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Posted by ブクログ
じーさんの体力、行動力、生命力ったら、人知を超えています。
あ、腕力も。
破天荒とはまさに、じーさんのためにある言葉。
若かりし頃、銀幕のスターだった婆ちゃんにひとめぼれ(もちろんスクリーン越しに)したじーさんは、撮影所から婆ちゃんをさらってしまう。
ことほどかようにじーさんは、思ったことを、後先考えずに行動し、なしとげてしまうのである。
戦死したはずのじーさんは、お葬式も納骨も終わった後、ぴんぴんして帰ってきた。
40歳以上も年下の新妻と新婚旅行を兼ねてサイパンへ行き、遭難してしまったじーさん。
鯨の群れに襲われ、嵐に巻き込まれ、何カ月も行方不明で…。
もちろんぴんぴんして帰ってくるのであるが、その冒険譚が、ホラ男爵のようでじつに痛快。
語り手の僕の父、つまりじーさんの息子は、じーさんの息子のくせにちゃらんぽらんで性根が座っていない。
ギャンブルや儲け話が好きで、でも、小心者。
会社の車で追突事故を起こした後、そのまま失踪したのだがじーさんに追跡され、散々殴られた挙句「家の敷居はまたがせん」と言われ、各地を転々としながらその日を送っている。
弟はまだ高校生だが、絵が上手で酒豪。
じーさんと父も酒豪。
僕は卒業を控えてもまだ就職先の決まっていない大学生で、家族で唯一の下戸。
僕の個性だけがあまり書かれていないのだけど、大丈夫。
ちゃんと最後に、僕の存在意義も用意されている。
語り手が僕だけに、登場人物はじーさん、婆ちゃん、オヤジ、母、弟と、家族関係で書かれているのだが、じーさんの再婚相手が僕の小学校の時の担任だったため、結婚後も山咲先生のままで、生まれた赤ん坊は叔父さんと書かれる。
ここがまた、おかしい。
眠くてぐずる叔父さん。すやすやと寝息を立てる叔父さん。
山咲先生に抱かれてご機嫌の叔父さん。
いや、ちょっと、おかしいでしょ。間違ってないけども。
鮫を蹴散らし、海賊組織を壊滅させ、アメリカの大統領を殴り倒すじーさん。
そばにいるとはた迷惑な気もするけど、じーさんの行動はいちいち痛快だ。
さくっと読めて面白かった~。
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