマなどでその名を目にすることはまずない。 しかし、後桜町天皇は皇統直系が断絶の危機に瀕した時に登場し、現在の皇室の祖となった光格天皇を傍系から迎え入れて教育を施したばかりではなく、明治維新に向かう激動の時代を見事にその「祈りの力」で治めきるなど実に多大な功績を残している。 歴史の陰に隠れていた後桜町天皇という存在を、74年にもわたる華麗なる人生を同時代を生きた伊藤若冲や徳川宗春、島津重豪、平賀源内らの有名人や、カピタンとして来日したイサーク・ティチングとの交流なども含めて、ファンタジー的に描く。 2022年度小説現代長編新人賞1次選考通過作品。 (※本書は2023/7/20につむぎ書房より刊行された書籍を電子化したものです。)
  • 号外! 幕末かわら版
    4.0
    嘉永六年(1853)江戸。好奇心たっぷりの銀次と絵師の歌川芳徳は、妖怪伝説やゴシップネタなどを追う、低俗なかわら版を売りさばいて人気を博していたが、浦賀に来た黒船を見に行き、勢いで乗り込んだことがきっかけで人生が変わる。江戸一番の物知りと評判が高い佐久間象山に師事し、勝麟太郎や坂本龍馬、吉田松陰、西郷吉之助など、様々な幕末の英雄と出会い、大地震や大火災、死の疫病をかわら版で報じるうちに、銀次は報道の使命に目覚め、弱き大衆のために立ち上がる。 幕末の動乱の中で、真実(たまに嘘)を追い求めるかわら版屋を描いた、痛快時代小説!!
  • チンギス紀 十五 子午
    3.9
    ホラズム国の三つの精鋭部隊が、それぞれにチンギスの首を狙う! モンゴル軍がオトラルを攻囲して半年以上が過ぎた。モンゴル軍の兵站に乱れはみられず、オトラルを守るイナルチュクの予想を超えた事態が生じる。スブタイとジェベはブハラを押さえ、サマルカンドを牽制していた。アラーウッディーンは、皇子ジャラールッディーンの副官テムル・メリクにある任務を与え、トルケン太后は三百騎を率いる女隊長・華蓮にチンギスの首を奪るよう命ずる。マルガーシが所属する皇子軍、テルゲノが率いる遊軍、華蓮の軍のそれぞれが、チンギスの命を狙っていた――。 ついにチンギス本隊とホラズム軍があいまみえる、好評第15巻。
  • レジェンド歴史時代小説 琉球の風 上下合本版
    5.0
    中国・明からの使節を迎え沸き立つ17世紀初頭の沖縄・琉球王国。だが、この国の平和は幕府を後ろ盾にした薩摩によって侵されつつあった。侵攻に膝を屈するか? 独立をかけて抵抗するか? そして宗主国・明は助けてくれるのか? 生き残りを賭けて琉球の闘いが始まる。 『レジェンド歴史時代小説 琉球の風(上)』『レジェンド歴史時代小説 琉球の風(下)』上下巻合本版
  • とりどりみどり
    3.9
    万両店の末弟、鷺之介が齢十一にして悩みがつきない原因とは――。 時代小説の名手が描く、ホロリと泣かせる大江戸謎解き物語。 万両店の廻船問屋『飛鷹屋』の末弟・鷺之介は、齢十一にして悩みが尽きない。 かしましい三人の姉――お瀬己・お日和・お喜路のお喋りや買い物、芝居、物見遊山に常日頃付き合わされるからだ。 遠慮なし、気遣いなし、毒舌大いにあり。三拍子そろった三姉妹の傍にいるだけで、身がふたまわりはすり減った心地がするうえに、姉たちに付き合うと、なぜかいつもその先々で事件が発生し……。そんな三人の姉に、鷺之介は振り回されてばかりいた。 ある日、母親の月命日に墓参りに出かけた鷺之介は、墓に置き忘れられていた櫛を発見する。その櫛は亡き母が三姉妹のためにそれぞれ一つずつ誂えたものと瓜二つだった――。
  • ちとせ
    4.4
    【第3回京都文学賞〈中高生部門〉最優秀賞受賞作】 京の街は、夢の見方を教えてくれる―― 明治五年、博覧会の開催に沸く京。故郷丹後で天然痘にかかり失明の不安を抱えた少女ちとせは、鴨川でひとり三味線を弾いていた。 素朴な調べに声をかけてきた俥屋の跡取り藤之助に誘われ、見知らぬ街をめぐるちとせ。閉じてゆく視界の中で懸命に焼き付ける、折々の風景、都の人々。 一心に弾く三味の音は、やがて新たな光となり……。 揺れ動く少女の葛藤と成長を、17歳の新星がみずみずしく繊細な筆致で描く。
  • 吉原と外
    4.0
    「あんたがお照で、あたしが美晴。何ともお似合いの二人じゃないか。」 元花魁と女中が二人暮らし。出るのは鬼か……。 気っ風と純情――江戸の女を描き尽くす著者新境地! お照は義父の卯平に命じられて、亀井町の妾宅で働いている。主人は卯平の奉公先である室町の呉服屋、砧屋喜三郎だ。 喜三郎は手代上がりの婿養子で、妻のお涼に頭が上がらない。そのため、吉原の花魁だった美晴を囲っていることは秘密である。通い番頭の卯平は喜三郎の兄貴分で、自分を引き上げてくれた弟分を守るべく、義理の娘に美晴の世話をさせることにしたのだ。 卯平は「美晴が男を連れ込んだら、すぐに教えろ」とも、お照に命じていた。 それぞれが手前勝手な思惑を抱える中、美晴とお照の付き合いは思いがけず深まっていく……。
  • れんげ出合茶屋
    3.6
    男はもうこりごり――夫と離縁してから一人気ままに、女中奉公で暮らしを立ててきた咲。桜の散る頃、新しい奉公先のある上野不忍池を訪れる。畔のあばら家で待っていたのは、幼い頃に母が咲を伴い奉公していた大店のお嬢様、志摩だった。志摩はあばら家を手入れし、男女が逢瀬を愉しむ“出合茶屋”を開くという。さらに妙な色気のある女、香も加わり、三人はよそにない女のための茶屋を作り上げていく。志摩の金勘定と香の客あしらい、咲の絶品料理で評判はうなぎのぼりだったが……。お江戸の訳あり三人女の泣いて笑って心ほぐれる物語。
  • 小説 小日向白朗 熱河に駆ける蹄痕
    -
    実在した満洲の馬賊王・小日向白朗。桁外れの冒険劇! 渡り合う馬賊同士の決闘、凄惨を極める復讐戦の大虐殺。大草原を移動する狼狗の群れ、儚い恋のロマンス……。戦乱の中国大陸を舞台に展開する大馬賊の“栄光と悲惨"。任侠精神を貫き「捕虜」から中国全土の「正統馬賊総頭目」にまで上り詰めた日本人馬賊の物語。
  • やっと訪れた春に
    3.8
    男は、生きるのがどこまでも下手だ。 二人の藩主を擁する橋倉藩。 割れて当たり前の藩を割れさせぬ――重すぎる命を課された近習目付たちの命運は。 名もなき武家と人々の生を鮮やかな筆致で映し出す。 橋倉藩の近習目付を勤める長沢圭史と団藤匠はともに齡六十七歳。本来一人の役職に二人いるのは、本家と分家から交代で藩主を出す――藩主が二人いる橋倉藩特有の事情によるものだった。 だが、次期藩主の急逝を機に、百十八年に亘りつづいた藩主交代が終わりを迎えることに。これを機に、長らく二つの派閥に割れていた藩がひとつになり、橋倉藩にもようやく平和が訪れようとしていた。 加齢による身体の衰えを感じていた圭史は「今なら、近習目付は一人でもなんとかなる」と、致仕願を出す。その矢先、藩の重鎮が暗殺される。いったいなぜ――隠居した身でありながらも、圭史は独自に探索をはじめるが……。
  • 戦をせんとや生まれけむ
    3.7
    鎌倉源平大河ロマン! 13人衆一の洞察力に優れた武士梶原景時が見つめた、峻烈の人頼朝×戦の申し子義経 乱世の光と影、そして生と死。なぜ兄は弟を拒絶したのか? 武者たちの世が拓かれた時― 天は晴れ、潮の匂いが濃かった。しかし濃密な潮風をもってしても拭い消せぬ異臭が、浜に置かれた黒漆の櫃からは溢れ漂っていた。 義経の首級は美酒に浸され、櫃に封じこめられているのだった。(ぶざまではないか。みじめではないか)景時の胸にこみあげるものは、不思議な怒りであった。 (あれほどの天賦の才を……)景時は、くやしかった。なぜ、九郎義経は、死ななければならなかったのか。[本文より] これまで義経を讒言した悪役とされてきた景時に光を当て、頼朝と義経の新たな姿を描く歴史小説、ここに誕生。
  • 茶道軍師 恋・戦国を生きる 伊勢北畠編 加賀百万石編
    -
    北畠氏は三国司家(さんごくしけ)の一つであり、貴族の出でありながら伊勢国を治めていた名家であった。織田信長が侵攻してくる迄は小競り合いはあったものの、比較的平穏な国で国司具教(とものり)まで凡そ240年程続いていた。貴族文化が色濃く出ていて、国司の住み家を御所と呼んで、御所に出入りする人物もその影響を受け、文化人が多かった。主人公美輝は紗奈と恋仲になったが、御所に出入りする内に、具教の娘雪姫にも好かれ、二人の自由な行動はできなくなっていった。信長の侵攻で国内の自由もきかなくなり、雪姫も後の織田信雄と婚姻させられた。美輝は射和商人の危機を救ったことから、商人に好かれ、その時あった柳生の武士とも知り合いになって、射和から招かれ、射和の産物や海の文化も知ることになる。一方柳生からも招かれ、上泉信綱や柳生宗厳などの剣豪の教えも受ける。元々素養があった上に益々磨きが掛かる。その時紗奈の双子の姉舞と会い、紗奈とうり二つのため、舞いとも思い合うようになる。その後堺に行き、津田宗及から茶道や商いを教わり、異国文化にも触れる。その内北畠氏は信長に敗れ、雪姫を救いに郷里に戻るが、雪姫は道連れに出来ないと自害をする。このままでは治まらぬ美輝は伊賀衆の助けを借りて、少人数で火の玉戦法を使い、織田軍を翻弄する。伊勢の後、伊賀も殲滅させられる。天下は本能寺の変、山崎の合戦、賤ヶ岳の合戦、小牧長久手、北条攻めなどが勃発し、秀吉の天下になるまで急回転する。しかし秀吉の天下も短かった。 雪姫自害後、紗奈救出のため戦った美輝と前田利家は良友になり、津田宗及の進めで義輝(雲舟)は利家の茶道であり、軍師役になった。 秀次を関白にしたものの、秀吉に子供秀頼が出来、豊臣家も自ら滅亡の道を歩む。 家康の動きが怪しくなり、関ヶ原合戦になるわけだが、ここで雲舟が力を発揮して、戦わずして勝ち。加賀百万石を御三家に継ぐ家格にし、加賀の町造りをする。
  • 薩摩回天 大義に生きた伝説の忍者
    -
    保守的な薩摩藩の藩主に改革派の島津斉彬を襲名させ、年若い西郷隆盛や小松帯刀などを導いて、維新回天を成し遂げた陰の主役。それは、薩摩の古老たちが言葉少なく語り継ぐ、なぞの忍者、伊牟田倉左衛門、尚平父子だった――。時代回天の主軸を担った憂国の志士たちの活躍を追い、徹底した時代考証のもと、迫力の群像劇を展開する。日本文芸家クラブ大賞受賞作復刻版。

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  • 1493 入門世界史
    4.3
    世界史が、ぐっとおもしろくなる異色の歴史入門書!800ページ超の大著ながら、世界的ベストセラーとなった1493 世界を変えた大陸間の「交換」』(紀伊國屋書店刊)を、若い世代に向けて、わかりやすく、コンパクトに編みなおしたものです。1492年のコロンブスのアメリカ到達によって、世界はどう変わったのか?さまざまな思惑によって、人とモノが行き交い、世界がつながっていく様子を、ダイナミックにたどります。グローバル社会を生きる上で、知っておきたいことがたっぷりつまった1冊です。
  • バシレウス 呂不韋伝
    -
    大商団を率い、秦軍の輜重も預かるようになった呂不韋。しかし戦乱の悲惨を目にし、13歳で王位についた少年王・政と共に、中華統一による平和な世を目指し動き出す。折しも、秦の最後の砦、函谷関に数十万の合従軍が押し寄せつつあった。果たして、550年間続いた春秋戦国時代に終わりはくるのか!?
  • 大友二階崩れ
    4.3
    2017年12月、第9回日経小説大賞(選考委員:辻原登、高樹のぶ子、伊集院静)を高い評価で受賞した小説「義と愛と」を改題、作品の舞台となった戦国時代の史実をタイトルにして世に問う本格歴史小説。 本作は戦国時代の有名な武将の戦や権謀術数を巡る物語でもなければ、下克上の物語でもない。主家に仕える重臣たちの内面を通して熾烈な勢力争いを繰り広げる戦国大名家の生身の人間ドラマをあますところなく描ききった点で新しい。大型新人のデビュー作である。 物語は、天文19年(1550年)、九州・豊後(現在の大分県)の戦国大名、大友氏に起こった政変「二階崩れの変」を、時の当主・大友義鑑の腹心、吉弘兄弟を通して描く。 大友家20代当主・義鑑が愛妾の子への世継ぎのため、21歳の長子・義鎮(後にキリシタン大名として名をはせた大友宗麟)を廃嫡せんとし、重臣たちが義鑑派と義鎮派に分裂、熾烈なお家騒動へと発展する。家中での勢力争いに明け暮れる重臣の中で、一途に大友家への「義」を貫いた吉弘鑑理と、その弟で、数奇な運命で出会った姫への「愛」に生きた鑑広を主人公に、激しく移りゆく戦国の世の武将たちの生き様を迫力ある筆致で活写していく。派閥争い、裏切り、暗黙の盟約、論功行賞、誰に仕えるか……それらを「義」と「愛」を貫き、筋を通した兄弟を通して描くことで、現代の組織と人間との関係にも通じる普遍的なドラマに仕上がっている。良質なエンターテイメント作品だが、組織人が読めばビジネス小説の側面も併せ持っているだろう。
  • 幕末 暗殺!
    4.2
    幕末維新期には、日本人同士が殺し合い、多くの血が流されました。おのおのが大義を掲げ、あるいは武士としての矜持から、刃を向けたということなのでしょう。とりわけ、要人の暗殺事件は、歴史を大きく動かすことになりました。現代において、暗殺は決して肯定されるものではありませんが、歴史小説のテーマとしてはとても魅力的です。 作家集団「操觚の会」に集う7人が、7つの暗殺事件を題材に、大胆な想像力と推理を駆使して作品を書き下ろしました。いずれの事件も謎に満ち、真犯人についても諸説ある、作家としての創作意欲をかき立てるものばかりです。はたして、どのような展開と結末が待っているのか!? 幕末史の暗部に真っ向勝負を挑んだ、粒揃いの作品をご堪能ください。 谷津矢車  竹とんぼの群青   ◆桜田門外の変 早見 俊  刺客 伊藤博文   ◆塙忠宝暗殺 新美 健  欺きの士道     ◆清河八郎暗殺 鈴木英治  血腥き風      ◆佐久間象山暗殺 誉田龍一  天が遣わせし男   ◆坂本龍馬暗殺 秋山香乃  裏切り者      ◆油小路の変 神家正成  明治の石      ◆孝明天皇毒殺
  • 宗麟の海
    4.0
    大航海時代の洗礼を受けつつあった時代に、信長より早く海外貿易を行った先駆者がいた。豊後国の領主を継いだ大友宗麟である。交易により鉄砲の硝石と鉛を手に入れ、強大な武力で豊前・筑前・筑後・肥後・肥前へと勢力を拡大。理想の王国を作ろうと夢にむかって駆け抜けた男の生涯を描く。 「大分合同新聞」にて一年間連載されたものに加筆修正を加え出版化。大分の戦国武将として著名な大友宗麟が主人公。近年大友居館が発掘されるなど、地元で顕彰が進む、新しい宗麟像を描き出す。
  • さなとりょう
    3.7
    鬼小町の異名を持つ女剣士「さな」 天衣無縫のうわばみ女「りょう」 二人が挑むは幕末最大の謎 「坂本龍馬暗殺事件」 女の一分、立たせていただく! 明治6年(1873年)秋。江戸城掘端に近い桶町の、北辰一刀流千葉道場を訪れた一人の女によって道場主の娘「さな」の災厄は始まった。女はかつてこの道場に通った土佐藩士、坂本龍馬の妻「りょう」と名乗ったが、さなはその龍馬の許嫁だったからだ。決して出会ってはならない二人の女が出会い、やがて、維新の闇に隠された事件の謎と巨大な陰謀が浮かび上がってくる。反目し合いながらも共に真相を追う、二人の前に現れた意外な黒幕の正体とは!? 圧倒的な迫力と疾走感で描かれるエンタテインメント時代小説、ここに誕生!!
  • 鳳雛(ほうすう)の夢
    3.3
    幼少時の疱瘡で、化けもののような容姿となった梵天丸。伊達家存続のため、僅か十歳で元服し、伊達藤次郎政宗が誕生した。政宗の醜い右目をくり抜き、初陣へ供したのは腹臣・片倉小十郎景綱。父を人質に取られた屈辱の戦のとき、実母・実弟に毒を盛られたとき、苦難にあった政宗を、慰め、見守り、叱咤したのも常に小十郎だった――。乱れ行く戦国を寵臣との熱き絆で生き切った伊達政宗の生涯を描く感動巨編。
  • ベトナムの桜
    3.0
    御朱印船貿易の時代、アジアの国々を往来した多くの日本人たち。彼らにとって、海は未知の世界への入口であり、一攫千金の夢をかなえる場所だった――寛永十(1633)年、「鎖国令」が発せられるまでは。 瀬戸内海に浮かぶ小さな島に生まれ育った、高取大介・次介兄弟。父親が遺した借金のために傾きはじめた家の経済を立て直そうと、兄・大介は茶屋船(朱印船)に乗り込む決意をするが、出港地・堺湊への船中、激しい船酔いに襲われ、替わりに弟・次介が広南国(ベトナム)へ向かうことになった。異国への旅に心踊らせる次介。面目を失い長崎に出奔した大介はある時、日本人の渡航・帰国を禁じる鎖国令が発せられることを知り、波濤の先の弟の許へ旅立つ。離ればなれになる程に強くなる兄弟の絆。兄弟に想いをよせる美しい姉妹。さまざまな過去を負う海の男たち......煌めく海洋を舞台にくりひろげられる人間ドラマ!
  • 劉邦(上)
    4.3
    【宮城谷昌光作家生活25周年記念作品】天下人の器とは――一人の男の信念に、綺羅星のごとき才が集結す。中華全土を巻き込んだ、最強のライバル対決が始まる!中国史を代表する名君・劉邦の活躍を、歴史小説の大家が鮮やかな筆致で描き出 す傑作長編。秦末の混乱期における劉邦と仲間たちの挙兵から、天下を分ける項 羽との決戦まで、圧巻のスケールで展開!酒好きで女好き、一介の地方役人に過ぎなかった劉邦が、なぜ中華全土を統一する王となるに至ったのか。稀代の英雄譚の序章!宮城谷昌光「劉邦がこれほどおもしろい男とはおもわなかった」
  • 闘鬼 斎藤一
    3.5
    新選組組長として激動の幕末を生き抜いた 男の生き様を描く渾身の時代小説 新選組三番組組長として、芹沢鴨暗殺・池田屋襲撃などの事件に関わった斎藤一。弱冠25歳の局長として臨んだ会津戦争後は捕縛され、後に警察官となる。激動の幕末を生き抜き、明治の世まで命をつないだその生き様を鮮烈に描き出す書下ろし時代小説。瀬戸際での命のやりとりの果てに何を見たのか! [内容] 一 覚醒 二 壬生の狼 三 芹沢局長 四 凶行 五 新選組 六 剣士の命 七 池田屋 八 闘と争 九 異物 十 面従腹背 十一 御陵衛士 十二 油小路 十三 濁流 十四 闘いの形 終節 魂は死なず
  • キルマ1945
    -
    特殊部隊「スティル・ブルー」に出撃命令が下った。出撃先は1945年沖縄のとある小さな島。刻を超え現代から送り込まれる隊員に、陰謀と試練と圧倒的な火力が待ち受ける!?
  • 小説 日蓮 上巻
    4.5
    1~2巻1,760円 (税込)
    日蓮は日本仏教の破壊者か、改革者か? その激動の時代と思想を描く、島田裕巳初の小説作品。日蓮の思想が今求められている。

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  • 監獄ベースボール : 知られざる北の野球史
    -
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 【「サムライジャパン野球文学賞」2010特別賞受賞作】明治期の北海道で、囚人たちがベースボールを楽しんでいた…! その信じがたい史実を基に、綿密な取材と大胆な解釈で描いた、異色の歴史小説が誕生しました◇明治中期、北海道開拓のために作られた監獄「集治監」。そこに全国各地から送り込まれた囚人たちは、石炭採掘など過酷な労役に苦しんでいた◇そんな中、監獄所長の大井上輝前は、アメリカ留学で出会ったベースボールとキリスト教を囚人教化に採り入れ、監獄の改良を志す◇北海道開拓という国策の犠牲となった囚人たちと、彼らに希望の光を与えた大井上典獄の半生をドラマチックに描いた、知られざるもうひとつの“フィールド・オブ・ドリームス”。
  • 真書太閤記
    -
    転職十数回の末につかんだ武家奉公に嬉々とはげむ若き藤吉郎――のちの太閤秀吉。潔癖にすぎる主君・信長の折檻、柴田勝家ら上役の嫉み、同僚の蔑み……数多の困難を奇貨として、陽気に叱られ、上役をやりこめ、頭角を現す快男児の胸おどる成功譚。著者急逝で未完に終わった、安吾日本史の最後をかざる快作。
  • 家康、江戸を建てる
    4.1
    天正十八年、家康は関白・秀吉から関東二百四十万石への国替えを要求された。そこは、水びたしの低湿地が多い広大な土地。家臣団の猛反対をよそに「関東には、のぞみがある」と受け入れた家康。貧村・江戸を本拠と定め、街づくりに着手。利根川東遷、神田上水、江戸城築城……日本史上最大、驚天動地のプロジェクトが始まった! ピンチをチャンスに変えた究極の天下人の、面目躍如の挑戦を描く快作誕生!
  • 京屋の女房
    4.0
    山東京伝とふたりの妻、そして江戸出版の黎明期を 賑わせた重鎮たちが躍動する! 2025年大河ドラマの主役で話題の 蔦重が見出した江戸時代のマルチクリエイター 山東京伝が主人公の長編小説! 山東京伝には前妻と後妻、二人の妻がいた。 後妻のゆりは少々浮世離れした夫との暮らしに戸惑い、 「出来た前妻」の影に嫉妬を覚えながらも、 完璧な妻を目指して奮闘していく。 京伝と二人の妻にまつわる感動的な場面や、 スカッとして笑える悪者退治の騒動など、 読み応え満載の物語。
  • 流人道中記(合本)
    3.0
    累計50万部突破! 『一路』『壬生義士伝』の浅田次郎が贈る、新たなる国民的時代小説。 万延元年(1860年)。姦通の罪を犯したという旗本・青山玄蕃に、奉行所は青山家の所領安堵と引き替えに切腹を言い渡す。だがこの男の答えは一つ。 「痛えからいやだ」 玄蕃には蝦夷松前藩への流罪判決が下り、押送人に選ばれた一九歳の見習与力・石川乙次郎とともに、奥州街道を北へと歩む。口も態度も悪い玄蕃だが、道中で行き会う抜き差しならぬ事情を抱えた人々を、決して見捨てぬ心意気があった。この男、仏か、罪人か?
  • 桎梏の雪
    3.0
    【第15回小説現代新人奨励賞受賞作】 家元の誇りを賭け、青春を捧げ、戦う若き棋士たち。江戸の将棋家の興亡を鮮やかに活写する傑作時代小説。 「江戸時代の棋聖たちが鮮やかに甦る感動の将棋小説。今、若手がしのぎを削る棋士たちの源流がここにある!」―加藤一二三九段 「将棋に関する描写の的確さには感心した。定跡とか詰将棋とか、一行一行が深い知識に裏付けられていなければ、物語はたった一行で瓦解する。しかし作者の将棋への圧倒的な知識に、読み進めていくうちに安堵感に包まれていった。江戸期の将棋界。そこにこんなにも壮大なロマンが広がっていたことに、胸がときめく」―大崎善生(『聖の青春』著者) 「ミステリーの要素も加わり、読者の興味を離さない。真相の描き方も新人離れしている。とんでもない力量の持ち主なのだ。さらに個々のキャラクターも魅力的である」―細谷正充(文芸評論家) あらすじ) 文化六年(1809年)、江戸将棋界の重鎮・九世名人大橋宗英が惜しまれつつ世を去る。しかし、将棋三家、大橋家・伊藤家・大橋家の分家(宗与家)の間での名人後継ぎ選定は家元間の政争激しく、伊藤家の宗看が十世名人を襲名するまでには16年もの歳月を要してしまう。大橋分家七代目当主・宗与は、その間に生じた将棋家の衰退を憂いていた。自身は父宗英から棋才を継ぐことができなかったものの、鬼才・英俊を養子に迎え将棋家再興のため尽力する。養子ゆえの気後れを見せつつも、英俊は名人宗看に次ぐ実力者へと成長していった。妹で初段棋士の弦女も宗与家に活気を与える存在であった。まだ幼い宗与の嫡子・鐐英も、大橋家の弟子・留次郎(後の天野宗歩)と友情を分かち合いながら日々研鑽を積んでいく。しかし、それとは裏腹に本家と分家の間には確執が生じていた……
  • 落梅の賦
    3.0
    「俺は、武田を食うぞ」戦国最強を誇った甲斐武田家の落日。家を滅ぼす二人の裏切り者が出る。一人は、武田信玄の腹違いの弟、武田六郎信友。そして、一族衆筆頭、穴山梅雪。「武田の海」を任された二人は、なぜ悲劇の引き金を引いたのか――。歴史小説界で、いま最も注目される「ヒストリーテラー」武川佑の第二作長編。
  • 孟徳と本初 三國志官渡決戦録
    4.0
    「友よ、お前は強い。だが、俺はどうしても勝たねばならぬ」帝を擁する奸雄・曹操孟徳と名門袁家の王者・袁紹本初。中原の覇者となり天下を望むには、かつての友が最大の障壁となった。劉備、関羽、筍イク、筍攸、許緒、田豊、郭図、文醜、顔良、英雄たちが、荒ぶり謀る三國志前半の大決戦「官渡の戦い」を描いた長編歴史小説。
  • 中国の歴史シリーズ 近・現代篇 全2冊合本版
    -
    列強の蚕食に苦しむ清国では、甲午の役(日清戦争)の敗戦で不満が爆発。保皇派の康有為は公車上書を著し、立憲君主制を提唱する。義和団事変で8ヵ国連合軍が紫禁城に乱入し、権勢を誇った西太后も光緒帝(こうしょてい)と西安に逃れた。王朝打倒を目指す孫文ら若き革命家たちは集結を始める。 『中国の歴史シリーズ 近・現代篇(一)』『中国の歴史シリーズ 近・現代篇(二)』 全2冊合本版
  • 相楽総三とその同志
    3.0
    作家・長谷川伸は幕末の「赤報隊」隊長・相良総三の軌跡を追い、草莽の志士たちの生死をたどることで「歴史」というものの姿をあらわしました。明治維新について記された書物はあまたありますが、その叙述の志の高さにおいて本書をこえるものはまずないでしょう。軽薄で声高な「改革史観」がはびこりつつある昨今、「偽官軍」の悲劇をあますところなく描いた本書がふたたび多くの読者に迎えられることを切望します。(講談社学術文庫)
  • 白鷺立つ
    4.3
    第32回松本清張賞受賞作 異形の歴史小説 玉照院の師弟は“やんごとなき秘密”を抱えていた―― 天明飢饉の傷痕いまだ癒えぬ比叡山延暦寺に、失敗すれば死といわれる〈千日回峰行〉を成し遂げようとする二人の仏僧がいた。 歴史に名を残すための闘いは、やがて業火となり叡山を飲み込んでいく。
  • 初瀬屋の客 狸穴屋お始末日記
    3.2
    断ち切れぬ相手への想い。繋がる縁もわかれ縁も―― 人情時代小説の名手が描く江戸の離婚模様 〈離婚調停のスペシャリスト〉たちが営む公事宿、狸穴屋。 自らも亭主に三下り半を突きつけた絵乃が立ち向かう次なる難題は――? ◎収録作品 祭りぎらい…浅草三社祭りが離縁の種に!? 三見の三義人…200年前、質に入れられたのは「海」だった 身代わり…訴えられたのはなんと、評定所のお偉方 夏椿…離縁を承知しない夫に嗅がせた妙薬とは? 初瀬屋の客…公事師の娘の頼みは、「客の後をつける」こと 証しの騙し絵…30年前に別れた夫が町へ戻ってきたらしい。狙いは?
  • 秘仏の扉
    4.2
    直木賞作家が描く、明治開国の仏を巡る群像 200年の間、固く閉ざされていた扉。 それはフェノロサと岡倉天心の手によって開かれた―― 飛鳥時代に聖徳太子の姿を模して造られたと言われる、 法隆寺夢殿・救世観音像。 その厨子は鎌倉時代以降、固く閉ざされ、 扉を開けば直ちに仏罰が下ると信じられていた。 「金のために秘仏を見せるというのか」 「支援がなければ、法隆寺はもう保てません」 国内では廃仏毀釈の嵐が吹き荒れ、 しかし、欧米では東洋美術が評価され始めている。 近代化と伝統の狭間で揺れる明治時代に、 秘仏開帳に関わったものたち、それぞれの思いとは。 直木賞作家が描き出す歴史群像劇の傑作。
  • 合本 義経【文春e-Books】
    4.0
    【上下巻合本版】 みなもとのよしつね――その名はつねに悲劇的な響きで語られる。源氏の棟梁の子に生まれながら、鞍馬山に預けられ、その後、関東奥羽を転々とした暗い少年時代……幾多の輝かしい武功をたて、突如英雄の座に駆け昇りはしたものの兄の頼朝に逐われて非業の最期を迎えてしまう。数奇なその生涯を生々と描き出した傑作長篇小説。
  • 誰に似たのか 筆墨問屋白井屋の人々
    3.8
    隠居した老母の恋に振り回される兄妹、跡取り息子の教育に悩む大店の主人、実家の隠し子騒動に苛立つ嫁……。女の幸せは、男次第、金次第なのか? 江戸の商家を舞台に、一筋縄ではいかぬ家族の絆と情愛を描いた痛快時代小説。
  • 英龍伝
    3.3
    開国か戦争か。いち早く「黒船来航」を予見、未曽有の国難に立ち向かった伊豆韮山代官・江川太郎左衛門英龍。誰よりも早く、誰よりも遠くまで時代を見据え、近代日本の礎となった希有の名代官の一代記。明治維新から180年。新たな幕末小説の誕生。『武揚伝』『くろふね』に続く、幕臣三部作、堂々完結! ※こちらの作品は過去に他出版社より配信していた内容と同様となります。重複購入にはお気を付けください
  • 伊達の企て
    4.5
    独眼龍の野望。東北魂を見ろ! 陸奥・出羽(東北)連合軍を仕立て、日本全国を切り取ってやる! 一度目〈天正十八年(一五九〇)〉の夏は時間が足りなかった。二度目〈天正十八年(一五九〇)〉の冬に行った謀は失敗した。三度目〈慶長五年(一六〇〇)〉の正直。四度目〈慶長二十年(一六一五)〉の再挑戦は……。秀吉死後、関ヶ原前夜、政宗は家康に呼応し、山形の最上義光とともに会津の上杉謙信を攻め、上杉領の白石城を攻め落とした。しかし中央での東軍と西軍の争いは長期化するとみて、上杉と講和し、南の相馬、北の南部を攻める機会をうかがっていた。しかし、政宗の予想ははずれ、関ヶ原の戦いは一日で決してしまう。石田・徳川の思惑、上杉・最上との複雑な外交戦。秀吉、家康、時の政権を翻弄しながら、戦国の世をしたたかに生き抜いた伊達政宗の新たな人物像を巧緻な筆致で描く。書き下ろし歴史小説。 ※こちらの作品は過去に他出版社より配信していた内容と同様となります。重複購入にはお気を付けください
  • 信長は西へ行く
    -
    美濃の国を手に入れたことで、信長の天下統一の野望は膨らむ。そして西へ行くのである。京都へ向かうだけではなかったのが、時代の寵児、奇才といわれた所以である。南蛮文化を学び、取り入れ、西洋の為政者たちの例に新しい治世を夢見ていたのかもしれない。ローマの皇帝シーザー、暴君ネロの声を聴き、さらにキリストの磔刑像も。信長は彼らを「南蛮人」と揶揄するのではなく、日本の堕落した仏教徒の姿と比較にならない高邁な志を、宣教師たちとの交流に感じ取っていた。信長の夢は世界を駆け巡り、際限なく拡がって行く。西洋と信長という新たな視点で描く歴史物語。 ●第一章:信長元服す ●第二章:信秀、美濃との戦い ●第三章:一族の相剋と桶狭間合戦 ●第四章:天下布武への野望 ●第五章:ルイス・フロイスとの邂逅 ●第六章:殉教と一揆 ●第七章:形勢は目まぐるしく ●第八章:安土城築城の夢 ●第九章:風雲急を告げる 「天下布武への野望」……美濃から京へと西へ向かった信長は、その先に南蛮を見る。西洋と信長という新たな視点で描く歴史物語。岐阜築城450年記念出版された本の電子版。
  • 児玉源太郎 日露戦争における陸軍の頭脳
    -
    領土拡大の野心をみなぎらせ、南下を続けるロシア。戦って、勝たなければ、日本もいずれ植民地化されることはまぬがれない。日露戦争とは、そういう戦争だった。絶対に負けられないギリギリの状況の中で、その陸戦の総指揮をとったのが、本書の主人公・児玉源太郎である。自らの使命に無私の精神で臨むとき、人間はどんな存在になれるか? 私欲のみを追求する今だからこそ顧みるべき、明治人の心を読む。
  • ぼくせん 幕末相撲異聞
    3.3
    時は幕末、勧進相撲で禁じ手を使い角界追放となった三峰山岩蔵。進退窮まった彼は元行司の式守庄吉らとともに「観客に見せる」格闘技を立ち上げる。名付けてぼくせん──第8回朝日時代小説大賞受賞の著者による鮮烈な最新「格闘」時代小説。
  • 島津の陣風 義久の深謀、義弘の胆力
    3.3
    慶長5年9月15日、関ケ原──。家康本陣めがけて、島津義弘率いる1500の軍勢が駆け抜けた! やがて改易を狙う徳川方と本領安堵を図る島津との虚々実々の駆け引きが始まる。義久・義弘ら島津家と家康・本多正信・黒田官兵衛など徳川方との知略を尽くした戦いが始まる。
  • 明治維新を創った男 山縣大貳伝
    -
    吉田松陰が「心の師」と仰いだ男がいた! 松陰は百年前の思想家・山縣大貳の書を読んだとき初めて、それまでの思想を変え、「倒幕」を意識したのだ……。享保十年(1725)、甲斐国に生まれた山縣大貳は、さまざまな学問を身に着け、頭角を現していくが、ある不幸な事件により、甲府勤番与力の職を解かれてしまう。江戸に移り住んだ大貳は、時の権力者・大岡忠光に見込まれて仕えた後、学校を開き、その知識と人柄からたくさんの生徒を集めるようになっていった。しかし、著書『柳子新論』において、四民平等を訴え、「王政復古」「天皇親政」が理想の政治形態だと説き、やがて幕府からその思想を危険視されるようになり……。松陰より百年も前に革命の精神を説き、明治維新の隠れた火付け役となった気骨の思想家の生涯をさわやかに描く、感動の歴史長編。

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