国内小説作品一覧
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-父を「あなた」と呼ぶ娘が差し出す、スプーン一杯の光 不思議な短編である。不安定の中に 一時的にできたエアポケット、あるいは台風の眼、のようにも見えるし、 案外、これはこれでゆるぎない安定のようにも見える。 高原のコテージに複数の夫婦が集まり、その中で最も落ち着いているのは 14歳の少女であるように見える。彼女が「あなた」と呼ぶ男との関係は このあと果たしてどうなるのか、それはわからない。 お気に入りの紅茶を淹れ、スプーンに「ほら」とばかり 月を映してみせる14歳の心の中は誰にも予測できない。 【著者】 片岡義男 1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。http://kataokayoshio.com/
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3.8中学受験があぶりだす、母のエゴと娘の闇。 良子は夫と小学4年生の娘・菜摘と暮らす、ごく平凡な主婦。何事にも消極的な我が子の性格に少々不満はあるものの穏やかな日々を送っていた。 優秀な娘を持つセレブなママ友・麗香は娘が赤ちゃんの頃から仲良しで、憧れの存在でもある。彼女の勧めで菜摘は中学受験に挑戦することに。麗香の娘・涼香と同じ塾に通えることに喜び勉強に励むと、菜摘は意外な才能を開花させ、39しかなかった偏差値をみるみる上げていったのだ。 我が子の可能性に舞い上がった良子は麗香に菜摘の成績をさりげなく自慢する。すると麗香の態度は一変、良子を無視し、ママ友とのランチ会で良子を貶める発言をするほどまでに。 私と仲良くしていたのは、愚かな母娘を見て優越感に浸りたかっただけ……。これまでの憧れと信頼の深さゆえに、そう悟った良子の反動は大きかった。麗香を見返す。成績を伸ばし涼香に勝つことこそ、菜摘の将来のため。決意した良子は娘に勉強を強い、その教育熱は次第にエスカレートしていく。やがてそれは思いもよらぬ悲劇を招くのだった。 「どこかの家庭で今まさに起きているのでは」と思わせる、リアルな恐怖が読者の心に爪痕を残す衝撃作!
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3.5太平洋の赤道直下に浮かぶ、名前のない小さな島。そこには教会があり、神父とわずかな島民が暮らし、訪れるどんな二人も祝福され、結婚式を挙げることができる。同性愛、近親愛、不倫愛、そこではあらゆる愛が許される――二人が、本当に愛し合っている限り。 その島を訪れる、父親と娘。それから姉と弟。ある者は愛の存在証明のために。またある者は不在証明のために。様々なものを見失って渇いた者たちの、いのちと時間がその場所で交錯する。
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-「私――普通の人類に戻ります」。その日、伝説のアイドルユニット・リリーズの國府田恵(こうだめぐみ)は、永遠にステージを去っていった――。一人残された愛星理咲(あいほしりざ)は、恵の行方を案じつつソロ活動を続けていたが、そんな彼女の前に、恵の居場所を知るという少女が現れる。少女の狙いは何なのか。そして彼女たち「アイドル」の正体とは……? 『なめらかな世界と、その敵』の著者が贈る、新時代のSFアイドル小説! カバーイラスト:掃除朋具 ※本作品は「小説すばる」2020年6・7月合併号掲載の中編小説を電子書籍化しました。
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3.9榎本帆奈は驚いた。金曜日の夜、行きつけのバーで隣り合ったハンサムな男性は、死神だったからだ。帆奈に召喚されたという死神は、いままで一度も“幸せ”を感じたことがないらしい。なぜなら“幸せ”を感じた瞬間、死神は……「幸せな死神」。池内雅人は貧しかった。貧乏神に取り憑かれていたのだ。ツキに見放された人生だったが、そんな人生を自ら<小吉人生>と称して楽観視していた。一方、貧乏神には雅人に取り憑かなければならない“理由”があった。なぜなら雅人が並々ならぬ……「貧乏神の災難」。人は時に、感謝したり、絶望したり、大事なものを見失いかけたりするもの。そんな人々の前に現れる神様の「意外な目的」が胸を打つ。「東京バンドワゴン」シリーズで人気の著者が紡いだちょっぴりひねりを利かせた短篇集。
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4.0※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 さよなら。でも、この人を好きになってよかった。――140字で綴られる、出会いと別れ、そして再会。(以下、本文『別れの挨拶』引用)「またね」それが彼とお決まりの挨拶だった。また次の機会にね、そんな意味を込めて。互いに進路が変わっても、恋人ができても、いつだって次があると思ってた。でも。「ずっと好きでした」「ごめん、俺結婚するんだ」一歩踏み出そうとした日、彼との距離を誤って。その日最後の挨拶は「さようなら」
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3.8“愛のわからないかわいそうな子”そう言われたのは、ある雑誌の相談コーナーに援助交際をしていた事実を投稿したときのことである。夏樹は17歳のときからたくさんの男と寝ていた。好きでもない人、ただの友達、友達の彼氏、よく知らない人。そこに何を求めていたのか。当時の彼女には分からなかった。 27歳となった今、都内の書店で働いている。“愛”を探しに本へ迷い、書店で働くことを選んだ。しかし、今でも人間関係がうまく築けないでいた。寂しさを紛らわすため、既婚者や出版社の営業の男性と付き合い関係を持つ。だが、心の隙間は埋まらない。 ある日、夏樹は店で中年女性の万引きを目撃する。大学教授の妻である彼女の家を訪れた夏樹は、高校生の息子・光治と出会う。学校でのいじめに耐えながら、気丈に崩壊家庭を立て直そうとする光治に、夏樹は強く心を惹かれていく。 援交、いじめ、荒れ、DV、セクハラ、主婦症候群……。現代のさまざまな問題に揉まれながらも、もがき進む力強い小説。
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3.8ベストセラーになった『ボクたちはみんな大人になれなかった』の 燃え殻による、待望の第2作! ほぼ忘れてしまった出来事だらけで、文章の途中で立ち止まってしまった。やっぱり書いておいてよかった。あの夜、編集のTさんに無理やり誘ってもらってよかった。だって良いことも悪いことも、そのうち僕たちはすべて忘れてしまうから。―――――本書より いまはもうない喫茶店、帰りがけの駅のホーム、予定のなかったクリスマスイブ、入院した病院の天井、安いビジネスホテルの廊下、知らない街のクラブ、朝のコンビニの最後尾、新幹線こだまの自由席、民宿の窓でふくらむ白いカーテン、居場所のないパーティー会場――。 ふとした瞬間におとずれる、もう戻れない日々との再会。ときに狼狽え、ときに心揺さぶられながら、すべて忘れてしまう日常にささやかな抵抗を試みる「断片的回顧録」。 装画は『おしゃれ手帖』『ギャラクシー銀座』『クリームソーダシティ』などで知られる漫画家、長尾謙一郎
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4.0レオは、自他ともに認めるイケてる中学2年生。軽音部ではメインボーカルだし、運動だってできる。トークスキルもばつぐんだし、みんなが自分を頼ってくるのも当然だ。学校でひとりになることほど、こわいものはない。だから、一人でいることを気にしていない風の藍上が気になる。クラスのやつにこれ以上いじめられないように、藍上を軽音部に誘うが……。ちょっとしたことから、クラスの最下層に転落したレオ。自分といることで、人気者にしてやろうと、無意識に見下していた藍上にも去られてしまう。どうする、レオ!最後まで一瞬も目が離せない、ちょっぴり切なく、さわやかな読後感のYA小説! この本は、読み終わったら、必ず、読み返したくなる!
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-みんな、見ろ。はよ気づけ。おれは、元芸人・現清掃員。舞台を失った男に、夕焼けがスポットライトを落とす。 \ 岸田奈美・短編小説シリーズ、電子版限定刊行! / 【あらすじ】 元芸人の田所光は、今や団地の清掃員。かつてのようにスポットライトを浴びることが生きる理由やと思っていたが、今ではもう、誰にも見られへん。薄暗い階段の汚れを黙々と落とす毎日だ。 そんな田所の前に現れるのは、同僚の八野。要領も悪く、住人に絡まれてばかりなのに、なぜか楽しそうにゴミを拾い、落ち葉を掃く。その姿が、田所にはどうしても癇に障る。 やがて、かつての仲間との再会、自分の選んだ道と過去の失敗の直視。鬱屈した翌朝、八野が欠勤したことで、田所は彼の「秘密」を知ってしまう──。 【読者の声】 「どんな場所でも光を見つけられる強さにハッと。スピード感ある文章なのに、じんわり沁みる読後感が新鮮!」 「ギスギスした空気が、いつの間にか心を温める物語に。誰にも褒められない仕事に宿る力を感じました。」 「主人公の気づきの瞬間に胸が熱い。きれいごとではない優しさがリアルで、余韻も残ります。」 「情景と人物のコントラストが鮮やかで、自分の人生を重ねて読んでいました。短編だからこその濃さが心に染みる。」 多様な人のやさしさを描いてきた岸田奈美が、清掃業という人目につかない仕事の中にこそある光を見つめ、「人にスポットライトが当たる」という瞬間を描く。大きくはないけれど、確かな希望がそこにある。
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3.6「寂しい大人になりたくない」吉谷美鈴。 「馬鹿な大人になりたくない」雨宮達彦。 「ぼくは一体、どんな大人になりたいんだろう」と、本書の主人公・秋庭樹。 中学2年の4月、進路指導調査書を白紙で提出したことを、担任からとがめられ、樹は自分の将来について、否応なしに考え始める。 実業家である父親は、小さな建設会社を足場に、高利の貸付、土地の売買、レストラン・スナックの経営などで成功をおさめていたが、地元の人からはよく思われてない。 父が経営する店の一つ、トップレスバー〈フラワーヘブン〉の踊り子・ナンシーさんの踊りを見て以来、彼女のことが気になって仕方がない――。 幼なじみである、成績抜群なのにどこか冷めている達彦・病弱な母に変わって家庭をやりくりする美鈴。地方都市の小さな町を舞台に、中学2年生の幼馴染み3人組が、迷い、悩み、成長していく姿を瑞々しく描く。 文庫化を機に、19年ぶりに大幅改稿。5年後の3人を描いた中篇「フラワーヘブン」を特別収録。あさのあつこの原点ともいえる、傑作青春小説。
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-スポーツと気晴らしのほかに、何も必要ではない 君を喩えるならスポーツだ。君はほんの気晴らしだ。 もしそんなふうに男から面と向かって言われたら 実際にはほとんどの女性は腹を立てるかもしれない。 しかしそのスポーツも気晴らしも 人生においてそれ以上価値のあるものがない至高の存在だとしたら? いや、スポーツにも気晴らしにも「至高」は似合わない。 聡明な2人の女性と、たぶん女性たちほど聡明ではないが その女性たちから愛されている2人の男たち、その4人の物語。 歳月はあっという間に10年経過し、しかしこのベスト・ユニットは崩れない。 【著者】 片岡義男 1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。http://kataokayoshio.com/
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3.5わずかな油断や予想外のアクシデントなど、さまざまな理由で人は挫折を経験する。そんなとき、誰しも「もうおしまいだ」と、心が折れそうになるだろう。けれど、どんなときにも必ず光明はある。希望を捨てなければ――。 この物語の主人公は、いずれは日本を代表するバドミントン選手になると将来を嘱望された少年。しかし彼は、ある事故によって、スポーツ選手として致命的なケガを負ってしまう。誰もが絶望する中、彼自身は諦めなかった。 少年は奇跡を追って、再び走り出す。もう一度、空高く翔ぶために。
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-※本書は映画原作以下3タイトルを収録した電子書籍合本版です。 <収録タイトル> ・スマホを落としただけなのに ・スマホを落としただけなのに 囚われの殺人鬼 ・スマホを落としただけなのに 戦慄するメガロポリス 麻美の彼氏の富田がタクシーの中でスマホを落としたことが、すべての始まりだった。拾い主の男はスマホを返却するが、男の正体は狡猾なハッカー。麻美を気に入った男は、麻美の人間関係を監視し始める。セキュリティを丸裸にされた富田のスマホが、身近なSNSを介して麻美を陥れる凶器へと変わっていく。一方、神奈川の山中では身元不明の女性の死体が次々と発見され……。
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3.7映画化も大ヒット!累計100万部突破の人気シリーズ最新刊 ある朝目覚めると、首を吊った母親を発見した佐藤翔太。身寄りのない小学生の翔太は養護施設に送られ、そこでヨシハルという少年に出会う。そして、彼が翔太と距離を縮めて殺人を促したことで、翔太はとある殺人に加担することになり……。スマホを駆使した詐欺や暴行、殺人を繰り返してきた「怪物」の正体とは。黒髪の女性ばかりを凄惨な方法で殺害した連続殺人鬼が生まれるまでの物語。 (著者情報) 志駕 晃(しが・あきら) 1963年生まれ。明治大学商学部卒業。第15回『このミステリーがすごい!』大賞・隠し玉として、『スマホを落としただけなのに』で2017年にデビュー。他の著書に『ちょっと一杯のはずだったのに』『スマホを落としただけなのに 囚われの殺人鬼』『スマホを落としただけなのに 戦慄するメガロポリス』(以上、宝島社文庫)、『そしてあなたも騙される』(幻冬舎)などがある。
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3.0あたし、一流のヘラ絞り職人になる! 小倉ひかりは、高校卒業後地元の洋菓子会社に就職したが、ある失敗をきっかけにそこを辞め、ツブラヤ絞に頼み込んで見習いとして入社する。ツブラヤ絞は、父の安太郎が勤めていたが、ひかりが9歳のときに失踪していた。 ひかりは天才的なヘラ絞り職人だった父のことが知りたい、父に会えるかも知れないという思いで、同じ会社に入ったのだ。突然いなくなったことで会社に損害を与えた父を良く思わない社長の妻志麻や、娘のカスミは、ひかりに冷淡だった。しかし、ヘラ絞りに夢中になるひかりはめざましい上達を遂げ、皆から認められるようになる。 数年後の真冬のある日、ひかりにテレビ出演の話が舞い込む。それは、旋盤工の職人と同じ題材作りで対決してほしいというものだった。父が見るかもしれないと考え、引き受けたひかりは、その勝負に勝てるのか。 そして、宇宙の謎解明につながる大きなプロジェクトに関連する仕事が、ひかりに届く。今度は、同じヘラ絞り職人との対決に勝つというのが条件だった。勝敗の行方は? さらに、父・安太郎の失踪には、ひかりの知らない衝撃の真実があった――。
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4.0十倉雅和氏(経団連会長・住友化学会長)、絶賛! 「住友の事業精神の原点は、ここにあった」煙害問題の解決、企業の利ではなく人々のために……。“ESGの先駆者”伊庭貞剛の生涯を描き切った感動のノンフィクションノベル。この男なくして「住友」は語れない! 幕末、志士として活動後、司法官となった伊庭貞剛は、叔父で総理事の広瀬宰平に招聘され、住友に入社する。しかし当時の住友は、別子銅山の煙害問題を抱え、さらには宰平の独断専行が目にあまるほどであった。住友財閥の中にありながらも、住友を破壊せんばかりの覚悟を持って改革に臨んだ、“住友中興の祖”とよばれる経営者に光をあてた傑作長編小説。
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4.0この男なくして、「住友」は語れない。絶対的権力者の専横、目先の利益を追う者たち……すべてを破壊せねば、再生はできない。危機に瀕した住友を救った“住友中興の祖”伊庭貞剛の、知られざる生涯に迫る感動のノンフィクション・ノベル。住友家二代目総理事として住友銀行創設などの英断を下し、“住友中興の祖”とよばれた伊庭貞剛。彼の人生は、波乱に満ちたものであった――。幕末、志士として活躍したのち、新政府に出仕して司法界に。その後、叔父であり、住友家初代総理事の広瀬宰平に招聘され、住友に入社する。しかし当時の住友は、別子銅山の煙害問題を抱え、さらには宰平の独断専行が目にあまるほどであった。住友財閥の中にありながらも、住友を破壊せんばかりの覚悟を持って改革に臨んだ企業人を描き切った、傑作長編小説。
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3.9岡山から上京して東京の大学に通うぼく・武井武留は、母親を亡くした喪失感のためか、無嗅覚症になっていた。東大で作物の研究をしている親友・六川が、ぼくのために「臭い」の研究もしてくれるが研究所で事故死する。悲嘆にくれていると六川の恋人だったというマリノレイコが現れ、六川からぼく宛の荷物だと言ってシャーレを持ってきてくれる。マリノレイコによるとチーズの匂いがするというシャーベット状の中身に触ったときからぼくの身に異変が起こり始める。最初は犬が騒ぎ出し、次にはぼくの臭いを嗅いだ人がみんな嘔吐。住んでいるマンションに警察が調べに来たり、ついには東京都内を巻き込む異臭騒ぎにまでなってしまう。解決の糸口が見つからないまま、こんどは謎の組織に狙われることになり、なぜか味方になってくれた天才少年たちやマリノレイコといっしょの逃亡劇に!
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5.0※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 選りすぐりの元気の出る話!――自分の生命(いのち)は自分の知力と胆力で守る。最も原初的な真理を思い起こさせる、かずかずの「今は昔」の物語。総ルビつき原文、著者オリジナル現代語訳つき。 ●今をさかのぼること900年前に生きた人々から、たくましく生きる力を吸収しようというのがこの本の目的なのだ。生きるか死ぬかの瀬戸際で知恵と勇気を振り絞って生きのびていく話、苦しみあがいているうちに光明を見出す話、日常のしくじりを好転させる話、降りかかった災難を弁舌や夫婦の力で払いのけていく話などを読むと、不思議に癒され、生きる力がわいてくる。(本文より)
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4.0「悪人のままに生きなさい」 一度は読んでみたい『歎異抄』。 総ルビつき原文と、ていねいな対訳、著者による解説もたっぷり。 読みやすさ、わかりやすさNo.1の「すらすら読める」シリーズを文庫化。 わたしたちは憤るべきです。 『歎異抄』は、親鸞聖人の没後に、その教えが歪められ、曲解され、親鸞聖人の教えとは異なったものになっている現状を歎いてつくられた書物です。では、「歎く」というのは、どのような行為でしょうか。辞書によりますと、”歎く”は「深く悲しむ」とありました。ところが、ある辞書には、「悲しくいきどおる」という意味が出ていました。それを見て、わたしは気づきました。われわれは悲しむだけでは駄目なんだ。『歎異抄』を読むことは、憤ることなんだ、と。ーーひろさちや
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3.8※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 「男もすなる日記(にき)といふものを、女もしてみむ、とて、するなり」。紀貫之が仕掛けたこの「…も…も」に、すべての秘密が隠されている――。総ルビつき原文、著者オリジナル現代語訳付き。面白うてやがて哀しきは『土佐日記』。ユーモア、ギャグ、ジョーク、くすぐり、もじり、洒落、言葉遊び……、そして亡き子を偲ぶシミジミとした情調。リンボウ先生の読み解きで知る、目からうろこの1冊。 ※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字だけを拡大することはできませんので、タブレットサイズの端末での閲読を推奨します。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能も使用できません。
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3.5NHK「100分de名著」でも取り上げられた、『枕草子』を縦横に楽しむ快著が文庫化! 忍ぶ仲のマナー、人としてのエチケット、他者を思いやり感動する心。 現代にも共通する大切なことは、みな、清少納言が書き留めていた。 清少納言の随筆『枕草子』を、男と女のエチケット・人としてのマナーから読み解くと、身近な事柄としてなんと鮮やかによみがえることか! 千年前の古典が現代のわたしたちと見事につながっていく。斬新な視点からの構成、対訳と秀逸な解説で『枕草子』の魅力を余すことなく引き出した快著、待望の文庫化! この本は、現代にも通用する普遍的な側面に注目して『枕草子』を読んでみたものです。読み終わった後、きっと清少納言の率直な発言、鋭い感性や観察眼に魅了されていると思います。私も彼女が大好きです。ーー山口仲美
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-※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 大阪の中小企業で、課長になったばかりの亀井遠士郎は郊外に家を新築したのだが、妻と娘の反対で、書斎を持つことを許されなかった。このため亀井は、部下の薦めで手のひらに乗る小さなパソコンを買った。それを書斎にしようというのだ。 亀井が書斎を持とうとしていたのは、マスコミで活躍している大学時代の同級生・ジェリィ平賀をギャフンと言わせる、本質的で普遍的な何かを書くためだった。 小さなマシンは亀井の生活に弾みを付けた。そいつを使って、亀井は電脳回廊を駆け回り、GNUやグーテンベルグ計画などを知り、だれもが情報の奴隷になっている現状に気付いていく。
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4.0捨てる男あれば拾う男アリ。 走ることばかりでなく、留まることも、この先の2人は。 オートバイで走ることだけにリアリティを感じている少年と 高2で家出して以来、家に居つかなくなった少女。 2人は不意に、夕暮れの第三京浜で出会う。 次々に生まれてはもらわれていき、捨てられる猫のように よるべない時間の中を漂い、生活を積み上げることのできない2人。 しかし、決裂と思われた瞬間を超えて、彼女は戻ってきた。 これから、今までとちがう何かが始まるのだろうか。 ゆっくりと、くりかえしながら、歌いながら。 スローなブギのように。 「野生時代」新人賞受賞作にしてのちに映画化された代表作。 【著者】 片岡義男:1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。
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-妹尾乙芽は、身に覚えのない飛び降り自殺の悪夢に悩まされていた。“エニグマの君”こと姉帯梢は、前時代的な夢判断を引き合いに出し、自殺の夢は自己の再誕と新生を暗示する吉兆だと語る。しかし、解決の糸口を見つけられず精神の均衡を徐々に失っていく乙芽。新生を望んでいるのは、本当に自分なのか? 今を生きているはずの自分の主観が、見知らぬ誰かの夢でない確証がどこにあるのか? 有機物と無機物のはざまで、乙芽は翻弄される。
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3.9家に棲むモノ家族に潜むモノ 霊能者「助葬師」が「家」を喰い破る呪いに立ち向かう。 豹変した父親が発した謎の言葉、酒場で渡された呪われた家族写真、動画配信者に依存する女子大生の家に繰り返し送られてくるひしゃげた荷物……奇妙な事件に巻き込まれた人々の前に現れる謎の女・羽野アキラ。彼女は、ネット上で半ば都市伝説となっている霊能者「助葬師」だと名乗る。事件の背後に何者かの意思を感じ、調査を進めるアキラはやがて呪いの根源へ導かれていく。 気鋭の星雲賞受賞作家が仕掛ける民俗学×ミステリホラー! tounami・装画
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-織田裕二×中島裕翔の最強タッグが帰ってきた! 全米でメガヒットを記録したスタイリッシュなリーガルドラマの日本版 待望のシーズン2を完全ノベライズ 話題の月9ドラマが早くも文庫になって登場! 「幸村・上杉法律事務所」の敏腕弁護士・甲斐正午は誰にも相談せず、ボストンに留学中のアソシエイト・鈴木大輔を突然呼び戻す。天才的な頭脳を持つ大輔に甲斐は早速、小説のアイデア盗用を巡る大手出版社の案件を任せた。そんななか、思わぬ出来事が起きる。かつて甲斐が事務所代表の幸村チカと追い出した共同代表の上杉一志が、闘病中だった妻の死を機に、復帰への意欲をのぞかせたのだ。それは幸村・上杉法律事務所を揺るがす、新たな闘いの始まりだった――。
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4.0全知全能のアルゴリズム=マザーに支配され、 生まれながらに階級で選別されて生きる人類。 異端の少年と中古アンドロイドが世界を変えるSF冒険物語 総合プロデュース・指揮:大野和士 台本:島田雅彦 作曲:渋谷慶一郎 子どもたちとアンドロイドが創造する、まったく新しいオペラを小説化! 何も知らない人はいう。パンドラの箱を開けるなと。でも蓋は開けるためにあるんだよ。 希望はここにしかないんだよ。 ある学園の卒業式。卒業生たちは15歳になると適性検査で選別され、全知全能AI「マザー」の管理下に置かれる。 アキラは判定により開拓地に送られることになり、教育係のヒューマノイド型AI「ゴーレム3」と出会う。 ゴーレム3はアキラとの深い心の交流を通じ、恋の切なさや夢見る力を感じとりながら、 世界の秩序を覆す、とてつもないものを創り出そうとしていた――。
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-ビタミンCと繊維質以外は、すべて含有している鶏卵。世界各国で、さまざまな調理法、多様な味付けで食卓に提供されています。 ちょうど日本は今、世界中のさまざまな国の人がおとずれるようになったものの、円安のせいで、庶民にとっては海外旅行もままならない状況です。 そこでこの本では、「お家にいながら世界旅行気分を味わえる卵料理」のレシピを紹介します。もちろん、「現地でしか入手できない特殊な調味料」などは使わず、読者の近所のスーパーで買える食材で調理します。 ※この商品は固定レイアウトで作成されており、タブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。
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-自分の所作を、もう1人の自分が見つめるとき 男女が2年ぶりに会う。 26歳で出会って、今は35歳。お互い、いろいろあった。 途切れてはまた再会=再開するこのような関係を 何と呼べばいいのだろうか。 雨。駐車場。ステーション・ワゴン。いつも1人で買物をするスーパー・マーケット。 (片岡義男の小説で「スーパー」などと略してはいけない、あくまで 「スーパー・マーケット」だ) 今日の買物袋は中身がいつもと違い、不安定なことを意識する。 それを抱えて雨の中に出ていく自分の映像を意識する。 それが35歳になった、ということなのかもしれない。 【著者】 片岡義男 1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。http://kataokayoshio.com/
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-完全オリジナル脚本 実力派人気女優江口のりこがゴールデン・プライム帯ドラマ初主演の話題のドラマを完全ノベライズ! お金はあっても愛に飢えた孤独な女社長と 愛はあってもお金がない貧乏専門学生。 真逆のふたりが、困難を次々と乗り越えていく! 裕福な家庭に生まれた氷河衛は、幼い頃に両親を亡くしたが、潤沢な遺産があったため、大学時代に知り合った一ノ瀬亮とベンチャー企業「スリースターブックス」を立ち上げた。 経営は瞬く間に軌道に乗り、衛が“プラチナ・ウーマン・オブ・ザ・イヤー”大賞を受賞するほどの急成長を遂げ、インターンシップを実施するまでに。 順風満帆と思われたが、亮がとあるアプリ会社への出資を提案したことがきっかけで、一気に経営難へと追い込まれていく。 そんななか、インターンの選考会に出席しようとしたものの、会場に向かう途中でトラブルに見舞われて出席できなかった専門学生の春野優が、採算、衛の前に現れて……。 幸せのカタチ=“スーパーリッチ”を追い求めるキャリアウーマンの波乱に満ちた半生を描く!
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3.8文雄と過ごすキラキラした時間は、いつか歳をとった自分自身への贈り物になる……。 2010年、東京。34歳独身で、雑誌を中心に活躍するフリーカメラマンの安藤シオは、3年前に飲み屋で知り合って以来たまに泊まりに来る41歳の映像カメラマン、文雄に思いを寄せている。 自分の私生活を語りたがらず、マメに連絡をくれない文雄との「恋人」とは呼べない曖昧な関係にモヤモヤしていたシオは、美大時代の男友達でイラストレーターの点ちゃんと偶然出版社で再会。周囲には秘密にしていた文雄とのことを話した帰り道、妻子のいる点ちゃんに不意打ちのキスをされる。 2011年3月11日、東日本大震災が発生。真っ先にメールをくれたのは、シオが連絡を待っていた文雄からでも、点ちゃんからでもなく、いやな別れ方をした元カレの角田だった。シオの心は揺れ動く……。 両親や友だちの目を気にして生きてきたシオが選んだ答えとは? 「大人になれないわたしたちを描きたかった」という著者による、せつなくてリアルな初の長編恋愛小説。
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-「まもなくしてY字路に出た。いま来た道と分かれて住宅街に入っていく道が先に延びていて、二股のあいだには切り分けたケーキのような形のマンションが建っていた。オリーブグリーンというちょっと変わった色で、〈入居者募集 随時見学可〉という看板が掛かっている。築30年はたっていそうなほど古いのに、外しそこなったのだろうか、それとも下ろす間もないくらい出入りが激しいのだろうか」表題作のほか、「本棚の奥の放浪者」「ハウスシッター」「水のゆくえ」「タイ式マッサージ」「狐塚公園」「ミステリー・ファン」「キリ番ゲット」「木造モルタル」「ごみ入れや浴室マット」を収録。『図鑑少年』刊行から10年、待望の著者2作目の小説集である。街やインテリアのたしかなディテールに支えられつつ、一人称単数を削ぎ落とした文体から、変容する都市風景と人間関係、溶けていく「わたし」の身体感覚、日常のなかの「エピファニー」があざやかに描き出された全10篇。
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-【ご注意】※お使いの端末によっては、一部読みづらい場合がございます。お手持ちの端末で立ち読みファイルをご確認いただくことをお勧めします。 天才・所ジョージが、幼き頃よりの疑問をもとによく知られた昔ばなしを独自に新解釈。奇抜な発想とワープするストーリー展開の中に、笑いのタネがちりばめられた創作童話。 「バッグにこの本が入っていると思うだけで、自然治癒能力が高まるはずです。悩んでいる人が知り合いにいたら、そっとバッグに入れてあげましょう」(前書きより)と本人自ら語るように、殺伐とした現代社会に潤いをもたらしてくれる9編の「無価値ばなし」傑作集。 ※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字サイズだけを拡大・縮小することはできませんので、予めご了承ください。 試し読みファイルにより、ご購入前にお手持ちの端末での表示をご確認ください。
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3.72004年10月30日に映画公開された『いま、会いにゆきます』を、竹内結子演じる主人公の恋人・澪の視点で描いたもうひとつの感泣ストーリー。紙の本と同時発売!最初は夢だと思った。 いつも隣にいた大好きなあなたと結婚し、ふたりの間には佑司というかわいい男の子が生まれた。二十九歳のわたしは、あなたと佑司とともに幸せな時を過ごしていた。 穏やかで優しい日々を送っていた澪が、やがて知ってしまう哀しい運命--。それでも、絶対に変わらない思いがあり、絶対に失いたくない人がいる。ずっと一緒にいられないと分かっていても、澪はためらわず愛する人のもとへ走っていった。 市川拓司のベストセラー『いま、会いにゆきます』の映画化脚本をもとに、みずみずしい感性で新人が書き下ろした、もう一つの愛の物語。
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