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  • リインカーネイション~恋愛輪廻~
    3.0
    もう一度「あの人」に巡り逢ったとき、二人の間には何が芽生えるのか。初恋の人、別れてしまった最愛の恋人……。時を経て、二人が再び出逢って思いもかけないドラマが始まる。『ブラッディ・マンデイ』『金田一少年の事件簿』『神の雫』をはじめ、ヒット作多数の漫画原作者が、初めて本名で発表した恋愛小説集。『女性自身』で連載された3編を含む「4つの愛の物語」。
  • かたみ歌(新潮文庫)
    3.8
    不思議なことが起きる、東京の下町アカシア商店街。殺人事件が起きたラーメン屋の様子を窺っていた若い男。その正体とは……「紫陽花のころ」。古本に挟んだ栞にメッセージを託した邦子の恋が、時空を超えた結末を迎える「栞の恋」など、昭和という時代が残した“かたみ”の歌が、慎ましやかな人生を優しく包む。7つの奇蹟を描いた連作短編集。(解説・諸田玲子)
  • 私が語りはじめた彼は(新潮文庫)
    3.6
    私は、彼の何を知っているというのか? 彼は私に何を求めていたのだろう? 大学教授・村川融をめぐる、女、男、妻、息子、娘――それぞれに闇をかかえた「私」は、何かを強く求め続けていた。だが、それは愛というようなものだったのか……。「私」は、彼の中に何を見ていたのか。迷える男女の人恋しい孤独をみつめて、恋愛関係、家族関係の危うさをあぶりだす、著者会心の連作長編。(解説・金原瑞人)
  • チュベローズで待ってる AGE22(新潮文庫)
    完結
    4.0
    全2巻605~737円 (税込)
    就職活動に挫折した22歳の光太は、カリスマホストの雫にスカウトされ、歌舞伎町のホストクラブ「チュベローズ」で働きはじめた。夜の世界の苛烈な洗礼を浴び戸惑う光太だが、客としてやってきた女性、美津子が憧れのゲーム会社に勤めていることを知り、彼女を誘惑して自らの夢に近づくために利用しようとする――。野心と策略が渦を巻く、最も危険なノワール・エンタテインメント、開幕編。
  • 家守綺譚(新潮文庫)
    4.5
    庭・池・電燈付二階屋。汽車駅・銭湯近接。四季折々、草・花・鳥・獣・仔竜・小鬼・河童・人魚・竹精・桜鬼・聖母・亡友等々々出没数多……本書は、百年まえ、天地自然の「気」たちと、文明の進歩とやらに今ひとつ棹さしかねてる新米精神労働者の「私」=綿貫征四郎と、庭つき池つき電燈つき二階屋との、のびやかな交歓の記録である。――綿貫征四郎の随筆「烏蘞苺記(やぶがらしのき)」を巻末に収録。
  • りかさん(新潮文庫)
    4.0
    リカちゃんが欲しいと頼んだようこに、おばあちゃんから贈られたのは黒髪の市松人形で、名前がりか。こんなはずじゃ。確かに。だってこの人形、人と心を通わせる術を持っていたのだ。りかさんに導かれたようこが、古い人形たちの心を見つめ、かつての持ち主たちの思いに触れた時――。成長したようことその仲間たちの、愛と憎しみと「母性」をめぐる書下ろし「ミケルの庭」併録。
  • 孤高の若君~鳥見役京四郎裏御用(一)~
    -
    1~5巻605~715円 (税込)
    将軍の鷹の餌となる雀の捕獲と鷹場の巡検を表の仕事とする鳥見役・諏訪京四郎。その裏では、鳥見役組頭である兄の命を受けての隠密働きもする。飛鳥山へ雀捕りに出かけた京四郎は豊後国東藩の若君・鶴千代と知り合い、好意を持つ。ところが国東藩では鶴千代とその弟を巡り御家騒動が勃発していた。国東藩の探索を命じられた京四郎が、抜け荷事件も絡む血肉の争いに挑む!
  • パラッと読める超短編小説集
    -
    1巻605円 (税込)
    四季折々に繰り広げられる多彩な人生の形を巧緻な文章で映し出す超短編小説集。中味が濃く、甘やかな切なさと後味の良さが残る何度読んでも新鮮で飽きることが無い。
  • 鷹姫さま―お鳥見女房―(新潮文庫)
    4.2
    女だてらに鷹狩りに行きたがり「鷹姫さま」と呼ばれる気性の烈しい娘と嫡男久太郎との縁談、次女君江のひそやかな恋。子らの成長と行く末を、珠世は情愛深く見守る。また、鷹狩りを司り、幕府隠密の任務もあるお鳥見役の主も、過酷な勤めを終えて帰ってきた。妻として深い痛みを抱えた夫を気づかう――珠世の才智に心温まる、シリーズ文庫第三弾。
  • 蛍の行方―お鳥見女房―(新潮文庫)
    4.2
    密命を帯び、お鳥見役の主が消息を絶って一年余り。留守を預かる女房珠世に心休まる日はない。身近かに暮らす子供らの人知れぬ悩みを知って心くだき、その成長を見守り、隠居となった父の寂寥を慰め、組屋敷に転がり込んだ男女と幼子らの行く末を案じる……。人生の哀歓を江戸郊外の四季の移ろいとともに描く連作短編。珠世の情愛と機転に、心がじんわり熱くなる――お鳥見一家の清爽人情話、シリーズ第二弾。
  • 子子家庭の身代金(新潮文庫)
    4.0
    パパは会社の罪をかぶって逃亡中。なんとママも同じ日に恋人と駆け落ちしてしまった! 両親に「家出」された律子と和哉の小学生姉弟は力を合わせて暮らすけれど、トラブルは次々と襲いかかる……。明日のごはんもない我が家なのに和哉が誘拐された? 弟を救うため、姉が謎解きに挑むが、犯人はあまりに意外な人物だった──。表題作はじめ、驚きの結末の連打が魅せる短編全8編。
  • おとうと(新潮文庫)
    3.9
    1巻605円 (税込)
    高名な作家で、自分の仕事に没頭している父、悪意はないが冷たい継母、夫婦仲もよくはなく、経済状態もよくない。そんな家庭の中で十七歳のげんは三つ違いの弟に、母親のようないたわりをしめしているが、弟はまもなくくずれた毎日をおくるようになり、結核にかかってしまう。事実をふまえて、不良少年とよばれ若くして亡くなった弟への深い愛惜の情をこめた看病と終焉の記録。(解説・篠田一士)
  • 流れる(新潮文庫)
    4.0
    1巻605円 (税込)
    梨花は寮母、掃除婦、犬屋の女中まで経験してきた四十すぎの未亡人だが、教養もあり、気性もしっかりしている。没落しかかった芸者置屋に女中として住みこんだ彼女は、花柳界の風習や芸者たちの生態を台所の裏側からこまかく観察し、そこに起る事件に驚きの目を見張る……。華やかな生活の裏に流れる哀しさやはかなさ、浮き沈みの激しさを、繊細な感覚でとらえ、詩情豊かに描く。(解説・高橋義孝)
  • いま、殺りにゆきます RE-DUX
    3.6
    深夜、見知らぬ男から、携帯に殺害予告を受けた女性の恐怖を描く表題作。マンションのポストに仕掛けられた恐るべき罠「集合ポスト」。ストーカーに部屋に侵入された元AV女優が、身の毛もよだつ責め苦を受ける「自作ビデオ」。あなたのすぐ隣にある狂気を描く、伝説の実話短編シリーズから、著者が最恐の31編を自選。新たに書下ろし3編を加えた豪華完全版。
  • 気骨ある男たち
    -
    1巻605円 (税込)
    「愛に殉じた死の真実」「意地で支える夢一つ」「男一途の誠の愛」「真珠と愛と誇りを胸に」「愛と矜持と再生と」 男の矜持、意地、誇り、気骨・・・男の孤高、強靭な精神、真摯な心・・・男の愛、ロマン、夢・・・男の掟、戒律・・・誇り高き気骨ある男たちの物語
  • 会津・リゾート列車殺人号
    -
    鬼怒川温泉から会津若松まで走るリゾート列車『幕末』号の試乗会で殺人事件が発生! 殺されたのは山口・萩の会社社長。殺したのは列車内で剣舞を演じていた福島・会津若松の女子高生。トラベルライターの瓜生慎は山口の映画ロケの取材先から、リゾート列車に同乗して事件を目撃した息子・竜の元へ駆けつける。幕末以来の遺恨が絡んだ難事件に親子が挑む!
  • 宗谷・望郷列車殺人号
    3.0
    サハリンを望む稚内の海岸線に戦時中、建てられた監視哨から人間の白骨が見つかった! 密室状態にあった監視哨の所有者・小幡作治はなぜか失踪中。作治の古くからの友人だった義父からの依頼を受け、トラベルライター・瓜生慎は、事件の解決に乗り出すが……。彼らを乗せた“スーパー宗谷”には次々と妖しい人物が! トラベルミステリの魅力満載!
  • 現代語訳 とわずがたり(新潮文庫)
    3.3
    幼少の頃から後深草院のもとで養育された二条は、十四歳の春に院の寵愛を得る。二条は院の愛人となってからも、あまたの貴人や高僧たちと交渉を重ねるが、かねてからの出離の思いが高じ、ついには尼となって諸国遍歴の旅に出る。――波瀾にみちた性の体験を大胆に告白し、愛欲の世界を脱して、宗教に浄化されていく過程を描いた女流日記文学の傑作を、艶麗な筆に甦らせた名訳。
  • トナリの怪談
    3.7
    毎晩夢に出てくる、見知らぬ女性。夢の中で自分は彼女と幸せな恋人同士として暮らしていて――(「毎日見る夢」)。最愛の恋人の隣でほほ笑む女性の幽霊が繰り返すのは、「いつ死ぬの?」という言葉で――(「いつ死ぬの?」)。幼い頃から幽霊が見えるピン芸人が語る、日常のなかにある心霊体験の数々。今あなたの隣にいる方、足はあるし、しゃべるし……でも、幽霊かもしれませんよ?
  • はるか(新潮文庫)
    3.7
    賢人は小さな頃、海岸で一人の少女と出会い恋に落ちる。彼女の名は、はるか。大人になり偶然再会した二人は結婚するが、幸せな生活は突如終わりを告げた。それから月日は経ち、賢人は人工知能の研究者として画期的なAIを発明。「HAL‐CA」と名付けられたそのAIは、世界を一新する可能性を秘めていた――。『ルビンの壺が割れた』で大反響を呼んだ著者による、更なる衝撃が待つ第二作。
  • P+D BOOKS 記念碑
    5.0
    1~2巻605~770円 (税込)
    戦争末期の日本のカオスを丸ごと描く問題作。 物語は戦争末期の昭和19年12月から始まり、無条件降伏後の20年10月で幕を下ろす。 外交官の夫を原因不明の自殺で失った石射康子は、国策通信社に勤め、深田英人枢密顧問官の秘書も務めている。一方で、米国人妻をアメリカに残して交換船で帰国したジャーナリスト・伊沢信彦とは愛人関係にあり、協力して深田の和平工作のために情報を提供していた。すでに太平洋の島々では玉砕が相次ぎ、東京爆撃も始まりつつあった。 特攻隊や学徒出陣、また逼迫する配給物資や闇取引などの過酷な現実を余すことなく丸ごと描いた問題作。
  • エリザベスの友達(新潮文庫)
    4.1
    戦後、命からがら娘と日本に引き揚げた初音さんは今年九七歳になる。もう今では長女の顔もわからない。病が魂を次々と剥いでゆくとき、現れたのは天津租界でのまばゆい記憶だ。ドレスに宝石、ミンクを纏い、ある日はイギリス租界の競馬場へ、またある日はフランス租界のパーマネントに出かけ、女性たちは自由だった――時空を行き来しながら人生の終焉を迎える人々を、あたたかく照らす物語。(解説・岸本佐知子)
  • 宅飲み探偵のかごんま交友録
    3.0
    1~2巻605~682円 (税込)
    大学三年生の僕こと小金井晴太は、ある春の日、憧れの先輩である清田小春に一世一代の告白をかます。玉砕覚悟の大博打は、拒否もされなければ承認もされないというなんとも中ぶらりんの結果に終わった。そして、これがあの偏屈マッチョと僕を巡りあわせるターニングポイントになってしまうわけだが……。面白さ“桜島”級の青春ミステリ。
  • 鏡じかけの夢(新潮文庫)
    4.1
    その鏡は、磨く者の願いを叶えるという。会いたい、羨ましい、妬ましい、もっと欲しい、憎い……。願えば願うほど、心に秘めた黒い欲望は醜く膨れ上がり、全てを呑み込む。看護婦の羨望。鏡研ぎ師の嫉妬。踊り子と富豪の禁忌の愛。戦争孤児と奇術師の絆。ヴェネツィアの双子姉妹の過ち――。鏡に魅入られた人々が陥る、束の間の甘美な愉悦と残酷な結末を描いた、五つの物語。(解説・飯豊まりえ)
  • マグナ・キヴィタス 人形博士と機械少年
    4.4
    ノースポール合衆国自治州『キヴィタス』は1億6千万の人口を収容する人工都市だ。アンドロイド管理局に勤める若きエリート、エルガー・オルトンは、帰り道で登録情報のない「野良アンドロイド」の少年を拾う。ワンと名乗った少年型アンドロイドとエルは不思議な共同生活を始めるが、ワンは記憶を失っていた。彼の過去を探るうち、エルは都市の闇に触れてしまい?
  • 狼の地図
    -
    「週刊タイム」の記者たちが、鋭い嗅覚と執拗な取材で、企業の暗部に迫る事件簿。博多鉄道の社長が、抱えるプロ球団の赤字の責を負って、辞任に追い込まれそうになった。球団の熱烈ファンで社長を敬愛する運転手が、株主総会に出席し、名演説で大反響を呼ぶ。それを契機に、総会屋になった車掌は……(「私鉄騒乱」)。その他、傑作5編を収録。
  • 映画ノベライズ 約束のネバーランド
    5.0
    孤児院で“ママ”と、幸せに暮らしていたエマ。彼女は、里親に引き取られ外の世界で暮らす日が来ることを待ちわびていた。里親が見つかり、孤児院を後にするコニーの忘れ物に気づいたエマとノーマンは、決して近づいてはならない“門”へと向かう。そこで目にしたものは、“鬼”に食材として献上されるコニーの姿だった……。話題沸騰の脱獄サスペンス映画をノベライズ!
  • P+D BOOKS 怒りの子
    -
    三人の女性の緊迫した“心理劇”。 「あんたの中に、怒りの子が見える……人のうちに、潜んでる、外から見えんけど、何処かにいる、人の奥のほうに。」  自分自身のやりたいこと、望んでいることなどが定まらず、ビジネス学校に通いつつ悶々とした日々を送る主人公・美央子。美央子が姉のように慕う、どこか浮き世離れした雰囲気を持つ初子。そして美央子と同じアパートに住み、親しくするそぶりを見せながら、いちいち美央子の感情を逆撫でしていくますみ――。3人の感情は、初子の義弟・松男の存在を触媒として、大きく揺れ動いていく。  人間の心情を、平易な言葉を使いつつ、豊かな描写力で見事に描ききった、第37回読売文学賞受賞作。
  • P+D BOOKS 大陸の細道
    -
    1巻605円 (税込)
    ソ連軍侵攻直前の満州を、ユーモラスに描く。 昭和19年、いわゆる“三文文士”の木川正介は、永く喘息と神経痛とを患っており、招集も受けずにくすぶっていた。そこへ、某開発公社の嘱託の話が舞い込んできて、厳寒の満州に赴くことに。物資不足などで環境は厳しいものの、内地にいるより自由がきく日々をそれなりに楽しんでいた正介だが、突然、召集令状が舞い込んできて――。 戦争に対しても、上官に対してもシニカルに見る姿勢を保ちつつ、現地の人々との交流など満州での日常を、生々しくユーモラスに描いた傑作長編小説。第13回芸術選奨文部大臣賞受賞作。
  • 君が悪い
    3.6
    「僕は悪くない……」中学教諭の竹林は、死体を前に呟いた。スナックのホステス桃華を取り合って、他の客ともめたのがすべての始まりだった。自宅に押しかけてきたその男を、はずみで殺してしまったのだ。さらに、発覚を防ぐため、超身勝手な論理で次々と殺人を重ねてゆく彼にふりかかる運命とは!? 狂気と黒い笑いに満ちた、戦慄のノンストップ・サスペンス!
  • ユリシーズ 「日本ミニバン」誕生物語
    -
    1990年、セダンが全盛の時代にミニバン開発の指令が出た。開発責任者の織田は、あきらめず、妥協せず、仲間とともに取り組む。そして、紆余曲折を経て、1994年秋、世間を驚かせる技術がつまった、日本初のミニバンが発売されたのだ。4年の歳月をかけ開発されたこの車は、萬田自動車にとって起死回生の大ヒットとなる。読む者を熱くする、モノづくり日本のプライドがつまった物語。
  • 騎士団長殺し―第1部 顕れるイデア編(上)―(新潮文庫)
    完結
    3.9
    全4巻605~825円 (税込)
    一枚の絵が、秘密の扉を開ける――妻と別離し、小田原の海を望む小暗い森の山荘に暮らす36歳の孤独な画家。緑濃い谷の向かいに住む謎めいた白髪の紳士が現れ、主人公に奇妙な出来事が起こり始める。雑木林の中の祠、不思議な鈴の音、古いレコードそして「騎士団長」……想像力と暗喩が織りなす村上春樹の世界へ!
  • 君だけに愛を
    -
    昭和の京都西陣。夏休み前夜、涼子は、北野天満宮の縁日で同級生と偶然出会った。花街で舞妓見習い中の静子で、今まで一度も話したことがない。お互い勉強が嫌いで意気投合。この夏休み、ジュリーこと沢田研二率いる大人気グループ「ザ・タイガース」メンバーの実家を探し当てよう──ささやかな計画を、涼子は静子に持ちかけた。少女たちが駆け抜けた“ひと夏の冒険”を情緒溢れる筆致で描く青春小説。
  • 猫を拾いに(新潮文庫)
    4.0
    誕生日の夜、プレーリードッグや地球外生物が集い、老婦人は可愛い息子の将来を案じた日々を懐かしむ。年寄りだらけになった日本では誰もが贈り物のアイデアに心悩ませ、愛を語る掌サイズのおじさんの頭上に蝉しぐれが降りそそぐ。不思議な人々と気になる恋。不機嫌上機嫌の風にあおられながら、それでも手に手をとって、つるつるごつごつ恋の悪路に素足でふみこむ女たちを慈しむ21篇。
  • パスタマシーンの幽霊(新潮文庫)
    4.1
    恋をしたとき、女の準備は千差万別。海の穴に住む女は、男をすりつぶす丈夫な奥歯を磨き、OLの誠子さんは、コロボックルの山口さんを隠すせんべいの空き箱を用意する。おかまの修三ちゃんに叱られ通しのだめなアン子は、不実な男の誘いの電話にうっかり喜ばない強い心を忘れぬように。掌小説集『ざらざら』からさらに。女たちが足をとられた恋の深みの居心地を描く22の情景。
  • 瑠璃ノムコウ
    -
    ルリが突然いなくなった。天真爛漫で、周りを元気にしてくれる女の子だと思っていた親友の意外な一面。なんでもわかり合えていると思っていたのに……。判明する事実に驚き、つい抱いてしまう孤独感や不信感。それでも彼女を求め捜し続けるうちに、いつの間にか自分自身と向き合っていく。無意識にふたをしていた心の傷を乗り越え、成長する物語。第47回泉鏡花記念金沢市民文学賞受賞作。
  • P+D BOOKS 硫黄島・あゝ江田島
    -
    1巻605円 (税込)
    戦争が人々の心に刻んだ傷跡を描く名短編集。  2万人以上の日本兵が亡くなった硫黄島で辛くも生き残り、終戦後も3年以上穴居生活を続けた片桐正俊。「投降時に岩穴に隠した日記を取りに行けることになったので、そのことを記事にしてほしい」と新聞記者である〈私〉に依頼する。  だが、片桐はせっかく再上陸できた硫黄島で、自死してしまう。その原因を探るべく奔走する〈私〉は、やがて戦争が片桐の心に刻みつけた傷の深さを知ることになる――。  第37回芥川賞を受賞した「硫黄島」のほか、海軍兵学校に通う若者の葛藤を描き、映画化もされた青春群像「あゝ江田島」など、戦争文学の名作短編6篇を収録。
  • 雨のち、シュークリーム
    3.6
    大好きな人を笑顔にするのは、手作りおやつ。 「シュークリームは天使だ」「苺は誘惑のプリンセスだ」  おいしそうなものを見ると、思わず語ってしまう変な「くせ」を持つ高校二年生の桐原陽平は、調理部唯一の男子部員。顔も体も四角く、全体的にごつい上に無口なため、はじめは完全に浮いていた。部活で食べ物を目の前に語りだし、部員全員を引かせたが、優しく声をかけてくれたのが希歩だった。今では仲良しカップルとなった二人の出会いだ。  陽平の入部のきっかけは、家でのごはんづくりに役立てるため。小学生の頃に母と死別し、父と八つ年下の弟・朋樹と三人で暮らす陽平は、父と交替でごはんを作っているのだ。ときどき希歩が家に遊びに来て、朋樹と三人で料理をする。朋樹が「大きくなったら希歩ちゃんに告るから」と宣言したため、兄弟は恋のライバルでもあった。  母親の記憶がない朋樹のために、料理の苦手な母がつくったごはんを再現する「お母さんの日」の揚げパン。風邪をひいた希歩のために、陽平がつくる「すりおろしタマネギのスープ」……。温かくておいしいおやつとごはんが家族と恋人をやさしく包む、ハートウォーミング青春小説。
  • 樽とタタン(新潮文庫)
    3.6
    今から三十年以上前、小学校帰りに通った喫茶店。店の隅にはコーヒー豆の大樽があり、そこがわたしの特等席だった。常連客は、樽に座るわたしに「タタン」とあだ名を付けた老小説家、歌舞伎役者の卵、謎の生物学者に無口な学生とクセ者揃い。学校が苦手で友達もいなかった少女時代、大人に混ざって聞いた話には沢山の“本当”と“噓”があって……懐かしさと温かな驚きに包まれる喫茶店物語。(解説・平松洋子)
  • 人形たちの白昼夢
    3.9
    声が出なくなってしまった私は、見知らぬ相手からの招待状に誘われ、レストランを訪れる。給仕人にうながされ料理を口にすると、さまざまな情景が浮かんできて――。(「スヴニール」)荒廃した世界。空爆から身を潜め、不思議な「声」に導かれて目を開けると、自動機械人形(オート・ドール)が現れた。豪奢で美しい、暗殺用の人形に連れられて向かった先には――。(「リューズ」)『魚神』『男ともだち』の著者が贈る、リアルと幻想が溶けあうような12のショートストーリー。
  • ちぎれた夜の奥底で(新潮文庫)
    4.0
    1巻605円 (税込)
    業績悪化に苦しむ損保代理店課長の田口(42)は、法人契約をまとめた部下の千咲(32)と寝てしまう。彼女には社内結婚した年下の夫がいた。危ういダブル不倫は爛れてゆく。深夜のオフィスや屋上での交接、ウリセンボーイとの乱交。その度に千咲の知的な美貌は羞恥に歪んだ。刹那の快楽こそが救いだった。だが快感に溺れ切った田口の心は、やがてちぎれていく……。官能ノワール長編。
  • ただしくないひと、桜井さん(新潮文庫)
    3.5
    悪いと思いながら少女は母を蹴る。性欲のまま早熟な体を安売りする。死病に冒された女は夫ではない男に身を任せ、夫は当てつけのように女を買う。貞淑な祖母は孫を見捨て、清らかなはずの女は「一番愛している」からと悦楽に溺れていく。口には出せないたくさんの秘密。それは他人の痛みに手を差し伸べる“桜井さん”の中にもあった。R-18文学賞読者賞作を含む、日常への裏切りに満ちた連作集。(解説・彩瀬まる)
  • 死の名はワルキューレ
    -
    「一緒に飛んでもらえないだろうか、未来のドイツのために」。第二次大戦末期、独空軍中将ガーランドは、激化する米英軍の攻撃に対抗するため、極秘に製造を進めていた戦闘機「ワルキューレ」に乗り込む精鋭部隊を結成する。敵の300機に対し、わずかに5機! 圧倒的に不利な状況に置かれながらも、愛する人を守るため、愛する祖国を守るため、軍人たちは誇りを胸に立ち上がる。
  • P+D BOOKS 子育てごっこ
    -
    1巻605円 (税込)
    子育てと教育を問い直す直木賞受賞の話題作。 東北の寒村で小学校教師をしている夫妻が、ひょんなことから学校に通ったことのない少女・吏華を預かることになった。吏華は5歳のころより老画家に連れられて、住まいを転々としていたのだ。 厳格な<男先生>と社会常識のかけらも身につけていない吏華、その間に立って右往左往する<女先生>の波乱の日々が始まる――。 子育てとは、教育とは何かを問う問題作で、1976年に第41回文學界新人賞、第76回直木賞を受賞。1979年には映画化され大きな反響を呼んだ。 より事実をなぞっているといわれる姉妹作「親もどき〈小説・きだみのる〉」を同時収録。
  • アイドル 地下にうごめく星
    3.7
    初めて行ったアイドルのライブで、メンバーのひとりである楓に一目惚れした夏美は彼女をプロデュースすることを決める。グループの電撃解散後、夏美のアイドルユニットに入る楓、女装好きの男子でアイドルになりたい翼、訳あって天界から人の世界に来たと思っている瑞穂、容姿にコンプレックスがある愛梨……それぞれの内面を描く鮮烈さNo.1青春長編小説。
  • ビアク島
    -
    1巻605円 (税込)
    広大な南太平洋を舞台に果敢に戦った日本。敗退を繰返しながらも祖国を守るため、そして「絶対国防圏」の設定により、敵の進撃を少しでも喰い止めなければならなかったビアク島の日本軍。
  • えどさがし(新潮文庫)
    4.0
    1巻605円 (税込)
    時は流れて江戸から明治へ。夜の銀座で、とんびを羽織った男が人捜しをしていた。男の名は、仁吉。今は京橋と名乗っている。そして捜しているのは、若だんな!? 手がかりを求めて訪ねた新聞社で突如鳴り響く銃声! 事件に巻き込まれた仁吉の運命は――表題作「えどさがし」のほか、お馴染みの登場人物が大活躍する全五編。「しゃばけ」シリーズ初の外伝。
  • ひりつく夜の音(新潮文庫)
    3.8
    46歳の下田保幸は、プロのジャズクラリネット奏者。演奏に全てを捧げた若い日の情熱は潮が引くように褪せ、いまは音楽教室講師の僅かな収入で過ごす。そんな暮らしがギタリストの青年・音矢との出会いで動き出す。どうしても困ったら下田を頼るよう、亡き母に言われたという音矢の名字は佐久間。下田が昔愛した女性と同じだった……。人生の折返し点で迷う大人たちの心をはげます感動作。(解説・北上次郎)
  • 線香花火のような恋だった
    3.5
    高1の三倉雅時は、人が死ぬ一週間前から「死」の香りを嗅ぐことができる。大事な人達を失ってきたことで「自分が関わると人が死ぬ」と思い込んでいた。そんな彼の前に、無邪気なクラスメイト・陽斗美が現れる。彼女と関わるうちに、心を開いていく雅時。ある日、陽斗美から死の香りがすることに気づく。「三倉くんは死神なんかじゃない。私が証明する」と言われるが!?
  • 劇場(新潮文庫)
    4.0
    高校卒業後、大阪から上京し劇団を旗揚げした永田と、大学生の沙希。それぞれ夢を抱いてやってきた東京で出会った。公演は酷評の嵐で劇団員にも見放され、ままならない日々を送る永田にとって、自分の才能を一心に信じてくれる、沙希の笑顔だけが救いだった――。理想と現実の狭間でもがきながら、かけがえのない誰かを思う、不器用な恋の物語。芥川賞『火花』より先に着手した著者の小説的原点。
  • P+D BOOKS 私生活
    -
    1巻605円 (税込)
    都会人の日常生活の裏側を描いた名作短編集。 自らを「瑣事観察者」と称する神吉拓郎が、都会の日常生活の裏側――〈私生活〉に潜むちょっとしたドラマを、歯切れのいい文章で活写した短編集。 ある真面目な銀行マンが、夜には別の一面を垣間見せる「つぎの急行」、平凡なサラリーマンが、会社のカネの横領を企む「警戒水位」、ダッチワイフに入れあげる初老の男に訪れた悲劇を描く「小夜子」、真面目だと思っていた家政婦が衝撃的な素顔を見せる「もう一人の女」など、17のエピソードを収録。 一つひとつの作品は短いが、それぞれに違った余韻をもたらす名作で、第90回直木賞に輝いた。
  • リア家の人々(新潮文庫)
    3.5
    1巻605円 (税込)
    帝大出の文部官僚である砺波文三は、妻との間に3人の娘をもうけた。敗戦後、文三は公職追放の憂き目に逢うが、復職の歓びもつかの間、妻はがんで逝く。やがて姉たちは次々に嫁ぎ、無口な老父と二人暮らしとなった年の離れた末娘の静は、高度成長の喧噪をよそに自分の幸せを探し始めていた。平凡な家族の歳月を、「リア王」の孤独と日本の近代史に重ね、「昭和」の姿を映す傑作長編。
  • あやかしに迷惑してますが、一緒に占いカフェやってます
    4.0
    「一杯につき、なんでも一つ占います」。一風変わったドリンク専門のキッチンカーを経営する五百城圭寿は、少々ワケあり。普通の人には見えないモノが視えるため、相手の守護霊と会話することで、たいていの依頼に応えることができるのだ。圭寿と常に一緒にいるスマホをいじってばかりの謎めいた美青年・白蓮は、五百城家を代々守護してきた「あやかし」で…? 青春のレモネード、雪解けの甘酒…各種ご用意しております!【目次】プロローグ/第一章 訳あって、もれなくあやかしがついてきます/第二章 あやかしと一緒に、幽霊アパートに引っ越しました/第三章 あやかしはマカロンがお気に入りのようです/エピローグ
  • 君にさよならを言わない
    3.5
    1~2巻605~737円 (税込)
    「明くんと久しぶりに話せた……」事故がきっかけで幽霊が見えるようになったぼくは、六年前に死んだ初恋の幼馴染、桃香と再会する。昔と変わらぬ笑顔をぼくに見せる桃香は、ある未練を残してこの世に留まっていた。それは、果たせなかったあの日の約束……。桃香の魂を救うため、ぼくは六年前に交わした二人の約束を遂げる――。少年と幽霊(少女)たちの魂の交流を描く感動の連作短編。切なくて、温かい。
  • アルファ・ケンタウリからの客(新潮文庫)
    -
    極悪非道の養父からやっとのことで逃げ出した佳代は、それまでの不幸を帳消しにしてくれるようなすばらしい恋人とめぐりあった。作曲家を志し、今まさに才能が認められようとしている青年・悠介。夢に見た幸せまではあと一歩だ。けれどもその佳代を、はるか天空からじっと見つめ続ける知的生命体たちがいた……。広大な宇宙を背景に、甘く、優しく、暖かく描かれた、小さな愛の物語。
  • 君が今夜もごはんを食べますように
    3.4
    家具職人をめざし、修行を積んでいた倉木相馬。良い家具を作るには人間について理解していなくてはならないと考える師匠に、家具職人以外の仕事を経験するよう言われ、女友達の営む茶房で働くことに。もともと料理が得意だった相馬は、茶房での仕事に喜びを見出し始めて…。優しすぎる男と壊れかかった女たち。心と身体に愛の滋養、じんと沁みる金沢ごはん物語…!
  • カイマナヒラの家
    3.8
    様々な人が共同生活を営むその家は、サーフィンに魅せられハワイイに通うぼくの滞在場所となった。夕日の浜でサムに聞いた「神様に着陸を禁じられた飛行機」の話、伝説の女性サーファー、レラ・サンの死。神話を秘めた島々ハワイイが見せてくれる、永遠に通じる一瞬と失わなければいけない時を描いた、美しい物語。この物語の登場人物はすべて架空であり作者の想像の産物であるが、家は実在した……。海と向き合う写真家・ 芝田満之撮影によるハワイイの光と波との幸福なコラボレーション。
  • アメリカの夜
    3.8
    新次元への扉を開く小説の最進化形! 本当の自分を勝ち取るため、青年は頭と体を鍛え闘いの火蓋を切る。 映画学校を卒業し、アルバイト生活を続ける中山唯生。芸術を志す多くの若者と同じく、彼も自分がより「特別な存在」でありたいと願っていた。そのために唯生はひたすら体を鍛え、思索にふける。閉塞感を強めるこの社会の中で本当に目指すべき存在とは何か?新時代の文学を切り拓く群像新人文学賞受賞作。
  • 野獣は甦える
    4.0
    アメリカに潜伏していた伊達邦彦が日本に帰ってきた! 国家安全保障局の罠に陥ち、その指揮下に置かれた邦彦は、組織の情報提供者として日本に滞在する。だが、返還までに日本に拠点を築こうとする香港マフィア「珠江」が接触をはかってきた!? 宿敵の総会屋・秋月との対決、非情の野獣が甦る傑作。
  • 月を撃つ男
    -
    かつて、戦闘機で夜空を翔(か)け昇り、月を撃ち落とそうとした大尉がいた。その孫である刑事・貴舟玄舟(きふねげんしゅう)は、ある日、何者かに拉致され一億円で命を賭けた死のゲームを受け、旅立つ。逃避行中、彼は偏屈な老人や謎の美女に救(たす)けられ、追走劇の裏で蠢(うごめ)く組織を知る。玄舟は、組織の巨大な謀略を暴(あば)こうとするが……。壮大な構想で描く、長編ハード・サスペンス。
  • 虹を蹴る
    4.5
    元強豪・央学高校ラグビー部は、いまや勝ちなしの危機に瀕していた。「来るんじゃなかった」倒れた母の代理でラグビー部の寮母になった瑞希にも、覇気のない少年たちにしか見えなかった。――あのプレイを見るまでは。天才肌のスタンドオフ・逸哉と人知れず努力を重ねるウィング・龍之介。心揺さぶられる瑞希。いつしかラグビーへの想いが、三人を変えていき――?
  • 春のいそぎ
    3.8
    昭和20年、終戦の日に父が自決。それは6歳の数馬(かずま)に大きな傷を与えた。成人しても信ずるものは、屏風に張る金箔の美のみ。だが、傷を負ったのは、数馬だけではなかった。姉・篤子、保江もそれぞれ不倫関係を重ね、不毛な愛に溺れてゆく。鎌倉を舞台に、滅びというテーマを、愛憎を通して描いた不朽の名作。美しくも哀しくもある純愛のかたち!
  • 気まぐれにフリースロウ
    -
    肉体を酷使する快感を通じて、現代人の不思議な生態が浮かび上がる。もう若くはない男たちが始めたバスケットボール、殴られ役のアジア人ボクサーがリングで知る真実、フリーターが挑むトライアスロン……。スポーツと関わる男たちは、なぜか哀しく、そして美しい。硬質の文体で、奇妙な味わいを醸し出す小説集。スポーツと男たちを結ぶ奇妙な悦びと哀しみ、現代の生のありようを探ったスポーツ小説!
  • 華炎 KAEN えろちっく俳諷一行詩/江戸・おんなの恋路
    -
    秘すれば花――着物をまとった江戸の女の「ひとりの時」を描いた江戸俳諷一行詩と艶色イラストの魅惑の世界!

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  • 北北東の風、マイナス三度
    -
    新しい都会小説のジャンルをひらく、山際淳司の処女小説集。冷たい風が北北東から吹き、上空1500メートルの気温がマイナス3度を下回ると、東京を春先の雪が包む。大都市の空中楼閣で季節はずれの舞いを見せる男と女、ひび割れた日常の中での、つかのまの透明な時間……。「人工海浜」「事件」「桜売」「タンゴ」など、奇妙な味の連作東京物語12編。現代の都会人の風景を描く、新しい都会小説の味!
  • 川波抄・春の歌
    -
    隅田川を心のふるさととした明治・大正の東京の情趣が、若い日の「私」の歳月と交錯し、失われた時間に寄せる、想いの光と影を清婉に織りなす「川波抄」、さまざまな歴史を包みこんだ女の、不気味な明るさを湛えた晩年の性を描く「春の歌」など、円地文学の多様な才華と幽玄な到達点を鮮かに示す、傑作全9編を精選。
  • 能登路悲恋
    -
    愛を失い恋に傷ついた美しい画学生は、いとこの詩「愛の空 恋の森」に触発されて、能登へ旅立つ。彼女がそこで邂逅したのは、野性的な若者だった。いつしか二人の心は激しく燃え、火の接吻を……。が、その若者には罪深い過去のあることを知る。能登半島を舞台に、人間とは?美とは?を問うた、新鋭の悲恋物語。
  • 神話
    -
    子供たちにとって、母親はかつて美しい娘であり、父親は雄々しい若者であった、という神話が断じて必要だ――核家族を象徴する団地を舞台に、現代の親子の関係を描いた「神話」。妻の影響を受けて変わる夫という面から結婚生活を追求した「偕老同穴」。大学の教師と学生の奇妙な共感を描いた「師弟」。ほか3篇を収録。
  • 夕雨子
    -
    遠い、北の町の盛り場で、ステージに立ち、酔客相手に裸身をさらす、踊り子ひとり。地方のクラブやキャバレーをまわる、ヌード・ダンサーの夕雨子だ。踊り子だった母が、呉服屋の息子と恋をして、生んだ娘。彼女がどんな哀しみにみちた過去を抱いているのか、客はだれも気にしない。しょせん彼女は流浪の芸人であり、風でしかないのだ。そして月日が残酷に移ろってゆく。けなげな踊り子の人生哀歓を、美しい抒情性とリリシズムあふれる澄明な筆致で綴った、連作小説集。
  • 瑕庇物件ルームホッパー 但し、幽霊在住に限ります
    4.0
    二十六歳の青年・瀬山冬は、幼い頃から他人には見えないものが見えたために人間関係を上手く築けず、勤め先が倒産してからはひきこもっていた。貯金も尽き家賃も払えなくなっていたところ、人材派遣会社を経営する羽塔花純という謎めいた女に、死者の霊がいる家に住んで「死の瞬間」を報告する仕事を押しつけられる。もとの部屋は勝手に引き払われ、断れない状況で…?
  • ニセモノの妻(新潮文庫)
    3.5
    「もしかして、私、ニセモノなんじゃない?」妻と思ってきた女の衝撃的な一言で始まったホンモノの妻捜し。けれど僕はいったい誰を愛してきたのだろう(「ニセモノの妻」)。ある日、仲睦まじい夫婦の妻だけが時間のひずみに囚われてしまった。共に明日を迎えられない彼女のために夫がとった行動は――(「断層」)。その他、非日常に巻き込まれた4組の夫婦の、不思議で時に切なく温かな短編集。(解説・中江有里)
  • 快楽デパート
    -
    まもなく歴史に幕を下ろすデパートに勤めるベテランの小川次郎は、占いコーナーで働いている占い師の由良子の誘惑に負けて抱いてしまう。うっとり余韻に浸っていたが、我に帰ると四十年前の新人時代に戻っていた。若返った次郎は、思いを寄せていた同期社員や美人上司、巨乳のパート、営業に来た処女のアイドルと……。傑作タイムスリップ官能!
  • かすてぃら
    3.8
    1巻605円 (税込)
    さだまさし初の自伝的実名小説、遂に文庫化。 昭和30年代、長崎。カステラの香りに包まれた記憶の中には、明るくて、ちょっと迷惑で、それでも皆から愛された破天荒な父と、振り回された家族の姿があった――。シンガーソングライターとして作家として、家族を巡る珠玉の名作を紡いできたさだまさしが父に捧ぐ、「もうひとつの“精霊流し”」。2012年4月10日、自身の還暦誕生日に上梓された、著者初の自伝的実目小説が遂に文庫化。7月7日からNHKBSプレミアムドラマにて遂に連続ドラマ化(主演・遠藤憲一、脚本・羽原大介『パッチギ!』『フラガール』他)。この夏、日本中の涙を誘います。(2013年6月発表作品)
  • 愛とおそれと
    -
    自殺未遂に追いやられた高校生の息子。家族が新しい母を迎えた日から予測されたことなのか。お互いの気くばりや思いやりが微妙にくい違って、小さな波紋が輪を拡げていったすえの事件だった。愛はおそれや痛みを伴うものなのだろう。娘の恋愛もからませ、人と人とのつながりを暖かくこまやかな筆致で描いた、テレビドラマ化もされた名編。
  • ヒトはなぜ子育てが下手か
    4.0
    人間や動物にとって重要な問題である「生殖」から「子育て」まで、動物たちの生きる姿をさまざまな側面から見て、さらにその本質に迫りながら、われわれ人間社会と比較してみる。動物とヒトの子育てを対比しながら、人間社会における本当の子育てとは、また真の親子関係はどうあるべきかを追究・考察する、親子動物記。
  • はんぶんこの、おぼろくん
    値引きあり
    -
    1巻605円 (税込)
    大好きな人を大切にするのは、 当たり前のようでいて、すごく難しい。 高校生になった小春は生まれて初めて恋をした。 隣の席の“おぼろくん”。体は男の子、心は女の子―― 女装して歩くおぼろくんの助けになりたくて、 小春は兄の美容院へ彼を連れて行く。 「お兄ちゃん、おぼろくんをもっと綺麗にしてあげて」 恋心を伝えられないまま、小春とおぼろくんは 徐々に距離を縮めていく――。
  • 孤独の吠え声
    -
    日本狼の烈しい闘争心と、犬の賢さをあわせもつ、ハイブリッド狼・虎毛。陸奥の大自然を舞台に、虎毛は生きるため恋のために戦いつづけ、山の覇者となる。だが、狼たちの王国は人間の手で無残に侵され、虎毛もついに罠におちる。異国の空に響く虎毛の老残の吠え声、その悽愴な旋律に滅びゆく種への哀惜をこめた、動物小説の名篇。動物文学の第一人者が絶滅した種にささげる野生のロマン!
  • 秘密のチョコレート チョコレート小説アンソロジー
    3.6
    憧れだった彼の無理難題に応えようとした少女の一大決心。雪の日助けられた少年が心を込めて作る贈り物。冬休みの宿題と大人の恋愛成就に奮闘する姉弟。新吉原の花魁・玉扇が見つけた本当の愛。秘かに想うショコラティエは姉の恋人……かけがえのない気持ちといつも一緒。チョコレートにまつわる愛と涙と笑顔に満ちた珠玉の短編集。甘くほろ苦い秘密の5粒をどうぞ。 【目次】プラリネ(櫻川さなぎ)/かぐや姫のチョコレート(今野緒雪)/ちょこれいと六区~うちの悪魔で天使な弟が~(我鳥彩子)/花わずらい(はるおかりの)/2/14(岩本薫)
  • 今日は天気がいいので上司を撲殺しようと思います
    4.0
    些細なことから上司・岸本の執拗な嫌がらせを受けるようになった玲美。疲弊しきった玲美は、彼を殺したいと夢想するようになる。こいつの頭をぐしゃりと潰してやれたら――。業績を掠め取る係長、若い女子を目の敵にするお局、会社に寄生する豚野郎。こんな最低なヤツらが迎える結末とは!? 会社で頑張るすべての人々に捧げる、ちょっとブラックなお仕事小説! 【目次】今日は天気がいいので上司を撲殺しようと思います/天井の梁/引き継がれ書
  • 女からの声
    -
    壊れかけている自分への痛切な思いを抱えて生きる〈ぼく〉。真実の絆を追って遍歴する妻の〈ナホミ〉。それぞれに性愛の相手を求め、さまよいつづける。ニューヨーク、小笠原、東京、ネパール、アフガニスタン……と孤独な旅は続く。芥川賞作家・青野聰が、根元的な生の実現を求める人間たちの魂の彷徨を、濃密な文体で綴った長編小説。
  • P+D BOOKS 強力伝 ~二十世紀最後の職人の魂~
    4.0
    1巻605円 (税込)
    山岳小説の白眉「強力伝」ほか4作の傑作選。 男はなぜ180キロもある巨石を背負って白馬山頂を目指したのか……?  徹底的な取材に基づいて実在の人物像に迫り、この無謀な計画がもたらした悲劇と男の友情を描いて“山岳小説の白眉”と称された著者処女作「強力伝」(第34回直木賞受賞作)。 ほかに、極寒の富士山に挑む気象観測官の物語「凍傷」や、「春富士遭難」、「殉職」、「新雪なだれ」と、いずれも富士山を舞台に過酷な自然と闘う人間の壮絶なドラマを描く4作品で構成された[新田次郎山岳小説・傑作選]。登山家・今井通子氏による1995年当時の解説も再収録。
  • ディーセント・ワーク・ガーディアン
    4.0
    1巻605円 (税込)
    人は、生きるために働いている。だから、仕事で死んではいけないんだ――。労働基準監督官である三村は、〈普通に働いて、普通に暮らせる〉社会をめざして、日々奮闘している。時には刑事とコンビを組み、工場内で起きた密室殺人の謎に挑むことも。職務にまっすぐな情熱を捧げる姿が眩しい、エンターテインメントお仕事小説!
  • バージンパンケーキ国分寺
    3.8
    女子高生のみほは、幼なじみの明日太郎が親友の久美とつきあいはじめてから、もやもやしてばかり。そんなとき、不思議なパンケーキ屋さんと出会う。くもりの日しか現れず、非処女のお客さんにだけドアベルが鳴るその店には、ポーカーフェイスな店主・まぶと、個性豊かなお客さんたちがいて──。恋と友情に悩むみほの見つけ出した答えと、お店の秘密が胸を甘く焦がす、特別なひと夏の物語。
  • 卍ともえ
    -
    大阪・天満、油問屋の黄櫨屋(はぜや)は、人骨を使っての精油法を秘伝とし、天運来福、殷賑をきわめていた。人骨は、墓をあばいて集められたゆえ、骨にまつわる幾百、幾千の男女の怨霊は、黄櫨屋一門にとりつき、狂乱の渦に投げ込む。近親相姦、墓あばき、骨集め、惨殺など、戦慄の地獄絵図が、著者独自の幻想世界を構築する。
  • 舞え舞え断崖
    4.3
    その昔、金精神の祠があったという断崖。一愛読者からの手紙が縁で、断崖の上下に住むことになった閨秀詩人・日折真船と画家・流子の姉妹。二人はともに妖精をモチーフに名を成した。妖精にまつわる遠い過去の記憶を秘めて……という表題作のほかに、「女形の橋」など艶にして妖、情念の襞にせまる珠玉の6編も収録した、伝奇ロマンの傑作小説集。
  • 獣林寺妖変
    4.2
    関ケ原合戦のおり、千数百名の軍兵の血を吸って落城した伏見桃山城。その床板を使った洛北の禅寺・獣林寺の血天井を学術調査中、ルミノール鑑定にひときわ青く燃えたって発見された、新しい血の斑痕……歌舞伎の魔に挑み、燃え朽ちていった魂の咆哮を描く表題作のほか、「ニジンスキーの手」「禽獣の門」「殺し蜜狂い蜜」の阿片的魅力の代表作3篇も収めた、伝奇ロマン傑作小説集。
  • 経営者失格
    -
    有名デザイナーである社長親子の芸術路線と、経済観念を見失った超一流意識。そのあまりに経営基盤の脆弱さが見えるモード企業との業務提携に、異を唱えてはみたものの……。ヤングファッションを華々しくリードして一世を風靡したVANの倒産劇をモデルに、日本のミドルが負わされる責任と悲哀を描いた企業小説。
  • 猫まみれの日々 猫小説アンソロジー
    4.3
    猫専用の洋裁店を訪れる客たちとそれぞれが選ぶ生き方、NOと言えない女性が出会った『見えるひとにしか見えない』猫、なぜかイケメン同期の飼い猫の世話係に選ばれたOL、愛猫家の店長が営む喫茶店の常連客になったお嬢様、元捨て猫にまつわる「ありがとう」の言葉たち―――人気作家が描く、どこかにあるかもしれない猫と誰かの日々。好評につき第二弾が登場! 【目次】猫町洋裁店(かたやま和華)/猫又の小料理屋さん(水島 忍)/七匹もいる!(毛利志生子)/Cafeトラ猫のマスターは猫を愛しすぎている(秋杜フユ)/ありがとう(前田珠子)
  • 工場(新潮文庫)
    3.5
    大河が南北を隔てる巨大工場は、ひとつの街に匹敵する規模をもち、環境に順応した固有動物さえ生息する。ここで牛山佳子は書類廃棄に励み、佳子の兄は雑多な書類に赤字を施し、古笛青年は屋上緑化に相応しいコケを探す。しかし、精励するほどに謎はきざす。この仕事はなぜ必要なのか……。緻密に描き出される職場に、夢想のような日常が浮かぶ表題作ほか2作。新潮新人賞、織田作之助賞受賞。(解説・金井美恵子)
  • アンダルシア幻花祭
    -
    白い家、パティオ、咲き乱れる花に注ぐ熱い陽光――スペイン南部アンダルシアに魅せられ、踊り手をめざした日本青年は、恋人すら捨てて旅立つ。そして数年後、恋人になり代った女性が、青年のあとを追ってスペインへ。彼女が見た美しい風景と酷薄な現実とは? 異国の魔力に翻弄された若い魂を描く表題作のほか、独得の妖美譚を4作収録。妖美と幻想があやなす独特の青春小説集。
  • 梅は匂い 人はこころ
    4.0
    常務の彼を、多くの社員はまだ「英三さん」と呼んだ。経営者の一族でありながら、工場育ちで飾り気のない人柄がそう呼ばせた。戦後、退社を決意していた彼を会社に引き戻したのは、心情を一にしていた部下たちだった。しかし競争激化、新製品開発、流通改革の戦後史は熾烈だった。花王石鹸元社長・伊藤英三を描く傑作評伝小説。逞しくも爽やかな男の一生!
  • 心に龍をちりばめて(新潮文庫)
    3.5
    小柳美帆はエリート記者の黒川丈二との結婚を目前に、故郷の福岡で同級生の仲間優司と再会する。中学時代「俺は、お前のためならいつでも死んでやる」と唐突に謎の言葉を口走った優司。今その背中に大きな龍の刺青と計り知れぬ過去を背負っていた。時間や理屈を超え、二人の心に働く不思議な引力の正体とは――恋より底深いつながりの核心に迫り、運命の相手の存在を確信させる傑作。
  • あやまちは夜にしか起こらないから(新潮文庫)
    5.0
    1巻605円 (税込)
    私の二番目の恋人(セカンダリー)になってください――自由な校風の私立学園の新任教師・佐竹は妖艶な音楽教師・万輝と一夜の関係を持つが、彼女の一言で運命が狂っていく。癒し系の家庭科教師・雪乃の性戯を愉しみながらも、万輝が忘れられない佐竹。やがてその学園にはポリアモリーという性愛が横行することが判明。その渦に巻き込まれていくが、快楽の極みは悲劇の幕開けだった。官能ロマンの衝撃作!
  • アメリカ最後の実験(新潮文庫)
    3.7
    音楽家の父を探すため、アメリカの難関音楽学校を受験した脩。癖のある受験生や型破りな試験に対峙する中、会場で「アメリカ最初の実験」と謎のメッセージが残された殺人事件が発生。やがて第二、第三と全米へ連鎖していくその事件に巻き込まれた脩は、かつて父と仲間が音楽によって果たそうとした夢こそが事件に深く関わっていたと知る。気鋭の作家が描く全く新しい音楽小説、ここに誕生!(解説・吉田隆一)
  • 小説 初めて恋をした日に読む話
    4.7
    【TVドラマ化の人気コミックスが小説に!】塾講師の仕事も婚活もドン詰まりな春見順子(31歳)。親の期待に応えようとガリ勉づくしの青春時代を送り、東大受験をしたが失敗し、その後もパッとしない生活を送ってきた。そんな彼女の前にピンクの頭をした不良高校生・由利匡平が突如現れ「俺を、東大に入れてくんない?」と言ってきたその日から、順子の人生が大激変!?
  • キッチン・ブルー(新潮文庫)
    3.6
    つまんない子、いつもそう言われてきた――。灯(とも)は飲み会も女子会もNG、とにかく他人と食事を共にすることができない「会食不全症候群」。この性分のせいで職を変え、恋にも無縁。けれど仕事で知り合った蝦名(えびな)から夕食に誘われて……。食べることは生きること。「食」に憂鬱を抱えた6人が、ユニークでタフな方法で、悩みに立ち向かってゆく。つい頑張ってしまう人に贈る、幸せごはん小説!(解説・乾ルカ)
  • 坊っちゃん社員
    3.0
    太陽工業株式会社の新入社員・昭和太郎は、根っからの江戸っ子で、自然児のごとく振舞う。田舎のN町の工場に赴任そうそう、芸者と輪タクに相乗りしたり、ボス相手に乱闘したり、その奇行が町でも会社でも話題になる。そして、町での武勇伝が新聞にのり、会社からは要注意人物視される。だが、このアウトサイダーは、いつしか会社にとってかけがえのない重要人物になっていく。その起伏に富んだ過程を描く、ほほえましい痛快小説。
  • 青い果実
    -
    金満家の娘を独占しようと奇行を演ずる町の青年たち。ダラクしたそれらの青年たちにレジスタンスする町の娘たち。ちょうどその頃、若い青年医師が東京から帰郷したことにより、波紋はますます大きな輪を描く……。海に近い小さな町に起った珍騒動を、軽快なタッチで描いた痛快小説。
  • 海に降る雪
    -
    二人の愛の巣は線路ぎわ、電車が通るたびゆれる小さな部屋。大都会・東京のすみっこで結ばれて、青春をいちずに生きる、塩子と裕一のかけがえのない時間。だが、心のボタンをいつ掛け違えたのか。彼女が変ったのでも、彼がそむいたのでもないけれど、あんなにはずんでいた塩子が貝になる。……信じることの困難な現代に、愛の神話を希求する青春恋愛小説。こんな恋がめばえたら、あなたならどう育てますか?
  • ヨーロッパ無宿
    -
    遠旗健士、29歳、元ヨーロッパ駐在の商社マン。経済大国・日本の尖兵として、ビジネスの前線に派遣されたエリート社員であったのだが、最愛の恋人を無惨な事故で失ってからは、あてどもないヨーロッパ無宿の旅へ……。彼の護身の唯一の武器は、パイプのハロードニェフ。恋人への追憶を胸に秘めながら、さすらう男の孤独の冒険行を活写する、ハードボイルドの傑作!

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