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幻のホテルをめぐる、甘美で謎めいた記憶。人々が語る、横浜の高台にあった小さなホテルの思い出話。そこに隠された秘密とは――幻想味に満ちた珠玉の八編。「私の記憶の中にあるホテルを探してくださらない」。ある老婦人から依頼された私は、かつて横浜の高台にあり、多くの外国人客を迎えた小さなホテルについて調べはじめる。海が見えるオープン・テラス、年末にバンケットルームで開催される豪華絢爛なダンス・パーティ、評判のシェフが作り出す珍しい料理の数々、世間の目をはばかる客も多かった長期滞在客用のアパートメント。不思議なことに、もと従業員や宿泊客たちが語るホテルにまつわる思い出話には、死の影と奇妙な謎がからみついていた――憂いと頽廃の気配漂う、美しくも恐ろしい連作短編集。
...続きを読むPosted by ブクログ 2017年08月15日
まーちさんのブクレポを読んで、面白そうなので読んだ。
どちらかというと女性向けの物語のような気がするが、皆川博子とか好きなら、男性でも面白いと思う。
内容はまーちさんもあめん坊さんも書かれているので、改めて書く必要はないかと思うので省きたい。
写真は謎解きの鍵となる細部のアップが多いが、こ...続きを読む
Posted by ブクログ 2013年03月17日
かつてあった「ホテル・メランコリア」を舞台とした、レトロで幻想的なミステリ連作集。本の随所に挿入された写真も、雰囲気をたっぷりともりあげてくれます。
どの作品も美しくて、どこかしらぞくりとさせられるホラーテイストも感じられます。各人の思い出の中で語られるホテルの姿は、それぞれに幻想的な雰囲気を醸し出...続きを読む
Posted by ブクログ 2013年10月08日
今は何処にあるのかわからなくなってしまった、記憶の中の思い出のホテルを探す話。
ホテルに関する話の聞き込みをする形で、いくつかの話が合わさった短編集だった。
少し怖くて、薄暗くて、生臭くて、色んな人間の想いが複雑に混ざり合ってマーブル模様になって。
そんな一人一人の人間の中で琥珀のように眠るメ...続きを読む
Posted by ブクログ 2015年03月28日
全体的に雰囲気は好み。ただ雰囲気が好みなだけで、内容はだいぶ安っぽいありがちなミステリーが目について残念。
「百合、ゆらり」とか何を勿体ぶって話してんだかと鼻白んだぐらい謎がショボい上に謎解きもショボい。
柘榴画廊だとか、アメジストのビスク・ドール等単語のセンスは好きだし、文章も読みやすいのに幻想的...続きを読む
Posted by ブクログ 2013年02月25日
横浜にかつて存在していたという小さなホテルを巡る8編の短編集。
ある老婦人からの依頼で当時の事を調査していく主人公。
当時の記憶を有するであろうホテルの元従業員や関係者達の口から語られる懐古の物話は、どこか奇妙で、仄かな悪意や愛憎、死の影が見え隠れする。
彼等の謎めいた記憶の断片は、果たして真実なの...続きを読む
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