あらすじ
傷痍軍人のバートンが療養のために妹とその村に居を構えて間もなく、悪意と中傷に満ちた匿名の手紙が住民に無差別に届けられた。陰口、噂話、疑心暗鬼が村全体を覆い、やがて名士の夫人が服毒自殺を遂げた。不気味な匿名の手紙の背後に隠された事件の真相とは? ミス・マープルが若い二人の探偵指南役を務める。
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Posted by ブクログ
【マープル】
1943年マープル3作目。クリスティー53歳。
前回読んだ『カリブ海』よりも20歳近く若い頃の作品。
クリスティー自身が選ぶベスト10に入っている。
事件は地味なんだけどめちゃくちゃ面白い。
キャラクター、ミスリード、人間ドラマ、演出全てが好きで一気読みだった。
驚くことにマープルは最後の一瞬しか出てこない。でもその一瞬で警察を含め全員が必死に考えてもわからなかったことが、マープルはすぐにわかってしまう。マープルが言った言葉で、全てが一気に解決に進む。
始めからマープルが出ていたらこのカッコよさと気持ち良さはないので、クリスティーは演出も本当に上手い。
・馬のような顔で、犬のような性質。
穴のあいた靴下を平気で履くような誰からも愛されてない娘。
・都会ロンドンから療養のために田舎セントメアリミードへ引っ越してきた上流階級の兄妹。
他にも愛すべき個性の強い登場人物がたくさん出てくる。でも誰かは犯人なわけで、私の好きな人物が犯人だったらどうしよう…と解説にも同じことが書いてあったけど、私も謎の心配をしてしまうくらい物語に入り込んでしまった。
現在私のNo.1『ホロー荘の殺人』のように、この作品もこの世界観が好きで読み終わるのが寂しかった。いや、どれも面白くてもう順位を決めるのが難し過ぎる。
でもこの地味な面白さは今だからわかるような気がする。
マープルを初めてAudibleで読んだ時は、マープルと噂好きなセントメアリミードのことが想像できなくて面白さに気付けなかった。
ドラマ版を観て一気にその世界観に入れたので、イギリスの田園風景を全く知らなかった私には小説だけでは想像できなくて映像がものすごいありがたかった。
今となってはクリスティーのどのシリーズよりもミス・マープルシリーズが好きになってる。
マープルは気が進まなくて読んでいなかったのに、今ではマープルを読まずに残していて良かった!と心から思う。
この作品は読後感が良くて面白くて幸せな気持ちになった。読書でこんな幸せ気持ちにさせてくれるクリスティーには本当に感謝しかない。
マープル長編作品はあと残すところ4作品になってしまった。もう好き過ぎて我慢出来ないので、マープルを連続して読んでしまおう。
★10
ここからネタバレすみません。
ラブロマンスは全然好きじゃないんだけど、この作品では映画『プリティーウーマン』みたいな感じがたまらなく好きだった。
馬のような顔で、犬のような性質、穴のあいた靴下を平気で履く、誰からも愛されていなかった娘が、どのように変わっていくかは読んでからのお楽しみ!
Posted by ブクログ
どんな作品かほぼ前情報を入れずに読み始めたため、ノンシリーズだったかな?と思っていたら、290Pくらい割いたところでマープル登場!
語り手の主人公兄妹、信用できないんじゃないかとか思っていたけれど、真実は枝葉を取り去った単純なところにあり納得。
ラブ要素はやや突飛なようで、真実を辿る道のりに絡んでいて読み飛ばせないようになっていました。
舞台のように、登場人物たちのやりとりが意味慎重に魅力的に切り取られていて、最後まで物語としても一定に面白く、楽しい読書の時間になりました。
Posted by ブクログ
ミス・マープルものとして読むとちょっと物足りないかもしれない。ミス・マープルの出番は後半のごくわずか。
それでもやはりクリスティらしい誰もが怪しく見える作品で、主人公の兄妹が微笑ましい。
じっと編み物をしながら、頭をフル回転させるミス・マープルのように世の中を見てみたいと思ってしまう。彼女の頭の中では様々なことがきちんと整理されていくのである。
Posted by ブクログ
マープル談「頭のいい子は、低脳と紙一重ですからね」の一言が印象的。
みにくいアヒルの子ストーリーが前面にでた作品なので、優秀かつ多感で悩みが多い思春期の方にオススメします。
解説によれば「クリスティー自身、一九七二年に日本のファンの質問に答えた自薦十作品の中に、最後にこれをあげている」とのこと。
Posted by ブクログ
ミステリとして犯人は分かりやすかったですね(笑)しかし、ジェリーとミーガンの関係が面白くって(笑)単純な話ですしベタベタな展開になってますが面白かった(笑)今までのミス・マープル・シリーズの中では一番面白かったです(笑)ミス・マープルの出番は少なかったけど(笑)
Posted by ブクログ
クリスティのミス・マープルシリーズ3作目。
戦争で負傷した軍人のジェリーは、医師に勧められ妹のジョアナと閑静な田舎の村に引っ越してくる。その頃村では、誹謗中傷の手紙が誰彼構わず届いていた…
マープルシリーズの3作目だが、マープルの出番がほぼない笑。なのでノンシリーズ作品のよう。
ジェリーとジョアナのトンチンカンなやりとりや、ロマンス要素も楽しみつつ。ただ、嫌な奴はとことん嫌な描かれ方をしている。
トリックというか犯人は分かりやすいか。犯人へ至るまでの推理が良い。
ラストも爽やかな読み応えで良かった。
Posted by ブクログ
ミス・マープルシリーズ③
静養のため、妹のジョアナと共にリムストックへとやって来たジェリー・バートンは、誹謗中傷が書かれた差出人不明の手紙を受け取る。バートン兄妹は一笑に付すが、この町では以前から人々を誹謗中傷する手紙が出回っていることを知る。
そんな中、手紙の内容を苦にして、自殺者が出てしまう。
誰が、こんな手紙を書いて町中にばらまいているのか?
なぜ、こんなことをしているのか?
自殺か他殺か?
田舎の個性的な面々は、誰もが無関係なように見えるが、誰もが怪しくも見えてくる。
謎ばかり深まる。
しかし、ラストにマープルが登場し、謎の根本をシンプルに示す。
うわぁ~スッキリ!視界が一気にクリアになった。そして、全てのピースがはまる爽快感!
バートン兄妹のロマンスもまた良かった〜
Posted by ブクログ
おもしろかった!
あれ?セント・メアリーミードじゃないの?ってなったけどちゃんとマープルさん出てきた
恋愛模様もかなり好きな設定で最後までドキドキしながら楽しめた
Posted by ブクログ
こちら、正直あまり期待せず(未読のマープルものだから……)くらいのテンションで読み始めたのですが、クリスティー作品の中で一二を争うくらい好きかもしれません(”面白い作品”でなく”好きな作品”部門で)。なんだかずっとニコニコしながら読んでいました〜(´ω`*)
そもそもあらすじの「ミス・マープルが若い二人の探偵指南役を務める」からしてうーんという感じなのですが、読み終わってみればマープルさんの出番はほぼナシ!なんなら、途中までノンシリーズだと思い込んでいたくらい。
ですので、マープルものだと意気込んで読むとちょっぴり拍子抜けかもしれませんね。ノンシリーズにマープルさんがゲスト出演、くらいな期待値だと嬉しいサプライズという感じです。
なにが良いって、バートンの語りが良い!
「この物語の書き手」の時点で少し警戒してしまったのですが、まったくの杞憂でした。というか、本書に関しては(こうかな?)と予想したことは何一つ当たりませんでしたが(いつものこと)。
妹のジョアナ共々、具体的なバックボーンはよくわかりませんが裕福な暮らしで育ちがよく、田舎の町に越してきても人々を偏見の目で見ることなく、実におおらかに構えているのでこちらまでなんだかゆったりした気持ちに。
特に、「バートン家の者たちは、ここんところ売れ行きが悪いのね!」と慰め合う様なんて、なんて仲がよく、そして二人とも人がいいんだろうと感心してしまいました。
その他の登場人物たちも、たしかにクセはあるけども基本的に善良な人々で、解説にある通り、こんなに好きになっちゃったのに裏切られたらかなしい……とハラハラする始末。よっぽどセント・メアリ・ミード村の方が毒があるような……笑
肝心の謎解きもスッキリ解決して、こーんなに円満に収まるミステリーも珍しいのではないでしょうか?
ミステリーの中では浮いてしまいがちなロマンス要素も今回はとっても好ましく描かれていて、もうなんの不満もありません。
再読の機会があれば、無駄に疑心暗鬼になったりせず、このハッピーな物語を存分に楽しみたいと思います〜。
Posted by ブクログ
ミステリよりロマンス成分が多め。途中までミーガンが犯人と思ってたのでハラハラしていたが、全然当たっていなくて逆に安心した。冷静になると犯人の動機がゲスい。マープルはゲストキャラ的扱いだったが、これはこれでいいかも。
Posted by ブクログ
マープルシリーズ第三作。やっぱり犯人当て3連敗、難しい。元軍人のバートンの語りでストーリーが展開される。飛行機事故のため療養中のバートン兄妹、ロンドンから田舎町で過ごす。しかし静養どころではなく陰湿で醜聞的な嫌がらせの怪文書が頻発。疑心暗鬼になった住民がいきり立つ。そして、弁護士の妻が殺される。さらにお手伝いのアグネルも。怪文書を書いているのは誰なのか?動機は何なのか?さらに、マープルはいつ登場するのか?そこでバートンが弁護士一家の中のミーガン(20歳)に恋をする。犯人は意外と身近にいた!やられた~④
面白かった
物語として面白かった。
めでたしめでたし。
このみによるけど私には面白かった。
ミステリとしては、それほどでもないかもしれない。
もちろん謎解きは鮮やかでなるほどと思ったけど、
なんとなく犯人の目星はつくので。
Posted by ブクログ
ミス・マープル・シリーズを何冊か読んでそろそろ読み飽きた頃だったのだが、これは良かった。といっても、ミス・マープルは主要登場人物一覧にも登場しないくらいの端役で、チラっと出てきて、事件を解決して帰っていく謎の老嬢としてしか描かれない。しかし古き英国の田舎の雰囲気を大いに湛えた描写は楽しめる。
解説の久美沙織が書いている「大好きになってしまったキャラたちが犯人だったらどうしようと、ハラハラさせられる」という表現がまさに的確。推理小説にこういう楽しみがあるとは!
Posted by ブクログ
ミス・マープルの長編3作目。ミス・マープルが終盤まで出てこない。出てきたら一気に謎が解けるんだけど、こういう主役っぽくない名探偵は珍しいかも。
ミス・マープルはなかなか出てこないけど、語り手の青年ジェリーと妹のジョアナがいいキャラで、ロマンス要素もあって楽しく読んだ。
久美沙織さんの解説も面白かった。
Posted by ブクログ
探偵がこんなに長いこと出てこないミステリーも珍しい(笑)
ストーリーはさすがの面白さ。
キャラクターがみんな好感持てたのもクリスティー作品の中では珍しい気がした。
Posted by ブクログ
物語の途中からミス・マープルが登場して「お、あのミス・マープルじゃん‼️」となった。話の終わり方がよかった。意味不明な事件だったが、読み終わった今ではなかなかおもしろいと思った。
Posted by ブクログ
これは割と早い段階で犯人と動機に気付いたが家庭教師が共犯かな、と思ってしまった。主要な登場人物が陽性で楽しく読めた。特にミーガンの正直すぎて身も蓋もない英文学評と斬新なリア王論(幸薄い境遇にありながら逞しさを感じる)がツボで笑わせておいて、終盤の覚悟の手紙がジーンとくる。
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主人公というか語り手とその妹に好感がもてるので楽しく読めた。途中でロマンスが驚きの急展開。そんなことする?っていうようなことをある女性にしてビックリした。
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物語中のロマンスが良い。
ちょっとひねくれたおてんばな女の子がやがて…
恋愛ものとして印象の方が強く残った。
2025年8月再読。
ロマンチックラブの部分はいいねー。
映像化してほしい。
ミス・マープルがする推理を主人公がしていて、それが伏線になっていて、マープルがそこから謎解きをするというワンクッションが面白かった。
クリスティー作品の恋愛関係にしてはハピエンにまとまっていて良い。
その周辺にいやなひとがいないのもいいし、勇気あるヒロインを助けるヒーローもかっこいい。
マイ・フェア・レディ要素もあり。
ヒロインの理解されない美点を主人公が見抜いてくれるとこが良かった。
Posted by ブクログ
謎の批判文に自殺した婦人。平和で事件など起こりそうもない村で起こった殺人事件。清廉潔白そうな人の裏の顔を感じさせる作品。兄妹そろって結婚エンドというところに時代を感じる。
Posted by ブクログ
本当にミスリードが上手い。
毎回振り回される。
確かに“火のないところに煙は立たない”と言うけれど…なるほどねえ。
始まりは傷痍軍人のバートンの元に届いた悪意ある中傷の手紙。
それはリムストックの住民達にも無差別に届けられ、ついには自殺者まで出てしまう。
この匿名の手紙は何を意味しているのか。
そして差出人の意図とは?
Posted by ブクログ
悪意と中傷に満ちた匿名の手紙から始まった殺人事件。なかなかマープルが出てこないから、そこにもドキドキして読んでた。もしかした出てこないのかとすら思った。
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小数点があれば3.5点ぐらい。
登場人物紹介を見て、今作は語り手がいるのでマープルは要所要所で出てくるタイプかな?とは思っていたけど、なかなか出てこなくて何度もこれマープルシリーズであってる?と確認した。
マープルが大好きなので活躍が少なめでやきもきしたけど、語り手兄妹のラブストーリーが面白かった。
急に求婚しにいくのが日本では考えられなくて流石だなぁと笑った。
私が読んだクリスティー作品は今のところ全て2回以上事件があるので、山場が多くて面白いな〜と思った。
あとほぼ毎回この人が犯人!?と思うのと、犯人を捕まえるのにまぁまぁ危険な真似をするのがすごい。
理詰めの探偵じゃないからこそ、証拠が不十分でほぼ現行犯逮捕になるという面白さ。
Posted by ブクログ
ミス・マープルの活躍が見れる!と意気込んでいたら、全然出てこない。この物語の語り部は軍人のバートン。さすがクリスティ。あるムラで事件が起き、なにやら不審な手紙が届き。そして最後にはマープル。心踊らされた。
Posted by ブクログ
ミス・マープル3作目。だけど、今回はミス・マープル登場は控え目。そもそも冷静に考えればそこだよな、って結論を色々な事柄で粉飾してめくらましされる。『邪悪の家』にも通じる流れだが、ロマンス要素もあり、クリスティの持ち味が存分に出ていると思う。
しかし、ミス・マープルのキャラはここまで3作で少しずつ違う気もする。次あたりからは安定してくるのかな。
Posted by ブクログ
ミスマープルものの3作目。
物語の流れとしては、"この角度でくるか"といった意外さと、丁寧に作り込まれた謎で構成されているように感じた。
内容的には申し分なく面白いものだったが、ミスマープルの登場がストーリーの後半以降なのが少しだけ残念だった。それはそれで別の登場人物による推理が主となって進むので新鮮味があった。
Posted by ブクログ
「アガサ・クリスティ」の長篇ミステリー『動く指(原題:The Moving Finger)』を読みました。
『書斎の死体』に続き「アガサ・クリスティ」作品です。
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傷痍軍人の「バートン」が療養のために妹とその村に居を構えてまもなく、悪意と中傷に満ちた匿名の手紙が住民に無差別に届けられた。
陰口、噂話、疑心暗鬼が村全体を覆い、やがて名士の夫人が服毒自殺を遂げた。
不気味な匿名の手紙の背後に隠された事件の真相とは?
「ミス・マープル」が若い二人の探偵指南役を務める。
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1943年に発表された「ミス・マープル」シリーズの長篇3作目となる作品、、、
『書斎の死体』に続き「ミス・マープル」シリーズ作品です… 1年くらい前にドラマ化された作品(『ミス・マープル2 動く指』)を観ていたので、イメージは掴みやすかったですね。
戦時中の飛行機事故により重傷を負った「ジェリー・バートン」は、医者の勧めにより、静養のために妹の「ジョアナ」とリムストックの町へとやって来た… 二人がリムストックに居を構えてまもなく、差出人不明の手紙が届けられる、、、
それは、「ジェリー」と「ジョアナ」が本当の兄妹ではない」という内容を下品な表現で文にした誹謗中傷の手紙だった… 「ジェリー」はバカバカしいと思い手紙を破り捨てるも、地元の医師「グリフィス」に手紙のことを打ち明けるが、「グリフィス」は、リムストックでは以前から人々を誹謗中傷する怪文書が出回っていると話す。
そしてこの怪文書事件は新たな悲劇を引き起こした… 事務弁護士「ディック・シミントン」の妻である「モナ」が服毒自殺を遂げてしまったのだ、、、
手紙には、現夫の「ディック」との間に生まれた次男の「コリン」が、「ディック」ではなく別の男との間に生まれた子供であるという内容が下品な表現で綴られていた… 「モナ」の遺体のそばには「生きていけなくなりました」というメモが残されていたことや、彼女が以前から神経衰弱気味だったことから、「モナ」の死はこの手紙を苦にしての自殺と思われた。
さらに事件は続き、今度は「シミントン家」のお手伝いである「アグネス」が行方不明になる… 彼女は行方不明になる少し前に、リトル・ファーズ邸のメイドである「パトリッジ」に相談したいことがあると電話をしていたのだった、、、
「パトリッジ」は「アグネス」とお茶を一緒にという約束をしていたが、現れなかったのだという。
翌朝、「ジェリー」は「ミーガン」からの電話で目を覚ました… 「シミントン」の妻「モナ」が前の夫との間に儲(もう)けた娘であった、、、
「ミーガン」は慌てた口調で「ジェリー」に「すぐに来て!」と話し、「ジェリー」は悪い予感を感じつつ「シミントン家」へと向かう… その悪い予感は的中した。
行方不明になっていた「アグネス」は、階段の下の戸棚で他殺死体となって発見されたのだった… この事態に牧師夫人は、知人の「ミス・マープル」を呼び寄せた、、、
「ミス・マープル」は事件の真相を探るべく、リムストックを散策することとなった… ということで、残りページ数が少なくなった280ページ(トータル391ページ)で、ようやく「ミス・マープル」が登場します。
全編「ジェリー・バートン」の視点で物語が進むのですが… 「ジェリー・バートン」は、終盤になって登場した不思議な老夫人「ミス・マープル」の不可解なコメントや行動に困惑しながらも、徐々に真実に近付いていきます、、、
先に推理を始めていた「ジェリー」でしたが、いつの間にか「ミス・マープル」に先を越されてしまった感じでしたね… 怪文書事件等により、読者も「ミス・マープル」以外の登場人物たちもミスリードしてしまう仕掛けが巧く織り込んであり、まんまと騙されましたね。
登場人物が多く、相関関係が分かり難いこともあり、複雑な推理をしていまいます… それが「アガサ・クリスティ」の仕掛けた巧みな罠なんですよねぇ、、、
実はシンプル… 殺人の動機があり、最も犯罪者らしい人物が真犯人でしたね。
愉しめる作品でしたが… 「ミス・マープル」の登場シーンが少ないので、ファンにとっては少し物足りないかも、、、
あと、登場人物が多いので、時々、誰が誰やら混乱気味… ドラマを先に観ていなかったら、もっと混乱したと思います。
以下、主な登場人物です。
「ジェーン・マープル」
詮索好きな独身の老婦人。
「ジェリー・バートン」
本作の語り手。
傷痍軍人で、療養のためにリムストックから半マイル離れたリトル・ファーズ邸に移住。
「ジョアナ(ジョー)・バートン」
ジェリーの妹。兄ジェリーとともにリトル・ファーズ邸に移住。
「リチャード(ディック)・シミントン」
ガルブレイス・アンド・シミントン法律事務所の事務弁護士。
「モナ・シミントン」
ディックの妻。
「ミーガン・ハンター」
モナの先夫の娘。
「エルジー・ホーランド」
シミントン家の家庭教師。
「アグネス・ウォデル」
シミントン家のお手伝い。
「ローズ」
シミントン家のコック。
「オーエン・グリフィス」
医師。
「エメ・グリフィス」
オーエンの妹。
「エミリー・バートン」
リトル・ファーズ邸の持主で、オールドミスの姉妹の最後の1人。
「パトリッジ」
リトル・ファーズ邸のお手伝い。
「ケイレブ・デイン・カルスロップ」
教区牧師。
「モード・デイン・カルスロップ」
教区牧師夫人。
「ナッシュ」
郡警察の警視。
「ミス・ギンチ」
ガルブレイス・アンド・シミントン法律事務。
「ジョージ」
ベアトリスの恋人。
「パイ」
プライアーズ・エンドの修道院長。
「クリート夫人」
植木屋の妻。‘賢者の一族’の出身。
「ベアトリス」
リトル・ファーズ邸のお手伝い。
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陰口が書かれた手紙が届くところから始まる事件。
マープルものであるが、マープルが最後にちょろっと出てくるだけなのはちょっと残念。事件の切り口としては面白いと思うが、ものすごいと思うほどでもなかったというのが正直なところか。
Posted by ブクログ
マープルものということで読み始めたのに、ミスマープルは第十章まで出て来なくてびっくりしました。でも出て来た途端にその場にすっかり溶け込んでるのはまさにミスマープルといったところで…。
主役の兄妹もチャーミングで、ふたりしてプロポーズを断られてしょんぼりしてるところはほっこりしましたね。少女漫画的展開も楽しめました。
Posted by ブクログ
アガサクリスティー。ミスマープルシリーズ。
読み始めて既視感があると思えば、ミーガンで以前読んだことがあるのを思い出した。
村中に中傷の手紙が届き、そのせいで女性が亡くなるという話。マープルは事件の解決に顔を出すだけで、メインは傷痍軍人とその妹であり、クリスティーの作品の中でもとりわけ恋愛色が強いのが人を選ぶと思います