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17歳を目前に自殺した姉。明るく優しい性格で、直前までそんな素振りはなかったのに、なぜ…背後には、死神のような女生徒の姿があった(「はだれの日」)。孫を交通事故で亡くした祖母。断ち切れない愛情と悲しみが、孫の幼友だちをおぞましい事件に巻き込む(「虎落の日」)。惨劇の陰には、人の心を蝕む「水銀虫」の存在が。取りつかれ、罪を犯した人々の、悪夢のような一日を描いたホラー短編集。
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Posted by ブクログ
ハードカバーの表紙が気に入ったけど 自分で持ってられなくて こっちを買いました。 ぞわぞわ。 あとに残るなんとも言えない気持ち悪さ。
こういう話、わりと平気な方だけど、ハンバーグが苦手になってしまった。 それ以外の6話は程よくこわかった。 朱川さん、他の本も読んでみたい。
この後味の悪さは最高だ。本作は夕日の三丁目的な世界観は更々無い。人の執着心や憎しみ等、醜さや汚さで埋め尽くされたオールブラック朱川湊人なのだ。タブーを犯す時にモゾモゾと体中に蠢き回る水銀虫。この作品のテーマでもある、してはいけない事、つまり罪を犯した人間にとりつく恐怖と後悔が上手く描かれ、狂...続きを読む気と化した人間のおぞましさは読んでいてもゾクゾクし嫌悪感は拭えない。人が誰しも持つ闇。何かの切っ掛けで、「ほら、お前の体内からも水銀虫がいつ動き出すか分からないぞ!」と問われている気がしてならない。悪夢はいつ起こるか分からない…。
人の心に巣くう「水銀虫」。 それに取りつかれ罪を犯した人々の7つの物語を収録したホラー短編集。 朱川さんは好きな作家さんのひとりですが最近読んでいませんでした。 久しぶりにあの怖さを味わいたい、と思い本書を手にとったのですがやっぱり期待を裏切りませんでした! どの話もぞわわわ~っとしますがなかで...続きを読むも「虎落ちの日」と「薄氷の日」が個人的に怖かったです。 それから「はだれの日」は最高に後味悪い。 恐怖よりさな子への腹立たしさが残りました(笑) ちなみに「水銀虫」とは作中で、人の魂の中に入り込んで這いずり回り、やがて無数の穴をあけてしまう昆虫、と書かれています。
人の魂に入り込んで這いずり回り穴を無数にあけていく水銀虫。タイトルどおりうずうずと虫が這いあがってくるような短編集です。一人勝ち組だと思い込んでいる女の話、孫を事故で亡くした祖母の話は怖かった。
理性が壊されていくときの、ぞくぞくとした違和感。高揚ともとれるような一種の解放感。 そんな、人間が一瞬の間に見せる、本来的な姿、 バランスを崩し転がり始める、その微妙な一瞬の感覚を 体の中を蠢く虫のはいずりになぞらえる。 それは朱川さんしかできない表現だと思う。 人間は、社会的な人間だからこそ、...続きを読むその社会から逸脱していくとき、罪悪感を感じるが、同時に、自由を感じ、歓喜してしまう。 そして、理性的であるがゆえに、歓喜している自分を自覚し、そのことを恐れる。 でも、その多重的な感情が美しさにも思えてしまうのは、悲劇のもたらすカタルシスか。
腕や、首筋や、耳の中とか、小さな虫がはい回るような感覚の、その虫のことを水銀虫と言うのだそうだ。 いろんな死に関る主人公たちがその水銀虫の感覚に襲われる短編集。 こりゃ、ホラーです。 後味も良くない。 でも、なんか嫌いじゃないです。 なんだろう。やっぱり人間が描けてるからかな。 ...続きを読む そこに自分自身がいるような気さえする。
星はホラー度。 いやーーー背筋がぞくっとする。 短篇集。 どのお話もなんとなーーく暗く怪しい雰囲気がただよう。 オーメンのように。
うーん、もっと後味悪い。 とはいえ、話として後味が悪いだけであって、本を読む楽しみには溢れている。 それでそれで?それからどうなる?そういったワクワク感の先にこの後味の悪さ。 それが評価を下げているのかもね。 話はゾクッとするようなオモシロさがある。
不意に感じる小さな虫の感覚が殺意のスイッチを入れる、とはじめは思ったけどどちらかと言うと人が狂う、またはある種の覚悟のスイッチだったか。 優しさ、残酷さの入り交じった7つの話どれも怖く、切ない。
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