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新装版 カイザリンSAKURA
※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 カイザリンとは、オランダ語で「女帝」を意味する。 この物語の主人公は、江戸時代に実在した、若くて美しい、また我が国の歴史上で8人目の最後の女性天皇である第117代・後桜町天皇。 後桜町天皇に関する記録は極めて少なく、歴史の教科書はもちろん、小説やドラマなどでその名を目にすることはまずない。 しかし、後桜町天皇は皇統直系が断絶の危機に瀕した時に登場し、現在の皇室の祖となった光格天皇を傍系から迎え入れて教育を施したばかりではなく、明治維新に向かう激動の時代を見事にその「祈りの力」で治めきるなど実に多大な功績を残している。 歴史の陰に隠れていた後桜町天皇という存在を、74年にもわたる華麗なる人生を同時代を生きた伊藤若冲や徳川宗春、島津重豪、平賀源内らの有名人や、カピタンとして来日したイサーク・ティチングとの交流なども含めて、ファンタジー的に描く。 2022年度小説現代長編新人賞1次選考通過作品。 (※本書は2023/7/20につむぎ書房より刊行された書籍を電子化したものです。) -
号外! 幕末かわら版
嘉永六年(1853)江戸。好奇心たっぷりの銀次と絵師の歌川芳徳は、妖怪伝説やゴシップネタなどを追う、低俗なかわら版を売りさばいて人気を博していたが、浦賀に来た黒船を見に行き、勢いで乗り込んだことがきっかけで人生が変わる。江戸一番の物知りと評判が高い佐久間象山に師事し、勝麟太郎や坂本龍馬、吉田松陰、西郷吉之助など、様々な幕末の英雄と出会い、大地震や大火災、死の疫病をかわら版で報じるうちに、銀次は報道の使命に目覚め、弱き大衆のために立ち上がる。 幕末の動乱の中で、真実(たまに嘘)を追い求めるかわら版屋を描いた、痛快時代小説!! -
とりどりみどり
万両店の末弟、鷺之介が齢十一にして悩みがつきない原因とは――。 時代小説の名手が描く、ホロリと泣かせる大江戸謎解き物語。 万両店の廻船問屋『飛鷹屋』の末弟・鷺之介は、齢十一にして悩みが尽きない。 かしましい三人の姉――お瀬己・お日和・お喜路のお喋りや買い物、芝居、物見遊山に常日頃付き合わされるからだ。 遠慮なし、気遣いなし、毒舌大いにあり。三拍子そろった三姉妹の傍にいるだけで、身がふたまわりはすり減った心地がするうえに、姉たちに付き合うと、なぜかいつもその先々で事件が発生し……。そんな三人の姉に、鷺之介は振り回されてばかりいた。 ある日、母親の月命日に墓参りに出かけた鷺之介は、墓に置き忘れられていた櫛を発見する。その櫛は亡き母が三姉妹のためにそれぞれ一つずつ誂えたものと瓜二つだった――。 -
吉原と外
「あんたがお照で、あたしが美晴。何ともお似合いの二人じゃないか。」 元花魁と女中が二人暮らし。出るのは鬼か……。 気っ風と純情――江戸の女を描き尽くす著者新境地! お照は義父の卯平に命じられて、亀井町の妾宅で働いている。主人は卯平の奉公先である室町の呉服屋、砧屋喜三郎だ。 喜三郎は手代上がりの婿養子で、妻のお涼に頭が上がらない。そのため、吉原の花魁だった美晴を囲っていることは秘密である。通い番頭の卯平は喜三郎の兄貴分で、自分を引き上げてくれた弟分を守るべく、義理の娘に美晴の世話をさせることにしたのだ。 卯平は「美晴が男を連れ込んだら、すぐに教えろ」とも、お照に命じていた。 それぞれが手前勝手な思惑を抱える中、美晴とお照の付き合いは思いがけず深まっていく……。 -
やっと訪れた春に
男は、生きるのがどこまでも下手だ。 二人の藩主を擁する橋倉藩。 割れて当たり前の藩を割れさせぬ――重すぎる命を課された近習目付たちの命運は。 名もなき武家と人々の生を鮮やかな筆致で映し出す。 橋倉藩の近習目付を勤める長沢圭史と団藤匠はともに齡六十七歳。本来一人の役職に二人いるのは、本家と分家から交代で藩主を出す――藩主が二人いる橋倉藩特有の事情によるものだった。 だが、次期藩主の急逝を機に、百十八年に亘りつづいた藩主交代が終わりを迎えることに。これを機に、長らく二つの派閥に割れていた藩がひとつになり、橋倉藩にもようやく平和が訪れようとしていた。 加齢による身体の衰えを感じていた圭史は「今なら、近習目付は一人でもなんとかなる」と、致仕願を出す。その矢先、藩の重鎮が暗殺される。いったいなぜ――隠居した身でありながらも、圭史は独自に探索をはじめるが……。 -
茶道軍師 恋・戦国を生きる
北畠氏は三国司家(さんごくしけ)の一つであり、貴族の出でありながら伊勢国を治めていた名家であった。織田信長が侵攻してくる迄は小競り合いはあったものの、比較的平穏な国で国司具教(とものり)まで凡そ240年程続いていた。貴族文化が色濃く出ていて、国司の住み家を御所と呼んで、御所に出入りする人物もその影響を受け、文化人が多かった。主人公美輝は紗奈と恋仲になったが、御所に出入りする内に、具教の娘雪姫にも好かれ、二人の自由な行動はできなくなっていった。信長の侵攻で国内の自由もきかなくなり、雪姫も後の織田信雄と婚姻させられた。美輝は射和商人の危機を救ったことから、商人に好かれ、その時あった柳生の武士とも知り合いになって、射和から招かれ、射和の産物や海の文化も知ることになる。一方柳生からも招かれ、上泉信綱や柳生宗厳などの剣豪の教えも受ける。元々素養があった上に益々磨きが掛かる。その時紗奈の双子の姉舞と会い、紗奈とうり二つのため、舞いとも思い合うようになる。その後堺に行き、津田宗及から茶道や商いを教わり、異国文化にも触れる。その内北畠氏は信長に敗れ、雪姫を救いに郷里に戻るが、雪姫は道連れに出来ないと自害をする。このままでは治まらぬ美輝は伊賀衆の助けを借りて、少人数で火の玉戦法を使い、織田軍を翻弄する。伊勢の後、伊賀も殲滅させられる。天下は本能寺の変、山崎の合戦、賤ヶ岳の合戦、小牧長久手、北条攻めなどが勃発し、秀吉の天下になるまで急回転する。しかし秀吉の天下も短かった。 雪姫自害後、紗奈救出のため戦った美輝と前田利家は良友になり、津田宗及の進めで義輝(雲舟)は利家の茶道であり、軍師役になった。 秀次を関白にしたものの、秀吉に子供秀頼が出来、豊臣家も自ら滅亡の道を歩む。 家康の動きが怪しくなり、関ヶ原合戦になるわけだが、ここで雲舟が力を発揮して、戦わずして勝ち。加賀百万石を御三家に継ぐ家格にし、加賀の町造りをする。 -
大ぼら吹きの城
出世のために、信長の無理難題を乗り越えろ! 今川義元率いる軍勢が、三河から尾張へと侵攻せんとする頃。小者頭の藤吉郎は、清洲城で見かけた美しい娘に、身分も顧みず求婚していた。 浅野又右衛門の養女・於禰に、「儂は天下人になる男じゃ!」と吠えてみたものの、にべもなく振られる始末。 今川との戦いに際し、織田信長に同道するが、出世はなかなか見込めない。 だが、西美濃侵攻に際し、信長から木曽川の川筋衆の主・蜂須賀小六の調略を命じられる。 川筋衆を味方につければ、犬山城攻略は圧倒的有利に運ぶ。 千載一遇の機会を得た藤吉郎は、小六の許へ乗り込むが、信長を嫌う小六は一筋縄ではいかなかった──。 -
大友二階崩れ
2017年12月、第9回日経小説大賞(選考委員:辻原登、高樹のぶ子、伊集院静)を高い評価で受賞した小説「義と愛と」を改題、作品の舞台となった戦国時代の史実をタイトルにして世に問う本格歴史小説。 本作は戦国時代の有名な武将の戦や権謀術数を巡る物語でもなければ、下克上の物語でもない。主家に仕える重臣たちの内面を通して熾烈な勢力争いを繰り広げる戦国大名家の生身の人間ドラマをあますところなく描ききった点で新しい。大型新人のデビュー作である。 物語は、天文19年(1550年)、九州・豊後(現在の大分県)の戦国大名、大友氏に起こった政変「二階崩れの変」を、時の当主・大友義鑑の腹心、吉弘兄弟を通して描く。 大友家20代当主・義鑑が愛妾の子への世継ぎのため、21歳の長子・義鎮(後にキリシタン大名として名をはせた大友宗麟)を廃嫡せんとし、重臣たちが義鑑派と義鎮派に分裂、熾烈なお家騒動へと発展する。家中での勢力争いに明け暮れる重臣の中で、一途に大友家への「義」を貫いた吉弘鑑理と、その弟で、数奇な運命で出会った姫への「愛」に生きた鑑広を主人公に、激しく移りゆく戦国の世の武将たちの生き様を迫力ある筆致で活写していく。派閥争い、裏切り、暗黙の盟約、論功行賞、誰に仕えるか……それらを「義」と「愛」を貫き、筋を通した兄弟を通して描くことで、現代の組織と人間との関係にも通じる普遍的なドラマに仕上がっている。良質なエンターテイメント作品だが、組織人が読めばビジネス小説の側面も併せ持っているだろう。 -
幕末 暗殺!
幕末維新期には、日本人同士が殺し合い、多くの血が流されました。おのおのが大義を掲げ、あるいは武士としての矜持から、刃を向けたということなのでしょう。とりわけ、要人の暗殺事件は、歴史を大きく動かすことになりました。現代において、暗殺は決して肯定されるものではありませんが、歴史小説のテーマとしてはとても魅力的です。 作家集団「操觚の会」に集う7人が、7つの暗殺事件を題材に、大胆な想像力と推理を駆使して作品を書き下ろしました。いずれの事件も謎に満ち、真犯人についても諸説ある、作家としての創作意欲をかき立てるものばかりです。はたして、どのような展開と結末が待っているのか!? 幕末史の暗部に真っ向勝負を挑んだ、粒揃いの作品をご堪能ください。 谷津矢車 竹とんぼの群青 ◆桜田門外の変 早見 俊 刺客 伊藤博文 ◆塙忠宝暗殺 新美 健 欺きの士道 ◆清河八郎暗殺 鈴木英治 血腥き風 ◆佐久間象山暗殺 誉田龍一 天が遣わせし男 ◆坂本龍馬暗殺 秋山香乃 裏切り者 ◆油小路の変 神家正成 明治の石 ◆孝明天皇毒殺 -
さなとりょう
鬼小町の異名を持つ女剣士「さな」 天衣無縫のうわばみ女「りょう」 二人が挑むは幕末最大の謎 「坂本龍馬暗殺事件」 女の一分、立たせていただく! 明治6年(1873年)秋。江戸城掘端に近い桶町の、北辰一刀流千葉道場を訪れた一人の女によって道場主の娘「さな」の災厄は始まった。女はかつてこの道場に通った土佐藩士、坂本龍馬の妻「りょう」と名乗ったが、さなはその龍馬の許嫁だったからだ。決して出会ってはならない二人の女が出会い、やがて、維新の闇に隠された事件の謎と巨大な陰謀が浮かび上がってくる。反目し合いながらも共に真相を追う、二人の前に現れた意外な黒幕の正体とは!? 圧倒的な迫力と疾走感で描かれるエンタテインメント時代小説、ここに誕生!! -
燃える山脈
日本は自然災害列島です。天候異変の大飢饉に襲われた天明・天保時代はとても悲惨でした。 信濃のあづみ野は荒れ果てた山野でした。 資金も土木技術もない農民たちが手を取り、巨大な農水路「拾ヶ堰」などを開削し、日本随一の緑豊かな田園地帯に変えました。 そのうえ、米不足で苦しむ飛騨国へ、あづみ野から常念山脈、上高地を経由し、飛騨山脈の2座を越えた「米の道」をつくりました。 幕藩体制の枠組みが敵になり味方になり、数十年の歳月を要しました。 若い男女、夫婦愛、郷土愛、山岳信仰など人間愛に満ちた、こころに響く作品です。 上高地はウエストンの時代に拓かれたものと思われている方が多いなか、天保時代に「米の道」の飛州新道の中継地、槍ヶ岳登拝基地として開かれたことも知っていただきつつ、播隆上人による槍ヶ岳開山にかかわるエピソードなども絡め、天明大飢饉から続く歴史的事実を、ぜひ小説で味わっていただきたい。 時代の流れに翻弄される安曇野の農民たち、徳川幕府の思惑、そして上高地の開拓の歴史を描いた長編歴史小説。 <あらすじ> 天明3(1783)年、浅間山の噴火が引き金となって天明大飢饉が起きた。 常念山脈の山麓・安曇平の農民たちは水不足で飢餓状態に陥るが、大庄屋、等々力孫一郎は奈良井川から15キロに及ぶ巨大な「拾ケ堰」の開削を計画、多々の悪条件を乗り越えて農水路を完成させる。 新田開発が進み豊かな安曇平になったが、一方では過剰生産による米価の暴落が起きる。 そこで米の販路を飛騨国へもとめるために、常念山脈(大滝山・蝶ヶ岳)、上高地、飛騨山脈(焼岳)を越える「米の道」の開削が進められる。 安曇平の庄屋・岩岡伴次郎は私財を投げ打ち、上高地までの「伴次郎新道」を開削。 上高地の湯屋(宿屋)の経営に乗り出し、娘の志由(13歳)に宿をまかせる。 このころ播隆上人による槍ヶ岳の開山が行なわれ、上高地は飛州新道の中継地、槍ヶ岳登拝基地として期待されるようになるが、天保の大飢饉が発生。 松本平から飛騨国へ米を運びたくても幕府直轄領の飛騨国は街道の開通を認めようとせず、湯屋は経営の危機に陥る。 飛州新道が開通し、上高地が栄える日は果たして来るのか…。 ※長野県中信地方(松本市、塩尻市、大町市など)の地方紙「市民タイムス」に連載中の人気小説「燃える山脈」を単行本化。 -
ベトナムの桜
御朱印船貿易の時代、アジアの国々を往来した多くの日本人たち。彼らにとって、海は未知の世界への入口であり、一攫千金の夢をかなえる場所だった――寛永十(1633)年、「鎖国令」が発せられるまでは。 瀬戸内海に浮かぶ小さな島に生まれ育った、高取大介・次介兄弟。父親が遺した借金のために傾きはじめた家の経済を立て直そうと、兄・大介は茶屋船(朱印船)に乗り込む決意をするが、出港地・堺湊への船中、激しい船酔いに襲われ、替わりに弟・次介が広南国(ベトナム)へ向かうことになった。異国への旅に心踊らせる次介。面目を失い長崎に出奔した大介はある時、日本人の渡航・帰国を禁じる鎖国令が発せられることを知り、波濤の先の弟の許へ旅立つ。離ればなれになる程に強くなる兄弟の絆。兄弟に想いをよせる美しい姉妹。さまざまな過去を負う海の男たち......煌めく海洋を舞台にくりひろげられる人間ドラマ! -
闘鬼 斎藤一
新選組組長として激動の幕末を生き抜いた 男の生き様を描く渾身の時代小説 新選組三番組組長として、芹沢鴨暗殺・池田屋襲撃などの事件に関わった斎藤一。弱冠25歳の局長として臨んだ会津戦争後は捕縛され、後に警察官となる。激動の幕末を生き抜き、明治の世まで命をつないだその生き様を鮮烈に描き出す書下ろし時代小説。瀬戸際での命のやりとりの果てに何を見たのか! [内容] 一 覚醒 二 壬生の狼 三 芹沢局長 四 凶行 五 新選組 六 剣士の命 七 池田屋 八 闘と争 九 異物 十 面従腹背 十一 御陵衛士 十二 油小路 十三 濁流 十四 闘いの形 終節 魂は死なず -
監獄ベースボール : 知られざる北の野球史
※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 【「サムライジャパン野球文学賞」2010特別賞受賞作】明治期の北海道で、囚人たちがベースボールを楽しんでいた…! その信じがたい史実を基に、綿密な取材と大胆な解釈で描いた、異色の歴史小説が誕生しました◇明治中期、北海道開拓のために作られた監獄「集治監」。そこに全国各地から送り込まれた囚人たちは、石炭採掘など過酷な労役に苦しんでいた◇そんな中、監獄所長の大井上輝前は、アメリカ留学で出会ったベースボールとキリスト教を囚人教化に採り入れ、監獄の改良を志す◇北海道開拓という国策の犠牲となった囚人たちと、彼らに希望の光を与えた大井上典獄の半生をドラマチックに描いた、知られざるもうひとつの“フィールド・オブ・ドリームス”。 -
狸穴屋お始末日記
断ち切れぬ相手への想い。繋がる縁もわかれ縁も―― 人情時代小説の名手が描く江戸の離婚模様 〈離婚調停のスペシャリスト〉たちが営む公事宿、狸穴屋。 自らも亭主に三下り半を突きつけた絵乃が立ち向かう次なる難題は――? ◎収録作品 祭りぎらい…浅草三社祭りが離縁の種に!? 三見の三義人…200年前、質に入れられたのは「海」だった 身代わり…訴えられたのはなんと、評定所のお偉方 夏椿…離縁を承知しない夫に嗅がせた妙薬とは? 初瀬屋の客…公事師の娘の頼みは、「客の後をつける」こと 証しの騙し絵…30年前に別れた夫が町へ戻ってきたらしい。狙いは? -
秘仏の扉
直木賞作家が描く、明治開国の仏を巡る群像 200年の間、固く閉ざされていた扉。 それはフェノロサと岡倉天心の手によって開かれた―― 飛鳥時代に聖徳太子の姿を模して造られたと言われる、 法隆寺夢殿・救世観音像。 その厨子は鎌倉時代以降、固く閉ざされ、 扉を開けば直ちに仏罰が下ると信じられていた。 「金のために秘仏を見せるというのか」 「支援がなければ、法隆寺はもう保てません」 国内では廃仏毀釈の嵐が吹き荒れ、 しかし、欧米では東洋美術が評価され始めている。 近代化と伝統の狭間で揺れる明治時代に、 秘仏開帳に関わったものたち、それぞれの思いとは。 直木賞作家が描き出す歴史群像劇の傑作。 -
伊達の企て
独眼龍の野望。東北魂を見ろ! 陸奥・出羽(東北)連合軍を仕立て、日本全国を切り取ってやる! 一度目〈天正十八年(一五九〇)〉の夏は時間が足りなかった。二度目〈天正十八年(一五九〇)〉の冬に行った謀は失敗した。三度目〈慶長五年(一六〇〇)〉の正直。四度目〈慶長二十年(一六一五)〉の再挑戦は……。秀吉死後、関ヶ原前夜、政宗は家康に呼応し、山形の最上義光とともに会津の上杉謙信を攻め、上杉領の白石城を攻め落とした。しかし中央での東軍と西軍の争いは長期化するとみて、上杉と講和し、南の相馬、北の南部を攻める機会をうかがっていた。しかし、政宗の予想ははずれ、関ヶ原の戦いは一日で決してしまう。石田・徳川の思惑、上杉・最上との複雑な外交戦。秀吉、家康、時の政権を翻弄しながら、戦国の世をしたたかに生き抜いた伊達政宗の新たな人物像を巧緻な筆致で描く。書き下ろし歴史小説。 ※こちらの作品は過去に他出版社より配信していた内容と同様となります。重複購入にはお気を付けください -
信長は西へ行く
美濃の国を手に入れたことで、信長の天下統一の野望は膨らむ。そして西へ行くのである。京都へ向かうだけではなかったのが、時代の寵児、奇才といわれた所以である。南蛮文化を学び、取り入れ、西洋の為政者たちの例に新しい治世を夢見ていたのかもしれない。ローマの皇帝シーザー、暴君ネロの声を聴き、さらにキリストの磔刑像も。信長は彼らを「南蛮人」と揶揄するのではなく、日本の堕落した仏教徒の姿と比較にならない高邁な志を、宣教師たちとの交流に感じ取っていた。信長の夢は世界を駆け巡り、際限なく拡がって行く。西洋と信長という新たな視点で描く歴史物語。 ●第一章:信長元服す ●第二章:信秀、美濃との戦い ●第三章:一族の相剋と桶狭間合戦 ●第四章:天下布武への野望 ●第五章:ルイス・フロイスとの邂逅 ●第六章:殉教と一揆 ●第七章:形勢は目まぐるしく ●第八章:安土城築城の夢 ●第九章:風雲急を告げる 「天下布武への野望」……美濃から京へと西へ向かった信長は、その先に南蛮を見る。西洋と信長という新たな視点で描く歴史物語。岐阜築城450年記念出版された本の電子版。 -
明治維新を創った男
吉田松陰が「心の師」と仰いだ男がいた! 松陰は百年前の思想家・山縣大貳の書を読んだとき初めて、それまでの思想を変え、「倒幕」を意識したのだ……。享保十年(1725)、甲斐国に生まれた山縣大貳は、さまざまな学問を身に着け、頭角を現していくが、ある不幸な事件により、甲府勤番与力の職を解かれてしまう。江戸に移り住んだ大貳は、時の権力者・大岡忠光に見込まれて仕えた後、学校を開き、その知識と人柄からたくさんの生徒を集めるようになっていった。しかし、著書『柳子新論』において、四民平等を訴え、「王政復古」「天皇親政」が理想の政治形態だと説き、やがて幕府からその思想を危険視されるようになり……。松陰より百年も前に革命の精神を説き、明治維新の隠れた火付け役となった気骨の思想家の生涯をさわやかに描く、感動の歴史長編。 -
とまどい本能寺の変
天正十年(一五八二)六月、本能寺の変勃発! 天下にあと一歩まで迫っていた織田信長死す! これはピンチか、はたまたチャンスか!? この驚天動地の事態に、息子・織田信孝は誰につこうか右往左往し(「最後の忠臣」)、家臣・滝川一益はかつて褒美として関東の領地より茶道具を選んでおかなかった決断を後悔し(「関東か小なすびか」)、敵将・安国寺恵瓊は秀吉と和睦を結んだ後で真相を知って歯ぎしりし(「南の山に雲が起これば」)、側室・おなべは誰も安土城を守ろうとする者がいない中、懸命に声を張り上げた(「信長を送る」)。 思わぬ事態に接した時ほど、人間の本性は出てしまうもの。あなたに似た人物もどこかに出てくるかも。信長の死によって運命を変えられ、大きな岐路を前にとまどう男たち、女たちを温かく(?)描いた、共感たっぷりの連作短編集。 -
龍馬のピストル
幕末きっての英雄・坂本龍馬が、北辰一刀流の剣豪ながら短銃を愛用し、寺田屋事件では包囲する幕吏に発砲して難を逃れた話はよく知られている。「スミス&ウェッソン第II型」、通称アーミー・モデル、中折れ式の回転式連発銃(リボルバー)である。スミス&ウェッソン社は、1852年に設立されたアメリカ合衆国最大の銃器メーカー。映画「ダーティー・ハリー」でキャラハン刑事が愛用する「44マグナム」などを開発している。創業まもない同社のピストルを、幕末のヒーロー・坂本龍馬が愛用していたことは、それだけでロマンを掻き立てられる。本作品は、寺田屋事件に始まり、龍馬とお龍の薩摩へのハネムーン、その後の薩長連合・大政奉還での活躍を経て、近江屋での暗殺に至る龍馬の疾風のごとき生涯を、「龍馬のピストル」の数奇な“運命”とともに描いた長篇小説である。龍馬の死後、彼の手を離れて流転するピストルの後日譚も印象的な傑作となっている。 -
純忠 日本で最初にキリシタン大名になった男
当時、異彩をはなっていたであろう大名・大村純忠について、清涼院流水氏が7年の取材をもとに記した渾身の歴史エンタテイメント。 「人は、俺を人外と呼ぶかもしれぬ。だが、それが何であろう。」 歴史の闇に葬られたキリシタン大名の全貌が、今、蘇る! 信長より1年早く生まれ、戦国時代を生き抜き日本で初めて洗礼を受けた大名「大村純忠」(おおむら すみただ) ザビエル来日の前年に18歳で当主となり、数々の合戦を戦い抜き、長崎港を開き、領内の寺社を焼き払い、天正遣欧少年使節をローマに派遣した稀代の戦国武将、大村純忠の波乱万丈の生涯。 -
帝国妖人伝
犯人は誰? 探偵こそ誰? 時は明治、那珂川二坊は文学で名をなさんとす。尾崎紅葉に師事すれど執筆がかなうのは小説どころか三文記事ばかり。この日も簡易食堂に足を運び、ネタを探して与太話に耳を傾けた。 どうやら昨晩、かの徳川公爵邸に盗人が入ったらしい。蓋を開ければ徳川公にも家人にもこれと云った被害はなく、盗人は逃走途中に塀から落ちて死んだという不思議な顛末。酔客らは推論を重ねるが、「そりゃ違いますやろ」という声の主、福田房次郎が語り始めたのは、あっと驚く“真相”だった(「長くなだらかな坂」)。 京都・奈良をつなぐ法螺吹峠、ナチス勃興前夜のポツダム、魔都・上海ほか、那珂川の赴く地に事件あり、妖人あり! “歴史・時代ミステリの星”伊吹亜門が放つ全5話の連作短編集―― 絢爛たる謎解き秘話を通して、 〈あの人〉たちの妖人ぶりにあらためて瞠目した ――有栖川有栖(作家) 著者の本領発揮作と呼ぶに相応しい完成度 ――千街晶之(ミステリ評論家) -
晋作に銭を持たすな
動乱の世に現れた長州の風雲児には、"天狗の目"があった 鎖国時代、外の世界に目を向けた師匠・吉田松陰に惹かれ、彼の遺志を継いだ松下村塾門下生たち。異端児・晋作もその例に漏れず、上海視察を通じて世界の現状とその真理に到達し、日本の未来を案じて開国を目指した。同時に故郷長州藩のために自らが発起して「奇兵隊」を創設。時代を見抜く力を持った青年がもたらした日本の夜明けを描く。 生まれ持った鋭い洞察力と激しい行動力で周囲を驚かせ、やがてはその求心力で藩の救世主となった高杉晋作。 破天荒な彼の嵐のような生き様と、その裏で紡がれた愛の物語。 -
夢幻
本能寺で織田信長が討たれた。わずかな供と堺にいた盟友の徳川家康は、明智光秀の追っ手から逃れるため切腹せんとするも、本多忠勝ら重臣に止められる。ここで死ねば、三河と駿河・遠江の家臣がそれぞれ幼少の息子たちを担ぎ、家が「割れる」というのだ。家康は、今は亡き長男信康の不在を嘆くが……。二人の英傑とその後継者の相克を描いた、二部構成の骨太な戦国ドラマ。 【目次】 第一部「夢の天下」 徳川家康 序 章 第一章 夢の始まり 第二章 苦難の舟出 第三章 動くべきとき 第四章 当主として 第五章 危難の日々 第六章 夢の果て 終 章 第二部「幻の天下」 織田信長 序 章 第一章 夢の始まり 第二章 混迷する西 第三章 ひとときの休息 第四章 継承の始まり 第五章 坂の途中 第六章 見えた頂 終 章 解 説 細谷正充 -
どうする家康
松本潤主演の大河ドラマを完全小説化!ストーリーをいち早く楽しみたいファン必携の書 松本潤主演で大注目の大河ドラマ「どうする家康」。誰もが知る歴史上の有名人・徳川家康の活躍を新たな視点で描くのは、「リーガル・ハイ」や「コンフィデンスマンJP」の脚本を手掛けた希代のストーリーテラー・古沢良太。そんな古沢良太が描く徳川家康はどんな人物なのか。そして演じる松本潤はどんな家康に命を吹き込むのか。本書は、ドラマの脚本を基に、ストーリーやセリフを小説として楽しめるようにしたノベライズ第一巻。歴史・大河ドラマファンをはじめ、時代小説ファン、出演者のファンなど、各人それぞれの角度で楽しめる。2023年1月の放送開始に先んじて、ストーリーをいち早くお届けする。 ●物語 小国・三河の岡崎城主・松平広忠の子として生まれた松平元康(のちの家康)は戦乱で父を失い、母とも離れ、駿河の大国・今川家のもとで人質として暮らしていた。今川義元に見込まれた元康は不自由ない生活を保障され、十分な教育を受け、やがて今川家重臣・関口氏純の娘・瀬名と恋に落ちる。今川家に染まる元康を、三河の者たちは苦々しく思っていた。そんな折、父に仕えていた旧臣たちと再会した元康は、彼らが今川家に不満を抱き、松平家再興への思いがくすぶっていることを知る。 1560年(永禄3年)、今川義元は織田領である尾張へ進撃。元康は妻子たちに別れを告げ、織田軍の攻撃を受ける大高城に、兵糧を送り込む任務に就いた。敵方の猛攻をくぐり抜け、大高城にようやくたどりつき、喜んだのもつかの間、桶狭間から衝撃の知らせが届く。大高城に押し寄せるのは、あの織田信長であった。織田軍に包囲される中、家族が待つ駿河に戻るか、故郷の三河へ進むか、それとも籠城か。元康は決断をせまられるのだった。 -
奥州狼狩奉行始末
第15回角川春樹小説賞受賞作 「狼との闘いの描出に秀でたものがある」北方謙三 「一種の『チームもの』『バディもの』としてもよく出来ている」今野敏 「時代小説の持つべき要諦を完璧に押さえている」今村翔吾 「『狼狩奉行』という役職に着目した点が鋭く、ミステリータッチの部分も効果的」角川春樹 選考委員、満場一致!静謐なるデビュー作。時代小説の本流を継ぐ、新人誕生。 江戸時代、馬産が盛んな地域にとって、狼害は由々しき問題だった。そのため、奥州には狼を狩る役――狼狩奉行が存在した。狼狩奉行に就くよう藩から申し渡された、岩泉亮介。父が三年前に非業の死を遂げ、家督を継いだ兄も病で臥せっている。家のため、命を受けた亮介だったが、今、狼の群れは「黒絞り」という見たこともない大きな頭目に率いられ、かつてないほどの狼害を引き起こしていた。だが「黒絞り」を追う内に、父の死の真相、藩の不正問題にまで繋がり……。狼狩を通じて描かれる、自然と人。時代小説に新風を吹き込む静謐な世界。 -
大海軍を想う
日本海軍の誇り高き威容。大いに興るものへの憧憬と哀惜、再び帰ることなき死者への鎮魂を清冽なる感動と共に伝える名著。 (※本書は1981-01-01に発売された書籍を電子化したものです) -
明智光秀は天海上人だった!
各地に残る“光秀生存説”の謎が本書で明らかに! 実は、すべて家康が黒幕だった!家康に庇護され、天海として江戸を護り、日光東照宮をつくった明智光秀。 それは、なぜ明智平という地名があるのか、東照宮に明智家の家紋があるのかなど、光秀=天海を示すさまざまな断片を丹念につなぎ合わせ、ついにその謎を解き明かした。 第一章 「本能寺の変」を検証 一 信長が僅かな供廻りで上洛した疑問 二 事変当日の動き 三 想定外の「中国大返し」 第二章 光秀による謀反の動機 一 信長への怨恨 二 天下取りの野心なのか?など 第三章 光秀に勝算はあったのか 一 光秀の軍事力 二 藤孝父子と光秀の関係 三 光秀の軍事要請に筒井順慶の迷い 第四章 事変の黒幕は誰か? 一 羽柴秀吉は黒幕ではなかった 二 家康は黒幕だった 第五章 家康の「本能寺の変」への助走 一 家康の歴史的背景 二 清州同盟の締結と発展など 第六章 事変後の光秀 一 「信長討ち」終結後の明智軍 二 事変当日の安土城 三 光秀の再上洛 四 敗退した光秀と利三 第七章 光秀は生きていた 一 落ち武者狩りはなかった 二 秀吉が光秀の首級を晒したという嘘など 第八章 織田軍団の動向 一 京都近隣にいた織田方面軍 二 畿外在陣の織田方面軍など 第九章 天海(光秀)と徳川家ゆかりの社寺 一 家康が南光坊天海を起用した謎に迫る 二 下野国(現・栃木県日光市)など 第十章 斉藤利三の娘福(春日局)と家康 一 斎藤福と徳川家康 二 将軍・秀忠VS大御所・家康による将軍継嗣問題 三 将軍・家光と春日局による権勢 第十一章 「光秀生存説」を示す論理的帰結 一 南光坊天海と明智光秀は同一人物か? 二 世界観が一致する光秀と家康の事象 三 光秀の故地・坂本の風景を江戸の町に反映させた天海 終章 「本能寺の変」に関連する人物のゆかり地 「本能寺の変」関連年表 参考文献 -
群青の海 ある被爆者の最後の一年
長崎にて被爆し、被爆症に苦しみながらも長崎を愛し、長崎に生きた男。彼の瞳には故郷五島の群青色の海が輝いていた。「漆黒の月」「朔の道」に続く、長崎原爆の凄まじさを描いた3部作の完結編。被爆者の父と被爆2世の息子の葛藤は、いつしか核の廃絶に向けてひとつの心となっていく。 -
広島の二人 人間愛を無慈悲に打ち砕く原爆の悲劇
★広島県知事・湯崎英彦氏推薦 一瞬にして多くの生命と暮らしを奪った原爆投下。 しかし、その広島から時代や国籍を超えた 人間愛の物語を生み出す 『作家の想像力に心が震えた』 ■広島の二人 友情を無慈悲に打ち砕く戦争と原爆の悲劇 脚本家・菊島隆三から未発表脚本「広島の二人」を託された保坂延彦が、 脚本の後日談となる「ミツ子の物語」も加えて小説化。 「8.6」を心に刻み、 受け継ぐ人々の姿を、時に切なく、時に逞しく描く。 1945年8月広島。 捕虜となった米国兵アーサーは、持ち前の反骨心により藤田軍曹と常日頃から対立していた。 一方の藤田は、捕虜生活の中でも誇りを失わないアーサーに対し、内心では秘かな敬意を抱いていた。 だが、藤田の内心を知らないアーサーは、かねてから画策していた脱走計画を実行する アーサーの身を案じ、単身で追跡する藤田。 二人の奇妙な旅路はやがて奇妙な友情を生む。 しかし、そんな二人の頭上から、敵味方を問わない無慈悲な黒い雨が降る。 そして数十年後「広島の二人」の物語が再び始まる。 ■著者 保坂延彦(ほさか のぶひこ) 映画監督・脚本家・小説家 1945年山梨県身延町生まれ。 明治大学文学部卒 「アフリカ物語」 80で監督補、総編集を経て監督デビュー。 斬新な映像感覚は80年代のヌーベルヴァーグとも評された。 (主な作品)「父と子」「愛しき日々よ」「国士無双」「そうかもしれない」「潜伏」の脚本・監督。 その他、ドキュメンタリー、アニメーション作品等を多数創作し独自の世界観に評価が高い。 ■原案 脚本家 菊島隆三(1914~1989)(後にシナリオ作家協会により菊島隆三賞創設) 黒澤映画にも多数脚本を執筆し、日本映画遺産となる代表作品を生み出し海外からも高く評価されている。 菊島隆三作品は、時代や国境を超える普遍性を持っており、 国内外の映画やドラマのリメイク作品として多数製作されている。 ■原案 脚本 安藤日出男 -
福沢諭吉の事件簿
歴史読本の知的興奮、理屈だけではなく剣豪小説のスリリングな展開、探偵小説の謎解き、伝奇小説の自在さを併せ持った、知的エンターテインメント歴史小説誕生! 司馬遼太郎、池波正太郎、隆慶一郎、山田風太郎ほかの達成をアウフヘーベン。哲学者・鷲田小彌太が満を持して書き下ろす本格歴史大河小説。これまで見たことのない幕末明治の歴史風景が広がる。 薩長でも佐幕でもない諭吉という視点から眺めると、「尊王攘夷」「開国」「長州征伐」「大政奉還」「文明開化」「西洋事情」「慶應義塾」……が、まったく違った物語に見えてくる。 「竜馬暗殺」については、驚きの新説を展開! -
四十郎化け物始末 3冊合本版
元は江戸屋敷勤番の侍だった月村四十郎。この男、からすにつきまとわれているため“からす四十郎”と綽名されている。病気の妻を抱え、用心棒稼業で糊口をしのいでいたが、借金は増えるばかり。易者に「死相が出ている」と言われ自棄になった彼は、礼金は高いが用心棒仲間も嫌がる化け物退治を引き受ける。油問屋の巨大な人魂、そば屋の閻魔、医院の骸骨。次々に依頼が舞い込むが、その正体は……。化け物騒動の裏に見え隠れするのは、あやうい人の心の闇。「心に闇、人が化け物――」今日も四十郎は、そう呟くのだった。人気著者が放つ、「四十郎化け物始末」シリーズ3冊合本版! -
滔々と紅
全国の書店員が「世に出したい」新作を選ぶ、エンタメ小説新人賞 第 1 回 本のサナギ賞大賞作品が文庫版で登場! 「読み終えたときは胸が震えた。完成度の高さで群を抜き、これほど読ませる作品を書く作者が、いままで無名であることが信じられなかった」 さわや書店・松本大介 <あらすじ> 天保八年、飢饉の村から 9歳の少女、駒乃(こまの)が人買いによって江戸吉原の大遊郭、扇屋へと口入れされる。駒乃は、吉原のしきたりに抗いながらも、手練手管を駆使する人気花魁、艶粧(たおやぎ)へと成長する。 忘れられぬ客との出会い、突如訪れる悲劇。苦界、吉原を生き抜いた彼女が最後に下す決断とは…。 「ここは吉原じゃ。世間からは苦界とか地獄とか呼ばれておる。お前にもそのうちわかる。ここから生きて出たければ強い心を持たんといかん。それができないものは死んでいく。馴染むものには極楽じゃ、嫌う者には地獄じゃ。まあ、これはどこも同じじゃがな…… 地獄か極楽かはお前さん次第じゃ」 本書は2017年に小社より刊行された著作を文庫化したものです。 -
新・平家物語 セット版
晩年の吉川栄治が執筆に7年もの歳月を費やした超大作が遂に電子化! 平家の栄枯盛衰を描いた本作品。 全十二巻のうち前半6作品をセットにしました。 【各巻あらすじ】 一巻 20歳の清盛は、父が誰なのか、思い悩みながらも、家を出た母(祇園女御=泰子)とも確執が生じる。 二巻 保元の乱が遂に勃発。時代が抱えていた膿みが一気に出てくる。さまざまな思惑、利権が複雑に絡み合い、保元の乱後も世は禍根を残す。 三巻 後白河上皇の信認を得て、太政大臣にまで上り詰める平清盛。娘の徳子を入内させ、平一門の栄華を極めていく。しかし、仁安3年(1168年)、清盛は病に倒れる。 四巻 伊豆では配流されている頼朝と北条時政の娘・政子が出会う。他方、都では、反平家の機運が徐々に高まり、いわゆる鹿ケ谷事件が起こる。 五巻 後白河法皇と平清盛との抗争が激化する中、ついに頼朝が以人王(もちひとおう)からの令旨を拝し、挙兵する。 六巻 挙兵した頼朝は、鎌倉を拠点に定める。そして黄瀬川の陣で、頼朝はついに末弟義経と初の対面を果たす。