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  • NHK連続テレビ小説 ブギウギ 上
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    1~2巻1,650円 (税込)
    笠置シヅ子をモデルにした朝ドラ「ブギウギ」。数々の名曲とともに元気をお届け! ヒロイン・鈴子は、香川生まれの大阪育ち。銭湯の看板娘から、“ブギの女王”と呼ばれる戦後の大スター歌手となっていく。満面の笑顔、からだ全体を使った踊り、明るい歌声。それは、暗い戦争の時代や、燃えるような恋と別れなど、心がズキズキするようなことを乗り越えてきたからこその強さがあったーー。 ドラマのストーリーそのままに、セリフ満載で完全ノベライズ化。
  • あすは起業日!
    4.3
    1巻1,683円 (税込)
    人とお金と人生について学べるビジネス小説! コスメ業界で働く加藤スミレは、リモートでゆるく働く毎日にどこか物足りなさを感じていた。そんなスミレにあるとき、上司から突然の「クビ」宣告が。絶望するスミレだったが、ハローワークや周囲の人の話を聞くうちに、かつて「起業したい」と感じていたことを思い出す。昔から本が大好きだったスミレ。これはもしかして「好きなことで生きていく」に挑戦できるラストチャンスでは? 転職先も決まらず背水の陣となったスミレは、意を決して起業家の知り合いを訪ねてみるが……。 スキルも人脈もお金もないスミレは、本への熱い「想い」だけで起業できるか!? 貧困、孤独、どん底から這い上がり夢を実現させた女社長の唯一無二のスタートアップ奮闘記! キャリアや恋愛に悩みながらも、資金調達や仲間集めといった困難のひとつひとつに体当たりで立ち向かっていくパワフルな主人公の姿をリアルに描く。 電通での激務を経てオンライン書店「Chapters(チャプターズ)」を起業した著者が、これから起業を考える全ての日本人に贈るビジネス小説。
  • 看板ボーイズ
    -
    黒髪眼鏡と銀髪イケメンの凸凹コンビが古書と建築の聖地・神保町から、実在する昭和レトロな看板建築を巡るロードムービー的小説 実在する「昭和レトロ」な看板建築の魅力が満載! 看板建築は、「昭和レトロ」な建物の代表。名前は知らなくても、外観で「見たことある」となる人も、少なくないのでは。 近年、Z世代を中心に「昭和レトロ」ブームが到来している。また、韓国でも「ニュートロ」という造語が生まれ、台湾では日本の洋食がトレンドになるなど、国際的な規模でレトロブームが注目を集めている。 今作では、黒髪メガネの真面目な公務員・誠と、銀髪でチャラい謎のイケメン・ワタル、カタブツ&チャラ男の凸凹コンビが、神保町でルームシェアをしながら、日本各地の看板建築を巡る小旅行に出る。 現役で営業している実在の看板建築の店舗を取材し、地名も店名も実名で登場。フィクションとノンフィクションが交錯する、新しいカルチャー系建築小説が誕生! 【あらすじ】 神保町にある『相良珈琲店』跡地に引越してきた公務員の誠は、引越し当日に突然現れた銀髪の美青年・ワタルと、なぜか同居することに。そして、古い押入れから出てきた“あるノート”をきっかけに、二人の、日本各地の看板建築を巡る不思議な旅が始まるのだが―― 【目次】 プロローグ 『看板建築と記憶の扉』 1 『居候とシェアハウス』 2 『ネガとポジ』 3 『時間と記録』 4 『推しとアレルギー』 5 『星空と祭り』 6 『コーヒーと日本酒』 7 『過去とこれから』 エピローグ 『看板建築と未来の空』 菊池 百恵(キクチモモエ):脚本家。小泉徳宏監督主宰・モノガタリラボ所属。NHK FM やTOKYO FM など、多数のラジオドラマのほか、ショートフィルム、ソーシャルドラマ、漫画原作に至るまで、幅広いジャンルで脚本を担当。2024年、初の著作となる『看板ボーイズ』を刊行。 モノガタリラボ:映画『ちはやふる』『線は僕を描く』などで知られる小泉徳宏監督が主宰する、シナリオ制作チーム。 映画監督、舞台演出家、CMプランナー、アニメーターなど多彩なバックボーンをもつ24 名のメンバーが所属(2024年1月現在)し、複数人で執筆にあたる「チームライティング」で映画・配信ドラマ・漫画などの脚本を創作中。 【電子版のご注意事項】 ※一部の記事、画像、広告、付録が含まれていない、または画像が修正されている場合があります。 ※応募券、ハガキなどはご利用いただけません。 ※掲載時の商品やサービスは、時間の経過にともない提供が終了している場合があります。 以上、あらかじめご了承の上お楽しみください。

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  • 肉を脱ぐ
    4.2
    1巻1,760円 (税込)
    売れない新人作家・柳佳夜は自作の感想を求めてエゴサに明け暮れるうち、同姓同名のVTuberを発見する。魔界への帰還を目指す吸血鬼という設定のVTuberはまたたく間に人気配信者となり、むしろ自分になりすまし疑惑がかけられ、柳はVTuberの正体を突き止めようと奔走するが――。
  • うまいダッツ
    3.8
    とある高校の喫茶部。それぞれ好みのおやつを持ち寄る四人は、 不思議な噂を耳にする。 「うまい棒一本で、世界の秘密がわかるらしい」 それはただの都市伝説か、それとも――!? ゆる部活のメンバーがたどりついた「答え」とは。 「おやつ部」のメンバーが、世界の謎にゆるく挑む。 スナックをつまむ指先が光るのは、油のせいだけじゃない、かも。 おいしく楽しく、ときどき切ない5つの物語。 うまい棒一本で、世界の秘密がわかるらしい―― 学内で囁かれる噂の真相とは?(「うまいダッツ」) おばあちゃんが失くしたブローチを探すことになったおやつ部の面々。 探し物の過程で見えてきたものとは。(「チロル・ア・リトル」) お菓子当てクイズに参加することになった四人。 果たして、その勝敗はいかに。(「バカみたいにウケない」) SNS上の友達と気まずくなってしまったメンバー。 会いたくない彼女と会いたい彼女、それぞれの理由とは。(「それは王朝の」) 学年が上がり、初めてできた後輩。 しかし彼らは全員、妙にまじめで――。(「百年の愛」)
  • ヒポクラテスの悲嘆
    3.8
    1巻1,870円 (税込)
    ミイラ化した死体は何を語る? 引きこもりを抱えた家族を襲う悲劇。彼らは被害者か、それとも――。 光崎教授が抉り出す、深い闇とは? 浦和医大法医学教室にミイラ化した遺体が運び込まれた。亡くなったのは40歳の独身女性で、死後2週間が経っていた。 まだ4月だというのに埼玉で見つかった4体目の餓死死体だ。埼玉県警の古手川によると、女性は大学受験に失敗して以来20年以上引き籠っていたという。 同居していた70代の両親は先行きを案じ、何とか更生させようと民間の自立支援団体を頼ったが、娘は激昂し食事も摂らなかったらしい。 彼女はなぜ餓死を選んだのか? それとも親が嘘を? だが、解剖を行った光崎教授は、空っぽであるはずの胃から意外なものを見つけるが――。 死体は嘘を吐かない――傑作法医学ミステリー第5弾!
  • タイムベンダー 時を歪める者
    -
    本書に描かれているのは「僕の」物語であり、同時に読者である「あなたの」物語です。 あなたもぜひ、この不思議な世界を何度でも味わってください。 ――安藤美冬氏(作家)あとがきより ロック・スターでもある著者が、自らの神秘体験をもとに、 世界の真理と人間のあるべき未来の姿を明らかにする!! 1980年12月、ジョン・レノンが死んだ翌日。涙にくれる著者のもとを、山高帽をかぶった謎の紳士が訪れる。彼は「タイムベンダー」と名乗り、地球(マザー)からのメッセージをことづかっていると切り出す……。 彼が語る壮大な宇宙の秘密とは?  瞑想とヨガ、アマゾンでの神秘体験を経て、著者が得た深遠なる啓示とは? オランダで大ヒットを記録した最強のスピリチュアル入門書、遂に邦訳なる!
  • 定年物語
    3.3
    1巻2,310円 (税込)
    正彦さんが定年を迎え、さてこれからは、一緒に旅行を……と期待していた二人。しかし、折しも世の中はコロナで自粛中。そんな中で、新たなフェーズに入った二人の生活は? 俳句、骨董と、趣味の道をきわめる正彦さんと、二次元コードに苦しめられたり、日々のちょっとした生活の変化を楽しんだりする陽子さんの日常を綴る、シリーズ最新作。
  • 父の革命日誌
    4.5
    パルチザンとして闘争に身を捧げた父の突然の死。喪主として帰郷した娘だが、その葬儀には思いもよらない弔問客たちが次々と訪れる。人生の複雑さをユーモラスにたたえた、傑作長篇。
  • わたしの本はすぐに終る 吉本隆明詩集
    -
    戦後思想界の巨人・吉本隆明の本質は詩人だった。 吉本はまず私家版の詩集『固有時との対話』(1952年)、同じく私家版詩集『転位のための十篇』(1953年)で、まず詩人として歩みはじめる。その後、武井昭夫との共著『文学者の戦争責任』(1956年)に収められる戦前の左翼文学者の「転向」問題を扱う評論を発表しはじめることで、文壇や論壇でも知られるようになっていく。 その後も吉本隆明は文芸評論家や思想家としての仕事と並行して詩の創作をつづけ、抒情、論理、抽象、追憶、喜怒哀楽…読むものを惹きつけてやまぬ、まさに豊穣というほかない世界を作り上げたのだった。 本書は、著者自撰の『吉本隆明全集撰 1 全詩撰』(1986年)の後半部分(前半は文芸文庫既刊『吉本隆明初期詩集』に収録)を占める「定本詩集4」「定本詩集5」「新詩集」「新詩集以後」という1950年代半ばから80年代まで書き継がれた詩作群、70年代~80年代の雑誌連載をもとにした『記号の森の伝説歌』『言葉からの触手』という2冊の著作、90年代に雑誌掲載された「十七歳」と「わたしの本はすぐに終る」という2篇の詩で構成される。 講談社文芸文庫既刊の『吉本隆明初期詩集』と併せ、吉本隆明による詩の世界を集大成するものとなっている。
  • 災厄の宿
    3.7
    昭和51年、台風直撃の影響で強い雨が降り続く中、弁護士事務所の嘱託調査員の上坂徹郎は、休暇で徳島の人里離れた山深くの旅館を訪れる。だが、散弾銃と爆破物を手にした男が押し入り、籠城事件の人質の一人になってしまう。さらに、警察に包囲された旅館の中で不可解な殺人が起き、川の氾濫や土砂崩れのカウントダウンといった自然の脅威も差し迫る。果たしてこの旅館から脱出することはできるのか? 手に汗握る怒濤の展開で、読み始めると止まらない! 分刻みのノンストップ旅情ミステリー長編!!
  • 神話の密室 天久鷹央の推理カルテ 完全版
    4.3
    まるで神の魔法のような2つの「密室」事件。 アルコールが一滴もないはずの閉鎖病棟で泥酔を繰り返す、かつての人気作家。 キックボクシングの王者決定戦、勝利の瞬間にリングで死亡したチャンピオン。 かたや厳重な警備の病院で、こなた千人以上の観客が見守る中で、それでも起きた奇妙な「密室」事件。 摩訶不思議な2つの謎に対し、天才医師・天久鷹央がくだした「診断」とは? 書き下ろし掌編「後輩、朝霧明日香」収録。 出版社名「新潮社」より過去に配信された作品に加筆修正し、新たに書き下ろし掌編を加えた『完全版』となります。重複購入にはご注意ください。
  • 人間そっくり(新潮文庫)
    4.0
    《こんにちは火星人》というラジオ番組の脚本家のところに、火星人と自称する男がやってくる。はたしてたんなる気違いなのか、それとも火星人そっくりの人間なのか、あるいは人間そっくりの火星人なのか? 火星の土地を斡旋したり、男をモデルにした小説を書けとすすめたり、変転する男の弁舌にふりまわされ、脚本家はしだいに自分が何かわからなくなってゆく……。異色のSF長編。(解説・福島正実)
  • 飢餓同盟(新潮文庫)
    3.5
    眠った魚のように山あいに沈む町花園。この雪にとざされた小地方都市で、疎外されたよそ者たちは、革命のための秘密結社“飢餓同盟”のもとに団結し、権力への夢を地熱発電の開発に託すが、彼らの計画は町長やボスたちにすっかり横取りされてしまう。それ自体一つの巨大な病棟のような町で、渦巻き、もろくも崩壊していった彼らの野望を追いながら滑稽なまでの生の狂気を描く。(解説・佐々木基一)
  • 出世払い おやこ相談屋雑記帳
    3.5
    1~2巻616~660円 (税込)
    招き猫が招く手、右左の違いとは?(「猫は招く」)。気の合う相談客と盛り上がって帰宅した信吾が犯した大失敗(「山に帰る」)。いつも声を掛けてくる老婆のある変化の理由(「サトの話」)など、盛りだくさんの全5話を収録。大病からの生還を機に動物と話せる力を持った信吾と妻の波乃が営む相談屋と将棋会所のにぎやかな日常を舞台にした、笑いあり涙ありの人情物語。「めおと相談屋」の看板が「おやこ相談屋」に掛け替えられて、お馴染み青春時代小説の新シリーズ開幕!
  • 鉞ばばあと孫娘貸金始末
    3.5
    1~2巻616円 (税込)
    お鈴は七歳のときに火事で両親を亡くし、貸金業を営んでいる祖母お絹に引き取られた。今は一日も早く独立して暮らしたいと思いつつ看板描きの仕事をしながら、祖母の集金を手伝っている。ある日、袋物屋の茂兵衛が返済を延ばして欲しいと頼みにきた。お絹は鉞を握り、覚悟してお借りと言ったはずと断る。帰宅した茂兵衛は首を括って死んだ。だが、お絹は殺しだといい、お鈴が様子を探ることに……。命懸けで金を貸す江戸最強の意地悪ばばあとお転婆孫娘の痛快事件帖!
  • カンガルー・ノート(新潮文庫)
    4.0
    ある朝突然、〈かいわれ大根〉が脛に自生していた男。訪れた医院で、麻酔を打たれ意識を失くした彼は、目覚めるとベッドに括り付けられていた。硫黄温泉行きを医者から宣告された彼を載せ、生命維持装置付きのベッドは、滑らかに動き出した……。坑道から運河へ、賽の河原から共同病室へ――果てなき冥府巡りの末に彼が辿り着いた先とは? 急逝が惜しまれる国際的作家の最後の長編!(解説・ドナルド・キーン)
  • 笑う月(新潮文庫)
    3.8
    笑う月が追いかけてくる。直径1メートル半ほどの、オレンジ色の満月が、ただふわふわと追いかけてくる。夢のなかで周期的に訪れるこの笑う月は、ぼくにとって恐怖の極限のイメージなのだ――。交錯するユーモアとイロニー、鋭い洞察。夢という〈意識下でつづっている創作ノート〉は、安部文学生成の秘密を明かしてくれる。表題作ほか著者が生け捕りにした夢のスナップショット全17編。
  • 無関係な死・時の崖(新潮文庫)
    4.0
    自分の部屋に見ず知らずの死体を発見した男が、死体を消そうとして逆に死体に追いつめられてゆく『無関係な死』、試合中のボクサーの意識の流れを、映画的手法で作品化した『時の崖』、ほかに『誘惑者』『使者』『透視図法』『なわ』『人魚伝』など。常に前衛的主題と取り組み、未知の小説世界を構築せんとする著者が、長編「砂の女」「他人の顔」と並行して書き上げた野心作10編を収録する。(解説・清水徹)
  • 友達・棒になった男(新潮文庫)
    3.8
    平凡な男の部屋に闖入して来た9人の家族。善意に満ちた笑顔で隣人愛を唱え続ける彼らの真意とは? どす黒い笑いの中から他者との関係を暴き出す傑作「友達」〈改訂版〉(谷崎潤一郎賞受賞)。日常に潜む底知れぬ裂け目を三つの奇妙なエピソードで構成した「棒になった男」。激動の幕末を生きた人物の歴史的評価に新たな光を当てた「榎本武揚」。斬新な感性で“現代”を鋭く照射する、著者の代表的戯曲3編を収録。(解説・中野孝次)
  • 箱男(新潮文庫)
    4.0
    ダンボール箱を頭からすっぽりとかぶり、都市を彷徨する箱男は、覗き窓から何を見つめるのだろう。一切の帰属を捨て去り、存在証明を放棄することで彼が求め、そして得たものは? 贋箱男との錯綜した関係、看護婦との絶望的な愛。輝かしいイメージの連鎖と目まぐるしく転換する場面(シーン)。読者を幻惑する幾つものトリックを仕掛けながら記述されてゆく、実験的精神溢れる書下ろし長編。(解説・平岡篤頼)
  • 姫と剣士1
    3.0
    幕末、名高い道場主の息子でありながら次男 であるが故にその才を隠し生きてきた伊織。 だが兄は行方知れずとなり、討幕派の門人を 匿っているとの疑いを受けた父は、剣を取れ ない体にされてしまう。道場は閉鎖、さらに 唯一の安らぎとして心を寄せる琴乃の父は、 佐幕派の急先鋒を担う旗本で……。一心に腕 を磨く剣士の愛と献身を描く傑作時代小説。
  • 密会(新潮文庫)
    3.9
    ある夏の未明、突然やって来た救急車が妻を連れ去った。男は妻を捜して病院に辿りつくが、彼の行動は逐一盗聴マイクによって監視されている……。二本のペニスを持つ馬人間、出自が試験管の秘書、溶骨症の少女、〈仮面女〉など奇怪な人物とのかかわりに困惑する男の姿を通じて、巨大な病院の迷路に息づく絶望的な愛と快楽の光景を描き、野心的構成で出口のない現代人の地獄を浮き彫りにする。(解説・平岡篤頼)
  • 水中都市・デンドロカカリヤ(新潮文庫)
    4.2
    ある日突然現われた父親と名のる男が、奇怪な魚に生れ変り、それまで何の変哲も無かった街が水中の世界に変ってゆく「水中都市」、コモン君が、見馴れぬ植物になる話「デンドロカカリヤ」。安部短編作品の頂点をなす表題二作に、戯曲「友達」の原型となった「闖入者」や「飢えた皮膚」など、寓意とユーモアあふれる文体の内に人間存在の不安感を浮び上がらせた初期短編11編を収録。(解説・ドナルド・キーン)
  • けものたちは故郷をめざす(新潮文庫)
    4.0
    ソ連軍が侵攻し、国府・八路軍が跳梁する敗戦前夜の満州。敵か味方か、国籍さえも判然とせぬ男とともに、久木久三は南をめざす。氷雪に閉ざされた満州からの逃走は困難を極めた。日本という故郷から根を断ち切られ、抗いがたい政治の渦に巻き込まれた人間にとっての、“自由”とは何なのか? 牧歌的神話は地に堕ち、峻厳たる現実が裸形の姿を顕現する。人間の生の尊厳を描ききった傑作長編。(解説・磯田光一)
  • 壁(新潮文庫)
    4.2
    ある朝、突然自分の名前を喪失してしまった男。以来彼は慣習に塗り固められた現実での存在権を失った。自らの帰属すべき場所を持たぬ彼の眼には、現実が奇怪な不条理の塊とうつる。他人との接触に支障を来たし、マネキン人形やラクダに奇妙な愛情を抱く。そして……。独特の寓意とユーモアで、孤独な人間の実存的体験を描き、その底に価値逆転の方向を探った野心作。(解説・佐々木基一)
  • あなたと食べたフィナンシェ
    4.0
    家を出るお父さんが教えてくれたアンキモの味。引っ越す友達と分け合ったグミ。仕事を辞めて久しぶりに作るキュウリのサラダ。恋人に別れを告げられ、目の前で冷めていくビスマルクピザ。子どもと食べる初めてのフライドポテト。恋、仕事、親との別れ――人生の忘れられない場面には必ず食べものの記憶があった。珠玉のショートストーリー+短歌集。
  • 砂の女(新潮文庫)
    4.0
    砂丘へ昆虫採集に出かけた男が、砂穴の底に埋もれていく一軒家に閉じ込められる。考えつく限りの方法で脱出を試みる男。家を守るために、男を穴の中にひきとめておこうとする女。そして、穴の上から男の逃亡を妨害し、二人の生活を眺める村の人々。ドキュメンタルな手法、サスペンスあふれる展開のうちに、人間存在の極限の姿を追求した長編。20数ヶ国語に翻訳されている。読売文学賞受賞作。(解説・ドナルド・キーン)
  • R62号の発明・鉛の卵(新潮文庫)
    4.0
    会社を首にされ、生きたまま自分の「死体」を売ってロボットにされてしまった機械技師が、人間を酷使する機械を発明して人間に復讐する「R62号の発明」、冬眠器の故障で80万年後に目を覚ました男の行動を通して現代を諷刺した先駆的SF作品「鉛の卵」、ほか「変形の記録」「人肉食用反対陳情団と三人の紳士たち」など、昭和30年前後の、思想的、方法的冒険にみちた作品12編を収録する。(解説・渡辺広士)
  • 第四間氷期(新潮文庫)
    4.2
    現在にとって未来とは何か? 文明の行きつく先にあらわれる未来は天国か地獄か? 万能の電子頭脳に平凡な中年男の未来を予言させようとしたことに端を発して事態は急転直下、つぎつぎと意外な方向へ展開してゆき、やがて機械は人類の苛酷な未来を語りだすのであった……。薔薇色の未来を盲信して現在に安住しているものを痛烈に告発し、衝撃へと投げやる異色のSF長編。(解説・磯田光一)
  • 他人の顔(新潮文庫)
    3.7
    液体空気の爆発で受けた顔一面の蛭のようなケロイド瘢痕によって自分の顔を喪失してしまった男……失われた妻の愛をとりもどすために“他人の顔”をプラスチック製の仮面に仕立てて、妻を誘惑する男の自己回復のあがき……。特異な着想の中に執拗なまでに精緻な科学的記載をも交えて、“顔”というものに関わって生きている人間という存在の不安定さ、あいまいさを描く長編。(解説・大江健三郎)
  • ファズイーター 組織犯罪対策課 八神瑛子
    -
    幹部の事故死や失踪が続き、混乱を極める指定暴力団・印旛会。警視庁上野署の八神瑛子は傘下の千波組に疑念を抱く。ご法度の薬物密売に手を出し、荒稼ぎを始めたからだ。裏社会から情報を得て、カネで飼い慣らした元刑事も使い真相に近づく八神。だが、彼女自身が何者かに急襲され……。手段を選ばず数々の難事件を解決してきた八神も終わりか?
  • コンサバター 大英博物館の天才修復士
    3.6
    世界最古で最大の大英博物館。その膨大なコレクションを管理する修復士、ケント・スギモトのもとには、日々謎めいた美術品が持ち込まれる。すり替えられたパルテノン神殿の石板。なぜか動かない和時計。札束が詰めこまれたミイラの木棺。天才的な審美眼と修復技術を持つ主人公が実在の美術品にまつわる謎を解く、豊潤なるアート・ミステリー。
  • 方舟さくら丸(新潮文庫)
    4.1
    地下採石場跡の巨大な洞窟に、核シェルターの設備を造り上げた元カメラマン「モグラ」。[生きのびるための切符]を手に入れた三人の男女とモグラとの奇妙な共同生活が始まった。だが、洞窟に侵入者が現れた時、モグラの計画は崩れ始める。その上、便器に片足を吸い込まれ、身動きがとれなくなってしまったモグラは――。核時代の方舟に乗ることができる者は、誰なのか。現代文学の金字塔。(解説・J・W・カーペンター)
  • 燃えつきた地図(新潮文庫)
    4.2
    失踪した男の調査を依頼された興信所員は、追跡を進めるうちに、手がかりとなるものを次々と失い、大都会という他人だけの砂漠の中で次第に自分を見失っていく。追う者が、追われる者となり……。おのれの地図を焼き捨てて、他人しかいない砂漠の中に歩き出す以外には、もはやどんな出発もありえない、現代の都会人の孤独と不安を鮮明に描いて、読者を強烈な不安に誘う傑作書下ろし長編小説。(解説・ドナルド・キーン)
  • 叫び
    3.0
    オンライン塾の講師・能見が、「高校生の息子が四十八歳の先生に誘惑されている」というクレームのあと姿を消した。副社長の上谷は彼女を慕う生徒二人に懇願され、捜索に翻弄される。彼を助ける社長の日渡は、能見の実家で二つの死体を見つける。噛み合わない能見の人物像。ストーカーの影。死体は誰なのか? 切ない叫びが胸に響くミステリー。
  • 三淵嘉子 日本初の女性弁護士
    4.0
    1巻850円 (税込)
    時は昭和、「女性は裁判官になれない」という法曹界に怒りを燃やす人物がいた。彼女の名は、和田嘉子──のちの三淵嘉子。「女の法律家など」と言われた時代に、日本初の女性弁護士のひとりとして奔走した嘉子の夢と生き様、戦いを描く傑作評伝。
  • 魔弾の射手 天久鷹央の事件カルテ 完全版
    4.0
    見えない「魔弾」を放ったのは、誰か。 西東京市にある廃病院で、看護師が転落死した。 不治の病を苦にした自殺と見做されたが、彼女の娘・時山由梨はそれを頑なに否定。 母が一人で死ぬはずがないと訴える。天才医師・天久鷹央は由梨の依頼を受け、事件を調べ始めるが、そこに「不可視の魔弾」の謎が立ちはだかる……。 現役医師の著者のみが描ける驚天動地のトリック。その犯人とは? 書き下ろし掌編「幽霊と鴻ノ池」収録。 出版社名「新潮社」より過去に配信された作品に加筆修正し、新たに書き下ろし掌編を加えた『完全版』となります。重複購入にはご注意ください。
  • つながる読書 ――10代に推したいこの一冊
    4.5
    SNSでつながった読み書きのプロたちによる本のプレゼン大会はじまります! 小説家、エッセイスト、研究者、学芸員、書評家、詩人、大学教員、中学高校教員、予備校講師、美術家、編集者──14名の豪華執筆陣が、それぞれの「推しの1冊」を“プレゼン”。それを別の人が読んだら、どう感じる? 人それぞれの思いが、さまざまな言葉に乗って織りなされていく。本で他者とつながることの面白さを実感できる、新感覚の読書体験。本の持つ無限のつながりの中に飛び込んでみよう! 【編者より】副題である「10代に推したいこの一冊」という文言からブックガイド的な本を想像なさる方も多いかと思いますが、いわゆる一般的なブックガイドではありません。豪華執筆陣の方々に、それぞれの「推しの一冊」を、自らの人生や思想、生き方などを踏まえながら“プレゼン”していただきました。そして、そうした“プレゼン”を踏まえての、私と読書猿さんとの対談、さらには詩人・草野理恵子さんの手になるエッセイ等、どのページをめくっても内容のパンパンに詰まった、宝石箱のような一冊です。 【目次】第1部本のプレゼン/第2部 本とつながる、本でつながる 小池陽慈×読書猿/第3部 つながる読書/おわりに 小池陽慈/《特別寄稿》どこにでも落ちているいいものはなーんだ? 草野理恵子
  • 江戸東京《奇想》徘徊記 新装版
    5.0
    1巻1,200円 (税込)
    当代きっての博覧強記にして粋人・種村季弘が、東京の裏町30を厳選して闊歩。ポストモダン臭一色になった東京のアスファルトを一枚一枚剥がすと、江戸や明治の名残が顔をのぞかせる。新装版に際し、森まゆみ氏による「令和版・徘徊の手引き」を収録。
  • 虎と兎
    3.0
    1巻1,999円 (税込)
    幕末。アメリカへ渡った白虎隊の生き残りの少年虎太郎は、インディアンの少女ルルを助ける。虎太郎は南北戦争の英雄カスターに追われるルルを助けながら、アメリカ縦断の旅へ出るが──。歴史の敗者たちを書き続けてきた著者が送る、新世代侍ウエスタン!
  • ラストライン
    3.6
    1~7巻800~880円 (税込)
    定年まであと10年のベテラン刑事・岩倉剛。 その特異な記憶力と勘を武器に、相棒の若い女性刑事とともに事件を追う! 定年まであと10年の岩倉剛は50歳になる誕生日の目前、捜査一課から所轄の南大田署に異動となる。 その直後に管内で独居老人が殺される事件が発生。 彼は、元交番勤務で同じく異動してきたばかりの後輩女性刑事・伊東彩香と共に事件の捜査に加わる。 一方、さらに管内では新聞記者の自殺が発覚し――。 行く先々で事件を呼ぶと言われるベテラン刑事。 アナザーフェイス・シリーズに次ぐ新たな警察小説の誕生! 週刊文春に連載され話題となった、待望の新作第一弾。
  • 卒業のための犯罪プラン
    4.1
    2024年第22回『このミステリーがすごい!』大賞文庫グランプリ受賞作! 「他人からの評価を可視化するアイデアをコンゲームのネタに使っているところがうまい。エンターテインメントとしてたいへんよくできている」大森 望(翻訳家・書評家) 「ユニークな設定、文章力、テンポもよくて一気読み。さまざまな人物が有機的に連なっていく過程も面白かった」瀧井朝世(ライター) 「軽妙ライトノベルタッチで展開するキャンパス・サスペンスで、キャラも立っているし呈示される設定もユニーク」香山二三郎(コラムニスト) ビジネスセンスを備えた人材の育成を目指す木津庭商科大学では、学食等での支払いのみならず、家賃の支払いや単位の売買にも使用できる「ポイント」を獲得するため、学生たちがしのぎを削っていた。そうした大学において、サークルとは、共通の趣味のために存在するのではなく、事業を行うために存在していた。 家庭の都合により、突如残り半年で卒業しなければならなくなった2年生の降町歩は、不正にポイントを稼ぐ者たちを摘発する「監査ゼミ」に所属する。家庭教師サークルを装いガールズバーを運営していると噂が出ているサークルに調査に行くが、逆に取り込まれ……。 単位は買ってでも取得しろ。大学卒業をかけた、一世一代の大仕掛け!
  • 生きとし生けるもの
    4.5
    テレビ東京で2024年5月6日ドラマ放送! 主演:妻夫木聡 渡辺謙 独り身の作家・成瀬翔は転移性肝臓がんによる余命宣告を受ける。 オペに抗がん剤、つらいだけの治療……。 一方、ある事情で外科から内科に移り、妻子とも別れた主治医の佐倉陸は、成瀬の苦しみを丸ごと受けとめる。 人は生きて死んで最後に何が残るのか。二人の人生をかけた最後の旅が始まる。 誰しもの胸を熱くする感動傑作!
  • 殺し屋、やってます。
    3.6
    「安心・安全のシステムで、殺し屋、やってます」 殺し屋が解く〈日常の謎シリーズ〉開幕 コンサルティング会社を営む男、富澤允。 彼には裏の仕事があった。 650万円の料金で人殺しを請け負う「殺し屋」だ。 依頼を受けたら引き受けられるかどうかを3日で判断。 引き受けた場合、原則2週間以内に実行する。 ビジネスライクに「仕事」をこなす富澤だが、標的の奇妙な行動が、どうにも気になる。 なぜこの女性は、深夜に公園で水筒の中身を捨てるのか? 独身のはずの男性は、なぜ紙おむつを買って帰るのか? 任務遂行に支障はないが、その謎を放ってはおけない。 殺し屋が解く日常の謎シリーズ、開幕です。 解説・細谷正充 ※この電子書籍は2017年1月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
  • 山に抱かれた家
    4.1
    海から山へ。大人気シリーズ新章開幕! 田舎暮らしの夢を叶えた父が遺してくれた「海が見える家」で暮らす文哉。旅の途中で山間にある畑付きの空き家を偶然見つけ、つき合いはじめた凪子と内覧に出かける。そこは野菜作りの師匠であった今は亡き幸吉の親友、猟師の市蔵の故郷だった。しかし文哉にとっては縁もゆかりもない土地で、限界集落でもある。それでも運命を感じた文哉は空き家を買い、古い家屋や長年休耕地だった畑に手を入れながらひとりで暮らしはじめる。自分で選んだ、さらなる田舎において、文哉の望む自給自足的な暮らしは果たして実現できるのか? ベストセラー「海が見える家」シリーズの新たな章がスタートする!
  • 転がる検事に苔むさず
    4.5
    窓際検事の逆転なるか! 夏の夜、若者が高架鉄道から転落し、猛スピードの車に衝突した。自殺か、他殺か。判断に迷う刑事課長は飲み友達の検事、久我周平に助けを求めた。出世レースから外れた久我は日の当たらぬ部署で罰金刑など軽めの事件ばかり扱う一方、遺体の検分には豊富な経験を持つ。久我は靴の傷に他者の関与を疑う。交番巡査、新人の女性検事とともに若者の身辺を探っていくと、海を超えての怪しげな高級外車の取引が浮かびあがった。法務検察内のパワーゲームにも巻き込まれながら、男の正体に迫っていく。窓際検事の逆転なるか。 ◎著者は、検察庁など司法を担当した現役新聞記者 ◎解説は元最高裁判事の甲斐中辰夫氏 ◎第3回警察小説大賞受賞作 真摯に正義を求める“生身の検事”がここにいる―――柚月裕子 氏激賞! ※この作品は単行本版『転がる検事に苔むさず』として配信されていた作品の文庫本版です。
  • 紙鑑定士の事件ファイル 紙とクイズと密室と
    3.8
    紙業界誌に掲載された〝紙人32面相の推理クイズ〟と、 現実に起きたという密室殺人事件との関係とは――? どんな紙でも見分けられる紙鑑定士・渡部は、懸賞目当てにクイズを解きながら様々な事件に巻き込まれる。 学習塾で起きたカンニング事件の真相とは? 「さわるときけん けがするで」物騒な怪文書を作った犯人は、どうやって密室の建物に忍び込んだ? 事件とクイズを解明していった渡部は、〝紙人32面相〟から協力を請われ、とある怪死事件の謎も解くことに……。
  • ゴースト・ポリス
    4.0
    エクソシストの交番警官、猟奇殺人犯を追う!  桐野哲也は東北大学法学部を卒業後、地方公務員採用で警察官となった。彼が仮配属された神奈川県藤沢市辻堂にある鳩裏交番は、おそろしい ほど美男の班長・小貫幸也をはじめ“ごんぞう――自主的窓際警官“ばかりが集まった交番で、緊急配備の連絡にさえ誰も反応しない。県警で厄介者扱いされている“ごんぞう”たちの好物は巡回連絡で、家に上がり込み世間話ばかりしている。その平穏を脅かすかのように湘南でホームレスばかりを狙った連続殺人事件が発生した。小貫と桐野は近隣住民の協力を得て、真相に辿り着くが…。  第一回警察小説大賞、満場一致の受賞作!  ベストセラー『教場』『震える牛』の著者と、その編集担当者が選んだ超大型新人! ※この作品は単行本版『ゴースト アンド ポリス GAP』として配信されていた作品の文庫本版です。
  • 結ぼれ
    4.0
    結ぼれ、絡みあい、こんがらがり、袋小路、支離滅裂、堂々めぐり、きずな――異才の精神科医が詩の言葉として書きつけた、人間を束縛する関係性の模様。「詩人」レインの原点たる寓話性に満ちた伝説の書。
  • 恩送り 泥濘の十手
    -
    消えた岡っ引きの父と、溺れ骸を結ぶ謎の器。 おまきは岡っ引きの父・利助を探していた。 火付けの下手人を追ったまま、行方知れずになっていたのだ。 手がかりは父が遺した、漆が塗られた謎の容れ物の蓋だけ――。 いったいどんな容れ物なのか? そして身はどこにあるのか? おまきは材木問屋の息子・亀吉、目の見えない少年・要の力を借りるが、なかなかもつれた糸は解けない。 そんなある日、大川に揚がった亡骸の袂から漆塗りの容れ物が見つかったと臨時廻り同心の飯倉から報せが入る。 しかし、なぜか蓋と身が取り違えられているという。 後に、父の遺した蓋と亡骸が遺した容れ物は一対だったと判るが……。 父は生きているのか、亡骸との繋がりは? 容れ物は誰のものなのか? おまきたちは、新しい手がかりをもとに下手人を探すべく、江戸の町を奔走する! 虚を突く真相に落涙する、第一回警察小説新人賞受賞作。 ※この作品は単行本版『恩送り 泥濘の十手』として配信されていた作品の文庫本版です。
  • コロナ漂流録 2022銃弾の行方【電子特典付き】
    4.0
    累計1080万部突破 『チーム・バチスタの栄光』シリーズ 厚労省の変人役人 vs 中抜きハイエナ!? コロナ三部作堂々の完結! 「コロナ三部作は、現実の事象をリンクさせつつフィクションでしかできないことをやってのけた」 鈴木エイト(ジャーナリスト・作家) (あらすじ) 2022年7月、新型コロナウイルスの新規感染者数は1日10万人を超えていた。その頃、東城大学医学部付属病院のホスピス病棟とコロナ病棟の責任者を兼務する田口公平は、医師のワークライフバランスを主張し、病棟に「効果性表示食品」を導入しようとする新任の中堅医師・洲崎洋平に手を焼いていた。田口は問題解決のための禁断の一手として、厚生労働省の白鳥圭輔を東城大に召喚するが……。 (著者プロフィール) 海堂尊 1961年、千葉県生まれ。作家、医師。第4回『このミステリーがすごい!』大賞を受賞し、2006年に『チーム・バチスタの栄光』で作家デビュー。著書は「桜宮サーガ」と呼ばれるシリーズを成し、本作および『コロナ黙示録 2020災厄の襲来』『コロナ狂騒録 2021五輪の饗宴』(以上、宝島社)も連なっている。他に、キューバ革命のゲバラとカストロを描いた「ポーラースター」シリーズ、北里柴三郎と森鷗外の確執を描いた『奏鳴曲 北里と鷗外』(ともに文藝春秋)などがある。
  • ロング・プレイス、ロング・タイム
    4.6
    超話題のタイムリープ×ミステリ×家族小説!  愛する夫ケリー、18歳のひとり息子トッドと、平凡で幸せな生活を送っていた離婚弁護士のジェン。10月30日に日付が変わったばかりの深夜、その人生が一変する。帰宅したトッドがジェンとケリーの目の前で、見知らぬ男性を刺し殺したのだ。トッドは逮捕され、呆然としながら眠りについたジェンが目覚めると、カレンダーは10月28日の朝に戻っていた。それ以降、ジェンは眠るたびに時間を遡っていく。やがて事態を把握したジェンは、何とかして息子の事件の原因を探り事前に食いとめようとする。自分の子育てや人生そのものに問題があったのではないかと思い悩みながら、時を遡って「2度目の今日」を体験していくジェンが最後に辿り着いたのは……。  リース・ウィザースプーンがブッククラブで激推し、NYタイムズ、サンデータイムズ等主要メディアのベストセラーリスト入り。「一気読み必至」「超ページターナー本」「主人公に共感!」と欧米で話題の、タイムリープ×ミステリ×家族小説! (底本 2024年3月発売作品)
  • 密航者
    3.7
    連続殺人事件の陪審員を務めたマリアは休暇を取って船の旅へ出る。ところが船上で次々と人が殺され、怪しい影がマリアに迫り……。
  • 捨てたい人 捨てたくない人
    3.4
    これは、捨てる! あれも、捨てる……? 溢れかえる洋服、本、フィギュア、溜め込んだカップ麺、レトルトカレー、非常食、密かに隠した写真に手紙……。他人事ではありません! 身内の身の回りを“断捨離”しようとする人たちの、右往左往に大共感の連作小説。 「捨てられない姉 捨てさせたい妹」 43歳・独身のトモコは引っ越しのため洋服を処分しようとするが、あれこれ思い出してなかなか進まない。14歳下の妹・マイ(元セレブ妻)は手伝わないくせに口は出し、どんどん捨てさせようとし、捨てる代わりに新しい洋服をプレゼントすると言う。 「息子の嫁の後始末」 息子の妻が突然、姿を消してしまった。彼女が残した荷物を整理するハメになったタダシは、ため息をつきながら、心でツッコミを入れながら、大小雑多な“ゴミ”と格闘するのであった。 「本好きとフィギュア好きの新居問題」 フィギュア好きの同僚・ヨシノリと結婚することになった、本好きのサエコ。2LDKの新居を決めたけれど、それぞれの本とフィギュアはある程度処分しないと、到底収まりそうにない。週末ごとに本を整理するサエコだったが、ヨシノリは作業している様子がまるでない。 「溜め込みすぎる母」 母に呼び出されて実家に帰ったトモミ。用件は大量に溜め込んだ食料品の整理だった。ミネラルウォーター、各種缶詰、レトルトカレー……極めつきは396個のカップ麺。トモミは母を説教したり機嫌を取ったりしながら、片っ端から片付ける。 「夫の部屋」 娘のナオミが中学受験の頃、アイコの夫の不倫疑惑が持ち上がった、それからもずっと疑惑が払拭されないまま60歳で退職した夫が検査入院することになった。ナオミはこの機会に父親の部屋に入って不倫の証拠を暴いてやろうと、アイコをけしかける。夫の部屋から出てきたのは……。
  • 板上に咲く MUNAKATA: Beyond Van Gogh
    4.2
    原田マハ3年ぶり長編アート小説がついに単行本に! 「ワぁ、ゴッホになるッ!」 1924年、画家への憧れを胸に裸一貫で青森から上京した棟方志功。 しかし、絵を教えてくれる師もおらず、画材を買うお金もなく、弱視のせいでモデルの身体の線を捉えられない棟方は、展覧会に出品するも落選し続ける日々。 そんな彼が辿り着いたのが木版画だった。彼の「板画」は革命の引き金となり、世界を変えていくーー。 墨を磨り支え続けた妻チヤの目線から、日本が誇るアーティスト棟方志功を描く。 感涙のアート小説。
  • ボストン図書館の推理作家
    3.0
    ハンナは作家志望のレオに助言を仰ぎ、四人の男女が図書館で起きた事件を追う推理小説を執筆していた。だがレオは暴走を始め……
  • 紅珊瑚の島に浜茄子が咲く
    -
    辻原登、髙樹のぶ子、角田光代の選考委員3氏の全会一致で選出された第15回日経小説大賞受賞作は、江戸時代後期の奥州を舞台に繰り広げられる極上の歴史ミステリー。 時は江戸時代後期、文化文政の世。遠州浜名藩主の四男、部屋住みの響四郎と町方の女房との根津権現での出会いから物語は始まる。互いに名も身分も明かさずひとつになり別れた。 響四郎は羽州新田藩に継嗣として迎えられることになっていた。外様とはいえ大藩である羽州藩支藩への異例の末期養子は、幕閣の出世頭である浜松藩主・水野忠邦の斡旋によるものだった。新田藩が預かる幕府直轄の島では、蝦夷地の花として知られる浜茄子が咲く。小藩とはいえ譜代の響四郎に白羽の矢が立ったのは、その秘密を探らせるためでもあった。 響四郎に江戸から付き従ってきた浜名藩士が、次々と島で不審の死を遂げる。沖合で見られる怪異現象がささやかれ、忍びや隠密が暗躍する島で何が起こっているのか。その真相が明らかになったとき、そして一夜の情事で刻まれた恋の行方は……。
  • サンドリヨンの扉
    -
    1巻1,980円 (税込)
    美しくも最凶の女刑事、爆誕! 事件は殴って解決、頭が切れて口達者!腕力無双、喧嘩上等のニューヒロイン!! 美しすぎる女子アナとして地元テレビ局で有名な広瀬愛理。彼女の挙式目前に起こった殺人事件。捜査を担当する友永は「狂犬」と呼ばれる女性刑事だった。
  • フェスタ
    4.8
    北海道浦河町で生産牧場を営む三上収、三上徹の親子。 パリ・ロンシャン競馬場で開催される世界最高峰の「凱旋門賞」の舞台で力を発揮できるのは、ステイゴールドの血統に違いない――と確信していた。 そう結論づけた収はその産駒であり、かつて凱旋門賞で二着となったナカヤマフェスタの種付けを続けていた。そうして収が自信を持って作り出した仔馬は、調教師・児玉健司の目に留まり、将来の可能性を信じた馬主の小森達之助に引き取られることに。 二歳となりカムナビと名付けられたかつての仔馬は、美浦の児玉厩舎に引き取られ、その気性の荒さから厩務員である小田島雅彦らに手を焼かせていた。 一進一退しながらも着々と結果を残していくカムナビ。 目指すは、日本競馬界の悲願である凱旋門賞制覇。 生産者、厩務員、調教師、馬主、ジョッキー……ホースマンたちの夢を一頭の競走馬に懸けた熱き物語。
  • 少年泉鏡花の明治奇談録
    値引きあり
    4.1
    【文豪・泉鏡花の少年時代を綴る、明治怪奇ミステリー!】 時は明治21年――。 古都・金沢で働く人力車夫の義信は、英語を学ぶために訪れた私塾で、寄宿生ながら英語を教える風変わりな美少年・泉鏡太郎(のちの泉鏡花)と出会う。 高い受講料に断念しようとする義信に、鏡太郎はあるものを提供することで受講料を免除にすると持ち掛ける。 それは”怪異の噂”を持ってくること。 義信は鏡太郎とともに明治の金沢で起こる不可解な噂の真相を調べに、様々な場所へと出かけることに。 お化けのでる武家屋敷、雨乞い後に必ず死ぬ巫女、金沢城跡に現れる幽霊など……はたして本物の怪異は存在するのか――? おばけ好きな偏屈美少年と人力車夫の青年による、明治怪奇ミステリー開幕!
  • 雪代教授の怪異学 魔を視る青年と六角屋敷の謎
    値引きあり
    4.3
    【教授の裏の仕事は、異形のモノを祓うこと―】 雪代宗司は星那多大学の客員教授であり幻想作家である。宗司はケガレを祓う力を持っており、そのケガレを利用して物語を綴っていた。大学一年生の宇佐見椎奈は、過去のある出来事から異形のモノを視ることができ、宗司のもとで助手のアルバイトをしている。 ある日、いわくつきの事故物件「六角屋敷」の噂を聞いた二人は、怪異の真相を確かめに向かうが――?
  • 君が残した365日
    値引きあり
    3.5
    幼馴染の和泉楓を亡くし、毎日を無気力に生きる僕、大野夕吾はあるとき無彩病を発症する。無彩病とは色彩が失われ、やがて死に至る病だが、僕は生まれつき色が見えないため、死ぬまでに一色ずつ見える色が増えていく。残された365日で、僕は楓が遺した「死ぬまでにやりたいことリスト」を1つずつ叶えることに。やがて視界の全てが色づいたとき……? 衝撃のラストに心が震え、景色が鮮やかに輝き出す、最高のラブストーリー!
  • 呪われ皇子と茶博士の娘 幻国後宮伝
    値引きあり
    4.0
    死を振りまく呪いの緋目を持つ、清香茶館の娘・朱梨は父と母、兄を目のせいで亡くしたと思い込んでいた。せめて茶館は守ろうとするも、養父に店を取られ、給金目当てに後宮に行かされる。朱梨は幻国の第一皇子・伯飛の前で茶を入れるが、傑女には選ばれなかった。が、その後、伯飛に茶を入れてほしいと言われて仮初めの妻になり、皇子のある秘密を知ってしまい――。後宮に巣くう怨霊退治に乗り出す呪われ皇子と娘の運命は……?
  • 月刊「潮」2024年4月号
    -
    1巻719円 (税込)
    月刊「潮」2024年4月号 主な内容 【特別企画】 若者たちの未来は 可能性に満ちている 村木風海 VS 向井千秋 「宇宙視点」で考えよう! 生命の神秘と地球の未来を。 室橋祐貴 VS 能條桃子 VS 河西宏一 青年世代が考える、この国の問題点と大人たちの責任。 坂本 達 人間の素晴らしさを思い知った自転車世界一周。 【特集】 3・11から13年 避難所に彩りを!ダンボールが繋いだ励ましの連鎖。 遠藤昭三 南相馬市の今――住民の健康を守る「絆一座」の復活。 鎌田 實 【特集】 「日本を変える」ヒント 小木曽麻里 VS 内田 舞  女性が働きやすい職場のほうがみんな幸せになれる! 今井紀明 VS 田原総一朗 「トー横」「グリ下」若者の孤独と困窮をどう支えるか。  【特集】池田大作第三代会長と月刊『潮』の63年。 【連載ドキュメンタリー企画】 民衆こそ王者 池田大作とその時代 道を開く人篇 (7) 【特別インタビュー】 ゴルバチョフと池田大作――今こそ求められる平和への遺訓。 副島英樹 能登半島地震――公明党はどう動いたか。 中川宏昌 【特集】 スポーツの“春”が来た! ≪特別対談≫ 塙 宣之 VS 門脇 誠 こんなに違う!ダバディが見た日仏スポーツ事情。 フローラン・ダバディ 【特集】 世界に平和を広げゆく「先駆」の福岡 「シルクロード 仏の道をゆく」法華経と我が人生を語る。 安部龍太郎 一人一人のドラマが大きなうねりとなった「五万人の第九」。 塩田明弘 性的マイノリティの人権を確立した公明党県議の戦い。 星乃治彦 人口減少を乗り越える多文化共生の社会へ。 酒井順一郎 “サダコの折り鶴”――「核なき世界」の構築へ。 佐々木雅弘 【好評連載】 世界への扉 三浦瑠麗/トクサンの「人間野球」日誌(最終回) トクサン/他 その他
  • 裁判官 三淵嘉子の生涯
    4.0
    1巻829円 (税込)
    2024年ドラマ主人公のモデル「三淵嘉子」。 日本史上、女性で初めて法曹の世界に飛び込んだ 彼女の人生を綴った長編小説。 嘉子は、明治大学専門部女子部で学び、日本初の女性弁護士の一人となる。 世間からも注目をされていたが、戦争に突入する時代に弁護士となった嘉子は、 活躍の場を得られないまま終戦を迎える。 戦争で全てを失った彼女に残されたのは、かつて学んだ法律の知識だけだった。 多くの困難を乗り越え、念願の裁判官に就任した嘉子と彼女を慕う仲間たちは、 苦境から抜け出せない人々を救うために、政治の力だけでは解決できない 問題に向き合っていく。
  • 死にたがりの君に贈る物語
    4.5
    全国に熱狂的なファンを持つ、謎に包まれた小説家・ミマサカリオリの訃報が、人気シリーズの完結目前に発表された。同時に作品は批判に晒され、さらに作家に心酔していた高校生・純恋が後追い自殺を図る。未遂に終わったが「完結編が読めないなら生きる意味がない」と語る純恋。やがて山中の廃校に純恋を含む作品のファン、七人の男女が集まった。小説をなぞる生活をし、結末を探ろうとしたのだが、ありえない事件が起きて――。
  • ぐるぐる、和菓子
    4.3
    ランチの煮魚を食べながら、その作り方を科学的に検証してしまうほどの理系大学生・涼太。変わり者の彼が出会ったのは、あまりに美しい和菓子だった。そのおいしさにも魅せられた涼太は、大学院に進まず和菓子職人になることを決意して製菓専門学校へ。個性豊かな仲間とともに和菓子作りにのめり込むが、餡子ひとつとっても一筋縄ではいかず――和菓子の魅力あふれる、温かくて心においしい物語。【解説/坂木司】
  • 花屋さんが言うことには
    4.0
    24歳、ブラック企業勤務。身も心も疲れ果てていた紀久子が深夜のファミレスで出会ったのは、外島李多と名乗る女性だった。彼女は「川原崎花店」という花屋さんを駅前で営んでいるらしく、酔っぱらった勢いで働くことに。 やたらカレー作りがうまい青年や、おしゃべり好きの元教師、全体的に適当な李多。バラエティに富んだ従業員と色とりどりのお花に囲まれながら、徐々に花屋さんの仕事に慣れていくが――。
  • 掌編 源氏物語
    -
    1巻1,239円 (税込)
    2024年、大河ドラマの主人公・紫式部が紡いだ長編物語『源氏物語』 全54帖の華麗にして深遠な世界を一冊に凝縮! わが国最古の長編小説といわれる『源氏物語』。 本書はそんな『源氏物語』全部54帖を円熟の歌人・馬場あき子が、 歌人ならではの深い洞察力と感性から掌編として紡ぎ出し、 『源氏物語』を充分に堪能できる一書! 加えて本書には、香老舗 松栄堂提供による京都画壇で活躍する日本画家54名が、 『源氏物語』各帖をテーマに描き出した美しいカラーの挿絵を配しており、 気品に満ちた文章と華麗なる日本画によって、より一層『源氏物語』の深遠な世界観を 愉しめるものに。 巻末には、文庫化のための著者による「あとがき」も新たに収録。 本書は『源氏物語』に初めてふれる方から、改めて読み直そうという方まで、 あらゆる読者に充分に満足いただけるお薦めの一冊。
  • うらはぐさ風土記
    3.8
    30年ぶりにアメリカから帰国し、武蔵野の一角・うらはぐさ地区の伯父の家にひとり住むことになった大学教員の沙希。 そこで出会ったのは、伯父の友人で庭仕事に詳しい秋葉原さんをはじめとする、一風変わった多様な人々だった。 コロナ下で紡がれる人と人とのゆるやかなつながり、町なかの四季やおいしいごはんを瑞々しく描く物語。
  • 殺める女神の島
    3.5
    リゾートアイランドに集められた、外見と内面の美を競い合うコンテストの最終候補者。メンバーは女子高生モデル、経営者、小説家、医師、シェフ、インフルエンサー、大学院生の七人。これから二週間、互いを知りながら、高め合いながら、助け合いながら、最終選考の準備を行う。その日々を見守ってグランプリを決めるはずだった主催者が、二日目の朝、瀕死で見つかった。次々と殺人が起きるなか、巧妙に隠された参加者たちの「嘘」も明らかになっていく――。この中で、一番嘘つきの殺人鬼は誰? 最高に後味の悪いイヤミス長編!
  • 1面、降版します 特命記者の事件簿
    -
    「他社にネタを流している裏切り者を探せ」。 全国紙の毎朝経済新聞で見出しとレイアウトを担当する整理記者、藤崎桃果に下ったまさかの密命。桃果は取材記者1年目に起こした誤報記事が原因で、整理部に「左遷」されていた。すっかりやる気を無くしてしまい、転職活動に夢中になっていた桃果だったが、編集局ナンバーツーの権座に呼び出され、裏切り者探しを始めることに。裏切り者を特定できた暁には、取材記者として返り咲けることを約束された。 もともと競合する2社が合併してできたこの新聞社では、派閥争いが続いていた。怨嗟、嫉妬、陰謀が渦巻く社内で、桃果がたどり着いた衝撃の真実とは? どんでん返しの連続の新聞記者小説。
  • 蜘蛛の巣の罠(上)
    -
    サーガに届く謎の小包。 醒めぬ悪夢が始まる。  ユレック・ヴァルテルという凶悪な殺人鬼との闘いは、ヨーナ・リンナとサーガ・バウエルの捜査によって終止符が打たれた──はずだった。心に深い傷を負って療養するサーガのもとに、連続殺人をほのめかす絵葉書が届くまでは。「ヨーナを救えるのはきみしかいない」。署名は「ユレック・ヴァルテル」のアナグラム。その葉書をサーガが受け取ってから三年が過ぎたある日、国家警察長官マルゴット・シルヴェルマンが突如失踪、後日遺体で発見される。現場には葉書の記述どおり残された純白の薬莢。それは新たな殺人鬼が練りあげた計画の始まりを告げる声だった……
  • 後宮の不憫妃 転生したら皇帝に“猫”可愛がりされてます
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    初恋の皇帝に嫁いだところ、彼に疎まれ毒殺されてしまった翠花。気が付くと、彼女は猫になっていた! しかも、いたのは死んでから数年後の後宮。焦る翠花だったが、あっさり皇帝に見つかり彼に飼われることになる。幼い頃のあだ名である「スイ」という名前を付けられ、これでもかというほど甘やかされる日々。冷たかった彼の豹変に戸惑う翠花だったが、仕方なく近くにいるうちに彼が寂しげなことに気づく。どうやら皇帝のひどい態度には事情があり、彼は翠花を失ったことに傷ついているようで――
  • ある夜、ぼくはガモラに出会った
    -
    1巻275円 (税込)
    ある夜、何者かに誘われるようにして、その海へ海釣りに出かけた少年は、その夜、ガモラに出会う。幻想と現実の狭間を行き交う中で、少年はガモラに象徴される海の危機、人間社会の危機を悟るのだった――。

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  • 文藝MAGAZINE文戯24 2024 Winter
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  • あやかし旅籠 ちょっぴり不思議なお宿の広報担当になりました
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    動画配信で生計を立てている小夏。ある日彼女は、イケメンあやかし主人・糸が営む、あやかし専門の旅籠に迷い込む。糸によると、旅籠の経営状況は厳しく、廃業寸前とのことだった。山菜を使った薬膳料理、薪風呂、癒しオーラ全開のイケメン主人……たくさん魅力があるのだから、絶対に人気になる。そう確信した小夏は、あやかし達に向けた動画を作り、旅籠を盛り上げることを決意。工夫を凝らした動画で宿はどんどん繁盛していき、やがて二人の関係にも変化が――
  • 京都式神様のおでん屋さん
    4.0
    京都の路地にあるおでん屋『結(むすび)』。その小さくも温かな店を営むのは、猫に生まれ変わった安倍晴明と、イケメンの姿をした二体の式神だった。常連に囲まれ、お店は順調。しかし、彼らはただ美味しいおでんを提供するだけではない。その傍らで陰陽道を用いて、未練があるせいで現世に留まる魂を成仏させていた。今日もまた、そんな魂が救いを求めて、晴明たちのもとを訪れる――。おでんで身体を、陰陽道で心を癒す、京都ほっこりあやかし物語!
  • 怠け狐に傾国の美女とか無理ですから! 妖狐後宮演義
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    主神によって、地上に降り増長した国を滅ぼすよう命じられた、ぐうたらな狐の従属神・末喜。渋々とお仕事に取りかかろうとしていた彼女は地上で滅ぼすべき国・夏の王子である癸と出会い、なんと一目惚れをされてしまう。一度は彼を撒き、夏の後宮へ潜り込んで国を滅ぼす算段を立てていた末喜だが、その後も何かと癸に関わるはめになったり、夏の大王の寵姫として我が物顔に振舞う従属神・妲己と争ったりする間に計画はあらぬ方向へ向かい……異彩の中華ファンタジー、開幕!
  • 大正あやかし契約婚 帝都もののけ屋敷と異能の花嫁
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    時は大正。あやかしが見える志乃は親を亡くし、親戚の家で孤立していた。そんなある日、志乃は引き立て役として生まれて初めて出席した夜会で、由緒正しき華族の橘家の一人息子・桜虎(おうこ)に突然求婚される。彼は絶世の美男子として名を馳せるが、同時に奇妙な噂が絶えない人物で――警戒する志乃に桜虎は、志乃がとある「条件」を満たしているから妻に選んだのだ、と告げる。愛のない結婚だと理解して彼に嫁いだ志乃だったが、冷徹なはずの桜虎との生活は予想外に甘くて……!?
  • 神さまお宿、あやかしたちとおもてなし  ~鈴の恋する女将修業~
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    あやかしと人間が共存する天河村。就職活動がうまくいかなかった大江鈴は不本意ながら実家に帰ってきた。地元で心が安らぐ場所は、祖母が営む温泉宿『いぬがみ湯』だけ。しかし、とある出来事をきっかけに鈴が女将の代理を務めることに。宿で途方に暮れていると、ふさふさの尻尾と耳を持つ見目麗しい男性が現れた。なんと彼は村の守り神である白狼『白妙さま』らしい。「ここは神たちが、泊まりにくるための宿なんだ」突然のことに驚く鈴だったが、白妙さまにさらなる衝撃の事実を告げられて――!? 心も身体も癒す、胸キュンあやかしファンタジー開幕!
  • 蛇神様の不都合な運命
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    「あたしはお姫様じゃない。『運命の番』にも選ばれなかった……」 天ツ国から追放された沙彩と蛇喰。 番(つがい)という絆がないふたりが選び取る答えとは――? 神様×人間の恋愛ファンタジー第二弾! 序章 一章 二章 三章 四章 五章 六章 終章 ■著者 御守いちる(みもり・いちる) 2016年『お前を、祝ってやろうか!?』で第5回講談社ラノベ文庫新人賞の佳作を受賞し、作家デビュー。2018年第1回小説家になろう×スターツ出版文庫大賞で『あやかし食堂の思い出料理帖』がほっこり人情部門を受賞。 著書に『白龍神と月下後宮の生贄姫』(スターツ出版)、『鬼束くんと神様のケーキ』(アルファポリス)、『狼様の運命の花嫁』(マイナビ出版)などがある。 ■イラストレーター 白谷ゆう(しろや・ゆう)
  • 期間限定皇后
    -
    君との約束を、必ず守る 都でやり手の商人として勤しんでいたら、スカウトされて皇后に!? 蕣の統明帝が迎えた皇后――は仮の姿、梁青蓮は国家の窮状を救うため強制採用されたやり手の「牙人」。見た目はいいのにどこかのほほんとした統明帝と側近だけが正体を知る中、青蓮は持ち前の商賈としての閃きで国庫を立て直してゆく。しかしこの危機の裏には思わぬ陰謀が潜んでいて!? 役目を終えたら放免という約束で引き受けたのに、青蓮はいつしか自らの意思で統明帝の力になりたいと思っている自分に気づき…。 SNC・装画
  • 小林一茶
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    誰にでもわかる言葉、細やかな心理描写……近代俳句は一茶からはじまる。生涯で詠んだ約二万句から百句を精選し、俳人・長谷川櫂が解説を付す。波乱に満ちた人生に沿いながら見えてくる「新しい一茶」像。
  • 平家物語 1
    4.0
    1~4巻880円 (税込)
    混迷を深める政治、相次ぐ災害、そして戦争へ──。栄華を極める平清盛を中心に展開する諸行無常のエンターテインメント巨篇を、圧倒的な語りで完全新訳。文庫オリジナル「後白河抄」収録。
  • 崎義一の優雅なる生活 愛しきリインカーネーション【電子特典付き】
    3.0
    「タクミくん」シリーズに続く、大人になったギイとタクミの物語! 容姿端麗、頭脳明晰、莫大な個人資産を有しながら 29歳にしてすべての仕事をリタイアし、日本にやってきた崎義一、通称・ギイ。 晴れて最愛の恋人・託生と甘い同居生活を送っている。 桐嶺学園高校で新卒の音楽教師の無断欠勤が続き OB繋がりの託生が授業と吹奏楽部の指導を代理で行うことになった。 そこへ、加々見タケルという名の優秀な生徒が編入してきて……。 累計500万部突破「タクミくんシリーズ」に連なる新たな物語! 大人気シリーズ第6弾! ※電子書籍版特典として、直筆コメント&サインを収録しています。
  • ニャンダフル! 100名言
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    1巻1,320円 (税込)
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 おもしろネコ写真×古今東西の名言集。迷ったとき、悩んだとき、ネコが教えてくれる! 古今東西の「名言」を面白ネコ写真と組み合わせた、マイナス思考に陥りがちな現代人にとって、明日を生き抜くためのヒントが満載のフォトブック。 投稿誌『ネコまる』に寄せられた傑作ネコ写真は、癒され効果も抜群です。
  • ありがとう 猫が贈ることば
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    1巻1,320円 (税込)
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 猫は人生の師匠。猫のように生きよう。 媚びない、欲望に正直、休みたい時は休む、年をとってもずっと可愛い……、そんな猫のように生きたい! と願う人々に向けて、猫が贈ることばを集めたメッセージ・フォトブック。 「ありがとう」「お疲れさま」「あせらない」「ずっといっしょ」など、テーマ別に描くメッセージをお届けします。その日の気分でページを開けば、ハッとさせられたりホッと癒されたり、元気をもらえること間違いなしです。 著者プロフィール / 新美 敬子(にいみ けいこ) 1962年生まれ。犬猫写真家。20年以上に渡り、世界中の猫や犬と人の温もりあふれる写真を撮り続けている。『旅猫』(講談社)、『職業犬猫写真家』(日本カメラ社)、『すて猫カテキン』(河出書房新社)、『マルタの猫』(河出書房新社)ほか、著書多数。
  • 殺人は太陽の下で フロリダ・シニア探偵クラブ
    3.3
    平和な高齢者向け住宅で起きた事件に、4人の元刑事が挑む! 刑事魂に火はつくのか!? Amazon.com編集者が選ぶ、この1冊!(2022年3月) 元ロンドン市警刑事で、過去の潜入捜査のせいでパニック障害に悩む58歳のモイラは穏やかな生活を送ろうとフロリダの高齢者向け高級住宅に家を購入するが、ある早朝、敷地内で若い女性の遺体を発見する。警察に通報したものの、発作のせいでふらふらしていると警官に続いてやってきたのはフィリップという隣人だった。元刑事で71歳のフィリップは殺人事件と聞いていても立ってもいられず現場に押しかけてきたのだが、元麻薬捜査官リックと元科学捜査官の妻リジーも巻き込んで、4人は高齢者の話には耳も貸してくれない警察を尻目に独自の調査を開始する……。
  • 魚を抱いて 私の中の映画とドラマ
    4.0
    1巻1,650円 (税込)
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 約束をすべて果たして水になる今ほんとうにあなたに会えた 『ビッグ・フィッシュ』より 忘れられないとびきりの映画とドラマについて、歌人・東直子が短歌と絵を添えて心で観た世界を綴るエッセイ集。 33本の映像作品、22点のイラスト、41首の短歌を収録! 花を掬うように魚を手のひらに ひとときの芯したたるばかり 『火の魚』より 風がふいてふりかえったらもういない君は花びらそのものだから 『パリ・テキサス』より うつくしい一瞬だけでよかったの 川を流れてゆく柩たち 『いつか読書する日』より 映画やドラマに触発されて作った短歌は、その細部を新しく記憶でき、自分の感覚をまじえてその世界を胸にしまっておけるような気がします。さらに、映像として体験した世界を、そこに生きている人をいとおしく思い、讃えるような気持ちで絵を描きました。 ――「はじめに」より 目次より はじめに 『火の魚』         本のめぐりを生きる緋 『2001年宇宙の旅』     未来を見る未来 『アンという名の少女』   フェミニストとしてのアン 『耳に残るは君の歌声』   忘れないで、でも、忘れて 『野のなななのか』    「やさしさ」のための遺言 『ビッグ・フィッシュ』   ありったけの愉快な嘘を 『山の郵便配達』      見たことのない懐かしい道 『すいか』         居てもいい場所で、生きる 『はちどり』        14歳、意志の火をともす。 『平清盛』          ひたむきに夢みた海の都 『パリ、テキサス』     砂地をつらぬく長い道 『トニー滝谷』       あなたに足りないものはなに? 『過去のない男』      人生は後ろには進まない 『あのこは貴族』      窓を見る、ドアを開く 『リリーのすべて』     身体の奥から生まれた願い 『あまちゃん』       一人残らず好きになる 『サイダーハウス・ルール』 生きていくための儀式 『スナック キズツキ』    ノンアルコールスナックの自由 『友だちのうちはどこ?』   ジグザグ道に希望を託して 『歩いても 歩いても』    確かに生きていた 『いつか読書する日』    長い長い階段と恋 光の名前 ~映画短歌~ 『81/2』   『地球は女で回ってる』 『あ、春』 『富江』 『夢』  『日の名残り』 『火火』 『ミス・ポター』 『転々』   『アダムス・ファミリー2』   『オアシス』  『バベットの晩餐会』 著者紹介 東直子(ひがし・なおこ)著 歌人・作家・イラストレーター。1996年歌壇賞受賞。歌集に『春原さんのリコーダー』『青卵』など。小説に『とりつくしま』『さようなら窓』『階段にパレット』ほか。2016年『いとの森の家』で第31回坪田譲治文学賞受賞。
  • たった1日もキミを愛さなかった日はない
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    ★★韓国で10万部突破! チェ・シウォン(SUPER JUNIOR)など韓国著名人が絶賛!! キム・ジェシク翻訳作品第2弾★★ 泣かせるのは愛だけど、 笑顔にするのも愛だから、 私たちはまた愛を始めなくちゃならない。 キム・ジェシク 翻訳は『大丈夫じゃないのに大丈夫なふりをした』『いい人にだけいい人でいればいい』の藤田麗子が担当。イラストは、高田真弓による描き下ろし。 忘れられない愛を忘れるための117のメッセージ。 《目次》 第1章 迷子のように 第2章 恋が近づいてきたとき 第3章 キミじゃなきゃダメな気がして 第4章 もうすぐ懐かしくなる季節 第5章 こらえていた涙があふれ出した 第6章 愛が遠ざかっていく小さなサイン 第7章 キミは沈まない月 第8章 生きるために知っておきたいこと
  • 源氏物語 紫の結び 一
    3.8
    1~7巻1,760円 (税込)
    死んだ母に似ているという、父の新しい妃に対する思慕。山里で源氏は、その妃の面影を持つ少女を垣間みます。紫の上との出会いでした。
  • 遠い波濤 忘じがたき日本人の肖像
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    1巻1,760円 (税込)
    千葉県・南房総の「仲良し4人組」は、長じて第一次世界大戦やシベリア出兵、米騒動、農村の疲弊と飢餓、上海事変など、歴史の大波に洗われながら、数奇な運命の糸にあやつられていく。 大正から昭和に至る激動の近代日本の歩みに重ねながら、幼馴染み4人の友情と慟哭、その生と死の物語をたどる。先達たちの「魂の軌跡」を壮大なスケールで描く歴史小説巨編。 聖なるものが薄れ、あてどなく漂流する21世紀。羅針盤を失いがちな、すべての日本人に問う。 ※通常版と電子書籍版では一部の記載が異なります。

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