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北海道の怖い話
夕張新炭鉱と父と僕と…(夕張市 清陵町) 1981年10月16日正午、夕張新炭鉱にて起きた大規模なガス爆発事故。「お父さん、さっき僕に会いに来たよ」その日の夜、太郎君とお兄ちゃんは不思議な体験をした。 里塚霊園からの死の電話…(札幌市清田区) 20数年ぶりでの同窓会の帰り、男女4人で車に乗った。「ここはな、電話ボックスで電話すると幽霊からコールバックされるってよ」市営霊園と火葬場が敷地内にある里塚霊園。行かなければよかったと今も後悔している。 雄別炭鉱跡の廃屋群に近付くな……(釧路市 御別区) 取材に行けば呪われる…いつしかそれが常識となったその最初の頃の話である。また魂が一つこの草原に消えた。 等、身の毛もよだつ北海道の怪談を37編も蒐集。 -
北海道文学の跫音
※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 明治から平成まで、時代を超えて数多くの作家を生み、作品の舞台となってきた北海道。本書は北海道文学にまつわる様々な情報を満載し、コンパクトに概観を知る手引き書となっている。第1章「北海道文学地図」では北海道各地に点在する作家の生地や作品の舞台、文学碑などを地図で解説。第2章「ジャンル別・北海道文学小史」は文学を小説・短歌など六分野に分け、歴史が詳述されている。第3章は「作家・作品リストと参考文献」。第4章には「論考、そして我が文学」と題し、北海道文学に関する著者の論評などがまとめられている。 -
北海に消えた少女
行方不明の少女を調べる記者のノラ。調査は服役中の連続殺人犯に辿り着く。二つの事件の繋がりは? 真相を追う彼女に危険が迫る! -
堀田善衞を読む 世界を知り抜くための羅針盤
南京虐殺事件を中国の知識人の視点から記した『時間』、時代を冷静に見つめる観察者を描いた『方丈記私記』『ゴヤ』などの評伝、『インドで考えたこと』『上海にて』などアジア各国を歴訪して書いた文明批評など、数多くの優れた作品を残した作家、堀田善衞(一九一八~一九九八)。堀田が描いた乱世の時代と、そこに込めた思いは、混迷を極める現代社会を生きる上での「羅針盤」として、今なお輝きを放つ。堀田作品は、第一線で活躍する創作者たちにも多大な影響を与え続けている。堀田を敬愛する池澤夏樹、吉岡忍、鹿島茂、大高保二郎、宮崎駿が、堀田善衞とその作品の魅力、そして今に通じるメッセージを読み解く。 【目次】はじめに 『方丈記私記』から 富山県 高志の国文学館・館長 中西 進/第一章 堀田善衞の青春時代 池澤夏樹/第二章 堀田善衞が旅したアジア 吉岡 忍/第三章 「中心なき収斂」の作家、堀田善衞 鹿島 茂/第四章 堀田善衞のスペイン時代 大高保二郎/第五章 堀田作品は世界を知り抜くための羅針盤 宮崎 駿/終章 堀田善衞 二十のことば 富山県 高志の国文学館/おわりに/【年表】堀田善衞の足跡/付録 堀田善衞 全集未収録原稿──『路上の人』から『ミシェル 城館の人』まで、それから…… -
穂束栞は夜を視る
小学4年生の穂束栞(ほづかしおり)は、車で移動していたところを怪異に襲われ、唯一の肉親だった祖父・千畝(ちうね)を亡くした。傷心中の栞を訪ねてきたのは、祖父の弟子を名乗る道士・白銀(しろがね)と獰猛な大男・窮奇(きゅうき)。二人は、怪異を惹き寄せる特異体質を持つ栞を守るためにやってきたのだという。霊能力者だった祖父の死をきっかけに、結界が解かれ、さまざまな妖魔が栞に襲い掛かる。この世ならざるモノから目を背けてきた栞だったが、白銀・窮奇と出会い、怪異に立ち向かうことを決意する。 『夜行堂奇譚』嗣人が放つ、スペクタクル・ホラーシリーズ開幕! -
ホテル
「ファクション」作家アーサー・ヘイリーの名を一躍高めたベストセラー。ニューオーリンズ最大のホテル、セント・グレゴリーは、深刻な赤字を抱えていた。あらゆる融資を拒否されて苦悩する頑固な老経営者と、彼の片腕となって奔走する精力的な副総支配人。やがて、買収をもくろむチェーン・ホテルの総帥が乗り込んでくる。巨大な組織の内部をえぐり、極限状況の中で展開される群像劇。そこには客と従業員にも多種多様な人間が登場する。客の不始末を種にゆすりをかける警備主任、ホテルを餌食にする専門の盗人、チップをピンはねするボーイ長、黒人医師の宿泊拒否トラブル…次々に展開する多彩なドラマ! -
ホテル・アルカディア
ホテル・アルカディアの支配人のひとり娘・プルデンシアは、コテージに閉じこもっていた。投宿していた7人の芸術家は、彼女を元気づけ、外に誘い出すべく7つのテーマに沿った21の不思議な自作の物語をコテージ前で順番に語りだした。この朗読会は80年たった今も伝説として語り続けられ、廃墟と化したホテル・アルカディアには聖地巡礼のようにして、芸術家たちのファンが何人も訪れる。80年前、あの朗読会の後、芸術家たちはどうしたのか、そしてひとり娘のプルデンシアはどうなったのか? かつて味わったことのない読書体験を保証! 第30回Bunkamuraドゥマゴ文学賞受賞作。 -
ホテルうらうら 汐待ちのとき
瀬戸内海の「潮待ちの港」にある、こぢんまりとした小さなホテル「うらうら」は、地元の食材を使った料理が有名。古民家を改造したホテルだ。高校時代から仲良しだった親友と、結婚を機に疎遠になり悩む20代の女性、結婚は自分に欠けた部分すべてを埋めてくれるものだと信じているが婚活がなかなかうまくいかなくて、焦燥感を覚える30代の女性、反抗的な娘の気持ちがわからず、ダメなママと烙印を押された気持ちになっている40代の女性――。自分ががんばればなんとかなる、自分のせいなのではないかと考えていた彼女たちは、オーナーやホテルのスタッフ、滞在客同士で話すうち、人生には「待つしかない時間」「信じて祈るしかできないこと」があると知り、抱え込んでいた悩みを手放すことができるようになる。 -
HOTEL NIGHTHAWKS
宿泊だけじゃなく、とんでもない依頼を受けることも……。 どんな難題(?)にも、スタッフ一同、誠心誠意対応させていただきます。 《東京バンドワゴン》《花見小路》などの人気シリーズで知られる著者の愛新作は、北海道〈すすきの〉の老舗ホテルが舞台! 北海道札幌市の歓楽街〈すすきの〉にある老舗ホテル[ホテル・ナイトホークス]。滞在客の中には、いろんな事情を抱えた人たちがくることもある。ホテルのオーナーは、そんな人たち(ときには猫たちも)のため、従業員たちとともに、様々な人脈を使い、時に警察や法律に頼ることが出来ないことでも、解決していく。 開拓期の旅館にルーツを持つ、ミステリアスな老舗ホテルを舞台に、〈東京バンドワゴン〉シリーズなどで人気の著者が描く痛快小説。 Prologe 僕が〈HOTEL NIGHTHAWKS〉に就職することになったきっかけ 1 〈HOTEL NIGHTHAWKS〉新人ホテルマンの僕にできること 2 逃げてきたお客様にできること 3 みことさんが〈HOTEL NIGHTHAWKS〉をやり続ける理由 4 逃げて戻った花嫁の事情 5 ホテル暮らしをする女性の事情 6 夢とか希望とかのためにできること 7 生き続けるために逃げる女性の事情 8 ピアニストと猫の行方 9 猫とピアニストとヤクザの事情 10 三時間で全てを終わらせて全てが始まるように 11 その日にむけての、諸々の事情確認 12 〈HOTEL NIGHTHAWKS〉へようこそ -
ホテル・メランコリア
幻のホテルをめぐる、甘美で謎めいた記憶。人々が語る、横浜の高台にあった小さなホテルの思い出話。そこに隠された秘密とは――幻想味に満ちた珠玉の八編。「私の記憶の中にあるホテルを探してくださらない」。ある老婦人から依頼された私は、かつて横浜の高台にあり、多くの外国人客を迎えた小さなホテルについて調べはじめる。海が見えるオープン・テラス、年末にバンケットルームで開催される豪華絢爛なダンス・パーティ、評判のシェフが作り出す珍しい料理の数々、世間の目をはばかる客も多かった長期滞在客用のアパートメント。不思議なことに、もと従業員や宿泊客たちが語るホテルにまつわる思い出話には、死の影と奇妙な謎がからみついていた――憂いと頽廃の気配漂う、美しくも恐ろしい連作短編集。 -
ホテル物語 グラフホテルと5つの出来事
日本では村上春樹研究でも知られる作家イム・キョンソンによる、ホテルを題材にした珠玉の短編集。年末の閉業を控えた名門「グラフホテル」を舞台に、5人の大人たちが、それぞれの人生の転換点・区切りを迎える出来事が描かれる。 ----- 「一か月間のホテル暮らし」 後輩監督の脚本チェックの仕事を引き受けることとなった映画監督のドゥリ。グラフホテルの部屋を用意され、そこで1カ月間集中して仕事に取り組むことになったが、かつての栄光と現在のギャップに心が揺れる。自身の体調の変化も重なり、思うように仕事が進まないでいたが、ある人との再会をきっかけに、彼女は新たな決意をする。人生の節目に彼女が下した決断とは? ----- 「フランス小説のように」 女と会うために、仕事中にも関わらずグラフホテルに向かう男。女の「フランス小説みたいなことをしたい」というリクエストに応えて、男は昼日中のホテルで女と密会することにしたのだ。非日常の世界で燃え上がる二人だったが、女のふとした言葉に男の心は揺さぶられる。はたして二人の関係はどうなるのか? ----- 「ハウスキーピング」 人とのかかわりをこばみ、SNSで発信されるひいきの作家の投稿を心の支えに、グラフホテルでハウスキーピングメイドとして働くジョンヒョン。完璧な清掃を繰り返す日々に充足感を得ていたが、そんなある日、過去の同級生との再会が彼女の心に波紋を広げる。 ----- 「夜勤」 夜勤のドアマンとして働くトンジュ。勤勉な彼には、過去にある年上の女性との燃えるような恋と別れの経験があった。そのほろ苦い思いもそろそろ薄らいできたそんなある日、二人は思いもかけない場所で再開することに…。過去と現在の思いが巡る中、トンジュと女が最後に下した決断は? 韓流恋愛ドラマを思わせる純愛と悲しい別れの物語。 ----- 「招待されなかった人々」 毒舌で人気の芸人サンウは、先輩芸人ヨンイルからセレブリティとの食事会に誘われる。その芸風とはうらはらに、人みしりのサンウはなかなか話の流れに乗れないでいたが、そこにいた投資顧問の男バンと意気投合する。ふたりは男同士の交流を深めるが、しかし「バンがなぜ自分と交流するのか」がわからないサンウは、意を決してその思いを吐き出すが…。閉館を控えたグラフホテルのピアノバーで繰り広げられる大人の軽妙な会話劇にも注目。 ----- -
ホテル・リッツの婚約者
1942年、イギリスの特別作戦執行部の工作員であるわたし、マギー・ホープは亡き友になりすまし、ドイツ占領下のパリに潜入していた。異父妹のエリーゼをイギリスへ連れ帰るため。さらには、戦局の行方を左右する重大な情報を持っているはずの工作員を救うため。滞在先の〈ホテル・リッツ〉で高名なデザイナーのココ・シャネルと知り合ったわたしは、一瞬たりとも気を抜けない日々の連続を過ごしていた。そんな折、イギリスの工作員ネットワークに亀裂が生じる。裏切り者がいるのか? ニューヨーク・タイムズ・ベストセラーの大人気シリーズ!/解説=上条ひろみ -
ホテル・ルージュ
12年前の夢が残されている限り、衿子は年下の恋人の冷たい仕打ちにも耐えられた パリ・サンジェルマンの裏通りに、ひっそりと佇むホテル・ルージュ。「毎年5月のこの日、ここで待っている」と言った彼が、もしかしたら…。愛のさめた8歳年下の裕二とパリに来た衿子。彼女の胸に切ない想いがこみ上げて…。瀟洒な都会のホテルを舞台に、男と女の愛の結末を描くホラー・ミステリー短編集。 ●山崎洋子(やまざき・ようこ) 1947年、京都府宮津市生まれ。コピーライター、児童読物作家、脚本家などを経て第32回江戸川乱歩賞を『花園の迷宮』で受賞し、作家デビュー。横浜を描く作家として名高い。現在は、小説だけでなく、ノンフィクション、戯曲なども手がける。2010年、NHK主催の地域放送文化賞を受賞。 -
ホテル・ルーム
時には、朝にホテルにたどり着く一日を。 日本列島は、台風の通り道だ。 空模様が暗くなり、雨が、風が激しくなり、 やがて猛烈な勢いを周囲に振りまいて、ある時ふっと抜けてく。 その奇妙な高揚感を夜通し自動車の中で体感し、台風一過の朝を海辺で迎え、 そのあと、ホテルでたっぷり眠る、というのは この島に生きる生活者にとっては最高の過ごし方かもしれない。 その時間を共に過ごした男女には、明日からまた別々の日々が始まる。 【著者】 片岡義男 1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。 -
ほとけさまと心が「ほっこり」温まるお話
心が癒されると、人にも自分にもやさしくなれます。先行きが見えない毎日に戸惑ったり……、いいことやうれしいことを心の底から味わえなかったり……。そんな、なかなか「ひと息」がつきにくい私たちをスーッとラクにしてくれる「ちょっといいお話」が、ほとけさまのまわりには、たくさんあります。さあ、少しだけ心のリラックス、してみませんか。「なんだかいつもツイていない」「私ばっかりどうして?」と思ったら……◎心のざわつきが簡単に止まる方法◎「ガタピシ(我他彼此)」するのが人間関係だから……◎幸せに生きるために必要な「四つの食事」◎仏教でいう「我慢」という言葉からわかること◎「人生を変えるチャンス」は誰からもたらされる?ほとけさまからの「上手に生きるアドバイス」をぜひ受け取ってみてください。 -
ほとんど記憶のない女
「とても鋭い知性の持ち主だが、ほとんど記憶のない女がいた」 わずか数行の箴言・禅問答のような超短編から、寓話的なもの、詩やエッセイに近いもの、日記風の断章、さらに私小説、旅行記にいたるまで、多彩で驚きに満ちた〈異形の物語〉を収めた傑作短編集。カウボーイとの結婚を夢みている自分を妄想する「大学教師」、自分の料理を気に入らない夫の好みを記憶を辿りながら細かく分析していく「肉と夫」、思考する〈私〉の意識とメモをとる〈私〉の行為を、まったく主語のない無機質な文体で描く「フーコーとエンピツ」他、全51編を収録。「アメリカ小説界の静かな巨人」デイヴィスの、目眩を引き起こすような思考の迷路や言葉のリズム、また独特のひねくれたユーモアは、一度知ったらクセになる。 -
火床より出でて
鬼才が放つ恐るべきハードボイルドミステリ! 誘拐されて殺された目も鼻もない子供。彼は黒い山肌を這い登ってゆく。誰も待つことのない賽の河原をさまよいつづける――。 男は大きな夢を持っていた。それは、殺人事件の加害者の心の暗部に直接働きかけるケア・センターづくり。しかし、その慈愛に満ちた男はいったいどこに消えてしまったのか。 彼との再会を願う殺人犯の娘のため、探偵は過去の闇へと分け入る。そして、すでに解決したと思われた事件は、探偵の前に驚くべき異なった貌を現わす。 コミック界の鬼才が、ミステリに挑戦して大きな反響を呼んだ傑作、待望の文庫版を電子化! 『追憶の夜』を改題のうえ、加筆改稿して新たに世の中に問う問題作。 著者プロフィール 山上たつひこ(やまがみたつひこ) 1947年徳島県生まれ。70年、ポリティカルフィクション「光る風」。72年、ギャグ作品の「喜劇新思想体系」。74年、「がきデカ」。87年、初の短篇小説「カボチャ通り」を発表。 -
骨と肉
臼原市で死体遺棄事件が起きた。被害女性の遺体は強姦の跡があっただけでなく、身体の一部が切り取られており著しく傷つけられていた。数日後、ふたたび臼原署管轄内で女性が惨殺遺体で発見される。捜査本部に参加する千葉県警本部の刑事・八島武瑠はある事件を思い出していた。二十年前に三鷹で起きた連続女性遺体遺棄事件。今回と同じく遺体はひどく損傷し、彼女たちの容姿も似通っていた。捜査をすすめる武瑠に、従弟の願示が急に接近してくる。彼は独自に調べるうちに、真相に至ったと話す。二十年前の事件の犯人は亡くなった双子の弟で、いま起こっている事件の犯人はその模倣犯だ――武瑠の周囲に暗雲が垂れ込み始める。すべて根源は、壊れかけた家族にあった。 『死刑にいたる病』などで注目の作家が描くサスペンスミステリー。 -
骨の島
イタリア貴族の当主ドメニコは、名に信じがたい言葉をかけた。「私の子を産んでほしい」と。時は流れ、生まれた子は、実業家として財を増やそうとする。だがその矢先、一族の人間が誘拐され、何者かの白骨死体が地中から発見された。人類学教授のギデオン・オリヴァーは、骨に隠された一族の秘密を知ることになる。/掲出の書影は底本のものです -
骨の城
古城近くで発見された骨の断片。骨は「あぐら」をかく職業の人物のものとわかるが……。〈スケルトン探偵シリーズ〉 -
骨を弔う
30年前、本当は何を埋めたんだろう。 謎の骨格標本が発掘されたことを報じる地元紙の小さな記事を見つけた家具職人・豊は、数十年前の小学生時代、仲間数人で山中に骨格標本を埋めたことを思い出す。 しかし、それは記事の発掘場所とは明らかに異なっていた。同時に、ある確かな手触りから「あれは本当に標本だったのか」との思いを抱いた豊は、今は都内で広告代理店に勤務する哲平に会いに行く。最初は訝しがっていた哲平も、次第に彼の話に首肯し、記憶の底に淀んでいたあることを口にする。リーダー的存在だった骨格標本埋葬の発案者・真実子の消息がわからないなか、事態は思いも寄らぬ方向に傾斜していく。 ※この作品は過去に単行本版として配信した『骨を弔う』の文庫版です。 -
骨を喰む真珠
「僕はこの家から逃げられへん身にさせられてしもうた」 大正十四年、大阪。病弱だが勝ち気な女性記者・苑子は、担当する身上相談欄への奇妙な投書を受け取る。 大手製薬会社・丹邨製薬の社長令息からの手紙であり、不審を覚えた苑子は、身分を偽り丹邨家に潜入することに。 調査を進めるうち、その異様さが明らかになっていく。苑子を苦しめていた咳をただちに止める、真珠のような丸薬。 一家の不可解な振る舞い。丸薬を怪しんだ苑子は、薬の成分分析を漢方医に頼む。 返ってきた結果には、漢方医も知らない「骨」が含まれていた――。 もう逃げられない。気付いてからが、本当の地獄の始まりだった。 「丹邨家に巣くう災厄をあなたが払えることを祈ります」 -
骨ん中
「ちょんまげぷりん」作者デビュー作を電子化! バブル崩壊後の94年、日本海に面する東北の地方都市・岩館で大きな影響力を誇る川戸建設会長・川戸英太郎は、ゴルフ場開発に伴う暴力団系企業への多額の不正な債務保証での特別背任容疑の渦中にいた。さらに、逮捕直前には、息子で社長の英介が自殺するという最悪の事態を迎えたが、英太郎は表情を変えることなく、嫌疑をすべて認め、裁判は淡々と進んでいった。 有罪判決が下り、すべてを失ってなお、心に平明を宿しているようにみえた英太郎は、やがて静かに朽ちていった。しかし――。すべてが結末を迎えたに見えた8年後の02年冬、この事件を静かに追い続けていた東日新聞社社会部記者・宮浦弘樹は、英太郎の死亡記事を地方紙の片隅に偶然見つけたことから、物語は大きな転調を迎え、重厚な三代にわたる一族の“血の物語”を呼びさます。 -
炎と苗木
7年にわたり書き続けてきた田中文学の結晶。 〈掌の小説〉集大成、衝撃の44篇! 1篇1600字に世界が凝縮。生と死、過去と未来、絶望と希望、作家のイマジネーションが、いま、あらゆる境界を突破する。 〈田中慎弥の聖書〉とも言える標題作はじめ、小説の醍醐味に満ちた作品が織りなす圧巻の文学体験。2012年に出版界の話題をさらった『田中慎弥の掌劇場』の第2弾。 「作家が死んでも小説は残る。つまり自分の命より価値のあるものを自分で書かねばならないのが作家であり、一日で一気に仕上げる「掌劇場」の場合は特にそれを実感させられた。作家の自分が人間の自分を徹底的に痛めつける時間だった。私自身と死について扱ったものがあった。自殺に関するものもあった。私が何度も実行しようとしたのは事実だ。生涯他人に言えないことを見たり体験したりした末のことだった。また、身近な人がいなくなり、自分一人が生きていていいのかと悩んだ結果でもある。死に接近し、死を描くことが私の道になった。明日死ぬとしても今日のところは小説を書こう、という意識は、一日で仕上げる「掌劇場」の形式に添ったものと言えた。それと同じ時期に、現実の政治や、私の地元選出の総理大臣を反映させて書いたものもある。あの総理大臣に私が感じる反発は政治的、社会的背景のものではない。それだけに、私は私自身の今後が恐ろしい。死への恐怖より怖いのは、生きる恐怖だ。そして、この二つの距離はいまや、ほとんどない。」――「連載を終えて」毎日新聞西部本社版より ※こちらの作品は過去に他出版社より配信していた内容と同様となります。重複購入にはお気を付けください -
炎の爪痕
ヘレナ・フレミングは憂鬱だった。家族で引っ越してきたシェトランド本島の家の納屋で、まえの持ち主が首吊り自殺を遂げて以来、何者かが敷地に侵入し、謎めいた紙片をあちこちに残していくのだ。たまりかねてジミー・ペレス警部を訪れ相談をした翌日、同じ納屋で今度は女性の首吊り死体が発見される。彼女は島の旧家モンクリーフ一家の子守りだった。ふたつの死に関連はあるのか? ペレスは上司のウィローや部下のサンディとともに捜査に当たる……CWA最優秀長編賞受賞作『大鴉の啼く冬』から始まったペレス警部シリーズ、感慨無量の最終巻。/解説=古山祐樹
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