さよなら『にんじん』
ということで「あら、素敵な本棚ね。と思われたくて読み直す世界の名作シリーズ」第一弾『にんじん』です
以前から気になっていた「光文社古典新訳文庫」名作と呼ばれるようなんは一通り読んでるんですが、やっぱりあらかた中身は忘れちゃってるので、せっかくなら【新訳】で気長に読み直そうと
...続きを読む思い立ち、馬鹿みたいに手を広げておりますw
本当は『あしながおじさん』が気になってたんですが、みんみんの読書ストーカーと思われたらプライドが許さないので、やっぱり中身は忘れちゃってるんですが、子供の頃大好きだった記憶だけは残ってるフランスはルナールの『にんじん』からです
なぜ大好きだったかとうっすら残る記憶を紐解くと、主人公の少年にうっすら自分を重ねてたんだと思うんですよね
と、思って読み直したら、あれれ?にんじんめちゃめちゃ姉兄、母親にいじめられてるやん
しかもそのうっぷんを晴らすのににんじん自身も小動物を虐待してるし
結末もハッピーエンドに程遠い
確かに一番上にお姉ちゃん、次にお兄ちゃんで末っ子っていう家族構成と、にんじんの頑固で理屈っぽく、空想癖があってちょっと嘘つきってのは子供の頃の自分に重なるけど
父母はもちろん姉兄にも愛され守られた記憶しかないぞ?めっちゃ甘やかされたし
おかしいな
たぶんあれだな
兄貴に些細な意地悪をされたりゲームの順番守ってくれなかったり
お姉ちゃんとお風呂に入って頭をちゃんと洗わなくて叱られたり
母親によく出来たテストを思ったほど褒めてもらえなかったり
父親が遊びに連れて行ってくれる約束を守ってくれなかったりしたときの気持ちを意地になって広げてただけな気がするわ
ごめん、にんじん
わし君とは全然違ったわ
たぶんルナールの主題とは全然違うところに着地してるのは充分承知してるけど
今になって愛された子供時代を再認識してるわ
さよなら『にんじん』