作品一覧
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-「ファクション」作家アーサー・ヘイリーの名を一躍高めたベストセラー。ニューオーリンズ最大のホテル、セント・グレゴリーは、深刻な赤字を抱えていた。あらゆる融資を拒否されて苦悩する頑固な老経営者と、彼の片腕となって奔走する精力的な副総支配人。やがて、買収をもくろむチェーン・ホテルの総帥が乗り込んでくる。巨大な組織の内部をえぐり、極限状況の中で展開される群像劇。そこには客と従業員にも多種多様な人間が登場する。客の不始末を種にゆすりをかける警備主任、ホテルを餌食にする専門の盗人、チップをピンはねするボーイ長、黒人医師の宿泊拒否トラブル…次々に展開する多彩なドラマ!
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-ロバート・エムディは,世界乳幼児精神保健学会(WAIMH)の創設者で,現在WAIMH理事,乳幼児精神保健研究の第一人者として名高い児童精神科医,精神分析家であり,愛着理論で有名なボウルビーと同時代に活躍し,「3カ月微笑」「1歳半のNo!」の現象を発見したスピッツの正統な直弟子でもある。 本書は,本邦初訳となるエムディの代表的論集である。主要な研究業績である,生物行動学的観察と精神分析理論を用いて,乳児が母親の「情緒応答性」を得ながら,人間存在の中心となる「情動的中核自己」を形成していくプロセスについての論考,また子どもの心の発達には,R=Reciprocity(互恵性)E=Empathy(共感性)V=Value(価値)が大きな影響を及ぼすことを説いた「REV理論」について,詳しく解説されている。 エムディの理論は,日本のいじめ,自殺,無気力,不登校,引きこもり等,現代の日本の子どもたちが持つ多様化し複雑化する問題の本質を考える上で,有効な知見といえよう。 乳幼児精神保健や精神科医,心理士はもとより,広く子育て支援に関わる医療,保育,教育,福祉,司法,行政に携わる専門職必読の書。
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-単行本『大往生の現場から』(ジャパンミックス=解散)に、朝日新聞社出版局刊の『死よ!!』(=共著)の中から筆者が取材執筆した「二億円市場の光と影」の項を加えた。 「二億円市場の光と影」が、基本的な資料価値を、現在も持っていると考えたからである。 さて、不老不死や若返りの特効薬でも発明されない限り、いずれ死は万人に訪れる普遍的な現実である。 最近は、葬儀やお墓もいらないと考える人も増えてきたが、まだまだ実際は、死を迎えたとき、多くの人々が通夜や葬儀、すなわち葬儀社やお坊さんとの関係ができることになる。 本書は、人間の死の現場、とくに葬儀の場面にまつわる人間臭いエピソードを集めてみたものだ。 泣ける話、笑える話、ホロリと心があたたまる話……等、お葬式にまつわる、生き残った人間たちのちょいとドキッとする物語集。
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3.3
ユーザーレビュー
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Posted by ブクログ
「いいかい、彼女を殺してしまわなければいけないんだよ」
こんな会話を盗み聞きしてしまうポアロ。休暇のエルサレム旅行中にだっていうのにさすがに名探偵!事件から寄って来ちゃう!
しかし物語の中盤までポアロの出番はない。話はこの会話の主であるレイモンド・ボイントンと、キャロル・ボイントン兄妹へと移る。
兄妹が殺そうと決意したのは、自分たちの継母(父の後妻)であるボイントン老夫人。彼女はボイントン氏の死後、家族の上に君臨し、心理的に抑えつけ、絶対に逆らえないと精神に叩き込んでいた。ボイントン一家はこんな感じ。
・ボイントン老夫人:昔は刑務所の女看守だった。そりゃーコワい。根っからのサディスト、独裁者 -
Posted by ブクログ
【マープル】
1943年マープル3作目。クリスティー53歳。
前回読んだ『カリブ海』よりも20歳近く若い頃の作品。
クリスティー自身が選ぶベスト10に入っている。
事件は地味なんだけどめちゃくちゃ面白い。
キャラクター、ミスリード、人間ドラマ、演出全てが好きで一気読みだった。
驚くことにマープルは最後の一瞬しか出てこない。でもその一瞬で警察を含め全員が必死に考えてもわからなかったことが、マープルはすぐにわかってしまう。マープルが言った言葉で、全てが一気に解決に進む。
始めからマープルが出ていたらこのカッコよさと気持ち良さはないので、クリスティーは演出も本当に上手い。
・馬のような顔で、犬 -
Posted by ブクログ
【ポアロ】
「いいかい、彼女を殺してしまわなければいけないんだよ」すごいセリフからはじまる。
三谷幸喜さんの本で「地味だけど面白い」と紹介されていて、2021年に三谷さん脚本、野村萬斎さん主演でドラマ化されている。三谷さんファンなのに知らなかった(^_^;)
ボイントン一家はみんな何かがおかしい。
母親にマインドコントロールされている家族。
『春にして君を離れ』くらいの毒親かなと思ったら大間違い。自分の家族が苦しむのを見て喜ぶ本物のサディスティックな母親。こんな母親だったら地獄。
犯人は自分の中で2パターン予想していたけど、どっちも大ハズレだった。予想はハズレた方が嬉しい。
予想できな