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Posted by ブクログ
しまったー.この本は中編「ほどけるとける」と短編「フィルムの外」の2本立てなんだけど,「フィルムの外」はアンソロジー「ひとなつの。」に掲載されていた作品だったんだ.
大島真寿美先生の作品は「ピエタ」とこれしか読んでないのに忘れていた.とはいっても「ほどけるとける」を読むにはこれを買うしかないので仕方ないか(面白かったし).
高校を中退してブーたれながらおじいちゃんの大和湯でアルバイトをしている美和ちゃん.何がしたいわけでも,将来の夢もわからない.そんな美和ちゃんが大和湯で色々な人と触れ合って,進む道を見つけていくっていう話で,「いいよなー,あの時期って・・・.」と懐かしむ感じと,なんか元気がもらえる作品.
思わぬ再読になってしまった「フィルムの外」だけど,やっぱりステキな話だった.「ひとなつの。」の別の話ももう一度読んでみようかな.
解説に書いてあった「ほどけるとける」のサイドストーリー「戦友の恋」,「フィルムの外」で撮影していた映画の原作「チョコリエッタ」も読んでみようと思う.
Posted by ブクログ
初め、とても戸惑った。
フジリネンのおじさんの、「」なしになっていく怒涛のセリフに。その後、美和ちゃんや佐紀さん、タエさんやおじいさん、みんなのセリフも、こんな調子でどんどん喋り倒していく。声が聞こえてきそうなくらい。すごい、生きてる人の、熱量を感じる。どんどん引きずり込まれてしまった。
いっぽう、美和ちゃんが「3D」に見えてくる男性は、姿のみの描写で、一切の言葉を発しない。美和ちゃんが見たままの世界だから。
「戦友の恋」の佐紀さんと、美和ちゃんで、映画にしてほしい。タイトルみたいにゆったりとしたテンポで、セリフだけで物語が進んでいくみたいな。瞑想キャスティングが始まるわ。
Posted by ブクログ
私がこよなく愛する「戦友の恋」のスピンオフ作品
大和湯の美和ちゃん目線の物語
美和ちゃんは玖美子を知らないので、玖美子が死につづけている世界に生きつづけている佐紀のことは分かっていない
美和ちゃんの目から見る佐紀は、当初豪快なおばちゃんとして描かれる
でも、達貴を追いかけていた時に佐紀から声をかけられて(ここは戦友の恋でも出てきたシーン、でもここだけ、そして佐紀は美和ちゃんが達貴に恋してることに実は気づいてる)、その後を描いてる
佐紀の部屋で一緒に飲んで、親しくなってる
そして君津とのこと
色々あったんだね
大和湯で人生を見つけた美和ちゃんのこれから
周辺のおじさんおばさんを馬鹿にすることなく、親しんでいられる美和ちゃんはきっとこれからしっかり生きられる
高校中退して、プラプラしてたのも無駄じゃなかったんだね、と親戚目線で思ったりした
それと
「フィルムの外」という短編が付されていたが
これが鳥肌立つほど良かった
自分で自分を演じているような気になることって、若い頃はあったかなと思う
特に恋愛してると、演じ分けすらしていたような笑(恥ずかしい)
今はもうそれが普通
母を演じ、妻を演じ、娘を演じ
そして社会人でもある
どれが本当の私?
全部なんだなって思っている
そしてラスト
その夏に撮っていた映画を30年経ってから観る“ぼく”(この語り手の男の子は固有名詞を表してた?)
映画に出てくるその夏を過ごした家を取り巻く景色
観た瞬間に、その夏を色濃く再体感する
匂いとか、音楽とかってそういう感覚あるけれど、それの景色バージョンなんだなと思った
こういう記憶の蓋の開きかたって急激で、色鮮やか
激流になって記憶がなだれ込む
それが一夏だけの、恋人でも友だちでもない、年の違う異性との特別な思い出であれば、涙が出てしまいそう
由奈も観たかな
由奈も“ぼく”を思い出したかな
由奈も幸せならいいな
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